JP2011122142A - コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム、金属化フィルムおよびフィルムコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム、金属化フィルムおよびフィルムコンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】コンデンサ用誘電体として高い耐電圧性、好適な素子加工性に優れたコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供する。
【解決手段】両面に突起を有するコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、厚みt1(μm)が4〜20μmであり、一方の表面をA面、他方の面をB面としたとき、下記式を全て満足しているコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムとする。800≦SRzB≦1,300(nm)。0.1≦SRzA/SRzB≦0.7。PBmin≧100(nm)。PBmax≦1,500(nm)。0.4≦PB400-700/PB≦0.7。
【選択図】なし

Description

本発明は、包装用や工業用等に好適な二軸配向ポリプロピレンフィルムに関するものであり、さらに詳しくはコンデンサ用誘電体として高い耐電圧性、好適な素子加工性に優れたコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関する。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、透明性、機械特性、電気特性等に優れるため、包装用途、テープ用途、ケーブルラッピングやコンデンサをはじめとする電気用途等の様々な用途に用いられている。
この中でもコンデンサ用途は、その優れた耐電圧特性、低損失特性から直流用途、交流用途に限らず高電圧コンデンサ用に特に好ましく用いられている。
最近では、各種電気設備がインバーター化されつつあり、それに伴いコンデンサの小型化、大容量化の要求が一層強まって来ている。そのような市場の要求を受け、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの耐電圧性や素子加工性を向上させつつ、一層の薄膜化が必須な状況となってきている。
かかる二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、耐電圧性、素子加工性の観点から表面を適度に粗面化する必要があるが、これは特にフィルムの滑り性や油含浸性の向上あるいは蒸着コンデンサにおいては保安性を付与するため特に重要である。特に油含浸タイプのコンデンサでは、含浸性が悪いと著しく耐圧性、保安性等の性能を阻害することになるため、適正な表面の粗面化は重要である。ここで、保安性とは、該誘電体フィルム上に形成した金属蒸着膜を電極とする金属蒸着コンデンサにおいて、異常放電時に蒸着金属が放電エネルギーによって飛散することで絶縁性を回復させ、ショートを防止することでコンデンサの機能を維持する乃至は破壊を防止する機能であり、安全性からも極めて有用な機能である。
かかる粗面化方法としては、これまでエンボス法やサンドブラスト法などの機械的方法、溶剤によるケミカルエッチング等の化学的方法、ポリエチレン等の異種ポリマーを混合したシートを延伸する方法、β晶を生成させたシートを延伸する方法(例えば特許文献1、2参照)等が提案されている。
しかし、機械的方法および化学的方法では粗さ密度が低く、またβ晶を生成させたシートを延伸する方法では粗大突起が生じやすく、粗さ密度、粗大突起、突起個数という点で必ずしも十分とはいえない場合があった。また、これらの方法で粗面化したフィルムは、コンデンサ形成時にフィルム層間への油含浸が不十分となり部分的に未含浸部分を生じやすく、コンデンサ寿命が低下する場合がある。ポリエチレン等の異種ポリマーを配合したシートを延伸する方法では、コンデンサ形成時に気泡の残存は少ないが、該フィルムをリサイクルした場合に異種ポリマーが悪影響を及ぼす場合があり、リサイクル性に劣るという問題がある。
また、いずれの方法による二軸配向ポリプロピレンフィルムも、コンデンサの使用条件として、電位傾度が200V/μm以上の厳しい条件のもとでは、保安性が充分でなく、信頼性の面で問題を生じることがある。ここで電位傾度とは誘電体フィルムに印加された電圧を該フィルム厚みで除したものであり、単位フィルム厚み当たりの印加電圧である。
また、粗さ密度や突起の均一性については、高溶融張力ポリプロピレンフィルム(例えば特許文献4参照)や、かかる高溶融張力ポリプロピレンフィルムと通常のポリプロピレンフィルムとを積層した(例えば特許文献3参照)ものなどが提案されているが、高溶融張力ポリプロピレン樹脂そのものをコンデンサ用途として使用する場合は樹脂の構造上充分な耐熱性、耐圧性を得ることができず特に高温での絶縁破壊電圧が著しく低下する問題がある。また、高溶融張力ポリプロピレン樹脂を積層する技術では均一な積層厚み構成を得ることが非常に困難となり、均一性を損ねて実用上満足のいく誘電体フィルムとはならないのが実状である。また、特許文献5では表面の粗面化度をコントロールした二軸延伸ポリプロピレンフィルムとその製造方法について開示されているが、フィルム両面の粗面化度を十分にコントロールすることは不十分でかつ困難である。
特開昭51−63500号公報 特開2001−324607号公報 特開2001−129944号公報 特開2001−72778号公報 特許第3508515号公報
本発明は、上記問題を解決し、特に交流電圧用コンデンサ用途において優れた耐電圧性と信頼性を発揮し、安定した素子加工性を確保するコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下の特徴を有する。
(1)両面に突起を有するコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、厚みt1(μm)が4〜20μmであり、一方の表面をA面、他方の面をB面としたとき、下記式を全て満足しているコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
800≦SRzB≦1,300(nm)
0.1≦SRzA/SRzB≦0.7
PBmin≧100(nm)
PBmax≦1,500(nm)
0.4≦PB400-700/PB≦0.8
但し、
SRzA:A面の10点平均粗さ(nm)
SRzB:B面の10点平均粗さ(nm)
PBmin:B面の最小突起高さ(nm)
PBmax:B面の最大突起高さ(nm)
PB400-700:B面に存在する高さ400nm以上700nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
PB:B面に存在する突起の0.1mmあたりの総個数
(2)下記式を全て満足している、上記(1)に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
400≦SRzA≦900(nm)
PAmin≧100(nm)
PAmax≦1,000(nm)
0.3≦PA150-350/PA≦0.9
但し、
PAmin:A面の最小突起高さ(nm)
PAmax:A面の最大突起高さ(nm)
PA150-350:A面に存在する高さ150nm以上350nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
PA:A面に存在する突起の0.1mmあたりの総個数
(3)PAとPBとが下記式を満足している、上記(1)または(2)に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
|PA−PB|≧200
(4)下記式を全て満足している、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
15≦SRaA≦35(nm)
30≦SRaB≦50(nm)
但し、
SRaA:A面の中心線平均粗さ(nm)
SRaB:B面の中心線平均粗さ(nm)
(5)A面の中心線平均粗さをSRaA(nm)、B面の中心線平均粗さをSRaB(nm)としたとき、SRzA/SRaAまたはSRzB/SRaBの少なくとも一方の値が20以上35以下である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
