JP2022142713A - 二軸配向ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルム、およびフィルムコンデンサ - Google Patents

二軸配向ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルム、およびフィルムコンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、高温下でも優れた耐電圧性を有し、かつ、主に大容量フィルムコンデンサにおいて適正な加工性と保安性を得るため、フィルムコンデンサのフィルム層間のエアー量および間隙距離を均一に制御することが可能な表面性状を有する二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供することにある。【解決手段】少なくとも片面において、山の頂点密度Spdが250/mm2以上800/mm2以下であり、かつ、突出山部高さSpkが35nm以上80nm以下であることを特徴とする、二軸配向ポリプロピレンフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、フィルムコンデンサの誘電体として用いた際に、高温・高電圧環境下において高い耐電圧性を有する二軸配向ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルム、およびこれらを用いたフィルムコンデンサに関する。
二軸配向ポリプロピレンフィルムは、透明性、機械特性、電気特性などに優れるため、包装用途、テープ用途、ケーブルラッピングやフィルムコンデンサをはじめとする電気用途などの様々な用途に用いられている。
中でもフィルムコンデンサ用途においては、その優れた高耐電圧特性、低損失特性から、フィルムコンデンサの誘電体として特に好ましく用いられている。最近では、各種電気設備がインバーター化されつつあり、それに伴いフィルムコンデンサの小型化、大容量化の要求が一層強まってきている。さらに、特に自動車用途(ハイブリッドカーや電気自動車含む)や太陽光発電、風力発電用途等では使用環境の高温化(85℃以上125℃以下を示す)が進んでおり、フィルムコンデンサに対する耐熱化要求も高まっている。
フィルムコンデンサの耐熱化とは高温下での耐電圧向上を意味するものであり、これと小型化を同時に実現するには、フィルムコンデンサに用いる二軸配向ポリプロピレンフィルムの薄膜化と耐電圧性を両立することが必要となる。二軸配向ポリプロピレンフィルムの耐電圧性を向上させる手法として、表面形状(表面粗さ、突起高さ、突起個数)を制御することが有効であると考えられており、これまで様々な検討がされている。
フィルムを粗面化する方法としては、これまでエンボス法やサンドブラスト法などの機械的方法、溶剤によるケミカルエッチング等の化学的方法、ポリエチレン等の異種ポリマーを混合したシートを延伸する方法、ポリプロピレンのβ晶からα晶への結晶転移を利用する方法(以下β晶法と記載)が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この結晶転移を利用する方法は、耐電圧の悪化が懸念される添加剤等の不純物を混入させる必要がないため、フィルムコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルムの粗面化方法として好ましく用いられている。
表面形状の制御に着目した方法として、高溶融張力ポリプロピレンを添加し、突起個数を制御する方法(例えば、特許文献3参照)や、立体規則性の異なる高立体規則性ポリプロピレン樹脂を混合させ突起高さを制御する方法(例えば、特許文献4、5参照)が知られている。高溶融張力ポリプロピレンを添加する方法は、ポリプロピレンの球晶サイズを制御することで表面の突起個数を制御することができる。また、立体規則性の異なる高立体規則性ポリプロピレン樹脂を混合させる方法は、表面の突起高さと表面の谷部の深さを制御し、フィルム層間のエアー量および間隙距離を適切にすることで、高温下での長期耐用性に優れたフィルムを提供することができる。
特開2008-133446号公報 特開2014-077057号公報 特開2011-122143号公報 特開2019-172972号公報 特開2020-100800号公報
一般的な高立体規則性ポリプロピレンフィルムを使用して特許文献1や2に記載のβ晶法を適用した場合、クレーター状に急峻な凸部と凹部が低い密度で形成されるため、その凹部が絶縁破壊しやすく、高温下での耐電圧特性に課題があった。特許文献3に記載の方法を用いた場合、表面の凸部は微細になるものの依然として凹部も高い密度で存在するため、その凹部が絶縁破壊しやすく、高温・高電圧環境で市場の要求を満たすフィルムを得ることが困難であった。また、特許文献4、5に記載の方法を用いた場合、突起高さと谷部の深さを制御するだけでは、フィルムコンデンサに加工した際のフィルム層間の間隙を均一にするには不十分であった。そのため、近年の高温・高電圧環境においてはフィルムコンデンサとしたときの耐電圧特性に課題があった。
そこで本発明の課題は、高温下でも優れた耐電圧性を有し、かつ、主に大容量フィルムコンデンサにおいて適正な加工性と保安性を得るため、フィルムコンデンサのフィルム層間のエアー量および間隙距離を均一に制御することが可能な表面性状を有する、二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供することにある。
上記した課題を達成するため、本発明は、以下の構成からなる。すなわち、少なくとも片面において、山の頂点密度Spdが250/mm以上800/mm以下であり、かつ、突出山部高さSpkが35nm以上80nm以下であることを特徴とする、二軸配向ポリプロピレンフィルムである。
本発明により、高温下でも優れた耐電圧性を有し、かつ、主に大容量フィルムコンデンサにおいて適正な加工性と保安性を得るため、フィルムコンデンサのフィルム層間のエアー量および間隙距離をより均一に制御することが可能な表面性状を有する二軸配向ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルム、およびこれらを用いたフィルムコンデンサを提供することができる。
以下、さらに詳しく本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルムおよびフィルムコンデンサについて説明する。本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、少なくとも片面において、山の頂点密度Spdが250/mm以上800/mm以下であり、かつ、突出山部高さSpkが35nm以上80nm以下であることを特徴とする。ここで、「少なくとも片面において、山の頂点密度Spdが250/mm以上800/mm以下であり、かつ、突出山部高さSpkが35nm以上80nm以下である」とは、少なくとも一つは、山の頂点密度Spdが250/mm以上800/mm以下であり、かつ、突出山部高さSpkが35nm以上80nm以下である面を有することを意味し、両面が上記要件を満たすことが好ましい。なお、片面が「山の頂点密度Spdが250/mm以上800/mm以下」を満たし、もう一方の面が「突出山部高さSpkが35nm以上80nm以下」を満たしたとしても、一つの面で二つの要件を満たしていなければ、上記要件を満たさないものとする。
