JP2011126567A - 包装材およびこれを用いた包装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】組み立てが簡単にでき、輸送作業や仕分け作業で扱い易く、安価に製造でき、同じ箱で様々な大きさの物品を緩衝材無しで包装できる包装材を提供する。
【解決手段】箱に組み立てられる包装体を、本体1とシュリンクフィルム2で構成し、これらを本体1の底板6と側板7,8の5カ所で固定する。シュリンクフィルム2の本体1の第1の主板4を覆っている部分の上に物品40を置き、その上を本体1の第2の主板5で覆った後、第1の主板4の側板7と第2の主板5の側板8をシュリンクフィルム2を介して近接させ、シュリンクフィルム2の側方耳部21,22が重なっている部分と、開口側耳部23,24が重なっている部分に、それぞれ熱風を当てる。この熱風処理で、本体1が箱10に組み上がり、側板7,8で箱10の各側面が断面V字状に構成され、箱10内にシュリンクフィルム2からなる袋がハンモック状に固定される。
【選択図】図2

Description

この発明は、箱に組み立てられる包装材およびこれを用いた包装方法に関する。
近年、インターネットやカタログによる通信販売が増加し、これに伴って大量の商品が宅配便等で配送されている。配送で使用される包装材としては、段ボール箱や袋が使用されている。商品の包装に際しては、破損を防止するために、商品をエアクッションで包んだ状態で袋に入れたり、商品と段ボール箱の隙間を緩衝材で埋めたりすることが行われている。また、冊子やCD等の配送には、エアクッション付き封筒等も使用されている。
下記の特許文献1には、エアクッション付き包装袋として、外装と内装の二重構造からなり、内装に商品を収納し、簡単な操作で外装と内装の間に空気を吹き込んでエアクッションを形成するものが開示されている。このエアクッション付き包装袋は、内装の大きさの範囲で複数の大きさの商品を包装でき、繰り返し使用することもできる。
下記の特許文献2には、シュリンクフィルムと包装箱を使用して緩衝材を用いずに梱包する方法が開示されている。この方法では、シュリンクフィルムを包装箱の内底面および/または側壁内面に、多数のピンポイント又は点線状もしくは渦巻き状に塗布された接着剤により固定し、シュリンクフィルムの長さ方向両端が、包装箱の開口部の天板フラップから所定長さではみ出すように配置する。そして、このシュリンクフィルムの上に商品を置き、シュリンクフィルムの長さ方向両端を加熱して、収縮させて溶着することにより商品を拘束している。
特開2003−26233号公報 特開2002−114210号公報
配送で使用される包装材には、組み立てが簡単にでき、輸送作業や仕分け作業で扱い易く、安価であることが求められている。また、同じ箱で様々な大きさの物品を緩衝材無しで包装できるものであると、資源の無駄使いの解消やコスト削減など様々な点で有効であるが、特許文献1に開示された技術は、これらの全てを満足できるものではない。また、特許文献2の方法は、既に組み立てられた箱とシュリンクフィルムを組合せて使用する梱包方法である。
この発明の課題は、組み立てが簡単にでき、輸送作業や仕分け作業で扱い易く、安価に製造できる包装材と、これに加えて、同じ箱で様々な大きさの物品を緩衝材無しで包装できる包装材を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明の包装材は、箱に組み立てられる包装材であって、所定形状に切り出された板紙からなる本体と、熱により収縮して溶着する性質のフィルムと、からなり、前記本体は、箱の厚さ方向で対向する2面となる第1の主板および第2の主板と、両主板の間に配置されて箱の底面となる底板と、各主板の両側に配置されて箱の側面を構成する側板と、を有する形状で、第1および第2の主板と底板との境界にそれぞれ第1の折り目が形成され、第1および第2の主板と各側板との境界にそれぞれ第2の折り目が形成され、前記フィルムは、前記本体の板面全体を覆い、且つ、前記第1および第2の主板の各側板の外側に張り出す第1および第2の側方耳部と、前記第1および第2の主板の箱の開口となる側に張り出す第1および第2の開口側耳部と、を有する形状であり、前記フィルムは、前記本体の少なくとも前記側板に固定されていることを特徴とする。
この発明の包装材は、所定形状に切り出された板紙からなる本体と、熱により収縮して溶着する性質のフィルムからなるため、安価に製造できる。また、箱に組み立てられるものであるため、袋状のものよりも輸送作業や仕分け作業で扱い易い。
