JPH10157032A - 多層シュリンクフィルム - Google Patents
多層シュリンクフィルムInfo
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- JPH10157032A JPH10157032A JP9063504A JP6350497A JPH10157032A JP H10157032 A JPH10157032 A JP H10157032A JP 9063504 A JP9063504 A JP 9063504A JP 6350497 A JP6350497 A JP 6350497A JP H10157032 A JPH10157032 A JP H10157032A
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- shrink film
- resin
- propylene
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- multilayer shrink
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- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 内外層間の接着性を改善し、層間剥離が起こ
ったりシール強度が不十分になる恐れのない、ソフト感
があり、透明性、光沢性、熱収縮性及びホットスリップ
性に優れた多層シュリンクフィルムを提供する。 【解決手段】 本発明による多層シュリンクフィルム
は、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂からなる内層と、
これを挟むポリプロピレン系樹脂からなる両外層とを有
し、該ポリプロピレン系樹脂のクロス分別法による90
℃以下での溶出量が、ポリプロピレン系樹脂の全重量に
対して40〜70重量%であることを特徴とする。
ったりシール強度が不十分になる恐れのない、ソフト感
があり、透明性、光沢性、熱収縮性及びホットスリップ
性に優れた多層シュリンクフィルムを提供する。 【解決手段】 本発明による多層シュリンクフィルム
は、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂からなる内層と、
これを挟むポリプロピレン系樹脂からなる両外層とを有
し、該ポリプロピレン系樹脂のクロス分別法による90
℃以下での溶出量が、ポリプロピレン系樹脂の全重量に
対して40〜70重量%であることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は包装用その他に使用
されるシュリンクフィルムに関し、更に詳しくは、ソフ
ト感があり、透明性、光沢性、熱収縮性、層間強度、シ
ール強度及びホットスリップ性に優れた多層シュリンク
フィルムに関する。
されるシュリンクフィルムに関し、更に詳しくは、ソフ
ト感があり、透明性、光沢性、熱収縮性、層間強度、シ
ール強度及びホットスリップ性に優れた多層シュリンク
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シュリンクフィルムの素材と
しては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンやポリエチレ
ン等が使用され、例えば特開昭58−166049号公
報にはポリエチレン系樹脂からなる内層と、これを挟む
ポリプロピレン系樹脂からなる両外層とを有するサンド
イッチ層構成のシュリンクフィルムが開示されている。
この多層シュリンクフィルムは、ポリプロピレン系樹脂
からなる単層シュリンクフィルムに比べ、良好なソフト
感と広範な収縮温度範囲を有する点を特徴とするが、両
外層を構成するポリプロピレン系樹脂と内層を構成する
ポリエチレン系樹脂との相溶性が低いため、内外層間の
接着が不足し、層間剥離により透明性が悪くなったり、
シール強度が不十分になるといった問題を有している。
しては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンやポリエチレ
ン等が使用され、例えば特開昭58−166049号公
