JP2011111191A - 空気セル緩衝材 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気セルの空気保持性能が高く、緩衝機能を長期間維持することができ、しかも構造が簡単で、安価に製造することができる空気セル緩衝材を提供する。
【解決手段】空気注入口5と空気セル6との間にチェックバルブ部10が第1フィルム2と第2フィルム3間に中間フィルム4を介挿して形成される。チェックバルブ部10には、中間フィルム4と第1フィルム2の間に蛇行通路11がヒートシールにより形成される。蛇行通路11の内側面を形成する中間フィルム4または第1フィルム2の少なくとも一方の内側面に摩擦面20が形成される。この摩擦面20の静摩擦係数は0.4から0.8とし、空気セル6に空気を充填した状態で、蛇行通路11を密着閉鎖する側に中間フィルム4を空気圧により押圧する押圧箇所16を設けた。
【選択図】図6

Description

本発明は、第1フィルムと第2フィルム間に、両フィルムのヒートシールによって、多数の空気セルを形成し、これらの空気セル内に空気を充填して製造する空気セル緩衝材に関する。
空気による緩衝機能を備えた包装材、梱包材として、近年、フィルム製の空気セル緩衝材が産業界で広く使用されつつある。この種の空気セル緩衝材は、2枚のフィルムを重ね合わせた状態で、ヒートシール装置に連続して供給しながら製造されるところ、先ず、装置の搬送方向ヒートシール部で、2枚のフィルム間を搬送方向に沿って熱シールしながら、ヒートシール部の手前で空気をフィルム間に送風し、その後、次の横断方向ヒートシール部で2枚のフィルム間を横断方向に熱シールして、多数の空気セルを両フィルム間に形成し、緩衝材を製造している(例えば下記特許文献1を参照)。
特開2008−296988号公報 特表2005−509568号公報
しかし、この種の空気セル緩衝材の製造装置は、上述のように、2枚のフィルムを重ね合わせた状態で、ヒートシール装置に連続供給しながら、2枚のフィルム間を先ず搬送方向ヒートシール部で搬送方向に沿って熱シールし、筒状に形成された2枚のフィルム間に空気を送風し、その後、次の横断方向ヒートシール部で2枚のフィルム間を横断方向に熱シールして、空気セルを封止する。
このため、従来の装置では、筒状のフィルム間に空気を送風して空気を充填することになるので、空気の充填不足或いは空気セルに空気漏れが発生しやすく、空気の充填不足が生じた場合、再注入ができず、緩衝材としての使用ができなくなる。
さらに、この種の緩衝材製造装置は、フィルムを連続して搬送しながら筒状部分に空気を送風して密閉するという微妙且つ複雑な工程を実施するために、装置の構造が複雑化すると共に大型化し、その価格も高価となり、小規模な包装業界や梱包業界では、使用することが難しい。
このため、小規模な包装業界や梱包業界において、この種の空気セル緩衝材を使用する場合、上記のような緩衝材製造装置を設備として備えた緩衝材の製造メーカから空気セル緩衝材を購入し、各種の製品の包装や梱包に使用しているが、空気セルを膨張させた状態の緩衝材は、必然的にその体積が増大し、体積の増大した緩衝材はその輸送コストや保管コストが増大するという不具合がある。
そこで、従来、空気注入式の空気セル緩衝材が製造され使用されている。この空気セル式の空気セル緩衝材は、2枚のフィルムをヒートシールし、上記と同様に多数の空気セルを連通して形成した構造とし、端部に単純な空気の注入口を設け、この端部の注入口から空気を注入した後、注入口を熱シールする。このため、ユーザーが、空気セル緩衝材を使用する段階で、自ら空気セル緩衝材に空気を注入する場合、ヒートシール機構付きの空気注入機を購入する必要があり、ヒートシール機構付きの空気注入機は構造が複雑で大型のため、末端ユーザーには安易に使用することが難しい。