(6)分岐鎖状ポリプロピレン(H)を0.05〜3.0質量%含有する、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に金属膜が設けられてなる金属化フィルム。
(8)金属膜の表面電気抵抗が1〜20Ω/□の範囲内にある、上記(7)に記載の金属化フィルム。
(9)上記(7)または(8)に記載の金属化フィルムを用いてなるフィルムコンデンサ。
本発明によれば、表裏にそれぞれ優れた表面特性を有することにより交流用途の含浸タイプのコンデンサに好適に使用可能なフィルムを提供することができ、特に耐電圧性と素子加工適性に優れたコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム提供することができる。
以下、さらに詳しく本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム、金属化フィルムおよびフィルムコンデンサについて説明する。
まず、本発明の技術的背景について説明する。
ポリプロピレンフィルムの耐電圧性と素子加工性を良好とするには、ポリプロピレンフィルム両面の表面粗さ、突起高さ、突起個数を制御することが重要である。また、耐電圧性、コンデンサ素子加工性を良好とするには、フィルム層間間隙の均一性、フィルム同士あるいは搬送ロールとのすべり易さが重要であり、素子とした場合のフィルム同士の局所的層間密着や残留ストレスを低減することが効果的である。以下に説明する本発明の各指標は、ポリプロピレンフィルムの耐電圧性、コンデンサ素子加工性と深く関係するフィルム最小厚みとフィルム層間間隙、すべり易さを表すものとして規定したものであり、従来の2次元または3次元の中心線表面粗さでは表現できず、また実現が困難であった表面形態を表している。特に、本発明は、従来の粗さとは異なり、一定範囲の高さを有する突起の個数密度を規定することにより、好適な素子加工性および高耐電圧、特に交流用途での高耐電圧を備えたフィルムを得ることが可能となったものである。
本発明に係るコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンルフィルムは、両面に突起を有し、厚みt1(μm)が4〜20μmであり、一方の表面をA面、他方の面をB面としたとき、下記式を全て満足していることを特徴としている。
800≦SRzB≦1,300(nm)
0.1≦SRzA/SRzB≦0.7
PBmin≧100(nm)
PBmax≦1,500(nm)
0.4≦PB400-700/PB≦0.8
但し、
SRzA:A面の10点平均粗さ(nm)
SRzB:B面の10点平均粗さ(nm)
PBmin:B面の最小突起高さ(nm)
PBmax:B面の最大突起高さ(nm)
PB400-700:B面に存在する高さ400nm以上700nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
PB:B面に存在する突起の0.1mmあたりの総個数
本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムにおいて、コンデンサ素子サイズと製膜安定性の点から、マイクロメータ法によるフィルム厚みt1が4〜20μmであることが好ましい。マイクロメータ法によるフィルム厚みt1は、より好ましくは5〜15μmであり、特に好ましくは5.5〜14.7μmである。フィルムの厚みt1が4μmを下回ると、機械的強度や絶縁破壊強度に劣る場合がある。また、フィルムの厚みt1が20μmを超えると、均一な厚みのフィルムを製膜することが困難になり、またコンデンサ用の誘電体として用いた場合、体積当たりの容量が小さくなる。
また、フィルムの一方の表面をA面とし、他方をB面としたとき、各表面の好ましい特性を以下説明する。なお、本発明においては、A面に金属膜を設けることが好ましい。
まず、B面の10点平均粗さSRzBは800nm以上1,300nm以下であることが好ましい。SRzBが800nm未満である場合、空気抜け不良等によりフィルムの巻き取りがうまくいかず、ロール形状に乱れが生じ、スリット工程、コンデンサ素子形成がうまく行かなくなる恐れがある。また、1,300nmを超える場合、絶縁破壊電圧が低下する恐れがある。SRzBは、より好ましくは900nm以上1,200nm以下であり、さらに好ましくは950nm以上1,150nm以下である。また、同様の観点から、A面の10点平均粗さSRzAは、400nm以上900nm以下であることが好ましく、より好ましくは500nm以上800nm以下であり、さらに好ましくは550nm以上750nm以下である。上記のように、SRzAおよびSRzBを好ましい範囲とすることで、スリット工程およびコンデンサ素子工程における巻き取り性が改善され加工性に優れたフィルムを得ることができる。
また、SRzAとSRzBとの比(SRzA/SRzB)の好ましい範囲としては0.1以上0.7以下であり、より好ましくは0.3以上0.6以下である。上記の比の値が0.1未満の場合は、両面の突起高さの格差が大きすぎる状態であり、B面の突起高さが高い傾向となり粗大突起の影響によって耐圧性が悪化しやすい。また、0.7を超える場合には、B面の突起高さが低くなる傾向であり、十分なフィルム層間間隙を維持しづらくなり、保安性が低下しやすい。特に直流用途、交流用途に限らず高電圧コンデンサ用では、含浸タイプ、無含浸タイプに関わらず、上記範囲内とすることが好ましく、これにより、コンデンサとした場合、コンデンサ寿命が改善され電気特性に優れたフィルムを得ることができる。
また、本発明のフィルムは、両面それぞれに突起を有しているが、B面の最小突起高さをPBminとしたとき、好ましい値としてはPBmin≧100nmであり、より好ましくはPBmin≧200nmである。PBminが100nm未満であると、空気抜け不良によりフィルムの巻き取りがうまくいかず、また蒸着工程、スリット工程およびコンデンサ素子巻工程において、搬送時にキズが付きやすくなり欠点となる傾向がある。特に、コンデンサ素子巻工程ではシワが入り易く、層間間隙も狭く局所的な層間密着が発生し、電界集中により耐圧が低下しやすくなる。このような観点から、A面の最小突起高さPAminについても100nm以上であることが好ましく、より好ましくはPAmin≧150nmである。
また、B面の最大突起高さをPBmaxとした場合、好ましい値はPBmax≦1,500nmであり、より好ましくは1,100nm以上1,500nm以下である。PBmaxが1,500nmを超える場合は、粗大突起により絶縁破壊の低下が生じやすく、フィルム最小厚みが小さくなり耐圧が低下しやすくなる。同様の観点から、A面の最大突起高さPAmaxは1,000nm以下であることが好ましく、より好ましくは600nm以上950nm以下である。
また、B面に存在する突起について、その総個数(0.1mmあたり)をPBとし、高さ400nm以上700nm未満の突起の存在個数(0.1mmあたり)をPB400-700とした場合、PB400-700/PBの値が0.4以上0.8以下であることが好ましく、より好ましくは0.5以上0.7以下である。B面の突起について、上記範囲を満たさない場合は、空気抜け不良によりフィルムの巻き取りがうまくいかず、また蒸着工程、スリット工程およびコンデンサ素子巻工程において、搬送時にキズが付きやすくなり欠点となる傾向がある。特に、コンデンサ素子巻工程ではシワが入り易く、層間間隙も狭く局所的な層間密着が発生し電界集中により耐圧が低下しやすい。また、含浸性においてもフィルム層間間隙の均一性が劣り均一な含浸ができず局所的なコロナ放電が発生し耐圧が低下しやすい。
上記と同様の観点から、A面に存在する突起について、その総個数(0.1mmあたり)をPAとし、高さ150nm以上350nm未満の突起の存在個数(0.1mmあたり)をPA150-350とした場合、PA150-350/PAの値は0.3以上0.9以下であることが好ましく、より好ましくは0.5以上0.9以下である。
さらに、フィルムの表裏格差を示す|PA−PB|の値は200以上であることが好ましく、さらに好ましくは250以上である。これを満たすことにより、セルフヒーリング性を確保し、コロナ放電を抑制することで高電圧コンデンサ用途においてより好ましい性質を示す。