報にはポリエチレン系樹脂からなる内層と、これを挟む
ポリプロピレン系樹脂からなる両外層とを有するサンド
イッチ層構成のシュリンクフィルムが開示されている。
この多層シュリンクフィルムは、ポリプロピレン系樹脂
からなる単層シュリンクフィルムに比べ、良好なソフト
感と広範な収縮温度範囲を有する点を特徴とするが、両
外層を構成するポリプロピレン系樹脂と内層を構成する
ポリエチレン系樹脂との相溶性が低いため、内外層間の
接着が不足し、層間剥離により透明性が悪くなったり、
シール強度が不十分になるといった問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑み、内外層間の接着性を改善し、層間剥離が起こっ
たりシール強度が不十分になる恐れのない、ソフト感が
あり、透明性、光沢性、熱収縮性、ホットスリップ性に
優れた多層シュリンクフィルムを提供することを目的と
する。
に鑑み、内外層間の接着性を改善し、層間剥離が起こっ
たりシール強度が不十分になる恐れのない、ソフト感が
あり、透明性、光沢性、熱収縮性、ホットスリップ性に
優れた多層シュリンクフィルムを提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による多層シュリ
ンクフィルムは、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からな
る内層と、これを挟むプロピレン系樹脂からなる両外層
とを有し、該プロピレン系樹脂のクロス分別法による9
0℃以下での溶出量が、プロピレン系樹脂の全重量に対
して40〜70重量%であることを特徴とするものであ
る。以下、本発明による多層シュリンクフィルムの構成
について順次説明する。
ンクフィルムは、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からな
る内層と、これを挟むプロピレン系樹脂からなる両外層
とを有し、該プロピレン系樹脂のクロス分別法による9
0℃以下での溶出量が、プロピレン系樹脂の全重量に対
して40〜70重量%であることを特徴とするものであ
る。以下、本発明による多層シュリンクフィルムの構成
について順次説明する。
【0005】直鎖状低密度ポリエチレン樹脂 本発明による多層シュリンクフィルムの内層を構成する
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(以下、LLDPE樹脂
と略記する)は、エチレンとα−オレフィンとの共重合
体である。エチレンと共重合するα−オレフィンとして
は特に限定されないが、ブテン−1、ペンテン−1、ヘ
キセン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1
などが例示される。
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(以下、LLDPE樹脂
と略記する)は、エチレンとα−オレフィンとの共重合
体である。エチレンと共重合するα−オレフィンとして
は特に限定されないが、ブテン−1、ペンテン−1、ヘ
キセン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1
などが例示される。
【0006】LLDPE樹脂としては、密度0.900
〜0.935g/cm3 、好ましくは0.905〜0.
930g/cm3 であって、MFR(メルトフローレー
ト:190℃)が0.1〜5g/10分、好ましくは
0.6〜3g/10分の範囲にあるものが好適に用いら
れる。密度が0.900g/cm3 未満ではシュリンク
フィルムとしての強度が十分得られないため、包装用フ
ィルムとしては不適当となり、0.935g/cm3を
超えると安定した延伸加工性が得られなくなる。MFR
が0.1g/10分未満であれば流動性が低すぎて生産
効率が悪くなり、5g/10分を超えると金型から出た
溶融樹脂がドローダウンしてしまい安定した製造が困難
となる。
〜0.935g/cm3 、好ましくは0.905〜0.
930g/cm3 であって、MFR(メルトフローレー
ト:190℃)が0.1〜5g/10分、好ましくは
0.6〜3g/10分の範囲にあるものが好適に用いら
れる。密度が0.900g/cm3 未満ではシュリンク