二軸配向ポリプロピレンフィルムは、キャストシートを直交する二方向に延伸した二軸延伸ポリプロピレンフィルムである。つまりここでいう二軸配向とは、直交する2方向(主に長手方向と幅方向)に延伸したという意味である。また、長手方向とは、フィルムの製造工程においてフィルムが走行する方向(フィルムロールの状態ではフィルムの巻き方向)をいい、幅方向とは、フィルム面に平行かつ長手方向と垂直な方向をいう。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、ポリプロピレン樹脂を主成分とする。なお、「主成分」とは、フィルムを構成する全成分100質量%中に、ポリプロピレン樹脂を50質量%より多く100質量%以下含有することを意味する。また、ポリプロピレン樹脂とは、樹脂を構成する全構成単位を100モル%としたときに、プロピレン単位を50モル%より多く100モル%以下含む樹脂をいう。
なお、本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、ポリプロピレン樹脂を主成分とする限り、ポリプロピレン樹脂の詳細は特に限定されないが、高立体規則性のポリプロピレン樹脂を高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)、高溶融張力ポリプロピレン樹脂のうち、230℃における溶融流度指数(MFR)が高いものを高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)、低いものを高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)とした場合に、高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)を主成分として含み、さらに高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)、および高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)を含むことが好ましい。なお、高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)の詳細については後述する。
ここで、「高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)を主成分とする」とは、二軸配向ポリプロピレンフィルムの全樹脂成分100質量%中に、高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)を50質量%より多く100質量%以下含有することを意味し、より好ましくは90質量%以上100質量%未満、さらに好ましくは90質量%以上99質量%以下である。このような態様とすることにより、耐熱性と高温下における耐電圧の両立が容易となる。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、本発明の目的を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば、結晶核剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、充填剤、粘度調整剤、着色防止剤などを含有させてもよい。また、これらの成分は本発明の効果を損なわない限り、1種類であっても複数であってもよい。
上記した添加剤の中で、酸化防止剤の種類、および含有量の選定は長期耐熱性の観点から重要である。すわわち、酸化防止剤としては、立体障害性を有するフェノール系のもので、そのうち少なくとも一種は分子量500以上の高分子量型のものが好ましい。具体的には、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT:分子量220.4)、BASFジャパン社製“Irganox”(登録商標)1330(分子量775.2)、BASFジャパン社製“Irganox”(登録商標)1010(分子量1177.7)などを単独使用、もしくは併用することが好ましい。上記添加剤の総含有量は二軸配向ポリプロピレンフィルムの樹脂成分を100質量部としたときに、0.01質量部以上1.00質量部以下であることが好ましく、0.10質量部以上0.90質量部以下であるとより好ましく、0.15質量部以上0.60質量部以下であるとさらに好ましい。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、高温下での耐電圧性と素子加工性とを両立する観点から、少なくとも片面において、山の頂点密度Spdが250/mm以上800/mm以下であることが重要であり、300/mm以上750/mm以下であると好ましく、350/mm以上700/mm以下であるとより好ましく、400/mm以上650/mm以下であるとさらに好ましく、550/mm以上650/mm以下であると特に好ましい。
山の頂点密度Spdは、ISO25178-2(2012)で定義される表面性状の三次元パラメータの一つで、表面に存在する突起の密度の指標として用いられる。山の頂点密度Spdは、輪郭曲面の最大振幅の5%の高さ以上のものをピークとしてカウントし、輪郭曲面に含まれるピークの数を、輪郭曲面の視野面積で除算することによって求めることができる。山の頂点密度Spdの測定装置は、上記の測定が可能なものであれば特に限定されないが、例えば、株式会社菱化システム社製非接触表面・層断面形状測定システム“VertScan”(登録商標)2.0を用いることができる。
少なくとも片面において、山の頂点密度Spdを250/mm以上とすることにより、滑り性が保たれる。そのため、二軸配向ポリプロピレンフィルムの加工時の搬送工程において、シワの発生や、フィルムロールの巻姿の悪化を防ぐことができ、加工性が向上する。また、山の頂点密度Spdを800/mm以下とすることにより、加工時のフィルム搬送工程においてブロッキングが抑制される。そのため、二軸配向ポリプロピレンフィルムの加工時のシワの発生が抑えられ、フィルムロールの巻姿が良化する上、フィルムの破断も軽減される。
少なくとも片面において、山の頂点密度Spdを250/mm以上800/mm以下または上記の好ましい範囲とするためには、適切なMFRを有する高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)を含有させる方法が好適に用いられる。高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)を含有させる方法を用いる場合、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)の含有量を上げることで、山の頂点密度Spdが上昇しやすい。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、フィルムコンデンサ用途に好適に用いる観点から、少なくとも片面において、突出山部高さSpkが35nm以上80nm以下であることが重要であり、突出山部高さSpkが40nm以上70nm以下あると好ましく、45nm以上65nm以下であるとより好ましく、45nm以上60nm以下であるとさらに好ましい。なお、ここでいう「少なくとも片面」とは、「山の頂点密度Spdが250/mm以上800/mm以下」を満たす面のうち、少なくとも一方の面を意味する。
突出山部高さSpkはISO25178-2(2012)で定義される機能パラメータの一種で、高さデータのベアリングカーブ(ある高さにおける頻度を高い側から累積し、全高さデータの総数を100%として百分率で表したもの。ある高さCにおける負荷面積率はSmr(C)で与えられる)の等価直線(負荷面積率Smrの差が40%になる直線のうち最も傾きが小さくなる直線)と負荷面積率=0%の交点よりも高い部分(突出山部)の平均高さを示す。突出山部高さSpkが35nm未満である場合、フィルムコンデンサ素子形成時にフィルムの層間エアー量が少なくなり、フィルムコンデンサを使用した際にショート破壊しやすくなる。一方、突出山部高さSpkが80nmより大きい場合、フィルムコンデンサ素子形成時にフィルムの層間エアー量が多くなり、フィルムコンデンサを高温で長期間使用した際に容量が低下しやすくなる。
