JP2011122320A - 掘削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動モータの出力軸の回転力をケーシングおよびオーガスクリュに効率良く伝達することができる掘削装置を提供することを課題とする。
【解決手段】駆動モータ20,20と、ケーシング30と、ケーシング30に内挿されたオーガスクリュ40と、遊星歯車機構50と、遊星歯車機構50を支持する支持ブラケット60と、を備え、遊星歯車機構50に取り付けられた駆動モータ20,20によって、ケーシング30およびオーガスクリュ40を軸回りに回転させることで、地盤を掘削する掘削装置10であって、遊星歯車機構50の太陽歯車51にオーガスクリュ40の上端部40aが取り付けられ、遊星歯車52,52に駆動モータ20,20の出力軸21,21が取り付けられ、内歯車53にケーシング30の上端部30aが取り付けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、地盤に縦穴を掘削するための掘削装置に関する。
地盤内に杭を設置するための縦穴を掘削する掘削装置としては、ベースマシンに支持される駆動モータと、円筒状のケーシングと、ケーシングに内挿されたオーガスクリュと、を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。
この掘削装置では、ケーシングによって縦穴の外周部となる部分を掘削した後に、オーガスクリュによって縦穴の中央部となる部分を掘削することができる。このように、掘削時の抵抗力をケーシングおよびオーガスクリュに分散させることで、掘削効率を高めることができる。
特開平7−042469号公報
前記した従来の掘削装置では、駆動モータの出力軸の回転力をケーシングおよびオーガスクリュに伝達させる遊星歯車機構が設けられており、遊星歯車機構の太陽歯車に駆動モータの出力軸およびオーガスクリュの上端部が取り付けられ、内歯車にケーシングの上端部が取り付けられている。この構成では、出力軸の回転力が遊星歯車を介してケーシングに伝達されるため、遊星歯車機構における駆動ロスが大きくなるという問題がある。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、駆動モータの出力軸の回転力をケーシングおよびオーガスクリュに対して効率良く伝達することができる掘削装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、駆動モータと、円筒状のケーシングと、前記ケーシングに内挿されたオーガスクリュと、前記駆動モータの出力軸の回転力を前記ケーシングおよび前記オーガスクリュに伝達させる遊星歯車機構と、ベースマシンに取り付けられ、前記遊星歯車機構を支持する支持ブラケットと、を備え、前記遊星歯車機構に取り付けられた前記駆動モータによって、前記ケーシングおよび前記オーガスクリュを軸回りに回転させることで、地盤を掘削する掘削装置であって、前記遊星歯車機構の太陽歯車に前記オーガスクリュの上端部が取り付けられ、前記遊星歯車機構の遊星歯車に前記駆動モータの前記出力軸が取り付けられ、前記遊星歯車機構の内歯車に前記ケーシングの上端部が取り付けられていることを特徴としている。
この構成では、駆動モータの出力軸が取り付けられた遊星歯車から、ケーシングが取り付けられた内歯車およびオーガスクリュが取り付けられた太陽歯車に対して、出力軸の回転力が直接伝達され、遊星歯車機構における駆動ロスが低減されるため、出力軸の回転力をケーシングおよびオーガスクリュに効率良く伝達することができる。
また、遊星歯車機構の中心部に駆動モータが配置されないため、オーガスクリュに水や圧縮空気などの流体を供給するための流路を、遊星歯車機構の中心部に設けることができる。
前記した掘削装置において、前記遊星歯車機構に複数の前記駆動モータを取り付け、前記遊星歯車機構に設けられた複数の前記遊星歯車に対して、前記各駆動モータの前記出力軸をそれぞれ取り付けてもよい。
この構成では、駆動モータの数を増減することで、ケーシングおよびオーガスクリュの回転トルクを増減させることができる。
また、ケーシングおよびオーガスクリュの駆動力を複数の駆動モータに分散させることによって、小型で低出力の駆動モータを用いることができるため、汎用性の高い駆動モータを用いることができ、製造コストを低減することができる。
