JP2011117506A - クラッチ装置及びこのクラッチ装置を用いたデファレンシャル装置 - Google Patents

クラッチ装置及びこのクラッチ装置を用いたデファレンシャル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】可動部材を正確に作動させることができるクラッチ装置及びこのクラッチ装置を用いたデファレンシャル装置を提供する。
【解決手段】一対の回転部材3,5と、一方の回転部材3と一体回転可能で軸方向移動可能に設けられた断続部材7と、一対の回転部材3,5間を断続する断続部9と、断続部材7を移動操作する可動部材11と、可動部材11を作動させる電磁石13とを備えたクラッチ装置1において、可動部材11が、電磁石13の外径側に配置され電磁石13の磁束を透過する磁性体からなるプランジャ15と、このプランジャ15の外径側に一体的に設けられ断続部材7を移動操作する非磁性体からなる支持部材17とを有し、支持部材17を、アウタケース3に対して軸方向移動可能でかつアウタケース3と一体回転可能に支持し、電磁石13とプランジャ15と一方の回転部材3との間に、電磁石13の磁束を透過して磁路を形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に適用されるクラッチ装置及びこのクラッチ装置を用いたデファレンシャル装置に関する。
従来、一対の回転部材間を断続する断続部材を移動操作する可動部材を有するクラッチ装置としては、一対の回転部材としてのデフケースと第1の出力部材と、デフケースと一体回転可能に設けられた断続部材としてのクラッチ部材と、第1の出力部材とクラッチ部材との間に設けられた断続部としてのドグクラッチと、クラッチ部材を移動操作する可動部材と、可動部材を作動させる電磁石とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このクラッチ装置では、電磁石の内径側に可動部材が配置され、デフケースのボス部の外周に対して可動部材が軸方向移動可能で径方向に支持されている。そして、電磁石と可動部材とデフケースの一部との間に電磁石の磁束を透過する磁路としての磁束ループを形成させ、可動部材を作動しクラッチ部材を移動操作してドグクラッチを接続させている。
しかしながら、このクラッチ装置のように、電磁石の内径側でデフケースのボス部外周に可動部材を支持してしまうと、電磁石の励磁による磁束の多くがデフケースに分岐してしまい、可動部材の作動に影響を与え断続部の断続特性が低下する恐れがあった。
これに対して、電磁石の外径側に可動部材を配置して電磁石と可動部材のみで磁路を形成させ、可動部材を作動し断続部材を移動操作して断続部を接続させるクラッチ装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
このクラッチ装置では、電磁石の外周に直接可動部材を径方向に支持することにより、デフケース側への磁束の漏れを防止し、磁路形成における磁路効率を向上させている。
特開2008−281194号公報 特開2004−100924号公報
しかしながら、上記特許文献2のクラッチ装置のように、電磁石の外周に直接可動部材を支持してしまうと、電磁石と可動部材との間の支持面で摺動を生じてしまう。また、支持面で摺動が生じていると、電磁石を励磁した際に支持面で電磁石と可動部材の貼り付きが生じる恐れがある。このため、可動部材を正確に作動させることができない可能性があった。
そこで、この発明は、可動部材を正確に作動させることができるクラッチ装置及びこのクラッチ装置を用いたデファレンシャル装置の提供を目的としている。
請求項1記載の発明は、相対回転可能に配置された一対の回転部材と、この一対の回転部材のうちいずれか一方の回転部材と一体回転可能で軸方向移動可能に設けられた断続部材と、この断続部材と他方の回転部材との間に設けられ前記一対の回転部材間を断続する断続部と、前記断続部材を移動操作する可動部材と、前記一方の回転部材に対して軸方向に隣接配置され前記可動部材を作動させる電磁石とを備えたクラッチ装置であって、前記可動部材は、前記電磁石の外径側に配置され前記電磁石の磁束を透過する磁性体からなるプランジャと、このプランジャの外径側に一体的に設けられ前記断続部材を移動操作する非磁性体からなる支持部材とを有し、前記支持部材は、前記一方の回転部材に対して軸方向移動可能でかつ前記一方の回転部材と一体回転可能に支持され、前記電磁石と前記プランジャと前記一方の回転部材との間には、前記電磁石の磁束を透過して磁路が形成されることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のクラッチ装置であって、前記支持部材には、前記可動部材の軸方向位置を検出する位置検出部が設けられていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のクラッチ装置であって、前記断続部材と前記支持部材とは、互いに当接部を備え、前記可動部材による軸方向の移動操作力が前記断続部材に伝達されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載のクラッチ装置であって、前記一方の回転部材と他方の回転部材との間には弾性部材が配置され、前記弾性部材は、前記断続部材と前記一方の回転部材との間の軸方向位置を設定すると共に、前記当接部を介して前記可動部材と前記電磁石との軸方向位置を設定可能であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクラッチ装置であって、前記一方の回転部材に対する前記断続部材の回転方向の係合部と、前記一方の回転部材に対する前記支持部材の回転方向の係合部とは、それぞれ異なる箇所に設けられていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のクラッチ装置であって、前記一方の回転部材に対する前記支持部材の回転方向の係合部は、前記支持部材と前記一方