JP2011116576A - 水素製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性の高い小型の水素製造装置を提供する。
【解決手段】原料ガスを改質する触媒機能と水素分離層30等を支持する役割とを有する有底管形状の支持体である改質触媒層50の上に、多孔質体のニッケル成分と水素分離層30のパラジウム成分とが拡散しないようにする、イットリア安定化ジルコニアで形成された反応防止層40を形成する。反応防止層40の上に安定化ジルコニアで形成された多孔質層中に水素透過性金属材料であるパラジウムを充填した水素分離層30を形成する。水素分離層30の表面を保護するために、水素分離層30の上にイットリア安定化ジルコニアで形成された表面保護層20を形成する。このように形成された水素分離筒3の改質触媒層50側から原料ガスを供給すると、原料ガスは改質触媒層50で改質され、さらに水素分離層30において水素を透過して分離し、表面保護層20側へ排出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、原料ガスを改質して水素を分離する水素製造装置に関する。
従来、水素製造装置として、多孔質基材上に微細粒子を成層してなる多孔質体に水素透過性金属又は水素透過性合金を充填し、その上に保護材を成層してなる水素分離膜を用い、改質ガスから水素を分離して製造する装置があった。この水素分離膜は、膜に水素脆性などによる欠陥が生じたとしても欠陥のサイズが極めて小さいので、広範囲の温度及び圧力条件下で使用可能であるという特徴がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−301514号公報
ところが、上記水素分離膜では、水素分離膜に剥離や欠陥が生じても水素分離が可能であるが、メタン等の原料ガスを改質して水素を取り出す水素製造装置とする場合には、別途原料ガス改質用の触媒を設置する必要があり装置を小型化することができないという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、耐久性の高い小型の水素製造装置を提供することを目的とする。
かかる問題を解決するためになされた水素製造装置(1:この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための形態」欄において用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、改質触媒層(50)、水素分離層(30)、反応防止層(40)及び表面保護層(20)を備えている。
改質触媒層(50)は、原料ガスを改質し、水素を生成する触媒機能を有する層であり、水素分離層(30)は、水素を選択的に透過させ分離する層である。また、反応防止層(40)は、改質触媒層(50)の触媒と水素分離層(30)の水素分離材料との反応を防止する層であり、表面保護層(20)は、水素分離層(30)の表面を保護する層である。
このような水素製造装置(1)では、改質触媒層(50)で原料ガスが改質され、水素が生成される。生成された水素は、反応防止層(40)を通過し、水素分離層(30)において、選択的に透過され分離される。そして、分離された水素ガスは、表面保護層(20)を透過して導出される。
このように、改質触媒層(50)が改質触媒機能を有しているので、改質触媒層(50)で原料ガスの改質が行われる。したがって、別途改質触媒を設置する必要がないので、水素製造装置(1)として小型化が可能となる。
また、水素分離層(30)よりも熱伝導の低い反応防止層(40)を設ければ、吸熱反応である改質反応による温度低下の影響を水素分離層(30)は受け難くなる。そのため、水素分離層(30)は高い温度を保つ(水素透過性能は高温ほど高くなる)ので、性能を充分に発揮できる。
また、改質触媒層(50)の組成として種々のものが考えられるが、本発明のように、ニッケル(Ni)又はルテニウム(Ru)のうち少なくとも何れかを含むサーメットであると、セラミックスやセラミックスに触媒を担持した場合と比較し、熱伝導率が高いため、吸熱反応である改質反応における温度低下を起こしても熱伝導による熱の移動が速やかに起こり、改質触媒層全体の温度の均一化が図られるので、原料ガスの改質を効率よく行うことができる。また、サーメットであると熱膨張係数が、水素透過性金属に近くなるため、水素分離層(30)の剥離や改質触媒層(50)の破壊を起こし難くなるので、耐久性を向上できる。
