JP5664137B2 - コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムおよび金属化フィルム、フィルムコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムおよび金属化フィルム、フィルムコンデンサ Download PDF

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Description

本発明は、包装用や工業用等に好適な二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関するものであり、さらに詳しくはコンデンサ用誘電体として高い耐電圧性、好適な素子加工性に優れたコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関する。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、透明性、機械特性、電気特性等に優れるため、包装用途、テープ用途、ケーブルラッピングやコンデンサをはじめとする電気用途等の様々な用途に用いられている。
この中でもコンデンサ用途は、その優れた耐電圧特性、低損失特性から直流用途、交流用途に限らず高電圧コンデンサ用に特に好ましく用いられている。
最近では、各種電気設備がインバーター化されつつあり、それに伴いコンデンサの小型化、大容量化の要求が一層強まって来ている。そのような市場、特に自動車用途(ハイブリットカー用途含む)の要求を受け、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの耐電圧性や素子加工性を向上させつつ、一層の薄膜化が必須な状況となってきている。
かかる二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、耐電圧性、素子加工性の観点から表面を適度に粗面化する必要があるが、これは特にフィルムの滑り性や油含浸性の向上あるいは蒸着コンデンサにおいては保安性を付与するため特に重要である。ここで、保安性とは、該誘電体フィルム上に形成した金属蒸着膜を電極とする金属蒸着コンデンサにおいて、異常放電時に蒸着金属が放電エネルギーによって飛散することで絶縁性を回復させ、ショートを防止することでコンデンサの機能を維持する乃至は破壊を防止する機能であり、安全性からも極めて有用な機能である。
かかる粗面化方法としては、これまでエンボス法やサンドブラスト法などの機械的方法、溶剤によるケミカルエッチング等の化学的方法、ポリエチレン等の異種ポリマーを混合したシートを延伸する方法、β晶を生成させたシートを延伸する方法(例えば特許文献1、2参照)等が提案されている。
しかし、機械的方法および化学的方法では粗さ密度が低く、またβ晶を生成させたシートを延伸する方法では粗大突起が生じやすく、粗さ密度、粗大突起、突起個数という点で必ずしも十分とはいえない場合があった。また、これらの方法で粗面化したフィルムは、コンデンサ形成時にフィルム層間への油含浸が不十分となり部分的に未含浸部分を生じやすく、コンデンサ寿命が低下する場合がある。ポリエチレン等の異種ポリマーを配合したシートを延伸する方法では、コンデンサ形成時に気泡の残存は少ないが、該フィルムをリサイクルした場合に異種ポリマーが悪影響を及ぼす場合があり、リサイクル性に劣るという問題がある。
また、いずれの方法による二軸延伸ポリプロピレンフィルムも、コンデンサの使用条件として、電位傾度が350V/μm以上の厳しい条件のもとでは、保安性が充分でなく、信頼性の面で問題を生じることがある。ここで電位傾度とは誘電体フィルムに印加された電圧を該フィルム厚みで除したものであり、単位フィルム厚み当たりの印加電圧である。
また、粗さ密度や突起の均一性については、高溶融張力ポリプロピレンフィルム(例えば特許文献4参照)や、かかる高溶融張力ポリプロピレンフィルムと通常のポリプロピレンフィルムとを積層した(例えば特許文献3参照)フィルムなどが提案されているが、高溶融張力ポリプロピレン樹脂そのものをコンデンサ用途して使用する場合は樹脂の構造上充分な耐熱性、耐圧性を得ることができず特に高温での絶縁破壊電圧が著しく低下する問題がある。また、高溶融張力ポリプロピレン樹脂を積層する技術では、特にフィルム厚みが5μm以下の薄膜フィルムでは均一な積層厚み構成を得ることが非常に困難となり、均一性を損ねて実用上満足のいく誘電体フィルムとはならないのが実状である。また、特許文献5では表面の粗面化度をコントロールした二軸延伸ポリプロピレンフィルムとその製造方法について開示されているがフィルム両面を同レベルの粗面化度にすることは不十分でかつ困難である。
また、少なくとも片面のフィルム表面における粗さを規定した特許文献5、6については、微細な粗面を形成する方法として、キャスト原反シートのβ晶分率をある範囲内とすることで、素子巻き性と耐圧性とをバランスさせることができるとされている。しかし、その製造方法は、フィルム両面の粗面化度を十分コントロールできるものではなく、かつ得られたフィルムの微細な粗面程度では、特に自動車用途に求められる耐圧性と素子加工性を十分満たすものではなかった。
特開昭51−63500号公報 特開2001−324607号公報 特開2001−129944号公報 特開2001−72778号公報 特許公報第3508515 特開2007−308604号公報 特開2008−133446号公報
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討の結果、本発明に想到したものである。本発明は、高電圧用コンデンサ用途においても優れた耐電圧性と信頼性を発揮し、安定した素子加工性を確保するコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供せんとするものである。
かかるコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、コンデンサ用等に好適な突起の均一性に優れ、粗さ密度が高く、粗大突起の少ない表面を両面に持つ二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供する。
上記課題を解決するための本発明は以下の特徴を有する。
(1)両面に突起を有するコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、分岐鎖状ポリプロピレン(H)を0.05〜3質量%含有し、厚みt1(μm)が1〜5μmであり、いずれの表面についても最小突起高さPmin(nm)が100以上であり、最大突起高さPmax(nm)が1,200以下であり、かつ、一方の表面をA面、他方の面をB面としたとき、下記式を全て満足しているコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
0.5≦Pa250-450/Pa≦0.8
0.5≦Pb250-450/Pb≦0.8
0.7≦Pa250-450/Pb250-450≦1.2
0.7≦Pa/Pb≦1.2
但し、
Pa250-450:A面側に存在する高さ250nm以上450nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
Pb250-450:B面側に存在する高さ250nm以上450nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
Pa:A面に存在する突起の0.1mmあたりの個数
Pb:B面に存在する突起の0.1mmあたりの個数
(2)PaとPbとが下記式を満たす、上記(1)に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
|Pa−Pb|≦200
(3)いずれの表面の10点平均粗さ(SRz)も500nm以上1,000nm以下である、上記(1)または(2)に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
(4)いずれの表面の中心線表面粗さ(SRa)も20nm以上40nm以下である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
(5)中心線表面粗さ(SRa)と10点平均粗さ(SRz)の比SRz/SRaの値が、いずれの表面についても22以上32以下である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
)上記(1)〜()のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に金属膜が設けられてなる金属化フィルム。