そこで、従来、上記特許文献2において、簡単な構造のチェックバルブ(逆止弁)を空気注入部分に設けた、空気注入式の空気セル緩衝材が提案されている。この空気注入式の空気セル緩衝材は、上記の空気セル緩衝材と同様、空気を注入する前の膨張しない状態の、薄く長尺のフィルム構造体をロール状に巻装し、フィルムロールとして小規模な包装業界や梱包業界に提供され、包装業者や梱包業者が包装や梱包を行なう際、小型の空気ポンプを用いて、そのフィルム構造体の各セル内に、空気を注入して使用するため、緩衝材の輸送コストや保管コストが大幅に低減できるというメリットはある。
しかし、上記特許文献2の空気注入式の空気セル緩衝材は、図9に示すように、2枚のフィルムを重ね合わせた緩衝材本体41の端部に、中フィルム42を間に介挿しその内側に蛇行通路を形成してチェックバルブ部43を形成し、このチェックバルブ部43を通して、各空気セル44内に空気を注入する構造とされている。しかし、この空気セル緩衝材は、空気注用の入口にチェックバルブ部43を設けているものの、空気セル44をセルに注入した後、チェックバルブ部43から空気が漏れ易く、比較的短時間で空気が空気セルから抜けてしまう。このため、上記空気セル緩衝材は、チェックバルブ部43の手前に設けた空気導入通路の端部に、さらに特殊な入口用チェックバルブ45を取り付け、その入口用チェックバルブ45とチェックバルブ部43を通して、各空気セル44に空気を注入する構造となっている。
この入口用チェックバルブ45は構造が複雑なため、通常のフィルムのヒートシール工程では製造できない。このため、別の製造工程で製造した入口用チェックバルブを空気セル緩衝材の製造工程(ヒートシール工程)に持ち込み、バルブ挿入位置にそれを熱溶着する必要があり、そのような工程を自動化した製造装置は必然的にその構造が複雑化し大型化する。また、この種の特殊な入口用チェックバルブを端部に設けた空気セル緩衝材は、使用者が空気を注入する場合、空気注入器のノズルを入口用チェックバルブに手作業で接続する必要があり、自動化された装置による空気注入が難しく、使用者が簡便に使用できない。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、空気セルの空気保持性能が高く、緩衝機能を長期間維持することができ、しかも構造が簡単で安価に製造することができると共に、簡便に使用可能な空気セル緩衝材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記構造の空気セル緩衝材について鋭意研究の結果、チェックバルブ部のフィルムの静摩擦係数を特定の範囲とすることにより、入口用チェックバルブを使用せずに、空気セルの高い空気保持性能を確保することができることを知見し、下記の発明に至った
本発明に係る空気セル緩衝材は、第1フィルム及び第2フィルムを重ね合わせ、ヒートシールして袋状の緩衝材本体が形成され、該緩衝材本体の該第1フィルムと第2フィルム間に複数の空気セルが形成され、該緩衝材本体の端部に設けた空気注入口から該空気セルに空気を注入する空気注入式の空気セル緩衝材において、該空気注入口と該空気セルとの間にチェックバルブ部が該第1フィルムと第2フィルム間に中間フィルムを介挿して形成され、該チェックバルブ部には、該中間フィルムと該第1フィルムの間に蛇行通路がヒートシールにより形成され、該蛇行通路の内側面を形成する該中間フィルムまたは該第1フィルムの少なくとも一方の内側面に摩擦面が形成され、該摩擦面の静摩擦係数は0.4から0.8とし、該空気セルに空気を充填した状態で、該蛇行通路を密着閉鎖する側に該中間フィルムを空気圧により押圧する押圧箇所を設けたことを特徴とする。
