JP2011126942A - ホットメルト型接着剤及びrtm成形方法 - Google Patents

ホットメルト型接着剤及びrtm成形方法 Download PDF

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【課題】比較的低温で被着体に添付固定可能であり、さらに150℃以上の加熱により接着可能で、且つ高いせん断接着力を有し、熱可塑性であるため再加熱でリサイクル性を付与可能な、ホットメルト型接着剤を提供する。
【解決手段】(A)数平均分子量が110〜1200のモノマー状態又はオリゴマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂、及び(B)数平均分子量が7000以上のポリマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂を含有し、前記モノマー状態又はオリゴマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂と前記ポリマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂との重量比が6:4〜8:2であるホットメルト型接着剤。具体的には、(A)モノマー状態又はオリゴマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂として(a)2官能エポキシ化合物、(b)フェノール性水酸基を2つ有する2官能性化合物及び(c)リン系触媒、1,2−アルキレンベンズイミダゾール及び2−アリール−4,5−ジフェニルイミダゾールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を含むものが好ましく、(B)ポリマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂が(a)2官能エポキシ化合物、及び(b)フェノール性水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、イソシアネート基及びシアネートエステル基からなる群より選ばれる同一の又は異なる2つの官能基を有する2官能性化合物の混合物を重付加させたものが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、高いせん断接着力を有し、構造体の接着に好適なホットメルト型接着剤に関する。また、該ホットメルト型接着剤を用いたRTM成形方法に関する。
熱で接着剤を溶かして塗布できるホットメルト型接着剤としては、オレフィン系、ポリアミド系、EVA系、ウレタン系などが知られている。また、ペースト系接着剤とは異なり、施工が簡単なフィルム系接着剤としては、エポキシ系、フェノール系、オレフィン系、ポリアミド系、EVA系、ウレタン系などが知られている。
従来技術にはそれぞれ以下のような問題点がある。ホットメルト型接着剤は、主に簡易接着に用いられるため、基本的に接着力が低く、構造接着用途には接着強度が不足する。また、フィルム系接着剤は、エポキシ系、フェノール系などの熱硬化型であるため、接着剤の焼き付け工程が必要となり、硬化に時間がかかり、才レフィン系、ポリアミド系、EVA系、ウレタン系などは基本的に接着力が低く、構造接着用途には接着強度が不足する。
これらの問題が発生する理由は以下の通りである。ホットメルト型接着剤は樹脂の固形物を加熱溶融して塗布して接着する為、被着体への濡れ性が良くなく、また、硬化後の接着剤は比較的弾性がある為、せん断接着強度としては低い。エポキシ系及びフェノール系はフィルム状の樹脂組成物の中に主剤と硬化剤が存在しており、加熱により主剤と硬化剤が反応して硬化するが、通常時がフィルム状であるため加熱しても粘度が下がらず、硬化は硬化剤と主剤が接触している部分からしか進んでいかないので、硬化が完了するまでには時間がかかる。オレフィン系、ポリアミド系、EVA系、ウレタン系については、上記のホットメルト型接着剤と同様に、樹脂の固形物を加熱溶融して塗布して接着する為、被着体への濡れ性が良くなく、また、硬化後の接着剤は比較的弾性がある為、せん断接着強度としては低い。
ところで、下記特許文献1には、簡便な加熱方法により固化した状態のFRTPを容易に加工することができる繊維強化樹脂の成形方法が開示されている。具体的には、固化した状態の熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂中に配された炭素繊維と、を含む繊維強化樹脂を成形する方法であって、繊維強化樹脂中の炭素繊維を電磁誘導加熱により加熱する加熱工程と、加熱工程後の繊維強化樹脂を変形させる変形工程とを有しており、熱可塑性樹脂として、熱可塑性エポキシ樹脂を用いるものである。
特開2005−238758号公報
本発明は、比較的低温で被着体に添付固定可能であり、さらに150℃以上の加熱により接着可能で、且つ高いせん断接着力を有し、熱可塑性であるため再加熱でリサイクル性を付与可能な、ホットメルト型接着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定配合の熱可塑性エポキシ樹脂を用いることで上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
