JP2011116123A - 収縮仕上がり性に優れたポリオレフィン系熱収縮性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた低温収縮性、耐熱性が得られ、高価な商品を包装する際に必要とされる高度な収縮仕上がり性を発現することができるポリオレフィン系熱収縮性フィルムを提供する。
【解決手段】メタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体10〜60重量部とプロピレン系樹脂40〜90重量部からなる表層、及びエチレン系樹脂からなる芯層の少なくとも3層からなり、縦横2軸延伸したポリオレフィン系熱収縮性フィルム
【選択図】なし

Description

本発明は収縮包装材料に関し、より詳しくは、収縮仕上がり性に優れたポリオレフィン系熱収縮性フィルムに関する。
従来、熱収縮性包装材料としては、ポリ塩化ビニル系シュリンクフィルム、ポリプロピレン系シュリンクフィルム、ポリエチレン系シュリンクフィルム等が知られていが、低価格、使用後の廃棄処理の容易さなどの点でポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系シュリンクフィルムが好んで用いられている。しかしながら、ポリプロピレン系シュリンクフィルムは耐熱性等に優れるものの、低温収縮性、耐引裂性に乏しい等の欠点を有している。一方、ポリエチレン系シュリンクフィルムは、低温収縮性、耐引裂性等に優れるものの、耐熱性に乏しい等の欠点を有している。
これらの欠点を改善すべく、エチレン系樹脂に架橋処理を施したポリエチレン系架橋シュリンクフィルムが開示されている(特許文献1)。これらのポリエチレン系架橋シュリンクフィルムは、低温収縮性、耐熱性、耐引裂性等に優れるものの、架橋処理を施されているため、製造工程や規格外製品で発生するスクラップを再利用し難く、製品のコストアップを招く、省資源性が低下するといった問題を有していた。
また、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂を表層や内部層に、単独又はブレンド系で積層したポリオレフィン系熱収縮性フィルム(特許文献2〜7)が開示されている。これらのフィルムは、低温収縮性や耐熱性等が依然不十分であり、化粧品や薬品等の高価な商品を包装する際に必要とされる高度な収縮仕上がり性が得られないという課題を有していた。
特開平5−84826号公報 特開平10−296932号公報 特開2005−144725号公報 特開2008−036844号公報 特開2008−149503号公報 特開2009−039950号公報 特開2009−101682号公報
本発明は、架橋を行うことなく優れた低温収縮性、耐熱性が得られ、高価な商品を包装する際に必要とされる高度な収縮仕上がり性を発現可能なポリオレフィン系熱収縮性フィルムを提供することを課題とするものである。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。すなわち、本発明は、メタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体10〜60重量部とプロピレン系樹脂40〜90重量部からなる表層、及びエチレン系樹脂からなる芯層の少なくとも3層からなり、縦横2軸延伸したポリオレフィン系熱収縮性フィルムを提供し、好ましくは、下記イ)〜二)からなることを特徴とするポリオレフィン系熱収縮性フィルムを提供するものである。イ)表層のメタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体の示差走査熱量計(以下DSCと記す)によって測定される融解ピーク温度が60〜90℃、ロ)表層プロピレン系樹脂の、DSCによって測定される融解ピーク温度が120〜165℃、メルトフローレート(以下MFRと記す。測定温度230℃、荷重2.16kgf)が0.3〜10.0g/10分、ハ)芯層エチレン系樹脂が、密度0.865〜0.925g/cm3、さらに好ましくは0.870〜0.910g/cm3、メルトインデックス(以下MIと記す。測定温度190℃、荷重2.16kgf)0.5〜4.0g/10分のエチレン−αオレフィン共重合体1種または2種以上からなる、ニ)表層のメタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体が、DSCを用いた測定において、溶融開始温度から溶融ピーク温度よりも20℃低い温度までの間に吸収された熱量の総量が上記溶融開始温度から上記溶融終了温度までの間に吸収された全熱量の40%以下である。