の回転部材とにそれぞれ設けられた孔部と、これらの孔部に挿入されたピンとからなることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のクラッチ装置を備えたデファレンシャル装置であって、駆動力が入力するデフケースと、このデフケースと相対回転可能に前記デフケース内に配置されて駆動力を出力する一対の出力部材とを備え、前記一方の回転部材は前記デフケースであり、他方の回転部材は前記一対の出力部材の一方、又は前記デフケースと前記一対の出力部材との間を駆動的に連結する中間部材であり、前記クラッチ装置を断続することにより、前記断続部材を介してデフケースに入力された駆動力が、前記一対の出力部材に断続的に伝達可能であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載のデファレンシャル装置であって、前記一方の回転部材は前記デフケースとしてのアウタケースであり、前記他方の回転部材は前記アウタケースの内周側に配置され前記中間部材としてのピニオンを介して前記一対の出力部材に駆動力を出力する前記中間部材としてのインナケースであり、前記断続部は前記断続部材と前記インナケースとの間に設けられていることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項7記載のデファレンシャル装置であって、前記他方の回転部材は前記一対の出力部材の一方であり、前記断続部は前記断続部材と前記一方の出力部材との間に設けられていることを特徴とする。
請求項1のクラッチ装置は、可動部材の支持部材が一方の回転部材に対して軸方向移動可能でかつ一方の回転部材と一体回転可能に支持されているので、電磁石に可動部材を直接支持させることがなく、電磁石と可動部材のプランジャとの間に磁束を透過可能なエアギャップを設けることができる。
また、非磁性体からなる支持部材を一方の回転部材に支持するので、電磁石とプランジャと一方の回転部材との間に形成される磁路の磁束の多くが一方の回転部材に分岐されることが抑制され、一方の回転部材を有効に利用して磁路効率を向上させることができる。
従って、電磁石に可動部材を直接支持させることがないと共に、磁路の磁束の多くが一方の回転部材に分岐されることを抑制できるので、可動部材を正確に作動させることができる。
請求項2のクラッチ装置は、支持部材に可動部材の軸方向位置を検出する位置検出部が設けられているので、電磁石の外径側に配置された可動部材の軸方向位置を位置検出部によって検出することができ、可動部材が電磁石の内径側に配置された場合に比較して、可動部材の位置検出を簡素化することができる。
請求項3のクラッチ装置は、断続部材と支持部材とが互いに当接部を備え、可動部材による軸方向の移動操作力が断続部材に伝達されるので、断続部材と支持部材との間で回転方向に相対的な位相差が生じたとしても、互いの当接面でその位相差を吸収可能となり、正確に作動される可動部材によって直接的に断続部材を作動させることができ、断続部の断続特性を安定化させることができる。
請求項4のクラッチ装置は、一方の回転部材と他方の回転部材との間に弾性部材が配置され、弾性部材が断続部材と一方の回転部材との間の軸方向位置を設定すると共に、当接部を介して可動部材と電磁石との軸方向位置を設定可能であるので、弾性部材を配置することにより周辺部材の軸方向の位置決めを容易に行うことができる。
請求項5のクラッチ装置は、一方の回転部材に対する断続部材の回転方向の係合部と、一方の回転部材に対する支持部材の回転方向の係合部とがそれぞれ異なる箇所に設けられているので、一方の回転部材に対する係合部の位置が1箇所に集中することがなく、一方の回転部材の剛性を保持することができる。
請求項6のクラッチ装置は、一方の回転部材に対する支持部材の回転方向の係合部が支持部材と一方の回転部材とにそれぞれ設けられた孔部と、これらの孔部に挿入されたピンとからなるので、支持部材の一方の回転部材に対する軸方向移動可能な構造と支持部材の一方の回転部材と一体回転可能に支持される構造とを簡素化することができる。
請求項7のデファレンシャル装置は、一方の回転部材がデフケースであり、他方の回転部材が一対の出力部材の一方、又はデフケースと一対の出力部材との間を駆動的に連結する中間部材であり、クラッチ装置を断続することにより、断続部材を介してデフケースに入力された駆動力が一対の出力部材に断続的に伝達可能であるので、可動部材を正確に作動させることができるクラッチ装置を搭載することにより、デフケースと一対の出力部材との間の動力伝達を確実に断続することができる。
請求項8のデファレンシャル装置は、一方の回転部材がデフケースとしてのアウタケースであり、他方の回転部材がアウタケースの内周側に配置され中間部材としてのピニオンを介して一対の出力部材に駆動力を出力する中間部材としてのインナケースであり、断続部が断続部材とインナケースとの間に設けられているので、可動部材を正確に作動させることにより、アウタケースとインナケースとの間の動力伝達を確実に断続することができる。
請求項9のデファレンシャル装置は、他方の回転部材が一対の出力部材の一方であり、断続部が断続部材と一方の出力部材との間に設けられているので、可動部材を正確に作動させることにより、デフケースと一対の出力部材との間の相対回転を確実に断続することができる。
本発明の第1実施形態に係るクラッチ装置とデファレンシャル装置の断面図である。 本発明の第2実施形態に係るクラッチ装置とデファレンシャル装置の断面図である。
図1,図2を用いて本発明の実施の形態に係るクラッチ装置及びこのクラッチ装置を備えたデファレンシャル装置について説明する。
(第1実施形態)
図1を用いて第1実施形態について説明する。
本実施の形態に係るクラッチ装置1は、相対回転可能に配置された一対の回転部材としてのアウタケース3とインナケース5と、アウタケース3と一体回転可能で軸方向移動可能に設けられた断続部材7と、この断続部材7とインナケース5との間に設けられアウタケース3とインナケース5との間を断続する断続部9と、断続部材7を移動操作する可動部材11と、アウタケース3に対して軸方向に隣接配置され可動部材11を作動させる電磁石13とを備えている。
