JP2011127004A - 複数のポリオキシアルキレン系重合体を用いるスピーカー組立用接着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、湿分によりシロキサン結合を形成することによって架橋し得る架橋性珪素基を分子末端に有するポリオキシアルキレン系重合体、(B)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、湿分によりシロキサン結合を形成することによって架橋し得る架橋性珪素基を分子末端に有し、(A)成分のポリオキシアルキレン系重合体よりも分子量が小さいポリオキシアルキレン系重合体、及び(C)第2族元素及び第12族元素から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物を含有するスピーカー組立用接着剤。
【選択図】 なし
Description
なお、式(3):
で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、下記式(7):
で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位からなる共重合体であることが好ましい。
ポリオキシプロピレンジオールにナトリウムメトキシド(NaOMe)のメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、更に塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。未反応の塩化アリルを減圧脱揮により除去し、さらに生成した金属塩を水により抽出除去して、末端にアリル基を有するポリオキシプロピレンを得た。得られたアリル基末端ポリオキシプロピレンに対し、白金ビニルシロキサン錯体のイソプロパノール溶液を添加し、トリメトキシシランを反応させ、PPG(ポリプロピレングリコール)換算の重量平均分子量が約25000、1分子当たり1.5個の末端トリメトキシシリル基を有するポリオキシプロピレン系重合体を得た。
合成例1で用いたポリオキシプロピレンジオールより分子量が小さいポリオキシプロピレンジオールにナトリウムメトキシド(NaOMe)のメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、更に塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。未反応の塩化アリルを減圧脱揮により除去し、さらに生成した金属塩を水により抽出除去して、末端にアリル基を有するポリオキシプロピレンを得た。得られたアリル基末端ポリオキシプロピレンに対し、白金ビニルシロキサン錯体のイソプロパノール溶液を添加し、トリメトキシシランを反応させ、PPG換算の重量平均分子量が約15000、1分子当たり1.5個の末端トリメトキシシリル基を有するポリオキシプロピレン系重合体を得た。
フラスコに溶剤である酢酸エチル40重量部、メチルメタクリレート59重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート25重量部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン22重量部、及び金属触媒としてルテノセンジクロライド0.1重量部を仕込み窒素ガスを導入しながら80℃に加熱した。ついで、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン8重量部をフラスコ内に添加し80℃で6時間反応を行った。室温に冷却後、ベンゾキノン溶液(95%THF溶液)を20重量部添加して重合を停止した。溶剤および未反応物を留去し、ポリスチレン換算の重量平均分子量が約6000であるトリメトキシシリル基を有するアクリル酸エステル系重合体を得た。
硬化速度は皮張り時間によって評価した。内径60mmの円筒容器に5mm厚まで試料を充填し、直ちに23℃、50%RHの恒温恒湿室に静置し、表面を指で触り、組成物が指に付着しなくなるまでの時間を測定する。
幅25mm、長さ100mm、厚み1.6mmのアルミ板に、接着剤組成物を一端から75mmの長さの部分に200μmの厚みに塗布する。一方、幅25mm、長さ200mmの5号キャンパスに、接着剤組成物を一端から75mmの長さの部分に200μmの厚みに2回塗布する。塗布部分が重なるように貼り合わせ、ハンドローラーで3往復厚締する。これを23℃50%RHで1週間養生したものを試験片とする。所定温度雰囲気下でキャンパスの180°剥離強度を測定する(引張りスピード200mm/分)。
JIS K6253に準拠し、接着剤組成物の23℃、50%RHで1週間養生したものを試験片とし、JIS A硬度を測定する。
接着剤から厚み2mmのシートを調製する。動的粘弾性試験は、セイコーインスツルメンツ(株)製DMS6100を用いて、測定温度23℃、周波数100Hz及び歪率0.1%の条件で、2mmシートについて行い、次に損失正接(tanδ)を下式により求める。
tanδ=E”/E’
(E’:貯蔵弾性率、E”:損失弾性率)
酸化防止剤:チバ・ジャパン(株)製、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、商品名:イルガノックス245、1重量部。
