JP2009062258A - 燃料改質モジュール及び水素発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期間使用した場合であっても破壊が生じ難い管状の燃料改質モジュールを提供すること。
【解決手段】 好適な実施形態の燃料改質モジュールは、管状に形成された酸素透過膜2と、この酸素透過膜2の内部に、酸素透過膜2の内壁の少なくとも一部を覆うとともに、酸素透過膜2の内部が中空となるように形成された触媒層4とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料改質モジュール及び水素発生装置に関する。
水素は、石油精製、アンモニア合成、メタノール合成等に使用される化学工業の基幹原料である。また、近年では、水素を燃料とする燃料電池が、エネルギーの利用効率が高く、しかも有害物質を殆ど排出しない点で、省エネルギーや環境保護の観点から注目されている。そのため、水素の需要は年々大きくなっており、このような要求に応えるべく、水素を効率よく製造するための方法が検討されている。
水素の製造方法の一つとして、燃料である炭化水素(例えば、天然ガス中のメタン)の酸化を部分的に生じさせて水素を発生させる部分酸化改質反応が知られている。この方法は、発熱反応であるためエネルギー効率が良く、起動時間も短いといった利点を有することから、水素の生成に関しては効率の良い方法であると言える。しかし、この部分酸化改質反応においては、高濃度の水素を得るために、純度の高い酸素を用いる必要がある。そのため、高純度の酸素を準備するための複雑な工程が必要であり、またそのためにコストが高くなる等、酸素を準備する段階に改良の余地があった。
近年、高純度の酸素を供給する方法としては、酸素透過膜を用いる方法が知られている。酸素透過膜は、酸素を含む混合気(例えば空気)から酸素のみを透過させることができるものであり、この酸素透過膜を用いれば、高純度の酸素を比較的容易に供給することができる。酸素透過膜は、通常、平板状や管状の形態で用いられるが、このうち、平板状のものは、モジュール化する際にセパレータや高温シール材といった他の部材を組み合わせる必要があるため、モジュールの構造が複雑となり易い。一方、管状の酸素透過膜は、例えば、外側に空気、内側に燃料ガスを流すことでそのままモジュールとして用いることができることから、組み合わせる部材が少なくて済み、モジュールの構造を簡略化し易い。
部分酸化改質反応において、酸素透過膜によって分離された酸素は、燃料である炭化水素ガスと反応して水素を発生するが、かかる反応を十分に生じさせるためには、酸素透過膜の燃料側に触媒(改質触媒)を配置する技術が知られている。管状の酸素透過膜を用いる場合は、管の内側の中空領域に触媒を充填したチューブ型の燃料改質モジュールとすることが知られている(例えば、特許文献1参照)
W. Jin et al., Journal of MembraneScience, 166 (2000), 13-22.
しかしながら、本発明者らの検討によると、上記従来技術のように管状の酸素透過膜の内部に触媒を充填したチューブ型の燃料改質モジュールは、長期間使用すると管を形成している酸素透過膜に破壊が生じ易くなる傾向があることが判明した。酸素透過膜が破壊されると、空気等と燃料ガスとの分離ができなくなり水素製造が困難となるほか、燃料ガスの漏洩につながるおそれがある。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、長期間使用した場合であっても破壊が生じ難いチューブ型の燃料改質モジュール、及び、この燃料改質モジュールを用いた水素発生装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意研究を行った結果、上記のような従来技術において酸素透過膜に破壊が生じ易くなる原因の1つとしては、触媒を用いて部分酸化改質反応を行った場合に生じる炭素析出が一つの原因であることを見出した。すなわち、部分酸化改質反応では、水素の発生とは別に、例えば炭化水素の脱水素縮合等の副反応が生じて炭素が析出することがある。ところが、上述したような管状の酸素透過膜に触媒が充填された構成を有する燃料改質モジュールでは、部分酸化改質反応を長期間行うことにより、析出した炭素が徐々に触媒部分に詰まりを生じさせ、これにより管内を流れるガス(燃料ガス)等の内圧が高められた結果、最終的に酸素透過膜の破壊を引き起こしていることが判明した。
そこで、本発明者らは、炭素析出が生じたとしても管状の酸素透過膜内部のガス流通が可能となるようにすることにより、長期間使用した場合であっても酸素透過膜に破壊が生じるのを低減できるようになることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の燃料改質モジュールは、管状に形成された酸素透過膜と、この酸素透過膜の内部に、当該酸素透過膜の内壁の少なくとも一部を覆うとともに、この酸素透過膜の内部が中空となるように形成された触媒層とを有することを特徴とする。