この発明の包装材は、以下に示す、この発明の包装方法により使用される。
先ず、前記フィルムの前記本体の第1の主板を覆っている部分に物品を置く。次に、前記フィルムを内側にして前記本体を第1の折り目で折り曲げることで、前記物品の上を前記フィルムを介して前記本体の第2の主板で覆い、両主板の各側板同士を前記フィルムを介して近接させ、前記側板の外側に張り出した前記フィルムの第1の側方耳部と第2の側方耳部が重なり、前記主板の箱の開口となる側に張り出した前記フィルムの第1の開口側耳部と第2の開口側耳部が重なった状態とする。
次に、前記第1の側方耳部と第2の側方耳部が重なっている部分に熱風を当てることで、両耳部を熱で収縮させて溶着し、前記第1の開口側耳部と第2の開口側耳部が重なっている部分に熱風を当てることで、両耳部を熱で収縮させて溶着する。この熱収縮に伴う引張力により、各側板が第2の折り目で内側に折り曲がって箱の側面に配置されて、前記本体からなる箱が組み上がる。これと同時に、前記箱内に前記フィルムからなる袋が固定され、この袋内に物品が配置された状態になる。つまり、この発明の包装材は、簡単な方法で、箱に組み立てられて中に物品が入った状態にできる。
この発明の包装材において、前記フィルムは、前記本体の底板と、前記側板の箱の開口の幅方向両端となる部分に固定されていることが好ましい。これにより、前記フィルムの耳部の熱収縮に伴う引張力で前記本体からなる箱が組み上がる際に、前記箱内に、前記フィルムからなる袋が、箱の底面と開口の幅方向両端となる部分でハンモック状に固定され、この袋内に物品が配置された状態になる。そのため、緩衝材を用いなくても配送中の物品の破損が防止される。また、熱風処理の際に、前記フィルムは内包した物品の形状に沿って熱収縮するため、箱の大きさの範囲内で様々な大きさの物品を、緩衝材無しで包装できる。
この発明の包装材において、前記本体が、前記第1および第2の主板の箱の開口となる側に、箱の蓋となる蓋板を有し、第1および第2の主板と蓋板との境界に第3の折り目が形成されていると、前記蓋板を第3の折り目で折り曲げることで箱の開口を閉じることができる。
この発明の包装材は、安価に製造できるとともに、簡単な方法で包装体を作製すること(中に物品が入った状態で箱を組み立てること)ができ、箱に組み立てられるため輸送作業や仕分け作業で扱い易い。特に、本体に対するフィルムの固定位置を特定することで、緩衝材を用いなくても物品の破損が防止できるように包装でき、箱の大きさの範囲内で様々な大きさの物品に対応できる。
この発明の包装方法によれば、この発明の包装材を用いて簡単な方法で包装体が作製できる。特に、本体に対するフィルムの固定位置が特定された包装材を使用することで、緩衝材を用いなくても物品の破損が防止できるように包装でき、箱の大きさの範囲内で様々な大きさの物品に対応できる。
この発明の一実施形態に相当する包装材を示す平面図である。 図1の包装材を用いた物品の包装方法を説明する斜視図である。 図2の方法で作製された包装体を示す斜視図である。
以下、この発明の実施形態について説明する。
図1は、この実施形態の包装材を示す平面図である。
この包装材は、所定形状に切り出された段ボール紙(板紙)からなる本体1と、本体1より大きな長方形に切り出されたシュリンクフィルム(熱により収縮して溶着する性質のフィルム)2と、両者を固定する両面テープ3とで構成されている。図1は、本体1を上に向けて置いた状態を示している。
本体1は、第1の主板4、第2の主板5、底板6と、4枚の側板7,8と、2枚の蓋板9が結合された形状である。第1の主板4および第2の主板5は、箱に組み立てた時に、箱の厚さ方向で対向する2面となる。底板6は、両主板4,5の間に配置され、組み立てた箱の底面となる。側板7は、第1の主板4の両側に配置されている。側板8は、第2の主板5の両側に配置されている。箱に組み立てた時に、側板7と側板8により箱の側面が構成される。蓋板9は、両主板4,5の箱の開口となる側に配置され、箱の蓋になる。
本体1には、第1の主板4および第2の主板5と底板6との境界に、それぞれ折り目(第1の折り目)46,56が形成されている。第1の主板4および第2の主板5と各側板7,8との境界に、それぞれ折り目(第2の折り目)47,58が形成されている。第1の主板4および第2の主板5と蓋板9との境界に、折り目(第3の折り目)49,59が形成されている。これらの折り目46,56,47,58,49,59には、本体1の表面(フィルム2と反対側の板面)に切れ目が形成されて、これらの折り目61で山折りされ易くなっている。
