JP2016189457A - コンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルムおよびフィルムコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルムおよびフィルムコンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】新エネルギー用のコンデンサ用途において優れた耐電圧性と信頼性を発揮し、安定した蒸着加工性、素子加工性を確保する二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供すること。【解決手段】剥離強度が3g/5cm以下であり、マイクロメータ法による厚みt1(μm)が2.5μm以上7.0μm以下であるコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルムとする。【選択図】図1

Description

本発明は、二軸配向ポリプロピレンフィルムに関するものであり、さらに詳しくはコンデンサ用誘電体として高い耐電圧性、好適な蒸着加工性、素子加工性に優れたコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルムに関する。
二軸配向ポリプロピレンフィルムは、透明性、機械特性、電気特性等に優れるため、包装用途、テープ用途、ケーブルラッピングやコンデンサをはじめとする電気用途等の様々な用途に用いられている。
この中でもコンデンサ用途は、その優れた耐電圧特性、低損失特性から直流用途、交流用途に限らず高電圧コンデンサ用に特に好ましく用いられている。
最近では、各種電気設備がインバーター化されつつあり、それに伴いコンデンサの小型化、大容量化の要求が一層強まりつつある。そのため、フィルムの薄膜化、高性能化が進み、性能面とあわせ小型化による部材費低減によるコストダウンといった生産性改善の要求も益々高まってきている。そのような市場の要求を受け、二軸配向ポリプロピレンフィルムの高耐電圧化や薄膜化とあわせ、蒸着加工、素子加工性を向上させつつ、大幅にコスト低減を図る観点も重要となってきている状況である。
かかる二軸配向ポリプロピレンフィルムは、耐電圧性、蒸着加工性、素子加工性の観点から表面を適度に粗面化する必要があるが、これは特にフィルムの滑り性や巻き取り性、蒸着コンデンサにおいては蒸着加工性、コンデンサとしての保安性を付与するため特に重要である。
特に蒸着コンデンサでは、蒸着加工性が大きく生産収率に影響を与え、かつ蒸着品位が悪いと性能面でも著しく耐圧性、保安性等を阻害することになり適正な表面の粗面化が重要となる。ここで保安性とは、該誘電体フィルム上に形成した金属蒸着膜を電極とする金属蒸着コンデンサにおいて、異常放電時に蒸着金属が放電エネルギーによって飛散することで絶縁性を回復させ、ショートを防止することでコンデンサの機能を維持する乃至は破壊を防止する機能であり、安全性からも極めて有用な機能である。
かかる粗面化方法としては、これまでエンボス法やサンドブラスト法等の機械的方法、溶剤によるケミカルエッチング等の化学的方法、ポリエチレン等の異種ポリマーを混合したシートを延伸する方法、β晶を生成させたシートを延伸する方法(例えば特許文献1、2参照)等が提案されている。
しかし、機械的方法および化学的方法では粗さ密度が低く、またβ晶を生成させたシートを延伸する方法では粗大突起が生じやすく、粗さ密度、粗大突起、突起個数という点で必ずしも十分とはいえない場合があった。また、これらの方法で粗面化したフィルムは、フィルム巻き物としての原反製品にて、特に真空下での蒸着時にブロッキング等により巻き出しにおいてフィルム破断やバタツキ、搬送中でのシワ、蛇行といった加工性の不具合が生じ著しく生産性を悪化させる場合がある。また、コンデンサ形成時にフィルム層間への油含浸が不十分となり部分的に未含浸部分を生じやすく、コンデンサ寿命が低下する場合がある。
また、いずれの方法による二軸配向ポリプロピレンフィルムも、コンデンサの使用条件として、電位傾度が180V/μm以上の厳しい条件のもとでは、保安性が充分ではなく、信頼性の面で問題を生じることがある。ここで電位傾度とは誘電体フィルムに印加された電圧を該フィルム厚みで除したものであり、単位フィルム厚み当たりの印加電圧である。
また、粗さ密度や突起の均一性については、高溶融張力ポリプロピレンフィルム(例えば特許文献3参照)や、かかる高溶融張力ポリプロピレンフィルムと通常のポリプロピレンフィルムとを積層したもの(例えば特許文献4参照)等が提案されているが、高溶融張力ポリプロピレン樹脂そのものをコンデンサ用途として使用する場合は樹脂の構造上充分な耐熱性、耐圧性を得ることができず特に高温での絶縁破壊電圧が著しく低下する問題がある。また、高溶融張力ポリプロピレン樹脂を積層する技術では均一な積層厚み構成を得ることが非常に困難となり、均一性を損ねて実用上満足のいく誘電体フィルムとはならないのが実状である。また、特許第3508515号公報(特許文献5)では表面の粗面化度をコントロールした二軸延伸ポリプロピレンフィルムとその製造方法について開示されているがフィルム両面の粗面化度を十分にコントロールすることは不十分でかつ困難である。
特開昭51−63500号公報 特開2001−324607号公報 特開2001−72778号公報 特開2001−129944号公報 特許第3508515号公報
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討の結果、本発明に想到したものである。本発明は、特に一般機器用、新エネルギー用のコンデンサ用途において優れた耐電圧性と信頼性を発揮し、安定した蒸着加工性、素子加工性を確保するコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供せんとするものである。
上記した課題は、剥離強度が3g/5cm以下であり、マイクロメータ法による厚みt1(μm)が2.5μm以上7.0μm以下であるコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルムにより達成可能である。
本発明は、優れた蒸着加工性と高耐電圧化を両立したコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供することができるので、コンデンサをはじめとする電気用途等の様々な用途に適用でき、特にコンデンサ用途に、好ましくは新エネルギー用途である太陽光発電、風力発電用、一般機器用に好適である。
