JP2011129110A - ハーフミラー調タッチセンサー - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のハーフミラー調を呈するタッチセンサーに比べ、電極部との絶縁に配慮する必要がないため簡略な構成で意匠性に優れ、また、表面性も良好なハーフミラー調タッチセンサーを提供する。
【解決手段】(1)保護膜1、多層フィルム2、基板3、導電膜4、または、(2)保護膜1、多層フィルム2、導電膜4、基板3の順で各構成が配置されたタッチセンサーであって、該多層フィルム2は、層厚みが10nm〜500nmの範囲にある樹脂A層と樹脂B層を交互に50層以上積層した構造からなり、多層フィルムの波長400〜700nmの平均反射率が10〜75%であり、10cm四方の領域内における粒径50μm以上の粗大異物の数が20個以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、2種の熱可塑性樹脂を交互に積層したハーフミラー調の積層フィルムを用いたタッチセンサーに関するものである。
近年、触れるだけで動作する液晶表示部のタッチパネルやその額縁に配置されたタッチスイッチ、さらにはタッチパッドなどのタッチセンサーの需要が伸びている。従来から、コピー機、ATM、FA機器、駅の券売機の一部で利用されていたが、最近では、その利便性から小型のPDA(携帯電話やスマートフォンも含む)から大型の液晶モニターまでタッチセンサーが搭載されようになってきた。タッチセンサーの方式は、超音波方式、静電容量方式、光方式、接触抵抗膜方式があるが、導電膜を利用するのは、静電容量方式と抵抗膜方式である。いずれも、パネル、スイッチおよびパッドの表面の一部を指などで触れることで、電気的に位置を特定して、情報を入力するものである。近年のタッチセンサーは、多点同時検出のマルチタッチ機能、タッチ寿命、反応速度や分解能の面で優れている静電容量方式が主流になりつつある。
最近、タッチパネル、タッチスイッチ、タッチパッド周辺部にハーフミラー調の意匠性のニーズが高まっている。しかしながら、従来技術では、金属光沢感のあるハーフミラー調を演出するためには、蒸着、メッキや印刷などの手法による金属を用いた半透過膜を用いていたため、タッチ面である保護膜と導電膜の間には、この半透過膜の設置が出来なかった。これは、指の位置を検出する導電膜の上に金属層を配置すると、タッチセンサーの検出部の電界分布を乱してしまい、誤作動の原因となるからである。これらについての対策が種々提案されている。
例えば、タッチパネルにおいて、誤作動を回避するために、加飾層にハーフミラー調金属層が付与された意匠フィルムを透明電極部(導電膜)の下側に配置していた。ここでの意匠フィルムは、アイコンシートとも呼ばれ、ハードコート層/PETあるいはPMMA基材/加飾層(印刷層も含む)の構成をとり、一般的には、パネルの最表面に貼り合わせるものである。ここでハードコート層/基材が、導電膜と金属層の絶縁をとる役割を果たす。しかしながら、ハーフミラー調金属層が電極部の下側に配置されるため、液晶ディスプレイ(LCD)の非表示状態で、外光が導電膜で反射して、印刷層のデザイン性を視認し難かったり、LCDの表示状態においても、加飾層である金属や印刷の色素の吸収や拡散によりLCDからの透過光が暗かったり、印字がぼけたり、鮮明な意匠性を付与することができなかった。その他、金属層と印刷層との接着性や下側配置という構成の複雑さに問題があった。(特許文献1、特許文献2)
近年、ハーフミラー調の意匠フィルムとして、光の吸収・拡散効果が殆どない異なる屈折率の樹脂層を交互に100層以上積層した多層フィルムが登場したが、その光沢感(反射率の高さ)のために従来の基材フィルムに比べて、不純物、未溶融物や擦り傷などの表面の異物欠点や干渉縞が認識されやすいため外観不良の問題が発生していた。また、印刷層と多層フィルムの密着性にも問題があったため、タッチセンサーの意匠用途には適用が難しかった(特許文献3)。
特開2001−195186公報(第2頁) 特開2006−344163公報(第2項) 特開2009−143225公報(第2頁)
本発明の課題とするところは、従来のハーフミラー調を呈するタッチセンサーに比べて、タッチ面と導電膜の間にハーフミラー層を設置することができるため意匠性に優れ、そのため構成が簡略化でき、また、外観が良好なハーフミラー調タッチセンサーを提供する。
係る課題を解決するため、本発明は次のような構成をとり、また、種々の好ましい態様をとる。すなわち、本発明の要旨とするところは、(1)保護膜、多層フィルム、基板、導電膜がこの順で配置され、または、(2)保護膜、多層フィルム、導電膜、基板がこの順で配置されたタッチセンサーであって、該多層フィルムは、層厚みが10nm〜500nmの範囲にある樹脂A層と樹脂B層とが交互に50層以上積層された構造を有し、該多層フィルムの波長400〜700nmの平均反射率が10〜75%であり、かつ、10cm四方の領域内における粒径50μm以上の粗大異物の数が20個以下であることを特徴とするハーフミラー調タッチセンサー、である。
本発明は、従来のハーフミラー調のタッチセンサーに比べて、設計自由度が高く、ハーフミラー調を用いた意匠性に優れている。また、印刷層と多層フィルムの耐湿熱接着性に優れ、さらに、タッチパネルやタッチスイッチ、パッドの構成を簡略化することができる。
本発明のハーフミラー調タッチセンサーの態様を説明する概略断面図である。 多層フィルムを得る装置の要部を説明する図である。 多層フィルムの層厚みプロファイルの例を示す図である。 従来のハーフミラー調タッチセンサーの概略断面図である。 偏光板を設置したバックライト上での静電容量式ハーフミラー調タッチセンサーの虹色検査を説明する図である。
本発明であるハーフミラー調タッチセンサーは、(1)保護膜、多層フィルム、基板、導電膜がこの順で配置され、または、(2)保護膜、多層フィルム、導電膜、基板がこの順で配置されたタッチセンサーであって、該多層フィルムは、層厚みが10nm〜500nmの範囲にある樹脂A層と樹脂B層とが交互に50層以上積層された構造を有し、該多層フィルムの波長400〜700nmの平均反射率が10〜75%であり、かつ、10cm四方の領域内における粒径50μm以上の粗大異物の数が20個以下であることが必要である。
本発明のハーフミラー調タッチセンサーは、外観がハーフミラー調(半透過)の機能を有したタッチセンサーである。ここでのハーフミラー調とは、タッチセンサーの基板側からの光に対して透過性があり、一方、外部からの光に対して、光沢感をもつことである。さらに詳しくは、基板側に液晶パネルがある場合、点灯時は液晶パネル上の文字などが認識できるが、消灯時は、高い光沢感をもち、多層フィルムより基板側の内部の様子が殆ど見えない特徴をもつ。
図1に本発明のハーフミラー調タッチセンサーの断面を記す。指が触れるタッチ面側から図1(a)保護膜1/多層フィルム2/基板3/導電膜4または図1(b)保護膜1/多層フィルム2/導電膜4/基板3の順で構成されたものである。また、導電膜4に取り付けられた電極とタッチセンサー検出回路5が繋がり、指で触れた位置情報を特定する。タッチセンサー検出回路5は、導電膜4の電極に接続されており、基板3上に設置されていたり、別のプリント基板に設置されている。(a)の構成は、主に接触抵抗膜式のタッチパネル用途、(b)は、静電容量式のタッチパネル、タッチスイッチやタッチパッド用途に用いる際のタッチセンサーの構成として用いることができる。また、さらに意匠性を付与するには、保護膜の外側または各構成の間にさらに印刷層を設けることが好ましく、例えば、図1(c)保護膜1/多層フィルム2/印刷層6/基板3/導電膜4、または、図1(d)保護膜1/多層フィルム2/印刷層6/導電膜4/基板3の順で構成された構成が好ましい。これらは、接着剤を介して、もしくは、物理的に直接接合していてもよい。図1(b)の多層フィルム2を従来の半透過の金属層に置き換えたときの従来のハーフミラー調タッチセンサーの構成を図4に示す。保護膜1/導電膜4/絶縁層24/半透過の金属層23/基板3の構成となる。絶縁層24は、透明性プラスチックが好ましく、保護膜と同様の材料を用いることができる。半透過の金属層23は、導電膜4やその電極との絶縁は必須であり、さらに支持体としての基板3上に形成される必要があるため、全体構成としては、もとの図1(b)に比べて工程が複雑になる。
ここでの保護膜とは、透明性をもった絶縁物であり、多層フィルムをキズなどから保護することができる。透明性としては、光線透過率が30%以上あることが好ましい。30%未満であると多層フィルムのハーフミラー調の外観を損なうためである。より好ましくは、50%以上である。さらに好ましくは、85%以上である。保護膜は、用途や要求触感に応じて種々選択される。保護膜は、強度を要する場合は、厚みが0.2〜3mm程度のガラス板やプラスチックシートであることが好ましく、押し圧性などが求められる場合は、厚みが0.2mm以下のプラスチックフィルムやハードコート層であることが好ましい。本発明のプラスチックとしては、硬化性樹脂や熱可塑性樹脂がある。硬化性樹脂としては、例えば、光硬化型としては、メタクリル樹脂、光硬化型ポリクロロビフェニール、脂環エポキシ樹脂、光カチオン重合開始剤、アクリレート系樹脂(Si、F含有)、光ラジカル、重合開始剤、フッ素化ポリイミドなどを用いることができる。また、熱硬化型としては、架橋剤が含まれたエポキシ、フェノール、ウレタン、アクリル、ポリエステル系などの如何なる樹脂であっても良い。膜を構成する樹脂は単一の高分子からなる場合であっても混合物であっても良い。
本発明の保護膜がハードコート層である際は、セラミックや硬化性樹脂を用いる。前者は、余り厚すぎると、押し圧性に弊害がでるため、0.05〜1μmが好ましい。後者は、余り厚みが厚すぎると硬化しないため、厚みは1〜10μmが好ましい。より好ましくは、2〜7μmである。