本体1の底板6の幅方向中心にも折り目61が形成されている。この折り目61で底板6が2枚の分割体64,65に分けられている。また、この折り目61には、本体1の裏面(フィルム2側の板面)に切れ目が形成されて、この折り目61で谷折りされ易くなっている。本体1の底板6の中央部と4枚の側板7,8の蓋板9側の端部(箱の開口の幅方向両端となる部分)に、各両面テープ3の一方の粘着面が貼り付けられている。各両面テープ3の他方の粘着面にシュリンクフィルム2が貼り付けられている。すなわち、シュリンクフィルム2は本体1の前記5カ所に両面テープ3で固定されている。
シュリンクフィルム2の本体1からはみ出す部分は、第1の主板4の各側板7の外側に張り出す側方耳部(第1の側方耳部)21と、第2の主板5の各側板8の外側に張り出す側方耳部(第2の側方耳部)22と、第1の主板4の蓋板9の外側(箱の開口となる側)に張り出す開口側耳部(第1の開口側耳部)23と、第2の主板5の蓋板9の外側(箱の開口となる側)に張り出す開口側耳部(第2の開口側耳部)24とに分けられる。
この包装材の使用方法について、図2を用いて説明する。
先ず、図2(a)に示すように、この包装材を、シュリンクフィルム2側を上に向けて置き、本体1の第1の主板4を覆っている部分の上に物品40を置く。次に、シュリンクフィルム2を内側にして、本体1を折り目(第1の折り目)46,56で折り曲げることで、物品40の上を、シュリンクフィルム2を介して本体1の第2の主板5で覆う。
これにより、図2(b)に示すように、第1の主板4の側板7と第2の主板5の側板8をシュリンクフィルム2を介して近接させる。また、シュリンクフィルム2の側方耳部21の上に側方耳部22が重なり、開口側耳部23の上に開口側耳部24が重なった状態とする。そして、側方耳部21,22が重なっている部分に熱風を当てることで両耳部を熱で収縮させて溶着し、開口側耳部23,24が重なっている部分に熱風を当てることで両耳部を熱で収縮させて溶着する。
図2(c)は、先ず、開口側耳部23,24に対する熱風処理を行った後、側方耳部21,22に対する熱風処理がなされた直後の状態を示している。この図に示すように、熱風処理でシュリンクフィルム2が熱収縮することに伴って生じた引張力により、側板7,8が折り目47,58で山折りされ(内側に折れ曲がり)、底板6の折り目61が谷折りされる。その結果、本体1が箱10に組み上がり、側板7,8で箱10の各側面が断面V字状に構成され、底板6も分割体64,65により断面V字状に形成される。
また、図3に示すように、シュリンクフィルム2は内包した物品40の形状に沿って熱収縮し、本体1からなる箱10内にシュリンクフィルム2からなる袋20が、箱10の底面の中央部30Aと開口の幅方向両端となる部分30B,30C(両面テープ3による5カ所の固定点)でハンモック状に固定され、この袋20内に物品40が配置された状態になる。そして、図3に示すように、蓋板9を折り目49,59で山折りして箱10の開口を閉じ、粘着テープ等で両蓋板9を結合すれば、配送用の包装体(物品40が箱10に入ったもの)が作製できる。
したがって、この実施形態の包装材によれば、簡単な方法で箱に組み立てられて中に物品が入った状態にすること(包装体を作製すること)ができ、緩衝材を用いなくても配送中の物品の破損が防止できる。また、箱の大きさの範囲内で様々な大きさの物品に対応できる。
なお、この実施形態の包装体は本体1が蓋板9を有するが、蓋板9は必ずしも本体1と一体に形成されている必要はない。蓋板9を本体1と一体に形成しない例としては、箱10の開口を本体1とは別の部材で蓋をして閉じる場合や、箱10の開口を閉じずに複数の包装体を大きな箱に詰めて配送する場合等が挙げられる。
また、この実施形態の包装体は、シュリンクフィルム2の本体1に対して前記5カ所で固定されているが、熱収縮により形成されるシュリンクフィルム2からなる袋が箱10に対してハンモック状に固定されれば、他の位置で固定されていてもよい。
さらに、シュリンクフィルム2は本体1に対して、少なくとも側板7,8に固定されていれば、側方耳部21,22に対する熱風処理で本体1が箱10に組み上がり、側板7,8で箱10の各側面が断面V字状に構成され、底板6も分割体64,65により断面V字状に形成される。