このように、本発明の燃料改質モジュールは、内部が軸方向に貫通する中空を維持できるように酸素透過膜の内壁に触媒層が形成されたチューブ型の燃料改質モジュールである。そのため、この燃料改質モジュールを用いて部分酸化改質反応を行った場合に、仮に長期使用によって炭素析出量が増加し、これにより触媒部分に詰まりが生じたとしても、少なくとも管内のガスは内部の中空領域によって十分に流通させることができる。したがって、本発明の燃料改質モジュールによれば、炭素析出が生じたとしてもガスの内圧が過度に高められることがなく、これによる酸素透過膜の破壊を十分に防止することが可能となる。
上記本発明の燃料改質モジュールにおいて、酸素透過膜は、酸素イオン伝導体と電子伝導体との混合相から構成されるものであると好ましい。このような混合相から構成される酸素透過膜は、酸素透過性に優れることから効率よく高純度の酸素を供給することができる。したがって、かかる酸素透過膜を備える燃料改質モジュールは、水素の製造を効率よく行うことができるほか、これによって副反応が抑制されて炭素析出を生じ難くなり、酸素透過膜の破壊を更に生じ難いものとなる。
また、本発明の燃料改質モジュールは、その外径が1〜6.5mmであるとより好ましい。このような外径を有する燃料改質モジュールは、従来、酸素透過膜を透過した酸素と燃料ガスとの接触が有利であり、部分酸化改質反応を効率よく生じる反面、酸素透過膜の破壊を発生し易いものであった。これは、外径が小さいため、触媒部分の詰まりを容易に生じるのが原因であると考えられる。これに対し、本発明によれば、このような外径を有する燃料改質モジュールにおいても、内部のガスを良好に流通させることができることから、部分酸化反応を効率よく生じさせつつ、酸素透過膜の破壊を十分に抑制することができる。
さらに、本発明の燃料改質モジュールにおいては、触媒層が、担体と、この担体に付着した触媒と、から構成され、前記触媒として、Ni、並びに、Ru、Ir及びPdのうちの少なくとも1種を含有するものであると好ましい。触媒層がこのような構成を有していることで、炭素を析出する副反応を大幅に抑制することができる。したがって、炭素析出による触媒部分の詰まり自体が生じ難くなり、その結果、酸素透過膜の破壊が一層抑制される。
触媒層が上述した構造を有する場合、この触媒層は、上記担体に付着したセリウム酸化物、プラセオジム酸化物及びランタン酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化物を更に有していると好ましい。これらの酸化物は、Niや貴金属の触媒の助触媒として機能することができ、部分酸化改質反応を一層促進することができる。また、これらの酸化物を更に含むことで、部分酸化改質反応による炭素析出が一層抑制される傾向にある。
また、上記構造を有する触媒層において、担体は、シリカからなるものであると好ましい。シリカ(SiO)からなる担体に上記の触媒を組み合わせると、炭素の析出が一層良好に抑制されるようになる。その結果、本発明の燃料改質モジュールは、より良好に部分酸化改質反応を促進することができるとともに、更に破壊を生じ難いものとなり得る。
本発明はまた、上記本発明の燃料改質モジュールを備える水素発生装置を提供する。このような水素発生装置は、酸素透過膜の破壊を生じ難いことから、長期にわたって安定して水素の製造を行うことができる。
本発明によれば、長期間使用した場合であっても破壊が生じ難いチューブ型の燃料改質モジュール、及び、この燃料改質モジュールを用いた水素発生装置を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、好適な実施形態の水素発生装置の断面構成を模式的に示す図であり、図2は、図1に示す水素発生装置のII−II線に沿う断面構成を拡大して模式的に示す図である。
図1、2に示されるように、水素発生装置1は、管状の酸素透過膜2及びこの酸素透過膜2の内壁を覆うように形成された触媒層4を有する燃料改質モジュール10を備えている。また、燃料改質モジュール10の一方の端部側には燃料ガス導入部6が、これと反対の端部側には水素ガス排出部8が形成されている。燃料ガス導入部6及び水素ガス排出部8は、内部に触媒層4が形成されていない酸素透過膜2から構成されており、燃料改質モジュール10における酸素透過膜2と一体となっている。この水素発生装置1は、その軸方向に貫通する中空領域を有しており、全体としてチューブ型の構造を有している。