また、本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、A面の中心線平均粗さをSRaA、B面の中心線平均粗さをSRaBとしたとき、SRaAは15nm以上35nm以下、SRaBは30nm以上50nm以下であることが好ましい。SRaAが35nm、SRaBが50nmより大きいと、フィルムを積層した場合に層間に空気が入り易くコンデンサ素子の劣化につながりやすい。またフィルムに金属層を形成したとき金属層に穴アキ等が発生し、高温時に絶縁破壊強度や素子ライフの低下あるいは電圧印加時に電荷が集中して絶縁欠陥の原因となりやすい。逆に、SRaAが15nm未満、SRaBが30nm未満であると、フィルムの滑り性が悪くなりハンドリング性に劣ることに加え、コンデンサ素子に絶縁油を含浸する場合はフィルム層間に絶縁油が均一に浸透せずに連続使用時に容量変化が大きくなる傾向にある。上記観点から、SRaAは20nm以上30nm以下であることがより好ましく、SRaBは35nm以上45nm以下でありことが好ましい。これにより、コンデンサ素子工程における巻き取り性、コンデンサとした際の容量変化が改善され、加工性やコンデンサ特性に優れたフィルムを得ることができる。
また、本発明のコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルムは、上記した中心線平均粗さ(SRa)と10点平均粗さ(SRz)とが、ある一定範囲内にあることが好ましい。すなわち、少なくとも一方の面において、SRz/SRaの値(SRzA/SRaA、または、SRzB/SRaB)が、20〜35の範囲にあることが好ましく、より好ましくは22〜33の範囲、特に好ましくは25〜30の範囲である。上記範囲は、A面、B面の両面について満足していることがより好ましい。
各面におけるSRz/SRaの値が35を超えると粗大突起の割合が増えるため、フィルムを積層した場合に層間に空気が入りコンデンサ素子の劣化につながりやすく、フィルムに金属層を形成したとき金属層に穴アキ等が発生して、高温時の絶縁破壊強度や素子ライフが低下しやすくなる。また、電圧印加時に電荷が集中して絶縁欠陥の原因となる傾向にある。また、SRz/SRaの値が20を下回ると、ハンドリング性、フィルム搬送時の安定性に劣る場合がある。
本発明において、上記した粗さや突起に関する規定を満足するフィルムであれば、表面の均一性に優れ、しかもその粗さ密度のバランスにも優れた特徴的な表面を有するフィルムとなる。そして、このようなコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、コンデンサにしたとき、たとえ絶縁破壊を起こしても、フィルム層間に適度の間隙(クリアランス)を保持しているので、破壊することなくコンデンサ寿命を維持する(前記の保安性を安定的に発揮する)という優れた機能を有するものとなる。
本発明のコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルムは、分岐鎖状ポリプロピレンを0.05〜3質量%含有することが好ましい。なお、ここでいう分岐鎖状ポリプロピレン(H)とは、カーボン原子10,000個中に対し5箇所以下の内部3置換オレフィンを有するポリプロピレンである。この内部3置換オレフィンの存在はH NMRスペクトルのプロトン比により確認することができる。
分岐鎖状ポリプロピレンを0.05〜3質量%含有することで、溶融押出した樹脂シートの冷却工程で生成する球晶サイズをより容易に小さく制御でき、延伸工程で生成する絶縁欠陥の生成を小さく抑えることをでき、耐電圧性に優れたポリプロピレンフィルムを得ることができる。更に、分岐鎖状ポリプロピレンは、α晶核剤的な作用を有しながら、一定範囲の添加量であれば結晶変態による粗面形成も可能となる。これにより、前記の球晶サイズを小さくする効果と相まって、後述するクレータ状の突起群のサイズを小さく、緻密に形成することができ、突起の均一性に優れ、かつ粗大突起のない優れた特徴的な表面粗さを有する二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することができる。分岐鎖状ポリプロピレンの含有量は、より好ましくは0.05〜2質量%である。分岐鎖状ポリプロピレンの含有量が上記範囲にあることにより、巻き取り性や耐電圧性が改善され素子加工性、コンデンサ特性に優れたフィルムを得ることができる。
以下、上記した本発明のフィルム表面を形成する方法について説明する。
代表的な方法として、電気的な不純物を添加せず絶縁破壊電圧等の電気特性を悪化する可能性が低いという観点から、結晶変態を利用して、目的とする突起や表面粗さを得る手法を採用することができる。
ここで結晶変態により得られる表面形態について説明する。結晶変態による面形成法とは、例えば、M.Fujiyama, Journal of Applied Polymer Science 36, P.985-1948(1988)等に記載されるように、ポリプロピレンが有する2つの結晶系を利用して表面形成を行うものであり、α晶(単斜晶系、結晶密度0.936g/cm)系の球晶とβ晶(六方晶系、結晶密度0.922g/cm)系の球晶を未延伸シートに生成させておき、延伸工程で、熱的に不安定なβ晶をα晶に結晶変態させることで、フィルム表面に凹凸を形成するものである。本手法により得られる表面凹凸の基本単位は球晶の変形に起因するものであることから該形状は、突起群により楕円状や円弧状に形成されたクレータ形状を呈する場合がある。当該結晶変態により得られる表面形状は、このクレータ形状が多数存在することで形成されることがあり、個々の突起が楕円状や円弧状に連なることでクレータ形状を呈する場合がある。
更に、本技術によれば、β晶系球晶が存在しないところでは凹凸が形成されず比較的平坦になることが特徴である。上記したクレータ形状の突起は二軸延伸する際の縦横の延伸倍率比に対応し変化し、縦横比が1、すなわち等方的な延伸ではほぼ円状となり、縦横比が大きくなるに従い扁平化する。通常逐次2軸延伸法で得られる形状はフィルムの横方向(フィルムロールの幅方向)に長軸を有する。また、球晶のでき方によっては、形状の異なるクレータが複数重畳した形状を示すこともあり、また円弧が環状に閉じられること無く弓状乃至は半弧状の形状を呈することもある。
本発明において規定した表面形状を生成せしめる手法の一つとして、核剤効果のある原料を添加して核形成能力を高める方法が採用できる。これにより、核個数を増やして小さな微細突起が多数存在せしめ、比較的平坦な箇所(突起が存在しない部分)を少なくし、全体として均一に突起が形成された表面形態を得ることが可能となる。このような表面は、突起が緻密に形成されているため、上記した本発明規定の表面形状を満足させやすい。
核剤効果がある原料としては、上述した分岐鎖状ポリプロピレンが例示される。分岐鎖状ポリプロピレンの添加量と製膜条件を制御することにより上記のクレータ形状をコントロールすることができるため、結果として、上記した本発明の特徴的な表面形状を生成せしめることが可能となる。
また、本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、前記した分岐鎖状ポリプロピレンと直鎖状ポリプロピレンとの混合物により構成されていることが好ましい。これにより、通常のポリプロピレンの溶融結晶化温度が、およそ110℃付近であるのに対して、115℃以上に高めることができる。すなわち、コンデンサの自己回復のプロセスにおいて溶融結晶化温度が高いことにより保安性が回復しやすくなり、破壊せず耐電圧性が向上する。つまり、何らかの原因で誘電体フィルムが絶縁破壊を起こした際に発生する放電エネルギーによって放電部周辺の蒸着金属が飛散し、その際に部分的に高温になるためフィルム自身も部分融解するが、溶融結晶化温度が高いことですぐに再結晶化しやすくなり、絶縁性を回復しやすくなる。コンデンサの雰囲気温度が高温になると通常再結晶化し難くなり、絶縁性を回復しにくくなるが、上記のように溶融結晶化温度を高めることで絶縁破壊時の高温下での再結晶化がしやすくなり、保安性を向上せしめることができる。また、表面粗さを制御することで例えば表面を粗くしフィルム層間のギャップを確保することで更に絶縁性の回復が良好となりより耐電圧性が向上する。
分岐鎖状ポリプロピレンとしては、特に限定されるものではないが、製膜性の観点から溶融流動指数(MFR)は1〜20g/10分の範囲にあるものが好ましく、1〜10g/10分の範囲にあるものがより好ましい。また溶融張力については、1〜30cNの範囲にあるものが好ましく、2〜20cNの範囲にあるものがより好ましい。10点平均粗さSRzと中心線平均表面粗さSRaの比(SRz/SRa)が大きくなり、粗大突起を形成しやすくなる。溶融張力が高いほど突起の均一性が高くなる傾向があり、この比(SRz/SRa)は小さくなる傾向が出てくるため、緻密な表面形成(単位面積当たりの突起個数が多い)となりやすい。溶融張力が1cN未満であると突起の均一性に劣る一方で、30cN以上であると好ましい突起高さを保てなくなる。