この発明の空気セル緩衝材によれば、チェックバルブ部の蛇行通路内面に摩擦面が形成されるので、空気を各空気セルに注入し、空気セルの内圧を高めて注入ノズルを空気注入口から外したとき、第2フィルムと中間フィルム間の空気圧によって中間フィルムの押圧箇所が第1フィルムに押し付けられ、中間フィルムまたは第1フィルムの摩擦面が対向するフィルムの内側面に確実に密着閉鎖するように作用する。このため、チェックバルブ部が良好にチェックバルブ機能(逆止弁機能)を発揮し、各空気セル内からの空気の排出を阻止し、空気セル内の空気保持性を高くし、長期間にわたり緩衝機能を維持することができる。
ところで、現在、市場に流通しているプラスチックフィルムは、その外層が通常、ポリイミド樹脂などにより形成されるが、ポリイミド樹脂などで成形したフィルムの表面は、非常に平滑なため、密着しやすく(静摩擦係数が高く)、フィルムに皺がよりやすく、フィルムが相互に付着しやすい。このため、フィルムの原料となるポリイミド樹脂などにリン酸カルシウムなどのフィラーを混合し、成形されたフィルムの表面に微細な突起を生じさせ、これによって、フィルム表面の静摩擦係数を、約0.1〜約0.2と小さくし、易滑性を付与している。
しかし、このような静摩擦係数の小さいフィルムを重ね合わせ、ヒートシールを行なって蛇行通路を形成し、チェックバルブ部を形成した場合、空気セルに空気を充填した状態で、蛇行通路が密着しにくく、空気セルに充填した空気は容易に逆流して排気されてしまう。
そこで、本発明の空気セル緩衝材は、チェックバルブ部の蛇行通路内面の摩擦面の静摩擦係数を0.4から0.8と高くし、チェックバルブ部で重なり合うフィルムの付着性を高くし、空気セルに空気を充填した状態で、蛇行通路のフィルムを密着させ、蛇行通路を良好に密閉するようにしている。これにより、空気セルに充填した空気はチェックバルブ部で逆流することはなく、空気セル内の空気圧を長期にわたり高く保持することができる。
しかし、フィルムの摩擦面の静摩擦係数が0.4未満の場合、蛇行通路の密着性は良好ではなく、空気セル内の空気保持性を高くすることはできない。一方、摩擦面の静摩擦係数を0.8より高くすると、蛇行通路の密着性が必要以上に高くなり、空気を空気セルに充填する際、空気注入器の空気圧を非常に高くして空気を注入する必要があり、そのためにフィルムを破損させる虞が生じ、汎用の小型空気注入器を使用することができない。
これに対し、本発明の空気セル緩衝材は、蛇行通路内面の摩擦面の静摩擦係数を0.4から0.8とすることにより、空気を注入する際には、チェックバルブ部の蛇行通路を通して良好に空気を注入することができる一方、注入後は、蛇行通路の内側面が空気圧により良好に密着閉鎖されるので、チェックバルブ部を高い気密度で密着させて、空気の排出を阻止することができる。
ここで、上記緩衝材本体の端部に設けたチェックバルブ部の端部側には、上記空気注入口に連通する空気導入通路が、上記第1フィルムの端部と上記中間フィルムの端部をヒートシールして形成され、上記第2フィルムは該中間フィルムの該空気導入通路を除く部分を覆い、且つ該第2フィルムの周縁部を該中間フィルムの一面にヒートシールして空気セルを形成することが好ましい。
これによれば、空気注入時、空気注入口から空気導入通路及びチェックバルブ部を通して空気セルに良好に空気を注入することができ、注入後、チェックバルブ部の中間フィルムの押圧箇所を、第2フィルムと中間フィルム間に形成した空気セルにより良好に押圧し、中間フィルムを第1フィルム側に効果的に密着させ閉鎖することができる。
また、上記緩衝材本体における第1フィルムと第2フィルム間には格子状ヒートシール部が縦横に形成され、該格子状ヒートシール部により多数の空気セルが緩衝材本体の該第1フィルムと第2フィルム間に形成され、各空気セルは、該各空気セルを区画する線状のヒートシール部の一部に設けた非シール部の連通路により、連通させることができる。
