JP2011122330A - 床構造及びその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】張替えやリフォーム等の更新時も敷設済みの床材3を剥がす場合でも容易に行うことができ、床下地材1を殆ど傷めずにそのまま利用可能にする床構造及びその施工方法を提供する。
【解決手段】床下地材1上に、厚さ方向の剥離強度が0.2N/mm以下のボード状物2,2,…を接着剤を用いずに固定具7,7,…のみで固定し、このボード状物2上に床材3を接着剤8により接着して敷設する。
【選択図】図1

Description

本発明は床構造及びその施工方法に関する。
一般に、置き敷きタイプの床材を備えた床構造では、根太やスラブの上に合板やパーティクルボード等の床下地材を敷き込み、その床下地材上に接着剤や釘等で床材が敷設されている。
ところが、張替えやリフォーム等の更新時において敷設済みの床材を剥がすのは困難で手間がかかるという問題がある。そのため、例えば特許文献1では、床材裏面に剥離材を貼付けることが提案されている。
また、特許文献2に示されるように、スラブ面や下地材面にシート状物やフィルムを略全面に敷設し、その上に接着剤で防音床材を貼着する施工方法が提案されている。
特開平9−242312号公報 特開2000−240267号公報
ところが、特許文献1に示されるものでは、床材の張替え時に剥離材の箇所において床材の剥離作業が容易となるものの、剥離材が床下地材上に残ってしまい、床下地材の表面平坦性に問題が生じる。
一方、特許文献2に示されるものでは、シート状物やフィルムがスラブ面や下地材面と強固に接着されているものではないため、剥離作業は容易ではあるものの、防音床材を剥がすために鋸刃等を入れた場合に、シート状物やフィルムを突きぬけてスラブ面や下地材面を大きく傷める場合がある。
また、防音床材はシート状物やフィルムと全面で接着されているので、敷設時に防音床材の寸法変化にシート状物やフィルムが追随して、突き上げや目隙が生じる可能性があるとともに、剥離作業後においても、防音床材とシート状物とを分別破棄する手間が生じることもある。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的は、張替えやリフォーム等の更新時も敷設済みの床材を剥がす場合でも容易に行うことができ、床下地材を殆ど傷めずにそのまま利用可能にする床構造及びその施工方法を提供しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、床下地材と床材との間に、固定具のみで床下地材に固定されるボード状物を介在させるようにした。
具体的には、請求項1の発明の床構造では、床下地材上に、厚さ方向の剥離強度が0.2N/mm以下のボード状物が接着剤を用いずに固定具のみで固定され、このボード状物上に床材が接着されて敷設されていることを特徴とする。
この請求項1の発明では、床下地材上に厚さ方向の剥離強度0.2N/mm以下のボード状物が接着剤を用いずに固定具で固定され、そのボード状物上に床材が接着されて敷設されているので、床材の更新時においては床材とボード状物とが貼着一体化されており、床材を剥がす作業の際に、ボード状物が基材の箇所で剥離或いは破壊し易く、床材とボード状物の一部(上側部)とは、床下地材からの分離解体を簡単に行うことが可能となる。仮に、破壊されたボード状物の残部(下側部)が床下地材表面に固定具と共に残っていても、もともとボード状物は床下地材とは接着剤で固定されていないので、固定具を外すだけで或いは固定具と共に、簡単に床下地材表面上のボード状物の残部を剥がすことができる。そして、このように床材及びボード状物を剥がすことで、床下地材は表面平坦性をも復帰させることができ、その床下地材を再度利用して新たな床材を施工することができる。
また、床材を剥がす場合に、鋸刃等の工具を用いたとしても、直下のボード状物が損傷することはあるものの、ボード状物下の床下地材を大きく損傷することはなく、床下地材まで張り替える必要が生じない。
さらに、ボード状物は床下地材に固定具で固定されているので、踏み付け等の荷重が長期にかかっても床面全体としてズレが生じない。