ポリプロピレンフィルムの剥離強度を測定するための、セットサンプル一式の準備状態を示す概略図である。 ポリプロピレンフィルムの剥離強度を測定するための、セットサンプル一式を恒温槽にセットする方法を示す概略図である。 ポリプロピレンフィルムの剥離強度を測定する方法を示す概略図である。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、剥離強度が3g/5cm以下であり、マイクロメータ法による厚みt1(μm)が2.5μm以上7.0μm以下である。
剥離強度が3g/5cmを超えると、特に両面コロナ処理した原反を扱った蒸着加工時に、巻き取り側より製品を巻き出す際に、ブロッキングによるフィルム破断や、バタツキが大きく、搬送時の張力変動によりシワや蛇行といった不具合が発生し、蒸着原反の品位、品質を低下させ生産性が低下する傾向がある。また厚みt1についても、2.5μm未満であると蒸着時の熱負け、シワ、フィルム破断といった品質の低下、加工性の低下が生じ易い。厚みt1が7.0μmを超える場合、容量とコンデンササイズの関係から小型化に不利である。
上記観点から、好ましくは剥離強度は2g/5cm以下、より好ましくは1g/5cm以下であればよい。
本発明者らは鋭意検討することにより、フィルムの耐電圧性、蒸着加工性と剥離強度値に高い相関性があり、耐電圧性、蒸着加工性の向上には剥離強度値が低くなるよう制御することが重要であることを見出したものである。
また本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、コンデンサ作製においても加工性を向上しコンデンサとしてのさらなるコストダウンを図る観点と高耐電圧化の観点から、フィルムの両面に突起を有するコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルムであって、一方の表面をA面、他方の面をB面としたとき、下記式を全て満足することが好ましい。
PBmin≧200(nm)
PBmax≦1,800(nm)
0.4≦PB700-1000/PB≦0.8
但し、
PBmin:B面の最小突起高さ(nm)
PBmax:B面の最大突起高さ(nm)
PB700-1000:B面に存在する高さ700nm以上1000nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
PB:B面に存在する突起の0.1mmあたりの総個数
ここでA面が冷却ドラム接触面となることが好ましく、さらにはA、B両面がコロナ放電等によって表面処理された“処理面”であることが好ましい。B面の最小突起高さPBminが200(nm)未満であると、突起が小さく、フィルム積層時のエアー量が少なくフィルム密着が強くなり、巻き出し時の剥離性が低下し、ブロッキング、バタツキにより搬送、加工性が低下しやすい。また、B面の最大突起高さPBmaxが1,800(nm)を超えると、突起が大きく、特に交流印加時の耐電圧性、保安性が低下しコンデンサ性能が低下する傾向にある。
また、PB700-1000/PBが0.4以上0.8以下であると、フィルム積層時の適度なエアー量となり剥離性が良好で、巻き出し時の搬送性、加工性がよくなり、コンデンサとしての耐電圧性が良好となる。B面の突起高さや突起個数を上記の好ましい範囲に制御するためには、後述する通り、フィルム製膜時の縦延伸工程を特定の条件とすることで達成しうる。
次に、本発明のコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルムの好ましい態様によれば、下記式を全て満足していることが好ましい。
PAmin≧200(nm)
PAmax≦1,500(nm)
0.3≦PA350-550/PA≦0.9
但し、
PAmin:A面の最小突起高さ(nm)
PAmax:A面の最大突起高さ(nm)
PA350-550:A面に存在する高さ350nm以上550nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
PA:A面に存在する突起の0.1mmあたりの総個数
A面の最小突起高さPAminが200(nm)未満であると、突起が小さくフィルム積層時のエアー量が少なくフィルム密着が強くなり、巻き出し時の剥離性が低下し、ブロッキング、バタツキにより搬送、加工性が低下しやすい。また、A面の最大突起高さPAmaxが1,500(nm)を超えると、突起が大きく、特に交流印加時の耐電圧性、保安性が低下しコンデンサ性能が低下する。
また、PA350-550/PAが0.3以上0.9以下であると、フィルム積層時の適度なエアー量となり剥離性が良好で、巻き出し時の搬送性、加工性がよくなり、コンデンサとしての耐電圧性が良好となる。A面の突起高さや突起個数を上記の好ましい範囲に制御するためには、後述する通り、フィルム製膜時の縦延伸工程を特定の条件とすることで達成しうる。
本発明のコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルムの好ましい態様によれば、PAとPBとが下記式を満足していることが好ましい。
PA≧300
PB≧700
PAとPBが上記式を満たさない場合、蒸着時の巻き出し時にフィルム破断やバタツキといった不具合が発生し易く、搬送性、蒸着加工性が低下し生産性が低下する傾向にある。A面およびB面の突起個数を上記の好ましい範囲に制御するためには、後述する通り、フィルム製膜時の縦延伸工程を特定の条件とすることで達成しうる。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムの25℃での絶縁破壊電圧は、600V/μm以上であることが好ましい。25℃での絶縁破壊電圧が600V/μm未満であると、得られるフィルムをコンデンサ素子とした場合、耐電圧性が低く実用に耐えない場合があり、マイクロメータ法によるフィルム厚み(t1)が薄くなるほどこの傾向が強い。25℃での絶縁破壊電圧は、より好ましくは650V/μm以上、さらに好ましくは700V/μm以上である。絶縁破壊電圧が高いほど、コンデンサ素子とした場合に耐電圧性に優れた信頼性の高い素子が作製できる傾向にあり、特に上限は設けないが、例えば、製膜性、ハンドリング性と耐電圧性を高いレベルでバランスさせるためには、1,200V/μm以下であることが好ましい。絶縁破壊電圧を好ましい範囲に制御するためには、用いるポリプロピレンのメソペンタッド分率を後述する好ましい範囲にすること、フィルム表面の突起高さを均一にするために、後述する縦延伸の予熱微延伸倍率を好ましい範囲にすること、厚みを上記好ましい範囲にすること、絶縁欠陥を抑えること等により達成しうる。