本発明のポリオレフィン系熱収縮性フィルムは、低温収縮性等に優れたメタロセン触媒で製造されたプロピレン−ブテン−1共重合体と、耐熱性等に優れたプロピレン系樹脂からなる表層、低温収縮性と耐引裂性等に優れたエチレン系樹脂からなる芯層の少なくとも3層からなり、縦横2軸延伸することで、優れた低温収縮性、耐熱性が得られ、高価な商品を包装する際に必要とされる高度な収縮仕上がり性を発現することができる、という効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、表層に用いるプロピレン−ブテン−1共重合体は、メタロセン触媒で製造されるものであり、表層の樹脂100重量部中に10〜60重量部含まれ、主に低温収縮性を付与する作用を成す。メタロセン触媒で製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体の表層中の組成が10重量部未満では低温収縮性が不足し、60重量部を超えると滑り性が低下し、双方の場合において、高価な商品を包装する際に必要とされる高度な収縮仕上がり性を発現することができないので好ましくない。
また、表層に用いるメタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体は、DSCによって測定される融解ピーク温度が60〜90℃であることが好ましい。融解ピーク温度が60℃未満では滑り性が低下し易く、90℃超えると低温収縮性が低下し易い。
さらに、表層のメタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体は、DSCを用いた測定において、溶融開始温度から溶融ピーク温度よりも20℃低い温度までの間に吸収された熱量の総量が上記溶融開始温度から上記溶融終了温度までの間に吸収された全熱量の39%以下、好ましくは30%以下、さらには好ましくは20%以下であることが望ましい。39%を超えると、滑り性が低下し易くなる。
本発明の表層に用いるプロピレン系樹脂とは、プロピレン含量が50mol%以上からなる重合体のことであり、メタロセン触媒やチーグラー・ナッタ触媒等により製造された、ポリプロピレン単独重合体、プロピレンとα−オレフィンの共重合体、例えばプロピレン−エチレン、プロピレン−ブテン共重合体等、及びプロピレン−エチレン−ブテン3元共重合体の中から選ばれる少なくとも一種以上からなり、表層の樹脂100重量部中に40〜90重量部含まれ、主に耐熱性を付与する作用を成す。
プロピレン系樹脂の表層中の組成が40重量部未満では耐熱性が低下し、90重量部を超えると低温収縮性が低下し、双方の場合において、高価な商品を包装する際に必要とされる高度な収縮仕上がり性を発現することができないので好ましくない。
また、表層に用いるプロピレン系樹脂はDSCによって測定される融解ピーク温度が120〜165℃、MFRが0.3〜10.0g/10分であることが好ましい。融解ピーク温度が120℃未満では耐熱性が低下し易く、165℃を超えると低温収縮性が低下し易く、MFRが0.3g/10分未満や、10.0g/10分を超える場合には、透明性が低下し易い。
本発明の芯層に用いるエチレン系樹脂とは、エチレン含量が50mol%以上からなる重合体のことであり、プロピレン、ブテン−1、ペンテンー1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1から成る群から選ばれた1種又は2種以上のα−オレフィンとエチレンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、ポリエチレン単独重合体から選ばれる少なくとも1種以上からなり、主に低温収縮性、耐引裂性を付与する作用を成す。
芯層にエチレン系樹脂が使用されない場合には、低温収縮性、耐引裂性が不足し、高価な商品を包装する際に必要とされる高度な収縮仕上がり性を発現することができない他、包装品が破れやすい等の問題が生じるので好ましくない。
また、芯層に用いられるエチレン系樹脂は、密度0.865〜0.925g/cm3、MI0.5〜4.0g/10分のエチレン−αオレフィン共重合体1種または2種以上からなることが好ましい。密度については、0.870〜0.910g/cm3であることがさらに好ましい。密度が0.865g/cm3未満の場合にはフィルムの引張弾性率が低下し、包装機での走行性が低下する傾向があり、0.925g/cm3 を超えると低温収縮性が低下し易くなる。MIが0.5g/10分未満のものは、押出時のモーター負荷が増大し易くなり、4.0g/10分を超えると延伸加工性、耐熱性の低下や、溶断シール時にピンホールやシール開きが発生し易くなる。
表層及び/又は芯層は、本発明の目的に支障をきたさない範囲であれば、他の樹脂を混合することもできる。たとえば、表層にはエチレン系樹脂を混合して、芯層にはメタロセン触媒で製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体や、プロピレン系樹脂を混合して用いる事が出来、これにより、要求される特性に応じて諸物性の調整を行う事が出来、またトリムや格外品等の再利用樹脂を混合使用する事も出来る。