ハードコート層を形成するセラミックスとして好ましいものは、透明金属または透明非金属酸化物であり、特にSiOが好ましい。ハードコート層を形成する樹脂として好ましいものは、カールし難く、且つ基材との密着性が良いものが必要となり、低収縮のウレタンアクリレート、エポキシ化合物が挙げられる。ウレタンアクリレートとして具体的には、共栄社化学社製のAT−600、UA−101l、UF−8001、UF−8003等、日本合成化学社製のUV7550B、UV−7600B等、新中村化学社製のU−2PPA、UA−NDP等、ダイセルユーシービー社製のEbecryl−270、Ebecryl−284、Ebecryl−264、Ebecryl−9260等、或いは、エポキシ化合物として具体的には、ダイセル化学工業社製のEHPE3150、GT300、GT400、セロキサイド2021等、ナガセケムテック社製のEX−321、EX−411、EX−622等を挙げることができる。しかし、これに限定されない。また、より高硬度を達成できるウレタンアクリレートの内、ウレタンアクリレート系オリゴマー、モノマーは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。具体的には、共栄社化学社製のUA−306H、UA−306T、UA−306l等、日本合成化学社製のUV−1700B、UV−6300B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7640B、UV−7650B等、新中村化学社製のU−4HA、U−6HA、UA−100H、U−6LPA、U−15HA、UA−32P、U−324A等、ダイセルユーシービー社製のEbecryl−1290、Ebecryl−1290K、Ebecryl−5129等、根上工業社製のUN−3220HA、UN−3220HB、UN−3220HC、UN−3220HS等を挙げることができる。しかし、これに限定されない。
前記ラジカル重合性化合物やカチオン重合性化合物は、それぞれ単独に用いても、2種類以上混合して用いても良い。
また、紫外線照射により架橋する樹脂を使用する場合は、光ラジカル重合開始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α−ヒドロキシケトン類、ベンジルメチルケタール類、α―アミノケトン類、ビスアシルフォスフィンオキサイド類等を単独或いは混合して用いる。具体的には、チバスペシャリティケミカルズ社製のIrgacure184、Irgacure651、Darocure1173、Irgacure907、Irgacure369、Irgacure819、DarocureTPO等を挙げることができる。光カチオン重合開始剤としては、紫外線照射でルイス酸等のカチオン重合触媒を生成するものであれば特に限定されない。例えば、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルフォニウム塩等のオニウム塩を用いることができる。具体的には、アリールジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、アリールジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート、アリールジアゾニウムテトラフルオロボレート、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ジアリールヨードニウムテトラフルオロボレート、トリアリールスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリアリールスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリアリールスルフォニウムテトラフルオロボレート等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を混合しても良い。
光カチオン重合開始剤として具体的には、市販の光カチオン開始剤を使用してもよい。例えば、ユニオンカーバイド社製のUVI−6990、ダウケミカル日本社製のUVI−6992、ダイセルUCB社製のUvacure1591、旭電化社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−170、みどり化学社製のDPI−101、DPI−105、MPI−103、MPI−105、BBI−101、BBI−103、BBI−105、TPS−102、TPS−103、TPS−105、MDS−103、MDS−105、DTS−102、DTS−103、チバスペシャリティケミカルズ社製のIrgacure250等が挙げられる。
本発明に用いるイソシアネート類は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するもの、例えばジイソシアネート類には、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアソート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニルプロパンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、及びこれらの異性体、アルキル置換体、ハロゲン化物、ベンゼン環への水素添加物等が使用できる。さらに、3個のイソシアネート基を有するトリイソシアネート類、4個のイソシアネート基を有するテトライソシアネート類等を使用することもでき、これらを併用することもできる。これらのなかでは、耐熱性の観点から芳香族ポリイソシアネートが、着色防止の観点から脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートが、好ましい。市販のイソシアネートプレポリマーとしては、例えば、住化バイエルウレタン株式会社製のデスモジュールE3265、E4280、TPLS2010/1、E1160,E1240、E1361、E14、E15、E25、E2680、スミジュールE41、E22、旭化成工業株式会社製のデュラネートD−101、D−201等が挙げられる。
ブロック化化合物は、所定の化合物とブロック剤との反応により生成し、ブロック剤由来の基により一時的に不活性化されている化合物であり、所定温度で加熱するとそのブロック剤由来の基が解離し、活性基を生成する。ブロック化イソシアネートとは、上記非ブロック化ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック化剤でブロック化したものであり、該ブロック化剤としては、フェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコールなどのアルコール系;ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系などのブロック化剤を挙げることができる。なかでもフェノール系ブロック化剤が好適に使用される。
フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノール、ブチルフェノール、フェニルフェノール、ナフトール等の単官能フェノール類、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルスルホン等の二官能フェノール類とその異性体及びハロゲン化物、ピロガロール、ヒドロキシヒドロキノン、フロログルシン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、ナフトールノボラック、レゾール等の多官能フェノール類等がある。
このブロック剤は、イソシアネート類のイソシアネート基1.0当量に対し、ブロック剤の活性水素が0.5〜3.0当量となるように用いることが好ましい。0.5当量未満であると、ブロックが不完全となり、高分子量エポキシ重合体がゲル化する可能性が高くなり、3.0当量を超えると、ブロック剤が過剰となり、形成したフィルムにブロック剤が残り、耐熱性や耐薬品性を低下させるおそれがある。
ブロック化イソシアネート化合物は市販のものであってもよく、例えば、スミジュールBL−3175、同BL−4165、同BL−1100、同BL−1265、同BL−3272、デスモジュールTPLS−2957、同TPLS−2062、同TPLS−2957、同TPLS−2078、同TPLS−2117、デスモサーム2170、デスモサーム2265(以上、住友バイエルウレタン社製、商品名)、コロネート2512、コロネート2513、コロネート2520(以上、日本ポリウレタン工業社製、商品名)、B−830、B−815、B−846、B−870、B−874、B−882(三井武田ケミカル社製、商品名)等が挙げられる。なお、スミジュールBL−3175、BL−4265はブロック剤としてメチルエチルオキシムを用いて得られるものであり、スミジュールBL−3272はブロック剤としてε−カプロラクタムを用いて得られるものである。
ブロック化イソシアネート化合物におけるブロック剤由来の基の解離温度は、感光性樹脂組成物を用いる電子部品の構成材料への影響、製造環境、工程条件、材料保管温度などの観点から120〜200℃であると好ましい。
アクリレート、ポリエステルポリオール、エポキシ重合体に対するイソシアネート類の配合量は、アルコール性水酸基当量1に対し、イソシアネート基当量0.1〜2の範囲であることが好ましい。0.1未満であると、架橋し難く、2を超えると、フィルム中にイソシアネート類が残り、耐熱性、耐薬品性を低下させるおそれがある。
本発明で用いる適当な有機溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチエングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができ、また、これらの数種類を混合して用いても良い。これら溶剤は、組成物中に、組成物全体の95重量%までの量で存在できる。また、これら溶剤は、溶液を前記透明基材に塗布し乾燥させる際に実質的に除去される。さらに、好ましくは固形分に対して10重量%以下の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の単官能モノマーを希釈剤として用いることができる。さらに、カチオン重合製化合物の希釈剤としては、ダイセル化学工業社製のセロキサイド3000、セロキサイド2000等を挙げることができる。