請求項2の発明では、上記ボード状物は、床材よりも幅方向及び長さ方向の寸法変化量が大きく、かつ、そのボード状物と該ボード状部に隣接する他のボード状物との目地部が、上記床材と該床材に隣接する他の床材との目地部に対し、上方から見て重ならないように異なる位置に位置していることを特徴とする。
この請求項2の発明では、ボード状物は、床材よりも幅方向及び長さ方向の寸法変化量が大きいとともに、隣接するボード状物間の目地部と、隣接する床材間の目地部とが上方から見て重ならないように異なった位置に位置しているので、ボード状物の寸法変化量の影響により、床材の寸法変化量が相対的に小さくなり、目隙や突き上げが小さくなる。すなわち、例えば乾燥条件時において、ボード状物が幅方向又は長さ方向に大きく収縮するように変化した場合、床材も同様に収縮する方向に変化したとしても、その床材の変化がボード状物の変化の影響を受けることで、床材間の目地部においては相対的に狭くなる方向に変化することとなり、その目地部の目隙は小さくなる。逆に、湿潤条件時において、ボード状物が大きく伸長方向に変化した場合には、床材も伸長方向に変化したとしても、その床材の変化がボード状物の変化の影響を受けることで、床材間の目地部においては相対的に広くなる方向に変化することとなり、その目地部での突き上げが小さくなる。
請求項3の発明では、上記ボード状物は、密度が0.2〜0.4g/cmの木質繊維板であることを特徴とする。
この請求項3の発明では、ボード状物は密度が0.2〜0.4g/cmの木質繊維板であるので、軽量で扱い易く、加工及び施工がし易いとともに、適度なクッション性があり、床面として適する。しかも、防音性や断熱性、調湿性に優れるため、室内環境が向上する。さらに、吸放湿性があるので、床材や床下地材の含水率が調整されて、それらの寸法変化が軽微となり安定する。また、木質繊維であるので、木質床材と同様に廃棄が容易であり、木質材料として再利用可能である。
請求項4の発明では、上記ボード状物は、表面にプライマー処理が施されていることを特徴とする。
この請求項4の発明では、ボード状物の表面にプライマー処理がなされているので、床材を接着するときに効率的に接着することができる。また、プライマー処理によって撥水性を持たせることもできるので、表面側からの水が浸透しても膨れ等の不具合が生じ難く、床面の平坦性を保つことができる。
請求項5の発明では、隣接する床材は、雄実の長さよりも雌実下部の長さが短い本実構造により接合され、かつ弾性接着剤によりボード状物に貼着されていることを特徴とする。
この請求項5の発明では、雄実の長さよりも雌実下部の長さが短い本実加工が施されている床材を弾性接着剤によりボード状物に貼着するので、両床材の接合部において雄実の下側に空間が生じて、この空間に弾性接着剤が充填されることとなり、床材の接合部に衝撃が加わっても、その衝撃が空間内の弾性接着剤により吸収されて雌実及び雄実が破損し難くなり、特にボード状物が木質繊維板のような弾力性がある場合に有効である。また、床材同士の接合部下部に接着剤が重点的に充填されることで、ボード状物への防水機能も強化されるため、長期に亘って変形することなく使用継続することができる。
請求項6の発明の床構造の施工方法では、床下地材上に、厚さ方向の剥離強度が0.2N/mm以下のボード状物を敷いて、そのボード状物を接着剤を用いずに固定具のみで固定した後、そのボード状物上に床材を接着して敷設することを特徴とする。
この請求項6の発明では、上記請求項1の発明と同様の作用効果が得られる。
以上説明のように、請求項1の発明の床構造によると、床下地材上に、厚さ方向の剥離強度が0.2N/mm以下のボード状物を接着剤を用いずに固定具のみで固定し、そのボード状物上に床材を接着して敷設したことにより、床材の更新時に、ボード状物の基材での剥離或いは破壊により、床材とボード状物の一部とを床下地材から簡単に簡単に解体できるとともに、破壊されたボード状物の残部が床下地材表面に固定具と共に残っていても、その固定具を外すだけで或いは固定具と共に、ボード状物の残部を床下地材表面から容易に剥がすことができ、床下地材の表面平坦性を復帰させて、その床下地材を再度利用して新たな床材を施工することができる。また、床材を剥がす場合に、鋸刃等の工具を用いたとしても、床下地材を大きく損傷することがなく、床下地材まで張り替える必要が生じないとともに、固定具によるボード状物の床下地材への固定により、踏み付け等の荷重が長期にかかっても床面全体としてズレが生じない。