フィルムとしての強度が十分得られないため、包装用フ
ィルムとしては不適当となり、0.935g/cm3を
超えると安定した延伸加工性が得られなくなる。MFR
が0.1g/10分未満であれば流動性が低すぎて生産
効率が悪くなり、5g/10分を超えると金型から出た
溶融樹脂がドローダウンしてしまい安定した製造が困難
となる。
【0007】プロピレン系樹脂 本発明による多層シュリンクフィルムの両外層はプロピ
レン系樹脂であって、クロス分別法による90℃以下で
の溶出量がプロピレン系樹脂の全重量に対して40〜7
0重量%、好ましくは50〜65重量%である。これが
40重量%を下回ると、プロピレン系樹脂とLLDPE
樹脂との相溶性が不十分となり内外層間の剥離が起こっ
たり、それにより透明性が低下してしまう。また、70
重量%を超えると低温での融解成分が多くなり、べたつ
きの原因となる。特に、シュリンクトンネルを通過した
直後のフィルムが熱い状態での滑り性(ホットスリップ
性)が低下し、箱詰め等の作業性の低下を招いたり、フ
ィルム同士が合着することが懸念される。即ち、90℃
以下の溶出量が大きいほど低温収縮性、内層との接着性
が高くなり、逆に90℃以下の溶出量が小さいと、ホッ
トスリップ性が向上するので、上記範囲に設定すること
が肝要である。
レン系樹脂であって、クロス分別法による90℃以下で
の溶出量がプロピレン系樹脂の全重量に対して40〜7
0重量%、好ましくは50〜65重量%である。これが
40重量%を下回ると、プロピレン系樹脂とLLDPE
樹脂との相溶性が不十分となり内外層間の剥離が起こっ
たり、それにより透明性が低下してしまう。また、70
重量%を超えると低温での融解成分が多くなり、べたつ
きの原因となる。特に、シュリンクトンネルを通過した
直後のフィルムが熱い状態での滑り性(ホットスリップ
性)が低下し、箱詰め等の作業性の低下を招いたり、フ
ィルム同士が合着することが懸念される。即ち、90℃
以下の溶出量が大きいほど低温収縮性、内層との接着性
が高くなり、逆に90℃以下の溶出量が小さいと、ホッ
トスリップ性が向上するので、上記範囲に設定すること
が肝要である。
【0008】本発明で使用するプロピレン系樹脂の代表
例としては、プロピレンとエチレン、ブテンの三元ラン
ダム共重合体、プロピレンとエチレンの二元ランダム共
重合体、プロピレンとブテンの二元ランダム共重合体が
挙げられる。一般的には三元ランダム共重合体のクロス
分別法による90℃以下の溶出量は二元ランダム共重合
体よりも高く、両者を混合することによって目的に応じ
た溶出量となるようにコントロールすることができる。
本発明で用いるプロピレン系樹脂のMFR(230℃)
は0.3〜20g/10分、好ましくは2〜10g/1
0分であるものが好適に用いられる。MFRが0.3g
/10分未満では流動性が低すぎて、生産効率が低下す
る。また、20g/10分を超えると金型から出た溶融
樹脂がドローダウンしてしまい安定した製造が困難とな
る。
例としては、プロピレンとエチレン、ブテンの三元ラン
ダム共重合体、プロピレンとエチレンの二元ランダム共
重合体、プロピレンとブテンの二元ランダム共重合体が
挙げられる。一般的には三元ランダム共重合体のクロス
分別法による90℃以下の溶出量は二元ランダム共重合
体よりも高く、両者を混合することによって目的に応じ
た溶出量となるようにコントロールすることができる。
本発明で用いるプロピレン系樹脂のMFR(230℃)
は0.3〜20g/10分、好ましくは2〜10g/1
0分であるものが好適に用いられる。MFRが0.3g
/10分未満では流動性が低すぎて、生産効率が低下す
る。また、20g/10分を超えると金型から出た溶融
樹脂がドローダウンしてしまい安定した製造が困難とな
る。
【0009】クロス分別法 本発明で採用しているクロス分別法は、以下に示す通り
である。まず、プロピレン系樹脂を140℃あるいはプ
ロピレン系樹脂が完全に溶解する温度のo−ジクロロベ
ンゼンに溶解し、次いで一定速度で冷却し、予め用意し
た不活性担体の表面に薄いポリマー層を結晶性の高い順
及び分子量の大きい順に生成させる。次に、温度を連続
的または段階的に昇温し、順次溶出した成分の濃度を検
出し組成分布(結晶性分布)を測定する。これを温度上
昇溶離分別といい、同時に、順次溶出した成分を高温型