即ち、第1に、本発明は、(A)数平均分子量が110〜1200のモノマー状態又はオリゴマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂、及び(B)数平均分子量が7000以上のポリマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂を含有し、前記モノマー状態又はオリゴマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂と前記ポリマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂との重量比が6:4〜8:2であるホットメルト型接着剤である。
ホットメルト型接着剤における(A)モノマー状態又はオリゴマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂の含有量と(B)ポリマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂の含有量との合計が90〜100重量%、特に95〜100重量%であることが好ましい。
本発明では、(A)数平均分子量が110〜1200のモノマー状態又はオリゴマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂、及び(B)数平均分子量が7000以上のポリマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂として公知の各種エポキシ化合物を用いることができる。それらの中で、(A)モノマー状態又はオリゴマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂として、(a)2官能エポキシ化合物、(b)フェノール性水酸基を2つ有する2官能性化合物、及び(c)リン系触媒、1,2−アルキレンベンズイミダゾール及び2−アリール−4,5−ジフェニルイミダゾールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を含むものが好ましく例示される。また、(B)ポリマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂として、(a)2官能エポキシ化合物、及び(b)フェノール性水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、イソシアネート基及びシアネートエステル基からなる群より選ばれる同一の又は異なる2つの官能基を有する2官能性化合物の混合物を重付加させたものが好ましく例示される。
本発明のホットメルト型接着剤は、取り扱い上、フィルム状であることが好ましい。ここで、フィルムの厚さは限定されないが、50〜100μmが好ましい。
第2に、本発明は、上記のホットメルト型接着剤をインサート(中子)の表面に予め塗布又は貼り付け、その後RTM成形することを特徴とするRTM成形方法であって、後から注入される熱硬化性樹脂とインサートとの接着が改善される。
ポリマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂とモノマー状態又はオリゴマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂を混合配合し、フィルム化することで取り扱い性を向上させることができる。また、比較的に低温でモノマー状態又はオリゴマー状態の熱可塑エポキシ樹脂が溶融し、被着体への濡れ面積を確保しながら重付加して密着力を高めることができる。更に、150℃以上で加熱することによりポリマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂が溶融して密着し、冷却することで強固な接着接合体とすることができる。
本発明で用いる(a)2官能エポキシ化合物の具体例としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、2官能のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、2官能のナフタレン型エポキシ樹脂、2官能の脂環式エポキシ樹脂、2官能のグリシジルエステル型エポキシ樹脂(例えばジグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ダイマー酸ジグリシジルエステルなど)、2官能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂(例えばジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジンなど)、2官能の複素環式エポキシ樹脂、2官能のジアリールスルホン型エポキシ樹脂、ヒドロキノン型エポキシ樹脂(例えばヒドロキノンジグリシジルエーテル、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテルなど)、2官能のアルキレングリシジルエーテル系化合物(例えばブタンジオールジグリシジルエーテル、ブテンジオールジグリシジルエーテル、ブチンジオールジグリシジルエーテルなど)、2官能のグリシジル基含有ヒダントイン化合物(例えば1,3−ジグリシジル−5,5−ジアルキルヒダントイン、1−グリシジル−3−(グリシドキシアルキル)−5,5−ジアルキルヒダントインなど)、2官能のグリシジル基含有シロキサン(例えば1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,β−ビス(3−グリシドキシプロピル)ポリジメチルシロキサンなど)及びそれらの変性物などが挙げられる。これらのうちでは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が、反応性及び作業性の点から好ましい。