本発明の空気セル緩衝材によれば、入口用チェックバルブを設けることなく、緩衝材本体の端部に設けた簡単な構造のチェックバルブ部のみで、空気セルの空気保持性能を非常に高く保持することができ、緩衝材の緩衝機能を長期間維持することができる。また、簡単な構造で注入圧の比較的低い小型空気注入器を用いて各空気セルに空気を充填することができる。さらに、特殊な構造のチェックバルブを不要とするため、緩衝材の構造が簡単で、安価に製造することができる。
本発明の空気セル緩衝材の一例を示す平面図である。 フィルムの厚さを強調した模式図的な図1のII-II断面図である。 フィルムの厚さを強調した模式図的な図1のIII-III断面図である。 (a)は各空気セル内に空気を充填した状態の図2に対応した断面図、(b)は各空気セル内に空気を充填した状態の図3に対応した断面図である。 第1フィルム、第2フィルム、及び中間フィルムのヒートシール前の状態を示す分解斜視図である。 チェックバルブ部の空気充填前と空気充填後の状態を説明する断面模式図である。 空気注入時の使用状態を示す部分拡大平面図である。 本発明の実施例と比較例の性能を示す性能比較表である。 従来の空気セル緩衝材の平面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の空気セル緩衝材は、図1〜図5に示すように、第1フィルム2、第2フィルム3、及びチェックバルブ用の中間フィルム4とから構成され、第1フィルム2と第2フィルム3の周縁部がヒートシール部17、18等によりシールされ、さらに、内部に格子状ヒートシール部7が縦横に熱シールされ、これにより、緩衝材本体1には多数の空気セル6が形成される。
空気セル6を形成する格子状ヒートシール部7は、長尺ヒートシール部7aと短尺ヒートシール部7bから構成される。図1のように、緩衝材本体1の空気注入口5側の端部には、チェックバルブ部10が一体的に形成される。中間フィルム4はチェックバルブ部10の主要部を構成するフィルムであり、第1フィルム2、第2フィルム3より短い長方形状に形成されている。
図1、図5に示すように、チェックバルブ部10は、空気注入口5を設けた空気導入通路14と空気セル6との間で、重ね合わせた第1フィルム2と第2フィルム3との間に中間フィルム4を介挿して形成され、チェックバルブ部10には、中間フィルム4と第1フィルム2の間に、蛇行通路用の複数のヒートシール部12を、短手方向に且つ間隔をおいて熱シールにより形成し、これらのヒートシール部12により蛇行通路11が形成されている。
つまり、中間フィルム4は、図2,3に示すように、その端部を第1フィルム2の端部と重ね合わせ、両フィルムの間に空気導入通路14とチェックバルブ部10の蛇行通路11を形成するように、先端部のヒートシール部15及び蛇行通路用のヒートシール部12、両側縁部のヒートシール部8を熱シールして、第1フィルム2の裏面に取着される。
図1に示すように、緩衝材本体1の空気導入通路14を除く全体部分に、格子状ヒートシール部7の複数の長尺ヒートシール部7aが間隔をおいて長手方向に熱シールされ、これらの長尺ヒートシール部7aによって、複数の蛇行通路11が分割形成される。蛇行通路11を形成する蛇行通路用のヒートシール部12は、長尺ヒートシール部7aに対し直交方向に形成され、端部の空気導入通路14側から緩衝材本体1の空気セル6側に向けて複数の蛇行する通路を形成している。
なお、チェックバルブ部10内の蛇行通路11は、上記のような長尺ヒートシール部7aと直交するヒートシール部12を、間隔をおいて且つ位置をずらして複数本配置して形成したが、その他、任意の形状に曲折したヒートシール部を形成することによっても、蛇行通路を形成することができる。
