JP2011116684A - アディポサイトカイン生産改善剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビンチョウ鮪の頭部から抽出したビンチョウ鮪油と、キハダ鮪の頭部から抽出したキハダ鮪油との混合油より成る。ビンチョウ鮪油及びキハダ鮪油は、それぞれ鮪頭部に同量の水を加え、圧力−0.088MPaG〜−0.0971MPaG,温度30℃〜55℃で低圧・加熱しながら、少なくとも60分間蒸気を除去した後、容器を密封したまま、圧力0.2MPaG,温度60℃〜120℃で、少なくとも60分間加圧・加熱して得た抽出物を液分と固形分とに分離し、液分を静置して上澄みとして回収する。
【選択図】なし
Description
また、魚油に含まれるDHAは、脂肪細胞から分泌される生理活性物質であるアディポサイトカインの分泌調整作用を有することも知られている(特許文献1参照)。
レプチンは通常の体脂肪状態では、減少することにより体脂肪を減少させる。レプチン受容体の6つのアイソフォームの一つ、obRbが変異して、レプチンが結合できなくなり肥満を引き起こすと言われている。
また、特許文献2には、アディポネクチンとレプチン双方に作用する機能水が記載されている。
しかし、このものは、魚を利用したものではないばかりか、アディポネクチン及びレプチンを共に増加させるものであって、両サイトカインの性質を考えるとその作用が疑問視される。
前記ビンチョウ鮪油及びキハダ鮪油は、それぞれビンチョウ鮪の頭部及びキハダ鮪の頭部に同量の水を加え、圧力−0.088MPaG〜−0.0971MPaG,温度30℃〜55℃で低圧・加熱しながら、少なくとも60分間蒸気を除去した後、容器を密封したまま、圧力0.2MPaG,温度60℃〜120℃で、少なくとも60分間加圧・加熱して得た抽出物を液分と固形分とに分離し、液分を静置して上澄みとして回収すると良い。
容器に投入した原料は、鮪油の融点に近い30〜40℃、圧力−0.0939MPaG〜−0.0971MPaGで沸騰させるのが理想的であるが、真空ポンプの能力は大きなものが要求され、コストもかかることから、工業生産的には、鮪油の品質に悪影響を与えない55℃、−0.088MPaG程度で十分であると考えられる。
低圧状態で沸騰させる時間、及び、次工程において加熱・加圧する時間は60分から90分が適当であるが、それ以上であっても良い。
また、必要に応じて、上澄みとなった鮪油に6000G〜10000Gで遠心分離処理を行えば、更に清澄な魚油を採取できる。
なお、ビンチョウ鮪油を35%とキハダ鮪油を65%の割合で混合すると良い。
さらに、本発明のアディポサイトカイン生産改善剤は、ソーセージ等の食品に添加することもできる。
また、少量摂取することにより、短期間でアディポネクチンを増加させると共に、レプチンを減少させて、血圧を降下させ、中性脂肪・総コレステロール量を低下させ、HDLを増加させ、LDLを減少させることができ、この結果、生活習慣病の予防・改善に役立ち、副作用も殆どない。これは、ビンチョウ鮪油とキハダ鮪油を混合することにより、魚油に高度に含有されるEPAやDHA等のPUFA(多価不飽和脂肪酸)だけでなく、天然のビタミンE・Dを共に高濃度で含有するためではないかと考えられる。
−70℃で冷凍保存されたビンチョウ鮪の頭部16kgを冷凍のまま4つに分け、半解凍の状態になるまで放置した後、16kgの水と共に真空・圧力釜に投入した。
次に、圧力−0.088MPaG、温度55℃の条件下で60分間激しく沸騰させながら、発生した蒸気を真空ポンプにより継続的に吸引除去した。