さらに、本発明のように、水素分離層(30)が多孔質材料の細孔内に水素透過性金属を充填された構造であると、水素分離層(30)に対して力や熱応力が加わったとしても水素分離層(30)が多孔質材料から剥離することがなくなる。したがって、多孔質支持層上に水素透過膜を形成する従来の水素分離装置に比べ、圧力や熱サイクルによる膜の剥離に対して強くなる。
また、本発明のように、反応防止層(40)の改質触媒層(50)側から水素分離層(30)側に向けて、水素透過性金属が担持されている量が増加していくと、水素製造装置(1)としてより性能を発揮できる。
これは、反応防止層(40)中の水素透過性金属が、触媒として作用し、原料ガスからの水素の生成や生成した水素の乖離等、水素製造における反応を促進させる効果があるためである。
ところで、水素製造装置(1)として構成するためには、所定の強度を保つ必要があるので、強度を保つための支持体を形成する必要がある。そこで、本発明のように、改質触媒層(50)又は反応防止層(40)を支持体とするとよい。
このようにすると、改質触媒層(50)を支持体とした場合には、水素製造装置(1)を形成する積層された層のうち一端の層が支持体となる。したがって、積層された層のうち熱負荷や荷重負荷が直接加わる端の層を支持体とすることができるので、水素製造装置(1)の耐久性を高くすることができる。また、反応防止層(40)を支持体としても、所定の強度を保つことができる。
また、支持体の形状には種々のものが考えられるが、本発明のように、有底管形状であると、熱衝撃に強くまたシール性に優れるためによい。
このようにすると、有底管形状に形成された支持体に各層が積層されるので、水素製造装置が有底管形状に形成される。有底管形状の場合、管の内面と外面の面積が異なるので、必要な面積が異なる場合に有効である。
例えば、水素分離層(30)で分離される水素ガス量は、水素分離層(30)の面積により決まり、改質反応により生成される水素ガス量は、改質触媒層の体積により決まる。改質触媒層は厚み方向も反応に寄与するため、その水素ガスを透過する水素分離層(30)及び表面保護層(20)の表面積は改質触媒層(50)の表面積に比べて大きい方がよい。このような場合に有効である。
さらに、有底管形状とすると、熱応力に対して強い構造となるので、装置の起動停止における、急速な昇降温に対して強度を確保でき、急速起動停止や耐久性に対して有効である。また。シール部を一端とすることができ、リークフリーでのシールを容易に行うことができる。
ところで、多孔体の細孔内に充填する水素透過性金属は種々考えられるが、本発明のように、パラジウム(Pd)又はパラジウム(Pd)合金であると、水素の吸着・乖離に対する活性が高いため、効率よく水素を選択透過して分離する水素分離層(30)とすることができる。
また、本発明のように、反応防止層(40)及び表面保護層(20)の主成分がセラミックス又はガラスであると、各層を多孔質層とすることができ、さらに、形成される多孔質層に適度な割合で細孔を有し、かつ、多孔質層を必要な強度を有するものとすることができる。
ここで、「主成分がセラミックス又はガラスである」とは、各層がセラミックス又はガラスだけでなく、他の材料を含有しているが、その含有量に対してセラミックス又はガラスの体積比が大きいことを意味している。
ここで、反応防止層(40)は、前述のように、セラミックス層など改質触媒層(50)の触媒と水素分離層(30)の水素分離材料との反応を防止する層とする必要があるが、反応防止層(40)中に、水素透過性金属が担持されていてもよい。つまり、反応防止層(40)中に担持される水素透過性金属は、水素分離層(30)と改質触媒層(50)中の触媒金属と反応して水素分離層(30)に影響を及ぼさない範囲で一部繋がっていてもよい。
また、本発明のように、セラミックスが安定化ジルコニアであると必要な強度が得られ、原料ガスの透過率の高い層とすることができる。
ここで、反応防止層(40)はセラミック又はガラスを主成分とするため、サーメットである改質触媒層に比べ熱伝導率が小さい。そのため、改質反応による温度低下の阻害効果をより発揮でき、温度低下による水素透過性能の低下をより緩和できる。
ところで、以上のような水素製造装置(1)を製造するには、改質触媒層(50)及び反応防止層(40)を形成した後、反応防止層(40)内に水素透過性金属の核を形成し、その後表面保護層(20)形成した後、反応防止層(40)内の水素透過性金属核の核成長により水素分離層(30)を形成するようにすると、容易に水素製造装置(1)を製造することができる。
水素製造装置1の概略の構造を示す構造図である。 水素分離筒3の概略の構造を示すための水素分離筒3の一部の断面図である。 水素分離筒3の概略の製造方法を示す図である。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第1実施形態]