少なくとも片面において、突出山部高さSpkを35nm以上80nm以下または上記の好ましい範囲とするためには、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)を含有させる方法が好適に用いられる。高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)を含有させる方法を用いる場合、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)の含有量を上げることで、突出山部高さSpkが低下しやすい。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、フィルムコンデンサに好適に用いる観点から、Spdが大きい面をX面、小さい面をY面、X面のSpdをSpd(x)、Y面のSpdをSpd(y)としたときに、下記式1の関係を満たすことが好ましい。
式1: 1.00<Spd(x)/Spd(y)≦1.50
上記観点から、Spd(x)/Spd(y)は1.05以上1.40以下あるとより好ましく、1.10以上1.30以下であるとさらに好ましい。
Spd(x)/Spd(y)を上記範囲にすると、二軸配向ポリプロピレンフィルムの表裏の滑り性の差が抑えられ、フィルムコンデンサ素子加工時の巻取り工程にて巻込みエアー量が安定しやすく、熱処理工程後にフィルムの層間間隙やエアー量が均一になりやすい。そのため、フィルムコンデンサ使用時に保安性が効きすぎる、もしくは、効きにくくなるのを防ぐことができ、フィルムコンデンサの寿命が低下しにくい、もしくは、ショート破壊が起きにくくなる。
Spd(x)/Spd(y)を1.00より大きく1.50以下または上記の好ましい範囲とするためには、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)の少なくとも一方を含有させることや、キャスト条件を調節することが効果的である。高溶融張力ポリプロピレン樹脂を含有させることにより、Spd(x)/Spd(y)が低下しやすく、また、キャストドラム温度とエアーナイフのエアー温度との温度差を小さくすることにより、Spd(x)/Spd(y)が低下しやすい。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、フィルムコンデンサに好適に用いる観点から、少なくとも片面において、SpdとSpkが下記式2の関係を満たすことが好ましい。
式2: 0.05≦Spk/Spd≦0.30
上記観点から、少なくとも片面においてSpk/Spdが0.05以上0.25以下であるとより好ましく、0.05以上0.20以下であるとさらに好ましく、0.10以上0.18以下であると特に好ましく、0.10以上0.15以下であると最も好ましい。
Spk/Spdを0.30以下または上記の好ましい範囲にすると、山の頂点密度Spdと突出山部高さSpkとが適切な値に制御でき、高温下での耐電圧性と素子加工性の両立を達成することができる。なお、Spk/Spdの下限値0.05は実現可能性の観点から設定したものである。
Spk/Spdを0.05以上0.30以下または上記の好ましい範囲とするためには、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)と高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)を含有させ、さらに両者のMFRの差を適切な範囲で管理することが効果的である。より具体的には、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)と高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)のMFRの差を大きくすることで、Spk/Spdが低下しやすい。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、機械強度や高温下での耐電圧特性、フィルムコンデンサ誘電体として用いた際の体積当たりの容量の観点から、厚みが1.0μm以上3.0μm以下であることが好ましい。上記観点から、厚みは1.2μm以上2.8μm以下であるとより好ましく、1.5μm以上2.5μm以下であるとさらに好ましい。厚みを1.0μm以上とすることで、二軸配向ポリプロピレンフィルムを機械強度や高温耐電圧特性に優れたものとすることができ、また、その製膜および加工時における破断を防止することができる。一方、厚みを3.0μm以下とすることにより、フィルムコンデンサ誘電体として用いた際に体積当たりの容量をより大きくすることができる。なお、厚みはJIS C 2330(2014)に準じ、マイクロメーター法により測定するものとする。
次に本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムに用いられるポリプロピレン樹脂原料について説明する。本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)に、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)を含有することが好ましい。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムの原料として用いられる高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)とは、アイソタクチックポリプロピレン樹脂、より具体的には、230℃で測定したときの溶融張力(MS)(単位:cN)が1.0cN未満であるポリプロピレン樹脂を意味する。このアイソタクチックポリプロピレン樹脂は、フィルムコンデンサ用途で一般的に使用されるポリプロピレン樹脂として知られている。なお、MSとは、ポリプロピレン樹脂を230℃に加熱して溶融させ、溶融ポリプロピレンを押出速度15mm/分で吐出ストランドし、このストランドを6.5m/分の速度で引き取る際の張力をいう。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムに用いられる高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)は、GPC法において測定した、重量平均分子量(Mw)が20万以上50万以下、数平均分子量(Mn)が4万以上9万以下であることが好ましい。また、分子量分布(Mw/Mn)は4.0以上8.0以下であることが好ましく、5.0以上7.0以下であることがより好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が高いことは、分子量分布が広いことを意味し、上記範囲の高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)を用いることで、製膜安定性と高温での耐電圧向上を両立しやすい。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムに用いられる高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)の冷キシレン可溶部(CXS)は、0.5質量%以上4.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下であるとより好ましく、2.0質量%以下であると特に好ましい。CXSは、フィルムを135℃のキシレンで完全溶解させた後、20℃で析出させたときに、キシレン中に溶解しているポリプロピレン成分のことである。これは、立体規則性や分子量が低いなどの理由により結晶化し難い成分に相当すると考えられる。高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)のCXSが0.5質量%以上4.0質量%以下であると、二軸配向ポリプロピレンフィルムの高温耐電圧特性や寸法安定性を向上させやすい。