前記した掘削装置において、前記ケーシングの上端部は、前記遊星歯車機構の上側で、ケーシング用ブラケットを介して、前記内歯車に取り付けられ、前記オーガスクリュの上端部は、前記遊星歯車機構の上側で、スクリュ用ブラケットを介して、前記太陽歯車に取り付けられていることが望ましい。
この構成では、ケーシングと内歯車との取付部位およびオーガスクリュと太陽歯車との取付部位が遊星歯車機構の上面に形成されるため、各取付部位から下方へのオイル漏れを防ぐことができる。したがって、遊星歯車機構におけるオイルのシール構造を簡略化することができる。
前記した掘削装置において、前記オーガスクリュは、前記遊星歯車機構の前記太陽歯車に対して軸方向に移動自在に取り付けられるとともに、前記支持ブラケットに取り付けられたシリンダに対して軸回りに回転自在に取り付けられ、前記シリンダを伸縮させることで、前記オーガスクリュを軸方向に移動させるように構成することができる。
この構成では、シリンダを伸縮させることで、オーガスクリュの下端部をケーシングの下端部に対して出し入れすることができる。したがって、ケーシングによる掘削とオーガスクリュによる掘削とを切り替えるときに、ケーシングおよびオーガスクリュを地盤から引き上げる必要がないため、作業効率を高めることができる。
また、ケーシングよりも小径のオーガスクリュは、掘削時の回転トルクが小さいため、シリンダをケーシングに取り付けた構成と比べて、シリンダとオーガスクリュとの取付部位の構造を簡素化することができ、掘削装置を小型化および軽量化することができる。
前記した掘削装置において、前記支持ブラケットには、前記ベースマシンに支持されたリーダに沿って昇降自在なスライドハンガーまたは前記ベースマシンのアームのいずれかに取り付けられる連結部を形成することで、各種のベースマシンに対して掘削装置を簡単に取り付けることができる。
本発明の掘削装置では、遊星歯車機構における駆動ロスが低減されるため、出力軸の回転力をケーシングおよびオーガスクリュに効率良く伝達することができる。
また、オーガスクリュの下端部に水や圧縮空気などの流体を供給するための流路を、遊星歯車機構の中心部に設けることができる。
第一実施形態の掘削装置を移動式クレーンに取り付けた構成の側面図である。 第一実施形態の掘削装置を示した正面断面図である。 第一実施形態の掘削装置における遊星歯車機構の構成を示した平面図である。 第一実施形態の掘削装置を油圧ショベルに取り付けた構成の側面図である。 第二実施形態の掘削装置を示した図で、(a)はオーガスクリュを下降させた状態の側断面図、(b)はオーガスクリュを上昇させた状態の側断面図である。 第三実施形態の掘削装置を示した正面断面図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
[第一実施形態]
第一実施形態の掘削装置10は、地盤内に杭を設置するための縦穴を掘削するものであり、図1に示すように、駆動モータ20と、円筒状のケーシング30と、ケーシング30に内挿されたオーガスクリュ40と、遊星歯車機構50と、遊星歯車機構50を支持する支持ブラケット60と、を備えている。
掘削装置10の支持ブラケット60は、ベースマシン1に支持されたリーダ2に沿って昇降するスライドハンガー3に取り付けられており、掘削装置10はスライドハンガー3に連動して昇降するように構成されている。
ベースマシン1は、既存の移動式クレーンであり、傾動および伸縮自在なアーム1aを備えている。
リーダ2は、地面上に立設される矩形断面の支柱であり、複数のリーダを上下方向に連結することで構成されている。リーダ2の上端部はベースマシン1のアーム1aの先端部に支持されている。
スライドハンガー3は、リーダ2の前面の両側縁部に設けられたガイド部材に対して、上下方向にスライド自在に取り付けられており、スライドハンガー3の上端部には、前方に突出した支持部3bが形成されている。
スライドハンガー3の上端部に設けられた滑車3aには、ベースマシン1のアーム1aの上端部から吊り下げられた昇降用ワイヤ1bが掛け回されている。そして、ベースマシン1によって昇降用ワイヤ1bを巻き上げまたは繰り出すことで、スライドハンガー3がリーダ2に沿って昇降する。
掘削装置10は、図2に示すように、二台の駆動モータ20,20と、円筒状のケーシング30と、ケーシング30に内挿されたオーガスクリュ40と、各駆動モータ20,20の出力軸21,21の回転力をケーシング30およびオーガスクリュ40に伝達させる遊星歯車機構50と、遊星歯車機構50を支持する支持ブラケット60と、を備えている。