脱水剤:コルコート(株)製、テトラエトキシシラン、商品名:エチルシリケート28、1重量部。
希釈剤:ジャパンエナジー(株)製、パラフィン系希釈剤、商品名:カクタスノルマルパラフィンN−11、10重量部。
接着性付与剤:信越化学工業(株)製、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、商品名:信越シリコーンKBM603、6重量部。
実施例1〜5及び比較例1〜2においては、架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体として合成例1で得られた重合体と合成例2で得られた重合体とを混合して使用している。比較例1においては、第2族元素及び第12族元素の酸化物を用いていない。比較例2においては、第2族元素及び第12族元素でない元素の酸化物(酸化チタン)を用いている。接着剤の硬化速度、熱間剥離強度、硬度および損失正接を表1に示した。なお、これらの実施例、比較例においては酸化カルシウムと炭酸カルシウムの合計量が同一になるよう組成物を調製している。酸化カルシウムは充填剤としても作用すると考えられるからである。
実施例6及び比較例3においては、架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体として合成例1で得られた重合体と合成例2で得られた重合体とを混合して使用しているが、合成例2で得られた分子量が小さい重合体を増量して使用している。また、比較例4〜6においてはポリオキシアルキレン系重合体として1種の重合体のみを使用し混合使用していない。接着剤の硬化速度、熱間剥離強度、硬度および損失正接を表1に示した。
実施例7〜10においては第2族元素及び第12族元素の酸化物の表面処理物を使用している。接着剤の硬化速度、熱間剥離強度、硬度および損失正接を表2に示した。特に、実施例2と実施例7との比較及び実施例3と実施例10との比較から、表面処理されていない酸化物の場合、表面処理された酸化物の場合に比較し、高温時の剥離強度や硬化物の硬度が大きいことがわかる。
実施例11〜12、比較例4においては、硬化触媒としてジオクチル錫ジバーサテートにかえてジオクチル錫オキシドを使用した。但し、触媒活性を向上させるため接着剤組成物の製造後、接着剤組成物の加熱処理を行った。接着剤の硬化速度、熱間剥離強度、硬度および損失正接を表2に示した。実施例11〜12と比較例4との比較から明らかなように、他の触媒を用いても炭酸カルシウムに代えて酸化カルシウムを添加することにより、高温時の剥離強度や硬度が改善されることがわかる。
比較例8〜9においては、架橋性珪素基としてトリアルコキシシリル基に代えてジアルコキシシリル基を有する重合体を使用している。架橋性珪素基としてジアルコキシシリル基を用いるとトリアルコキシシリル基を用いた場合に比較し、硬化速度が低下する。ジオクチル錫ジバーサテートに代えて、触媒活性が高いジブチル錫ビスアセチルアセトナートを使用している。この場合においても、炭酸カルシウムに代えて酸化カルシウムを添加することにより、高温時の剥離強度や硬度が改善されることがわかる。
スピーカーの接合部fおよびg(トッププレート8やボトムプレート10とフェライトマグネット9間の接合部)を除いた接合部に実施例6で使用した接着剤組成物を用いてスピーカーを組み立てた。加熱時にも接着強度は十分で、得られたスピーカーの音質は良好であった。
*1:(株)カネカ製、主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端にジメトキシ基を有するポリマーと、主鎖がポリメタクリル酸エステルの共重合体で分子中にジメトキシシリル基を有するポリマーとの混合物、商品名:サイリルMA440
*2:近江化学(株)製、表面処理されていない酸化カルシウム、商品名:CML−35S
*3:近江化学(株)製、脂肪酸処理酸化カルシウム、商品名:CML−31
*4:神島化学(株)製、表面処理されていない酸化マグネシウム、商品名:スターマグM
*5:神島化学(株)製、脂肪酸処理酸化マグネシウム、商品名:スターマグCX
*6:正同化学工業(株)製、表面処理されていない酸化亜鉛、商品名:酸化亜鉛1種
*7:堺化学工業(株)製、表面処理されていないルチル型酸化チタン、商品名:DAIAWHITE TCR−10
*8:白石カルシウム(株)製、重質炭酸カルシウム、商品名:ホワイトンSB
*9:丸尾カルシウム(株)製、脂肪酸処理炭酸カルシウム、商品名:カルファイン200
*10:日東化成(株)製、ジオクチル錫ジバーサテート硬化触媒、商品名:ネオスタン U−830
*11:日東化成(株)製、ジオクチル錫オキシド硬化触媒、商品名:ネオスタン U−800P
*12:日東化成(株)製、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート硬化触媒、商品名:ネオスタン U−220H
2 コーン紙
3 コーンエッジ
4 ガスケット
5 ボイスコイル
6 ダンバー
7 ダストキャップ
8 トッププレート
9 フェライトマグネット
10 ボトムプレート
a、b、c、d、e、f、g 各部材の接合部