そして、可動部材11は、電磁石13の外径側に配置され電磁石13の磁束を透過する磁性体からなるプランジャ15と、このプランジャ15の外径側に一体的に設けられ断続部材7を移動操作する非磁性体からなる支持部材17とを有し、支持部材17は、アウタケース3に対して軸方向移動可能でかつアウタケース3と一体回転可能に支持され、電磁石13とプランジャ15とアウタケース3との間には、電磁石13の磁束を透過して磁路が形成される。
また、支持部材17には、可動部材11の軸方向位置を検出する位置検出部19が設けられている。
さらに、断続部材7と支持部材17とは、互いに当接部21を備え、可動部材11による軸方向の移動操作力が断続部材7に伝達される。
また、アウタケース3とサイドギヤ105との間には弾性部材23が配置され、弾性部材23は、断続部材7とアウタケース3との間の軸方向位置を設定すると共に、当接部21を介して可動部材11と電磁石13との軸方向位置を設定可能である。
さらに、アウタケース3に対する断続部材7の回転方向の係合部25と、アウタケース3に対する支持部材17の回転方向の係合部27とは、それぞれ異なる箇所に設けられている。
また、アウタケース3に対する支持部材17の回転方向の係合部27は、支持部材17とアウタケース3とにそれぞれ設けられた孔部29,31と、これらの孔部29,31に挿入されたピン33とからなる。
さらに、本実施の形態に係るクラッチ装置1を備えたデファレンシャル装置101は、駆動力が入力するデフケースとしてのアウタケース3と、このアウタケース3と相対回転可能にアウタケース3内に配置されて駆動力を出力する一対の出力部材としてのサイドギヤ103,105と、アウタケース3と一対のサイドギヤ103,105との間を駆動的に連結する中間部材としてのピニオン107及びインナケース5とを備えている。
そして、一方の回転部材はアウタケース3であり、他方の回転部材はアウタケース3の内周側に配置されピニオン107を介して一対のサイドギヤ103,105に駆動力を出力するインナケース5であり、クラッチ装置1を断続することにより、断続部材7を介してアウタケース3に入力された駆動力が、一対のサイドギヤ103,105に断続的に伝達可能である。
また、断続部9は断続部材7とインナケース5との間に設けられている。
図1に示すように、デファレンシャル装置101は、アウタケース3と、インナケース5と、差動機構109とを備えている。アウタケース3は、軸方向両側に形成されたボス部111,113でそれぞれベアリング(不図示)を介してキャリアなどの静止系部材(不図示)に回転可能に支持されている。また、アウタケース3には、リングギヤ(不図示)が固定されるフランジ部115が形成され、、リングギヤが駆動力を伝達する動力伝達ギヤ(不図示)と噛み合い、駆動力が伝達されてアウタケース3を回転駆動させる。このアウタケース3には、インナケース5がアウタケース3と相対回転可能に収容されている。
インナケース5は、筒状に形成され、外周側でアウタケース3と相対回転可能に支持されている。このインナケース5の内周側には、差動機構109が収容されている。
差動機構109は、ピニオンシャフト117と、ピニオン107と、一対のサイドギヤ103,105とを備えている。中間部材の1つであるピニオンシャフト117は、端部をインナケース5に係合してピン119で抜け止めされインナケース5と一体に回転駆動される。このピニオンシャフト117には、ピニオン107が支承されている。
ピニオン107は、ピニオンシャフト117に支承されてインナケース5の回転によって公転する。また、ピニオン107は、一対のサイドギヤ103,105に駆動力を伝達すると共に、噛み合っている一対のサイドギヤ103,105に差回転が生じると回転駆動されるようにピニオンシャフト117に自転可能に支持されている。
一対のサイドギヤ103,105は、ボス部121,123でアウタケース3に相対回転可能に支持され、ピニオン107と噛み合っている。また、サイドギヤ103,105とアウタケース3との間には、ピニオン107との噛み合い反力によるサイドギヤ103,105の軸方向への移動を受けるスラストワッシャ125,127が配置されている。この一対のサイドギヤ103,105は、内周側にスプライン形状の連結部129,131が設けられ、出力側の部材に連結された駆動軸(不図示)がサイドギヤ103,105と一体回転可能に連結され、アウタケース3に入力された駆動力を出力側の部材へ出力する。
このようなデファレンシャル装置101には、アウタケース3とインナケース5との間の動力伝達を断続するクラッチ装置1が搭載されており、クラッチ装置1が接続されると、アウタケース3とインナケース5とが接続され、アウタケース3に入力された駆動力がインナケース5を介して差動機構109に伝達され、出力側の部材に出力される。すなわち、このクラッチ装置1を搭載したデファレンシャル装置101は、いわゆるフリーランニングデフとなっている。
クラッチ装置1は、アウタケース3とインナケース5とを含め、断続部材7と、断続部9と、電磁石13と、可動部材11とを備えている。
断続部材7は、アウタケース3の内部空間側に収容される基部が環状に形成され、この基部の外周面がアウタケース3の内周支持面に対して径方向に支持され、インナケース5とアウタケース3の側壁35との軸方向の間に軸方向移動可能に配置されている。また、断続部材7には、環状に形成された基部と連続して周方向に複数の係合凸部37が設けられ、アウタケース3の側壁35の回転方向間に開口して設けられた複数の開口部39に係合して断続部材7がアウタケース3に回り止めされ、アウタケース3と一体回転可能に配置されている。この断続部材7の係合凸部37とアウタケース3の開口部39とからなる係合部25には、カム機構が設けられている。