CXSは以下の手順により定量することができる。まず、ポリプロピレン樹脂0.5gを135℃の沸騰キシレン100mlに溶解して放冷後、20℃の恒温水槽で1時間再結晶化させてろ過する。次いで、ろ過液に溶解しているポリプロピレン系成分を液体クロマトグラフ法で定量し、沸騰キシレン溶解前のポリプロピレン樹脂の質量をX0(g)、ろ過液に溶解しているポリプロピレン成分の質量をX(g)としてCXSを下記式3から求める。
式3: CXS(質量%)=(X/X0)×100 。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムに用いられる高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)のメソペンタッド分率(mmmm)は0.960以上0.995以下であることが好ましく、0.960以上0.995以下であるとより好ましく、0.970以上0.995以下であるとさらに好ましい。メソペンタッド分率(mmmm)は核磁気共鳴法(NMR法)で測定されるポリプロピレンの結晶相の立体規則性を示す指標であり、数値が高いものほど結晶化度や融点が高く、高温下での耐電圧特性に優れるため好ましい。高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)のメソペンタッド分率が0.960以上であると、高温耐電圧特性や寸法安定性を保ちやすい。一方、高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)のメソペンタッド分率が0.995以下であると、製膜性を保ち、安定して二軸配向ポリプロピレンフィルムが得られやすい。メソペンタッド分率は、ポリプロピレン樹脂試料を溶媒に溶解させて、13C-NMRを用いて測定することができ、その詳細な条件等は実施例に示す。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムに用いられる高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)のMFRは、JIS K 7210-1(2014)に準拠して230℃、2.16kgの条件で測定した場合において、1.0g/10分以上5.0g/10分以下であることが好ましく、1.0g/10分以上4.5g/10分以下であるとより好ましく、1.0g/10分以上4.0g/10分以下であるとさらに好ましい。高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)のMFRを1.0g/10分以上とすると、製膜性を保ち安定して二軸配向ポリプロピレンフィルムが得られやすい。一方、高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)のMFRを5.0g/10分以下とすると、寸法安定性や高温耐電圧特性を保ちやすい。なお、以下高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)や高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)についても、MFRの測定方法、条件は同様とする。
次に高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)について説明する。本発明でいう高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)とは、230℃における溶融張力(MS、単位:cN)が1.0cN以上である高溶融張力ポリプロピレン樹脂である。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、フィルムを構成する全樹脂成分100質量%中に高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)を0.1質量%以上1.0質量%以下含有することが好ましく、0.1質量%以上1.0質量%未満であるとより好ましく、0.2質量%以上0.9質量%以下であるとさらに好ましい。なお、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)に該当する成分が二軸配向ポリプロピレンフィルム中に複数含まれる場合には、その含有量は該当するすべての成分を合算して求めるものとし、この点は後述する高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)についても同様である。
フィルムを構成する全成分100質量%中に占める高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)の含有量を上記範囲とすることで、山の頂点密度Spdを前出の好適な範囲に制御することが容易となる。
次に高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)について説明する。本発明でいう高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)とは、230℃における溶融張力(MS、単位:cN)が1.0cN以上であり、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)よりもMFRが低い高溶融張力ポリプロピレン樹脂である。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、フィルムを構成する全樹脂成分100質量%中に高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)を1.0質量%以上5.0質量%以下含有することが好ましく、1.0質量%以上5.0質量%未満であるとより好ましく、1.0質量%より大きく5.0質量%未満であるとさらに好ましい。
フィルムを構成する全成分100質量%中に占める高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)の含有量を上記範囲とすることで、山部突起高さSpkを前出の好適な範囲に制御することが容易となる。
高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)、(I)を得るには、ポリプロピレン樹脂に高エネルギーイオン化放射線を用いる方法(例えば、特開昭62-121704号公報)、ポリプロピレン樹脂に特定の有機過酸化物を反応させる方法(例えば、特許第2869606号公報)、ポリプロピレン樹脂に熱分解性ラジカル形成剤とエチレン系多官能不飽和モノマーを反応させる方法(例えば、特開平10-330436号公報)、ポリプロピレン樹脂の重合時に特定の触媒を用いる方法(例えば、特開2009-057542号公報)などが好ましく用いられる。