GPCにより分析して、分子量と分子量分布を測定す
る。本発明では、上述した温度上昇溶離分別部分と高温
GPC部分の両者をシステムとして備えているクロス分
別クロマトグラフ装置(三菱化学社製CFC−T150
A型)を使用した。
である。まず、プロピレン系樹脂を140℃あるいはプ
ロピレン系樹脂が完全に溶解する温度のo−ジクロロベ
ンゼンに溶解し、次いで一定速度で冷却し、予め用意し
た不活性担体の表面に薄いポリマー層を結晶性の高い順
及び分子量の大きい順に生成させる。次に、温度を連続
的または段階的に昇温し、順次溶出した成分の濃度を検
出し組成分布(結晶性分布)を測定する。これを温度上
昇溶離分別といい、同時に、順次溶出した成分を高温型
GPCにより分析して、分子量と分子量分布を測定す
る。本発明では、上述した温度上昇溶離分別部分と高温
GPC部分の両者をシステムとして備えているクロス分
別クロマトグラフ装置(三菱化学社製CFC−T150
A型)を使用した。
【0010】添加剤 本発明において、各層を構成する樹脂材料には帯電防止
剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤、安定剤及び
結晶造核剤などの添加剤が必要に応じて添加される。
剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤、安定剤及び
結晶造核剤などの添加剤が必要に応じて添加される。
【0011】製造方法 本発明による多層シュリンクフィルムを得るための製造
法としては、特に限定しないが、多層ダイスを用いた水
冷インフレーション法やTダイキャスト法など公知の製
造法が適用できる。また、延伸方法としては、ロール一
軸延伸やテンター2軸延伸、チューブラー2軸延伸等の
公知の延伸法が適用できる。延伸前のフィルムの厚みは
200〜500μm、延伸倍率は縦横各2〜10倍、延
伸速度10〜100m/分、延伸温度はフィルム温度で
50〜120℃であることが好ましい。
法としては、特に限定しないが、多層ダイスを用いた水
冷インフレーション法やTダイキャスト法など公知の製
造法が適用できる。また、延伸方法としては、ロール一
軸延伸やテンター2軸延伸、チューブラー2軸延伸等の
公知の延伸法が適用できる。延伸前のフィルムの厚みは
200〜500μm、延伸倍率は縦横各2〜10倍、延
伸速度10〜100m/分、延伸温度はフィルム温度で
50〜120℃であることが好ましい。
【0012】フィルム厚さ、層比 本発明の多層シュリンクフィルムの厚さは5〜50μm
であることが好ましく、層比は3層構成の場合は外層/
中間層/外層=1/2/1〜1/10/1であることが
好ましい。該多層シュリンクフィルムが4層以上の層構
成の場合は最外層をプロピレン系樹脂、中間層の内の少
なくとも1層をLLDPE樹脂とし、両最外層の厚さの
和は全厚さの15〜50%であることが好ましい。
であることが好ましく、層比は3層構成の場合は外層/
中間層/外層=1/2/1〜1/10/1であることが
好ましい。該多層シュリンクフィルムが4層以上の層構
成の場合は最外層をプロピレン系樹脂、中間層の内の少
なくとも1層をLLDPE樹脂とし、両最外層の厚さの
和は全厚さの15〜50%であることが好ましい。
【0013】(作用)本発明による多層シュリンクフィ
ルムでは、両外層を構成するプロピレン系樹脂のクロス
分別法による90℃以下での溶出量が、プロピレン系樹
脂の全重量に対して40〜70重量%であるので、両外
層のプロピレン系樹脂と内層の直鎖状低密度ポリエチレ
ンとの接着性が改善され、透明性が向上する。そして、
ソフト感のある、光沢性、熱収縮性、層間強度、シール
強度、ホットスリップ性に優れた多層シュリンクフィル
ムが提供される。
ルムでは、両外層を構成するプロピレン系樹脂のクロス
分別法による90℃以下での溶出量が、プロピレン系樹
脂の全重量に対して40〜70重量%であるので、両外
層のプロピレン系樹脂と内層の直鎖状低密度ポリエチレ
ンとの接着性が改善され、透明性が向上する。そして、
ソフト感のある、光沢性、熱収縮性、層間強度、シール
強度、ホットスリップ性に優れた多層シュリンクフィル
ムが提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により具体