係合部25は、係合凸部37と開口部39との周方向の対向面に形成された同一傾斜のカム面からなるカム機構となっている。このカム機構は、断続部材7が断続部9の接続方向に移動されたときに、アウタケース3の回転によってカム面が係合することにより、断続部材7をさらに断続部9の接続方向に移動させ、断続部9の接続を強化させる。
断続部9は、インナケース5と断続部材7との軸方向間に設けられ、インナケース5と断続部材7とにそれぞれ周方向に複数形成されて互いに噛み合う噛み合い歯となっている。この断続部9が互いに噛み合うことにより、インナケース5と断続部材7とが一体回転可能に接続され、インナケース5とアウタケース3との間の動力伝達が可能となる。この断続部9は、断続部材7を移動操作する可動部材11を作動する電磁石13によって制御可能に断続操作される。
電磁石13は、アウタケース3のボス部113の外周側で側壁35に対して軸方向に隣接配置され、電磁コイル41と、コア43とを備えている。電磁コイル41は、樹脂でモールド成形され、コア43に収容されている。コア43は、磁性材料から形成され電磁コイル41のリード線を取り出す孔が形成され、リード線は外部に引き出された後に、コントローラ(不図示)に接続されており、コントローラによって電磁コイル41への通電が制御されている。また、コア43の軸方向端面にはアウタケース3のボス部113の外周に固定されたスナップリングなどの固定部材45が当接されて電磁石13の軸方向位置が位置決めされると共に、回り止め部材(不図示)などによってキャリアなどの静止系部材に対して電磁石13が回転方向に回り止めされている。この電磁石13の外径側には、可動部材11が配置され、電磁石13への通電により可動部材11が移動操作される。
可動部材11は、プランジャ15と、支持部材17とを備えている。プランジャ15は、磁性材料から形成され、磁束が透過可能に設定されたエアギャップをもって電磁石13の外径側に配置されている。このプランジャ15の外周には、支持部材17が一体に固定されている。
支持部材17は、非磁性材料から形成され、プランジャ15の外周側から磁束が漏れることを防止している。また、支持部材17は、係合部27を介してアウタケース3に対して軸方向移動可能でかつアウタケース3と一体回転可能に支持されている。この係合部27は、アウタケース3に対する断続部材7の回転方向の係合部25と径方向位置が異なるように、係合部25よりも外径側に設けられ、支持部材17とアウタケース3とにそれぞれ設けられた孔部29,31と、これらの孔部29,31に挿入されたピン33とからなる。このような係合部27でアウタケース3に対して可動部材11を支持することにより、可動部材11を電磁石13に直接支持させることがなく、プランジャ15の内周と電磁石13の外周との間にエアギャップを設けることができる。なお、ピン33は基本的にアウタケース3側の孔部31にタイトに固定され、支持部材17側の孔部29とピン33の外周との間は、互いの軸方向の相対移動が可能な嵌め合い関係をなしているが、ピン33がいずれかにタイトに固定されるかは、支持状態や作動状態を考慮して適宜設定されればよい。
また、可動部材11の支持部材17と断続部材7との軸方向の対向面には互いに当接する当接部21が設けられている。この当接部21により、電磁石13によって作動される可動部材11による軸方向の移動操作力が断続部材7に伝達される。また、この当接部21よりも内径側のアウタケース3とサイドギヤ105の背面側との間には、弾性部材23が配置されている。この弾性部材23は、断続部材7と当接され、断続部材7を断続部9の接続解除方向に付勢する付勢力を有する。また、弾性部材23は、断続部材7と当接することにより断続部材7とアウタケース3との間の軸方向位置を設定すると共に、当接部21を介して可動部材11と電磁石13との軸方向位置を設定する。また、支持部材17の軸方向端部の外周には、可動部材11の軸方向位置を検出するポジションスイッチ47と当接される位置検出部19が設けられている。この位置検出部19により、他の部材を介することなく、直接的に可動部材11の軸方向位置を検出することができる。なお、ポジションスイッチ47は、キャリアや車体フレームなどの静止系部材49に固定されてコントローラに接続されており、可動部材11の軸方向位置の検出情報によって各部材の作動が制御されたり、ドライバーに対してクラッチ装置の断続状態を認知可能に表示したりしている。
このように構成されたクラッチ装置1では、電磁石13の励磁によりコア43とプランジャ15とアウタケース3の側壁35を透過する磁束で形成される最短の磁束ループを有効に用いることによって、プランジャ15が断続部材7側に移動操作され、支持部材17が当接部21を介して断続部材7を軸方向移動させる。この可動部材11によって移動操作された断続部材7は、弾性部材23の付勢力に抗して断続部9の接続方向に移動され、断続部9が接続される。この断続部9の接続により、インナケース5と断続部材7とが一体回転可能に接続され、インナケース5とアウタケース3との間の動力伝達が可能となる。
このようなクラッチ装置1では、可動部材11の支持部材17がアウタケース3に対して軸方向移動可能でかつアウタケース3と一体回転可能に支持されているので、電磁石13に可動部材11を直接支持させることがなく、電磁石13と可動部材11のプランジャ15との間に磁束を透過可能なエアギャップを設けることができる。
また、非磁性体からなる支持部材17をアウタケース3に支持するので、電磁石13とプランジャ15とアウタケース3との間に形成される磁路の磁束の多くがアウタケース3に分岐されることがなく、又は大幅に抑制され、アウタケース3を有効に利用して磁路効率を向上させることができる。
従って、電磁石13に可動部材11を直接支持させることがないと共に、磁路の磁束の多くがアウタケース3に分岐されることがない、又は大幅に抑制されるので、可動部材11を正確に作動させることができる。
また、支持部材17に可動部材11の軸方向位置を検出する位置検出部19が設けられているので、電磁石13の外径側に配置された可動部材11の軸方向位置を位置検出部19によって直接検出することができ、可動部材11が電磁石13の内径側に配置された場合に比較して、部品点数を削減することができ、可動部材11の位置検出を簡素化することができる。