一方、本発明の保護膜がシートやフィルムの場合は、熱可塑性樹脂を用いる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリアセタールなどのポリオレフィン、シクロオレフィンとしては、ノルボルネン類の開環メタセシス重合,付加重合,他のオレフィン類との付加共重合体である脂環族ポリオレフィン、ポリ乳酸・ポリブチルサクシネートなどの生分解性ポリマー、ナイロン6、11、12、66などのポリアミド、アラミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアセタール、ポリグルコール酸、ポリスチレン、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボーネート、ポリプロピレンテレフタレート・ポリエチレンテレフタレート・ポリブチレンテレフタレート・ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、4フッ化エチレン樹脂・3フッ化エチレン樹脂・3フッ化塩化エチレン樹脂・4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体・ポリフッ化ビニリデン、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合コポリマーなどを用いることができる。この中で、強度・透明性および汎用性の観点から、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステルを用いることがより好ましい。これらは、ホモポリマーでも共重合ポリマー、さらには、熱可塑性樹脂の混合物であってもよい。これらの熱可塑性樹脂を用いて射出成形や溶融押出成形によって、シートやフィルムを製膜することができる。本発明に用いる保護膜には、酸化防止剤、耐熱安定剤、易滑剤、顔料、染料、耐電防止剤、充填剤、核剤などが、各種用途に応じて添加されていても良い。
本発明において、保護膜を多層フィルム上に積層する方法として、熱可塑性樹脂シートおよびフィルムの場合は、粘着材を介して直接ラミネートすることが好ましく、ハードコート層である硬化性樹脂の場合は、多層フィルム上に水や有機溶剤を塗液として用いてコーティングし、次いで紫外線照射もしくは熱処理する方法が挙げられる。ここでのコーティングとは、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、マイヤーバーコート法、ダイコート法、スプレーコート法などを用いることができる。
本発明に用いられる多層フィルムは、異なる2種の樹脂の界面で生ずる光の干渉現象を利用して、ハーフミラー調の光沢感を実現する。そのため、層厚みが10nm〜500nmの範囲にある樹脂A層と樹脂B層を交互に50層以上積層した構造が必要である。層厚みが、10nm未満、500nmを超えるとハーフミラー調の光沢感がなくなるため、50nm以上200nm未満であることが好ましい。50層未満の積層数では、可視光全域にわたって光沢感を出すことが難しくなるため、より好ましくは、400層以上である。さらに、好ましくは800層以上である。本発明の多層フィルムに用いる樹脂は、前記した熱可塑性樹脂が好ましく、強度・耐熱性・透明性および汎用性の観点から、特にポリエステルを用いることがより好ましい。これらは、ホモポリマーでも共重合ポリマー、さらには、熱可塑性樹脂の混合物であってもよい。
このポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。ここで、芳香族ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4′-ジフェニルジカルボン酸、4,4′-ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′-ジフェニルスルホンジカルボン酸などを挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。中でも高い屈折率を発現するテレフタル酸と2,6ナフタレンジカルボン酸が好ましい。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸などを一部共重合してもよい。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコールなどを挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
上記ポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレートおよびその重合体、ポリエチレンナフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体などを用いることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂から選ばれた樹脂Aと樹脂Bの好ましい樹脂の組み合わせは一方の樹脂と同一の基本骨格を含む樹脂を用いることが好ましい。ここでいう基本骨格とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことであり、例えば、一方の樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合は、エチレンテレフタレートが基本骨格であり、この場合の他の樹脂としてはエチレンテレフタレート単位とシクロヘキサン-1,4-ジメチレンテレフタレート単位からなる重合体(共重合体)が例として挙げられる。また別の例としては、一方の樹脂がポリエチレンの場合、エチレンが基本骨格である。同一の基本骨格を含む樹脂を用いると、フローマークなどの積層不良や層間での剥離などの問題が生じにくくなる。
本発明に用いる多層フィルムの積層構造は、特開2007−307893号公報の〔0053〕〜〔0063〕段の記載の内容と同様の方法により簡便に実現できる。但し、スリット板の間隙、長さは層厚みを決定する設計値のため異なる。多層フィルムは、従来の金属の不連続蒸着や金属メッキや印刷に比べて、可視光線の吸収ならびに導電性がないため、タッチセンサーの誤作動を起こすこともなく、ハーフミラー調の意匠性を容易に付与できる。また、半透過膜の金属層を設けた場合のタッチセンサーの構成と比べて、構成を簡略化することができる。以下に、図2を参照して積層構造を造る過程を説明する。
図2で表される積層装置7は、前記特開2007−307893号公報に説明される装置と同様の3つのスリット板を有している。係る積層装置7によって得られる積層構造の層厚み分布の例を図3に示す。横軸に層の並び順18、縦軸に各層の厚み(nm)19をとると、積層構造は、スリット板71によって形成された樹脂積層流による層厚みの傾斜構造11、スリット板72によって形成された樹脂の積層流による層厚みの傾斜構造12、スリット板73によって形成された樹脂の積層流による層厚みの傾斜構造13の3つの傾斜構造を有している。また、図3に示すように1つの傾斜構造は、他の何れかの傾斜構造と向きが反対であることが好ましい。さらに、樹脂流の不安定現象による発生するフローマークを抑える観点から、最表層には厚み1μm以上の厚膜層20を設けている。また、1つのスリット板から形成される傾斜構造は、樹脂Aの層厚み分布21と樹脂Bの層厚み分布22からなり、その積層比は、2台の押出機の樹脂Aおよび樹脂Bの押出量の比により容易に調整することができる。
各層厚みは、積層断面を透過型電子顕微鏡で観察することで求められる。ハーフミラー調の発現およびフィルムインサート成形時の形状変形などを防止させる観点から、積層比は、1〜3が好ましい。各スリット板から形成された層厚みの範囲は、可視光全域の光を均一に反射させ、角度を変えて見ても無彩色であることを保つために、平均層厚みが50nm〜170nmの層厚みの範囲となるように、スリット板の各スリットに流れる流量をその長さ、間隙で調整する。設計通りの層厚み分布を得られやすい観点から、間隙調整が好ましい。また、全体厚みを調整することで、各層厚みも比例して変化するため、層厚みの絶対値を調整することができる。より好ましくは、50nm〜150nmである。また、ここでの平均層厚みとは、隣接するA層とB層の層厚みの平均である。例えば、903層の層厚み分布においては、最表層の厚膜層を除いた薄膜層において、B1,A1,B2,A2,B3・・・・・A450,B451と各層が配列しているとき、平均層厚みの分布とは、B1とA1の平均、B2とA2の平均を順次ならべた層厚み分布となる。
積層装置7を構成する各々のスリット板から流れ出た積層構造を有した樹脂流は、図2(b)に示したように積層装置の流出口11L、12L、13Lから流れ出て、次いで合流器8にて、図2(c)に示した11M、12M、13Mの断面形状で再配置される。次いで、接続管9内部にて、流路断面のフィルム幅方向の長さが拡幅されて口金10へ流入されて、さらにマニホールドにて拡幅されて口金10のリップから溶融状態でシート状に押し出されてキャスティングドラム上に冷却固化されて未延伸フィルムを得ることができる。ここで、口金内部での拡幅比である口金リップのフィルム幅方向長さ17を口金の流入口部でのフィルム幅方向の長さ15で割った値を5以下とすることにより、拡幅による積層乱れを抑制し、かつフィルム幅方向で反射率および反射帯域が均一な多層フィルムが得られる。より好ましくは、拡幅比は3以下である。