的に説明する。 (実施例1)両外層の樹脂材料として、プロピレン−エ
チレン−ブテンの三元ランダム共重合体であってクロス
分別による90℃以下の溶出量が76.6重量%、MF
Rが4g/10分のものと、プロピレン−エチレンの二
元ランダム共重合体であってクロス分別による90℃以
下の溶出量が29.9重量%、MFRが2g/10分の
ものを重量比50:50で混合した。その結果、クロス
分別法による90℃以下の溶出量は52.9重量%であ
った。また、内層の樹脂材料としてエチレンとオクテン
−1を共重合してなるLLDPE樹脂(密度0.920
g/cm3 、MFR1.0g/10分)を用いた。これ
らの樹脂材料を、円形の多層ダイスを取り付けた3台の
押出機を用いて水冷インフレーション法によりサンドイ
ッチ層構造に製膜し、得られたフィルムをチューブラー
二軸延伸により縦横それぞれ5倍、6倍に延伸し、全厚
が15μmで、層比が外層/内層/外層=1/6/1で
ある多層シュリンクフィルムを得た。
的に説明する。 (実施例1)両外層の樹脂材料として、プロピレン−エ
チレン−ブテンの三元ランダム共重合体であってクロス
分別による90℃以下の溶出量が76.6重量%、MF
Rが4g/10分のものと、プロピレン−エチレンの二
元ランダム共重合体であってクロス分別による90℃以
下の溶出量が29.9重量%、MFRが2g/10分の
ものを重量比50:50で混合した。その結果、クロス
分別法による90℃以下の溶出量は52.9重量%であ
った。また、内層の樹脂材料としてエチレンとオクテン
−1を共重合してなるLLDPE樹脂(密度0.920
g/cm3 、MFR1.0g/10分)を用いた。これ
らの樹脂材料を、円形の多層ダイスを取り付けた3台の
押出機を用いて水冷インフレーション法によりサンドイ
ッチ層構造に製膜し、得られたフィルムをチューブラー
二軸延伸により縦横それぞれ5倍、6倍に延伸し、全厚
が15μmで、層比が外層/内層/外層=1/6/1で
ある多層シュリンクフィルムを得た。
【0015】(実施例2)両外層の樹脂材料として、実
施例1と同じ三元ランダム共重合体と二元ランダム共重
合体を用い、その混合重量比を80:20とした点を除
き、実施例1と同様にして多層シュリンクフィルムを得
た。なお、両外層のプロピレン系樹脂のクロス分別法に
よる90℃以下の溶出量は67.1重量%であった。
施例1と同じ三元ランダム共重合体と二元ランダム共重
合体を用い、その混合重量比を80:20とした点を除
き、実施例1と同様にして多層シュリンクフィルムを得
た。なお、両外層のプロピレン系樹脂のクロス分別法に
よる90℃以下の溶出量は67.1重量%であった。
【0016】(比較例1)両外層の樹脂材料として、プ
ロピレン−エチレンの二元ランダム共重合体であって、
クロス分別法による90℃以下の溶出量が29.2重量
%、MFRが2g/10分のものを単独で用いた点を除
き、実施例1と同様にして多層シュリンクフィルムを得
た。
ロピレン−エチレンの二元ランダム共重合体であって、
クロス分別法による90℃以下の溶出量が29.2重量
%、MFRが2g/10分のものを単独で用いた点を除
き、実施例1と同様にして多層シュリンクフィルムを得
た。
【0017】(比較例2)両外層の樹脂材料として、プ
ロピレン−エチレン−ブテンの三元ランダム共重合体で
あって、クロス分別法による90℃以下の溶出量が7
6.6重量%、MFRが4g/10分のものを単独で用
いた点を除き、実施例1と同様にして多層シュリンクフ
ィルムを得た。
ロピレン−エチレン−ブテンの三元ランダム共重合体で
あって、クロス分別法による90℃以下の溶出量が7
6.6重量%、MFRが4g/10分のものを単独で用
いた点を除き、実施例1と同様にして多層シュリンクフ
ィルムを得た。
【0018】性能評価 実施例及び比較例で得られた各多層シュリンクフィルム
を対象に、各評価項目について以下の方法で評価試験を
行った。 (1)柔軟性:弾性率(ASTM D 882)の測定
により評価した。 (2)透明性:ヘイズ(JIS K 6718)の測定
により評価した。 (3)光沢性:グロス(JIS K 7105)の測定
により評価した。 (4)熱収縮性:収縮率(JIS K 1709)の測
定により評価した。
を対象に、各評価項目について以下の方法で評価試験を
行った。 (1)柔軟性:弾性率(ASTM D 882)の測定