Claims (15)
- (A)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することによって架橋し得る架橋性珪素基を分子末端に有するポリオキシアルキレン系重合体、(B)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することによって架橋し得る架橋性珪素基を分子末端に有し、(A)成分のポリオキシアルキレン系重合体よりも分子量が小さいポリオキシアルキレン系重合体、及び(C)第2族元素及び第12族元素から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物を含有するスピーカー組立用接着剤であって、(A)成分と(B)成分の合計量100重量部、(A)及び(B)成分以外の架橋性珪素基を有する重合体を含有する場合はすべての架橋性珪素基を有する重合体100重量部、に対して(C)成分を2〜100重量部含有するスピーカー組立用接着剤。
- 前記架橋性珪素基が下記式(1)で示される基であることを特徴とする請求項1記載のスピーカーの組立用接着剤。
- 前記架橋性珪素基においてaが2又は3であることを特徴とする請求項3記載のスピーカー組立用接着剤。
- 前記架橋性珪素基においてaが3であることを特徴とする請求項4記載のスピーカー組立用接着剤。
- 前記架橋性珪素基において加水分解性基がアルコキシ基であることを特徴とする請求項1〜5記載のスピーカー組立用接着剤。
- 前記架橋性珪素基において加水分解性基がメトキシ基であることを特徴とする請求項6記載のスピーカー組立用接着剤。
- (A)成分の架橋性珪素基を分子末端に有するポリオキシアルキレン系重合体の重量平均分子量が10000〜50000であり、(B)成分の架橋性珪素基を分子末端に有するポリオキシアルキレン系重合体の重量平均分子量が5000〜30000であることを特徴とする請求項1〜7記載のスピーカー組立用接着剤。
- (B)成分の架橋性珪素基を分子末端に有するポリオキシアルキレン系重合体の重量平均分子量が(A)成分の架橋性珪素基を分子末端に有するポリオキシアルキレン系重合体の重量平均分子量よりも3000以上小さいことを特徴とする請求項1〜8記載のスピーカー組立用接着剤。
- 珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、湿分によりシロキサン結合を形成することによって架橋し得る架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体を、(A)成分と(B)成分の合計量100重量部、(A)及び(B)成分以外の架橋性珪素基を有する重合体を含有する場合はすべての架橋性珪素基を有する重合体100重量部、に対し10〜200重量部、さらに含有することを特徴とする請求項1〜9記載のスピーカー組立用接着剤。
- 第2族元素及び第12族元素から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物が酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜10記載のスピーカー組立用接着剤。
- 第2族元素及び第12族元素から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物が酸化カルシウムであることを特徴とする請求項11記載のスピーカー組立用接着剤。
- 第2族元素及び第12族元素から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物が表面処理されていない酸化物であることを特徴とする請求項1〜12記載のスピーカー組立用接着剤。
- 炭酸カルシウム2〜200重量部を、(A)成分と(B)成分の合計量100重量部、(A)及び(B)成分以外の架橋性珪素基を有する重合体を含有する場合はすべての架橋性珪素基を有する重合体100重量部、に対し10〜200重量部、さらに含有することを特徴とする請求項1〜13記載のスピーカー組立用接着剤。
- (A)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することによって架橋し得る架橋性珪素基を分子末端に有するポリオキシアルキレン系重合体、(B)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することによって架橋し得る架橋性珪素基を分子末端に有し、(A)成分のポリオキシアルキレン系重合体よりも分子量が小さいポリオキシアルキレン系重合体、及び(C)第2族元素及び第12族元素から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物を含有するスピーカー組立用接着剤の製造方法であって、(A)成分と(B)成分の合計量100重量部、(A)及び(B)成分以外の架橋性珪素基を有する重合体を含有する場合はすべての架橋性珪素基を有する重合体100重量部、に対して(C)成分を2〜100重量部含有するスピーカー組立用接着剤の製造方法。
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