分岐鎖状ポリプロピレンを得るには、分岐構造を持つオリゴマーやポリマーをブレンドする方法、特開昭62−121704号公報に記載されているようにポリプロピレン分子中に長鎖分岐構造を導入する方法、あるいは特許第2869606号公報に記載されているような方法等が好ましく用いられる。具体的にはBasell社製“Profax PF−814”、Borealis社製“Daploy HMS−PP”(WB130HMS、WB135HMS等)が例示されるが、この中でも電子線架橋法により得られる樹脂が該樹脂中のゲル成分が少ないために好ましく用いられる。こうした分岐鎖状ポリプロピレンを通常の直鎖状ポリプロピレン(PP)に添加した際の特徴は、PPの溶融結晶化温度が通常110℃付近にあるのに対して、115〜130℃の範囲に上昇することである。
本発明においては、このような分岐鎖状ポリプロピレンを通常の直鎖状ポリプロピレンに添加する場合、フィルム全体における分岐鎖状ポリプロピレンの含有量は、3質量%を上限としておくことが好ましく、より好ましい含有量は0.02〜2質量%、さらに好ましくは0.05〜1質量%である。かかる樹脂組成をとることで、フィルムには少なくとも2つの融解ピーク温度が観察されることになる。すなわち、2nd−Runで測定する際に観測される融解ピークとして、第一の融解ピーク温度160〜172℃に加えて、ショルダーピーク温度148〜157℃を持つことができ、これにより均一な突起を有し、粗大突起の少ない緻密な表面形状を有するフィルムを得ることが可能となる。また、かかる含有量とすることにより、突起の均一性に優れ、しかも粗大突起の少ない優れた表面形状と、−40℃から80℃を超える広範囲の雰囲気温度条件下でも優れた加工性と高耐電圧性とを発揮するコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造することができる。
次に、上記の直鎖状ポリプロピレンについて説明する。同ポリマーは、通常、包装材やコンデンサ用に使用されるものであるが、好ましくは冷キシレン可溶部(以下CXS)が4質量%以下であることが好ましい。ここで冷キシレン可溶部(CXS)とは試料をキシレンで完全溶解した後に室温で析出させた後にキシレン中に溶解しているポリプロピレン成分であり、立体規則性の低い、分子量が低い等の理由で結晶化し難い成分に該当していると考えられる。このような成分が多く樹脂中に含まれているとフィルムの熱寸法安定性に劣る、あるいは高温での絶縁破壊電圧が低下する等の問題を生じることがある。従って、CXSは4質量%以下であることが好ましいが、更に好ましくは3質量%以下であり、特に好ましくは2質量%以下である。上記範囲は、使用する直鎖状ポリプロピレンについて満足していることが好ましいが、同ポリマーを構成成分とするフィルム全体が満足していることも好ましい。
上記のようなCXSを有するポリマーやポリプロピレンフィルムとするには、ポリマーを得る際の触媒活性を高める方法、得られたポリマーを溶媒あるいはプロピレンモノマー自身で洗浄する方法等を使用できる。同様な観点から直鎖状ポリプロピレンのメソペンタッド分率は0.95以上であることが好ましく、更に好ましくは0.97以上である。メソペンタッド分率は核磁気共鳴法(NMR法)で測定されるポリプロピレンの結晶相の立体規則性を示す指標であり、該数値が高いものほど結晶化度が高く、融点が高くなり、高温での絶縁破壊電圧が高くなるので好ましい。メソペンダット分率の上限については特に規定するものではない。このように立体規則性の高いポリマーを得るには上述のようにn−ヘプタン等の溶媒で得られた樹脂パウダーを洗浄する方法等が例示される。
かかる直鎖状ポリプロピレンとしては、より好ましくは溶融流動指数(MFR)が1〜10g/10分(230℃、21.18N荷重)、特に好ましくは2〜5g/10分(230℃、21.18N荷重)の範囲のものが、製膜性の点から好ましい。
かかる直鎖状ポリプロピレンとしては、主としてプロピレンの単独重合体からなるが、本発明の目的を損なわない範囲で他の不飽和炭化水素による共重合成分などを含有してもよいし、プロピレンが単独ではない重合体がブレンドされていてもよい。このような共重合成分やブレンド物を構成する単量体成分として例えばエチレン、プロピレン(共重合されたブレンド物の場合)、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチルペンテン−1、3−メチルブテンー1、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、5−エチルヘキセン−1、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、アリルベンゼン、シクロペンテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。共重合量またはブレンド量は、耐絶縁破壊特性、寸法安定性の点から、共重合量では1mol%未満とし、ブレンド量では10質量%未満とするのが好ましい。
また、かかる直鎖状ポリプロピレンには、本発明の目的を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば結晶核剤、酸化防止剤、熱安定剤、すべり剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、充填剤、粘度調整剤、着色防止剤などを含有せしめることもできる。
これらの中で、酸化防止剤の種類および含有量の選定は長期耐熱性にとって好ましい場合がある。すなわち、かかる酸化防止剤としては立体障害性を有するフェノール系のもので、そのうち少なくとも1種は分子量500以上の高分子量型のものが好ましい。その具体例としては種々のものが挙げられるが、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT:分子量220.4)とともに1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(例えばチバガイギー社製Irganox(登録商標)1330:分子量775.2)またはテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(例えばチバガイギー社製Irganox1010:分子量1,177.7)等を併用することが好ましい。これら酸化防止剤の総含有量はポリプロピレン全量に対して0.03〜1質量%の範囲が好ましい。酸化防止剤が少なすぎると長期耐熱性に劣る場合がある。酸化防止剤が多すぎるとこれら酸化防止剤のブリードアウトによる高温下でのブロッキングにより、コンデンサ素子に悪影響を及ぼす場合がある。より好ましい含有量は0.1〜0.9質量%であり、特に好ましくは0.2〜0.8質量%である。
本発明においては、本発明の目的に反しない範囲で、結晶核剤を添加することができる。既述の通り、分岐鎖状ポリプロピレンは既にそれ自身でα晶乃至はβ晶の結晶核剤効果を有するものであるが、別種のα晶核剤(ジベンジリデンソルビトール類、安息香酸ナトリウム等)、β晶核剤(1,2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、安息香酸マグネシウム、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミド等のアミド系化合物、キナナクリドン系化合物等)等を添加することも好ましい。但し、本発明ではこれらの結晶核剤を添加することにより、目的とする表面粗さが得難くなるなど、高温での体積固有抵抗の低下等電気特性にも悪影響を与える可能性があり、含有量量としては、0.1質量%未満とするのが好ましく、さらに好ましくは実質的に添加されていないことが好ましい。
また、本発明のフィルム表面の光沢度は、90〜130%の範囲であることが好ましく、より好ましくは100〜120%である。すなわち、光沢度を低下せしめることはフィルム表面での光散乱の密度をアップすること、すなわちフィルム表面の凹凸を緻密にすることを意味し、単位面積当たりの突起個数が増えることを意味する。ただし、光沢度を90%未満まで低下せしめると、液体(油)の含浸性は良好となるが、緻密な突起形成により突起個数が増えることによって突起間のエアー量が増え、フィルム層間が滑りやすく素子巻き性が悪化しフィルムをロール状に巻き取ることが難しくなる傾向がある。一方、光沢度が130%を超えるとフィルム層間が滑りにくく扁平状のコンデンサ素子に成形することが困難になるなど、充分なフィルム層間のクリアランスを維持できずに保安性が悪化する等の問題が生じることがある。光沢度が上記範囲であれば、素子巻き取り性、耐圧、保安性が良好となる。