次いで、未延伸フィルムを構成する樹脂のガラス転移点温度(Tg)以上の温度で延伸する方法を採用する。この際の延伸の方法は、高い偏光特性および熱寸法安定性の実現の観点から、公知の1軸延伸法、逐次2軸延伸法、もしくは同時二軸延伸法で1軸延伸もしくは2軸延伸することが好ましい。公知の1軸延伸法とは、長手方向に延伸する方法、幅方向に延伸する方法、公知の2軸延伸法とは、長手方向に延伸した後に幅方向に延伸する方法、幅方向に延伸した後に長手方向に延伸する方法で行えばよく、長手方向の延伸、幅方向の延伸を複数回組み合わせて行ってもよい。例えば、ポリエステルから構成された延伸フィルムの場合、延伸温度及び延伸倍率は適宜選択することができるが、通常のポリエステルフィルムの場合、延伸温度は80℃以上130℃以下であり、延伸倍率は1倍以上7倍以下が好ましい。長手方向の延伸方法は、ロール間の周速度変化を利用して行う。また、幅方向の延伸方法は、公知のテンター法を利用する。すなわち、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。
また、同時二軸延伸法としては、同時二軸テンターにてフィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。長手方向の延伸は、テンターのクリップ間の距離を広げることで、また、幅方向はクリップが走行するレールの間隔を広げることで達成される。本発明における延伸・熱処理を施すテンタークリップは、リニアモータ方式で駆動することが好ましい。その他、パンタグラフ方式、スクリュー方式などがあるが、中でもリニアモータ方式は、個々のクリップの自由度が高いため延伸倍率を自由に変更できる点で優れている。フィルムが通常のポリエステルの場合、延伸倍率、延伸温度および熱処理温度は、逐次二軸延伸の条件と類似している。すなわち、延伸温度は80℃以上130℃以下、延伸倍率は面積倍率として8〜30倍が好ましく用いられる。次いで、この延伸されたフィルムを、テンター内で熱処理する。この熱処理は、延伸温度より高く、融点より低い温度で行うのが一般的である。ポリエステルを用いた場合、200℃ないし250℃の範囲で行うのが好ましい。さらに、フィルムの熱寸法安定性を付与するために幅方向、もしくは長手方向に2〜10%程度の弛緩熱処理を施すことも好ましい。
多層フィルムの厚みは、各層厚みと総積層数の兼ね合いから決定されるが、スクリーン印刷やグラビア印刷がし易く、加工を含めたハンドリング性の観点から、50μm〜200μmの範囲が好ましい。
本発明に用いる多層フィルムの波長400〜700nmの平均反射率が10〜75%であることが必要である。ここでの平均反射率とは、1nm毎の反射率を波長区間[400,700](nm)にわたって足し合わせ、その値を波長区間の数、すなわち300、で割った値のことである。ハーフミラー調を実現するためには、可視光領域である波長400〜700nmの平均反射率が10〜75%であることが必要である。10%未満であると、光を殆ど透過してしまいハーフミラー調の光沢感がなくなる。一方、75%を越えるとミラー調に近づくため意匠性に制約ができるため好ましくない。多層フィルムに加飾層を形成し、下側に光源を設置したとき、光源が点灯時は透かして鮮明に加飾を表現でき、一方、光源が消灯時は、ミラー調を表現できるデザイン性の観点から、平均反射率は、30〜50%がより好ましい。平均反射率を調整する方法としては、積層比を大きくすることで平均反射率を小さくすることができる。例えば、積層比2以上である。また、樹脂A層と樹脂B層の面内屈折率差を調整することで容易に達成できる。例えば、高屈折率側の樹脂Aをポリエチレンテレフタレート、低屈折率側の樹脂Bをシクロヘキサンジメタノール30mol%共重合したポリエチレンテレフタレートの共重合体とすると、樹脂Bの共重合成分を30〜5mol%まで変化させることで、平均反射率50〜10%を達成することができる。共重合成分比率を変える方法は、ポリマーアロイでも重合時の共重合量の調整でもどちらでも良い。
本発明に用いる多層フィルムは、白色光源を用いたときの反射光の彩度C*が10以下であることが好ましい。白色光源とは、C光源、D65、F6,F10、白色LED、白色ELなどのことである。ハーミラー調が無彩色に近いと、保護膜への着色や印刷層への絵柄、さらには、透かし技術に利用する有色LEDのライティングの際に、デザインの表現自由度が上がるため好ましい。より好ましくは、彩度C*は5以下である。彩度C*が10を超えると、多層フィルム自身の干渉色が目立つため、印刷層などの絵柄やLEDのライティング色などが目立ちにくくなる。彩度C*を10以下とするためには、層厚みの積層構造を3つの傾斜構造をもたせることで達成しやすくなる。3つの傾斜構造とすることで、可視光領域に局部的な低反射領域がなく一定の反射率を維持した分光反射曲線を得ることができる。そのため無彩色な多層フィルムが得られる。
本発明に用いる多層フィルムは、光沢感を出す観点から、ヘイズが10%以下であることが好ましい。10%以上であると、拡散透過・反射により、白濁感が生じて、ミラー調が損なわれる。より好ましくは、5%以下である。
本発明に用いる多層フィルムにおいて、10cm四方の領域内における粒径50μm以上の粗大異物の数が20個以下であることが必要である。ここでの粒径とは、平均粒径のことである。粒径50μm以上の粗大異物とは、目視もしくは光学顕微鏡により観察できる多層フィルム表面もしくは内部に存在するオリゴマー、未溶融物、無機不純物、ゲル化物などのことである。また、粒径は、粗大異物の長軸の長さを意味する。粒径50μmを超える粗大異物が20個以上存在すると、従来のアイコンシート用のPETフィルムに比べて、多層フィルムは干渉反射起因で極端に目立つため、意匠材料として用いることができない。特にタッチパネル用途においては、非常に問題となる。そのため、より好ましくは、10個以下である。さらに好ましくは、5個以下である。達成方法としては、積層装置までのフィルタの濾過精度を8μm以下とすることが好ましい。より好ましくは、5μm以下である。また、二軸ベント押出機のベント孔を2つ以上設け、その真空圧を0.2kPa以下にすることが好ましい。よりこのましくは、0.1kPa以下である。また、二軸押出機の供給原料とスクリュー回転数の比であるQ/Nsを3以下に設定することが好ましい。これより大きくなると樹脂温度が低下し、未溶融物などの異物が発生し、白濁なども発生するためである。より好ましくは、2以下である。
本発明に用いる導電膜は、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、インジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、スズ、などの金属およびこれらの合金や、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、インジウムティンオキサイド(ITO)などの金属酸化物膜、ヨウ化銅などの複合膜によって形成することができる。これらの透明導電膜は真空蒸着、スパッタリング、反応性RFイオンプレーティング、スプレー熱分解法、化学メッキ法、電気メッキ法、CVD法、コーティング法あるいはこれらの組み合わせ法で薄膜を得ることができる。その他、導電性高分子としては、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリフェニレン・ビニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ−p−フェニレン、ポリへテロサイクル・ビニレン、特に好ましくは、(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)である。その他、カーボンナノチューブやナノ銀なども高い導電性を示すため好ましい。これらは、有機溶媒に溶かすことにより、コーティング法で基材に塗布することができる。コーティング法は、ハードコート層の方法と同様に種々の方法を採用することができる。
導電膜は、レジストでマスクを施した後、スパッタなどの物理的、およびフォトリソグラフィー技術を用いた酸などの化学的なエッチング処理を行い、導電膜とする部分以外の不要な部分を除去する方法によってパターン化することができる。例えば、接触式抵抗膜方式のタッチセンサーのアナログ式あるいはデジタル式は、透明導電膜をストライプ状にパターン化する。この透明導電膜が、約100μmを隔てて対向するタッチパネルの例として、保護膜1/多層フィルム2/基材3/導電膜4/間隙/導電膜4/基材5の構成がある。なお、2枚の導電膜のストライプパターンは、直交関係の配置である。
一方、投影型静電容量式のタッチセンサーでは、透明性のない導電膜は、パターンの形状としては、網目構造で開口部を長方形、三角形、六角形などとすることが好ましい。導電膜の線幅は、100μm以下が好ましい。より好ましくは、30μm以下である。このようなパターン化をすることによって、光透過性を向上させ、透明導電膜となる。また、そのときの透過率は、70%以上が求められる。一方、透明導電材料を用いる場合は、それ自体に透明性が確保されるため、開口部を設ける必要がない。典型的なパターンとしては、四角形を対角に複数串刺しした形状をした透明電極のユニットが、縦横に配列して、面状に敷き詰められたパターンが代表的である。また、面の縁からでる串部分に相当する電極がタッチセンサーの検出回路に接合される。その他、導電膜がストライプ状の電極パターンをとり、保護膜1/多層フィルム2/導電膜4/基材3/導電膜4/基材3や保護膜1/多層フィルム2/導電膜4/基材3/導電膜4/保護膜1の静電容量式タッチパネルも近年、最先端のマルチタッチシステムとして需要が伸びている。
また、導電膜の表面抵抗は、1000 Ω/□以下としたものが好ましい。1000Ω/□を超えると、正確なタッチ位置の検出が困難となるため、より好ましくは、500 Ω/□以下である。このような表面抵抗は、その厚さを、通常、金属系導電膜の場合には30〜600オングストロームに、金属酸化物系導電膜の場合には80〜5000オングストロームにすることで達成できる。導電膜材料の比抵抗は、1Ω・cm以下であることが好ましい。より好ましくは、1×10−3Ω・cm以下である。本発明の導電膜としては、その優れた透明性による意匠性へのニーズから、透明導電膜であるITO(インジウム−スズ酸化物)を用いることが好ましい。ITO膜の好ましい膜厚は、80%以上の高い光線透過率と表面比抵抗1000Ω/□以下を達成させる観点から、20nm〜500nmが好ましい。より好ましくは、50nm〜300nmである。基板上へのITO膜の形成方法は、真空度10−5torr以下のスパッタ蒸着で達成することができる。