一方、各蛇行通路11の空気導入通路14側には入口13が形成され、この入口13を通して空気導入通路14の空気が各蛇行通路11内に入るようになっている。空気導入通路14の図1の上端部は、非シール部として空気注入口5とされ、空気導入通路14の図1の下端部は、長尺ヒートシール部7aによって閉鎖され、緩衝材本体1の各空気セル6に空気を注入する場合、この空気注入口5から空気導入通路14に空気を注入する。
空気注入口5から注入された空気は、空気導入通路14を通り、各入口13からチェックバルブ部10の各蛇行通路11に入り、さらに各蛇行通路11を通った空気は、各蛇行通路11の末端開口部から第1フィルム2と第2フィルムの間内つまり緩衝材本体1の各空気セル6内に入り、充填されるように構成される。
ここで、上記チェックバルブ部10の内側面つまり蛇行通路11の内側面を構成する中間フィルム4の内側面または第1フィルムの内側面の少なくとも一方の面には、図6に示すように、摩擦面20が形成され、この摩擦面20の静摩擦係数は0.4から0.8とされ、望ましくは静摩擦係数0.5から0.7とされる。このチェックバルブ部10の内側面を、静摩擦係数0.4から0.8の摩擦面20とすることにより、空気を各空気セル6に注入したとき、中間フィルム4の下面(外側面)の押圧箇所16を空気圧により押圧し、これによって、蛇行通路11内を良好に密着させ閉鎖することが可能となる。
この種の空気セル緩衝材において、従来、通常使用されるプラスチックフィルムの静摩擦係数は、約0.1〜約0.2と比較的小さく、このような静摩擦係数の小さいフィルムを重ね合わせ、ヒートシールを行なって蛇行通路を形成し、チェックバルブ部を形成したとしても、空気セルに空気を充填した状態で、蛇行通路は密着せず、空気セルに充填した空気は容易に逆流して排気されてしまう。
また、摩擦面20の静摩擦係数が0.4未満の場合でも、蛇行通路の密着性は良好ではなく、空気セル内の空気保持性を高く保持することはできない。一方、摩擦面の静摩擦係数を0.8より高くすると、蛇行通路の密着性が必要以上に高くなり、空気を空気セルに充填する際、注入器の空気圧を非常に高くする必要があり、汎用の空気注入器を使用することができない。
これに対し、本発明の空気セル緩衝材は、チェックバルブ部10の蛇行通路11の内側面を形成する中間フィルム4の内側面の摩擦面20の静摩擦係数を、0.4から0.8とすることにより、空気を注入する際には、チェックバルブ部10の蛇行通路11を通して良好に空気を注入することができる一方、注入後は、蛇行通路11の内側面が空気圧により良好に密着閉鎖されるので、チェックバルブ部10を高い気密度で密着させて、空気の排出を阻止することができる。
ところで、チェックバルブ部10の蛇行通路11の内側面は、中間フィルム4の内側面と第1フィルム2の内側面から構成されるが、少なくとも何れか一方の内側面に摩擦面20を形成すれば、上述のように、空気セル6に空気を注入した状態で、チェックバルブ部10の蛇行通路11を密着閉鎖することができる。
上記第1フィルム2、第2フィルム3、及び中間フィルム4には、単層のプラスチックフィルムを用いることもできるが、通常は、2層、3層のプラスチックフィルムを使用することが、ガスバリアー性や熱シール性の観点から望ましい。第1フィルム2、第2フィルム3、及び中間フィルム4を、例えば2層のプラスチックフィルムから構成する場合、内側層にはガスバリアー性に優れ、低融点のポリイミドまたはエチレンー酢酸ビニル共重合体を使用し、外側層に低密度ポリエチレンを使用することができる。