さらに、断続部材7と支持部材17とが互いに当接部21を備え、可動部材11による軸方向の移動操作力が断続部材7に伝達されるので、断続部材7と支持部材17との間で回転方向に相対的な位相差が生じたとしても、互いの当接面でその位相差を吸収することが可能となり、正確に作動される可動部材11によって直接的に断続部材7を作動させることができ、断続部9の断続特性を安定化させることができる。
また、アウタケース3とサイドギヤ105との間に弾性部材23が配置され、弾性部材23が断続部材7とアウタケース3との間の軸方向位置を設定すると共に、当接部21を介して可動部材11と電磁石13との軸方向位置を設定可能であるので、弾性部材23を配置することにより周辺部材の軸方向の位置決めを容易に行うことができる。
さらに、アウタケース3に対する断続部材7の回転方向の係合部25と、アウタケース3に対する支持部材17の回転方向の係合部27とがそれぞれ異なる箇所に設けられているので、アウタケース3に対する係合部25,27の位置が1箇所に集中することがなく、アウタケース3の剛性を保持することができる。
また、アウタケース3に対する支持部材17の回転方向の係合部27が支持部材17とアウタケース3とにそれぞれ設けられた孔部29,31と、これらの孔部29,31に挿入されたピン33とからなるので、支持部材17のアウタケース3に対する軸方向移動可能な構造と支持部材17のアウタケース3と一体回転可能に支持される構造とを簡素化することができる。
さらに、デファレンシャル装置101は、一方の回転部材がデフケースとしてのアウタケース3であり、他方の回転部材がアウタケース3と一対のサイドギヤ103,105との間を駆動的に連結する中間部材としてのピニオンシャフト117,ピニオン107及びインナケース5であり、クラッチ装置1を断続することにより、断続部材7を介してアウタケース3に入力された駆動力が一対のサイドギヤ103,105に断続的に伝達可能であるので、可動部材11を正確に作動させることができるクラッチ装置1を搭載することにより、アウタケース3と一対のサイドギヤ103,105との間の動力伝達を確実に断続することができる。
また、一方の回転部材がアウタケース3であり、他方の回転部材がアウタケース3の内周側に配置され中間部材としてのピニオン107を介して一対のサイドギヤ103,105に駆動力を出力する中間部材としてのインナケース5であり、断続部9が断続部材7とインナケース5との間に設けられているので、可動部材11を正確に作動させることにより、アウタケース3とインナケース5との間の動力伝達を確実に断続することができる。
なお、差動機構109は、種々の形態をとりうることが可能なので、中間部材は上述した部材に限定されることはなく、その差動機構の形態に沿った部材構成に適合する。
(第2実施形態)
図2を用いて第2実施形態について説明する。
本実施の形態に係るクラッチ装置201は、相対回転可能に配置された一対の回転部材としてのデフケース203とサイドギヤ205と、デフケース203と一体回転可能で軸方向移動可能に設けられた断続部材207と、この断続部材207とサイドギヤ205との間に設けられデフケース203とサイドギヤ205との間を断続する断続部209と、断続部材207を移動操作する可動部材211と、デフケース203に対して軸方向に隣接配置され可動部材211を作動させる電磁石213とを備えている。
そして、可動部材211は、電磁石213の外径側に配置され電磁石213の磁束を透過する磁性体からなるプランジャ215と、このプランジャ215の外径側に一体的に設けられ断続部材207を移動操作する非磁性体からなる支持部材217とを有し、支持部材217は、デフケース203に対して軸方向移動可能でかつデフケース203と一体回転可能に支持され、電磁石213とプランジャ215とデフケース203との間には、電磁石213の磁束を透過して磁路が形成される。
また、支持部材217には、可動部材211の軸方向位置を検出する位置検出部219が設けられている。
さらに、断続部材207と支持部材217とは、互いに当接部221を備え、可動部材211による軸方向の移動操作力が断続部材207に伝達される。
また、サイドギヤ205と断続部材207との間には弾性部材223が配置され、弾性部材223は、断続部材207とデフケース203との間の軸方向位置を設定すると共に、当接部221を介して可動部材211と電磁石213との軸方向位置を設定可能である。
さらに、デフケース203に対する断続部材207の回転方向の係合部225と、デフケース203に対する支持部材217の回転方向の係合部227とは、それぞれ異なる箇所に設けられている。
また、デフケース203に対する支持部材217の回転方向の係合部227は、支持部材217とデフケース203とにそれぞれ設けられた孔部229,231と、これらの孔部229,231に挿入されたピン233とからなる。
さらに、本実施の形態に係るクラッチ装置201を備えたデファレンシャル装置301は、駆動力が入力するデフケース203と、このデフケース203と相対回転可能にデフケース203内に配置されて駆動力を出力する一対の出力部材としてのサイドギヤ303,205と、デフケース203と一対のサイドギヤ303,205との間を駆動的に連結する中間部材としてのピニオン305を備えている。
そして、一方の回転部材はデフケース203であり、他方の回転部材はサイドギヤ205であり、クラッチ装置201を断続することにより、断続部材207を介してデフケース203に入力された駆動力が、一対のサイドギヤ303,205に断続的に伝達可能である。
また、断続部209は断続部材207とサイドギヤ205との間に設けられている。