本発明の導電膜を形成する基板は、タッチパッドやタッチスイッチの場合は、プリント基板やフレキシブル基板を用いることが好ましい。プリント基板は、主に紙、ガラス、フェノール、エポキシを材料したコンポジットである。一方、フレキシブル基板は、高耐熱性のフィルムを用いることが多く、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。しかしながら、基板からタッチ面とは反対に、光源や印刷層などの加飾を行うときは、透明性が必要とされる。この場合は、透明プラスチック基板が好ましい。
一方、タッチパネルの場合は、必ず透明性が求められるためガラスや透明プラスチック基板を用いることが好ましい。ここでのプラスチック基板としては、シートやフィルムも含まれる。シート厚みとしては、3〜0.2mmが強度の面で好ましい。しかしながら、シートでは枚葉生産になるため、生産収率の高いロールtoロールプロセスであるフィルムを用いることが好ましい。フィルムの厚みは、50μm〜200μm程度である。中でも透明性が良好なプラスチックフィルムとしては、日本ゼオン製ゼオノアやJSR社製アートンなどの環状ポリオレフィン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ABS、トリアセチルセルロースなどの熱可塑性樹脂が好ましい。中でも光線透過率88%以上の高い透明性と汎用性の観点から、二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
本発明であるハーフミラー調のタッチセンサーは、接触抵抗膜方式に比べて入力の耐久性、電磁波のノイズ対策の必要性、およびハーフミラー調のフィルムインサート成形品にも、導電膜を貼り付けるだけで簡単にタッチセンサーとなる利便性の観点から、静電容量式であることが好ましい。本発明の静電容量式は、表面型と投影型に大別できる。表面型の原理は、保護膜/多層フィルム/導電膜/基板の構成で基板上の導電膜の4隅に電極が設置されている。この電極に電圧を印加して、パネル全体に均一な電界を形成する。画面に指が触れると、4隅から流れた電流の比率を測定して、場所を特定する。そのため、導電膜には、均一な表面抵抗が求められるため、均一な厚みが必要である。厚みむらは、5%以下が好ましい。より好ましくは、2%以下である。ここでの厚みむらとは、タッチセンサー領域部の導電膜の最大値と最小値の差を平均値で除して100を乗じた値である。表面型は、導電膜で電極パターンを形成する必要がないので、構造がシンプルでコストを抑えられる。一方、投影型は、プリント基板や透明フィルム上にフォトリソグラフィー技術を用いて電極パターンを形成し、指が接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する方式である。本発明のハーフミラー調タッチセンサーは、マルチタッチ(多点同時検出)機能が必要な観点から、投影型静電容量式であることが好ましい。
本発明の多層フィルムの片面もしくは両面にアクリル・ウレタン共重合樹脂と2種類以上の架橋剤から成る易接着層が設けられていることが印刷層との耐湿熱接着性の観点から好ましい。本発明で用いるアクリル・ウレタン共重合樹脂(A)に用いるアクリル系モノマーとしては、例えばアルキルアクリレート(アルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシルなど)、アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシルなど)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマーなどを用いることができる。本発明においては、架橋性官能基を共重合することが好ましく、特にN−メチロールアクリルアミドを共重合することが、自己架橋性や架橋密度向上点で特に好ましい。N−メチロールアクリルアミドの共重合比率は、共重合性や架橋度の点で0.5〜5重量%が好ましく、特に塗布外観の点を考慮すると、1〜3重量%がより好ましい。0.5重量%より少ない場合、例えば耐湿接着性が劣る傾向があり、5重量%を越える場合、例えば樹脂の水分散体の安定性が劣ったり、塗布外観が悪くなったりする傾向がある。架橋剤としては、印刷層との耐湿熱接着性の観点から、架橋剤の少なくとも1種がオキサゾリン系架橋剤およびカルボジイミド系架橋剤を含有していることが好ましい。
本発明のハーフミラー調タッチセンサーに用いる多層フィルムの分子配向計によるMOR値が、1〜2.5の範囲にあることが好ましい。MOR値とは、偏光状態のマイクロ波をフィルムに垂直に入射し、フィルムを面内方向にそって1回転させたときの測定結果である最大透過強度を最小透過強度で割った値のことである。MOR値が2.5を超えると、多層フィルムの偏光性能が強くなり、タッチパネル用途では、画像に虹色が浮き出てきてしまう問題が発生する。ここでの虹色とは、2枚の偏光板の透過軸を直交関係に配置し、この間に複屈折体(例えば、二軸延伸されたフィルム)を挿入したとき、複屈折体のリタデーション値(位相差)と偏光板の透過軸の直交座標系での複屈折体の遅相軸の傾き(配向角)に依存して発生する干渉模様のことである。この干渉模様の色は、一般的にMichel-Levy干渉色図表で知られている。この問題を解決する方法として、基板に等方性材料を用いるか、異方性材料を用いる場合は、基板の偏光軸(進相軸あるいは遅相軸)を液晶パネルから出てくる光の偏光方向と合わせる必要があるが、いずれもタッチパネルの設計に制約を設ける。そのため、多層フィルムのMOR値が、2.5以下であると、基板の偏光軸を問題としないためにタッチパネルの設計に制約なく、品質上問題のないハーフミラー調を達成することができる。より好ましくは、1〜1.8である。ここでの遅相軸とは、光の進む速度が遅い方位の事であり、基板が2軸延伸フィルムの場合、最も強く配向してる、すなわち屈折率が高い方位のことである。進相軸とは、その逆であり、一般的に、逐次2軸延伸により製膜されたフィルムは、これらは直交関係にある。達成方法は、フィルム幅方向の延伸倍率/フイルム長手方向の延伸倍率の比を0.7以上2以下とした逐次2軸延伸により、2軸配向させることである。多層フィルムがポリエステルフィルムの場合、長手方向2.5〜3.8倍、幅方向3.0〜4.3倍の範囲の延伸倍率が好ましい。
本発明のハーフミラー調タッチセンサーに用いる多層フィルムは、そのナノインデーテンション測定における最大硬さと押し込み長4mmの硬さの差が、0.03GPa以上であることが好ましい。0.03GPa未満であると、タッチ部の押し圧特性が不良で、タッチ感覚が得られないため、より好ましくは0.05以上である。達成方法としては、異なる2種の樹脂を交互に積層した多層フィルムの一方の樹脂をポリエチレンテレフタレートとし、他方を非晶性ポリエチレンテレフタレート共重合体とし、二軸延伸製膜されることで達成される。非晶性ポリエチレンテレフタレート共重合体としては、シクロヘキサンジメタノール成分を5〜50mol%共重合したポリエチレンテレフタレート共重合体が好ましい。より好ましくは、20〜40mol%である。また、ガラス転移点が40℃以下の樹脂を利用することも好ましい。例えば、シクロヘキサンジカルボン酸を50mol%以上80mol%以下共重合したポリエチレンテレフタレート共重合体が好ましい。
本発明のハーフミラー調タッチセンサーは、タッチスイッチに用いられることが好ましい。例えば、液晶テレビの額縁部に配置された電源や種々のスイッチ、携帯電話などのメイン液晶パネルとは別の外部サブウインドウの入力スイッチとして用いられることが、意匠性の観点から好ましい。
本発明のハーフミラー調タッチセンサーは、従来にない光沢感のあるタッチパッドのデザインが得られる観点から、ノートパソコンなどに用いられるタッチパッドとして用いられることも好ましい。
本発明は、成形体として他の部材と複合し、賦形することができる。他の部材として樹脂部材を用いるときの成形法としてはインサートを用いることが望ましい。本発明のハーフミラー調の多層フィルムは、フィルムインサート成形に好適であるため、成形品にタッチセンサーの検出部である電極を取り付けるだけで、簡便に成形品が得られる。達成方法としては、デザイン印刷を施した多層フィルムをプラスチック成形の金型(mold)に挿入し、圧空成形、真空成形、真空圧空成形、超圧空成形などのプレ成形を行う。次いで、プレ成形品を射出成形機の金型にはめ込み、加熱流動化した成形材料(樹脂)を、その金型に流し込むことによって成形品が得られる。その他、金型を樹脂成形品と見立てて、デザインが印刷された多層フィルムを先の真空・圧空を利用した熱成形で樹脂成形品に加飾する三次元表面加飾技術であるTOM工法(布施真空株式会社のホームページ(http://www.fvf.co.jp/)参照)を利用することもできる。次いで、得られた加飾成形品に、タッチセンサーを粘着剤で貼りあわせることで、簡便にタッチセンサー付き成形品が得られる。ここでのタッチセンサーとは、基板上に検出部である導電膜と電極を備えたプリント回路基板のことである。
その他、多層フィルムにスクリーン印刷でナノ金属粒子とポリマーバインダーで構成されたナノコンポジットで電極パターンを印刷。その後、印刷したコンポジットを硬化させ、次いで、プレ成形し、その後、ナノコンポジット中に含まれる金属ナノ粒子触媒を活性化する。さらに、無電解めっきと電気めっきを行って電極パターンを形成する。本発明である多層フィルムのプレ成形としては、フィルムの成形性と耐熱性の兼ね合いから100℃以上240℃以下が好ましい。また、インサート成形の条件としては、成形樹脂の射出温度は、樹脂の溶融温度であり、一般的にアクリル系では240℃前後、ポリエステル系では280℃前後、ポリアミド系では200℃前後であることが知られている。その他、ABS、ポリスチレン、ポリカーボネートなどは270℃前後であり、用いる樹脂に合わせて決定すれば良い。さらに、金型温度は、本発明の多層フィルムの成形方式にも依存するが、20℃以上150℃以下であることが好ましい。インサートする樹脂には、目的に応じて各種添加剤が含まれていても良い。例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、易滑剤、顔料、染料、耐電防止剤、充填剤、核剤などが、その特性を低下させない程度に添加されていても良い。