次に、本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムに用いると好ましいポリプロピレンについて説明する。本発明においては、通常、包装材やコンデンサ用に使用されるポリプロピレンを利用できるが、好ましくは冷キシレン可溶部(以下CXS)が4質量%以下であり、かつメソペンタッド分率が0.95以上であるポリプロピレンであることが好ましい。これらを満たさないと製膜安定性に劣る場合があったり、二軸配向したフィルムを製造する際にフィルム中にボイドを形成する場合があり、寸法安定性および耐電圧性の低下が大きくなる場合がある。
ここで冷キシレン可溶部(CXS)とはフィルムを135℃のキシレンで完全溶解せしめた後、20℃で析出させたときに、キシレン中に溶解しているポリプロピレン成分のことをいい、立体規則性の低い、分子量が低い等の理由で結晶化し難い成分に該当していると考えられる。このような成分が多く樹脂中に含まれているとフィルムの熱寸法安定性に劣ったり、高温での絶縁破壊電圧が低下する等の問題を生じることがある。従って、CXSは4質量%以下であることが好ましいが、更に好ましくは3質量%以下であり、特に好ましくは2質量%以下である。このようなCXSを有するポリプロピレンとするには、樹脂を得る際の触媒活性を高める方法、得られた樹脂を溶媒あるいはプロピレンモノマー自身で洗浄する方法等が使用できる。
同様な観点から上記ポリプロピレンのメソペンタッド分率は0.95以上であることが好ましく、更に好ましくは0.97以上である。メソペンタッド分率は核磁気共鳴法(NMR法)で測定されるポリプロピレンの結晶相の立体規則性を示す指標であり、該数値が高いものほど結晶化度が高く、融点が高くなり、高温での絶縁破壊電圧が高くなるので好ましい。メソペンタッド分率の上限については特に規定するものではない。このように立体規則性の高い樹脂を得るには、n−ヘプタン等の溶媒で得られた樹脂パウダーを洗浄する方法や、触媒および/または助触媒の選定、組成の選定を適宜行う方法等が好ましく採用される。
かかるポリプロピレンとしては、より好ましくは溶融流動指数(MFR)が1〜10g/10分(230℃、21.18N荷重)、特に好ましくは2〜5g/10分(230℃、21.18N荷重)の範囲のものが、製膜性の点から好ましい。溶融流動指数(MFR)を上記の値とするためには、平均分子量や分子量分布を制御する方法等が採用される。
かかるポリプロピレンとしては、主としてプロピレンの単独重合体からなるが、本発明の目的を損なわない範囲で他の不飽和炭化水素による共重合成分等を含有してもよいし、プロピレンが単独ではない重合体がブレンドされていてもよい。このような共重合成分やブレンド物を構成する単量体成分として例えばエチレン、プロピレン(共重合されたブレンド物の場合)、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチルペンテン−1、3−メチルブテン−1、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、5−エチルヘキセン−1、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、アリルベンゼン、シクロペンテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン等が挙げられる。共重合量またはブレンド量は、耐絶縁破壊特性、寸法安定性の点から、共重合量では1mol%未満とし、ブレンド量では10質量%未満とするのが好ましい。
また、かかるポリプロピレンには、本発明の目的を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば結晶核剤、酸化防止剤、熱安定剤、すべり剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、充填剤、粘度調整剤、着色防止剤等を含有せしめることもできる。
これらの中で、酸化防止剤の種類および添加量の選定は長期耐熱性の観点から重要である。すなわち、かかる酸化防止剤としては立体障害性を有するフェノール系のもので、そのうち少なくとも1種は分子量500以上の高分子量型のものが好ましい。その具体例としては種々のものが挙げられるが、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT:分子量220.4)とともに1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(例えばBASFジャパン製Irganox(登録商標)1330:分子量775.2)またはテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(例えばBASFジャパン製Irganox1010:分子量1177.7)等を併用することが好ましい。これら酸化防止剤の総含有量はポリプロピレン全量に対して0.03〜1.0質量%の範囲が好ましい。酸化防止剤が少なすぎると長期耐熱性に劣る場合がある。酸化防止剤が多すぎるとこれら酸化防止剤のブリードアウトによる高温下でのブロッキングにより、コンデンサ素子に悪影響を及ぼす場合がある。より好ましい含有量は0.1〜0.9質量%であり、特に好ましくは0.2〜0.8質量%である。
また本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、耐電圧性向上の観点から分岐鎖状ポリプロピレン(H)を含有させてもよく、添加する場合には、その含有量はフィルム全体に対し0.05〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜8質量%、さらに好ましくは1〜5質量%である。上記分岐鎖状ポリプロピレン(H)を含有させることで溶融押出した樹脂シートの冷却工程で生成する球晶サイズを容易に小さく制御でき、延伸工程で生成する絶縁欠陥の生成を小さく抑え、耐電圧性に優れたポリプロピレンフィルムを得ることができる。
さらに、本発明のフィルムは、前述したポリプロピレンと前記分岐鎖状ポリプロピレン(H)との混合物により構成されていることが好ましい。この場合、分岐鎖状ポリプロピレン(H)は、230℃で測定したときの溶融張力(MS)と溶融流動指数(MFR)が、log(MS)>−0.56log(MFR)+0.74なる関係式を満たす分岐鎖状ポリプロピレン(H)であることが特に好ましい。
230℃で測定したときの溶融張力(MS)と溶融流動指数(MFR)が、log(MS)>−0.56log(MFR)+0.74なる関係式を満たす分岐鎖状ポリプロピレン(H)を得るには、高分子量成分を多く含むポリプロピレンをブレンドする方法、分岐構造を持つオリゴマーやポリマーをブレンドする方法、特開昭62−121704号公報に記載されているようにポリプロピレン分子中に長鎖分岐構造を導入する方法、あるいは特許第2869606号公報に記載されているような方法等が好ましく用いられる。