より具体的には、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)としては、日本ポリプロ社製“WAYMAX”(登録商標)(MFX3)等を用いることができる。また、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)としては、Lyondell Basell社製“Profax”(登録商標)(PF-814)、Borealis社製“Daploy”(商標)(WB130HMS、WB135HMS)等を用いることができる。なお、両者は上記組み合わせに限定されず、230℃におけるMFRの大小を考慮して、その組み合わせを決定することができる。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムに含有させる高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)、(I)は、分子鎖中に分岐構造を有していることが好ましい。なお、分岐構造を有するポリプロピレン樹脂とは、カーボン原子10,000個中に対し5箇所以下の内部3置換オレフィンを有するポリプロピレン樹脂であり、この内部3置換オレフィンの存在は、H-NMRスペクトルのプロトン比により確認することができる。高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)、(I)は、α晶核剤としての作用を有しながら、一定範囲の添加量であれば結晶形態による粗面形成も可能となる。すなわち、溶融押出した樹脂シートの冷却工程で生成するポリプロピレンの球晶サイズを小さく制御でき、高温耐電圧特性に優れた二軸配向ポリプロピレンフィルムを得ることができる。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムを構成する高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)と高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)は、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)のMFRから高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)のMFRを引いた差が4.0以上8.0以下である組み合わせとすることが好ましく、4.0以上7.0以下である組み合わせとするとさらに好ましい。高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)のMFRからの高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)のMFRを引いた差を上記範囲内とすることで、山の頂点密度Spdと突出山部高さSpkを両立して前述の好ましい範囲とすることが容易となり、耐電圧性と素子加工性の両立した二軸配向ポリプロピレンを得ることができる。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、少なくとも片面の表面ぬれ張力が38mN/m以上52mN/m以下であることが好ましく、40mN/m以上50mN/m以下であるとより好ましく、42mN/m以上48mN/m以下であるとさらに好ましい。表面ぬれ張力が38mN/m以上であると、金属蒸着する際に金属と十分に密着させやすい。一方、表面ぬれ張力が52mN/m以下であると、高温下での耐電圧特性を保ちやすい。なお、二軸配向ポリプロピレンフィルムは通常、表面エネルギーが低く、表面ぬれ張力が30mN/m程度である。表面ぬれ張力を上記の範囲内とするためには、製膜時において、二軸延伸後に表面処理を施す方法が好ましく採用される。具体的には、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー処理、火炎処理などを採用することができる。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、上記した高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)と高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)、(I)からなるポリプロピレン樹脂組成物をシート状に成型し、二軸延伸することによって得ることが好ましい。二軸延伸の方法としては、インフレーション同時二軸延伸法、テンター同時二軸延伸法、テンター逐次二軸延伸法のいずれによっても得られるが、製膜安定性、厚み均一性の観点でテンター逐次二軸延伸法を採用することが好ましい。特に長手方向に延伸後、幅方向に延伸することが好ましい。
次に本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムの製造方法を以下に説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
まず、上記した高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)と高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H)、(I)をドライブレンドして単軸の溶融押出機に供給し、200~260℃にて溶融押出を行う。次に、ポリマー管の途中に設置したフィルターにて、異物や変性ポリマーなどを除去する。そしてTダイよりキャストドラム上に吐出してキャストシートを形成し、冷却ロールで冷却させる。
キャストドラムの温度は、β晶および球晶を適切に生成させる観点から80℃以上120℃以下であることが好ましく、85℃以上115℃以下であるとさらに好ましく、85℃以上110℃以下であればさらに好ましい。キャストドラム温度を80℃以上とすることで、キャストシート中に形成されるβ晶が少なくなり過ぎず、二軸延伸後に得られるフィルムの滑り性が保たれるため、製膜および加工時のフィルム搬送工程におけるシワの発生やフィルムロールの巻姿の悪化を防ぐことができる。一方、キャストドラム温度を120℃以下とすることで、キャストシート中にβ晶が過剰に形成されるのを防ぐことができ、製膜および加工時のフィルムの搬送工程における蛇行の発生やフィルムロールの巻姿の悪化が軽減される。
Tダイから吐出された溶融シートがキャストドラムに着地し、ドラムに密着している時間は1秒以上3秒以下であることが好ましい。密着している時間を1秒以上とすると、溶融シートを固化しやすく、その後の延伸工程での破断を軽減できる。一方、密着している時間を3秒以下とすると、キャストシート中にβ晶が過剰に形成されるのを防ぐことができ、製膜および加工時のフィルムの搬送工程における蛇行の発生やフィルムロールの巻姿の悪化が軽減される。
溶融シートをキャストドラムへ密着させる方法としては、静電印加法、エアーナイフ法、ニップロール法、水中キャスト法などの手法を採用することができるが、厚みむら抑制、高速製膜化、フィルムの表面性状制御の観点からエアーナイフ法が好ましい。エアーナイフのエアー温度は60℃以上125℃以下であることが好ましく、60℃以上100℃以下であることがより好ましい。エアーナイフ温度を60℃以上とすることで、キャストシート中に形成されるβ晶が少なくなり過ぎず、二軸延伸後に得られるフィルムの滑り性が保たれるため、製膜および加工時のフィルム搬送工程においてシワの発生やフィルムロールの巻姿の悪化が軽減される。一方、エアーナイフ温度を125℃以下とすることで、キャストシート中にβ晶が過剰に形成されず、製膜および加工時のフィルムの搬送工程における蛇行の発生やフィルムロールの巻姿の悪化が軽減される。
キャストドラム温度とエアーナイフのエアー温度の差(高い方の温度から低い方の温度を引いた温度)は、キャストシート両面に同等なβ晶を形成して二軸配向ポリプロピレンフィルムとしたときの滑り性を高く保つ観点から、30℃以下であることが好ましく、20℃以下であることがより好ましく、15℃以下であるとさらに好ましい。この温度の差を30℃以下とすると、両面の冷却条件の乖離が抑えられるため、キャストシートの表裏で異なる凹凸が形成されにくく、フィルムの表裏で滑り性が同等となりやすい。そのため、得られる二軸配向ポリプロピレンフィルムをコンデンサ素子加工に用いた際に、巻取工程で巻込まれるエアーの量が安定し、熱処理工程後にフィルムの層間の間隙やエアー量が均一となりやすい。その結果、コンデンサとして使用した際に高い保安性を実現でき、コンデンサの寿命の低下が軽減される。なお、キャストドラム温度とエアーナイフのエアー温度の差を上記範囲とすることは、得られる二軸延伸ポリプロピレンフィルムの山の頂点密度Spdを所望の範囲とする手段としても効果的である。