ケーシング30の下端開口縁部には複数の掘削刃(図示せず)が設けられており、オーガスクリュ40の外周面には螺旋状の掘削刃41が設けられている。なお、オーガスクリュ40の上端部40aには掘削刃41が設けられておらず、オーガスクリュ40の上端部40aは着脱自在となっている。
オーガスクリュ40の中心部には流路40bが上下方向に貫通しており、オーガスクリュ40の上端部40aから流路40bに供給された水、圧縮空気、セメントなどの流体は、流路40bを通じてオーガスクリュ40の下端部から外部に噴出される。
駆動モータ20は、既存の油圧式モータであり、出力軸21が上方に突出する向きで遊星歯車機構50の下面に取り付けられている。二体の駆動モータ20,20は、遊星歯車機構50の下面の中心部に対して、左右両側に取り付けられている。
遊星歯車機構50は、図3に示すように、中心部に配置された環状の太陽歯車51と、太陽歯車51の外周に配置された環状の内歯車53と、太陽歯車51の左右両側に配置された二体の遊星歯車52,52と、太陽歯車51および内歯車53が回転自在に取り付けられた円板状のハウジング54と、を備えている。
この遊星歯車機構50では、各遊星歯車52,52の外周面に形成された歯面が、太陽歯車51の外周面に形成された歯面および内歯車53の内周面に形成された歯面に噛み合っている。
ハウジング54の中心部には、オーガスクリュ40が挿通される中心孔54aが上下方向に貫通している(図2参照)。また、ハウジング54の上面において、中心孔54aの外周には取付溝54bが円周状に形成されている。
取付溝54bの内周部には、太陽歯車51の内周面が回転自在に取り付けられ、取付溝54bの外周部には、内歯車53の外周面が回転自在に取り付けられている。
図2に示すように、取付溝54bの底部において、中心孔54aの左右両側となる位置には、二つの挿通孔54c,54cが形成されている。挿通孔54cは取付溝54bの底部を貫通しており、挿通孔54cの下側の開口部は、ハウジング54の下面に取り付けられた駆動モータ20によって閉塞されている。
各挿通孔54c,54cには、各駆動モータ20,20の出力軸21,21がそれぞれ挿通されており、各出力軸21,21の上端部は各遊星歯車52,52の下端部に取り付けられている。
前記した遊星歯車機構50では、ハウジング54に対して各遊星歯車52,52の位置が固定されており、各駆動モータ20,20の出力軸21,21を回転させ、各遊星歯車52,52を自転させることで、太陽歯車51および内歯車53が相互に逆回転する(図3参照)。
第一実施形態の掘削装置10では、ケーシング30の上端部はケーシング用ブラケット80を介して遊星歯車機構50の内歯車53に取り付けられ、オーガスクリュ40の上端部40aはスクリュ用ブラケット70を介して遊星歯車機構50の太陽歯車51に取り付けられている。
ケーシング用ブラケット80は、遊星歯車機構50のハウジング54の外周に配置される円筒状の外周部81を有している。また、外周部81の上端開口部の全周には、内側に突出したフランジ部82が形成されている。フランジ部82の内周部は下方に突出しており、その下端部が内歯車53の上面に固定されている。
また、ケーシング用ブラケット80の外周部81の下端開口部は取付部83によって塞がれており、取付部83の中心部にはオーガスクリュ40が挿通される中心孔83aが形成されている。
そして、取付部83の下面にケーシング30の上端部30aを取り付けることで、ケーシング30の上端部30aがケーシング用ブラケット80に支持される。
このように、ケーシング30の上端部30aは、遊星歯車機構50の上側で、ケーシング用ブラケット80を介して、内歯車53に取り付けられており、内歯車53の回転に連動して、ケーシング30が軸回りに回転する。
スクリュ用ブラケット70は、遊星歯車機構50の太陽歯車51の上側に配置される円筒状の外周部71を有しており、外周部71の下端開口縁部は太陽歯車51の上面に取り付けられている。
また、外周部71の上端開口部は取付部72によって塞がれており、取付部72の下面の中心部には、オーガスクリュ40の上端部40aが挿入される取付穴72aが形成されている。