1 段ボール紙(板紙)からなる本体
2 シュリンクフィルム(熱により収縮して溶着する性質のフィルム)
21 側方耳部(第1の側方耳部)
22 側方耳部(第2の側方耳部)
23 開口側耳部(第1の開口側耳部)
24 開口側耳部(第2の開口側耳部)
3 両面テープ
4 第1の主板
46 折り目(第1の折り目)
47 折り目(第2の折り目)
49 折り目(第3の折り目)
5 第2の主板
56 折り目(第1の折り目)
58 折り目(第2の折り目)
59 折り目(第3の折り目)
6 底板
61 底板の折り目
64 底板の分割体
65 底板の分割体
7 側板
8 側板
9 蓋板
10 箱
40 物品

Claims (5)

  1. 箱に組み立てられる包装材であって、
    所定形状に切り出された板紙からなる本体と、熱により収縮して溶着する性質のフィルムと、からなり、
    前記本体は、箱の厚さ方向で対向する2面となる第1の主板および第2の主板と、両主板の間に配置されて箱の底面となる底板と、各主板の両側に配置されて箱の側面を構成する側板と、を有する形状で、第1および第2の主板と底板との境界にそれぞれ第1の折り目が形成され、第1および第2の主板と各側板との境界にそれぞれ第2の折り目が形成され、
    前記フィルムは、前記本体の板面全体を覆い、且つ、前記第1および第2の主板の各側板の外側に張り出す第1および第2の側方耳部と、前記第1および第2の主板の箱の開口となる側に張り出す第1および第2の開口側耳部と、を有する形状であり、
    前記フィルムは、前記本体の少なくとも前記側板に固定されていることを特徴とする包装材。
  2. 前記フィルムは、前記本体の底板と、前記側板の箱の開口の幅方向両端となる部分に固定されている請求項1記載の包装材。
  3. 前記本体は、前記第1および第2の主板の箱の開口となる側に、箱の蓋となる蓋板を有し、第1および第2の主板と蓋板との境界に第3の折り目が形成されている請求項1又は2記載の包装材。
  4. 請求項1記載の包装材を用いた物品の包装方法であって、
    前記フィルムの前記本体の第1の主板を覆っている部分に物品を置き、前記フィルムを内側にして前記本体を第1の折り目で折り曲げることで、前記物品の上を前記フィルムを介して前記本体の第2の主板で覆い、両主板の各側板同士を前記フィルムを介して近接させ、前記側板の外側に張り出した前記フィルムの第1の側方耳部と第2の側方耳部が重なり、前記主板の箱の開口となる側に張り出した前記フィルムの第1の開口側耳部と第2の開口側耳部が重なった状態とした後、
    前記第1の側方耳部と第2の側方耳部が重なっている部分に熱風を当てることで、両耳部を熱で収縮させて溶着し、前記第1の開口側耳部と第2の開口側耳部が重なっている部分に熱風を当てることで、両耳部を熱で収縮させて溶着するとともに、
    この熱収縮に伴う引張力により、各側板を第2の折り目で内側に折り曲げて箱の側面に配置することで、前記本体からなる箱を組み立てるとともに、前記箱内に前記フィルムからなる袋が固定され、この袋内に物品が配置された状態にすることを特徴とする包装方法。
  5. 請求項2記載の包装材を用いた物品の包装方法であって、
    前記フィルムの前記本体の第1の主板を覆っている部分に物品を置き、前記フィルムを内側にして前記本体を第1の折り目で折り曲げることで、前記物品の上を前記フィルムを介して前記本体の第2の主板で覆い、両主板の各側板同士を前記フィルムを介して近接させ、前記側板の外側に張り出した前記フィルムの第1の側方耳部と第2の側方耳部が重なり、前記主板の箱の開口となる側に張り出した前記フィルムの第1の開口側耳部と第2の開口側耳部が重なった状態とした後、
    前記第1の側方耳部と第2の側方耳部が重なっている部分に熱風を当てることで、両耳部を熱で収縮させて溶着し、前記第1の開口側耳部と第2の開口側耳部が重なっている部分に熱風を当てることで、両耳部を熱で収縮させて溶着するとともに、
    この熱収縮に伴う引張力により、各側板を第2の折り目で内側に折り曲げて箱の側面に配置することで、前記本体からなる箱を組み立てるとともに、前記箱内に、前記フィルムからなる袋が、箱の底面と開口の幅方向両端となる部分でハンモック状に固定され、この袋内に物品が配置された状態にすることを特徴とする包装方法。
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