請求項2の発明によると、ボード状物は、床材よりも幅方向及び長さ方向の寸法変化量を大きくし、かつ隣接するボード状物間及び床材間の各目地部を上方から見て重ならないように異なった位置に位置付けたことにより、床材の寸法変化量をボード状物の寸法変化量の影響によって相対的に小さくして目隙や突き上げを小さくすることができる。
請求項3の発明によると、ボード状物を、密度が0.2〜0.4g/cmの木質繊維板としたことにより、床面として適したボード状物が得られるとともに、室内環境が向上する。さらに、床材や床下地材の含水率が調整されて、それらの寸法変化が安定するとともに、木質材料として再利用可能である。
請求項4の発明によると、ボード状物の表面にプライマー処理を施したことにより、床材を効率的に接着することができるとともに、撥水性により表面側からの水が浸透してもボード状物の膨れ等の不具合を生じ難くして、床面の平坦性を保つことができる。
請求項5の発明によると、隣接する床材を、雄実の長さよりも雌実下部の長さが短い本実構造により接合し、かつ弾性接着剤によりボード状物に貼着したことにより、雄実の下側に生じた空間に弾性接着剤を充填し、その空間の弾性接着剤により、床材の接合部で加わる衝撃を吸収して雌実及び雄実を破損し難くできるとともに、床材同士の接合部下部に接着剤を重点的に充填してボード状物への防水機能も強化し、長期に亘って変形することなく使用継続することができる。
請求項6の発明の床構造の施工方法によると、床下地材上に、厚さ方向の剥離強度が0.2N/mm以下のボード状物を敷いて、そのボード状物を接着剤を用いずに固定具のみで固定した後、そのボード状物上に床材を接着して敷設することにより、請求項1の発明と同様の作用効果が得られる。
図1は本発明の実施形態に係る床構造を示す断面図である。 図2は床材接合部の拡大断面図である。 図3は、更新時にボード状物を剥離させながら床材を剥がす作業を示す図である。 図4は、更新時に残ったボード状物を床仕上げ材から剥がす作業を示す図である。 図5は、ボード状物と床材との幅及び長さ並びに幅及び長さ方向の寸法変化量が同じであるときの変化を示す図1相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図1は本発明の実施形態に係る床構造を示し、1は図外の根太やスラブの上に敷設される床下地材であって、この床下地材1は合板やパーティクルボード等からなる一般的な床下地材である。そして、この床下地材1上には複数枚のボード状物2,2,…が固定され、そのボード状物2,2,…上に多数枚の床材3,3,…が敷設されている。
(ボード状物)
上記ボード状物2とは、木質繊維板等の木質系ボードやロックウール板等の無機系ボード、或いは発泡樹脂ボード等、ある程度の厚さと強度とを有する建築用ボード状物であればよいが、基材として剥離強度の小さいものがよい。
具体的には、ボード状物2は、その基材厚さ方向の剥離強度が0.2N/mm以下のものである。この剥離強度が0.2N/mmを超えると、更新時に床材3を剥離する際にボード状物2が基材部分で剥離ないし破壊し難く、手間取ってしまうからである。
特に、ボード状物2としては木質繊維板が望ましい。この木質繊維板は木質系であるため、調湿性能による室内環境向上に資するだけでなく、防音性能による室内音響環境の向上や、断熱性能によるエネルギー効率を向上させることができる。また、廃棄時においては、木質系の床材3との分別が不必要であるだけでなく、木質系材料としてリサイクル可能であるので、地球環境にも資することもできる。
ボード状物2としての上記木質繊維板の密度は0.2〜0.4g/cmがよい。密度が0.2g/cmよりも小さいと、取扱いが難しく、使用時や施工時に形状を維持するのが困難であり、長期に繰り返し荷重がかかると、破壊されてしまうことがあるためである。一方、密度が0.4g/cmを超えると、鋸刃が入れ難くなるので、更新時の床材3を剥離する際に手間取ってしまう。