そして、オーガスクリュ40の上端部40aを取付穴72a内に取り付けることで、オーガスクリュ40の上端部40aがスクリュ用ブラケット70に支持される。
このように、オーガスクリュ40の上端部40aは、遊星歯車機構50の上側で、スクリュ用ブラケット70を介して、太陽歯車51に取り付けられており、太陽歯車51の回転に連動して、オーガスクリュ40が軸回りに回転する。
また、取付部72の取付穴72aの頂部には、流体供給孔72bが貫通している。流体供給孔72bの上端開口部には供給ホース4が連結されている。
流体供給装置(図示せず)から供給ホース4を通じて、流体供給孔72bに供給された流体は、取付穴72aに挿入されたオーガスクリュ40内の流路40bに供給され、オーガスクリュ40の下端部から外部に噴出される。
支持ブラケット60は、遊星歯車機構50を支持するものであり、箱状の取付部61の上面には、スライドハンガー3(図1参照)に取り付けられる連結部62が設けられている。
連結部62は、取付部61の上面に垂設された左右二枚の板状部材からなり、連結部62の上部に形成された連結孔62aを、スライドハンガー3の支持部3bにピンジョイントさせることで、支持ブラケット60がスライドハンガー3に取り付けられている(図1参照)。
また、取付部61の下端開口縁部の下面の左右両側には、支持穴61a,61aが形成されている。
そして、支持穴61a内に各遊星歯車52,52の上面から突出した支持軸52a,52aが回転自在に取り付けられることで、遊星歯車機構50が支持ブラケット60に支持されている。すなわち、遊星歯車機構50、ケーシング30およびオーガスクリュ40が支持ブラケット60に支持されている。
前記した第一実施形態の掘削装置10を用いて地盤に縦穴を掘削する場合には、図1に示すように、リーダ2に取り付けられたスライドハンガー3の支持部3bの先端部に、掘削装置10の支持ブラケット60の連結部62(図2参照)を取り付ける。このとき、ケーシング30の下端部をオーガスクリュ40の下端部よりも下方に突出させておく。
続いて、図2に示す各駆動モータ20,20の出力軸21,21を回転させ、遊星歯車機構50の各遊星歯車52,52を自転させる。これにより、太陽歯車51および内歯車53が相互に逆回転し、内歯車53に取り付けられたケーシング30および太陽歯車51に取り付けられたオーガスクリュ40が軸回りに回転する。
ケーシング30およびオーガスクリュ40を回転させながら、図1に示すスライドハンガー3をリーダ2に沿って下降させ、ケーシング30の下端部を地盤に当接させて縦穴の外周部となる部位を掘削する。また、ケーシング30によって縦穴の外周部となる部位が掘削された後に、オーガスクリュ40の下端部が地面に当接して、縦穴の中央部となる部位が掘削される。
このように、第一実施形態の掘削装置10を用いた掘削方法では、掘削時の抵抗力がケーシング30およびオーガスクリュ40に分散されるため、縦穴を効率良く掘削することができる。
以上のように構成された第一実施形態の掘削装置10では、図2に示すように、各駆動モータ20,20の出力軸21,21が取り付けられた遊星歯車52,52から、ケーシング30が取り付けられた内歯車53およびオーガスクリュ40が取り付けられた太陽歯車51に対して、各出力軸21,21の回転力が直接伝達され、遊星歯車機構50における駆動ロスが低減されるため、各出力軸21,21の回転力をケーシング30およびオーガスクリュ40に効率良く伝達することができる。
また、遊星歯車機構50の中心部に駆動モータ20が配置されないため、オーガスクリュ40の下端部に水や圧縮空気などの流体を供給するための流路を、遊星歯車機構50の中心部に設けることができる。
また、ケーシング30およびオーガスクリュ40の駆動力を複数の駆動モータ20,20に分散させることにより、小型で低出力の駆動モータ20を用いることができるため、汎用性の高い駆動モータ20を用いることができる。
なお、第一実施形態の掘削装置10では、二台の駆動モータ20,20を用いているが、遊星歯車52および駆動モータ20の数を増やすことで、ケーシング30およびオーガスクリュ40の回転トルクを大きくすることができる。このように、施工現場の地質に対応させて、ケーシング30およびオーガスクリュ40の回転トルクを調整することができる。
また、ケーシング30およびオーガスクリュ40が大きな回転トルクを必要としない場合には、一台の駆動モータ20によって、ケーシング30およびオーガスクリュ40を回転させることもできる。