により評価した。 (2)透明性:ヘイズ(JIS K 6718)の測定
により評価した。 (3)光沢性:グロス(JIS K 7105)の測定
により評価した。 (4)熱収縮性:収縮率(JIS K 1709)の測
定により評価した。
【0019】(5)収縮包装適性:図1において、外径
107mm、高さ107mmの紙管1を6個用意し、3
22mm×214mm×5mmの段ボール2の上に2列
に載置した。次いで、段ボールと紙管を空気排出口が穿
設された964mm×362mmの多層シュリンクフィ
ルム3の一端側半分3aに載せ、同フィルムの他端側半
分3bを紙管1の上に折り返し状に被せ、三方のフィル
ム縁部3cをシールした。こうして得られた密封物を、
各温度に設定した収縮トンネルに8秒間通過させてフィ
ルムを収縮させ、その仕上がりを目視で評価した。
107mm、高さ107mmの紙管1を6個用意し、3
22mm×214mm×5mmの段ボール2の上に2列
に載置した。次いで、段ボールと紙管を空気排出口が穿
設された964mm×362mmの多層シュリンクフィ
ルム3の一端側半分3aに載せ、同フィルムの他端側半
分3bを紙管1の上に折り返し状に被せ、三方のフィル
ム縁部3cをシールした。こうして得られた密封物を、
各温度に設定した収縮トンネルに8秒間通過させてフィ
ルムを収縮させ、その仕上がりを目視で評価した。
【0020】(6)層間剥離強度及びシール強度:2枚
の多層シュリンクフィルム4、5同士をインパルス溶断
シール機を用いて圧力4kg/cm2 、圧締時間2秒、
インパルス時間1秒の条件で合掌シールした後、これを
シール方向に対して垂直に幅15mmで裁断し、供試片
6を調整した(図2参照)。シール強度は、ASTMD
882に準じて供試片6の非シール端部同士を引っ張
ってT型剥離強度を測定することによって求めた。ま
た、層間剥離強度は、T型剥離強度測定の後の破壊面を
目視観察し、層間剥離の有無を調べることによって判定
した。
の多層シュリンクフィルム4、5同士をインパルス溶断
シール機を用いて圧力4kg/cm2 、圧締時間2秒、
インパルス時間1秒の条件で合掌シールした後、これを
シール方向に対して垂直に幅15mmで裁断し、供試片
6を調整した(図2参照)。シール強度は、ASTMD
882に準じて供試片6の非シール端部同士を引っ張
ってT型剥離強度を測定することによって求めた。ま
た、層間剥離強度は、T型剥離強度測定の後の破壊面を
目視観察し、層間剥離の有無を調べることによって判定
した。
【0021】(7)ホットスリップ性:55℃に設定し
たホットプレート上に本発明フィルムを貼り、一方、3
cm角に切った段ボール紙に同じフィルムを貼って50
gの錘を固定した試験片のフィルム面を下向きにしてこ
の上に乗せた。これを水平に引っ張り、スムーズにフィ
ルム同士が滑るかどうかで判定した。得られた結果を表
1にまとめて示す。
たホットプレート上に本発明フィルムを貼り、一方、3
cm角に切った段ボール紙に同じフィルムを貼って50
gの錘を固定した試験片のフィルム面を下向きにしてこ
の上に乗せた。これを水平に引っ張り、スムーズにフィ
ルム同士が滑るかどうかで判定した。得られた結果を表
1にまとめて示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1から明らかなように、実施例1及び2
で得られた多層シュリンクフィルムは、柔軟性、透明
性、光沢性に優れ、収縮温度範囲も広く、層間強度、シ
ール強度も大きく、またホットスリップ性にも優れたも
のであった。これに対し、比較例1及び2のものは柔軟
性、透明性に優れ、収縮温度範囲も従来の多層シュリン
クフィルムに比べれば広いが、比較例1では両外層のプ
ロピレン系樹脂と内層のLLDPE樹脂との相溶性が低
いために、層間剥離が起こりシール強度が低下した。一
方、比較例2では層間強度は良いものの、クロス分別法
による90℃以下の溶出量が多すぎるために、ホットス
リップ性に劣るフィルムであった。
で得られた多層シュリンクフィルムは、柔軟性、透明
性、光沢性に優れ、収縮温度範囲も広く、層間強度、シ
ール強度も大きく、またホットスリップ性にも優れたも
のであった。これに対し、比較例1及び2のものは柔軟
性、透明性に優れ、収縮温度範囲も従来の多層シュリン