また、ボード状物2は、上面に敷設する床材3よりも幅方向及び長さ方向の寸法変化量が大きく、かつ、そのボード状物2と該ボード状部2に隣接する他のボード状物2との図外の目地部(隣接するボード状物2,2間の目地部)が、床材3と該床材3に隣接する他の床材3との目地部(隣接する床材3,3間の目地部)のうち上記ボード状物2,2間の目地部に対応してそれと平行な目地部に対し、上方から見て重ならないように異なる位置に位置していることが望ましい。何故なら、ボード状物2の上に貼着された床材3は、ボード状物2の寸法変化の影響を受けるのであるが、ボード状物2が床材3の幅方向及び長さ方向の寸法変化量が大きく、隣接するボード状物2,2間の目地部と、隣接する床材3,3間の目地部とが上方から見て重ならないように異なった位置にあると、ボード状物2が寸法変化した場合に、その上の床材3の寸法変化が相殺されて、結果的に床材3,3間の目隙が小さくなるからである。
すなわち、図5に示すように、床材3とボード状物2との幅方向及び長さ方向の寸法変化量が同じで、隣接するボード状物2,2間の目地部と、隣接する床材3,3間の目地部とが上方から見て重なっている場合、ボード状物2は分離しているため、例えば乾燥条件において、そのボード状物2の動きは、床材3とボード状物2とのピース毎に生じる。このとき、ボード状物2の動きを固定するものはないため、ピースの動きは基材であるボード状物2の動きの影響を受け、比較的大きな目隙が生じる。
これに対し、本実施形態の場合では、図1に示すように、床材3よりもボード状物2の収縮量(寸法変化量)の方が大きく、隣接するボード状物2,2間及び床材3,3間のそれぞれの目地部が上方から見て重ならない位置にあることから、例えば乾燥条件時において、ボード状物2が幅方向又は長さ方向に大きく収縮するように変化したとき、床材3が同様に収縮する方向に変化したとしても、その床材3の変化がボード状物2の変化の影響を受けることで、床材3,3間の目地部では相対的に狭くなる方向に変化することとなり、その目地部の目隙が小さくなる。一方、逆に、湿潤条件時において、ボード状物2が大きく伸長方向に変化したときには、床材3が伸長方向に変化したとしても、その床材3の変化がボード状物2の変化の影響を受け、床材3,3間の目地部では相対的に広くなる方向に変化し、その目地部での突き上げは小さくなる。尚、図1及び図5中、破線矢印はボード状物2の動きを、また実線矢印は床材3の動きを、さらに白抜き矢印は見かけ上の動きをそれぞれ示している。
例えば、床材3となる基材3aが密度0.5〜0.6g/cmの合板基材であったり、密度0.4〜0.8g/cmのMDF基材であれば、ボード状物2は密度0.2〜0.4g/cmの木質繊維板がよい。密度0.5〜0.6g/cmの広葉樹合板や針葉樹合板の寸法変化率は、幅方向及び長さ方向では0.1〜0.15%程度であり、密度0.4〜0.8g/cmのMDFの寸法変化率は0.25〜0.30%程度であるが、密度0.2〜0.4g/cmの木質繊維板の寸法変化率は幅方向及び長さ方向では0.30〜0.40%程度であり、これら材料の寸法変化率を考慮して、床材3となる基材3a及びボード状物2の各寸法変化量を設定する。
尚、上記寸法変化率とは、JISA5905に準じる方法で測定されるものであって、40℃90%条件の恒温槽内で寸法が安定するまで放置した後の寸法と、さらに40℃40%条件の恒温槽内で寸法が安定するまで放置した寸法との変化率を表したものである。
上記ボード状物2の表面にはプライマー処理がされていることが望ましい。このプライマー処理により、床材3貼着用の接着剤の過度な浸透を防止し、適度な量で必要な接着ができるだけでなく、撥水性能を付与することもできるので、表面側から水が浸透してもボード状物2に膨れ等の不具合が生じ難く、平坦性を保つことができる。
上記ボード状物2は床下地材1上に接着剤を用いずに固定具7,7,…のみで固定されている。すなわち、ボード状物2の固定に接着剤を用いると、リフォーム等の更新時にボード状物2を床下地材1から剥がし難くなり、床下地材1の表面平坦性が得難く、再度床材3を貼ることが困難になるからである。このボード状物2を固定する固定具7は、釘やビス等の一般的な固定具で構わない。
(床材)
上記ボード状物2上に敷設されている床材3は、そのボード状物2の全面(表面全体)に接着剤8によって接着(貼着)することで施工されている。この接着剤8としては、ウレタン系樹脂等の弾性接着剤が床鳴り防止にもなり、後述するように雌実4や雄実5が破壊され難くなるので望ましい。