本発明で用いる(b)フェノール性水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、イソシアネート基及びシアネートエステル基からなる群より選ばれる同一の又は異なる2つの官能基を有する2官能性化合物は、エポキシ樹脂の硬化剤として使用される成分であり、2官能であるため、エポキシ樹脂の官能基数が2個であるのとあいまって、重付加反応により直鎖状のポリマーを生成することができる。重合後のポリマーは、パラフェニレン構造とエーテル結合を主骨格とし、それらをアルキレン連鎖で連結した主鎖と、重付加により生成した水酸基が側鎖に配置された構造を有する。このパラフェニレン骨格からなる直鎖状の構造により、重合後のポリマーの機械的強度を高めることができるとともに、側鎖に配置された水酸基により、基材への密着性を向上させることができる。この結果、熱硬化性樹脂の作業性を維持しながら、高い接着強度を実現することができる。さらに、熱可塑性樹脂であるため熱で軟化・溶融させることによってリサイクルが可能となり、熱硬化性樹脂における問題点であるリサイクル性を改善することができる。
本発明の(A)モノマー状態又はオリゴマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂に含まれる(b)2官能性化合物としては、フェノール性水酸基を2つ有する2官能性化合物が好ましい。かかる化合物を使用することにより、直鎖状のポリマーを形成する重合反応が優先的に進行して、所望の特性を具備する熱可塑性エポキシ樹脂を得ることが可能となる。
本発明で用いる(b)2官能性化合物としては、分子量110〜1200、さらには110〜500で、室温で液状又は半固状のものが、作業性の点から好ましい。
2官能性化合物とは、1分子中にエポキシ基と反応することができる基を2つ有する化合物を指す。そのような化合物としては、室温で液状のものが好ましい。
フェノール性水酸基含有化合物としては、溶融時の粘度が低く、結晶性が低く、エポキシ樹脂に硬化剤としての必要量を溶解させたときに結晶化しないものが好ましい。フェノール性水酸基含有化合物の具体例としては、例えばカテコール、レゾルシン、ヒドロキノンなどのベンゼン環を1個有する一核体芳香族ジヒドロキシ化合物類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールAD)などのビスフェノール類、ジヒドロキシナフタレンなどの縮合環を有する化合物、ジアリルレゾルシン、ジアリルビスフェノールA、トリアリルジヒドロキシビフェニルなどのアリル基を導入した2官能フェノール化合物、ジブチルビスフェノールAなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール性水酸基含有化合物を使用した場合には、エポキシ基との反応で形成されるエーテル結合が応力緩和機能を発揮し、接着系の応力集中を避けることが可能となる。
カルボキシル基含有化合物の具体例としては、アジピン酸、コハク酸、マロン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
メルカプト基含有化合物としては、室温で液状のものが好ましい。具体例としては、例えばエチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネートなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イソシアネート基含有化合物の具体例としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、及びトリレンジイソシアネート(TDI)などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シアネートエステル基含有化合物の具体例としては、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、及びビス(4−シアナトフェニル)メタンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらフェノール性水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、イソシアネート基及びシアネートエステル基からなる群より選ばれる同一の又は異なる2つの官能基を有する2官能性化合物は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いる(c)リン系触媒としては、例えば、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン−トリフェニルボロン錯体、テトラフェニルホスホニウム−テトラフェニルボレート等を挙げることができる。これらのうち、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリフェニルホスフィン−トリフェニルボロン錯体を用いると貯蔵安定性のよい一液型のエポキシ樹脂組成物とすることができる。