ここで、230℃で測定したときの溶融張力とは、JIS−K7210(1999)に示される溶融流動指数(MFR)測定に準じて測定されたものである。具体的には、株式会社東洋精機製作所製メルトテンションテスターを用いて、ポリプロピレンを230℃に加熱し、溶融ポリプロピレンを押出速度15mm/分で吐出してストランドとし、このストランドを6.4m/分の速度で引き取る際の張力を測定し、溶融張力(単位cN)とする。また、230℃で測定したときの溶融流動指数(MFR)とは、JIS−K7210(1999)に準じて荷重21.18Nで測定されたもの(単位g/10分)である。
上記の分岐鎖状ポリプロピレン(H)としては、上式を満たすことが好ましいが、特に限定されるものではなく、製膜性の観点から溶融流動指数(MFR)は1〜20g/10分の範囲にあるものが好ましく、1〜10g/10分の範囲にあるものがより好ましい。また溶融張力については、1〜30cNの範囲にあるものが好ましく、2〜20cNの範囲にあるものがより好ましい。また、ここでいう分岐鎖状ポリプロピレン(H)とは、カーボン原子10,000個中に対し5箇所以下の内部3置換オレフィンを有するポリプロピレンである。この内部3置換オレフィンの存在はH−NMRスペクトルのプロトン比により確認することができる。
本発明においては、本発明の目的に反しない範囲で、結晶核剤を添加することができる。既述の通り、分岐鎖状ポリプロピレン(H)は既にそれ自身でα晶またはβ晶の結晶核剤効果を有するものであるが、別種のα晶核剤(ジベンジリデンソルビトール類、安息香酸ナトリウム等)、β晶核剤(1,2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、安息香酸マグネシウム、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミド等のアミド系化合物、キナクリドン系化合物等)等を用いることができる。但し、上記別種の核剤の過剰な添加は延伸性の低下やボイド形成等による耐電圧の低下を引き起こす場合があるため、含有量はポリプロピレン全量に対して通常0.5質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下とすることが好ましい。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは高耐電圧性と蒸着加工性に優れる構成をとることにより、耐電圧性に優れハンドリング性にも優れることから薄膜のフィルムコンデンサ用に好適であり、特にマイクロメータ法によるフィルム厚み(t1)が2.5μm以上7.0μm以下の範囲であるとその性能が効果的に発現される。より好ましい厚みは2.5μm以上6.0μm以下、さらに好ましい厚みは2.8μm以上5.0μm以下である。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、コンデンサ用誘電体フィルムとして好ましく用いられるものであり、特にコンデンサのタイプでいえば、電極構成の観点で金属蒸着膜コンデンサが好ましい。絶縁油を含浸させた油浸タイプのコンデンサや絶縁油を全く使用しない乾式コンデンサにも好ましく用いられる。また、形状の観点では、巻回式であっても積層式であっても構わない。しかしながら本発明のフィルムの特性から特に巻回式金属蒸着膜コンデンサとして好ましく使用される。
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、上述した特性を与えうる原料を用い、二軸延伸されることによって得られる。二軸延伸の方法としては、インフレーション同時二軸延伸法、ステンター同時二軸延伸法、ステンター逐次二軸延伸法のいずれによっても得られるが、その中でも、製膜安定性、厚み均一性、フィルム表面の突起高さと突起個数、剥離強度を制御する点においてステンター逐次二軸延伸法を採用することが好ましい。
次に本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムの製造方法をより詳細に説明する。まず、ポリプロピレン樹脂を支持体上に溶融押出してポリプロピレン樹脂シートとし、このポリプロピレン樹脂シートを縦延伸、横延伸の順に逐次二軸延伸した後に熱処理および弛緩処理を施して二軸配向ポリプロピレンフィルムを製造する。その際、縦延伸の予熱部から延伸部直前までに1.05〜1.20倍の微延伸を行い、延伸部にて更に4.0〜7.0倍の延伸を行う。次いでフィルムの端部をクリップで把持し横延伸を行い、次工程ではクリップで幅方向を緊張把持したまま熱処理および弛緩処理を施す。
以下、より具体的に説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。まず、上述したポリプロピレンに高溶融張力ポリプロピレン(分岐鎖状ポリプロピレン(H))をブレンドして溶融押出し、濾過フィルターを通した後、230〜260℃の温度でスリット状口金から押出し、60〜110℃の温度に制御された冷却ドラム上で固化させ未延伸シートを得る。冷却ドラムへの密着方法としては静電印加法、水の表面張力を利用した密着方法、エアーナイフ法、プレスロール法、水中キャスト法等のうちいずれの手法を用いてもよいが、平面性が良好でかつフィルム表面の突起高さと突起個数の制御が可能なエアーナイフ法が好ましい。エアーナイフのエアー温度は、フィルム表面の突起高さと突起個数を制御する観点で0〜100℃、好ましくは20〜70℃で、吹き出しエアー速度は130〜150m/秒が好ましく、幅方向均一性を向上させるためにエアーナイフは2重管構造となっていることが好ましい。また、フィルムの振動を生じさせないために製膜下流側にエアーが流れるようにエアーナイフの位置を適宜調整することが好ましい。
次に、この未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せしめる。まず未延伸フィルムを予熱部にて120〜150℃に保たれた予熱ロールに通して加熱し、延伸速度20〜100%/minで倍率1.05〜1.20倍で微延伸する。引き続き該シートを延伸部にて130℃〜150℃の温度に保った延伸ロールに通して、延伸速度10,000〜150,000%/minで長手方向に4.0〜7.0倍に延伸した後、室温まで冷却する。この場合、長手方向の延伸倍率としては4.5〜6.5倍延伸した後、室温まで冷却する延伸を採用することが好ましい。さらに延伸部では、A、B両面側の延伸直前のフィルム温度を瞬時に昇温するラジエーションヒーターを用いることも好ましい。更にラジエーションヒーターでフィルムとの間隙距離を1mm〜10mmの範囲で保ち、11kW〜15kWの範囲で熱量付加をし高温下での延伸をすることで、更に熱履歴のコントロール性が高まりフィルム表面の突起高さと突起個数を制御するのに好適である。上記延伸方法や延伸倍率をとることが、本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムのA面およびB面の突起高さや突起個数を、上記するように好ましい範囲に制御する上で好ましい。