また、本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの灰分は50ppm以下(質量基準、以下同じ)であることが好ましく、より好ましくは30ppm以下であり、特に好ましくは20ppm以下である。かかる灰分が50ppmを超えると、フィルムの耐絶縁破壊特性が低下し、コンデンサとした場合に絶縁破壊強度が低下する場合がある。灰分をこの範囲とするためには、触媒残渣の少ない原料を用いることが重要であるが、製膜時の押出系からの汚染も極力低減するなどの方法、例えばブリード時間(製膜前に原料を押出系に通し配管内を洗浄する時間)を1時間以上かけるなどの方法を採用することができる。
本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、コンデンサ用誘電体フィルムとして好ましく用いられるものであるが、コンデンサの特定のタイプに限定されるものではない。具体的には電極構成からは箔巻きコンデンサ、金属蒸着膜コンデンサのいずれであってもよく、絶縁油を含浸させた油浸タイプのコンデンサから絶縁油を全く使用しない乾式コンデンサにも好ましく用いられる。特に絶縁油を含浸させた油浸タイプのコンデンサにおいて、特に有用である。また、形状の観点からも捲巻式であっても積層式であっても構わない。上記の中では、本発明のフィルムの特性から特に金属蒸着膜の捲巻式コンデンサとして好ましく使用される。
一般にポリプロピレンフィルムは表面エネルギーが低く、金属蒸着を安定的に施すことは困難である。従って、金属付着力を良好とするために、事前に表面処理を行うことが好ましい。表面処理とは具体的にコロナ放電処理、プラズマ処理、グロー処理、火炎処理等が例示される。通常ポリプロピレンフィルムの表面濡れ張力は30mN/m程度であるが、これらの表面処理によって、濡れ張力を37〜50mN/m、好ましくは39〜48mN/m程度とすることで、金属膜との接着性に優れ、保安性も良好なフィルムとすることができる。
本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、上述した特性を与えうる原料を用い、二軸延伸されることによって得られる。二軸延伸の方法としては、インフレーション同時二軸延伸法、ステンター同時二軸延伸法、ステンター逐次二軸延伸法のいずれによっても得られるが、その中でも、製膜安定性、厚み均一性、フィルムの表面形状を制御する点においてステンター逐次二軸延伸法により製膜されたものが好ましく用いられる。
次に本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの製造方法を以下に説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
まず、直鎖状ポリプロピレンに高溶融張力ポリプロピレン樹脂(分岐鎖状ポリプロピレン)とをブレンドして溶融押出し、濾過フィルターを通した後、220〜280℃の温度でスリット状口金から押出し、冷却ドラム上で固化させ未延伸シートを得る。ここで、本発明のフィルムを得るためにはβ晶を適正に生成せしめることが好ましく、冷却ドラムの温度制御を適切に行うことが重要である。ここで、β晶を効率的に生成せしめるためには、β晶の生成効率が最大となる樹脂温度に所定時間維持することが好ましく、具体的には115〜135℃であることが好ましい。また保持時間としては1秒以上保持することが好ましい。
これらの条件を実現するためには樹脂温度や押出量、引き取り速度等に応じて適宜プロセスを決定すればよいが、生産性の観点からは、冷却ドラムの径が保持時間に大きく影響するために、該ドラムの直径は少なくとも1m以上であることが好ましい。更に、選定すべき冷却ドラム温度としては上述のように他の要素が影響するためにある程度の任意性を含むものの、60〜120℃であることが好ましく、更に好ましくは65〜100℃、特に好ましくは65〜80℃の範囲である。キャスティングドラム温度が高すぎるとフィルムの結晶化が進行しすぎ後の工程での延伸が困難になったり、フィルム内にボイドができ耐絶縁破壊特性が低下したりする場合がある。あるいはキャスティングドラムとフィルムとの密着性が低下して温度ムラが生じるなどの影響も出やすい。キャスティングドラムへの密着方法としては静電印加法、水の表面張力を利用した密着方法、エアーナイフ法、プレスロール法、水中キャスト法などのうちいずれの手法を用いてもよいが、平面性が良好でかつ表面粗さの制御が可能なエアーナイフ法が好ましい。
次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せしめる。まず未延伸フィルムを120〜150℃に保たれた複数のロールに通して予熱する。ただし、予熱はロールに温度差を設けてB面側により熱がかかるように行い、A面に接触するロールは120〜140℃、B面に接触するロールは130〜150℃とし、該シートの表裏に温度差が出るようにする。この温度状態を保ったまま周速差を設けたロール間に通して長手方向に2〜6倍に延伸し、室温に冷却する。予熱〜延伸工程で重要になるのは該シート表面の温度状態であり、表裏のフィルム温度に差が出るように予熱を制御することが重要となる。ここで該シートが薄すぎると表裏間のフィルム温度に差が生じにくい。また、予熱ロール温度とフィルムシートの接触時間が適切な関係である必要があり、温度のみが適切であっても予熱ロールの接触時間が短すぎても長すぎてもフィルムシート表面温度に表裏差が生じにくい。一方で、ロール接触時間が適切であっても予熱温度が不適切であればやはり表裏差は生じにくい。表裏差を与えるのに適した条件として、予熱工程時間の30〜40%がA面予熱、20〜40%がB面予熱であることが好ましく、予熱中のB面表面温度がA面よりも10〜20℃高くなるよう温度条件を設定することが好ましい。更に高出力のラジエーションヒーター(例えばヒーター出力10.5KWなど)を使用した際には、更に熱履歴のコントロール性が高まり好適である。
適切な条件の例として、例えば予熱工程のトータル時間が11秒の場合、適切な時間配分はフィルムシートが予熱ロールと接触している時間はA面側が4秒、B面側が3秒である(残り4秒はロールと非接触)。このときの予熱工程で好ましいフィルム表面温度はA面側が110℃、B面側が125℃であり、この条件がそろった場合に表裏のフィルム温度履歴によって目的とする表裏差が得られる。また、長手方向への延伸時にはB面側の延伸直前のフィルム温度を瞬時に昇温するラジエーションヒーターを用いることも好ましい。
長手方向への延伸に引き続き該延伸フィルムをステンターに導いて150〜170℃の温度で幅方向に5〜15倍に延伸し、次いで幅方向に2〜20%の弛緩を与えつつ140〜170℃の温度で熱固定した後、蒸着を施す面に蒸着金属の接着性を良くするため、空気中、窒素中、炭酸ガス中あるいはこれらの混合気体中でコロナ放電処理を行い、フィルムを得る。コロナ放電処理の例として、10〜20kW程度の出力で放電処理を行う。
本発明においては、上記のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に金属膜を設けて金属化フィルムとすることが好ましい。金属膜を設ける方法は特に限定されないが、例えば、ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に、アルミニウムを蒸着してフィルムコンデンサの内部電極となるアルミニウム蒸着膜等の金属膜を設ける方法が好ましく用いられる。このとき、アルミニウムと同時あるいは逐次に、例えば、ニッケル、銅、金、銀、クロムおよび亜鉛などの他の金属成分を蒸着することもできる。また、蒸着膜上にオイルなどで保護層を設けることもできる。
金属膜の厚みは、フィルムコンデンサの電気特性とセルフヒール性の点から20〜100nmの範囲であることが好ましい。また、同様の理由により、金属膜の表面電気抵抗値が1〜20Ω/□の範囲であることが好ましい。金属種には固有の抵抗値があり、さらに抵抗値は膜厚に反比例するので、表面電気抵抗値は使用する金属種と膜厚で制御可能である。
本発明では、必要により、金属膜を形成後に得られる金属化フィルムを特定の温度でエージング処理を行なったり、熱処理を行なったりすることができる。また、絶縁もしくは他の目的で、金属化フィルムの少なくとも片面に、ポリフェニレンオキサイドなどをコーティングすることもできる。
このようして得られた金属化フィルムは、積層もしくは巻回してフィルムコンデンサとすることができる。巻回型フィルムコンデンサの好ましい製造方法を例示すると、次のとおりである。