また、第一実施形態の掘削装置10では、ケーシング30と内歯車53との取付部位およびオーガスクリュ40と太陽歯車51との取付部位が、遊星歯車機構50の上面に形成されるため、各取付部位から下方へのオイル漏れを防ぐことができる。したがって、遊星歯車機構50におけるオイルのシール構造を簡略化することができる。
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、本発明は前記第一実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、第一実施形態の掘削装置10は、図1に示すように、ベースマシン1に支持されたリーダ2に沿って昇降するスライドハンガー3に取り付けられているが、図4に示すように、油圧ショベルであるベースマシン5のアーム5aの先端部に、支持ブラケット60の連結部62を取り付けることもできる。このように、第一実施形態の掘削装置10は、各種のベースマシンに対して簡単に取り付けることができる。
[第二実施形態]
図5(a)に示す第二実施形態の掘削装置10Aは、オーガスクリュ40が軸方向(上下方向)に移動可能となっている点で、前記第一実施形態の掘削装置10(図2参照)と異なっている。
第二実施形態の掘削装置10Aでは、オーガスクリュ40の上部の外周面には、軸方向に延設された凸部40cが形成されている。
また、スクリュ用ブラケット70の中心部には、オーガスクリュ40の上部が挿通される取付孔72cが上下方向に貫通している。この取付孔72cの内周面には、オーガスクリュ40の凸部40cが上下方向にスライド自在に挿入される凹溝72dが軸方向に形成されている。
したがって、第二実施形態のオーガスクリュ40は、遊星歯車機構50の太陽歯車51に対して、軸方向(上下方向)に移動自在となっている。また、第二実施形態のオーガスクリュ40は、太陽歯車51に対して、周方向に係止されているため、太陽歯車51の回転に連動して軸回りに回転する。
スクリュ用ブラケット70の上方には、円筒状の軸受部材91が配置されている。軸受部材91の中心部には、オーガスクリュ40の上端部40aが挿入されており、オーガスクリュ40の上端部40aが軸受部材91に対して回転自在に取り付けられている。
オーガスクリュ40に対して前後両側には、二体のシリンダ92,92が設けられている。シリンダ92は、支持ブラケット60の上部に支持されたシリンダ本体92aと、シリンダ本体92aの下端部から突出したロッド92bと、を備え、ロッド92bが上下方向に伸縮自在となっている。
各シリンダ92,92のロッド92b,92bの下端部は、軸受部材91の側面に取り付けられている。
第二実施形態の掘削装置10Aでは、図5(b)に示すように、各シリンダ92,92のロッド92b,92bを縮退させると、オーガスクリュ40がケーシング30に対して上方に移動し、オーガスクリュ40がケーシング30内に収容され、ケーシング30の下端部がオーガスクリュ40の下端部よりも突出した状態となる。
また、図5(a)に示すように、各シリンダ92,92のロッド92b,92bを伸長させると、オーガスクリュ40がケーシング30に対して下方に移動し、オーガスクリュ40の下端部がケーシング30の下端部よりも突出した状態となる。
以上のように構成された第二実施形態の掘削装置10Aでは、図5(a)および(b)に示すように、各シリンダ92,92を伸縮させることで、オーガスクリュ40の下端部をケーシング30の下端部に対して出し入れすることができる。したがって、ケーシング30による掘削とオーガスクリュ40による掘削とを切り替えるときに、ケーシング30およびオーガスクリュ40を地盤から引き上げる必要がないため、作業効率を高めることができる。
また、ケーシング30よりも小径のオーガスクリュ40は、掘削時の回転トルクが小さいため、シリンダ92,92をケーシング30に取り付けた構成と比べて、シリンダ92,92とオーガスクリュ40との取付部位の構造を簡素化することができ、掘削装置10Aを小型化および軽量化することができる。
[第三実施形態]
図6に示す第三実施形態の掘削装置10Bは、ケーシング30の上端部30aが遊星歯車機構50の下側で内歯車53に取り付けられ、オーガスクリュ40が太陽歯車51に直接取り付けられている点で、前記した第一実施形態の掘削装置10(図2参照)と異なっている。