)金属膜の表面電気抵抗が1〜20Ω/□の範囲内にある、上記()に記載の金属化フィルム。
)上記()または()に記載の金属化フィルムを用いてなるフィルムコンデンサ。
本発明によれば、優れた表面特性を有することにより、薄いフィルムであっても加工適性に優れ、低温(−40℃)から高温(85℃)までの広範囲の雰囲気温度条件下でも高耐電圧性を発揮するコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することができるので、特にコンデンサ用途に、好ましくは自動車用に好適である。
以下、さらに詳しく本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムおよび金属化フィルム、フィルムコンデンサについて説明する。
本発明のコンデンサ用ポリプロピレンフィルムは、その両面に突起を有しており、厚みt1(μm)が1〜5μmである。なお、この厚みは、後述するように、マイクロメータ法による厚みである。
また、いずれの表面についても最小突起高さPmin(nm)が100以上であり、最大突起高さPmax(nm)が1,200以下であり、さらに、一方の表面をA面、他方の面をB面としたとき、下記式を全て満足していることを特徴とする。
0.5≦Pa250-450/Pa≦0.8
0.5≦Pb250-450/Pb≦0.8
0.7≦Pa250-450/Pb250-450≦1.2
0.7≦Pa/Pb≦1.2
但し、
Pa250-450:A面側に存在する高さ250nm以上450nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
Pb250-450:B面側に存在する高さ250nm以上450nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
Pa:A面に存在する突起の0.1mmあたりの個数
Pb:B面に存在する突起の0.1mmあたりの個数
まず、厚みt1について説明する。
本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、コンデンサ素子サイズと製膜安定性の点から、マイクロメータ法によるフィルム厚みが1〜5μmであることが好ましい。マイクロメータ法によるフィルム厚みは、より好ましくは1.2〜4μmであり、特に好ましくは1.5〜3μmである。フィルムの厚みが薄すぎると、機械的強度や絶縁破壊強度に劣る場合がある。また、フィルムの厚みが厚すぎると均一な厚みのフィルムを製膜することが困難になり、またコンデンサ用の誘電体として用いた場合、体積当たりの容量が小さくなる。
また、本発明のフィルムは、いずれの表面についても、最小突起高さPminが100nm以上である。この最小突起高さPminが、100nm未満であると空気抜け不良によりフィルムの巻き取りがうまくいかず、また蒸着工程、スリット工程およびコンデンサ素子巻工程において、搬送時にキズが付きやすくなり欠点となる傾向にある。特に、コンデンサ素子巻工程ではシワが入り易く、層間間隙も狭く局所的な層間密着が発生し電界集中により耐圧が低下し易い。
また、本発明のフィルムは、いずれの表面についても、最大突起高さPmaxが1,200nm以下である。この最大突起高さPmaxが、1,200nmを超える場合は、粗大突起により絶縁破壊の低下が生じやすく、フィルム最小厚みが小さくなり耐圧が低下し易い。
また、本発明のフィルムは、一方の表面をA面、他方の面をB面としたとき、以下の式を満足している。
0.5≦Pa250-450/Pa≦0.8
0.5≦Pb250-450/Pb≦0.8
但し、
Pa250-450:A面側に存在する高さ250nm以上450nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
Pb250-450:B面側に存在する高さ250nm以上450nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
Pa:A面に存在する突起の0.1mmあたりの個数
Pb:B面に存在する突起の0.1mmあたりの個数
上記式において、Pa250-450/Paの値、Pb250-450/Pbの値について、0.5未満あるいは0.8を超える場合は、空気抜け不良によりフィルムの巻き取りがうまくいかず、また蒸着工程、スリット工程およびコンデンサ素子巻工程において、搬送時にキズが付きやすくなり欠点を生じる傾向がある。特に、コンデンサ素子巻工程ではシワが入り易く、層間間隙も狭く局所的な層間密着が発生し電界集中により耐圧が低下し易い。
また、本発明のフィルムは、以下の式も満足している。
0.7≦Pa250-450/Pb250-450≦1.2
0.7≦Pa/Pb≦1.2
上記式において、Pa250-450/Pb250-450の値、Pa/Pbの値について、0.7未満あるいは1.2を超える場合は、両面の突起個数の格差が大きくなり、両面の表面性の違いにより、コンデンサとした場合のフィルム層間のバラツキが大きくなり、特に含浸タイプのコンデンサ形成時にフィルム層間への油含浸が不十分となり部分的に未含浸部分を生じやすく、コンデンサ寿命が低下しやすくなる。特に直流用途、交流用途に限らず高電圧コンデンサ用では、含浸タイプ、無含浸タイプに関わらず、Pa250-450/Pb250-450の値、Pa/Pbの値はいずれも0.8以上1.1以下であることが好ましく、これにより更に、コンデンサ寿命が改善され電気特性に優れたコンデンサ用のフィルムが得られる。
また、本発明においては、PaとPbとが下記式を満たしていることが好ましい。
|Pa−Pb|≦200
|Pa−Pb|の値が200以下であれば、より両面の表面格差が低減されコンデンサ形成時のフィルム層間間隙の均一性が高まりコンデンサ寿命が改善され電気特性に優れたコンデンサ用のフィルムを得ることができる。
ここで、本発明の技術的背景について説明する。ポリプロピレンフィルムの耐電圧性と素子加工性を良好とするには、ポリプロピレンフィルム両面の表面粗さ、突起高さ、突起個数を制御することが重要である。また、耐電圧性、コンデンサ素子加工性を良好とするには、フィルム層間間隙の均一性、フィルム同士あるいは搬送ロールとのすべり易さが重要であり、素子とした場合のフィルム同士の局所的層間密着や残留ストレスを低減することが求められる。このため、本発明においては、従来の2次元または3次元の中心線表面粗さでは表現できない指標を採用している。すなわち、高さが250nm以上450nm未満の範囲にある突起を制御対象として捉えることにより、好適な素子加工性および高耐電圧を得ることが可能となったものである。
また、本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、その両面の10点平均粗さ(SRz)が500nm以上であることが好ましい。SRzが500nm未満であると空気抜け不良等によりフィルムの巻き取りがうまくいかず、ロール形状に乱れが生じ、スリット工程、コンデンサ素子形成がうまく行かなくなることがある。一方、SRzが1,000nmを超える場合には、絶縁破壊電圧が低下する恐れがあり、SRzは500〜1,000nmであることが好ましい。SRzはより好ましくは600〜950nmであり、特に好ましくは700〜900nmであり、これによりスリット工程およびコンデンサ素子工程における巻き取り性がより改善され加工性に優れたフィルムを得ることが可能となる。
また、本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、中心線平均粗さ(SRa)が40nm以下である。中心線平均粗さ(SRa)が40nmより大きいと、フィルムを積層した場合に層間に空気が入り易くコンデンサ素子の劣化につながることがある。またフィルムに金属層を形成したとき金属層に穴アキ等が発生し、高温時の絶縁破壊強度や素子ライフが低下したり電圧印加時に電荷が集中し、絶縁欠陥の原因となり易い。逆にSRaが20nm未満であるとフィルムの滑りが低下し、ハンドリング性に劣ったり、コンデンサ素子に絶縁油を含浸する場合はフィルム層間に絶縁油が均一に浸透せず、連続使用時に容量変化が大きくなることがある。そのためフィルムの両面の中心線平均表面粗さ(SRa)は、20〜40nmであることが好ましく、さらに好ましくは25〜35nmであり、これによりコンデンサ素子工程における巻き取り性、コンデンサとした際の容量変化がより改善され加工性、コンデンサ特性に優れたフィルムを得ることが可能となる。
本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、上記の中心線平均表面粗さ(SRa)に対して十点平均粗さ(SRz)がある一定範囲内にあることが好ましい。すなわち、いずれの面においても、SRzとSRaの比(SRz/SRa)の値は22〜32の範囲内であることが好ましく、更に好ましくは24〜30の範囲内であり、特に好ましくは25〜29の範囲内である。