(c)リン系触媒、1,2−アルキレンベンズイミダゾール及び2−アリール−4,5−ジフェニルイミダゾールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の硬化促進剤の添加量は、使用する化合物の種類や組成等により異なるが、通常、エポキシ化合物100重量部に対して0.1〜1重量部、好ましくは0.1〜0.8重量部、より好ましくは0.2〜0.6重量部である。
本発明においては、必要に応じて、本発明の目的を阻害しない範囲で、その他の添加剤を配合することができる。添加剤の配合量は、合計で通常10%以下、好ましくは5%以下である。上記添加剤としては、例えば、粘度調整剤、無機フィラー、消泡剤、シランカップリング剤等のカップリング剤、顔料等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
粘度調整剤としては、例えば、反応性希釈剤等を使用することができる。
無機フィラーとしては、例えば、球状溶融シリカ、鉄などの金属の金属粉、珪砂、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、酸性白土、珪藻土、カオリン、石英、酸化チタン、シリカ、フェノール樹脂マイクロバルーン、ガラスバルーン等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤等が挙げられ、具体的には、例えば、ST86PA(商品名、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)などの純粋なシリコーン系消泡剤等を挙げることができる。
顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛等を挙げることができる。
本発明のホットメルト型接着剤を得る方法としては特に限定されず、上記2種のエポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、及び、必要に応じて他の添加剤を混合すればよい。上記混合の方法としては、公知の混合装置を使用する方法を適用可能である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、ディスパー、3本ロール、パドルミキサー、プラネタリーミキサー等の混合機を使用することができる。その際、必要に応じて、適宜、溶剤を使用することができる。
溶剤としては特に限定されず、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、トルエン、キシレン、ベンゼン等の炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のホットメルト型接着剤を、RTM(resin transfer molding)成形方法に用いることが好ましい。RTM成形方法は、予め炭素長繊維や織物を成形型の中に配設し、型閉め後、未硬化の樹脂を注入して加熱硬化させ、型を開いて製品を脱型する方法である。RTM成形方法はまた、所望により、予め炭素長繊維や織物と一緒に、硬化物であるインサート(中子)を成形型内に配設して成形することもできる。
上記の場合において、成形型内に注入される注入樹脂(例えば酸無水物硬化エポキシ系樹脂)は、基本的に接着性を具備していないため、インサートとの接着性を維持するために接着剤が必要となる。しかしながら、通常のペースト型接着剤は、塗布作業が困難であることや、成形型内に注入樹脂を注入する際の圧力で接着剤が剥離することなどの問題点から、上記の用途に使用することはできない。
一方、フィルム状の接着剤の場合、貼り付け作業性は向上するが、インサートとの接着性を維持するための構造接着においては、接着剤の成分が限定される。例えばエポキシ系接着剤の場合、硬化剤として含有されるアミンが、注入樹脂に硬化剤として含有される酸無水物と反応することにより、接着剤及び注入樹脂の両者が硬化不良となる。それ故、かかる接着剤を上記の用途に使用することは好ましくない。
また、フェノール系接着剤の場合、縮合反応に伴い副生成物として水を放出するため、接着部において、ボイドによる接着不良を引き起こすこととなる。それ故、かかる接着剤も上記の用途に使用することは好ましくない。
これに対して、本発明のホットメルト型接着剤は、注入樹脂の成分と反応しうるアミンを含有せず、また重付加に伴う水の生成もない。それ故、本発明のホットメルト型接着剤をRTM成形方法に用いることにより、上記のような問題を生じることなく、強固な接着接合体を得ることができる。
以下、本発明の実施例と比較例を示す。
[実施例1]
2官能エポキシ樹脂及びフェノール性水酸基を2つ有する2官能性化合物からなるXNR6850(ナガセケムテックス社製)を260重量部、2官能エポキシ樹脂及びリン系触媒からなるXNH6850(ナガセケムテックス社製)を10重量部の割合で混合し、モノマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂(配合物B)を得た。配合物Bを、離型剤を塗布したアルミニウム製トレイに約5mmの厚さとなるように流し込み、160℃で30分間加熱してポリマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂(ポリマーA)を得た。GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)分析によってポリマーAの分子量測定を行ったところ、数平均分子量=14500(ポリスチレン換算による)であることが明らかとなった。ポリマーAを37.5重量%の濃度となるようにシクロペンタノン中に溶解し、ポリマー溶液A’を得た。その後、100重量部のポリマー溶液A’に87.5重量部の配合物Bを溶解し、さらに無機フィラーとして3重量部のアエロジルRY200(日本アエロジル社製)を添加して、ホットメルト接着剤製造用溶液(溶液C)を得た。