上記床材3は基材3a表面に化粧層3bを形成したものである。基材3aの種類は特に指定されるものではなく、合板やMDF等のような木質基材でよい。床材3として、密度0.4〜0.8g/cmのMDF等、寸法変化率が比較的大きくて室内環境によっては目隙等の問題が生じ易い基材3aからなる床材であっても、本実施形態の施工構造であれば、見かけ上の寸法変化を改善できるので、特に生かされるものとなる。
床材3の四周端部には、例えば長さ方向又は幅方向に対向する1対の端部の一方に、床材3の厚さ方向の上下中間部を断面矩形状に切り欠いた凹条からなる雌実4が、また他方に、床材3の厚さ方向の上下中間部を残して上下隅角部を断面矩形状に切り欠いた凸条からなる雄実5がそれぞれ設けられ、隣接する床材3,3同士は、その一方の雌実4に他方の雄実5を嵌合する本実構造6で接合されている。尚、本実構造6に代えて合決り構造により床材3,3同士を接合してもよい。
特に、図2に拡大して示すように、雌実4における雌実下部4aの突出長さL1が雌実上部4bよりも短くなるように雌実下部4aの先端部を切り除くことで、雄実5の長さL2(凸条の突出長さ)よりも雌実4の雌実下部4aの突出長さL1が短い本実構造6が施されていると好ましい。これにより、床材3,3を弾性接着剤8によりボード状物2に施工した場合に、雄実5の下部に空間Sが設けられて、その空間Sに上記弾性接着剤8が充填されることとなり、両床材3,3の接合部付近に衝撃や荷重が加わったとしても、その衝撃や荷重は空間Sの弾性接着剤8により弾力的に吸収され、雌実4や雄実5が破損するのを防止することができる。
また、床材3,3同士の接合部下部に接着剤8が重点的に充填されることで、ボード状物2への防水機能も強化されるようになり、ボード状物2を長期に亘って変形することなく使用を継続することができる。
(施工方法及び更新方法)
以上の構成の床構造を施工する施工方法及び更新する更新方法について説明する。まず、施工時には、床下地材1上に、上記厚さ方向で0.2N/mm以下の剥離強度を有するボード状物2,2,…を敷き、そのボード状物2,2,…を接着剤を用いずに固定具7,7,…のみで床下地材1に固定する。次いで、上記ボード状物2,2,…に全面(表面全体)に亘り接着剤8を塗布して、その上に床材3,3,…を敷設する。
また、床の更新のために既存の床材3,3,…を剥がす更新時には、図3に示すように、床材3をボード状物2が基材の厚さ方向中間部で剥離(破壊)されるように引き剥がす。その後、図4に示すように、残ったボード状物2を固定具7,7,…と共に床下地材1から剥がしたり、或いは残ったボード状物2を固定具7,7,…の取り外しにより床下地材1上から除去したりして床下地材1を現出させる。そして、その現出した床下地材1を再度利用し、床下地材1上に上記構成と同様に新たなボード状物2及び床材3を施工するか、或いは床材3を直接施工する。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
(実施例1)
合板からなる床下地材(床下地合板)上に、ボード状物として剥離強度が0.12N/mmの木質繊維板(厚さ9×幅910×長さ1820mm、比重0.3、寸法変化率0.35%)を300mmピッチで釘(長さ25mm)留めした。その後、この木質繊維板の全面に櫛引き状にウレタン系接着剤を500g/m塗布し、その上にMDF基材からなる床材(厚さ5.5×150×1818mm、寸法変化率0.28%)を施工した。
30日の養生後、バールを用いて床材を剥がすと、容易に剥がすことができた。木質繊維板は材破しており、床材裏面にも木質繊維板の一部が付着していた。さらにバールを用いて木質繊維板を剥がすと、釘と共に容易に剥がすことができた。その際、床下地材は釘穴以外に特に傷みはなく、平坦性に問題はなかった。
床下地材上に、再度、新たに木質繊維板(厚さ9×幅910×長さ1820mm、比重0.28)を300mmピッチで釘(長さ25mm)留めした。木質繊維板の全面にウレタン系接着剤を500g/m塗布し、MDF基材からなる新たな床材(厚さ5.5×150×1818mm)を施工すると、床材はきれいに仕上がった。
(実施例2)
24×750×750mmの合板からなる床下地材(床下地合板)上に、ボード状物として剥離強度0.12N/mmの木質繊維板(厚さ9×幅750×長さ750、比重0.3)を300mmピッチで釘留めした。さらに、この木質繊維板の全面に櫛引き状にウレタン系接着剤を500g/m塗布し、その上にMDF基材からなる床材(厚さ5.5×150×750mm)を全面に施工した。四周フロアー長手側の端部付近においては、適宜、長さ30mmのフロアー釘で留め付けて床構造体とした。