この比(SRz/SRa)の値が大きすぎると、粗大突起の割合が増えるため、フィルムを積層した場合に層間に空気が入りコンデンサ素子の劣化につながることがある。またフィルムに金属層を形成したとき金属層に穴アキ等が発生し、高温時の絶縁破壊強度や素子ライフが低下したり電圧印加時に電荷が集中し、絶縁欠陥の原因となりやすい。逆に、この比(SRz/SRa)が小さすぎるとハンドリング性、フィルム搬送時の安定性に劣る場合がある。
上記のように、表面突起について規定した本発明のフィルムは、表面の均一性に優れ、しかもその粗さ密度のバランスにも優れた特徴的な表面形成を有するものである。そして、このような二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いてコンデンサを作製すれば、たとえ絶縁破壊を起こしても、フィルム層間に適度のクリアランスを保持しているので、破壊することなくコンデンサ寿命を維持でき、保安性を安定的に発揮できるという優れた機能を有するものである。
なお、上記の突起高さや突起個数、SRz、SRaなどの値は、JIS B-0601(1982)に基づき、株式会社小坂研究所製「非接触三次元微細形状測定器(ET-30HK)」及び「三次元粗さ分析装置(MODEL SPA-11)」を用いて測定することができる。測定条件等の詳細は後述する。
本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、分岐鎖状ポリプロピレン(H)を0.05〜3質量%含有することが好ましい。さらに、本発明のフィルムは、直鎖状ポリプロピレンと前記分岐鎖状ポリプロピレン(H)との混合物により構成されていることが好ましい。この場合、分岐鎖状ポリプロピレン(H)は、230℃で測定したときの溶融張力(MS)と溶融流動指数(MFR)が、log(MS)>−0.56log(MFR)+0.74なる関係式を満たす分岐鎖状ポリプロピレン(H)であることが特に好ましい。
230℃で測定したときの溶融張力(MS)と溶融流動指数(MFR)が、log(MS)>−0.56log(MFR)+0.74なる関係式を満たす分岐鎖状ポリプロピレン(H)を得るには、高分子量成分を多く含むポリプロピレンをブレンドする方法、分岐構造を持つオリゴマーやポリマーをブレンドする方法、特開昭62−121704号公報に記載されているようにポリプロピレン分子中に長鎖分岐構造を導入する方法、あるいは特許第2869606号公報に記載されているような方法等が好ましく用いられる。
一般にポリエチレン等の異種ポリマーを配合したシートを延伸する方法によっても独立した粒状突起を形成できるが、230℃で測定したときの溶融張力(MS)と溶融流動指数(MFR)が、log(MS)>−0.56log(MFR)+0.74なる関係式を満たす分岐鎖状ポリプロピレン(H)を含有する二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、ポリエチレン等の異種ポリマーを配合したシートを延伸する方法によって得られる二軸配向ポリプロピレンフィルムの表面よりもさらに微細で粗大突起の少なくかつ突起のそろった均一性に優れた表面を容易に得ることができる。
分岐鎖状ポリプロピレン(H)を0.05〜3質量%含有することで、溶融押出した樹脂シートの冷却工程で生成する球晶サイズを容易に小さく制御でき、延伸工程で生成する絶縁欠陥の生成を小さく抑え、耐電圧性に優れたポリプロピレンフィルムを得ることができる。
更に、分岐鎖状ポリプロピレン(H)は、α晶核剤的な作用を有しながら、一定範囲の添加量であれば結晶変態による粗面形成も可能となる。そして、前記の球晶サイズを小さくする効果と相まって、後述するクレータのサイズを小さく、緻密に形成することができ、突起の均一性に優れ、かつ粗大突起の無い優れた特徴的な表面粗さを有する二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することができる。更に好ましくは、分岐鎖状ポリプロピレン(H)を0.05〜2質量%含有することが好ましく、特に好ましくは0.05〜1質量%含有することで、さらに巻き取り性、耐電圧性が改善され素子加工性、コンデンサ特性に優れたフィルムが得られる。なお、ここでいう分岐鎖状ポリプロピレン(H)とは、カーボン原子10,000個中に対し5箇所以下の内部3置換オレフィンを有するポリプロピレンである。この内部3置換オレフィンの存在はH NMRスペクトルのプロトン比により確認することができる。
本発明のフィルム表面を形成する方法として、結晶変態を利用する手法が好適である。この手法は、ポリプロピレンに相溶しない樹脂や無機及び/または有機粒子等を添加する方法に比べて、電気特性を低下させる不純物を添加する必要がなく、絶縁破壊電圧等の電気特性を悪化する可能性が低いために好ましく採用される。以下、結晶変態により得られる表面形態について説明する。
結晶変態による面形成法とは文献(M.Fujiyama, Journal of Applied Polymer Science 36, P.985-1948(1988)等に記載のポリプロピレンが有する2つの結晶系を利用して表面形成を行うものであり、α晶(単斜晶系、結晶密度0.936g/cm)系の球晶とβ晶(六方晶系、結晶密度0.922g/cm)系の球晶を未延伸シートに生成させておき、延伸工程で、熱的に不安定なβ晶をα晶に結晶変態させることで、フィルム表面に凹凸を形成するものである。本手法により得られる表面凹凸の基本単位は球晶の変形に起因するものであることから該形状は円弧状に形成されたクレータ形状を呈する。すなわち、凸部が円形や楕円形の形状に並んだ形態が観察される。当該結晶変態により得られる典型的な表面形状は、楕円状に形成されたクレータ形状が多数存在することで形成され、フィルム表面から突起した部分(凸部)は円弧状に連なることでクレータ形状を有するものである。更に、本技術によればβ晶系球晶が存在しないところでは凹凸が形成されず比較的平坦になることが特徴である。該円弧状突起(クレータ)は二軸延伸する際の縦横の延伸倍率比に対応しその縦横比が変化し、縦横比が1、すなわち等方的な延伸ではほぼ円状となり、縦横比が大きくなるに従い扁平化する。通常、逐次2軸延伸法で得られる形状はフィルムの横方向(フィルムロールの幅方向)に長軸を有する。また、球晶のでき方によっては、形状の異なるクレータが複数重畳した形状を示すこともあり、また円弧が環状に閉じられること無く弓状乃至は半弧状の形状を呈することもある。
本発明の特徴的な表面形状を生成せしめる手法の一つとして、核剤効果のある原料を添加して核形成能力を高め、核個数を増やしかつ小さな微細突起が多数存在し、比較的平坦な箇所が少なく均一に突起が形成された表面を形成せしめることが挙げられる。核剤効果がある原料としては、上述した分岐鎖状ポリプロピレン(H)が例示される。この分岐鎖状ポリプロピレン(H)の添加量と製膜条件を制御することにより上記のクレータ形状をコントロールすることができるため、結果として、本発明の特徴的な表面形状を生成せしめることが可能となる。
また、本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、前記した分岐鎖状ポリプロピレン(H)と直鎖状ポリプロピレンとの混合物により構成されていることが好ましい。これにより、通常のポリプロピレンの溶融結晶化温度が、およそ110℃付近であるのに対して、115℃以上に高めることができる。すなわち、コンデンサの自己回復のプロセスにおいて溶融結晶化温度が高いことにより保安性が回復しやすくなる。つまり、何らかの原因で誘電体フィルムが絶縁破壊を起こした際に発生する放電エネルギーによって放電部周辺の蒸着金属が飛散し、その際に部分的に高温になるためフィルム自身も部分融解するが、溶融結晶化温度が高いことですぐに再結晶化しやすくなり、絶縁性を回復しやすくなる。コンデンサの雰囲気温度が高温になると通常再結晶化し難くなり、絶縁性を回復しにくくなるが、本発明では溶融結晶化温度を高めることで絶縁破壊時の高温下での再結晶化がしやすくなり、保安性を向上せしめることができる。
本発明においては、通常用いられるポリプロピレンである直鎖状ポリプロピレンに、核剤効果のある原料としても有効な分岐鎖状ポリプロピレン(H)を混合したものを用いることが好ましい。すなわち、分岐鎖状ポリプロピレン(H)をα晶またはβ晶結晶核剤として用いるものであるが、かかる分岐鎖状ポリプロピレン(H)としては、230℃で測定したときの溶融張力(MS)と溶融流動指数(MFR)が、log(MS)>−0.56log(MFR)+0.74なる関係式を満たす分岐鎖状ポリプロピレンを使用することが好ましい。