一方、この温度の差の下限は特に制限されず理論上0℃となる。但し、製膜安定性を考慮すると、キャストドラム温度をエアーナイフのエアー温度よりも相対的に高くすることが好ましく、キャストドラム温度からエアーナイフのエアー温度を引いた差が1℃以上であることが好ましく、5℃以上であることがより好ましい。キャストドラムとエアーナイフを用いた冷却工程では、キャストドラム温度をエアーナイフのエアー温度と等しくすると、キャストドラムに密着させて冷却する面に比べて、エアーナイフのエアーにより空冷する面の冷却効率が劣る。そのため、キャストドラム温度をエアーナイフのエアー温度よりも相対的に高くすることで、両面の冷却効率を同程度に揃えることが容易となり、冷却条件の差によるキャストシートの物性ムラが軽減される結果、製膜がより安定する。
次に、縦延伸工程にてキャストシートを長手方向に延伸する。キャストシートを温度120℃以上150℃以下に制御したロールに通し、ロール間の周速差によって所定の延伸速度、延伸倍率で長手方向に延伸(縦延伸)する。長手方向の延伸倍率は4.0倍以上7.0倍以下であることが好ましく、5.0倍以上7.0倍以下であるとさらに好ましい。延伸倍率を4.0倍以上とすることで、フィルムの表面性状は均一となり高温耐電圧特性も向上する。縦延伸倍率を7.0倍以下とすると、縦延伸工程や次の横延伸工程でのフィルムの破断が軽減される。
フィルムの長手方向への延伸の際には、フィルム幅が減少する所謂ネックダウンと呼ばれる現象が見られるが、厚み斑の観点で、ネックダウン率(延伸後のフィルム幅/延伸前のフィルム幅×100)は90~99%であることが好ましい。
次に、縦延伸により得られた一軸配向フィルムの幅方向両端部をクリップで把持し、温度140℃以上170℃以下に制御したテンター式延伸機にて延伸倍率5倍以上15倍以下で幅方向に延伸する。さらに、幅方向に5~15%弛緩しつつ、温度150~170℃で熱固定する。
次に、二軸延伸されたフィルムに空気中、窒素中、炭酸ガス中、あるいはこれらの混合気体中でコロナ放電処理を行い、クリップで把持したフィルムの耳部をカットして除去し、端部を除去したフィルムを巻取機でマスターロールとして巻取る。最後に、スリッターにて、マスターロールから巻き出したフィルムを特定の幅でスリットし、フィルムロールとしてコアに巻回し、本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムを得る。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、フィルムコンデンサ用誘電体として好ましく用いられるが、フィルムコンデンサのタイプに限定されるものではない。具体的には、電極構成の観点では箔巻フィルムコンデンサ、金属蒸着膜フィルムコンデンサのいずれであってもよいし、絶縁油を含有させた油浸タイプのフィルムコンデンサや絶縁油を全く使用しない乾式フィルムコンデンサにも好ましく用いられる。また、形状の観点では、巻回式であっても積層式であっても構わない。本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性から特に金属蒸着膜フィルムコンデンサとして好ましく用いられる。
本発明の金属膜積層フィルムは、本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に金属膜を有する。金属膜を形成する方法は特に限定されないが、例えば、当該フィルムの少なくとも片面にアルミニウムを蒸着してフィルムコンデンサの内部電極となるアルミニウム蒸着膜などの金属膜を設ける方法が好ましく用いられる。このとき、アルミニウムと同時あるいは逐次に、例えば、ニッケル、銅、金、銀、クロム、および亜鉛などの他の金属成分を蒸着することもできる。また、蒸着膜上にオイルなどで保護層を設けることもできる。
金属膜積層フィルムの金属膜の厚さは、20nm以上100nm以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、蒸着時の過剰な熱影響を防ぐことができるためフィルム耐電圧が保持され、また生産性に優れる。また、同様の理由により、金属膜の表面抵抗値が1Ω/sq以上20Ω/sq以下であることが好ましい。表面抵抗値は、使用する金属種と膜厚で制御可能である。
本発明では、必要により金属膜を形成後、金属膜積層フィルムを特定の温度でエージング処理を行ったり、熱処理を行ったりすることができる。また、絶縁もしくは他の目的で、金属膜積層フィルムの少なくとも片面にポリフェニレンオキサイドなどのコーティングを施すこともできる。
本発明のフィルムコンデンサは、本発明の金属膜積層フィルムを積層または巻回した構造を有する。つまり、本発明のフィルムコンデンサは、本発明の金属膜積層フィルムを積層することにより得られる積層型フィルムコンデンサと、金属膜積層フィルムを巻回して得られる巻回型フィルムコンデンサの両方を含む。以下、巻回型フィルムコンデンサの好ましい製造方法を次に説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
まず、本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムの片面にアルミニウムを真空蒸着して、金属膜積層フィルムとする。その際、フィルムの長手方向に走るマージン部を有するストライプ状にアルミニウムを蒸着する。次に、表面の各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、表面が一方にマージンを有したテープ状の巻取リールを作製する。左もしくは右にマージンを有するテープ状の巻取リールを左マージン、および右マージンのもの各1本ずつを、幅方向に蒸着部分がマージン部よりはみ出すように2枚重ね合わせて巻回すことで巻回体を得る。巻回体を熱処理後、幅方向の両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して巻回型フィルムコンデンサを得ることができる。
フィルムコンデンサの用途は、車輌用、家電(テレビや冷蔵庫など)用、一般雑防用、自動車(ハイブリッドカー、パワーウインドウ、ワイパーなど)用、および電源用など多岐にわたっており、本発明のフィルムコンデンサもこれら用途に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、特性は以下の方法により測定、評価を行い、原料としては以下のものを使用した。
[測定、評価方法]
(1)メソペンタッド分率(mmmm)
ポリプロピレン樹脂試料を溶媒に溶解し、13C-NMRを用いて、以下の条件にてメソペンタッド分率(mmmm)を求めた(参考文献:新版 高分子分析ハンドブック 社団法人日本分析化学会・高分子分析研究懇談会 編 1995年 P609~611)。
A.測定条件
装置:Bruker社製 DRX-500
測定核:13C核(共鳴周波数:125.8MHz)
測定濃度:10質量%
溶媒:ベンゼン/重オルトジクロロベンゼン=質量比1:3混合溶液
測定温度:130℃
スピン回転数:12Hz
NMR試料管:5mm管
パルス幅:45°(4.5μs)
パルス繰り返し時間:10秒
データポイント:64K
換算回数:10,000回
測定モード:complete decoupling
B.解析条件
LB(ラインブロードニングファクター)を1.0としてフーリエ変換を行い、mmmmピークを21.86ppmとし、WINFITソフト(Bruker社製)を用いて、ピーク分割を行った。その際に、高磁場側のピークから以下のようにピーク分割を行い、さらに付属ソフトの自動フィッティングを行った。ピーク分割の最適化を行った上で、mmmmのピーク分率の合計を求めた。なお、上記測定を5回行い、その平均値を本試料のメソペンタッド分率(mmmm)とした。
ピーク
(a)mrrm