縦延伸の予熱工程での微延伸によりフィルムとロールとの密着性も高まりフィルム内部の温度が均質となり、延伸部でより高い倍率の延伸により結晶配向せしめることで表面が均一に粗れやすくなる。表面が均一に粗れることによって、本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムのA面およびB面の突起高さや突起個数を、上記するように好ましい範囲に制御しやすくなる。予熱部での微延伸が1.05倍より低いと予熱ロールでの密着力が弱まり、フィルム内部温度も不均一となり特性ムラ、延伸ムラにつながったり、二軸配向ポリプロピレンフィルムの長手方向の剛性が低下し、面内剛性の低下を招き、耐電圧性の劣ったフィルムとなる場合がある。他方、1.20倍を超える場合には、上記予熱微延伸区間でフィルムが破断したり、シワが発生したりとフィルム生産において不具合が生じる場合がある。このような観点から、縦延伸の予熱部微延伸は、延伸倍率1.05〜1.20倍であることが好ましく、より好ましくは1.06〜1.15倍、更に好ましくは1.08〜1.12倍の範囲である。また、延伸部の延伸倍率は、4.0〜7.0倍であることが好ましく、より好ましくは4.5〜6.0倍の範囲である。
その後、引き続き該延伸フィルムをステンターに導いて横延伸を行う。次いでフィルムの端部をクリップで把持し横延伸を140〜165℃の温度で幅方向に7〜13倍に延伸し、次いでクリップで幅方向を緊張把持したまま幅方向に2〜20%の弛緩を与えつつ、140〜165℃の温度で熱固定した後に、100〜150℃で冷却工程を経てステンターの外側へ導き、フィルム端部のクリップ解放し、ワインダ工程にてフィルムエッジ部をスリットし、フィルム製品ロールを巻き取る。
ここでフィルムを巻き取る前に蒸着を施す面に蒸着金属の接着性を良くするために、空気中、窒素中、炭酸ガス中あるいはこれらの混合気体中でコロナ放電処理を行うことが好ましい。なお、ポリプロピレンフィルムは通常、表面エネルギーが低く、蒸着コンデンサ用途においては金属蒸着を安定的に施すことが困難であるため、金属付着力を良好とする目的で、事前に表面処理を行うことが好ましい。この表面処理は、少なくとも一方の面に対し行われることが好ましいが、両面に対して行われることがより好ましい。
表面処理とは具体的にはコロナ放電処理、プラズマ処理、グロー処理、火炎処理等が例示される。通常ポリプロピレンフィルムの表面濡れ張力は30mN/m程度であるが、これらの表面処理によって、少なくとも一方の面の濡れ張力を37〜50mN/m、好ましくは39〜48mN/mとすることが、金属膜との接着性に優れ、保安性も良好となるので好ましい。特にコロナ処理を施すことで目的とする濡れ張力を付与することが可能となる。37mN/m未満である場合、金属膜との接着性が劣ったフィルムとなりやすく、シワや蛇行、破れなど蒸着加工性が低下し、これにより蒸着コンデンサの保安性が低下することがある。50mN/mを超える場合は、剥離強度を制御することができず、シワや蛇行が発生し、蒸着加工性が低下し、これにより蒸着コンデンサの保安性が低下することがある。
剥離強度を目的とする範囲にするためには、上記の通り濡れ張力とフィルム表面の突起高さと突起個数を制御することが重要である。濡れ張力の付与を、例えばE値で下記範囲とした制御をすることで好適な濡れ性が付与でき目的とする剥離強度とする上では有益である。E値とは、フィルムが単位面積当たりに受ける1分間のコロナ放電電力強さと定義しW・min/mであらわされる。実際には、下記式にて求められるものである。
E値=W/(L×v)
但し、
W:コロナ放電電力(W)
L:電極幅(m)
v:製膜速度(m/min)
E値がA面側で5.0〜9.0W・min/mとし、B面側で8.5〜12.5W・min/mとすることで適正な濡れ性を維持できるため、本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムの剥離強度を制御する上で好ましい。さらにフィルム表面の突起高さおよび突起個数と濡れ性との兼ね合いでE値が下記式を満たすことでさらに剥離強度を制御する上で好ましく、安定した工程、生産性を可能とする。
Eb値/Ea値>1.5
Eb:B面側処理E値(W・min/m
Ea:A面側処理E値(W・min/m
本発明において、上記した二軸配向ポリプロピレンフィルム表面に金属膜を設けて金属膜積層フィルムとすることも好ましい。その方法は特に限定されないが、例えば、ポリプロピレンフィルムの片面あるいは両面に、アルミニウム等を蒸着してフィルムコンデンサの内部電極となるアルミニウム蒸着膜等の金属膜を設ける方法が好ましく用いられる。このとき、アルミニウムと同時あるいは逐次に、例えば、ニッケル、銅、金、銀、クロムおよび亜鉛等の他の金属成分を蒸着することもできる。また、蒸着膜上にオイル等で保護層を設けることもできる。
本発明では、必要により、金属膜を形成後、金属膜積層フィルムを特定の温度でアニール処理を行なったり、熱処理を行なったりすることができる。また、絶縁もしくは他の目的で、金属膜積層フィルムの少なくとも片面に、ポリフェニレンオキサイド等のコーティングを施すこともできる。
このようにして得られた金属膜積層フィルムの膜抵抗値は1〜20Ω/□であることが好ましい。膜抵抗値が1Ω/□未満であると、金属層が厚いため、蒸着時に所謂熱負けが生じ、フィルムに白化、穴あき等の欠点が発生する場合がある。膜抵抗値が20Ω/□を超えると、コンデンサ素子とした際に容量変化が大きくなる場合がある。当該膜抵抗値は、金属層の組成や金属層の厚みにより制御できる。膜抵抗値は、より好ましくは1.2〜15Ω/□である。
このようにして得られた金属膜積層フィルムは、種々の方法で積層もしくは巻回してフィルムコンデンサを得ることができる。巻回型フィルムコンデンサの好ましい製造方法を例示すると、次のとおりである。
ポリプロピレンフィルムの片面あるいは両面にアルミニウムを減圧状態で蒸着する。その際、フィルム長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に片面あるいは両面に蒸着する。次に、片面の場合は、表面の各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットを行い、表面が一方にマージンを有した、テープ状の巻取リールを作成する。左もしくは右にマージンを有するテープ状の巻き取りリールを左マージンおよび右マージンのもの各1本ずつを、幅方向に蒸着部分がマージン部よりはみ出すように2枚重ね合わせて巻回し、巻回体を得る。