燃料改質モジュール10における酸素透過膜2は、酸素イオン及び電子のみを伝導できる混合伝導体であり、例えば、単相型のペロブスカイト型構造酸化物や、酸素イオン伝導体と電子伝導体との混合組成から構成される複合体型の混合伝導体が挙げられる。これらのうち、後者の複合体型混合伝導体が、酸素イオン伝導体と電子伝導体を個々に選択して構成し得るため、材料選択の幅が広く、混合伝導性を容易に制御することもできることから好ましい。好適な複合体型混合伝導体の一例としては、酸素イオン伝導体としてCeO−Smを有し、電子伝導体としてMnFeを有する混合伝導体が挙げられる。
酸素透過膜2の厚さは、100〜500μmであると好ましく、150〜250μmであるとより好ましい。酸素透過膜2がこのような厚さを有することで、酸素透過性及び強度の両方が十分に得られるようになる。この厚さが薄い場合、高い酸素透過性が得られるが、薄すぎると酸素透過膜2の成形が困難となるほか、強度も不十分となってモジュールの形状を維持するのが困難となる傾向にある。一方、厚すぎると、酸素透過性が十分に得られなくなる場合があるほか、相対的に燃料改質モジュール10内部の中空領域が狭くなるため、ガス内圧が高められて酸素透過膜2にかかる負担が大きくなり、長期使用によって酸素透過膜2の破壊が生じ易くなるおそれがある。
触媒層4は、図示しないが、多孔性の担体に、金属等の触媒成分が付着した構成を有していると好ましい。触媒層4の態様としては、担体の表面に触媒成分が付着した態様や、多孔性を有する担体の孔内に付着した態様等が挙げられる。触媒層4としては、担体を有さずに酸素透過膜2に触媒成分が直接付着した態様も考えられるが、十分な反応効率を得る観点のほか、管状の燃料改質モジュール10を形成し易いという観点からも、担体に触媒成分が付着した形態であると好適である。
例えば、担体としては、マクロ多孔性の支持層上に、メソ多孔性の担体層が形成された積層構造を有するものが挙げられる。この支持層としては、ハニカム状の支持層が好ましく、例えば、セラミックファイバーから構成されるものが好適である。その空隙率は、5〜95%であると好ましく、30〜90%であるとより好ましい。
また、担体層としては、例えば、メソ多孔性のアルミナ、シリカ、セリア、ジルコニア、チタニア等の無機酸化物や、これらを組み合わせた複合酸化物からなるものが挙げられる。なかでも、担体層は、メソ多孔性のシリカから構成されると、部分酸化改質反応による炭素の析出を低減できる傾向にある。担体層の好適な表面積は、好ましくは5〜1000m/gであり、より好ましくは50〜500m/gである。
触媒層4を構成する触媒成分としては、改質触媒又は燃焼触媒が挙げられる。ここで、「改質触媒」とは、触媒表面で炭化水素等の燃料を酸素と部分酸化反応させ、又は、燃料を水や二酸化炭素と改質反応させ、水素と一酸化炭素を含む合成ガスを発生させる触媒である。また、「燃焼触媒」とは、触媒表面で炭化水素等の燃料と酸素との反応によって大部分が水と二酸化炭素となる完全酸化反応を主に発生させる触媒である。
改質触媒としては、部分酸化改質反応を促進し得る金属等であれば特に制限無く適用でき、その具体例としては、Ir及びNiを組み合わせた触媒、Pt、Ru等の貴金属触媒、Ni、Co、Fe等の金属触媒が挙げられる。
改質触媒としては、特に、主としてNiから構成され、副成分としてRu、Ir及びPdのうちの少なくとも1種の貴金属を含有するものが好適である。このような触媒成分は、部分酸化改質反応における炭素を析出させる副反応を良好に抑制することができる。なお、副成分である貴金属としては、Ru、Ir及びPdのうちの2種以上を組み合わせてもよい。
このような好適な改質触媒において、主成分であるNiは、触媒全体の0.1〜90質量%含まれると好ましく、1〜30質量%含まれるとより好ましく、5〜15質量%含まれると更に好ましい。また、貴金属(Ru、Ir又はPd)は、触媒全体の0.01〜10質量%程度含まれていると好ましく、0.1〜5質量%含まれているとより好ましい。貴金属の含有量が0.01質量%未満であると、Niによる部分酸化改質反応の触媒効果が充分に促進されなくなるおそれがある。一方、10質量%を超える場合、高価な貴金属を多く含むため、不都合にコストが増大してしまう傾向にある。
また、燃焼触媒としては、例えば、Ir、Ni及び酸化ガリウム(Ga)を組み合わせた触媒、Pt、Pd等の貴金属触媒、Ni、Fe、Mn等の金属触媒、及びNi、Fe、Mn等の金属酸化物触媒が挙げられ、Ir、Ni及びGaを組み合わせた触媒が好ましい。なお、改質触媒と燃焼触媒とは明確に区別できない場合もあるが、両方の機能を有する触媒も触媒層4を構成する触媒成分として適用できる。触媒成分として燃焼触媒を含むと、特に低温での水素発生量が向上する傾向にある。
