JP5155991B2 - 掘削装置 - Google Patents
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Description
この掘削装置では、ケーシングによって縦穴の外周部となる部分を掘削した後に、オーガスクリュによって縦穴の中央部となる部分を掘削することができる。このように、掘削時の抵抗力をケーシングおよびオーガスクリュに分散させることで、掘削効率を高めることができる。
また、本発明は、駆動モータと、円筒状のケーシングと、前記ケーシングに内挿されたオーガスクリュと、前記駆動モータの出力軸の回転力を前記ケーシングおよび前記オーガスクリュに伝達させる遊星歯車機構と、ベースマシンに取り付けられ、前記遊星歯車機構を支持する支持ブラケットと、を備え、前記遊星歯車機構に取り付けられた前記駆動モータによって、前記ケーシングおよび前記オーガスクリュを軸回りに回転させることで、地盤を掘削する掘削装置であって、前記遊星歯車機構の太陽歯車に前記オーガスクリュの上端部が取り付けられ、前記遊星歯車機構の遊星歯車に前記駆動モータの前記出力軸が取り付けられ、前記遊星歯車機構の内歯車に前記ケーシングの上端部が取り付けられており、前記オーガスクリュは、前記遊星歯車機構の前記太陽歯車に対して軸方向に移動自在に取り付けられるとともに、前記支持ブラケットに取り付けられたシリンダに対して軸回りに回転自在に取り付けられ、前記シリンダを伸縮させることで、前記オーガスクリュが軸方向に移動することを特徴としている。
また、遊星歯車機構の中心部に駆動モータが配置されないため、オーガスクリュに水や圧縮空気などの流体を供給するための流路を、遊星歯車機構の中心部に設けることができる。
また、オーガスクリュの上端部が遊星歯車機構の上側でスクリュ用ブラケットを介して太陽歯車に取り付けられ、ケーシングの上端部が遊星歯車機構の上側でケーシング用ブラケットを介して内歯車に取り付けられた構成では、ケーシングと内歯車との取付部位およびオーガスクリュと太陽歯車との取付部位が遊星歯車機構の上面に形成されるため、各取付部位から下方へのオイル漏れを防ぐことができる。したがって、遊星歯車機構におけるオイルのシール構造を簡略化することができる。
また、オーガスクリュは、遊星歯車機構の太陽歯車に対して軸方向に移動自在に取り付けられるとともに、支持ブラケットに取り付けられたシリンダに対して軸回りに回転自在に取り付けられた構成では、シリンダを伸縮させることで、オーガスクリュの下端部をケーシングの下端部に対して出し入れすることができる。したがって、ケーシングによる掘削とオーガスクリュによる掘削とを切り替えるときに、ケーシングおよびオーガスクリュを地盤から引き上げる必要がないため、作業効率を高めることができる。また、ケーシングよりも小径のオーガスクリュは、掘削時の回転トルクが小さいため、シリンダをケーシングに取り付けた構成と比べて、シリンダとオーガスクリュとの取付部位の構造を簡素化することができ、掘削装置を小型化および軽量化することができる。
また、ケーシングおよびオーガスクリュの駆動力を複数の駆動モータに分散させることによって、小型で低出力の駆動モータを用いることができるため、汎用性の高い駆動モータを用いることができ、製造コストを低減することができる。
また、オーガスクリュの下端部に水や圧縮空気などの流体を供給するための流路を、遊星歯車機構の中心部に設けることができる。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
第一実施形態の掘削装置10は、地盤内に杭を設置するための縦穴を掘削するものであり、図1に示すように、駆動モータ20と、円筒状のケーシング30と、ケーシング30に内挿されたオーガスクリュ40と、遊星歯車機構50と、遊星歯車機構50を支持する支持ブラケット60と、を備えている。
掘削装置10の支持ブラケット60は、ベースマシン1に支持されたリーダ2に沿って昇降するスライドハンガー3に取り付けられており、掘削装置10はスライドハンガー3に連動して昇降するように構成されている。
リーダ2は、地面上に立設される矩形断面の支柱であり、複数のリーダを上下方向に連結することで構成されている。リーダ2の上端部はベースマシン1のアーム1aの先端部に支持されている。