図2に示すように、デファレンシャル装置301は、デフケース203と、ピニオンシャフト307と、ピニオン305と、一対のサイドギヤ303,205とからなる差動機構309を備えている。デフケース203は、軸方向両側に形成されたボス部311,313でそれぞれベアリング(不図示)を介してキャリアなどの静止系部材(不図示)に回転可能に支持されている。また、デフケース203には、リングギヤ(不図示)が固定されるフランジ部315が形成され、、リングギヤが駆動力を伝達する動力伝達ギヤ(不図示)と噛み合い、駆動力が伝達されてデフケース203を回転駆動させる。このデフケース203内には、ピニオンシャフト307と、ピニオン305と、一対のサイドギヤ303,205とが収容されている。
中間部材の1つであるピニオンシャフト307は、端部をデフケース203に係合してピン317で抜け止めされデフケース203と一体に回転駆動される。このピニオンシャフト307には、ピニオン305が支承されている。
ピニオン305は、ピニオンシャフト307に支承されてデフケース203の回転によって公転する。また、ピニオン305は、一対のサイドギヤ303,205に駆動力を伝達すると共に、噛み合っている一対のサイドギヤ303,205に差回転が生じると回転駆動されるようにピニオンシャフト307に自転可能に支持されている。また、ピニオン305の背面側とデフケース203との間には、ピニオン305の公転時に発生する径方向への移動を受ける球面ワッシャ319が配置されている。
一対のサイドギヤ303,205は、ボス部321,323でデフケース203に相対回転可能に支持され、ピニオン305と噛み合っている。また、サイドギヤ303,205とデフケース203との間には、ピニオン305との噛み合い反力によるサイドギヤ303,205の軸方向への移動を受けるスラストワッシャ325,327が配置されている。また、サイドギヤ303,205の背面側に位置するデフケース203には、デフケース203内に流入された潤滑油を流通させる油溝329,331が設けられている。この一対のサイドギヤ303,205は、内周側にスプライン形状の連結部333,335が設けられ、出力側の部材に連結された駆動軸(不図示)がサイドギヤ303,205と一体回転可能に連結され、デフケース203に入力された駆動力を出力側の部材へ出力する。
このようなデファレンシャル装置301には、デフケース203とサイドギヤ205との間の動力伝達、詳細には差動機構309の差動を断続するクラッチ装置201が搭載されており、クラッチ装置201が接続されると、デフケース203とサイドギヤ205とが接続され、差動機構309の差動がロック状態となる。この状態では、デフケース203に入力された駆動力が一対のサイドギヤ303,205に対して均等に出力される。すなわち、このクラッチ装置201を搭載したデファレンシャル装置301は、いわゆるデフロック機能を有するデファレンシャル装置となっている。
クラッチ装置201は、デフケース203とサイドギヤ205とを含め、断続部材207と、断続部209と、電磁石213と、可動部材211とを備えている。
断続部材207は、デフケース203の内部空間側に収容される基部が環状に形成され、この基部の内周面がサイドギヤ205の背面側に形成された外周支持面に対して径方向に支持され、サイドギヤ205の背面側とデフケース203の側壁235との軸方向の間に軸方向移動可能に配置されている。また、断続部材207には、環状に形成された基部と連続して周方向に複数の係合凸部237が設けられ、デフケース203の側壁235の回転方向間に開口して設けられた複数の開口部239に係合して断続部材207がデフケース203に回り止めされ、デフケース203と一体回転可能に配置されている。この断続部材207の係合凸部237とデフケース203の開口部239とからなる係合部225には、カム機構が設けられている。
係合部225は、係合凸部237と開口部239との周方向の対向面に形成された同一傾斜のカム面からなるカム機構となっている。このカム機構は、断続部材207が断続部209の接続方向に移動されたときに、デフケース203の回転によってカム面が係合することにより、断続部材207をさらに断続部209の接続方向に移動させ、断続部209の接続を強化させる。
断続部209は、サイドギヤ205の背面側と断続部材207との軸方向間に設けられ、サイドギヤ205と断続部材207とにそれぞれ周方向に複数形成されて互いに噛み合う噛み合い歯となっている。この断続部209が互いに噛み合うことにより、サイドギヤ205と断続部材207とが一体回転可能に接続され、サイドギヤ205とデフケース203とが接続されて差動機構309がロック状態となる。この断続部209は、断続部材207を移動操作する可動部材211を作動する電磁石213によって制御可能に断続操作される。
電磁石213は、デフケース203のボス部313の外周側で側壁235に対して軸方向に隣接配置され、電磁コイル241と、コア243とを備えている。電磁コイル241は、樹脂でモールド成形され、コア243に収容されている。コア243は、磁性材料から形成され電磁コイル241のリード線を取り出す孔が形成され、リード線は外部に引き出された後に、コントローラ(不図示)に接続されており、コントローラによって電磁コイル241への通電が制御されている。また、コア243の軸方向端面にはデフケース203のボス部313の外周に固定されたスナップリングなどの固定部材245が当接されて電磁石213の軸方向位置が位置決めされると共に、回り止め部材(不図示)などによってキャリアなどの静止系部材に対して電磁石213が回転方向に回り止めされている。この電磁石213の外径側には、可動部材211が配置され、電磁石213への通電により可動部材211が移動操作される。
可動部材211は、プランジャ215と、支持部材217とを備えている。プランジャ215は、磁性材料から形成され、磁束が透過可能に設定されたエアギャップをもって電磁石213の外径側に配置されている。このプランジャ215の外周には、支持部材217が一体に固定されている。