本発明の層構成は、少なくとも3層以上の層構成であり、例えばA/B/Aの3層構成、A/A+B/B/A+B/A、A/B/A+B/B/A等の5層構成が挙げられる。中でも、A+B層を設けた層構成は、諸物性の調整や再利用樹脂の混合使用がやりやすくなり、好適である。
A+B層における、メタロセン触媒で製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂の混合比率は、本発明の目的に支障をきたさない範囲であれば、特に制限はない。
本発明の各層の厚み構成比については特に限定されないが、芯層の厚み比率が全体厚みに対し40〜80%の範囲内であることが好ましい。芯層の厚み比率が40%未満では耐引裂性が低下し易くなり、80%を超えると耐熱性が低下し易くなる。フィルムの全体厚みも特に限定されないが、熱収縮性包装材料用途としては7〜35μmであることが好ましい。
本発明の目的に支障をきたさない範囲であれば、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、酸化防止剤等の添加剤がそれぞれの有効な作用を具備させる目的で適宜使用することができる。
次に、本発明のフィルムの製造方法を示す。前記の樹脂を用いて本発明のフィルムを製造する方法は、公知の縦横2軸延伸方法で行うことができる。
以下、3層積層環状製膜延伸の場合を例に挙げ、具体的に説明する。
まず、メタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体とプロピレン系樹脂の混合物を表層、及びエチレン系樹脂を芯層となるように、3台の押出機により溶融混練し、3層環状ダイより環状に共押出し、延伸することなく一旦急冷固化してチューブ状未延伸フィルムを作製する。得られたチューブ状未延伸フィルムを、チューブラー延伸装置に供給し、高度の配向可能な温度範囲、例えば芯層樹脂の融点以下10℃よりも低い温度で、好ましくは融点以下15℃よりも低い温度でチューブ内部にガス圧を適用して膨張延伸により、縦横とも延伸倍率3〜6倍で同時二軸配向を起こさせる。延伸装置から取り出したフィルムは、希望によりアニーリングすることができ、このアニーリングにより保存中の自然収縮を抑制することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
なお、実施例及び比較例おける測定及び評価の方法は、以下に示す通りに行った。
1.フィルム厚み:JIS−Z1709に準じて測定した。
2.厚み比:フィルムの断面を顕微鏡で観察することにより測定した。
3.ヘイズ:JIS−K7105に準じて測定した。
4.MI:JIS−K7210に準じて、190℃、2.16kg荷重条件で測定した。
5.MFR:JIS−K7210に準じて、230℃、2.16kg荷重条件で測定した。
6.低温吸収割合:DSCを用いた測定において、(溶融開始温度から溶融ピーク温度よりも20℃低い温度までの間に吸収された熱量の総量)/(上記溶融開始温度から上記溶融終了温度までの間に吸収された全熱量)×100、で導かれる低温側の吸収熱量の全熱量に対する割合を測定した。
7.引張弾性率:JIS−Z7127に準じて測定した。
8.100℃熱収縮率:縦横それぞれ100mmの正方形に切り取ったフィルムを100℃のグリセリン浴中に10秒間浸漬した後、水中で急冷し、縦横それぞれの長さを測定し、式(1)によりMD、TDの熱収縮率を算出した。
Figure 2011116123
9.収縮包装仕上がり性:協和電機(株)製のL型シール式半折自動包装機(型式:AT-500)
にて、市販の化粧品ボトル容器を余裕率20%の条件で予備包装し、フィルムの耐熱
限界5℃手前に設定した収縮トンネル内を5秒滞留させ、トンネル通過後の
包装サンプルの中から無作為に5つを選び、以下の基準で評価した。
<評価基準>
○:包装サンプルの四隅の角立ちが極めて小さく、小ジワも殆ど無く、見栄えが良い。
△:包装サンプルの四隅の角立ちや小ジワがやや目立つ。
×:包装サンプルの四隅の角立ちや小ジワが明らかに目立ち、外観を著しく損ねる。または、包装時にフィルムが走行不良を起こし、傷などが入って外観を損ねる。
実施例1
表1に示すように、融解ピーク温度が75℃、低温吸収割合が10%の特性を有するメタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体45重量部、融解ピーク温度が145℃、MFRが2.3g/10分の特性を有するプロピレン−エチレンランダム共重合体55重量部からなる樹脂組成物を両表面層とし、密度0.905g/cm3、MI0.8g/10分であるエチレン−オクテン−1共重合体を芯層とし、3台の押出機で溶融混練した後、厚み比が1/5/1になるように各押出機の押出量を設定し、3層環状ダイスにより下向きに共押出した。形成された3層構成チューブを、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、未延伸フィルムを得た。得られた未延伸チューブをチューブラー二軸延伸装置に導き、90〜110℃で縦横それぞれ5倍に延伸し、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、得られたフィルムは、収縮包装仕上がり性に優れるもので、包装サンプルの四隅の角やコーナーシワが殆ど目立たない外観美麗な収縮包装体が得られた。その他、ヘイズ、引張弾性率、100℃熱収縮率等の特性も良好であった。