まず、ポリプロピレンフィルムの片面にアルミニウムを真空蒸着する。その際、フィルム長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着する。次に、表面の各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、表面が一方にマージンを有した、テープ状の巻取リールを作製する。左もしくは右にマージンを有するテープ状の巻取リールを左マージンおよび右マージンのもの各1本ずつを、幅方向に蒸着部分がマージン部よりはみ出すように2枚重ね合わせて巻回し、巻回体を得る。ポリプロピレンの両面に蒸着を行う場合は、一方の面の長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着し、もう一方の面には長手方向のマージン部が裏面側蒸着部の中央に位置するようにストライプ状に蒸着する。次に表裏それぞれのマージン部中央に刃を入れてスリットし、両面ともそれぞれ片側にマージン(例えば表面右側にマージンがあれば裏面には左側にマージン)を有するテープ状の巻取リールを作製する。得られたリールと未蒸着の合わせフィルム各1本ずつを、幅方向に金属化フィルムが合わせフィルムよりはみ出すように2枚重ね合わせて巻回し、巻回体を得る。この巻回体から芯材を抜いてプレスし、両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して巻回型コンデンサ素子を得ることができる。フィルムコンデンサの用途は、車両用、家電用(テレビや冷蔵庫など)、一般雑防用、自動車用(ハイブリットカー、パワーウインドウやワイパーなど)および電源用等、多岐に渡っており、本発明の金属化フィルムはそのいずれにも好適に使用可能である。
以下、本発明における特性値の測定方法、並びに効果の評価方法を述べる。
(1)フィルム厚み(μm)
JIS C−2330(2001)の7.4.1.1によりマイクロメータ法厚みを測定した。
(2)グロス(光沢度)
JIS K−7105(1981)に準じ、スガ試験機株式会社製 デジタル変角光沢計UGV−5Dを用いて入射角60°受光角60°の条件で測定した5点のデータの平均値を光沢度とする。
(3)溶融流動指数(MFR)
JIS−K7210(1999)に準じて、測定温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(4)融点、溶融結晶化温度(℃)
セイコー社製RDC220示差走査熱量計を用いて、下記以下の条件で測定を行った。
<試料の調製:>
検体5mgを測定用のアルミパンに封入する。尚、フィルムに金属蒸着等が施されている場合は適宜除去する。
<測定>
以下の(a)→(b)→(c)のステップでフィルムを溶融・再結晶・再溶融させる。樹脂の融点は2nd Runで観測される融解ピークの内で最も高い融解ピーク温度を融点とした。3点の測定値の平均値を求めた。
(a)1st Run 30℃→280℃(昇温速度20℃/分)
(b)Tmc 280℃で5分保持後に20℃/分で 30℃まで冷却
(c)2nd Run 30℃→280℃(昇温速度20℃/分)
(5)メソペンタッド分率(mmmm)
試料を溶媒に溶解し、13C NMRを用いて、以下の条件にてメソペンタッド分率(mmmm)を求める(参考文献:新版 高分子分析ハンドブック 社団法人日本分析化学会・高分子分析研究懇談会 編 1995年 P609〜611)。
A.測定条件
装置:Bruker社製、DRX−500
測定核:13C核(共鳴周波数:125.8MHz)
測定濃度:10wt%
溶媒:ベンゼン/重オルトジクロロベンゼン=質量比1:3混合溶液
測定温度:130℃
NMR試料管:5mm管
パルス幅:45°(4.5μs)
パルス繰り返し時間:10秒
換算回数:10,000回
測定モード:complete decoupling
B.解析条件
LB(ラインブロードニングファクター)を1.0としてフーリエ変換を行い、mmmmピークを21.86ppmとした。WINFITソフト(Bruker社製)を用いて、ピーク分割を行う。その際に、高磁場側のピークから以下のようにピーク分割を行い、更にソフトの自動フィッテイングを行い、ピーク分割の最適化を行った上で、mmmmとss(mmmmのスピニングサイドバンドピーク)のピーク分率の合計をメソペンタッド分率(mmmm)とする。
尚、測定は5回行い、その平均値を求める。
ピーク
(a)mrrm
(b)(c)rrrm(2つのピークとして分割)
(d)rrrr
(e)mrmm+rmrr
(f)mmrr
(g)mmmr
(h)ss(mmmmのスピニングサイドバンドピーク)
(i)mmmm
(j)rmmr
(6)内部3置換オレフィン個数
試料を溶媒に溶解し、H NMRを用いて、以下の条件にて内部3置換オレフィンの個数を求める。
A.測定条件
装置:日本電子製ECX400P型核磁気共鳴装置
測定核:H核(共鳴周波数:500MHz)
測定濃度:2wt%
溶媒:重オルトジクロロベンゼン
測定温度:120℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:7秒
換算回数:512回
測定モード:non decoupling
B.解析条件
オルトジクロロベンゼンの化学シフト7.10ppmを基準とし、5.0〜5.2ppm領域のシグナルを内部3置換オレフィンのプロトンと帰属、0.5〜2.0ppmのブロードなシグナルとの積分比から内部3置換オレフィンのプロトン比を求める。
(7)冷キシレン可溶部(CXS)
ポリプロピレンフィルム試料0.5gを沸騰キシレン100mlに溶解して放冷後、20℃の恒温水槽で1時間再結晶化させた後にろ過液に溶解しているポリプロピレン系成分を液体クロマトグラフ法にて定量する(X(g))。試料0.5gの精量値(X0(g))を用いて以下の式で求める。
CXS(質量%)=(X/X0)×100
(8)中心線平均粗さ(SRaA、SRaB)、十点平均粗さ(SRzA、SRzB)
JIS B-0601(1982)により、株式会社小坂研究所製「非接触三次元微細形状測定器(ET-30HK)」及び「三次元粗さ分析装置(MODEL SPA-11)」を用いて測定した。測定は長手方向に10回繰り返し、その平均値として中心線平均粗さ(SRa)、十点平均粗さ(SRz)、突起高さ、突起個数を求め、更にその比(SRz/SRa)を求めた。1回の測定の詳細条件とデータ処理については下記の通りとした。
・最小突起高さ(PAmin、PBmin)、最大突起高さ(PAmax、PBmax)(単位:nm)
上記測定器により検出された検出値は、50nm間隔のヒストグラムとして出力される。たとえば検出値として100nm以上150nm未満の突起が存在した場合には、スライス値(Z)として150nmと表記された欄にカウントされる。ここで、最小突起高さは、最初にカウント値が出力されたスライス値(Z)のスライス幅下限値である。すなわち、最初にカウント値が出力されたスライス値(Z)が150nmの欄であれば、最小突起高さPminは100nmとなる。同様に、最大突起高さは、最後にカウント値が出力されたスライス値(Z)のスライス幅下限値である。すなわち、最後にカウント値が出力されたスライス値(Z)が1000nmの欄であれば、最大突起高さPmaxは950nmとなる。
(なお、A面の場合はPAmin、PAmax、B面の場合はPBmin、PBmaxとそれぞれ表記している。)
・総突起個数(PA、PB)(単位:個/0.1mm
総突起個数は測定条件の項目に示す幅方向、長さ方向サンプリング間隔で検出された突起個数を0.1mmあたりの個数に換算した値を全て合計したものを示す。
具体的には、上記測定器により得られるヒストグラムにおいて検出されたカウント値の合計である。
・A面側の高さ150nm以上350nm未満の突起個数(PA150-350)
上記ヒストグラムのA面側の値について、高さ150nm以上350nm未満に該当する突起検出個数を全て総和したものを示す。具体的には、スライス値(Z)が200〜350nmに対応する欄のカウント値の合計である。
・B面側の高さ400nm以上700nm未満の突起個数(PB400-700)
上記(PA150-350)と同様である。具体的には、ヒストグラムのB面側の値について、スライス値(Z)が450〜700nmに対応する欄のカウント値の合計である。
・測定条件
測定面処理:測定面にアルミニウムを真空蒸着し、非接触法とした。
測定方向:フィルムの幅方向
幅方向送り速度:0.1mm/秒
測定範囲(幅方向×長さ方向):1.0mm×0.249mm
高さ方向寸法の基準面:LOWER(下側)
幅方向サンプリング間隔:2μm
長さ方向サンプリング間隔:10μm
長さ方向サンプリング本数:25本