支持部材217は、非磁性材料から形成され、プランジャ215の外周側から磁束が漏れることを防止している。また、支持部材217は、係合部227を介してデフケース203に対して軸方向移動可能でかつデフケース203と一体回転可能に支持されている。この係合部227は、デフケース203に対する断続部材207の回転方向の係合部225と径方向位置が異なるように、係合部225よりも外径側に設けられ、支持部材217とデフケース203とにそれぞれ設けられた孔部229,231と、これらの孔部229,231に挿入されたピン233とからなる。このような係合部227でデフケース203に対して可動部材211を支持することにより、可動部材211を電磁石213に直接支持させることがなく、プランジャ215の内周と電磁石13の外周との間にエアギャップを設けることができる。なお、ピン233は基本的にデフケース203側の孔部231にタイトに固定され、支持部材217側の孔部229とピン233の外周との間は、互いの軸方向の相対移動が可能な嵌め合い関係をなしているが、ピン233がいずれかにタイトに固定されるかは、支持状態や作動状態を考慮して適宜設定されればよい。
また、可動部材211の支持部材217と断続部材207との軸方向の対向面には互いに当接する当接部221が設けられている。この当接部221により、電磁石213によって作動される可動部材211による軸方向の移動操作力が断続部材207に伝達される。また、この当接部221よりも内径側の断続部材207とサイドギヤ205の背面側との間には、弾性部材223が配置されている。この弾性部材223は、断続部材207と当接され、断続部材207を断続部209の接続解除方向に付勢する付勢力を有する。また、弾性部材223は、断続部材207と当接することにより断続部材207とデフケース203との間の軸方向位置を設定すると共に、当接部221を介して可動部材211と電磁石213との軸方向位置を設定する。また、支持部材217の軸方向端部の外周には、可動部材211の軸方向位置を検出するポジションスイッチ247と当接される位置検出部219が設けられている。この位置検出部219により、他の部材を介することなく、直接的に可動部材211の軸方向位置を検出することができる。なお、ポジションスイッチ247は、キャリアや車体フレームなどの静止系部材249に固定されてコントローラに接続されており、可動部材211の軸方向位置の検出情報によって各部材の作動が制御されたり、ドライバーに対してクラッチ装置の断続状態を認知可能に表示したりしている。
このように構成されたクラッチ装置201では、電磁石213の励磁によりコア243とプランジャ215とデフケース203の側壁235を透過する磁束で形成される最短の磁束ループを有効に用いることによって、プランジャ215が断続部材207側に移動操作され、支持部材217が当接部221を介して断続部材207を軸方向移動させる。この可動部材211によって移動操作された断続部材207は、弾性部材223の付勢力に抗して断続部209の接続方向に移動され、断続部209が接続される。この断続部209の接続により、サイドギヤ205と断続部材207とが一体回転可能に接続され、サイドギヤ205とデフケース203とが接続されて差動機構309がロック状態となる。
このようなクラッチ装置201では、可動部材211の支持部材217がデフケース203に対して軸方向移動可能でかつデフケース203と一体回転可能に支持されているので、電磁石213に可動部材211を直接支持させることがなく、電磁石213と可動部材211のプランジャ215との間に磁束を透過可能なエアギャップを設けることができる。
また、非磁性体からなる支持部材217をデフケース203に支持するので、電磁石213とプランジャ215とデフケース203との間に形成される磁路の磁束の多くがデフケース203に分岐されることがなく、又は大幅に抑制され、デフケース203を有効に利用して磁路効率を向上させることができる。
従って、電磁石213に可動部材211を直接支持させることがないと共に、磁路の磁束の多くがデフケース203に分岐されることがない、又は大幅に抑制されるので、可動部材211を正確に作動させることができる。
また、支持部材217に可動部材211の軸方向位置を検出する位置検出部219が設けられているので、電磁石213の外径側に配置された可動部材211の軸方向位置を位置検出部219によって直接検出することができ、可動部材211が電磁石213の内径側に配置された場合に比較して、部品点数を削減することができ、可動部材211の位置検出を簡素化することができる。
さらに、断続部材207と支持部材217とが互いに当接部221を備え、可動部材211による軸方向の移動操作力が断続部材207に伝達されるので、断続部材207と支持部材217との間で回転方向に相対的な位相差が生じたとしても、互いの当接面でその位相差を吸収することが可能となり、正確に作動される可動部材211によって直接的に断続部材207を作動させることができ、断続部209の断続特性を安定化させることができる。
また、デフケース203とサイドギヤ205との間に弾性部材223が配置され、弾性部材223が断続部材207とデフケース203との間の軸方向位置を設定すると共に、当接部221を介して可動部材211と電磁石213との軸方向位置を設定可能であるので、弾性部材223を配置することにより周辺部材の軸方向の位置決めを容易に行うことができる。
さらに、デフケース203に対する断続部材207の回転方向の係合部225と、デフケース203に対する支持部材217の回転方向の係合部227とがそれぞれ異なる箇所に設けられているので、デフケース203に対する係合部225,227の位置が1箇所に集中することがなく、デフケース203の剛性を保持することができる。
また、デフケース203に対する支持部材217の回転方向の係合部227が支持部材217とデフケース203とにそれぞれ設けられた孔部229,231と、これらの孔部229,231に挿入されたピン233とからなるので、支持部材217のデフケース203に対する軸方向移動可能な構造と支持部材217のデフケース203と一体回転可能に支持される構造とを簡素化することができる。