(b)(c)rrrm(2つのピークとして分割)
(d)rrrr
(e)mrmr
(f)mrmm+rmrr
(g)mmrr
(h)rmmr
(i)mmmr
(j)mmmm。
(2)溶融流動指数(MFR)(単位:g/10min)
JIS K 7210-1(2014)に準拠して230℃、2.16kgの条件で測定した。
(3)溶融張力(MS)(単位:cN)
株式会社東洋精機製作所メルトテンションテスター(キャピラリー直径2.1mm、シリンダー径9.55mm)を用いて、以下の手順で測定した。まず、ポリプロピレン樹脂を230℃に加熱して溶融した。次いで、溶融ポリプロピレン樹脂を押出速度15mm/分で吐出ストランドし、このストランドを6.5m/分の速度で引き取る際の張力を測定し、得られた値をMSとした。
(4)冷キシレン可溶部(CXS)
ポリプロピレン樹脂0.5gを135℃の沸騰キシレン100mlに溶解して放冷後、20℃の恒温水槽で1時間再結晶化させる。ろ過液に溶解しているポリプロピレン系成分を液体クロマトグラフ法で定量した。沸騰キシレン溶解前のポリプロピレン樹脂の質量をX0(g)、ろ過液に溶解しているポリプロピレン成分の質量をX(g)としたとき、CXSを下記式3から求めた。
式3: CXS(質量%)=(X/X0)×100
(5)突出山部高さSpk
株式会社菱化システム社製非接触表面・層断面形状測定システム“VertScan”(登録商標)2.0(型式:R3300GL-Lite-AC)を用いて測定した。マスターロールの幅方向の中心位置に相当するフィルムロールにおいて、フィルムロールの中心位置から長手方向に無作為に採取した10箇所を測定箇所とし、その10箇所の測定値の平均をそのサンプルの表面性状の突出山部高さSpkとした。1回の測定の詳細条件については下記の通りとした。なお、1回の測定に対して1視野(視野面積:縦939μm×横1,252μm=1,175,628μm)の測定を行った。
A.測定条件
CCDカメラ:SONY HR-57 1/2”
対物レンズ:10X
鏡筒:0.5X BODY
波長フィルター:530 white
測定モード:Wave
視野サイズ:640×480
スキャンレンジ:(スタート)5μm、(ストップ)-5μm。
B.測定方法
測定時のフィルムの固定には専用のサンプルホルダーを使用した。サンプルホルダーは中心に円形の穴が空いた脱着可能な2枚の金属板であり、その間にシワがない状態でフィルムを挟んで固定し、中央円形部のフィルムについて測定した。なお、フィルムロールの長手方向と測定視野の縦方向が一致するようにフィルムおよびサンプルホルダーを設置した。
C.解析方法
上記測定により得られたデータを“VertScan”(登録商標)2.0の画像解析ソフトVS-Viewerで解析した。まず、メディアンフィルター(5×5)によりノイズを除去し、カットオフ値250μmのガウシアンフィルターによりうねり成分を除去した。次いで、「ISOPara」機能により、ISO25178-2(2012)で定義される表面性状の突出山部高さSpkを算出した。なお、「ISOPara」機能において、S-Filterを6.0μmに設定した。
(6)山の頂点密度Spd
株式会社菱化システム社製非接触表面・層断面形状測定システム“VertScan”(登録商標)2.0(型式:R3300GL-Lite-AC)を用いて測定した。マスターロールの幅方向の中心位置に相当するフィルムロールにおいて、フィルムロールの中心位置から長手方向に無作為に採取した10箇所を測定箇所とした。その10箇所において、輪郭曲面の最大振幅の5%の高さ以上のものをピークとしてカウントし、輪郭曲面に含まれるピークの数を、輪郭曲面の視野面積で除算することで算出された測定値の平均をそのサンプルの表面性状の山の頂点密度Spdとした。1回の測定の詳細条件については下記の通りとした。なお、1回の測定に対して1視野(視野面積:縦939μm×横1,252μm=1,175,628μm)の測定を行った。
A.測定条件
CCDカメラ:SONY HR-57 1/2”
対物レンズ:10X
鏡筒:0.5X BODY
波長フィルター:530 white
測定モード:Wave
視野サイズ:640×480
スキャンレンジ:(スタート)5μm、(ストップ)-5μm。
B.測定方法
測定時のフィルムの固定には専用のサンプルホルダーを使用した。サンプルホルダーは中心に円形の穴が空いた脱着可能な2枚の金属板であり、その間にシワがない状態でフィルムを挟んで固定し、中央円形部のフィルムについて測定した。なお、フィルムロールの長手方向と測定視野の縦方向が一致するようにフィルムおよびサンプルホルダーを設置した。
C.解析方法
上記測定により得られたデータを“VertScan”(登録商標)2.0の画像解析ソフトVS-Viewerで解析した。まず、メディアンフィルター(5×5)によりノイズを除去し、カットオフ値250μmのガウシアンフィルターによりうねり成分を除去した。次いで、「ISOPara」機能により、ISO25178-2(2012)で定義される表面性状の山の頂点密度Spdを算出した。なお、「ISOPara」機能において、S-Filterを6.0μmに設定した。
(7)厚み
JIS C 2330(2014)に準じ、マイクロメーター法により厚みを測定した。

(8)GPC分析
重量平均分子量と数平均分子量および分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて求めた。GPC分析の測定装置および条件は下記の通りとした。
装置:HLC-8321GPC/HT(検出器:RI)(東ソー(株)社製)
カラム:TSKgel GMHHR-H(20)HT(7.8mmI.D×30cm)×3本(東ソー(株)社製)
溶離液:1,2,4-トリクロロベンゼン(富士フィルム和光純製薬GPC用)+BHT(0.05%)
流量:1.0mL/min
注入量:0.3mL
カラム温度:140℃
試料濃度:1mg/ml
検量線:東ソー(株)社製標準ポリスチレンを用いた5次近似曲線とした。ただし、分子量はQ-ファクターを用いてポリプロピレン値に換算した。
(9)フィルムコンデンサ製造における素子加工性評価
二軸配向ポリプロピレンフィルムのコロナ処理を施した側の面に、株式会社ULVAC社製真空蒸着機で表面抵抗値が15Ω/sqとなるようにアルミニウムを真空蒸着した。その際、長手方向に走るマージン部を有するストライプ状にアルミニウムを蒸着した(蒸着部の幅79.0mm、マージン部の幅1.0mmの繰り返し。)。次いで、各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、左右いずれかの端部に0.5mmのマージン部を有する全幅40mmのテープ状の巻取リールを作製した。得られたリールの左マージン、および右マージンのもの各1本ずつを幅方向に蒸着部分がマージン部より0.5mmはみ出すように2枚を重ね合わせて巻回し、静電容量120μFの巻回体を得た。なお、巻回には株式会社皆藤製作所社製KAW-4NHBを使用した。最後に140℃の減圧雰囲気中で巻回体を10時間熱処理した。この巻回体を目視にて観察し、外観や内部にシワや形状のゆがみのあるものを不良品とした。巻回体を同様に200個作製して同様の評価を繰り返し、下記判断基準により巻回体の加工性を評価した。
◎:不良品なし
〇:不良品1個以下
△:不良品2個以上3個未満
×:不良品4個以上。
(10)フィルムコンデンサにおける寿命評価
(9)に記載の方法により静電容量120μFの巻回体を得た。その後、140℃の減圧雰囲気中で巻回体を10時間熱処理し、幅方向の両端面にメタリコンを溶射して外部電極として、メタリコンにリード線を溶接してフィルムコンデンサを得た。次にフィルムコンデンサ15個について、以下の手順で寿命評価を実施した。まず、室温にて静電容量(C0)を測定した。次いで、120℃の高温下でフィルムコンデンサに325VDC/μm(厚みが2.0μmのとき、印加電圧は650V)の電圧を500時間印加した。その後、室温にて静電容量(C)を測定し、電圧印加前後の静電容量の変化率(ΔC)を下記式5から算出した。なお、静電容量は日置電機株式会社製のLCRハイテスター3522-50により測定した。