(全体構成)
まず、本実施形態の水素製造装置1の全体構成について説明する。図1は、本発明が適用された水素製造装置1の概略の構造を示す構造図である。
図1に示すように、本実施形態の水素製造装置(水素分離モジュール)1は、一端が閉そくされた有底管形状である試験管状の水素分離筒3と、水素分離筒3の開放端側が挿入された筒状の取付金具5と、水素分離筒3の外周面と取付金具5の内周面との間に配置された円筒形のシール部材7と、水素分離筒3を覆う試験管状の外筒11と、筒状部15と、水素分離筒3に原料ガスを供給するための内挿管17と、を備えている。
なお、「原料ガス」とは、水素を含有するガスであり、例えば、炭化水素ガスを改質したガスなどをいう。
水素分離筒3は、その軸中心の中心孔13に導入された原料ガス(例えばメタンなどの炭化水素ガスと水蒸気の混合ガス)から、水素を選択的に透過させて分離し、水素分離筒3の外周側に供給する部材である。この水素分離筒3については詳細を後述する。
取付金具5は、水素製造装置1の基部を構成する筒状金具であり、軸中心には、原料ガスの流路となる貫通孔(中空部)が形成され、その貫通孔には、水素分離筒3の基端側(図1中右側)の端部が収容されている。
詳しくは、貫通孔の内径は、水素分離筒3の外径より大きく設定されており、貫通孔の内周面と水素分離筒3の外周面とにより形成される空間にシール部材7が挿入されることによって、貫通孔の内側に水素分離筒3が固定されている。
シール部材7は、膨張黒鉛からなる円筒状の気密部材であり、取付金具5の内周面と水素分離筒3の外周面との間の空間内に挿入されている。このシール部材7は、前述の空間内にて、圧縮された状態、したがって、周囲を押圧した状態に保持されているので、この空間における原料ガスの漏出を防止している。
外筒11は、試験管状に形成された例えばSUS316等のステンレスなどの金属筒であり、水素分離筒3の収納容器である。外筒11の開口部にはフランジが形成されており、そのフランジを溶接や図示しないボルトなどで取付金具5に密着させて固定する。
また、水素分離筒3の外周面と外筒11の内周面との間に空間を設けるため、外筒11の筒部の直径は、水素分離筒3の直径より大きく設定されている。この空間には、水素分離筒3で分離された水素ガスが一時的に滞留する。
さらに、外筒11の側面部には、水素分離筒3で分離された水素ガスを導出するための水素ガス導出管8が設けられており、空間に一時的に滞留している水素ガスを外部へ導出する。
筒状部15は、円筒状に形成された例えばSUS316等のステンレスなどの金属筒であり、底部の軸中心部分に貫通孔が設けられ、内挿管17が挿入されている。また、側面部に水素分離筒3での反応後のオフガス(CO、CO2、H2、メタン、水蒸気)を外部に導出するためのオフガス導出管9が設けられている。
また、内挿管17は、原料ガスを、水素製造装置1の基端側から水素分離筒3の先端側に供給する部材であり、反応後のオフガスは、内挿管17の外周に沿って水素製造装置1の基端側へ導かれ、筒状部15に設けられているオフガス導出管9から外部へ排出される。
(水素分離筒3の構成)
次に図2に基づいて水素分離筒3の構造について説明する。図2は、水素分離筒3の概略の構造を示すための水素分離筒3の一部(図1中Aで示す部分)の断面図である。
水素分離筒3は、一端が閉塞された有底管形状である試験管状に形成されており(図1参照)、図2に示すように複数の機能層から構成されている。
水素分離筒3は、(支持体を兼ねる)改質触媒層50と、改質触媒層50の外側表面を覆うように形成された反応防止層40と、反応防止層40上に形成された水素分離層30と、水素分離層30上に形成された表面保護層20とから構成されている。
改質触媒層50は、改質触媒としての役割と水素分離層30等を支持する役割とを有する通気性のある有底管形状である試験管状の支持体であり、この改質触媒層50では、原料ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する。
改質触媒層50の気孔率及び気孔径を制御することにより、改質触媒層50の強度及び気体透過性等を調節することができる。改質触媒層50の気孔率は、10〜85%であることが好ましい。
なぜならば、気孔率が10%未満であると、改質触媒層50中を原料ガスが速やかに流れず、圧力損失が大きくなることがあり、特に炭化水素の水蒸気改質ができる触媒機能を備えた改質触媒層50を用いる場合には、炭化水素を十分に改質して必要な水素ガスを十分に生成させることができないことがあるからである。一方、気孔率が85%を超えると、改質触媒層50の強度が低下することがあるからである。