第三実施形態の掘削装置10Bでは、ケーシング用ブラケット80Aが遊星歯車機構50のハウジング54Aの下方に配置されており、ケーシング用ブラケット80Aの外周部81の上端開口縁部が、内歯車53の下面に取り付けられている。
また、ケーシング用ブラケット80Aの下面には、ケーシング30の上端部30aが取り付けられている。
オーガスクリュ40は、太陽歯車51の中心孔51aに挿通されており、オーガスクリュ40の上端部40aが太陽歯車51の中心孔51aに取り付けられている。
駆動モータ20,20は、遊星歯車機構50のハウジング54Aの上面に取り付けられている。そして、各駆動モータ20,20の下端部から下方に突出した出力軸21,21の下端部が、各遊星歯車52,52の上面に取り付けられている。
前記した第三実施形態の掘削装置10Bでは、各駆動モータ20,20の出力軸21,21を回転させ、遊星歯車機構50の各遊星歯車52,52を自転させると、太陽歯車51および内歯車53が相互に逆回転し、内歯車53に取り付けられたケーシング30および太陽歯車51に取り付けられたオーガスクリュ40が軸回りに回転する。
以上のような第三実施形態の掘削装置10Bでは、オーガスクリュ40が太陽歯車51に直接取り付けられているとともに、ケーシング30を内歯車53に取り付けるためのケーシング用ブラケット80Aが簡単な形状になるため、掘削装置10Bの製造コストを低減することができる。
1 ベースマシン
2 リーダ
3 スライドハンガー
3b 支持部
4 供給ホース
10 掘削装置(第一実施形態)
10A 掘削装置(第二実施形態)
10B 掘削装置(第三実施形態)
20 駆動モータ
21 出力軸
30 ケーシング
40 オーガスクリュ
40b 流路
50 遊星歯車機構
51 太陽歯車
52 遊星歯車
53 内歯車
54 ハウジング
60 支持ブラケット
62 連結部
70 スクリュ用ブラケット
80 ケーシング用ブラケット

Claims (5)

  1. 駆動モータと、
    円筒状のケーシングと、
    前記ケーシングに内挿されたオーガスクリュと、
    前記駆動モータの出力軸の回転力を前記ケーシングおよび前記オーガスクリュに伝達させる遊星歯車機構と、
    ベースマシンに取り付けられ、前記遊星歯車機構を支持する支持ブラケットと、を備え、
    前記遊星歯車機構に取り付けられた前記駆動モータによって、前記ケーシングおよび前記オーガスクリュを軸回りに回転させることで、地盤を掘削する掘削装置であって、
    前記遊星歯車機構の太陽歯車に前記オーガスクリュの上端部が取り付けられ、
    前記遊星歯車機構の遊星歯車に前記駆動モータの前記出力軸が取り付けられ、
    前記遊星歯車機構の内歯車に前記ケーシングの上端部が取り付けられていることを特徴とする掘削装置。
  2. 前記遊星歯車機構には、複数の前記駆動モータが取り付けられており、
    前記遊星歯車機構に設けられた複数の前記遊星歯車に対して、前記各駆動モータの前記出力軸がそれぞれ取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の掘削装置。
  3. 前記オーガスクリュの上端部は、前記遊星歯車機構の上側で、スクリュ用ブラケットを介して前記太陽歯車に取り付けられ、
    前記ケーシングの上端部は、前記遊星歯車機構の上側で、ケーシング用ブラケットを介して前記内歯車に取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の掘削装置。
  4. 前記オーガスクリュは、前記遊星歯車機構の前記太陽歯車に対して軸方向に移動自在に取り付けられるとともに、前記支持ブラケットに取り付けられたシリンダに対して軸回りに回転自在に取り付けられ、
    前記シリンダを伸縮させることで、前記オーガスクリュが軸方向に移動することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の掘削装置。
  5. 前記支持ブラケットには、前記ベースマシンに支持されたリーダに沿って昇降自在なスライドハンガーまたは前記ベースマシンのアームのいずれかに取り付けられる連結部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の掘削装置。
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