本発明に使用した物性値の評価法を記載する。
(物性値の評価法)
(1)層厚み、積層数、積層構造
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVの条件でフィルムの断面を10000〜40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuOやOsOなどを使用した染色技術を用いた。
上記装置から得た約4万倍のTEM写真画像を、CanonScanD123Uを用いて画像サイズ720dpiで取り込んだ。画像をビットマップファイル(BMP)もしくは、圧縮画像ファイル(JPEG)でパーソナルコンピューターに保存し、次に、画像処理ソフト Image-Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、このファイルを開き、画像解析を行った。画像解析処理は、垂直シックプロファイルモードで、厚み方向位置と幅方向の2本のライン間で挟まれた領域の平均明るさとの関係を数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel 2000)を用いて、位置(nm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ6(間引き6)でデータ採用した後に、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、この得られた周期的に明るさが変化するデータを微分し、VBA(ビジュアル・ベーシック・フォア・アプリケーションズ)プログラムにより、その微分曲線の極大値と極小値を読み込み、隣り合うこれらの間隔を1層の層厚みとして算出した。この操作を写真毎に行い、全ての層の層厚みを算出した。得られた層厚みのうち、薄膜層は500nm以下の厚みの層とした。薄膜層については、隣合うA層とB層の平均値を全ての組について、順次求めた。そのため、平均層厚みの組の数は、薄膜層の層数の半分となる。傾斜構造は、前記それぞれのA層とB層の厚みから、各組の平均層厚みを求め、隣接する組みの平均厚みの差が50nm以下の範囲で連続的に単調増加もしくは減少配列した組番号と平均層厚みの関係の最小二乗近似を行い、そのRの二乗が0.5以上となる正もしくは負の傾きをもつ平均層厚み分布を有するA層とB層の層厚み分布からなる群を傾斜構造と定義し、その数と傾きの関係を調べた。(図3参照。)
(2)平均反射率Rave測定
多層フィルムのフィルム幅方向中央部から5cm四方のサンプルを切り出した。次いで、日立製作所製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)を用いて、入射角度φ=10度における相対反射率を測定した。付属の積分球の内壁は、硫酸バリウムであり、標準板は、酸化アルミニウムである。測定波長は、250nm〜1200nm、スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分で測定した。サンプル測定時は、サンプルの裏面からの反射による干渉をなくすために、サンプルの裏面を油性インキで黒塗りした。次いで、波長範囲400〜700nmの平均反射率Raveを算出した。平均反射率Raveの算出方法は、波長1nm毎の相対反射率のデータを用いて、シンプソン法の公式を基づき、反射曲線と波長範囲で囲まれた面積を計算し、波長範囲の幅である300で除することにより、平均反射率Raveを求めた。シンプソン法について詳細な説明は、山内二郎他著書の「電子計算機のための数値計算法I」(培風館)(昭和40年)に記載されている。
(3)粗大異物の数
多層フィルムのフィルム幅方向中央部から切り出したサンプル中央部の100cm当りの領域中に存在する平均粒径50μm以上の粗大異物を透過光で光学顕微鏡(オリンパス社製BH−2)を用いて、対物レンズ20〜50倍で観察した。粗大異物の平均粒径としては、長軸を採用し、測長した。なお、目視で明らかに平均粒径100μm以上と判断できるものは、透明PET製の一般用ドットゲージ(きょう雑物測定図表:参考規格 JIS P8208/P8145)を用いて観察し、数を数えた。
(4)彩度C*
多層フィルムの幅方向中央部から5cm×5cmで切り出し、次いでサンプル裏面をマジックインキ(登録商標)で黒く塗り、コニカミノルタ(株)製CM−3600dを用いて、測定径φ8mmのターゲットマスク(CM−A106)条件下で、正反射光を除去したSCE方式、および正反射光を含めたSCI方式でそれぞれ、L*,a*,b*値を測定し、n数5の平均値を求めた。なお、白色校正板、およびゼロ校正ボックスは下記のものを用いて校正を行った。さらに、彩度C*は、SCIのa*,b*のそれぞれの2乗の和の平方根として求めた。なお、測色値の計算に用いる光源はD65を選択した。
白色校正板 :CM−A103
ゼロ校正ボックス:CM−A104。
(5)耐湿熱接着性
多層フィルムの易接着層にスクリーン印刷(帝国インキIPX(240硬化剤10%添加)、乾燥条件 :80℃/30分)により印刷層を設け、さらに金型温度70度、IRヒータ280℃、圧力100barの条件で超高圧成形機を用いて、プレ成形を実施した。金型は、10cm四方、高さ3cmの凸型の四角柱を用いた。(角のR=2mm)その後65℃、湿度95%の雰囲気下にて168時間放置した後、印刷を実施した平面部に1mmのクロスカットを100個入れ、ニチバン(株)製セロハンテープをその上に貼り付け、1.5kg/cmの荷重で押し付けた後、90°方向に剥離した。残存した個数により評価(○:80〜100、△:50〜79、×:0〜49)した。(○)を接着性良好とした。
(6)ヘイズ
ヘイズの測定は、常態(23℃、相対湿度65%)において、多層フィルムを2時間放置した後、スガ試験機(株)製全自動直読ヘイズコンピューター「HGM−2DP」を用いて行った。3回測定した平均値を該サンプルのヘイズ値とした。
(7)押し圧性
(物性値の評価法)(8)項記載の作製されたハーフミラー調タッチセンサーのハードコート面に対し、正三角錐圧子(Berkovich圧子)を、1μN/秒毎のステップ状に押し込み荷重を加え、押し込み深さ4mm到達後、同様にステップ状に荷重を徐荷していく。測定は25℃の恒温条件下で行い、測定装置とサンプルの温度を十分に安定させた後に、最大荷重100μN、最大荷重保持時間30秒の条件で荷重/変位曲線の測定を行い、7回の連続測定の平均値をもって測定値とした。この荷重/変移曲線の線図から次の式1、2、3を用いて表面硬度を求めた。
式1 H=P/A
(P:荷重、A:押し込み後に弾性変形分が回復し残存する圧痕の投影面積)
式2 A=kh
(k:圧子の幾何学形状から求まる定数で24.56,h:有効接触深さ)
式3 h=h0―εP/(dP/dh)
(h0:全変位量、dP/dh:荷重−押し込み深さ線図における除荷重の初期勾配、ε:圧子の幾何学形状から決まる定数で0.75)
また、押し込み深さ初期の最大硬度と押し込み深さ4mmのときの硬度の絶対量の変化量を求めた。この変化量を押し圧性として以下の基準で評価した。
○:硬度の変化量0.05GPa以上
△:硬度の変化量が0.05GPa未満0.03GPa以上
×:硬度の変化量が0.03GPa未満。
なお、具体的な測定条件は下記に示すとおりである。
MTSシステムズ社製 超微小硬度計ナノインデンターXPの、連続剛性測定方法にて測定
使用圧子:ダイヤモンド製正三角錐圧子
最大押し込み深さ:4mm
n数:7。
(8)投影型静電容量式ハーフミラー調タッチセンサーの作製およびその意匠性の評価(実施例6は除く。)
ハーフミラー調の多層フィルムに保護膜として、厚み3μmのハードコート層を形成した。塗布方法は、以下に示す塗剤を調整し、#10のバーコーターで均一にフィルムに塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で1分間乾燥して溶剤を除去した後、80W/cm、搬送速度20m/分の条件にて紫外線照射を行った。ハードコート層単体の光線透過率は、91%である。
UA−122P(新中村化学工業) ウレタンアクリレート 40部
タケネートB830(三井化学ポリウレタン) ブロック化イソシアネート 2.5部
イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ) 光開始剤 1.5部
MEK 110部
次いで、ハードコート層を形成した反対の面にスクリーン印刷により、黒のベタ塗りで「TORAY」のロゴ部分が無色透明(印刷抜き)になるように印刷した。
一方、東レ製二軸延伸ポリエステルフィルム“ルミラー”タイプT60(光線透過率89%)の厚み188μmのPETフィルム基板上に銅メッキを行い厚さ5μmの金属層を形成した。次いで、レジスト層(紫外線硬化樹脂層)を形成した後、レジストのパターンが格子状となるようなマスクを置き、露光、アルカリ現像処理を行った。導電膜の線幅は、30μmであり、格子のサイズは400μm×400μmとした。この基板上の導電膜の上にハーフミラー調フィルムを透明接着剤を介して貼り合わせ、図1(d)に示した保護膜/多層フィルム/印刷層/導電膜/基板の構成の投影型静電容量式ハーフミラー調タッチセンサーを作製した。
次いで、タッチセンサーの下側に白色LEDを設置し、印刷層に施されたロゴの像の鮮明度合いを以下の基準で評価した。
◎:白色LED消灯時は、ミラー調でロゴが全く見えず、点灯時には、ロゴが鮮明に見える。
○:白色LED消灯時は、ハーフミラー調で殆どロゴが見えず、点灯時は、ロゴが鮮明に見える。