また、改質触媒層50の平均気孔径は0.05〜30μmであることが好ましい。平均気孔径が0.05μm未満であると、改質触媒層50中を原料ガスが速やかに流れず、圧力損失が大きくなることがあるからである。
特に炭化水素の水蒸気改質ができる触媒機能を備えた改質触媒層50を用いる場合には、原料ガスを十分に改質して必要な水素ガスを十分に生成させることができないことがあるからである。一方、平均気孔径が30μmを超えると、改質触媒層50の十分な強度が保たれないおそれがあるからである。
改質触媒層50は、気体が改質触媒層50を流通することのできる気体透過性及び前述の水素分離層30等を支持することのできる支持性を有している材料であればよく、例えば、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、マグネシア、ムライト、コージェライト、ジルコニア、安定化ジルコニア、セリア、多孔質ガラス等が挙げられる。更に、材料を単一で用いることもでき、混合して、又は複合して用いることもできる。
改質触媒機能を有する改質触媒兼支持体としては、例えばニッケル(以下、Niとも呼ぶ。)とイットリア安定化ジルコニアの混合物の焼結体、ニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物を主体とする焼結体(Ni−YSZサーメット等)等の、支持体としての機能と改質触媒としての機能とを合わせ持つ多孔質セラミックスや多孔質サーメットが挙げられる。
改質触媒層50は、酸化ニッケル、イットリア安定化ジルコニアの各粉末と有機バインダを混合した後、押出成型法により円筒有底管形状に成形し、焼結して形成される多孔質改質触媒層兼支持体である。本第1実施形態では、外径10mm×長さ100mmに形成した。
反応防止層40は、改質触媒層50の改質触媒金属成分(例えばNi)と水素分離層30の成分(例えば、パラジウム、以下Pdと略称する。)とが互いに交じり合う(拡散する)ことにより水素透過性能が劣化することを防止するための相互拡散防止層である。
また、反応防止層40は、イットリア安定化ジルコニアの混合粉末を有機溶媒中に分散させたスラリーを作製し、ディップコーティング法により改質触媒層50の上に多孔質層として形成した後、1300℃に加熱して改質触媒層50に焼付けを行って形成した。
反応防止層40は、改質触媒層50に含まれる成分と水素分離層30を形成する成分が相互に拡散しない程度であれば、その層厚は特に限定されず、例えば、1〜1000μmに調整される。
反応防止層40の層厚が1μm未満であると、改質触媒層50と水素分離層30とを形成する材料成分の相互拡散を防ぐことができないことがあり、一方、1000μmを越えると、圧力損失が大きくなり水素透過性を妨げてしまうことがあるからである。
反応防止層40は、水素分離層30を形成する成分と反応しない材料で、かつ、気体が流通することのできる多孔質材料で形成されていればよく、例えば、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、マグネシア、ムライト、コージェライト、ジルコニア、安定化ジルコニア、セリア、ランタンクロマイト、ストロンチウムチタネイト、多孔質ガラス等又はこれらの材料の混合物若しくは化合物を用いることができる。
水素分離層30は、反応防止層40と表面保護層20との間に積層された層であり、多孔質層中に層を形成するように、水素透過性金属材料であるPdが充填された層である。
多孔質層を形成する材料は、充填される水素透過性金属材料と反応しない材料であればよく、例えば、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、マグネシア、ムライト、コージェライト、ジルコニア、安定化ジルコニア、セリア、ランタンクロマイト、ストロンチウムチタネイト、多孔質ガラス等又はこれらの材料の混合物若しくは化合物を用いることができる。
充填される水素透過性金属材料は、水素を選択的に透過して分離する材料であればよく、例えばPd、Pd合金、5族金属(V、Nb、Ta)、5族金属合金、あるいは、5族金属又は5族金属合金とPd又はPd合金との多層構造が挙げられる。
また、表面保護層20は、反応防止層40と同じ材料及び製法で形成されており、水素分離層30の上に多孔質層として形成した後、1300℃に加熱して改質触媒層50に焼付けを行って形成した。
上記反応防止層40中に、水素透過性金属が担持されていてもよい。反応防止層40中に担持される水素透過性金属は、水素分離層30と改質触媒層50中の触媒金属と反応して水素分離層30に影響を及ぼさない範囲で一部繋がっていてもよい。
理想的には、反応防止層40の改質触媒層50側から水素分離層30側に向かって、担持される水素透過性金属量が増加するよう傾斜していると、水素製造装置としてより性能を発揮できる。