上記のような触媒成分を構成している金属は、金属種ごとに別々に存在していることが好ましく、合金等を構成していないことが好ましい。また、これらの各金属は、金属単体で含まれていることが好ましいが、一部が金属塩等の化合物の状態で含まれていてもよい。さらに、これらの金属は、例えば、それぞれ粒子状の形態で上述した担体に付着することができる。この場合、上記の好適な改質触媒においては、Niの粒子径は、5〜50nm程度であると好ましく、その他の貴金属の粒子径は1〜10nm程度であるとより好ましい。
また、改質触媒及び燃焼触媒は、上記の触媒成分に加え、Ce、La、Pr等の助触媒として機能する成分を更に有していてもよい。このような助触媒も上述した金属等と同様、担体に付着して存在することができる。改質触媒及び燃焼触媒が助触媒を有することにより、触媒成分による部分酸化改質反応の促進効果が一層高められる傾向にあるほか、炭素析出を良好に抑制できるようになる。なかでも、助触媒としてはセリウム酸化物(具体的にはCe)、プラセオジム酸化物(具体的にはPr)及びランタン酸化物(具体的にはLa)からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有していると好ましい。触媒に加えてこれらの酸化物を更に含有することで、部分酸化改質反応の際の炭素析出を低減できるという効果が極めて良好に得られるようになる。特に、プラセオジム酸化物又はランタン酸化物は炭素析出を低減する効果に優れる傾向にある。
触媒層4の厚さは、酸素透過膜2の0.1%〜30倍程度であると好ましく、1%〜20倍程度であるとより好ましい。酸素透過膜2に対して触媒層4が薄すぎると、この触媒層4による部分酸化改質反応の促進効果が十分に発揮されなくなるおそれがある。一方、酸素透過膜2に比して厚すぎても、副反応が生じる割合が増え、部分酸化改質反応の選択性が低くなるおそれがある。
水素発生装置1における燃料改質モジュール10部分の外径は、1〜6.5mmであると好ましく、2〜4mmであるとより好ましい。この外径が1mm未満であると、当該モジュールの内部の中空領域が狭くなり、内部に導入される燃料ガスによる内圧が過度に高くなって、酸素透過膜2にかかる負担が大きくなる傾向にある。また、この場合、管状の酸素透過膜を成形したり、内部に触媒層4を形成したりすることが困難となるといった製造上の不都合も生じ易い傾向にある。一方、外径が6.5mmを超えると、体積あたりの酸素透過量が低下するため、酸素透過の効率が低くなる傾向にある。また、燃料改質モジュール10、ひいては水素発生装置1の小型化を十分に図れなくなるおそれもある。なお、水素発生装置1において、酸素透過膜2は、燃料改質モジュール10、燃料ガス導入部6及び水素ガス排出部8で一体であるため、燃料改質モジュール10以外の部分も上記と同様の外径を有していることが好ましい。
上述したような構成を有する水素発生装置1においては、燃料ガス導入部6から内部に燃料ガスが導入されるとともに、その外部には酸素を含む気体が供給される。ここで、燃料ガスとしては、例えば、天然ガス、LPGガス、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油等の炭化水素系燃料や、メタノール、エタノール等のアルコール系燃料、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル系燃料等のガスが挙げられる。また、酸素を含む気体としては、空気が好ましい。以下、燃料化合物としてメタン(図中CH)を、酸素を含む気体として空気(図中Air)をそれぞれ例に挙げて水素発生装置1の動作の説明を行うこととする。
水素発生装置1においては、酸素透過膜2の内外に流通する気体中の酸素濃度の相違により、外部の空気から酸素のみが酸素透過膜2を通って内部に供給される。そして、このように酸素透過膜2を透過した酸素は、水素発生装置1の内部に流通しているメタンと部分酸化改質反応を生じる。この部分酸化改質反応は、触媒層4によって顕著に促進されることから、この触媒層4が形成された燃料改質モジュール10の部分で特に生じることになる。なお、メタンの部分酸化改質反応とは、例えば下記化学式(1)によって表される反応である。触媒層4が触媒成分として上述した改質触媒を含むものであると、下記化学式(1)のような部分改質反応が生じ易くなる傾向にある。このように、部分酸化改質反応では、水素のほか、例えば一酸化炭素が発生する。
CH+1/2O→CO+2H …(1)
また、触媒層4が触媒成分として燃焼触媒を含む場合は、メタンと酸素との完全酸化反応が有利となり、下記化学式(2)で表されるような反応が生じる。そして、この場合、完全酸化反応により生じた水及び二酸化炭素が、更に下記化学式(3)及び(4)で表されるようなメタンとの反応(改質反応)を生じて、水素と一酸化炭素とを生成する。つまり、この場合、全体として部分酸化改質反応が生じることになる。ただし、水素発生装置1による水素の発生原理は必ずしもこれらに限定されるものではない。