ここで、230℃で測定したときの溶融張力とは、JIS−K7210(1999)に示される溶融流動指数(MFR)測定に準じて測定されたものである。具体的には、東洋精機製メルトテンションテスターを用いて、ポリプロピレンを230℃に加熱し、溶融ポリプロピレンを押出速度15mm/分で吐出してストランドとし、このストランドを6.4m/分の速度で引き取る際の張力を測定し、溶融張力(単位cN)とした。また、230℃で測定したときの溶融流動指数(MFR)とは、JIS−K7210(1999)に準じて荷重21.18Nで測定されたもの(単位g/10分)である。
上記の分岐鎖状ポリプロピレン(H)としては、上式を満たす限り、特に限定されるものではないが、製膜性の観点から溶融流動指数(MFR)は1〜20g/10分の範囲にあるものが好ましく、1〜10g/10分の範囲にあるものがより好ましい。また溶融張力については、1〜30cNの範囲にあるものが好ましく、2〜20cNの範囲にあるものがより好ましい。溶融張力が小さいと突起の均一性に劣り、10点平均粗さSRzと中心線平均表面粗さSRaの比(SRz/SRa)が大きくなり、粗大突起を形成しやすくなる。溶融張力が大きいほど突起の均一性が高くなり、この比(SRz/SRa)は小さくなる傾向が出てくるため、緻密な表面形成(単位面積当たりの突起個数が多い)となりやすい。
そのため、分岐鎖状ポリプロピレン(H)の使用は、特に緻密な表面形成を特徴的に表した下記式を満たすのに好適である。
0.5≦Pa250-450/Pa≦0.8
0.5≦Pb250-450/Pb≦0.8
分岐鎖状ポリプロピレン(H)を得るには、前述したとおり分岐構造を持つオリゴマーやポリマーをブレンドする方法、特開昭62−121704号公報に記載されているようにポリプロピレン分子中に長鎖分岐構造を導入する方法、あるいは特許第2869606号公報に記載されている方法等が好ましく用いられる。具体的にはBasell社製“Profax PF−814”、Borealis社製“Daploy HMS−PP”(WB130HMS、WB135HMS等)が例示されるが、この中でも電子線架橋法により得られる樹脂が該樹脂中のゲル成分が少ないために好ましく用いられる。こうしたHMS樹脂をポリプロピレン(PP)に添加した際の特徴はPPの溶融結晶化温度が通常110℃付近にあるのに対して、115〜130℃の範囲に上昇することである。
本発明においては、このような分岐鎖状ポリプロピレン(H)のフィルム中の含有量は0.05〜3質量%であることが好ましく、更に好ましい含有量は0.05〜2質量%、特に好ましくは0.05〜1質量%である。かかる含有量とすることで、フィルムを構成するポリプロピレン樹脂には2nd−Runで測定する際に観測される融解ピークが少なくとも2つ現れる。すなわち、第一の融解ピーク(温度160〜172℃)に加えて、ショルダーピーク(148〜157℃)を有することとなり、均一な突起を有し、粗大突起の少ない緻密な表面形成が可能となる。また、かかる含有量とすることにより、突起の均一性に優れ、しかも粗大突起のない優れた特徴的な表面形状と、−40℃から80℃を超える広範囲の雰囲気温度条件下でも優れた加工性と高耐電圧性を発揮するコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造することができる。
なお、上記した本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムにおいて、A面としては、金属蒸着を施すコロナ処理面であることが好ましく、B面として、コロナ処理を施さない非処理面であることが好ましい。
次に、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに用いられる直鎖状ポリプロピレンについて説明する。直鎖状ポリプロピレンは、通常、包装材やコンデンサ用に使用されるものであるが、好ましくは冷キシレン可溶部(以下CXS)が4%以下でありかつメソペンタッド分率は0.95以上であるポリプロピレンであることが好ましい。これらを満たさないと製膜安定性に劣る場合があったり、二軸延伸したフィルムを製造する際にフィルム中にボイドを形成する場合があり、寸法安定性および耐絶縁破壊特性の低下が大きくなる場合がある。
ここで冷キシレン可溶部(CXS)とはフィルムをキシレンで完全溶解せしめた後、室温で析出させたときに、キシレン中に溶解しているポリプロピレン成分のことをいい、立体規則性の低い、分子量が低い等の理由で結晶化し難い成分に該当していると考えられる。このような成分が多く樹脂中に含まれているとフィルムの熱寸法安定性に劣ったり、高温での絶縁破壊電圧が低下する等の問題を生じることがある。従って、CXSは4%以下であることが好ましいが、更に好ましくは3%以下であり、特に好ましくは2%以下である。このようなCXSを有する直鎖状ポリプロピレンとするには、樹脂を得る際の触媒活性を高める方法、得られた樹脂を溶媒あるいはプロピレンモノマー自身で洗浄する方法等の方法が使用できる。
同様な観点から直鎖状ポリプロピレンのメソペンタッド分率は0.95以上であることが好ましく、更に好ましくは0.97以上である。メソペンタッド分率は核磁気共鳴法(NMR法)で測定されるポリプロピレンの結晶相の立体規則性を示す指標であり、該数値が高いものほど結晶化度が高く、融点が高くなり、高温での絶縁破壊電圧が高くなるので好ましい。メソペンダット分率の上限については特に規定するものではない。このように立体規則性の高い樹脂を得るには、n−ヘプタン等の溶媒で得られた樹脂パウダーを洗浄する方法や、触媒および/または助触媒の選定、組成の選定を適宜行う方法等が好ましく採用される。
かかる直鎖状ポリプロピレンとしては、より好ましくは溶融流動指数(MFR)が1〜10g/10分(230℃、21.18N荷重)、特に好ましくは2〜5g/10分(230℃、21.18N荷重)の範囲のものが、製膜性の点から好ましい。溶融流動指数(MFR)を上記の値とするためには、平均分子量や分子量分布を制御する方法などが採用される。
かかる直鎖状ポリプロピレンとしては、主としてプロピレンの単独重合体からなるが、本発明の目的を損なわない範囲で他の不飽和炭化水素による共重合成分などを含有してもよいし、プロピレンが単独ではない重合体がブレンドされていてもよい。このような共重合成分やブレンド物を構成する単量体成分として例えばエチレン、プロピレン(共重合されたブレンド物の場合)、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチルペンテン−1、3−メチルブテンー1、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、5−エチルヘキセン−1、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、アリルベンゼン、シクロペンテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。共重合量またはブレンド量は、耐絶縁破壊特性、寸法安定性の点から、共重合量では1mol%未満とし、ブレンド量では10質量%未満とするのが好ましい。
また、かかる直鎖状ポリプロピレンには、本発明の目的を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば結晶核剤、酸化防止剤、熱安定剤、すべり剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、充填剤、粘度調整剤、着色防止剤などを含有せしめることもできる。
これらの中で、酸化防止剤の種類および添加量の選定は長期耐熱性の観点から重要である。すなわち、かかる酸化防止剤としては立体障害性を有するフェノール系のもので、そのうち少なくとも1種は分子量500以上の高分子量型のものが好ましい。その具体例としては種々のものが挙げられるが、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT:分子量220.4)とともに1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(例えばチバガイギー社製Irganox(登録商標)1330:分子量775.2)またはテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(例えばチバガイギー社製Irganox1010:分子量1177.7)等を併用することが好ましい。これら酸化防止剤の総含有量はポリプロピレン全量に対して0.03〜1.0質量%の範囲が好ましい。酸化防止剤が少なすぎると長期耐熱性に劣る場合がある。酸化防止剤が多すぎるとこれら酸化防止剤のブリードアウトによる高温下でのブロッキングにより、コンデンサ素子に悪影響を及ぼす場合がある。より好ましい含有量は0.1〜0.9質量%であり、特に好ましくは0.2〜0.8質量%である。