実施例2
実施例1において、融解ピーク温度が83℃、低温吸収割合が10%の特性を有するメタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体60重量部、融解ピーク温度が125℃、MFRが2.0g/10分の特性を有するプロピレン−エチレンランダム共重合体40重量部からなる樹脂組成物を両表面層とし、密度0.920g/cm3、MI1.0g/10分であるエチレン−オクテン−1共重合体を芯層とし、延伸倍率を縦横4倍とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、得られたフィルムは、収縮包装仕上がり性に優れるもので、包装サンプルの四隅の角やコーナーシワが殆ど目立たない外観美麗な収縮包装体が得られた。その他、ヘイズ、引張弾性率、100℃熱収縮率等の特性も良好であった。
実施例3
実施例1において、融解ピーク温度が75℃、低温吸収割合が10%の特性を有するメタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体10重量部、融解ピーク温度が135℃、MFRが2.5g/10分の特性を有するプロピレン−エチレンランダム共重合体90重量部からなる樹脂組成物を両表面層とし、密度0.870g/cm3、MI1.0g/10分であるエチレン−オクテン−1共重合体を芯層とし、厚み比を1/4/1、延伸倍率を縦横4倍とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、得られたフィルムは、収縮包装仕上がり性に優れるもので、包装サンプルの四隅の角やコーナーシワが殆ど目立たない外観美麗な収縮包装体が得られた。その他、ヘイズ、引張弾性率、100℃熱収縮率等の特性も良好であった。
実施例4
実施例1において、融解ピーク温度が83℃、低温吸収割合が10%の特性を有するメタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体25重量部、融解ピーク温度が135℃、MFRが2.5g/10分の特性を有するプロピレン−エチレンランダム共重合体75重量部からなる樹脂組成物を両表面層とし、密度0.885g/cm3、MI3.6g/10分であるエチレン−ブテン−1共重合体を芯層とし、延伸倍率を縦横4倍とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、得られたフィルムは、収縮包装仕上がり性に優れるもので、包装サンプルの四隅の角やコーナーシワが殆ど目立たない外観美麗な収縮包装体が得られた。その他、ヘイズ、引張弾性率、100℃熱収縮率等の特性も良好であった。
実施例5
実施例1において、融解ピーク温度が75℃、低温吸収割合が10%の特性を有するメタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体20重量部、融解ピーク温度が135℃、MFRが2.5g/10分の特性を有するプロピレン−エチレンランダム共重合体80重量部からなる樹脂組成物を両表面層とし、密度0.897g/cm3、MI1.6g/10分であるエチレン−オクテン−1共重合体を芯層とし、延伸倍率を縦横4倍とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、得られたフィルムは、収縮包装仕上がり性に優れるもので、包装サンプルの四隅の角やコーナーシワが殆ど目立たない外観美麗な収縮包装体が得られた。その他、ヘイズ、引張弾性率、100℃熱収縮率等の特性も良好であった。
実施例6
実施例1において、融解ピーク温度が75℃、低温吸収割合が10%の特性を有するメタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体45重量部、融解ピーク温度が145℃、MFRが0.5g/10分の特性を有するプロピレン−エチレンランダム共重合体55重量部からなる樹脂組成物を両表面層とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、得られたフィルムは、収縮包装仕上がり性に優れるもので、包装サンプルの四隅の角やコーナーシワが殆ど目立たない外観美麗な収縮包装体が得られた。その他、ヘイズ、引張弾性率、100℃熱収縮率等の特性も良好であった。
比較例1