CH+2O→2HO+CO …(2)
CH+HO→3H+CO …(3)
CH+CO→2H+2CO …(4)
このような部分酸化改質反応等によって生成した水素を含む混合ガスは、水素発生装置1の水素ガス排出部8から外部に排出される。そして、この水素発生装置1に続いて設けられた水素分離装置等(図示せず)により、水素を含む混合ガスから水素のみを分離することで、燃料電池等に利用される水素が効率よく製造される。
次に、上述した構成を有する水素発生装置1(燃料改質モジュール10)の好適な製造方法について説明する。まず、管状の形状を有する酸素透過膜2は、プレス成形、押出し成形、射出成形等によって形成することができる。なかでも、厚さ等が均一で均質な膜が得られることから、押出し成形が好ましい。
押出し成形による場合、例えば、まず、酸素透過膜を構成する材料(例えば、酸素イオン伝導体や電子伝導体)の粉体を、有機バインダーや有機溶媒と混合して分散させた後、これを押出し成形機を用いて管状に押出し、グリーンチューブを得る。このようにして得られたグリーンチューブを、ある程度の温度で熱処理して、これに含まれる有機バインダーや有機溶媒を除去した後、1000〜1600℃程度で焼成することにより、管状の形状を有する酸素透過膜2が得られる。
触媒層4の形成においては、まず、触媒層4を形成するための触媒シートを準備する。例えば、触媒層4として、上述したような担体に触媒成分が付着した構成を有するものを形成する場合、触媒シートとしては、シート状の担体に触媒成分が付着した構成を有するものが挙げられる。このような触媒シートは、含浸法、スラリー法、スプレー法、塗布法、固相混合法等によって得ることができる。なかでも、含浸法は、シート状の担体への均一な触媒成分の分散が可能であり、その担持量の調整も容易であることから好ましい。
例えば、触媒層4の形成において、含浸法により担体にNiを付着させる場合、例えば、Niの原料として硝酸塩、塩酸塩、酢酸塩等を用い、これらのNiの塩を含む溶液を担体に含浸させた後、アンモニア蒸気等により原料を水酸化し、更に熱分解や水素還元を行うことによって高活性な金属Niに変化させる。これにより、担体にNiが担持された触媒シートが得られる。また、上述したようにNiを貴金属により修飾したり、更に助触媒を用いたりする場合は、これらの貴金属や助触媒も、Niと同様に含浸法によって担体に担持させることが好ましい。
このようにして触媒シートを準備したら、この触媒シートを用いて管状の酸素透過膜2の内部に触媒層4を形成する。具体的には、触媒シートを酸素透過膜2からなる管の内径に合わせて切断し、これを管の内壁に沿って配置することにより、酸素透過膜2の内壁を覆う触媒層4を形成することができる。また、触媒シートを管の内径よりも幅が小さい短冊状に切断し、これを管の内壁に沿って複数並べて配置することで、一つの層が複数の短冊状の触媒シートによって形成された触媒層を形成することもできる。なお、所望の厚さの触媒層4を形成するためには、触媒シートを径方向に複数重ねるようにしてもよい。
このように、管状の酸素透過膜2の内側に触媒シートを配置することで、酸素透過膜2及び触媒層4を備える燃料改質モジュールが形成される。この際、触媒層4を、酸素透過膜2によって形成される管の端部を除く領域に形成すれば、この両端付近は触媒層4を有しない燃料ガス導入部6及び水素ガス排出部8となり、これによって上述したような構成を有する水素発生装置1が得られる。
以上のような構成を有する燃料改質モジュール10及びこれを備える水素発生装置1によれば、燃料改質モジュール10が軸方向に中空なチューブ型の構造を有していることから、燃料改質モジュール10内の燃料ガスの流通が十分に確保される。したがって、仮に部分酸化改質反応を長期間行うことにより炭素析出が生じ、触媒層4に詰まりが生じたとしても、それに起因する燃料ガスの内圧の増大は殆ど生じず、これによる酸素透過膜2の破壊は極めて生じ難くなる。
特に、上述した好適な実施形態のように、酸素透過膜2や触媒層4を特定の構成とすれば、炭素析出の発生自体も大幅に低減することができ、酸素透過膜2の破壊を一層効果的に低減することができる。その結果、極めて耐久性に優れた燃料改質モジュール及び水素発生装置が得られるようになる。
なお、本発明の燃料改質モジュール及び水素発生装置は、上述した実施形態のものに必ずしも限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜構成が異なっていてもよい。例えば、上述した例では、触媒層4は、燃料改質モジュール10の部分において酸素透過膜2の内壁の全面を覆うように構成したが、これに限定されず、酸素透過膜2の内壁の一部のみを被覆していてもよい。ただし、部分酸化改質反応を十分に生じさせる観点からは、触媒層4は、燃料改質モジュール10部分における酸素透過膜2の内壁全表面の1%以上を被覆していると好ましく、10%以上を被覆しているとより好ましく、ほぼ全領域を被覆していることが特に好ましい。