本発明においては、本発明の目的に反しない範囲で、結晶核剤を添加することができる。既述の通り、分岐鎖状ポリプロピレン(H)は既にそれ自身でα晶またはβ晶の結晶核剤効果を有するものであるが、別種のα晶核剤(ジベンジリデンソルビトール類、安息香酸ナトリウム等)、β晶核剤(1,2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、安息香酸マグネシウム、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミド等のアミド系化合物、キナナクリドン系化合物等)等が例示される。但し、本発明ではこれらの結晶核剤を添加することにより、目的とする表面粗さが得難くなったり、高温での体積固有抵抗の低下等、電気特性にも悪影響を与える可能性があり、添加量としては、0.1質量%未満とするのが好ましく、さらに好ましくは実質的に添加されていないことが好ましい。
また、本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム表面の光沢度は100〜130%の範囲であることが好ましく、より好ましくは110〜120%である。すなわち、光沢度を低下せしめることはフィルム表面での光散乱の密度をアップすること、すなわちフィルム表面の凹凸を緻密にすることを意味し、単位面積当たりの突起個数が増え粗さ密度が大きくなる。ただし、光沢度を100%未満まで低下せしめると、液体の含浸性は良好となるが、緻密な突起形成により突起個数が増えることによって突起間のエアー溜まり量が増え、フィルム層間が滑りやすく素子巻き性が悪化しフィルムをロール状に巻き取ることが難しくなる。一方、光沢度が130%を超えるとフィルム層間が滑りにくく扁平状のコンデンサ素子に成形することが困難になったり、充分なフィルム層間のクリアランスを維持できずに保安性が悪化する等の問題が生じる。なお、光沢度は110〜120%であれば、素子巻き取り性、耐圧、保安性が良くなるためより好ましい。
また、本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの灰分は50ppm以下(重量基準、以下同じ)であることが好ましく、より好ましくは30ppm以下であり、特に好ましくは20ppm以下である。かかる灰分が多すぎると、該フィルムの耐絶縁破壊特性が低下し、コンデンサとした場合に絶縁破壊強度が低下する場合がある。灰分をこの範囲とするためには、触媒残渣の少ない原料を用いることが重要であるが、製膜時の押出系からの汚染も極力低減するなどの方法、例えばブリード時間を1時間以上かけ、実際に製膜を開始する前にポリマーで経路を十分洗浄するなどの方法を採用することができる。
本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、コンデンサ用誘電体フィルムとして好ましく用いられるものであるが、コンデンサのタイプに限定されるものではない。具体的には電極構成の観点では箔巻きコンデンサ、金属蒸着膜コンデンサのいずれであってもよいし、絶縁油を含浸させた油浸タイプのコンデンサや絶縁油を全く使用しない乾式コンデンサにも好ましく用いられる。また、形状の観点では、捲巻式であっても積層式であっても構わない。しかしながら本発明のフィルムの特性から特に金属蒸着膜コンデンサとして好ましく使用される。
なお、ポリプロピレンフィルムは通常、表面エネルギー低く、金属蒸着を安定的に施すことが困難であるために、金属付着力を良好とする目的で、事前に表面処理を行うことが好ましい。表面処理とは具体的にコロナ放電処理、プラズマ処理、グロー処理、火炎処理等が例示される。通常ポリプロピレンフィルムの表面濡れ張力は30mN/m程度であるが、これらの表面処理によって、濡れ張力を37〜50mN/m、好ましくは39〜48mN/m程度とすることが、金属膜との接着性に優れ、保安性も良好となるので好ましい。
本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、上述した特性を与えうる原料を用い、二軸延伸されることによって得られる。二軸延伸の方法としては、インフレーション同時二軸延伸法、ステンター同時二軸延伸法、ステンター逐次二軸延伸法のいずれによっても得られるが、その中でも、製膜安定性、厚み均一性、フィルムの表面形状を制御する点においてステンター逐次二軸延伸法を採用することが好ましい。
次に本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの製造方法を以下に説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
まず、直鎖状ポリプロピレンに高溶融張力ポリプロピレン(分岐鎖状ポリプロピレン(H))をブレンドして溶融押出し、濾過フィルターを通した後、220〜280℃の温度でスリット状口金から押出し、冷却ドラム上で固化させ未延伸シートを得る。ここで、本発明のフィルムを得るため、β晶を適正に生成せしめる目的で、冷却ドラムの温度制御を適切に行うことが好ましい。ここで、β晶を効率的に生成せしめるためには、β晶の生成効率が最大となる樹脂温度に所定時間維持することが好ましく、該温度は通常は115〜135℃である。また保持時間としては1秒以上は保持することが好ましい。これらの条件を実現するためには樹脂温度や押出量、引き取り速度等に応じて適宜プロセスを決定することができるが、生産性の観点からは、冷却ドラムの径が保持時間に大きく影響するために、該ドラムの直径は少なくとも1m以上であることが好ましい。更に、選定すべき冷却ドラム温度としては上述のように他の要素が影響するためにある程度の任意性を含むものの、70〜120℃であることが好ましく、更に好ましくは80〜110℃、特に好ましくは85〜100℃の範囲である。キャスティングドラム温度が高すぎるとフィルムの結晶化が進行しすぎ後の工程での延伸が困難になったり、フィルム内にボイドができ耐絶縁破壊特性が低下する場合がある。キャスティングドラムへの密着方法としては静電印加法、水の表面張力を利用した密着方法、エアーナイフ法、プレスロール法、水中キャスト法などのうちいずれの手法を用いてもよいが、平面性が良好でかつ表面粗さの制御が可能なエアーナイフ法が好ましい。
なお、従来より行われてきた通常条件によるエアーナイフ法においては、フィルム表裏の粗さを同等の表面粗さにすることが非常に困難であった。これはキャスティングドラムと接触していない非ドラム面側のフィルムが受ける熱履歴とキャスティングドラム面と接触するフィルムが受ける熱履歴が異なることで、原反の結晶生成をそれぞれコントロールすることができず、両面を同等の粗化度(単位面積あたりの突起個数(Pa、Pb))にすることは困難であった。そこで、本発明のフィルムを得るための手法の一つとして、キャスティングドラムへの密着性を付与しているエアーナイフのエアー温度を加熱ヒーター等を用いて上昇させ、熱風を吹き付ける手法を採用することが好ましい。これにより、非ドラム面側のフィルム温度制御が可能となり、非ドラム面側のフィルムが受ける熱履歴を、キャスティングドラム面側と接触しているフィルムが受ける熱履歴に近づけることができ、両面の結晶生成をそれぞれコントロールすることが可能となる。このため、両面同レベルの粗化度を達成することができる。
エアーナイフのエアー温度は、60〜120℃であることが好ましく、更に好ましくは70〜110℃、特に好ましくは80〜100℃の範囲である。エアーナイフのエアー温度が高すぎるとフィルムの結晶化が進行しすぎ、後の工程での延伸が困難になったり、フィルム内にボイドができ耐絶縁破壊特性が低下する場合がある。また、エアーナイフのエアー温度が低すぎると結晶生成が不十分となり目的とする表面の粗化度(Pa、Pb)を得ることが困難となる。
また、エアーナイフの吹き出しエアー速度は、130〜150m/sが好ましく幅方向均一性を向上させるために2重管構造となっていることが好ましい。エアー速度が、130m/s未満の場合は十分なキャストドラムとの密着性が付与できず製膜性が悪化し、150m/sを超える場合には、均一なキャストドラムへの密着ができず製膜性、品質ムラ、厚みムラ等の弊害が生じやすい。また、フィルムの振動を生じさせないために製膜下流側にエアーが流れるようにエアーナイフの位置を調整することが好ましい。
なお、これまで、エアーナイフのエアー温度について制御されてこなかった理由、すなわち常温のエアーを使用していた理由として、フィルム表裏面の突起高さ、突起密度の格差が与えるコンデンサ特性への影響が明確でなかったためであると考えられる。また、エアーナイフの温度制御を行い、高温のエアーを使用することで、キャスト安定性を損ない製膜が不安定となると考えられていたことも影響している。本願発明においては、上記問題の解決の一例として、上記したようにエアー流速も同時に制御することを開示している。これにより、高温のエアーを使用する際、エアー粘度が高くなり圧損が大きくなることで風量が低下するといった問題も解決することができる。