これは、反応防止層40中の水素透過性金属が、触媒として作用し、原料ガスからの水素の生成や生成した水素の乖離等、水素製造における反応を促進させる効果があるためである。
表面保護層20は、水素分離筒3の表面を保護することができる程度であれば、その層厚は特に限定されず、例えば、0.1〜1000μmに調整される。
表面保護層20の層厚が0.1μm未満であると、水素分離筒3の表面を保護することができないことがあり、一方、1000μmを越えると、水素透過性金属核形成後に、核を成長させて多孔質内に水素透過性金属の充填を行う際に、液相又は気相からの成長をし難くなり、未充填部が出来やすくなることがあるからである。
(水素分離筒3の製造方法)
次に、図3に基づいて水素分離筒3の製造方法について説明する。図3は水素分離筒3の概略の製造方法を示す図である。
まず、図3(a)に示すように、酸化ニッケル、イットリア安定化ジルコニアの各粉末と有機バインダを混合した後、押し出し成形法により、試験管状の円筒有底管形状に成形する。この成形体を、1400℃で焼結することにより、外径10mm×長さ100mmの改質触媒層50(多孔質改質触媒層兼支持体)を作製した。
これとは別に、イットリア安定化ジルコニアの混合粉末を有機溶媒中に分散させたスラリーを作製し、図3(a)に示すように、ディップコーティング法(又はスプレー吹き付け法、印刷法等)により改質触媒層50の上に形成した後、1300℃に加熱して焼付けを行い、反応防止層40を形成した。
上述のようにして作製したものを、塩化スズ二水和物の塩酸水溶液中に浸漬し、その後塩化パラジウムの塩酸水溶液中に浸漬した。この作業を3回繰り返した後、還元処理によりパラジウム核を形成した。(図3(a)参照)。このパラジウム核の層が水素分離層30となる。その後、反応防止層40と同じプロセスで表面保護層20を形成する(図3(b)参照)。
このようにして形成したものをパラジウム錯体、ヒドラジン、アンモニア水を含むめっき液に浸漬することにより、パラジウム核を成長させ、多孔質層中に充填した(図3(c)参照)。このようにしてパラジウム核を成長させ、多孔質層中に充填した部分が水素分離層30となる。
多孔質中に水素透過性金属材料を充填する手法としては、上述の液相での成長方法であるめっき法以外に、気相での成長方法、例えば化学気相蒸着法(CVD)、物理気相蒸着法(PVD)なども用いることができる。
本第1実施形態では、水素分離層30を4μmの厚みで形成した。
本水素製造装置1で600℃、1次側水素0.1MPaG、二次側水素0MPaGにて水素透過試験を行うと、31cc/min/cm2の水素透過量が得られた。
(水素製造装置1の作動)
以上に説明した水素製造装置1の作動について図1に基づき説明する。水素製造装置1では、原料ガスは、内挿管17から中心孔13に供給され、中心孔13から水素分離筒3へ供給される。水素分離筒3に供給された原料ガスは、水素分離筒3の改質触媒層50で改質される。
改質触媒層50で改質された改質ガスは、水素分離層30で水素が分離されて、高純度の水素ガスとなって水素ガス導出管8から外部の機器、例えば、燃料電池などへ供給される。
一方、水素分離筒3での反応後のオフガスは、中心孔13から筒状部15を通って、オフガス導出管9から外部へ排出される。
(水素製造装置1の特徴)
以上のような水素製造装置1では、反応防止層40と表面保護層20との間に水素透過性金属材料(Pd)が充填された水素分離層30を有している。この水素分離層30の水素透過性金属材(Pd)は、水素のみを透過する。
つまり、原料ガスは、改質触媒層50を透過した後、水素分離層30で水素が分離され水素ガスとなる。
水素分離層30は、多孔質層中に水素透過性金属材料を充填した層となっているので、水素分離層30は、多孔質支持体上に水素透過性金属膜を形成する従来の水素製造装置に比べ圧力に対して強く、水素透過層の剥離や破壊を生じにくい。
水素透過性金属膜を透過する水素量は、水素供給側(1次側)と水素透過側(2次側)との圧力差により決まり、圧力差が大きいほど単位面積当たりの水素の透過量が増える。このため、1次側の圧力を高くできれば、水素の透過量を増やすことができ、水素製造装置として有利である。
さらに、改質触媒層50が改質触媒機能を有しているので、改質触媒層50で原料ガスの改質が行われる。したがって、別途改質触媒を設置する必要がないので、水素製造装置1として小型化が可能となる。
[第2実施形態]
第1実施形態と同様の方法で円筒有底管形状の改質触媒層50(多孔質改質触媒層兼支持体)上の多孔質層内部にPdを3μmの厚みで形成した。その後、Pd上にAgをめっき法により1μmの厚みで形成し、熱処理により合金化することにより、厚さ4μmのPd−Ag合金が充填された水素分離層30が得られた。