また、上記実施形態では、単一種類の触媒層4のみを有する場合を説明したが、燃料改質モジュールにおける触媒層は、異なる種類の触媒層が複数積層されたものであってもよい。すなわち、例えば、触媒層4は、触媒成分として改質触媒を含む触媒層(改質触媒層)と、燃焼触媒を含む触媒層(燃焼触媒層)とが積層された形態であってもよい。この場合、触媒層4は、積層された層が全体として上述したような好適な厚さを有していると好ましい。
触媒層4が、改質触媒層と燃焼触媒層とが積層されたものである場合、これらの層の位置関係は特に制限されないが、酸素透過膜側から内側に向かって、燃焼触媒層及び改質触媒層が順に積層されていると好ましい。このような配置であると、環境温度が比較的低温であっても水素の発生効率が高くなり、水素発生量が向上する傾向にある。これは、燃焼触媒層における完全酸化反応によって熱エネルギーが生じ、これによって、外部からの加熱が少なくても酸素透過層及び燃焼触媒層が加熱されるとともに、この反応により酸素が消費されるため、酸素透過層の燃焼触媒側近傍での酸素分圧が減少し、酸素透過層の両側の酸素分圧の差が生じて、酸素透過層における酸素の透過が有利となることに起因すると考えられる。
また、炭化水素等の改質反応では、例えば、上記式(1)〜(4)のような種々の反応が生じて、最終的な生成物である水素や一酸化炭素以外の生成物が得られる場合もあるが、燃焼触媒層と改質触媒層とを組み合わせることで、目的生成物である水素(及び一酸化炭素)の生成割合(選択性)を高めることも可能となる。
さらにまた、燃料改質モジュール10及び水素発生装置1は、いずれもその断面が円形のものを例示したが、内部が軸方向に中空であれば、その断面形状は特に限定されない。また、燃料改質モジュール10や水素発生装置1は、内部の中空領域の軸方向に垂直な断面の面積が一定であったが、必ずしも一定でなくてもよい。ただし、確実に詰まりを抑制して燃料ガスの流通を確保する観点からは、少なくとも燃料改質モジュールの部分の断面積は一定であることが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜7、比較例1〜2:燃料改質モジュールの製造]
(酸素透過膜チューブ1の作製)
まず、CeO(85モル%)−Sm(15モル%)の酸素イオン伝導体の粉体と、MnFeの電子伝導体の粉体の混合粉を調製した。この混合粉を有機バインダー及び有機溶媒に分散させた後、押し出し成形法により管状に成形してグリーンチューブを得た。このグリーンチューブを空気中で熱処理して有機バインダー及び有機溶媒を除去したのち、更に1000−1600℃で焼成して、外径3.0mm、内径2.6mm及び厚み200μmの管状の形状を有する酸素透過膜からなる酸素透過膜チューブ1を得た。
(酸素透過膜チューブ2の作製)
膜の厚さが160μmとなるようにしたこと以外は、酸素透過膜チューブ1と同様にして酸素透過膜チューブ2を作製した。
(触媒シート1(改質触媒シート)の作製)
まず、厚さ0.5mmのシート状のセラミックファイバー(株式会社ITM製、ペーパー320、空隙率約80%)を、550℃、空気中で焼成することによって、これに含まれる有機バインダーを除去した。次に、これにコロイダルシリカ(30重量%SiO含有、触媒化成工業株式会社製)を含浸させ、アンモニア処理、乾燥及び焼成を行った。これにより、セラミックファイバーからなるマクロ多孔性触媒支持体上に、触媒担体であるメソ多孔性シリカ担体(20重量%)がコートされた担体を得た。
その後、得られた担体に、塩化イリジウム(IV)水溶液を含浸し、続いてアンモニア処理、乾燥及び水素を含む還元性気流での焼成を順次行うことにより、担体に1.1重量%のIrを担持させた。さらに、硝酸ニッケルと硝酸セリウムの混合水溶液を含浸させ、続いてアンモニア処理、乾燥及び水素を含む還元性気流での焼成を順次行うことにより、担体に10重量%のNi、及び5.6重量%Ceを更に担持させた。このようにして、厚さ0.5mmの触媒シート(Ir−Ni−Ce/SiOの組成を有する)
を製造した。
(触媒シート2(改質触媒シート)の作製)
シート状のセラミックファイバーとして、厚さ1mmのものを用いたこと以外は、触媒シート1と同様にして、厚さ1mmの触媒シート(Ir−Ni−Ce/SiOの組成を有する)を製造した。
(触媒シート3(改質触媒シート)の作製)
担体へのIrの担持を行わなかったこと以外は、触媒シート1と同様にして、厚さ0.5mmの触媒シート(Ni−Ce/SiOの組成を有する)を製造した。