さらに、デファレンシャル装置301は、一方の回転部材がデフケース203であり、他方の回転部材がサイドギヤ205であり、クラッチ装置201を断続することにより、断続部材207を介してデフケース203に入力された駆動力が一対のサイドギヤ303,205に断続的に伝達可能であるので、可動部材211を正確に作動させることができるクラッチ装置201を搭載することにより、デフケース203と一対のサイドギヤ303,205との間の動力伝達を確実に断続することができる。
また、他方の回転部材がサイドギヤ205であり、断続部209が断続部材207とサイドギヤ205との間に設けられているので、可動部材211を正確に作動させることにより、デフケース203と一対のサイドギヤ303,205との間の相対回転を確実に断続することができる。
なお、本発明の実施の形態に係るクラッチ装置及びデファレンシャル装置では、断続部として噛み合いクラッチを用いているが、これに限らず、摩擦クラッチなど相対回転する一対の回転部材間の動力伝達を断続させることができる構成であれば、どのような形態であってもよい。
また、クラッチ装置をデファレンシャル装置に搭載しているが、これに限らず、差動機構を有さない一対の回転部材間の動力伝達を断続する構成に対しても、本発明のクラッチ装置を適用することができる。
1,201…クラッチ装置
3…アウタケース(一方の回転部材)
5…インナケース(他方の回転部材)
7,207…断続部材
9,209…断続部
11,211…可動部材
13,213…電磁石
15,215…プランジャ
17,217…支持部材
19,219…位置検出部
21,221…当接部
23,223…弾性部材
25,225…係合部(一方の回転部材と断続部材)
27,227…係合部(一方の回転部材と支持部材)
29,31,229,231…孔部
33,233…ピン
101,303…デファレンシャル装置
103,105,205,303…サイドギヤ(出力部材)
107,305…ピニオン(中間部材)
203…デフケース(一方の回転部材)
205…サイドギヤ(他方の回転部材)

Claims (9)

  1. 相対回転可能に配置された一対の回転部材と、この一対の回転部材のうちいずれか一方の回転部材と一体回転可能で軸方向移動可能に設けられた断続部材と、この断続部材と他方の回転部材との間に設けられ前記一対の回転部材間を断続する断続部と、前記断続部材を移動操作する可動部材と、前記一方の回転部材に対して軸方向に隣接配置され前記可動部材を作動させる電磁石とを備えたクラッチ装置であって、
    前記可動部材は、前記電磁石の外径側に配置され前記電磁石の磁束を透過する磁性体からなるプランジャと、このプランジャの外径側に一体的に設けられ前記断続部材を移動操作する非磁性体からなる支持部材とを有し、
    前記支持部材は、前記一方の回転部材に対して軸方向移動可能でかつ前記一方の回転部材と一体回転可能に支持され、前記電磁石と前記プランジャと前記一方の回転部材との間には、前記電磁石の磁束を透過して磁路が形成されることを特徴とするクラッチ装置。
  2. 請求項1記載のクラッチ装置であって、
    前記支持部材には、前記可動部材の軸方向位置を検出する位置検出部が設けられていることを特徴とするクラッチ装置。
  3. 請求項1又は2記載のクラッチ装置であって、
    前記断続部材と前記支持部材とは、互いに当接部を備え、前記可動部材による軸方向の移動操作力が前記断続部材に伝達されることを特徴とするクラッチ装置。
  4. 請求項3記載のクラッチ装置であって、
    前記一方の回転部材と他方の回転部材との間には弾性部材が配置され、前記弾性部材は、前記断続部材と前記一方の回転部材との間の軸方向位置を設定すると共に、前記当接部を介して前記可動部材と前記電磁石との軸方向位置を設定可能であることを特徴とするクラッチ装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクラッチ装置であって、
    前記一方の回転部材に対する前記断続部材の回転方向の係合部と、前記一方の回転部材に対する前記支持部材の回転方向の係合部とは、それぞれ異なる箇所に設けられていることを特徴とするクラッチ装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のクラッチ装置であって、
    前記一方の回転部材に対する前記支持部材の回転方向の係合部は、前記支持部材と前記一方の回転部材とにそれぞれ設けられた孔部と、これらの孔部に挿入されたピンとからなることを特徴とするクラッチ装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のクラッチ装置を備えたデファレンシャル装置であって、
    駆動力が入力するデフケースと、このデフケースと相対回転可能に前記デフケース内に配置されて駆動力を出力する一対の出力部材とを備え、前記一方の回転部材は前記デフケースであり、他方の回転部材は前記一対の出力部材の一方、又は前記デフケースと前記一対の出力部材との間を駆動的に連結する中間部材であり、前記クラッチ装置を断続することにより、前記断続部材を介してデフケースに入力された駆動力が、前記一対の出力部材に断続的に伝達可能であることを特徴とするデファレンシャル装置。
  8. 請求項7記載のデファレンシャル装置であって、
    前記一方の回転部材は前記デフケースとしてのアウタケースであり、前記他方の回転部材は前記アウタケースの内周側に配置され前記中間部材としてのピニオンを介して前記一対の出力部材に駆動力を出力する前記中間部材としてのインナケースであり、前記断続部は前記断続部材と前記インナケースとの間に設けられていることを特徴とするデファレンシャル装置。
  9. 請求項7記載のデファレンシャル装置であって、
    前記他方の回転部材は前記一対の出力部材の一方であり、前記断続部は前記断続部材と前記一方の出力部材との間に設けられていることを特徴とするデファレンシャル装置。
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