[第3実施形態]
第1実施形態と同様の方法で、水素分離層30を形成する多孔質層内部にPd核付け処理を施した後、酸処理することにより多孔質層表面のPd核を除去した。多孔質層内部に残ったPd核をめっき法により成長させることにより、多孔質層内の細孔にPdを充填した。その後、めっき法によりAgをPd表面に被覆した後、熱処理によりPdーAgを合金化し、厚さ4μmのPd−Ag合金が充填された水素分離層30とした。
[第4実施形態]
酸化ニッケル、イットリア安定化ジルコニアの各粉末と有機バインダを混合した後、プレス成形法により円筒有底管形状に成形し、外径30mm×長さ300mmの多孔質改質触媒層兼支持体を作製した。
以後、第1実施形態と同様の方法で円筒有底管形状の改質触媒層50(多孔質改質触媒層兼支持体)上の多孔質層内部にPdを3μmの厚みで形成した。その後、Pd上にAgをめっき法により1μmの厚みで形成し、熱処理により合金化することにより、厚さ4μmのPd−Ag合金が充填された水素分離層30が得られた。
[第5実施形態]
酸化ニッケル、イットリア安定化ジルコニアの各粉末と有機バインダを混合した後、プレス成形法により円筒有底管形状に成形し、外径30mm×長さ300mmの多孔質改質触媒層兼支持体を作製した。以後、第1実施形態と同様の方法を用い、円筒有底管の内周面側の改質触媒層50(多孔質改質触媒層兼支持体)上に反応防止層40、水素分離層30、表面保護層20を形成した。多孔質層内部にPdとAgを同時めっき法により4μmの厚みで形成することにより、水素分離層30とした。
本水素製造装置では、円筒有底管外側に原料ガスを導入し、水素分離層30で水素を分離し、円筒内周面側で水素を収集する。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施形態では、改質触媒層60は、Ni及び安定化ジルコニアのサーメットが主成分であるが、Niの代わりにルテニウム(Ru)であってもよい。
1…水素製造装置、3…水素分離筒、5…取付金具、7…シール部材、8…水素ガス導出管、9…オフガス導出管、11…外筒、13…中心孔、15…筒状部、17…内挿管、20…表面保護層、30…水素分離層、40…反応防止層、50…改質触媒層、60…改質触媒層。

Claims (10)

  1. 原料ガスを改質し、水素を生成する触媒機能を有する改質触媒層と、
    水素を選択的に透過させ分離する水素分離層と、
    前記改質触媒層の触媒と前記水素分離層の水素分離材料との反応を防止する反応防止層と、
    前記水素分離層の表面を保護する表面保護層と、
    を備えたことを特徴とする水素製造装置。
  2. 前記改質触媒層は、ニッケル又はルテニウムのうち少なくともいずれかを含むサーメットであることを特徴とする請求項1に記載の水素製造装置。
  3. 前記水素分離層は、多孔体の細孔内に水素透過性金属が充填された構造であることを特徴とする請求項1〜請求項2の何れかに記載の水素製造装置
  4. 前記反応防止層において、前記改質触媒層側から前記水素分離層側に向けて、水素透過性金属が担持されている量が増加していくことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の水素製造装置。
  5. 前記改質触媒層又は前記反応防止層が支持体であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の水素製造装置。
  6. 前記支持体が有底管形状であることを特徴とする請求項5に記載の水素製造装置。
  7. 前記水素透過性金属は、パラジウム又はパラジウム合金であることを特徴とする請求項3〜請求項4の何れかに記載の水素製造装置。
  8. 前記反応防止層及び表面保護層の主成分がセラミックス又はガラスであることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の水素製造装置。
  9. 前記セラミックスが安定化ジルコニアであることを特徴とする請求項8に記載の水素製造装置。
  10. 請求項1〜請求項9の何れかに記載の水素製造装置において、
    前記改質触媒層及び前記反応防止層を形成した後、前記反応防止層内に水素透過性金属の核を形成し、その後前記表面保護層形成した後、前記反応防止層内の水素透過性金属核の核成長により前記水素分離層を形成することを特徴とする水素製造装置の製造方法。
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