両面に蒸着を行う場合は、一方の面の長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着し、もう一方の面には長手方向のマージン部が裏面側蒸着部の中央に位置するようにストライプ状に蒸着する。次に表裏それぞれのマージン部中央に刃を入れてスリットし、両面ともそれぞれ片側にマージン(例えば表面右側にマージンがあれば裏面には左側にマージン)を有するテープ状の巻き取りリールを作製する。得られたリールと未蒸着の合わせフィルム各1本ずつを、幅方向に金属膜積層フィルムを合わせフィルムよりはみ出すように2枚重ね合わせて巻回し、巻回体を得る。その場合、未蒸着の合わせフィルムは、ポリプロピレンフィルムの場合では、片面コロナ処理あるいは両面コロナ処理された合わせフィルムが好ましい。コロナ処理をされた合わせである事で重ね合わせ巻回する際にズレ、シワ等なく安定した巻き取りが可能となる。
以上のようにして作成した巻回体から芯材を抜いてプレスし、両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して巻回型フィルムコンデンサを得ることができる。
フィルムコンデンサの用途は、鉄道車輌用、自動車(ハイブリットカー、電気自動車)用、太陽光発電・風力発電用および一般家電用等、多岐に亘っており、本発明のフィルムコンデンサもこれら用途に好適に用いることができる。
本発明における特性値の測定方法、並びに効果の評価方法は次のとおりである。
(1)マイクロメータ法によるフィルム厚み(t1)(単位:μm)
任意の場所の合計10箇所を接触式の膜厚計、株式会社ミツトヨ社製ライトマチックVL−50A(10.5mmφ超硬球面測定子、測定荷重0.06N)にて測定し、その平均値を二軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みとした。
(2)剥離強度(単位:g/5cm)
フィルムを長手方向に50mm、幅方向に100mmの矩形に2枚切り出し、A面とB面が接触するように重ね合わせた。2枚重ねたフィルム1、1’を2枚の紙2、2’で挟み、さらにその外側を2枚のベークライト板3,3’で挟んだ。荷重1kg、底面積12cmの重り4をサンプルの端に載せ(図1参照)、予め120±2℃に設定した恒温槽5に全体をセットし(図2参照)、10分間放置後にベークライト板3,3’に挟んだサンプル(フィルム1、1’が重なったもの)を取り出した。フィルム1’の重りを載せていない端側の長手方向全体を10mm幅の両面テープ7で測定台8に貼り付け、フィルム1の重りを載せていない端側には引っ張り用治具9を介してバネ計り10を取り付けた。引っ張り治具9は、5cm四方のプラスチックシートに、バネ計り10を取り付けるための穴が開いているものを使用し、フィルム1と引っ張り治具9は両面テープ7’を用いて貼り付けた。フィルム1と引っ張り治具9との接触面積は5cmとした。バネ計り10は、株式会社大場計器製作所製の吊下式はかりで、最大荷重が50gであり、測定精度が1gであるバネ計り10を用いた。バネ計り10を速度1cm/秒で垂直に引っ張り上げ、フィルム同士が完全に離れるまでにバネ計り10が示した最大値を目視で読み取り、その値を剥離強度とした(図3参照)。剥離強度測定は、室温23℃、湿度65%RHの環境下で行った。
なお、測定は10回行い、その平均値を採用した。
(3)突起高さ、突起個数の評価
JIS B−0601(1982)により、株式会社小坂研究所製「非接触三次元微細形状測定器(ET-30HK)」及び「三次元粗さ分析装置(MODEL SPA−11)」を用いて測定した。測定は長手方向に10回繰り返し、その平均値として突起高さ、突起個数を求めた。1回の測定の詳細条件とデータ処理については下記通りとした。
<最小突起高さ(PAmin、PBmin)、最大突起高さ(PAmax、PBmax)(単位:nm)>
上記測定器より検出された検出値は、50nm間隔のヒストグラムとして出力される。たとえば検出値として100nm以上150nm未満の突起が存在した場合には、突起高さを100nmとしてカウントする。最小突起高さは、高さ0nmから50nmスライス毎にカウントを始めて最初にカウントされたスライス、最大突起高さはカウントを続けて検出値が0となったスライスの一つ手前のスライス高さを示す。
<PA350-550(単位:個/0.1mm)>
上記ヒストグラムのA面側の値について、高さ350nm以上550nm未満に該当する突起検出個数を全て総和したものを、0.1mmあたりの個数に換算した値を示す。
<PB700-1000(単位:個/0.1mm)>
上記ヒストグラムのB面側の値について、高さ700nm以上1000nm未満に該当する突起検出個数を全て総和したものを、0.1mmあたりの個数に換算した値を示す。
<突起総個数(単位:個/0.1mm)>
突起総個数は測定条件の項目に示す幅方向、長さ方向サンプリング間隔で検出された突起個数を、0.1mmあたりの個数に換算した値を示す。
・測定条件
測定面処理:測定面にアルミニウムを真空蒸着し、非接触法とした。
測定方向:フィルムの幅方向
幅方向送り速度:0.1mm/秒
測定範囲(幅方向×長さ方向):1.0mm×0.249mm
高さ方向寸法の基準面:LOWER(下側)
幅方向サンプリング間隔:2μm
長さ方向サンプリング間隔:10μm
長さ方向サンプリング本数:25本
カットオフ:0.25mm/秒
幅方向拡大倍率:200倍
長さ方向拡大倍率:20,000倍
うねり、粗さカット:なし
・測定方法
測定には専用のサンプルホルダーを使用する。サンプルホルダーは中心に円形の穴が空いた脱着可能な2枚の金属板であり、その間にサンプルを挟んでサンプルホルダーの四方までフィルムを張って装着することで固定し、中央円形部のフィルムを測定した。
(4)25℃でのフィルム絶縁破壊電圧(単位:V/μm)
JIS C2330(2010)6.2.b法(平板電極法)に準じて、40回測定を行い、その平均値を求め、測定したサンプルのフィルム厚み(μm)で除し、V/μmで表記した。絶縁破壊測定は、室温25℃、湿度65%RHの環境下で行った。なおフィルム厚みは上記(1)で測定された値を用いた。
(5)表面ぬれ張力
ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテル、メタノール及び水との混合液によるJIS K6768(1999)に規定された測定方法に基づいて表面処理を施した面について測定した。
(6)両面蒸着加工性
後述する各実施例および比較例で得られたポリプロピレンフィルムの両面に、株式会社ULVAC製真空蒸着機でアルミニウムを膜抵抗が8Ω/□となるようにアルミニウム真空蒸着後に次いで亜鉛を真空蒸着した。