△:白色LED消灯時は、ハーフミラー調でロゴが少し見える、点灯時はロゴが鮮明に見える。または、白色LED消灯時は、ミラー調でロゴが全く見えず、点灯時にもロゴが少し不鮮明に目える。
×:白色LED消灯時に、ロゴが鮮明に見えて全くミラー調の外観がない。または、点灯時にロゴが不鮮明に見える。または、粗大異物などの外観欠点が容易に目視できる。
(9)静電容量式タッチスイッチの動作確認(実施例6は除く。)
タッチセンサー(形B6TWB01 シリーズB6Tworkbench、オムロン社製)のサンプル基板の電極部の上に多層フィルム、次いで保護膜として厚さ1.5mmの透明なガラス板(透過率95%)を接着剤を用いて貼り合わせて、指でガラスに触れることで本発明のハーフミラー調タッチセンサーの動作確認を行った。該タッチセンサーのサンプル基板は、4ch(電極部の面積12mm×12mm/1ch)のものを利用し、これら全てを多層フィルムと透明ガラスで連続的に覆った。動作確認の評価結果として、問題なく検知した場合は○で、検知しなかった場合は×とした。
(10)表面型静電容量式ハーフミラー調タッチセンサーの作製およびその動作確認。(実施例6は除く。)
東レ製二軸延伸ポリエステルフィルム“ルミラー”タイプT60(透過率89%)の厚み188μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム基板上に、真空度10−7torrのスパッタ蒸着により、ITO(Indium-tin-oxide:10%錫を添加した酸化インジウム)を30nm蒸着して透過率82%のITO基板を作製した。この基板上のITO導電膜の四隅にAgペーストの電極を形成した。保護膜にT60の100μmのPETフィルムを用いて、多層フィルムを、順次、接着剤を介して貼り合わせ、図1(b)に示した保護膜/多層フィルム/導電膜/基板の構成の表面型静電容量式ハーフミラー調タッチセンサーを作製した。これを、ポリカーボネートとABSのアロイでできた四角柱の黒の成形品の表面に基板側を透明接着剤で貼り合わせた。次いで電極とタッチセンサー検出回路を接続し、指によるタッチ位置検出テストを行った。タッチ領域を20cm四方とし、5cm間隔の格子線を引き格子点を作製した。ランダムに、順番に2箇所、指でふれて検出位置の判断を行った。
○ :タッチ位置を検出した
× :検出しなかった。
(11)表面型静電容量式ハーフミラー調タッチセンサーのLCDバックライト光での虹色検査。(実施例6は除く。)
(10)項で作製したハーフミラー調タッチセンサーを用いて、図5(a)に示す構成でLCDバックライト光での虹色検査を行った。なお、LCDバックライトの構成としては、17インチサイズのものを用い、反射板25は、白色フィルム(東レ製E6SR)、光源26は、冷陰極蛍光灯のF10光源、拡散板27は、厚さ2mmの住友化学製RM851を用いた。さらに、この上に偏光板28、ハーフミラー調タッチセンサー29を順に設置した。図5(b)に示すように、偏光板の透過軸方向30、ハーフミラー調タッチセンサー29を構成するPETフィルムの遅相軸31を、偏光板の透過軸方向30に対して45度傾いた方位となるように設置し、さらに、多層フィルムの幅方向(延伸方向)32が偏光板の透過軸方向30と直交関係になるように設置した。なお、これらの構成で、目視にて、以下の評価基準で透過光を観察した。
○ :虹色が発生しなかった。
× :虹色が発生した。
(12)MOR値
多層フィルムのフィルム幅方向中央部から10×10cmの寸法で切り出したものを測定サンプルとし、マイクロ波分子配向計を用いてMOR値を測定した。マイクロ波分子配向計は、KSシステムズ(株)製(現王子計測機器(株))の分子配向計MOA−2001(周波数4GHz)を用いた。測定した実施例のサンプルは、全てフィルム幅方向に配向しており、フィルム幅方向が遅相軸となっていることを確認した。
(熱可塑性樹脂)
樹脂Aとして、以下のものを準備した。
(樹脂A)テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部の混合物に、テレフタル酸ジメチル量に対して酢酸マグネシウム0.09重量部、三酸化アンチモン0.03重量部を添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行う。次いで、該エステル交換反応生成物に、テレフタル酸ジメチル量に対して、リン酸85%水溶液0.020重量部を添加した後、重縮合反応層に移行する。さらに、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1mmHgの減圧下、290℃で常法により重縮合反応を行い、IV=0.63のポリエチレンテレフタレートを得た。
一方、樹脂Bとしては、以下のものを準備した。
(樹脂B−1)IV=0.55(スピログリコール(SPG)17モル%およびシクロヘキサンジカルボン酸(CHDC)25モル%)を共重合したポリエチレンテレフタレート。
(樹脂B−2)IV=0.72(シクロヘキサンジメタノール(CHDM)30モル%)を共重合したポリエチレンテレフタレート。
(樹脂B−3)樹脂Aと樹脂B−2を1:3で混合した共重合ポリエチレンテレフタレート。
(樹脂B−4)樹脂Aと樹脂B−2を1:1で混合した共重合ポリエチレンテレフタレート。
なお、樹脂A、樹脂B(樹脂B−1〜B−4)ともに調製時に粒子を添加していない。
(樹脂C)IV=0.77のポリエチレンナフタレート。
(樹脂D) IV=0.7(テレフタル酸成分40モル%)を共重合したポリエチレンナフタレート。
[実施例1]
樹脂Aを180℃、3時間の真空乾燥後、一方、樹脂B−1を100℃の窒素下の乾燥後、それぞれ閉鎖系の搬送ラインにて、2台の二軸押出機に投入し、280℃で溶融させて、混練した。なお、ホッパー下部には、窒素パージを行った。次いで、2つのベント孔で、その真空圧を0.1kPa以下で真空ベントにより、オリゴマーや不純物などの異物を除去した。また、二軸押出機への供給原料とスクリュー回転数の比であるQ/Nsを、それぞれ、2と1.5に設定した。それぞれ、濾過精度6μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを10枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A/熱可塑性樹脂B=1.07/1になるように計量しながら、スリット数301個のスリット板を2枚、303個のスリット板1枚の計3枚用いた構成である903層積層装置にて合流させて、厚み方向に交互に903層積層された積層体とした。積層体とする方法は、特開2007−307893号公報〔0053〕〜〔0056〕段の記載に従って行った。なお、A層同士の合流層があるため、スリット板内の間隙数は、905個となる。ここでは、スリット長は、全て一定とし、スリット幅(間隙)のみ変化させることにより、層厚み分布を傾斜構造とした。得られた積層体は、熱可塑性樹脂Aが452層、熱可塑性樹脂Bが451層であり、厚み方向に交互に積層された傾斜構造を有していた。積層装置のスリット板の間隙から算出される狙いの層厚み分布パターンは、図3とした。設計時の傾斜度は、図3で記したそれぞれの傾斜構造11,12,13が、それぞれ、2.5となるように設計した。なお、傾斜度とは1つのスリット板によって形成される薄膜層(言い換えれば、1つの傾斜構造)において、最大層厚みを最小層厚みで除した値のことである。
次いで、該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度が25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを、縦延伸機で95℃、フイルム長手方向に3.3倍の延伸を行い、コロナ処理を施し、#4のメタバーで粒径80nmのコロイダルシリカ5重量部に対して、アクリル・ウレタン共重合樹脂および架橋剤125重量部の水系塗剤をフィルムの両面にコーティングし、易接着および易滑面を付与した。両端部をクリップで把持するテンターに導き105℃、フイルム幅方向に4.2倍横延伸した後、次いで230℃、240℃の順で熱処理を施し、150℃で約3%のフイルム幅方向に弛緩処理を実施し、厚み100μmのフィルムの多層フィルムを得た。コーティング層の厚みは、100nmであり、アクリル・ウレタン共重合樹脂および架橋剤の組成を下記する。
「組成」
アクリル・ウレタン共重合樹脂(A):
アクリル・ウレタン共重合樹脂アニオン性水分散体(山南合成化学(株)製“サンナロン”WG−353(試作品))。アクリル樹脂成分/ウレタン樹脂成分(ポリカーボネート系)の固形分重量比が12/23、トリエチルアミンを2重量部用いて水分散体化。
オキサゾリン化合物(B):
オキサゾリン含有ポリマー水系分散体((株)日本触媒製“エポクロス”WS−500)
固形分重量比:
(A)/(B)=100重量部/30重量部
フィルムの物性を測定した結果を表1に示す。
得られた積層フィルムの幅方向中央部での層厚み分布は、最表層を除き、表面裏面とも最表層側から数えて300層分において、薄膜層の層厚みが50nm〜170nmの範囲に全て入り、かつA層およびB層とも表層側から層厚みが単調増加していく傾斜構造を有していた。フィルム厚み方向中央部の残りの301層分についても、薄膜層の層厚みが60nm〜170nmの範囲に全て入り、かつ層厚みが単調増加する傾斜構造を有していた。熱可塑性樹脂A層と熱可塑性樹脂B層が、図3に記したように、交互に903層積層された構造を有していた。積層数903層中901層にわたり薄膜層の層厚みが50nm〜170nmの範囲に属することを確認した。また、A層およびB層の層厚み分布からなる傾斜構造は、全部で3つあることを確認した。最表層となる厚膜層2つは、1.5μmであった。一方、フィルム幅方向の端部においては、積層数903層中901層にわたり薄膜層の層厚みが50nm〜170nmの範囲に属することを確認した。多層フィルムの評価の結果、金属光沢のあるミラー調の外観を呈していた。分光光度計による相対反射率は、波長400〜900nmの範囲において均一であった。投影型静電容量式タッチセンサーの意匠性も良好であり、また静電量式タッチスイッチ、および表面型静電容量式タッチセンサーの動作確認を行ったところ問題ないことを確認した。さらに、偏光板を設置したバックライト上での静電容量式ハーフミラー調タッチセンサーの虹色検査においても、虹色は発生しなかった。表面型静電容量式タッチセンサーの外観は、金属調であった。得られた結果を表1に示す。