片面にシリコーン離型処理されたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに、アプリケーターで275μmのギャップを設けて溶液Cを塗布した。塗布後のフィルムを80℃×4分間、次いで120℃×2分間、熱風乾燥機中で乾燥して溶媒を除去した。以上の工程により、PETフィルム上に約50μmの厚さのホットメルト型接着剤を作製した。
上記の工程で得られたホットメルト型接着剤をCFRP硬化物にドライヤー(70℃)で貼付けた。その上からCFRP硬化物を貼り合わせ、クリップで固定し180℃×5分加熱し、せん断接着試験片を得た。その後、引張試験機に取り付け、せん断接着力を測定した。
[実施例2]
上記の工程で得られたホットメルト型接着剤をCFRP硬化物にドライヤー(70℃)で貼付けた。その後金型にセットし、その上からカーボン繊維(0/90°多軸剤 4ply)を積層し、金型を閉じて金型内を真空にした後、液状のエポキシ樹脂(ナガセケムテックス製、XNR/H6813)を金型内に注入した。その後金型を100℃で90分予備硬化させ、室温に冷却後、試験片を取り出した。その後さらに180℃で4時間硬化させた。所定のサイズに切り出してせん断接着試験片を得た。その後、引張試験機に取り付け、せん断接着力を測定した。
[比較例1]
上記の工程で得られたホットメルト型接着剤をCFRP硬化物にドライヤー(150℃)で貼付けた。その上からCFRP硬化物を貼り合わせ、クリップで固定し180℃×5分加熱し、せん断接着試験片を得た。その後、引張試験機に取り付け、せん断接着力を測定した。
[比較例2]
エポキシ系熱硬化型フィルム接着剤(AF3113−5M、住友スリーエム製)をCFRP硬化物上にのせ、その上からプリプレグ(0/90°4ply)を積層し、真空バッグ成形により接着剤及びプリプレグを硬化させ、せん断接着試験片を得た。その後、引張試験機に取り付け、せん断接着力を測定した
[比較例3]
市販のポリアミド系ホットメルト型フィルム接着剤(667EG、住友スリーエム製)をCFRP硬化物にドライヤー(70℃)で貼り付けた。その上からCFRP硬化物を貼り合わせ、クリップで固定し150℃×5分加熱し、せん断接着試験片を得た。その後、引張試験機に取り付け、せん断接着力を測定した。
試験結果を下記表1に示す。
Figure 2011126942
表1の結果より、本発明のホットメルト型接着剤は従来のホットメルト型接着剤に比べて優れていることが分かる。
本発明のホットメルト型接着剤は、ドライヤー等の比較的低温で被着体に貼付固定でき、その後150℃以上で加熱して接着する。冷却後はエポキシ系構造用接着剤と同様、高いせん断接着力を発揮できる。また、本発明のホットメルト型接着剤は、熱可塑性を有するので異種材同士を接着した場合、再加熱して接着剤を軟化させれば剥すことが出来、リサイクル性においても有効である。

Claims (5)

  1. (A)数平均分子量が110〜1200のモノマー状態又はオリゴマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂、及び(B)数平均分子量が7000以上のポリマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂を含有し、前記モノマー状態又はオリゴマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂と前記ポリマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂との重量比が6:4〜8:2であるホットメルト型接着剤。
  2. (A)モノマー状態又はオリゴマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂が
    (a)2官能エポキシ化合物;
    (b)フェノール性水酸基を2つ有する2官能性化合物;及び
    (c)リン系触媒、1,2−アルキレンベンズイミダゾール及び2−アリール−4,5−ジフェニルイミダゾールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物;
    を含むものであり、
    (B)ポリマー状態の熱可塑性エポキシ樹脂が
    (a)2官能エポキシ化合物;及び
    (b)フェノール性水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、イソシアネート基及びシアネートエステル基からなる群より選ばれる同一の又は異なる2つの官能基を有する2官能性化合物;
    の混合物を重付加させたものである、請求項1に記載のホットメルト型接着剤。
  3. フィルム状である、請求項1又は2に記載のホットメルト型接着剤。
  4. フィルムの厚さが50〜100μmである、請求項3に記載のホットメルト型接着剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のホットメルト型接着剤をインサートの表面に予め塗布又は貼り付け、その後RTM成形することを特徴とするRTM成形方法。
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