その際、長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に両面に蒸着した(蒸着部の幅49.0mm、マージン部の幅1.0mmの繰り返し)。
上記の蒸着工程にて、片面のマージンノズル通過後から反対面のマージンノズルまでの区間にて原反製品巻き出し始めから巻き終わりまでを目視で観察し、シワや蛇行が発生したものを下記基準にて判定した。(以下蒸着加工性と称する)。また、巻き出し時にブロッキングによるフィルム破断の有無についても下記判定した。
<蒸着加工性>
シワや蛇行によりフィルム搬送中に連続して100mにわたりフィルム蛇行が発生している状況を下記にて判定した。
A:フィルム最大蛇行幅 0.3mm未満
B:フィルム最大蛇行幅 0.3mm以上0.6mm以下
C:フィルム最大蛇行幅 0.6mmを超える
<フィルム破断>
上記蒸着加工性評価を10回行った際のフィルム破断回数を下記判断基準により評価した。
A:フィルム破断なし
B:フィルム破断あり 1回
C:フィルム破断あり 2回以上
(7)蒸着コンデンサ特性の評価(85℃での耐電圧、保安性)
後述する各実施例および比較例で得られたフィルムに、株式会社ULVAC製真空蒸着機でアルミニウムと亜鉛を蒸着したアロイ処方にて膜抵抗が8Ω/□で長手方向に垂直な方向にマージン部を設けた所謂T型マージンパターンを有する蒸着パターンを施し、幅50mmの蒸着リールを得た。
次いで、このリールを用いて株式会社皆藤製作所製素子巻機(KAW−4NHB)にてコンデンサ素子を巻き取り、メタリコンを施した後、減圧下、125℃の温度で10時間の熱処理を施し、リード線を取り付けコンデンサ素子を仕上げた。このときのコンデンサ素子の静電容量は10μFであった。
こうして得られたコンデンサ素子10個を用いて、85℃高温下でコンデンサ素子に100V/μmのACの電圧を印加し、該電圧で10分間経過後にステップ状に10V/μm/1分で徐々にAC印加電圧を上昇させることを繰り返す所謂ステップアップ試験を行なった。この際の静電容量変化を測定しグラフ上にプロットして、該容量が初期値の70%になった電圧をフィルム厚み(上述)で割り返して耐電圧評価とし、180V/μm以上を使用可能レベルとする。また、静電容量が初期値に対して10%以下に減少するまで電圧を上昇させた後に、コンデンサ素子を解体し破壊の状態を調べて、保安性を以下の通り評価した。
AA:貫通状の破壊は観察されない。
A:フィルム10層以内の貫通状破壊が観察される。
B:フィルム10層を超える貫通状破壊が観察される。
C:素子形状が破壊する。
AAは問題なく使用できるが、Aでは条件次第で使用可能である。B、Cでは実用上の問題を生じる。
以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに説明する。
(実施例1)
メソペンタッド分率が0.98で、溶融流動指数(MFR)が3g/10分であるポリプロピレン樹脂に、分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(高溶融張力ポリプロピレンProfax PF-814)を1.5質量%ブレンドし、温度260℃の押出機に供給し、樹脂温度255℃でT型スリットダイよりシート状に溶融押出し、該溶融シートを80℃に保持された直径1.2mの冷却ドラム上で冷却固化した。その際、エアーナイフ法によりシートと冷却ドラムを密着させた。エアー温度は70℃、エアー速度は150m/秒で行った。
次いで該シートを130℃で予熱し、延伸速度100%/min、延伸倍率1.12倍で微延伸した。引き続き該シートを144℃の温度に保ち周速差を設けたロール間に通して長手方向に4.6倍に延伸した。その際、延伸部でA、B両面側にラジエーションヒーター出力それぞれ12kW、フィルムとの間隙を4mmとして熱量を補い延伸した。引き続き該フィルムをステンターに導き、164℃の温度で幅方向に10倍延伸し、次いで幅方向に6%の弛緩を与えながら155℃で熱処理を行ない、その後130℃で冷却し、フィルム厚みが4.0μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。さらに該A面側の表面に7W・min/m、該B面側の表面に11W・min/mの処理強度で大気中でコロナ放電処理を行った。こうして得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例2)
シートの微延伸倍率を1.05倍とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例3)
冷却ドラム温度を60℃とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例4)
冷却ドラム温度を110℃、予熱ロール温度を120℃とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例5)
エアナイフのエア温度を100℃にした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例6)
エアナイフのエア温度を20℃とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例7)
エアナイフのエア速度を130m/秒とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例8)
予熱ロールの温度を150℃、倍率を1.08倍とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例9)
予熱ロールの倍率を1.15倍とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例10)
予熱ロールの倍率を1.06倍とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例11)
予熱ロールの速度を20%/min、倍率を1.20倍とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例12)
A、B両面側にラジエーションヒーター出力それぞれ15kW,フィルムとの間隙を1mmとした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例13)
A、B両面側にラジエーションヒーター出力それぞれ11kW,フィルムとの間隙を10mmとした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例14)
該A面側の表面に5.5W・min/m、該B面側の表面に9.0W・min/mの処理強度で大気中でコロナ放電処理を行った以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例15)