[実施例2〜4]
樹脂Bを実施例2は樹脂B−2、実施例3は樹脂B−3、実施例4は樹脂B−4に変更する以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを製膜した。反射率の異なるハーフミラー調の多層フィルムが得られた。得られた結果を表1に示す。
[実施例5]
易接着層のコーティング塗剤を粒径80nmのコロイダルシリカ5重量部に対して、酢酸ビニル・アクリル系樹脂および架橋剤125重量部の水系塗剤に変更すること以外は、実施例2と同様にして、多層フィルムを製膜した。塗材組成を変更したことにより、耐湿熱接着性の性能が低下した。得られた結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1で得られた多層フィルムの保護膜として、厚み3μmのハードコート層を形成した。塗布方法は、以下に示す塗剤を調整し、#10のバーコーターで均一にフィルムに塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で1分間乾燥して溶剤を除去した後、80W/cm、搬送速度20m/分の条件にて紫外線照射を行った。ハードコート層単体の光線透過率は、91%である。
UA−122P(新中村化学工業) ウレタンアクリレート 70部
DPHA(日本化薬) ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8部
U−15HA(新中村化学工業) ウレタンアクリレート 8部
イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ) 光開始剤 5部
SH190(シリコーンオイル 東レダウコーニングシリコーン(株)製、商品名) 5部
MEK 110部
次いで、多層フィルムの反対面にスクリーン印刷により、黒で額縁の印刷(ベゼル)模様を施した。これをアイコンシートと呼ぶ。
一方、東レ製二軸延伸ポリエステルフィルム“ルミラー”タイプT60(光線透過率89%)の厚み188μmのPETフィルム基板上にスパッタ蒸着によりITO膜を膜厚30nmになるように形成した。光軸が水平方向になるようにITO膜上にスクリーン印刷にてエッチングレジストをパターン状に形成し、塩酸にて不要部のITO膜を除去することにより、ストライプ形状の透明電極(導電膜)を形成した。エッチング後にレジストをアルカリ溶液で除去し、透明電極の両サイドに銀インキを用いてスクリーン印刷することにより平行な一対の電極を形成した。これを上部電極シートとした。また、同様に上部電極と同様にして、下部電極シートを設置した。アイコンシートの印刷側と上部電極シートの基板側を透明接着剤で貼り合わせて、図1(c)の構成を作製した。次いで、スペーサを介して導電膜が対向するように下部電極シートを設置し、ハーフミラー調の接触抵抗膜式タッチセンサーを作製した。さらに、下側に液晶パネルを設置し、液晶パネルの電源が消灯している状態では、タッチ画面は、ミラー調であり、点灯状態でも鮮明に像を確認することができた。
[実施例7]
実施例1の樹脂Aを樹脂C、実施例1の樹脂Bを樹脂Dに変更し、押出温度を295℃に変更し、実施例1と同様にして多層フィルムの未延伸シートを製膜した。次いで、縦延伸を施さず、横延伸温度150℃、横延伸倍率5倍、熱処理温度155℃として製膜した。得られた横1軸延伸の多層フィルムは、偏光反射特性のあるハーフミラー調の多層フィルムであった。得られた結果を表1に示す。易接着コートを行わなかったため、印刷層との耐湿熱接着性に問題があり、さらに、偏光板を設置したバックライト上での静電容量式ハーフミラー調タッチセンサーの虹色検査において、透過光観察では、虹色が発生した。なお、偏光反射特性は、偏光板の透過軸方向30とPETフィルム基材の遅相軸を一致させ、この一軸延伸多層フィルムを面内方向に回転させると暗視野と明視野が交互に表れたことから、強い偏光特性を確認した。実施例1〜5の多層フィルムにおいては、明るさは一定である。
[比較例1]
東レ製二軸延伸ポリエステルフィルム“ルミラー”タイプT60の厚み100μのPETフィルム上に、真空度10−7torrでスパッタ蒸着によりアルミニウムを180オングストロームの膜厚で堆積させた。得られたハーフミラー調フィルムの金属層側に印刷層を、タッチ面側に保護膜を形成して、各種の評価を行った。投影型静電容量式タッチセンサーの意匠性の評価では、LEDを点灯させた状態で金属層の吸収と拡散が原因で印刷のロゴが不鮮明であった。蒸着欠点である外観上の欠点も多く、粗大異物も多く見られた。また、静電容量式タッチスイッチおよび表面型静電容量式タッチセンサーの動作確認をしたが、指と電極層の間に金属層が形成されているため、指のタッチを検出しなかった。さらに、偏光板を設置したバックライト上での静電容量式ハーフミラー調タッチセンサーの虹色検査においては、虹色はなかったが、アルミの光吸収起因により、透過光は青色であった。ハーフミラー調フィルムの評価の結果、金属光沢のあるミラー調の外観を呈していたが、多層フィルムと同様の配置構成では、タッチセンサーが機能しないことが分かった。これらの結果を表1に示す。
[比較例2]
樹脂A、Bともに真空乾燥を実施せず、二軸ベント押出機のベント孔を1つに組み換え、Q/Nsを、それぞれ、3と2に設定した。さらに、樹脂Aと樹脂Bのそれぞれを、濾過精度を14μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを10枚に変更し、易接着層のコーティング塗材を実施例5と同じにする以外は、実施例2と同様にして、多層フィルムを製膜した。得られたフィルムは、100μm以上の異物欠点も30個以上見られ、外観に問題があり、意匠性材料に適用できない品物であった。得られた結果を表1に示す。
1:保護膜
2:多層フィルム
3:基板
4:導電膜
5:タッチセンサー検出回路
6:印刷層
7:積層装置
71:スリット板
72:スリット板
73:スリット板
8:合流器
9:接続管
10:口金
11:スリット板71によって形成された層厚みの傾斜構造
12:スリット板72によって形成された層厚みの傾斜構造
13:スリット板73によって形成された層厚みの傾斜構造
11L:スリット板71の流出口からの樹脂流路
12L:スリット板72の流出口からの樹脂流路
13L:スリット板73の流出口からの樹脂流路
11M:スリット板71の流出口に連通し、再合流器によって配置された樹脂流路
12M:スリット板72の流出口に連通し、合流器によって配置された樹脂流路
13M:スリット板73の流出口に連通し、合流器によって配置された樹脂流路
14 :樹脂流路の幅方向長さ
15 :口金の流入口部でのフィルム幅方向の長さ
16 :口金流入口部での流路の断面
17 :口金リップのフィルム幅方向長さ
18 :層の並び順
19 :層厚み
20 :厚膜層の厚みを示す点
21 :樹脂Aの層厚み分布
22 :樹脂Bの層厚み分布
23 :半透過の金属層
24 :絶縁層
25 :反射板
26 :光源
27 :拡散板
28 :偏光板
29 :静電容量式ハーフミラー調タッチセンサー
30 :偏光板の透過軸方向
31 :PETフィルムの遅相軸の方向
32 :多層フィルムの幅方向
Figure 2011129110
本発明のハーフミラー調タッチセンサーは、タッチパネル、タッチスイッチ、タッチパッドを必要とする様々な用途に用いることができる。例えば、携帯電話、テレビ、家電製品、自動車(カーナビゲーションなどのタッチパネル)、ゲーム機などである。

Claims (12)

  1. (1)保護膜、多層フィルム、基板、導電膜がこの順で配置され、または、(2)保護膜、多層フィルム、導電膜、基板がこの順で配置されたタッチセンサーであって、該多層フィルムは、層厚みが10nm〜500nmの範囲にある樹脂A層と樹脂B層とが交互に50層以上積層された構造を有し、該多層フィルムの波長400〜700nmの平均反射率が10〜75%であり、かつ、10cm四方の領域内における粒径50μm以上の粗大異物の数が20個以下であることを特徴とするハーフミラー調タッチセンサー。
  2. 静電容量式である請求項1に記載のハーフミラー調タッチセンサー。
  3. 投影型静電容量式である請求項1に記載のハーフミラー調タッチセンサー。
  4. 導電膜としてインジウム−スズ酸化物が用いられている請求項1〜3のいずれかに記載のハーフミラー調タッチセンサー。
  5. 多層フィルムの片面もしくは両面にアクリル・ウレタン共重合樹脂と2種類以上の架橋剤から成る易接着層が設けられている請求項1〜4のいずれかに記載のハーフミラー調タッチセンサー。
  6. 多層フィルムの分子配向計によるMOR値が、1〜2.5の範囲にある請求項1〜5のいずれかに記載のハーフミラー調タッチセンサー。
  7. ナノインデーテンション測定における最大硬さと押し込み長4mmの硬さの差が、0.05GPa以上である請求項1〜6のいずれかに記載のハーフミラー調タッチセンサー。
  8. タッチパネルに用いられる請求項1〜7のいずれかに記載のハーフミラー調タッチセンサー。
  9. タッチスイッチに用いられる請求項1〜7のいずれかに記載のハーフミラー調タッチセンサー。
  10. タッチパッドに用いられる請求項1〜7のいずれかに記載のハーフミラー調タッチセンサー。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載のハーフミラー調タッチセンサーに用いられる多層フィルム。
  12. 請求項1〜7のいずれかに記載のハーフミラー調タッチセンサーを用いた成形品。
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