このような2層のプラスチックフィルムを第1フィルム2及び中間フィルム4に使用する場合、この内側層となるポリイミドまたはエチレンー酢酸ビニル共重合体のフィルム表面の滑り性を調整し、フィルム表面の静摩擦係数が上記のように0.4から0.8となるようにする。通常のプラスチックフィルムの製造時には、ポリイミド層などの平滑性の高いプラスチックが外側層となる場合、ポリイミド樹脂にリン酸カルシウム等のフィラーを混合し、フィルム表面に微細な突起を生じさせて静摩擦係数を小さくし、易滑性を付与している。
本発明で使用する第1フィルム2の内側層及び/または中間フィルム4の内側層に使用されるポリイミド樹脂などは、フィラーの添加量を通常より少なくして、その内側層のフィルム表面の静摩擦係数が0.4から0.8となるように調整している。これにより、チェックバルブ部10の蛇行通路11の内側面を形成する、中間フィルム4の内側面または第1フィルム2の内側面の、少なくとも何れか一方の内側面である摩擦面20の易滑性(滑り性)を通常のフィルムより低くし、蛇行通路11の内側面が、密着し易いようにしている。
上記構成の空気セル緩衝材は、上述のように、第1フィルム2、第2フィルム3、及び中間フィルム4を、所定の大きさの長方形形状に裁断し、所定の位置に線状のヒートシール部を形成するようにして、第1フィルム2と第2フィルム3を緩衝材本体1の空気セル6の部分で熱シールし、第1フィルム2と中間フィルム4をチェックバルブ部10の部分で熱シールし、且つ第2フィルム3の先端部を中間フィルム4の裏面に熱シールするのみの極めて簡単な熱シール工程で、製造することができ、従来のように、特殊な材料と加工により別個に製造したチェックバルブを空気注入口に取着する必要がない。
このような構成の空気セル緩衝材は、メーカからフィルムロールとして小規模な包装業者や梱包業者のユーザーに提供され、ユーザーは包装や梱包を行なう際、小型の空気注入器(空気ポンプ)を用いて、空気セル緩衝材の各空気セル6内に、空気を注入して使用する。空気セル緩衝材を使用する場合、図7に示すように、空気ポンプのノズルNを空気注入口5に差し込み、空気を空気導入通路14及びチェックバルブ部10を通して、各空気セル6内に充填する。
このとき、空気は、図7のように、空気導入通路14から複数の入口13を通って蛇行通路11に入り、蛇行しながら緩衝材本体1内の各空気セル6に連通路9を通して流れ込み充填される。各空気セル6は、空気の注入に伴い膨張し、特にチェックバルブ部10に隣接する空気セル6においては、図6に示すように、その空気セル6の空気圧が上昇すると、チェックバルブ部10の中間フィルム4の下面の押圧箇所16が第1フィルム2側に強く押圧される。
このとき、緩衝材本体1のチェックバルブ部10はその先端部が図6のように湾曲するので、空気セル6の空気圧が中間フィルム4の下面の押圧箇所16に良好に作用し、中間フィルム4を第1フィルム2側に強く押圧する。上述のように、チェックバルブ部10の蛇行通路11の内側面を構成する中間フィルム4または第1フィルム2の内側面の少なくとも一方の面(摩擦面20)静摩擦係数が0.4から0.8とされるから、押圧箇所16が押圧されたとき、中間フィルム4の内側面が第1フィルム2の内側面に良好に密着し、チェックバルブ部10の蛇行通路11が確実に閉鎖される。したがって、空気ポンプのノズルNを空気注入口5から外した後も、チェックバルブ部10が確実に逆止弁の機能を発揮し、空気セル6の空気圧は良好に保持されることとなる。
以下、本発明の効果を確認するために、比較例と共に行なった実施例について説明する。各実施例、比較例の空気セル緩衝材は、150×390mmの第1フィルム、150×370mmの第2フィルム、及び150×90mmの中間フィルムを重ね合わせて所定部分を熱シールし、150×390mmの大きさに形成した。また、緩衝材には、30×30mmの空気セルを、4列10行で40個形成した。