カットオフ:0.25mm/秒
幅方向拡大倍率:200倍
長さ方向拡大倍率:20,000倍
うねり、粗さカット:なし
・測定方法
測定には専用のサンプルホルダーを使用する。サンプルホルダーは中心に円形の穴が空いた脱着可能な2枚の金属板であり、その間にサンプルを挟んでサンプルホルダーの四方までフィルムを張って装着することで固定し、中央円形部のフィルムを測定した。
・測定結果
上記方法によって得られた測定結果の例を表1に示す。データが表1の場合、本発明の各パラメータは次の通り読み取る。
SRaA 20.1nm
SRzA 715nm
SRaB 45.2nm
SRzB 1,110nm
PAmin 100nm
PAmax 750nm
PA150-350 47個/0.1mm(小数点以下四捨五入)
PA 109個/0.1mm(小数点以下四捨五入)
PBmin 350nm
PBmax 1,250nm
PB400-700 256個/0.1mm(小数点以下四捨五入)
PB 484個/0.1mm(小数点以下四捨五入)
|PA−PB| 374個/0.1mm(小数点以下四捨五入)
(9)フィルム原反特性(絶縁破壊電圧、原反スリット収率)
絶縁破壊電圧は、JIS C2330(2001)7.4.11.2 B法(平板電極法)に準じて、平均値を求め、測定したサンプルのフィルム厚み(μm)で除し、V/μmで表記した。
また、フィルム原反のスリットで巻きズレやしわが発生したものを不合格とし、不合格となったものの数の製造数全体に対する割合を百分率で示し加工性の指標とした(以下原反スリット収率という)。原反スリット収率は高いほど好ましい。95%以上を良好「○」、95%未満90%以上を「△」、90%未満を不良「×」とした。「△」以上が実用可能なレベルである。
(10)金属膜の表面電気抵抗(単位:Ω/□)
金属化フィルムを長さ方向に10mm幅方向に全幅(50mm)の長方形にカットして試料とし、4端子法により、幅方向30mm間の金属膜の抵抗を測定し、得られた測定値に測定幅(10mm)を乗じて電極間距離(30mm)を除して、10mm×10mm当たりの膜抵抗を算出した。
(11)コンデンサ製造の際の素子加工性(素子巻収率)
後述する各実施例および比較例で得られたポリプロピレンフィルムのコロナ処理面に、ULVAC製真空蒸着機でアルミニウムを膜抵抗が8Ω/sqとなるようにアルミニウムを真空蒸着した。
このとき、ポリプロピレンフィルムに施したコロナ処理が片面だけのものについては長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着した(蒸着部の幅39.0mm、マージン部の幅1.0mmの繰り返し)。次に各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、左もしくは右に0.5mmのマージンを有する全幅20mmのテープ状に巻取リールにした。得られたリールの左マージンおよび右マージンのもの各1本ずつを、幅方向に蒸着部分がマージン部より0.5mmはみ出すように2枚重ね合わせて巻回し、静電容量約10μFの巻回体を得た。この巻回体から芯材を抜いてプレスし、両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して巻回型コンデンサ素子を得た。
ポリプロピレンフィルムに施したコロナ処理が両面のものについては、一方の面の長手方向に走るマージン部を有するストライプ状の蒸着(蒸着部の幅39.0mm、マージン部の幅1.0mmの繰り返し)を行い、もう一方の面には長手方向のマージン部が裏面側蒸着部の中央に位置するようにストライプ状の蒸着(蒸着部の幅39.0mm、マージン部の幅1.0mmの繰り返し)を行った。次に表裏それぞれのマージン部中央に刃を入れてスリットし、両面ともそれぞれ片側に0.5mmのマージン(例えば表面右側に0.5mmのマージンがあれば裏面左側に0.5mmのマージン)を有する全幅20mmのテープ状に巻取リールにした。得られたリールと未蒸着の合わせフィルム各1本ずつを、幅方向に金属化フィルムが合わせフィルムよりはみ出すように2枚重ね合わせて巻回し、静電容量約10μFの巻回体を得た。この巻回体から芯材を抜いてプレスし、両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して巻回型コンデンサ素子を得た。
上記の素子巻回には皆藤製作所製KAW−4NHBを用いた。その際、巻き始めから巻き終わりまでを目視で観察し、しわやずれが発生したものを不合格とし、不合格となったものの数の製造数全体に対する割合を百分率で示し加工性の指標とした(以下素子巻収率と称する)。素子巻収率は高いほど好ましい。95%以上を良好「○」、95%未満80%以上を「△」、80%未満を不良「×」とした。「△」以上が実用可能なレベルである。
(12)蒸着コンデンサ特性の評価
後述する各実施例および比較例で得られたフィルムに、ULVAC製真空蒸着機でアルミニウムと亜鉛のアロイ金属を膜抵抗が8Ω/sqで、長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着し(蒸着部の幅48.0mm、マージン部の幅2.0mmの繰り返し)、幅50mmの蒸着リールを得た。
次いで、このリールを用いて皆藤製作所製素子巻機(KAW−4NHB)にてコンデンサ素子を巻き取り、メタリコンを施した後、真空中において105℃の温度で10時間の熱処理を施し、リード線を取り付けてコンデンサ素子を仕上げた。このときのコンデンサ素子の静電容量は5μFであった。
こうして得られたコンデンサ素子10個を用いて、常温下でコンデンサ素子に900Vの交流電圧を印加し、該電圧で3分間経過後にステップ状に50V/3分で徐々に印加電圧を上昇させることを繰り返す所謂ステップアップ試験を行なった。ここではAC印加機器の電流が激変したポイントを破壊とした。破壊電圧は、nV印加時t秒で破壊した場合に、[n+50×t/180]の式で算出した。
例えば950V印加時53秒で破壊した場合:
950+50×53/180=965V
算出電圧をフィルム厚みで割り返して耐電圧評価とした。
また、破壊後のコンデンサ素子を解体し破壊の状態を調べて、保安性を以下の通り評価した。
◎:素子形状の変化は無く貫通状の破壊は観察されない。
○:素子形状の変化は無くフィルム10層以内の貫通状破壊が観察される。
△:素子形状に変化が認められる若しくは10層を超える貫通状破壊が観察される。
×:素子形状が破壊する。
◎は問題なく使用できるが、○では条件次第で使用可能である。△、×では実用上の問題を生じる。
以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに説明する。
(実施例1)
ポリプロピレンのメソペンタッド分率が0.985で、メルトマスフローレイト(MFR)が2.6g/10分であるポリプロピレン樹脂に、分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(高溶融張力ポリプロピレンProfax PF-814)を0.5質量%ブレンドし、温度260℃の押出機に供給し、樹脂温度255℃でT型スリットダイよりシート状に溶融押出し、該溶融シートを70℃に保持された直径1.2mの冷却キャスティングドラム上で冷却固化した。
110〜135℃の保持時間は放射温度計の測定の結果、3.2秒であった。
次いで該シートのA面側(キャスティングドラム面側)を130℃、B面側(非キャスティングドラム面)を140℃で予熱し、引き続き147℃の温度に保ち周速差を設けたロール間に通して長手方向に4.6倍に延伸した。その際、延伸部でB面側にラジエーションヒーター出力10.5kWを用い熱量を補い延伸した。引き続き該フィルムをテンターに導き、164℃の温度で幅方向に10倍延伸し、次いで幅方向に6%の弛緩を与えながら155℃で熱処理を行ない、その後冷却しフィルム厚みが7.0μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。さらに該B面側の表面に20W・min/mの処理強度で大気中でコロナ放電処理を行った。こうして得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2〜4に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表2〜4に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例2)
キャスティングドラム温度を80℃とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(実施例3)