(触媒シート4(改質触媒シート)の作製)
硝酸ニッケルと硝酸セリウムの混合水溶液に代え、硝酸ニッケルと硝酸プラセオジムの混合水溶液を用いることで、Ceの代わりにPrを担持させたこと以外は、触媒シート1と同様にして、厚さ0.5mmの触媒シート(Ir−Ni−PrO/SiOの組成を有する)を製造した。
(触媒シート5(改質触媒シート)の作製)
硝酸ニッケルと硝酸セリウムの混合水溶液に代え、硝酸ニッケルと硝酸ランタンの混合水溶液を用いることで、Ceの代わりにLaを担持させたこと以外は、触媒シート1と同様にして、厚さ0.5mmの触媒シート(Ir−Ni−LaO/SiOの組成を有する)を製造した。
(触媒シート6(燃焼触媒シート)の作製)
硝酸ニッケルと硝酸セリウムの混合水溶液に代え、硝酸ニッケル、硝酸セリウム及び硝酸ガリウムとの混合水溶液を用いることで、CeとともにGaを担持させたこと以外は、触媒シート1と同様にして、厚さ0.5mmの触媒シート(Ir−Ni−Ga−Ce/SiOの組成を有する)を製造した。
(実施例1)
まず、触媒シート1を8mm×10mmの短冊状に切り取った。これを、酸素透過膜チューブ1の内壁に沿うように配置した。これにより酸素透過膜チューブの内壁を覆うように触媒層(改質触媒層)が形成された、チューブ型の燃料改質モジュールを得た。
(実施例2)
まず、触媒シート2を8mm×40mmの短冊状に切り取った。これを、酸素透過膜チューブ1の内壁に沿うように配置した。これにより酸素透過膜チューブの内壁を覆うように触媒層(改質触媒層)が形成された、チューブ型の燃料改質モジュールを得た。
(実施例3)
まず、触媒シート3を8mm×10mmの短冊状に切り取った。これを、酸素透過膜チューブ1の内壁に沿うように配置した。これにより酸素透過膜チューブの内壁を覆うように触媒層(改質触媒層)が形成された、チューブ型の燃料改質モジュールを得た。
(実施例4)
まず、触媒シート4を8mm×40mmの短冊状に切り取った。これを、酸素透過膜チューブ1の内壁に沿うよう配置した。これにより酸素透過膜チューブの内壁を覆うように触媒層(改質触媒層)が形成された、チューブ型の燃料改質モジュールを得た。
(実施例5)
まず、触媒シート5を8mm×40mmの短冊状に切り取った。これを、酸素透過膜チューブ1の内壁に沿うよう配置した。これにより酸素透過膜チューブの内壁を覆うように触媒層(改質触媒層)が形成された、チューブ型の燃料改質モジュールを得た。
(実施例6)
まず、触媒シート6を8mm×40mmの短冊状に切り取った。これを、酸素透過膜チューブ1の内壁に沿うよう配置した。この際、切り取った触媒シート6を2枚重ねることで、触媒層の厚みが1mmとなるようにした。これにより酸素透過膜チューブの内壁を覆うように触媒層(燃焼触媒層)が形成された、チューブ型の燃料改質モジュールを得た。
(実施例7)
まず、触媒シート1及び触媒シート6をそれぞれ8mm×40mmの短冊状に切り取った。次いで、触媒シート6を酸素透過膜チューブ1の内壁に沿うよう配置した後、触媒シート6の内側に、更に触媒シート1を積層した。これにより酸素透過膜チューブの内壁を覆うように2種の触媒層(酸素透過膜側から燃焼触媒層及び改質触媒層)が形成された、チューブ型の燃料改質モジュールを得た。得られた触媒層の総厚みは、1mmとなった。
(比較例1)
まず、触媒シート2を酸素透過膜チューブの内径にあわせて打ち抜いた。これを10枚積層して、酸素透過膜チューブの内部に充填させた。これにより酸素透過膜チューブ1の内部が触媒に充填されたチューブ型の燃料改質モジュールを得た。
(比較例2)
酸素透過膜チューブ2(膜の厚さ160μm)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、酸素透過膜チューブの内部が触媒に充填されたチューブ型の燃料改質モジュールを得た。
[水素発生量の評価]
実施例1〜7及び比較例1で得られた燃料改質モジュールを用いて、これらの酸素透過速度の評価を行った。すなわち、酸素透過膜チューブの内側にCH−Arの混合ガス、外側に空気をそれぞれ流通させ、800℃−1000℃の温度範囲内で酸素透過膜を透過した酸素とメタンとの部分酸化改質反応を生じさせた。そして、各実施例又は比較例の燃料改質モジュールを用いた場合の水素発生量の評価を行った。水素発生量は、得られた混合気中の組成分析によって求めた。また、部分酸化改質反応中の900℃における酸素透過膜チューブ内の圧力を測定した。
さらに、評価後の各燃料改質モジュールから触媒層を回収し、これについて空気気流で熱重量分析を行った。そして、室温から800℃の範囲内での重量減少を求めることにより、各燃料改質モジュールの触媒層における炭素析出量を求めた。得られた結果を表1に示す。