第1フィルム、第2フィルムには、厚さ45μmのガスバリアー性のある多層共押しフィルムを使用し、中間フィルムには静摩擦係数を調整したLLDPEを使用した。比較例1,2では、中間フィルムの内側面の静摩擦係数を0.1、0.2とし、実施例1〜4では、中間フィルムの内側面の静摩擦係数を0.4〜0.8と変えて緩衝材を製作した。
各比較例1,2、実施例1〜4の空気セル緩衝材には、小型の空気注入器を用いて空気を注入し、その注入時の空気圧を測定すると共に、空気セルが所定の膨張状態に達した状態で、空気注入器のノズルを外し、空気を充填した各比較例1,2、実施例1〜4の空気セル緩衝材の上に約200gの平板を載置し、その状態で平板の高さの変化を測定することにより、空気セルの空気保持状態が90%となるまでの期間を測定した。その結果を図8の性能表に示す。
図8の性能表に示すように、比較例1,2の如く、蛇行通路の摩擦面の静摩擦係数を0.1または0.2と小さくしたものでは、明らかに空気セルの空気保持期間が短く、実施例1〜4のように、蛇行通路の摩擦面の静摩擦係数を0.4〜0.8と大きくしたものでは、空気セルの空気保持期間が比較例に比べ、著しく長くなったことが分かる。
一方、空気セルに空気を注入する際の空気注入圧力は、蛇行通路の摩擦面の静摩擦係数が大きくなるほど高くなり、静摩擦係数が0.8を超えると、空気注入圧力が汎用の小型空気ポンプの圧力を超え、また注入時のフィルムの破損も生じやすく、空気の充填が難しくなった。
1 緩衝材本体
2 第1フィルム
3 第2フィルム
4 中間フィルム
5 空気注入口
6 空気セル
7 ヒートシール部
7a 長尺ヒートシール部
7b 短尺ヒートシール部
8 ヒートシール部
9 連通路
10 チェックバルブ部
11 蛇行通路
12 ヒートシール部
13 入口
14 空気導入通路
15 ヒートシール部
16 押圧箇所
17 ヒートシール部
20 摩擦面

Claims (3)

  1. 第1フィルム及び第2フィルムを重ね合わせ、ヒートシールして袋状の緩衝材本体が形成され、該緩衝材本体の該第1フィルムと第2フィルム間に複数の空気セルが形成され、該緩衝材本体の端部に設けた空気注入口から該空気セルに空気を注入する空気注入式の空気セル緩衝材において、
    該空気注入口と該空気セルとの間にチェックバルブ部が、該第1フィルムと第2フィルム間に中間フィルムを介挿して形成され、該チェックバルブ部には、該中間フィルムと該第1フィルム間に蛇行通路がヒートシールにより形成され、
    該蛇行通路の内側面を形成する該中間フィルムまたは該第1フィルムの少なくとも一方の内側面に摩擦面が形成され、
    該摩擦面の静摩擦係数は0.4から0.8とし、
    該空気セルに空気を充填した状態で、該蛇行通路を密着閉鎖する側に該中間フィルムを空気圧により押圧する押圧箇所を設けたことを特徴とする空気セル緩衝材。
  2. 前記緩衝材本体の端部に設けたチェックバルブ部の端部側には、前記空気注入口に連通する空気導入通路が、前記第1フィルムの端部と前記中間フィルムの端部をヒートシールして形成され、前記第2フィルムは該中間フィルムの該空気導入通路を除く部分を覆い、且つ該第2フィルムの周縁部を該中間フィルムの一面にヒートシールして空気セルを形成したことを特徴とする請求項1記載の空気セル緩衝材。
  3. 前記緩衝材本体における前記第1フィルムと第2フィルム間に、格子状ヒートシール部が縦横に形成され、該格子状ヒートシール部により多数の空気セルが緩衝材本体の該第1フィルムと第2フィルム間に形成され、該各空気セルは、該各空気セルを区画する線状のヒートシール部の一部に設けた非シール部の連通路により連通することを特徴とする請求項1記載の空気セル緩衝材。
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