次いで、真空吸引を停止し、真空・圧力釜を密封したまま、直ちに圧力を0.2MPaGに加圧設定すると共に、103℃まで昇温させ、60分間この加圧・加熱条件を維持した。真空状態を保ちながら加熱するため、真空・圧力釜の水蒸気の蒸発により、真空から徐々に圧力が高まり、激しい沸騰を続け、大気圧を超えた状態で沸騰が停止する。即ち、0.2MPaG、103℃の条件下では油液分は沸騰しない。
加圧・加熱処理後、真空・圧力釜から取り出した物質を、24.5kgの液分と、骨、筋組織等から成る6.2kgの固形分とに分離した。
さらに、液分を5分間静置して、上澄み部分5.3kgをビンチョウ鮪油として回収した。
そして、ビンチョウ鮪の頭部から回収したビンチョウ鮪油を35%と、キハダ鮪の頭部から回収したキハダ鮪油を65%の割合で混合し、アディポサイトカイン生産改善剤を得た。
本実施例で得られたアディポサイトカイン生産改善剤の成分分析結果を表1に示す。表1からこのアディポサイトカイン生産改善剤は、EPA、DHA、ビタミンD,Eの含有量が非常に多く、重金属、PCBの含有量が低いことがわかった。
アディポサイトカイン生産改善剤(ビンチョウ鮪油とキハダ鮪油との混合油)及び大豆油をそれぞれ300mgずつフィッシュゼラチンカプセルに詰め、混合油投与群17名とプラセボ群17名の合計34名に対し、2ヶ月間1日2粒ずつ3回、計6粒(1.8g)服用してもらった。投与終了後1ヶ月間は服用を中止し、服用中及び服用休止中の変化を測定し、P群=プラセボ群17名、T群=混合油投与群17名の平均値を求めた。
図1及び表2に、被験者の血中アディポネクチン濃度を測定した結果(大塚製薬製アディポネクチン測定ELISAKIT使用)を示す。
図3及び表4に収縮期血圧(最高血圧)の変化を示し、図4及び表5に拡張期血圧(最低血圧)の変化を示す。
P群では、最高血圧及び最低血圧がほとんど変化しなかったのに対し、T群では、服用中の最高・最低血圧が共に低下し、服用中止後は以前の状態に戻った。
被験者の血圧の平均値は殆ど正常値に近く、このような正常値との境界範囲で短期間に少量(1日1.8g)摂取で統計的有意に収縮期・拡張期血圧とも減少した。
T群は、服用中に中性脂肪が低下し、服用中止後は以前の状態に戻った。
図6及び表7に総コレステロール値の変化を示す。
また、図7及び表8に、HDLコレステロールの変化を示し、図8及び表9にLDLコレステロールの変化を示す。
なお、本発明のアディポサイトカイン生産改善剤は、カプセル、錠剤等として摂取するだけでなく、ソーセージ、ドレッシング等の食品に添加することもできる。
Claims (4)
- ビンチョウ鮪の頭部から抽出したビンチョウ鮪油と、キハダ鮪の頭部から抽出したキハダ鮪油との混合油より成ることを特徴としたアディポサイトカイン生産改善剤。
- 前記ビンチョウ鮪油及びキハダ鮪油は、それぞれビンチョウ鮪の頭部及びキハダ鮪の頭部から下記aの方法により抽出してある請求項1に記載のアディポサイトカイン生産改善剤。
a.鮪頭部に同量の水を加え、圧力−0.088MPaG〜−0.0971MPaG,温度30℃〜55℃で低圧・加熱しながら、少なくとも60分間蒸気を除去した後、容器を密封したまま、圧力0.2MPaG,温度60℃〜120℃で、少なくとも60分間加圧・加熱して得た抽出物を液分と固形分とに分離し、液分を静置して鮪油を上澄みとして回収する。 - 前記ビンチョウ鮪油を35%とキハダ鮪油を65%の割合で混合した請求項1又は2に記載のアディポサイトカイン生産改善剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のアディポサイトカイン生産改善剤を添加してあることを特徴とした食品。
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