スライドハンガー3の上端部に設けられた滑車3aには、ベースマシン1のアーム1aの上端部から吊り下げられた昇降用ワイヤ1bが掛け回されている。そして、ベースマシン1によって昇降用ワイヤ1bを巻き上げまたは繰り出すことで、スライドハンガー3がリーダ2に沿って昇降する。
オーガスクリュ40の中心部には流路40bが上下方向に貫通しており、オーガスクリュ40の上端部40aから流路40bに供給された水、圧縮空気、セメントなどの流体は、流路40bを通じてオーガスクリュ40の下端部から外部に噴出される。
この遊星歯車機構50では、各遊星歯車52,52の外周面に形成された歯面が、太陽歯車51の外周面に形成された歯面および内歯車53の内周面に形成された歯面に噛み合っている。
取付溝54bの内周部には、太陽歯車51の内周面が回転自在に取り付けられ、取付溝54bの外周部には、内歯車53の外周面が回転自在に取り付けられている。
各挿通孔54c,54cには、各駆動モータ20,20の出力軸21,21がそれぞれ挿通されており、各出力軸21,21の上端部は各遊星歯車52,52の下端部に取り付けられている。
また、ケーシング用ブラケット80の外周部81の下端開口部は取付部83によって塞がれており、取付部83の中心部にはオーガスクリュ40が挿通される中心孔83aが形成されている。
このように、ケーシング30の上端部30aは、遊星歯車機構50の上側で、ケーシング用ブラケット80を介して、内歯車53に取り付けられており、内歯車53の回転に連動して、ケーシング30が軸回りに回転する。
また、外周部71の上端開口部は取付部72によって塞がれており、取付部72の下面の中心部には、オーガスクリュ40の上端部40aが挿入される取付穴72aが形成されている。
このように、オーガスクリュ40の上端部40aは、遊星歯車機構50の上側で、スクリュ用ブラケット70を介して、太陽歯車51に取り付けられており、太陽歯車51の回転に連動して、オーガスクリュ40が軸回りに回転する。
流体供給装置(図示せず)から供給ホース4を通じて、流体供給孔72bに供給された流体は、取付穴72aに挿入されたオーガスクリュ40内の流路40bに供給され、オーガスクリュ40の下端部から外部に噴出される。
連結部62は、取付部61の上面に垂設された左右二枚の板状部材からなり、連結部62の上部に形成された連結孔62aを、スライドハンガー3の支持部3bにピンジョイントさせることで、支持ブラケット60がスライドハンガー3に取り付けられている(図1参照)。
そして、支持穴61a内に各遊星歯車52,52の上面から突出した支持軸52a,52aが回転自在に取り付けられることで、遊星歯車機構50が支持ブラケット60に支持されている。すなわち、遊星歯車機構50、ケーシング30およびオーガスクリュ40が支持ブラケット60に支持されている。
このように、第一実施形態の掘削装置10を用いた掘削方法では、掘削時の抵抗力がケーシング30およびオーガスクリュ40に分散されるため、縦穴を効率良く掘削することができる。
また、ケーシング30およびオーガスクリュ40が大きな回転トルクを必要としない場合には、一台の駆動モータ20によって、ケーシング30およびオーガスクリュ40を回転させることもできる。
例えば、第一実施形態の掘削装置10は、図1に示すように、ベースマシン1に支持されたリーダ2に沿って昇降するスライドハンガー3に取り付けられているが、図4に示すように、油圧ショベルであるベースマシン5のアーム5aの先端部に、支持ブラケット60の連結部62を取り付けることもできる。このように、第一実施形態の掘削装置10は、各種のベースマシンに対して簡単に取り付けることができる。
図5(a)に示す第二実施形態の掘削装置10Aは、オーガスクリュ40が軸方向(上下方向)に移動可能となっている点で、前記第一実施形態の掘削装置10(図2参照)と異なっている。
また、スクリュ用ブラケット70の中心部には、オーガスクリュ40の上部が挿通される取付孔72cが上下方向に貫通している。この取付孔72cの内周面には、オーガスクリュ40の凸部40cが上下方向にスライド自在に挿入される凹溝72dが軸方向に形成されている。
したがって、第二実施形態のオーガスクリュ40は、遊星歯車機構50の太陽歯車51に対して、軸方向(上下方向)に移動自在となっている。また、第二実施形態のオーガスクリュ40は、太陽歯車51に対して、周方向に係止されているため、太陽歯車51の回転に連動して軸回りに回転する。