次に、この未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せしめる。まず未延伸フィルムを120〜150℃に保たれたロールに通して予熱し、引き続き該シートを130℃〜150℃の温度に保ち周速差を設けたロール間に通し、長手方向に2〜6倍に延伸した後、室温まで冷却する。引き続き該延伸フィルムをステンターに導いて、150〜170℃の温度で幅方向に5〜15倍に延伸し、次いで幅方向に2〜20%の弛緩を与えつつ、140〜170℃の温度で熱固定した後に、蒸着を施す面に蒸着金属の接着性を良くするために、空気中、窒素中、炭酸ガス中あるいはこれらの混合気体中でコロナ放電処理を行いフィルムを得る。
本発明において、上記したコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム表面に金属膜を設けて金属化フィルムとする方法は特に限定されないが、例えば、ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に、アルミニウムを蒸着してフィルムコンデンサの内部電極となるアルミニウム蒸着膜等の金属膜を設ける方法が好ましく用いられる。このとき、アルミニウムと同時あるいは逐次に、例えば、ニッケル、銅、金、銀、クロムおよび亜鉛などの他の金属成分を蒸着することもできる。また、蒸着膜上にオイルなどで保護層を設けることもできる。
金属膜の厚さは、フィルムコンデンサの電気特性とセルフヒール性の点から20〜100nmの範囲であることが好ましい。また、同様の理由により、金属膜の表面電気抵抗値が1〜20Ω/□の範囲であることが好ましい。表面電気抵抗値は、使用する金属種と膜厚で制御可能である。なお、表面電気抵抗の測定法は後述する。
本発明では、必要により、金属膜を形成後、金属化フィルムを特定の温度でエージング処理を行なったり、熱処理を行なったりすることができる。また、絶縁もしくは他の目的で、金属化フィルムの少なくとも片面に、ポリフェニレンオキサイドなどのコーティングを施すこともできる。
このようして得られた金属化フィルムは、種々の方法で積層もしくは巻回してフィルムコンデンサを得ることができる。巻回型フィルムコンデンサの好ましい製造方法を例示すると、次のとおりである。
ポリプロピレンフィルムの片面にアルミニウムを真空蒸着する。その際、フィルム長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着する。次に、表面の各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、表面が一方にマージンを有した、テープ状の巻取リールを作成する。左もしくは右にマージンを有するテープ状の巻取リールを左マージンおよび右マージンのもの各1本ずつを、幅方向に蒸着部分がマージン部よりはみ出すように2枚重ね合わせて巻回し、巻回体を得る。この巻回体から芯材を抜いてプレスし、両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して巻回型フィルムコンデンサを得ることができる。フィルムコンデンサの用途は、車両用、家電用(テレビや冷蔵庫など)、一般雑防用、自動車用(ハイブリットカー、パワーウインドウやワイパーなど)および電源用等、多岐に渡っており、本発明のフィルムコンデンサもこれら用途に好適に用いることができる。
本発明における特性値の測定方法、並びに効果の評価方法は次のとおりである。
(1)フィルム厚み(μm)
JIS C−2330(2001)の7.4.1.1に従い、マイクロメータ法厚みを測定した。
(2)グロス(光沢度)
JIS K−7105(1981)に準じ、スガ試験機株式会社製 デジタル変角光沢計UGV−5Dを用いて入射角60°受光角60°の条件で測定した5点のデータの平均値を光沢度とした。
(3)溶融流動指数(MFR)
JIS−K7210(1999)に準じて、測定温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(4)溶融張力(MS)
JIS−K7210(1999)に示されるMFR測定用の装置に準じて測定した。東洋精機製メルトテンションテスターを用いて、ポリプロピレンを230℃に加熱し、溶融ポリプロピレンを押出速度15mm/分で吐出しストランドとし、このストランドを6.5m/分の速度で引き取る際の張力を測定し、溶融張力とした。
(5)融点、溶融結晶化温度(℃)
セイコー社製RDC220示差走査熱量計を用いて、下記以下の条件で測定を行った。
<試料の調製:>
検体5mgを測定用のアルミパンに封入する。尚、フィルムに金属蒸着等が施されている場合は適宜除去する。
<測定>
以下の(a)→(b)→(c)のステップでフィルムを溶融・再結晶・再溶融させる。樹脂の融点は2nd Runで観測される融解ピークの内で最も高い融解ピーク温度を融点とした。3回測定し、その平均値を融点とした。
(a)1st Run 30℃→280℃(昇温速度20℃/分)
(b)Tmc 280℃で5分保持後に20℃/分で 30℃まで冷却
(c)2nd Run 30℃→280℃(昇温速度20℃/分)
(6)メソペンタッド分率(mmmm)
試料を溶媒に溶解し、13C−NMRを用いて、以下の条件にてメソペンタッド分率(mmmm)を求めた(参考文献:新版 高分子分析ハンドブック 社団法人日本分析化学会・高分子分析研究懇談会 編 1995年 P609〜611)。
A.測定条件
装置:Bruker社製、DRX−500
測定核:13C核(共鳴周波数:125.8MHz)
測定濃度:10wt%
溶媒:ベンゼン/重オルトジクロロベンゼン=質量比1:3混合溶液
測定温度:130℃
スピン回転数:12Hz
NMR試料管:5mm管
パルス幅:45°(4.5μs)
パルス繰り返し時間:10秒
データポイント:64K
換算回数:10,000回
測定モード:complete decoupling
B.解析条件
LB(ラインブロードニングファクター)を1.0としてフーリエ変換を行い、mmmmピークを21.86ppmとした。WINFITソフト(Bruker社製)を用いて、ピーク分割を行う。その際に、高磁場側のピークから以下のようにピーク分割を行い、更に付属ソフトの自動フィッテイングを行い、ピーク分割の最適化を行った上で、mmmmとss(mmmmのスピニングサイドバンドピーク)のピーク分率の合計をメソペンタッド分率(mmmm)とした。
尚、測定は5回行い、その平均値をメソペンタッド分率とした。
ピーク
(a)mrrm
(b)(c)rrrm(2つのピークとして分割)
(d)rrrr
(e)mrmm+rmrr
(f)mmrr
(g)mmmr
(h)ss(mmmmのスピニングサイドバンドピーク)
(i)mmmm
(j)rmmr
(7)内部3置換オレフィン個数
試料を溶媒に溶解し、H NMRを用いて、以下の条件にて内部3置換オレフィンの個数を求める。
A.測定条件
装置:日本電子製ECX400P型核磁気共鳴装置
測定核:H核(共鳴周波数:500MHz)
測定濃度:2wt%
溶媒:重オルトジクロロベンゼン
測定温度:120℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:7秒
換算回数:512回
測定モード:non decoupling
B.解析条件
オルトジクロロベンゼンの化学シフト7.10ppmを基準とし、5.0〜5.2ppm領域のシグナルを内部3置換オレフィンのプロトンと帰属、0.5〜2.0ppmのブロードなシグナルとの積分比から内部3置換オレフィンのプロトン比を求める。
(8)冷キシレン可溶部(CXS)
ポリプロピレンフィルム試料0.5gを沸騰キシレン100mlに溶解して放冷後、20℃の恒温水槽で1時間再結晶化させた後にろ過液に溶解しているポリプロピレン系成分を液体クロマトグラフ法にて定量する(X(g))。試料0.5gの精量値(X0(g))を用いて以下の式で求める。
CXS(質量%)=(X/X0)×100
(9)中心線平均粗さ(SRa)、十点平均粗さ(SRz)
JIS B-0601(1982)により、株式会社小坂研究所製「非接触三次元微細形状測定器(ET-30HK)」及び「三次元粗さ分析装置(MODEL SPA-11)」を用いて測定した。測定は長手方向に10回繰り返し、その平均値として中心線平均粗さ(SRa)、十点平均粗さ(SRz)、総突起個数、突起個数を求め、更にその比(SRz/SRa)を求めた。1回の測定の詳細条件とデータ処理については下記通りとした。
(a)最小突起高さ(Pamin、Pbmin)、最大突起高さ(Pamax、Pbmax)(単位:nm)