クフィルムに比べれば広いが、比較例1では両外層のプ
ロピレン系樹脂と内層のLLDPE樹脂との相溶性が低
いために、層間剥離が起こりシール強度が低下した。一
方、比較例2では層間強度は良いものの、クロス分別法
による90℃以下の溶出量が多すぎるために、ホットス
リップ性に劣るフィルムであった。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、両外層のプロピレン系
樹脂と内層のLLDPE樹脂との相溶性が改善され、そ
れによって層間接着力が向上し、柔軟性、透明性、光沢
性、熱収縮性、ホットスリップ性、シール強度に優れた
多層シュリンクフィルムを得ることができる。
樹脂と内層のLLDPE樹脂との相溶性が改善され、そ
れによって層間接着力が向上し、柔軟性、透明性、光沢
性、熱収縮性、ホットスリップ性、シール強度に優れた
多層シュリンクフィルムを得ることができる。
【図1】 収縮試験において、段ボール上の紙管を多層
シュリンクフィルムでシールした状態を示す斜視図であ
る。
シュリンクフィルムでシールした状態を示す斜視図であ
る。
【図2】 シール強度及び層間剥離強度の測定に用いた
供試片を示す斜視図である。
供試片を示す斜視図である。
1:紙管 2:段ボール 3、4、5:多層シュリンクフィルム 6:供試片
Claims (2)
- 【請求項1】 直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる
内層と、これを挟むプロピレン系樹脂からなる両外層と
を有し、該プロピレン系樹脂のクロス分別法による90
℃以下での溶出量が、プロピレン系樹脂の全重量に対し
て40〜70重量%であることを特徴とする多層シュリ
ンクフィルム。 - 【請求項2】 両外層のプロピレン系樹脂がプロピレン
−エチレン−ブテンの三元ランダム共重合体、プロピレ
ン−エチレンのランダム共重合体及びプロピレン−ブテ
ンのランダム共重合体のうちから選ばれる単独又はそれ
らの混合物であることを特徴とする請求項1記載の多層
シュリンクフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9063504A JPH10157032A (ja) | 1996-10-03 | 1997-03-17 | 多層シュリンクフィルム |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26302196 | 1996-10-03 | ||
JP8-263021 | 1996-10-03 | ||
JP9063504A JPH10157032A (ja) | 1996-10-03 | 1997-03-17 | 多層シュリンクフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10157032A true JPH10157032A (ja) | 1998-06-16 |
Family
ID=26404629
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9063504A Pending JPH10157032A (ja) | 1996-10-03 | 1997-03-17 | 多層シュリンクフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10157032A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011116123A (ja) * | 2009-11-05 | 2011-06-16 | Kohjin Co Ltd | 収縮仕上がり性に優れたポリオレフィン系熱収縮性フィルム |
-
1997
- 1997-03-17 JP JP9063504A patent/JPH10157032A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011116123A (ja) * | 2009-11-05 | 2011-06-16 | Kohjin Co Ltd | 収縮仕上がり性に優れたポリオレフィン系熱収縮性フィルム |
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