各シリンダ92,92のロッド92b,92bの下端部は、軸受部材91の側面に取り付けられている。
また、図5(a)に示すように、各シリンダ92,92のロッド92b,92bを伸長させると、オーガスクリュ40がケーシング30に対して下方に移動し、オーガスクリュ40の下端部がケーシング30の下端部よりも突出した状態となる。
また、ケーシング30よりも小径のオーガスクリュ40は、掘削時の回転トルクが小さいため、シリンダ92,92をケーシング30に取り付けた構成と比べて、シリンダ92,92とオーガスクリュ40との取付部位の構造を簡素化することができ、掘削装置10Aを小型化および軽量化することができる。
図6に示す参考例の掘削装置10Bは、ケーシング30の上端部30aが遊星歯車機構50の下側で内歯車53に取り付けられ、オーガスクリュ40が太陽歯車51に直接取り付けられている点で、前記した第一実施形態の掘削装置10(図2参照)と異なっている。
また、ケーシング用ブラケット80Aの下面には、ケーシング30の上端部30aが取り付けられている。
2 リーダ
3 スライドハンガー
3b 支持部
4 供給ホース
10 掘削装置(第一実施形態)
10A 掘削装置(第二実施形態)
10B 掘削装置(参考例)
20 駆動モータ
21 出力軸
30 ケーシング
40 オーガスクリュ
40b 流路
50 遊星歯車機構
51 太陽歯車
52 遊星歯車
53 内歯車
54 ハウジング
60 支持ブラケット
62 連結部
70 スクリュ用ブラケット
80 ケーシング用ブラケット
Claims (4)
- 駆動モータと、
円筒状のケーシングと、
前記ケーシングに内挿されたオーガスクリュと、
前記駆動モータの出力軸の回転力を前記ケーシングおよび前記オーガスクリュに伝達させる遊星歯車機構と、
ベースマシンに取り付けられ、前記遊星歯車機構を支持する支持ブラケットと、を備え、
前記遊星歯車機構に取り付けられた前記駆動モータによって、前記ケーシングおよび前記オーガスクリュを軸回りに回転させることで、地盤を掘削する掘削装置であって、
前記遊星歯車機構の太陽歯車に前記オーガスクリュの上端部が取り付けられ、
前記遊星歯車機構の遊星歯車に前記駆動モータの前記出力軸が取り付けられ、
前記遊星歯車機構の内歯車に前記ケーシングの上端部が取り付けられており、
前記オーガスクリュの上端部は、前記遊星歯車機構の上側で、スクリュ用ブラケットを介して前記太陽歯車に取り付けられ、
前記ケーシングの上端部は、前記遊星歯車機構の上側で、ケーシング用ブラケットを介して前記内歯車に取り付けられていることを特徴とする掘削装置。 - 駆動モータと、
円筒状のケーシングと、
前記ケーシングに内挿されたオーガスクリュと、
前記駆動モータの出力軸の回転力を前記ケーシングおよび前記オーガスクリュに伝達させる遊星歯車機構と、
ベースマシンに取り付けられ、前記遊星歯車機構を支持する支持ブラケットと、を備え、
前記遊星歯車機構に取り付けられた前記駆動モータによって、前記ケーシングおよび前記オーガスクリュを軸回りに回転させることで、地盤を掘削する掘削装置であって、
前記遊星歯車機構の太陽歯車に前記オーガスクリュの上端部が取り付けられ、
前記遊星歯車機構の遊星歯車に前記駆動モータの前記出力軸が取り付けられ、
前記遊星歯車機構の内歯車に前記ケーシングの上端部が取り付けられており、
前記オーガスクリュは、前記遊星歯車機構の前記太陽歯車に対して軸方向に移動自在に取り付けられるとともに、前記支持ブラケットに取り付けられたシリンダに対して軸回りに回転自在に取り付けられ、
前記シリンダを伸縮させることで、前記オーガスクリュが軸方向に移動することを特徴とする掘削装置。 - 前記遊星歯車機構には、複数の前記駆動モータが取り付けられており、
前記遊星歯車機構に設けられた複数の前記遊星歯車に対して、前記各駆動モータの前記出力軸がそれぞれ取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の掘削装置。 - 前記支持ブラケットには、前記ベースマシンに支持されたリーダに沿って昇降自在なスライドハンガーまたは前記ベースマシンのアームのいずれかに取り付けられる連結部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の掘削装置。
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