上記測定器により検出された検出値は、50nm間隔のヒストグラムとして出力される。たとえば検出値として100nm以上150nm未満の突起が存在した場合には、スライス値(Z)として150nmと表記された欄にカウントされる。ここで、最小突起高さは、最初にカウント値が出力されたスライス値(Z)のスライス幅下限値である。すなわち、最初にカウント値が出力されたスライス値(Z)が150nmの欄であれば、最小突起高さPminは100nmとなる。同様に、最大突起高さは、最後にカウント値が出力されたスライス値(Z)のスライス幅下限値である。すなわち、最後にカウント値が出力されたスライス値(Z)が1000nmの欄であれば、最大突起高さPmaxは950nmとなる。
(なお、A面の場合はPamin、Pamax、B面の場合はPbmin、Pbmaxとそれぞれ表記している。)
(b)総突起個数Pa、Pb(単位:個/0.1mm
総突起個数は測定条件の項目に示す幅方向、長さ方向サンプリング間隔で検出された突起個数を0.1mmあたりの個数に換算した値を全て合計したものを示す。
具体的には、上記測定器により得られるヒストグラムにおいて検出されたカウント値の合計である。
(c)A面側250nm以上450nm未満突起個数Pa250-450(個/0.1mm
上記ヒストグラムのA面側の値について、高さ250nm以上450nm未満に該当する突起検出個数を全て総和したものを示す。具体的には、スライス値(Z)が300〜450nmに対応する欄のカウント値の合計である。
(d)B面側250nm以上450nm未満突起個数Pb250-450(個/0.1mm
上記(c)と同様である。具体的には、ヒストグラムのB面側の値について、スライス値(Z)が300〜450nmに対応する欄のカウント値の合計である。
測定条件
測定面処理:測定面にアルミニウムを真空蒸着し、非接触法とした。
測定方向:フィルムの幅方向
幅方向送り速度:0.1mm/秒
測定範囲(幅方向×長さ方向):1.0mm×0.249mm
高さ方向寸法の基準面:LOWER(下側)
幅方向サンプリング間隔:2μm
長さ方向サンプリング間隔:10μm
長さ方向サンプリング本数:25本
カットオフ:0.25mm/秒
幅方向拡大倍率:200倍
長さ方向拡大倍率:20,000倍
うねり、粗さカット:なし
測定方法
フィルム測定には専用のサンプルホルダーを使用する。サンプルホルダーは中心に円形の穴が空いた脱着可能な2枚の金属板であり、その間にサンプルを挟んでサンプルホルダーの四方までフィルムを張って装着することでフィルムを固定し、中央円形部のフィルムを粗さ測定した。
測定結果:データ処理
上記方法によって得られた測定結果の例を表1に示す。データが表1の場合、本発明の各パラメータは次の通り読みとる。
A面
SRa 30.1nm
SRz 810nm
Pamin 250nm
Pamax 950nm
Pa250-450 181個/0.1mm(小数点以下四捨五入)
Pa 371個/0.1mm(小数点以下四捨五入)
B面
SRa 30.3nm
SRz 868nm
Pbmin 250nm
Pbmax 950nm
Pb250-450 170個/0.1mm(小数点以下四捨五入)
Pb 303個/0.1mm(小数点以下四捨五入)
|Pa−Pb| 68個/0.1mm(小数点以下四捨五入)
(10)金属膜の膜抵抗
金属化フィルムを長さ方向に10mm幅方向に全幅(50mm)の長方形にカットして試料とし、4端子法により、幅方向30mm間の金属膜の抵抗を測定し、得られた測定値に測定幅(10mm)を乗じて電極間距離(30mm)を除して、10mm×10mm当たりの膜抵抗を算出した。(単位:Ω/□)
(11)フィルム絶縁破壊電圧(V/μm)
JIS C2330(2001)7.4.11.2 B法(平板電極法)に準じて、平均値を求め、測定したサンプルのマイクロメータ法フィルム厚み(μm)(上述)で除し、V/μmで表記した。
(12)コンデンサ製造の際の素子加工性(素子巻収率)
後述する各実施例および比較例で得られたポリプロピレンフィルムの片面に、ULVAC製真空蒸着機でアルミニウムを膜抵抗が8Ω/sqとなるようにアルミニウムを真空蒸着した。その際、長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着した(蒸着部の幅39.0mm、マージン部の幅1.0mmの繰り返し)。次に各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、左もしくは右に0.5mmのマージンを有する全幅20mmのテープ状に巻取リールにした。得られたリールの左マージンおよび右マージンのもの各1本ずつを、幅方向に蒸着部分がマージン部より0.5mmはみ出すように2枚重ね合わせて巻回し、静電容量約10μFの巻回体を得た。素子巻回には皆藤製作所製KAW−4NHBを用いた。
上記のコンデンサの製造の際、巻き始めから巻き終わりまでを目視で観察し、しわやずれが発生したものを不合格とし、不合格となったものの数の製造数全体に対する割合を百分率で示し加工性の指標とした(以下素子巻収率と称する)。素子巻収率は高いほど好ましい。95%以上を良好「○」、95%未満80%以上を「△」、80%未満を不良「×」とした。「○」または「△」が実用可能なレベルである。
(13)蒸着コンデンサ特性の評価
後述する各実施例および比較例で得られたフィルムに、ULVAC製真空蒸着機でアルミニウムを膜抵抗が8Ω/sqで長手方向に垂直な方向にマージン部を設けた所謂T型マージンパターンを有する蒸着パターンを施し、幅50mmの蒸着リールを得た。
次いで、このリールを用いて皆藤製作所製素子巻機(KAW−4NHB)にてコンデンサ素子を巻き取り、メタリコンを施した後、減圧下、105℃の温度で10時間の熱処理を施し、リード線を取り付けコンデンサ素子を仕上げた。このときのコンデンサ素子の静電容量は5μFであった。
こうして得られたコンデンサ素子10個を用いて、常温下でコンデンサ素子に500VDCの電圧を印加し、該電圧で10分間経過後にステップ状に50VDC/1分で徐々に印加電圧を上昇させることを繰り返す所謂ステップアップ試験を行なった。この際の静電容量変化を測定しグラフ上にプロットして、該容量が初期値の70%になった電圧をマイクロメータ法フィルム厚み(上述)で割り返して耐電圧評価とし、350V/μm以上を使用可能レベルとする。また、静電容量が初期値に対して10%以下に減少するまで電圧を上昇させた後に、コンデンサ素子を解体し破壊の状態を調べて、保安性を以下の通り評価した。
◎:素子形状の変化は無く貫通状の破壊は観察されない。
○:素子形状の変化は無くフィルム10層以内の貫通状破壊が観察される。
△:素子形状に変化が認められる若しくは10層を超える貫通状破壊が観察される。
×:素子形状が破壊する。
◎は問題なく使用できるが、○では条件次第で使用可能である。△、×では実用上の問題を生じる。
以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに説明する。
(実施例1)
直鎖状ポリプロピレンとしてメソペンダット分率が0.985で、メルトマスフローレイト(MFR)が2.6g/10分であるプライムポリマー(株)製ポリプロピレン樹脂を用い、メソペンダット分率が0.985で、メルトマスフローレイト(MFR)が4.0/10分であるポリプロピレン樹脂に、Basell社製分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(高溶融張力ポリプロピレンProfax PF-814)を0.5質量%ブレンドし温度250℃の押出機に供給し、樹脂温度250℃でT型スリットダイよりシート状に溶融押出し、該溶融シートを90℃に保持された直径1mの冷却キャスティングドラム上で、エアーナイフ温度90℃、エアー速度140m/sで冷却固化した。110〜135℃の保持時間は放射温度計の測定の結果、2.8秒であった。次いで、該シートを徐々に140℃に予熱し、引き続き145℃の温度に保ち周速差を設けたロール間に通し、長手方向に4.8倍に延伸した。その際、延伸部でラジエーションヒーター出力3.5kWを用い熱量を補い延伸した。引き続き該フィルムをテンターに導き、158℃の温度で幅方向に10倍延伸し、次いで幅方向に6%の弛緩を与えながら155℃で熱処理を行ない、その後冷却しフィルム厚みが3.0μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。さらに該A面側の表面に25W・min/mの処理強度で大気中でコロナ放電処理を行った。こうして得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3に示す通りであった。得られたフィルムの耐電圧(絶縁破壊電圧)と素子加工性(素子巻収率)についても表4に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例2)