なお、比較例2で得られた燃料改質モジュールについても同様の評価を行おうとしたが、850℃で圧力が0.16MPaまで上昇し、900℃でチューブが破損し、水素の製造を行うことはできなかった。
Figure 2009062258
表1に示されるように、酸素透過膜チューブの内側に中空が形成されるように触媒層を設けた燃料改質モジュールは、内部に触媒を充填させた比較例1の燃料改質モジュールよりも、触媒中に析出した炭素の量が少なく、実際に部分酸化改質反応時の内部の圧力も小さかった。このことから、実施例1〜7の燃料改質モジュールは、長期にわたって使用した場合に、比較例1と比べて破壊を生じ難いことが示唆される。また、実施例1〜7の燃料改質モジュールは、水素発生量の点でも比較例1に比して良好であることが判明した。
[H及びCO選択性の評価]
実施例2、6及び7で得られた燃料改質モジュールを用いて、上記と同様にして部分酸化改質反応を行った。そして、各反応温度での反応によって得られた混合気中の気体の種類及び量を四重極型ガス質量分析計及び湿度センサーによりそれぞれ分析し、得られた結果に基づいて、混合気中のH選択性(%)及びCO選択性(%)を求めた。なお、H及びCO選択性は、下記式(A)及び(B)にそれぞれ基づいて算出した。下記式中の気体量は、いずれも混合気中の量である。
選択性(%)=100×H量/(H量+HO量) (A)
CO選択性(%)=100×CO量/(CO量+CO量) (B)
燃料改質モジュールを用いたメタンの改質反応では、主に上述した式(1)〜(4)の反応を経て水素を含む混合気が発生する。したがって、この反応では、原料であるメタンに由来する水素原子はH又はHOとなり、炭素原子はCO又はCOとなる可能性がある。そして、原料メタンが全てHに転化した場合は、混合気中にはH及びCOのみが含まれることとなるため、上記式(A)及び(B)によって算出されるH選択性及びCO選択性が高いほど、原料メタンからの水素の生成効率が高いことを意味する。
得られた結果を図3及び4に示す。図3は、各燃料改質モジュールの反応温度に対するH選択性を示すグラフであり、図4は、各燃料改質モジュールの反応温度に対するCO選択性を示すグラフである。これらの図中、L1が実施例2、L2が実施例6、L3が実施例7の燃料改質モジュールを用いた結果をそれぞれ示している。
図3及び4に示されるように、触媒層として改質触媒層のみを備える燃料改質モジュール(実施例2:L1)と比べて、触媒層として燃焼触媒層のみを備える燃料改質モジュール(実施例6:L2)、又は、触媒層として燃焼触媒層及び改質触媒層の両方を備える燃料改質モジュール(実施例7:L3)の方が、特に低温条件での反応の際に高いH又はCO選択性が得られており、より高い水素発生効率が得られることが確認された。
好適な実施形態の水素発生装置の断面構成を模式的に示す図である。 図1に示す水素発生装置のII−II線に沿う断面構成を拡大して模式的に示す図である。 各燃料改質モジュールの反応温度に対するH選択性を示すグラフである。 各燃料改質モジュールの反応温度に対するCO選択性を示すグラフである。
符号の説明
1…水素発生装置、2…酸素透過膜、4…触媒層、6…燃料ガス導入部、8…水素ガス排出部、10…燃料改質モジュール。

Claims (7)

  1. 管状に形成された酸素透過膜と、
    前記酸素透過膜の内部に、該酸素透過膜の内壁の少なくとも一部を覆うとともに、該酸素透過膜の内部が中空となるように形成された触媒層と、
    を有することを特徴とする燃料改質モジュール。
  2. 前記酸素透過膜は、酸素イオン伝導体と電子伝導体との混合相から構成される、ことを特徴とする、請求項1記載の燃料改質モジュール。
  3. 外径が1〜6.5mmである、ことを特徴とする請求項1又は2記載の燃料改質モジュール。
  4. 前記触媒層が、担体と、この担体に付着した触媒と、から構成され、前記触媒として、Ni、並びに、Ru、Ir及びPdのうちの少なくとも1種を含有するものである、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料改質モジュール。
  5. 前記触媒層が、前記担体に付着したセリウム酸化物、プラセオジム酸化物及びランタン酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化物を更に有している、ことを特徴とする請求項4記載の燃料改質モジュール。
  6. 前記担体が、シリカからなるものである、ことを特徴とする請求項4又は5記載の燃料改質モジュール。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料改質モジュールを備えることを特徴とする水素発生装置。
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