該A面側の表面に8.0W・min/m、該B面側の表面に12.5W・min/mの処理強度で大気中でコロナ放電処理を行った以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例16)
該A面側の表面に5.0W・min/m、該B面側の表面に8.5W・min/mの処理強度で大気中でコロナ放電処理を行った以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例17)
該A面側の表面は処理なし、該B面側の表面に12.5W・min/mの処理強度で大気中でコロナ放電処理を行った以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例18)
フィルム厚み5.5μmとした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例19)
フィルム厚み7.0μmとした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(実施例20)
フィルム厚み2.5μmとした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
(比較例1)
A面側のコロナ放電電力強さEaを10W・min/m、B面側のコロナ放電電力強さEbを13W・min/mとした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。
(比較例2)
ラジエーションヒーターの出力をA、B両面とも0kWとした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。
(比較例3)
エアナイフのエア温度を110℃とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。
(比較例4)
エアナイフのエア速度を120m/秒とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。
(比較例5)
エアナイフのエア速度を160m/秒とした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。
(比較例6)
予熱ロールの延伸速度を110%/min、延伸倍率を1.21倍で微延伸した以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。
(比較例7)
予熱ロールの延伸速度を15%/min、延伸倍率を1.04倍で微延伸した以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。
(比較例8)
A、B両面側にラジエーションヒーター出力それぞれ16kW,フィルムとの間隙を11mmとした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。
(比較例9)
フィルム厚み7.1μmとした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。
(比較例10)
フィルム厚み2.4μmとした以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。
(比較例11)
該A面側の表面に5.6W・min/m、該B面側の表面に8.0W・min/mの処理強度で大気中でコロナ放電処理を行った以外は実施例1と同様に製膜を行い、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りである。
得られたフィルムの絶縁破壊電圧と素子加工性についても表1に示す。耐電圧、素子加工性とも優れるものであった。
1 フィルム
1’ フィルム
2 紙
2’ 紙
3 ベークライト板
3’ ベークライト板
4 重り
5 恒温槽
6 セットサンプル一式
7 両面テープ
7’ 両面テープ
8 測定台
9 引っ張り用治具
10 バネ計り

Claims (7)

  1. 剥離強度が3g/5cm以下であり、マイクロメータ法による厚みt1(μm)が2.5μm以上7.0μm以下であるコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルム。
  2. 両面に突起を有し、一方の表面をA面、他方の面をB面としたとき、下記式を全て満足している、請求項1に記載のコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルム。
    PBmin≧200(nm)
    PBmax≦1,800(nm)
    0.4≦PB700-1000/PB≦0.8
    但し、
    PBmin:B面の最小突起高さ(nm)
    PBmax:B面の最大突起高さ(nm)
    PB700-1000:B面に存在する高さ700nm以上1000nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
    PB:B面に存在する突起の0.1mmあたりの総個数
  3. 両面に突起を有し、一方の表面をA面、他方の面をB面としたとき、下記式を全て満足している、請求項1または2に記載のコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルム。
    PAmin≧200(nm)
    PAmax≦1,500(nm)
    0.3≦PA350-550/PA≦0.9
    但し、
    PAmin:A面の最小突起高さ(nm)
    PAmax:A面の最大突起高さ(nm)
    PA350-550:A面に存在する高さ350nm以上550nm未満の突起の0.1mmあたりの個数
    PA:A面に存在する突起の0.1mmあたりの総個数
  4. PAとPBとが下記式を満足している、請求項2または3に記載のコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルム。
    PA≧300
    PB≧700
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルムの両面に金属膜が設けられてなる金属膜積層フィルム。
  6. 金属膜の表面電気抵抗が1〜20Ω/□の範囲内にある、請求項5に記載の金属膜積層フィルム。
  7. 請求項5または6に記載の金属膜積層フィルムを用いてなるフィルムコンデンサ。
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