エアーナイフ温度80℃以外は実施例1と同様に製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(実施例3)
エアーナイフ温度70℃以外は実施例1と同様に製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(実施例4)
エアーナイフ温度65℃以外は実施例1と同様に製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(実施例5)
エアーナイフ温度100℃、流速130m/min以外は実施例1と同様に製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(実施例6)
エアーナイフ温度100℃、流速130m/min、冷却ドラム温度85℃以外は実施例1と同様に製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(実施例7、8)
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚み、エアーナイフ温度65℃以外は実施例1と同様に製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(実施例9)
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚み、エアーナイフ温度65℃、冷却ドラム温度80℃以外は実施例1と同様に製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(実施例10)
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚み、エアーナイフ温度65℃、冷却ドラム温度85℃以外は実施例1と同様に製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(比較例1)
温度制御せず室温(約45℃)でエアーナイフを使用し、分岐鎖状ポリプロピレン樹脂を添加しないこと以外は実施例1と同様に製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(比較例2)
温度制御せず室温(約45℃)でエアーナイフを使用し、分岐鎖状ポリプロピレン樹脂を添加しないこと、冷却ドラム温度80℃以外は実施例1と同様に製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(比較例3)
温度制御せず室温(約45℃)でエアーナイフを使用し、冷却ドラム温度を70℃としたこと以外は実施例1と同様にして製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(比較例4)
温度制御せず室温(約45℃)でエアーナイフを使用し、流速130m/min、冷却ドラム温度を80℃、厚みを変更したこと以外は実施例1と同様にして製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(比較例5)
温度制御せず室温(約45℃)でエアーナイフを使用し、予熱、延伸温度をそれぞれ5℃アップした(縦延伸の予熱145℃、延伸150℃)こと以外は同様にして製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(比較例6)
温度制御せず室温(約45℃)でエアーナイフを使用し、予熱、延伸温度をそれぞれ2℃アップした(縦延伸の予熱142℃、延伸147℃)こと以外は同様にして製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(比較例7)
温度制御せず室温(約45℃)でエアーナイフを使用し、冷却ドラム温度85℃,予熱および延伸温度をそれぞれ5℃ダウンした(縦延伸の予熱135℃、延伸140℃)こと以外は実施例1と同様にして製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(比較例8)
温度制御せず室温(約45℃)でエアーナイフを使用し、冷却ドラム温度97℃,予熱および延伸温度をそれぞれ3℃アップ(縦延伸の予熱143℃、延伸148℃)、厚み変更したこと以外は実施例1と同様にして製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(比較例9)
温度制御せず室温(約45℃)でエアーナイフを使用すること以外は実施例1と同様に製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(比較例10)
温度制御せず室温(約45℃)でエアーナイフを使用し、厚みを変更すること以外は実施例1と同様に製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(比較例11)
温度制御せず室温(約45℃)でエアーナイフを使用し、冷却ドラム70℃、延伸温度2℃アップ(147℃)と厚みを変更すること以外は実施例1と同様に製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(比較例12)
温度制御せず室温(約45℃)でエアーナイフを使用し、冷却ドラム80℃と厚みを変更すること以外は実施例1と同様に製膜を行い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
(比較例13)
温度制御せず室温(約45℃)でエアーナイフを使用し、長手方向に4.5倍に延伸し、延伸部でラジエーションヒーター出力10kWを用い熱量を補い延伸した以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表2、3、4に示す。
Figure 0005664137
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Claims (8)

  1. 両面に突起を有するコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、分岐鎖状ポリプロピレン(H)を0.05〜3質量%含有し、厚みt1(μm)が1〜5μmであり、いずれの表面についても最小突起高さPmin(nm)が100以上であり、最大突起高さPmax(nm)が1,200以下であり、かつ、一方の表面をA面、他方の面をB面としたとき、下記式を全て満足しているコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
    0.5≦Pa250-450/Pa≦0.8
    0.5≦Pb250-450/Pb≦0.8
    0.7≦Pa250-450/Pb250-450≦1.2
    0.7≦Pa/Pb≦1.2
    但し、
    Pa250-450:A面側に存在する高さ250nm以上450nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
    Pb250-450:B面側に存在する高さ250nm以上450nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
    Pa:A面に存在する突起の0.1mmあたりの個数
    Pb:B面に存在する突起の0.1mmあたりの個数
  2. PaとPbとが下記式を満たす、請求項1に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
    |Pa−Pb|≦200
  3. いずれの表面の10点平均粗さ(SRz)も500nm以上1,000nm以下である、請求項1または2に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  4. いずれの表面の中心線表面粗さ(SRa)も20nm以上40nm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  5. 中心線表面粗さ(SRa)と10点平均粗さ(SRz)の比SRz/SRaの値が、いずれの表面についても22以上32以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に金属膜が設けられてなる金属化フィルム。
  7. 金属膜の表面電気抵抗が1〜20Ω/□の範囲内にある、請求項に記載の金属化フィルム。
  8. 請求項またはに記載の金属化フィルムを用いてなるフィルムコンデンサ。
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