キャスティングドラム温度を65℃とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(実施例4)
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みを6.5μmとした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(実施例5)
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みを6.5μmとし、キャスティングドラム温度を80℃とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(実施例6)
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みを6.5μmとし、キャスティングドラム温度を65℃とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(実施例7)
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みを6.0μmとし、キャスティングドラム温度を75℃、テンターに導いて幅方向に10倍延伸する温度が163℃であること以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(実施例8)
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みを6.0μmとし、キャスティングドラム温度を75℃、テンターに導いて幅方向に10倍延伸する温度が163℃、二軸延伸ポリプロピレンフィルムのA面とB面の両面に20W・min/mの処理強度で大気中でコロナ放電処理を行った以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(実施例9)
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みを4.0μmとし、キャスティングドラム温度を75℃、テンターに導いて幅方向に10倍延伸する温度が163℃であること以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(比較例1)
実施例1において、分岐鎖状ポリプロピレン樹脂を添加しないこと以外は同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(比較例2)
実施例1において、キャスティングドラム温度を85℃とした以外は同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(比較例3)
実施例1において、キャスティングドラム温度を55℃とした以外は同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(比較例4)
実施例1において、ラジエーションヒーター出力を3.5kWとした以外は同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(比較例5)
実施例1において、A面延伸予熱温度を135℃とし、B面延伸予熱温度を135℃とし、長手方向に4.6倍延伸時の温度を140℃とした以外は同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(比較例6)
実施例1において、キャスティングドラム温度を80℃とし、A面延伸予熱温度を125℃とし、B面延伸予熱温度を135℃とし、長手方向に4.6倍延伸時の温度を140℃とし、ラジエーションヒーター出力を3.5kWとした以外は同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(比較例7)
実施例1において、分岐鎖状ポリプロピレン樹脂を添加せず、A面延伸予熱温度を140℃とし、B面延伸予熱温度を130℃とした以外は同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(比較例8)
実施例7において、キャスティングドラム温度を85℃とした以外は同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(比較例9)
実施例7において、キャスティングドラム温度を55℃とした以外は同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(比較例10)
実施例9において、キャスティングドラム温度を85℃とした以外は同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
(比較例11)
実施例9において、キャスティングドラム温度を55℃とした以外は同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性を表2〜4に示す。
Figure 2011122142
Figure 2011122142
Figure 2011122142
Figure 2011122142

Claims (9)

  1. 両面に突起を有するコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、厚みt1(μm)が4〜20μmであり、一方の表面をA面、他方の面をB面としたとき、下記式を全て満足しているコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
    800≦SRzB≦1,300(nm)
    0.1≦SRzA/SRzB≦0.7
    PBmin≧100(nm)
    PBmax≦1,500(nm)
    0.4≦PB400-700/PB≦0.7
    但し、
    SRzA:A面の10点平均粗さ(nm)
    SRzB:B面の10点平均粗さ(nm)
    PBmin:B面の最小突起高さ(nm)
    PBmax:B面の最大突起高さ(nm)
    PB400-700:B面に存在する高さ400nm以上700nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
    PB:B面に存在する突起の0.1mmあたりの総個数
  2. 下記式を全て満足している、請求項1に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
    400≦SRzA≦900(nm)
    PAmin≧100(nm)
    PAmax≦1,000(nm)
    0.3≦PA150-350/PA≦0.9
    但し、
    PAmin:A面の最小突起高さ(nm)
    PAmax:A面の最大突起高さ(nm)
    PA150-350:A面に存在する高さ150nm以上350nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
    PA:A面に存在する突起の0.1mmあたりの総個数
  3. PAとPBとが下記式を満足している、請求項1または2に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
    |PA−PB|≧200
  4. 下記式を全て満足している、請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
    15≦SRaA≦35(nm)
    30≦SRaB≦50(nm)
    但し、
    SRaA:A面の中心線平均粗さ(nm)
    SRaB:B面の中心線平均粗さ(nm)
  5. A面の中心線平均粗さをSRaA(nm)、B面の中心線平均粗さをSRaB(nm)としたとき、SRzA/SRaAまたはSRzB/SRaBの少なくとも一方の値が20以上35以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  6. 分岐鎖状ポリプロピレンを0.05〜3.0質量%含有する、請求項1〜5のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に金属膜が設けられてなる金属化フィルム。
  8. 金属膜の表面電気抵抗が1〜20Ω/□の範囲内にある、請求項7に記載の金属化フィルム。
  9. 請求項7または8に記載の金属化フィルムを用いてなるフィルムコンデンサ。
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