得られた床構造体に対して60℃で乾燥を2週間行い、フロアー長手側嵌合部の目隙を観測、測定したところ、0.08〜0.1mmであり、目視では目立たなかった。
(比較例1)
床下地合板上の全面に櫛引き状にウレタン系接着剤を500g/m塗布し、剥離強度が1.0N/mmの合板(厚さ9×幅910×長さ1820mm、比重0.5)を貼着後、300mmピッチで釘(長さ25mm)留めした。さらに、この合板の全面に櫛引き状にウレタン系接着剤を500g/m塗布し、MDF基材からなる床材(厚さ5.5×150×1818mm)を施工した。
30日養生後、バールを用いて床材を剥がすと、床材は合板と密着しており、その合板を中々材破できず、容易に剥がすことができなかった。
(比較例2)
床下地合板上の全面に櫛引き状にウレタン系接着剤を500g/m塗布し、剥離強度0.12N/mmの木質繊維板(厚さ9×幅910×長さ1820mm、比重0.3)を貼着した後、300ピッチで釘(長さ25mm)留めした。さらに、この木質繊維板全面に櫛引き状にウレタン系接着剤を500g/m塗布し、MDF基材からなる床材(厚さ5.5×150×1818mm)を施工した。
30日の養生後、バールを用いて床材を剥がすと、容易に剥がすことができた。木質繊維板は材破しており、床材裏面にもこの木質繊維板の一部が付着していた。しかし、さらにバールを用いて床下地合板上の木質繊維板を剥がそうとしても、その木質繊維板は床下地合板に付着してしまっていてきれいに剥がすことは困難であった。こうして床下地合板面に木質繊維板の一部が所々残ったため、平坦性が得られず、再度床材をきれいに貼ることはできなかった。
(比較例3)
24×750×750mmの床下地合板上にウレタン系接着剤を500g/m塗布し、MDF基材からなる床材(厚さ5.5×150×750mm)を全面に施工した。
60℃乾燥を2週間行い、フロアー長手側嵌合部の目隙を観測、測定したところ、0.2〜0.25mmであり、目視ではやや目立つ箇所もあった。
本発明は、床の更新時において、床下地材を殆ど傷付けることなくきれいに床材及びボード状物を外し、床下地材を再度利用して新たな床材を施工できるので、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
1 床下地材
2 ボード状物
3 床材
4 雌実
4a 雌実下部
L1 突出長さ
5 雄実
L2 長さ
6 本実構造
S 空間
7 固定具
8 接着剤

Claims (6)

  1. 床下地材上に、厚さ方向の剥離強度が0.2N/mm以下のボード状物が接着剤を用いずに固定具のみで固定され、
    上記ボード状物上に床材が接着されて敷設されていることを特徴とする床構造。
  2. 請求項1において、
    ボード状物は、床材よりも幅方向及び長さ方向の寸法変化量が大きく、
    かつ、上記ボード状物と該ボード状部に隣接する他のボード状物との目地部が、上記床材と該床材に隣接する他の床材との目地部に対し、上方から見て重ならないように異なる位置に位置していることを特徴とする床構造。
  3. 請求項1又は2において、
    ボード状物は、密度が0.2〜0.4g/cmの木質繊維板であることを特徴とする床構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、
    ボード状物は、表面にプライマー処理が施されていることを特徴とする床構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
    隣接する床材は、雄実の長さよりも雌実下部の長さが短い本実構造により接合され、かつ弾性接着剤によりボード状物に貼着されていることを特徴とする床構造。
  6. 床下地材上に、厚さ方向の剥離強度が0.2N/mm以下のボード状物を敷いて、該ボード状物を接着剤を用いずに固定具のみで固定した後、
    上記ボード状物上に床材を接着して敷設することを特徴とする床構造の施工方法。
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