実施例1において、融解ピーク温度が75℃、低温吸収割合が10%の特性を有するメタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体5重量部、融解ピーク温度が145℃、MFRが2.3g/10分の特性を有するプロピレン−エチレンランダム共重合体95重量部からなる層にした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、得られたフィルムは、低温収縮性に劣るもので、100℃熱収縮率が低いため、包装サンプルの四隅の角立ちや小ジワが明らかに目立ち、外観を著しく損ねる結果であった。
比較例2
実施例1において、両表面層を融解ピーク温度が75℃、低温吸収割合が10%の特性を有するメタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体100重量部からなる層にした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、得られたフィルムは、滑り性が劣るため、包装機でのフィルムの走行トラブルが散発し、収縮包装体に傷が入ることがあり、また、耐熱性が劣るため、包装サンプルの四隅の角立ちや小ジワがやや目立ち、外観を損ねる結果であった。
比較例3
実施例1において、芯層を融解ピーク温度が164℃、MFRが7.5g/10分の特性を有するポリプロピレン単独重合体からなる層にした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、得られたフィルムは、低温収縮性に劣るもので、100℃熱収縮率が低いため、包装サンプルの四隅の角立ちや小ジワが明らかに目立ち、外観を著しく損ねる結果であった。また、耐引裂性も劣るため、包装サンプルを運搬中に、包装フィルムが破れるトラブルも散発した。
比較例4
実施例1において、両表面層を融解ピーク温度が120℃、低温吸収割合が55%の特性を有するプロピレン−エチレン共重合体45重量部、融解ピーク温度が145℃、MFRが2.3g/10分の特性を有するプロピレン−エチレンランダム共重合体55重量部からなる層にした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、得られたフィルムは、100℃熱収縮率が低いため、包装サンプルの四隅の角立ちや小ジワがやや目立ち、また、滑り性が劣るため、包装機でのフィルムの走行トラブルが散発し、収縮包装体に傷が入って外観を損ねる結果であった。
Figure 2011116123
Figure 2011116123
本発明の熱収縮性包装材料は、優れた低温収縮性、耐熱性が得られ、高価な商品を包装する際に必要とされる高度な収縮仕上がり性を発現することができるポリオレフィン系熱収縮性フィルムとして好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. メタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体10〜60重量部とプロピレン系樹脂40〜90重量部からなる表層、及びエチレン系樹脂からなる芯層の少なくとも3層からなり、縦横2軸延伸したポリオレフィン系熱収縮性フィルム。
  2. 表層のメタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体のDSCによって測定される融解ピーク温度が60〜90℃であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系熱収縮性フィルム。
  3. 表層プロピレン系樹脂の、DSCによって測定される融解ピーク温度が120〜165℃、MFRが0.3〜10.0g/10分であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載のポリオレフィン系熱収縮性フィルム。
  4. 芯層エチレン系樹脂が、密度0.865〜0.925g/cm3、MI0.5〜4.0g/10分のエチレン−αオレフィン共重合体1種または2種以上からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン系熱収縮性フィルム。
  5. 芯層エチレン系樹脂が、密度0.870〜0.910g/cm3、MI0.5〜4.0g/10分のエチレン−αオレフィン共重合体1種または2種以上からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリオレフィン系熱収縮性フィルム。
  6. 表層のメタロセン触媒により製造されるプロピレン−ブテン−1共重合体が、DSCを用いた測定において、溶融開始温度から溶融ピーク温度よりも20℃低い温度までの間に吸収された熱量の総量が上記溶融開始温度から上記溶融終了温度までの間に吸収された全熱量の39%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリオレフィン系熱収縮性フィルム。
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