式4: ΔC=((C0-C)/C0)×100
フィルムコンデンサ15個の電圧印加前後の静電容量の変化率(ΔC)の平均値をそのサンプルの電圧印加前後の静電容量の変化率とし、下記判断基準により評価した。電圧印加前後の静電容量の変化率(ΔC)が小さいほど、高温下での静電容量の減少が抑制されていることを示しており、フィルムコンデンサの寿命評価は良好といえる。
◎:ΔCが2%未満
〇:ΔCが2%以上3%未満
△:ΔCが3%以上5%未満
×:ΔCが5%以上。
(11)製膜安定性
二軸配向ポリプロピレンフィルムの製膜安定性について、下記判断基準により評価した。なお、フィルム破れが発生したことにより製膜を中止してから製膜を再開するまでの時間は観察時間より除外した。
◎:製膜開始から48時間以上にわたりフィルム破れの発生がなかった。
〇:製膜開始から48時間で1回フィルム破れが発生した。
△:製膜開始から48時間で2回~3回のフィルム破れが発生した。
×:製膜開始から48時間で4回以上のフィルム破れが発生した。
[原料]
(1)樹脂
高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A):
メソペンタッド分率が0.980、MFRが2.8g/10分、MSが0.9cN、CXSが1.5質量%、重量平均分子量が40万、数平均分子量が6.5万である高立体規則性ポリプロピレン樹脂(株式会社プライムポリマー製)。
高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H1):
日本ポリプロ社製“WAYMAX”(登録商標)(MFX3) MFRが9.0g/10分、MSが5.0cNである高溶融張力ポリプロピレン樹脂。
高溶融張力ポリプロピレン樹脂(H2):
日本ポリプロ社製“WAYMAX”(登録商標)(EX6000) MFRが2.9g/10分、MSが9.0cNである高溶融張力ポリプロピレン樹脂。
高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I):
Borealis社製“Daploy”(商標)(WB135HMS) MFRが2.5g/10分、MSが32.0cNである高溶融張力ポリプロピレン樹脂。
(2)酸化防止剤
酸化防止剤1:BASFジャパン社製“Irganox”(登録商標)1010。
酸化防止剤2:2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)。
(実施例1)
高立体規則性ポリプロピレン樹脂(A)、高溶融張力ポリプロピレン(H1)、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(I)を96.5:0.5:3.0(質量比)で混合したポリプロピレン樹脂混合物、酸化防止剤1、および酸化防止剤2を、99.5:0.4:0.1(質量比)でドライブレンドして単軸の溶融押出機に供給し、250℃で溶融押し出しを行った。その後、押し出された溶融ポリプロピレン樹脂組成物より25μmカットの焼結フィルターで異物を除去し、さらにT型スリットダイよりシート状に吐出した。さらに、シート状の溶融ポリプロピレン樹脂組成物を、エアー温度80℃のエアーナイフにより、温度90℃に保持されたキャストドラム上に密着させて固化させた後、温度30℃に保持した冷却ロール上で冷却してキャストシートを得た。このとき、キャストドラム温度とエアーナイフ温度の温度差は10℃に制御し、また、キャストドラムと冷却ロールにシート状の溶融ポリプロピレン樹脂組成物が密着していた時間はそれぞれ1.5秒であった(なお、以下キャストドラムに接地した側の面をドラム面(D面)、接地しない側の面を非ドラム面(非D面)という。)。続いて、得られたキャストシートを温度145℃の縦延伸ロールで長手方向に延伸倍率5.5倍で延伸して一軸配向フィルムとした。さらに、幅方向端部をクリップで把持して一軸配向フィルムをテンターに導き、温度160℃、延伸倍率11倍の条件で幅方向に延伸した。次いで、温度158℃で幅方向に12%の弛緩処理を行い、室温まで除冷して、D面側に25W・min/mの処理強度でコロナ放電処理を施した。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムのクリップで把持した幅方向端部を切除し、巻取機で巻き取った。次いで、スリッターにてフィルム幅0.82mとなるようにスリットして、長手方向に30,000mをコアに巻回し、厚み2.0μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムロールを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの物性、各評価結果を表1に示す。なお、山の頂点密度Spdの結果からX面は非ドラム面(非D面)側であった。
(実施例2~7、比較例1~6)
ポリプロピレン樹脂の組成および製造条件を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様にして、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの物性、各評価結果を表1に示す。なお、山の頂点密度Spdの結果からX面は非ドラム面(非D面)側であった。
Figure 2022142713000001
ポリプロピレン樹脂組成はポリプロピレン樹脂全体を100質量%として算出した。
本発明により、主に大容量フィルムコンデンサにおける高温・高電圧環境下において、高い生産性、加工性、耐電圧性を有し、かつ、適正な保安性を得るため、フィルムコンデンサのフィルム層間のエアー量および間隙距離を均一に制御することが可能な表面性状を有する二軸配向ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルム、およびこれらを用いたフィルムコンデンサを提供することができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも片面において、山の頂点密度Spdが250/mm以上800/mm以下であり、かつ、突出山部高さSpkが35nm以上80nm以下であることを特徴とする、二軸配向ポリプロピレンフィルム。
  2. 前記Spdが大きい面をX面、小さい面をY面、前記X面のSpdをSpd(x)、前記Y面のSpdをSpd(y)としたときに、下記式1の関係を満たす、請求項1に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
    式1: 1.00<Spd(x)/Spd(y)≦1.50
  3. 少なくとも片面において、前記Spdと前記Spkが下記式2の関係を満たす、請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
    式2: 0.05≦Spk/Spd≦0.30
  4. フィルムコンデンサ用誘電体として用いられる、請求項1~3のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に金属膜を有する金属膜積層フィルム。
  6. 請求項5に記載の金属膜積層フィルムを積層または巻回した構成を有する、フィルムコンデンサ。
JP2021156462A 2021-03-16 2021-09-27 二軸配向ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルム、およびフィルムコンデンサ Pending JP2022142713A (ja)

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