JP6770752B2 - シート製の閉止弁及び閉止弁付きの袋 - Google Patents
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Description
上記の密閉袋には、閉止弁を備え、閉止弁を通じて、流体である収納物の取出しや、不要なガスの排出を、外気を袋内に侵入させずに行うものが普及している。
図10中、「内」との表示は袋の収容空間内即ち袋内側を示し、「外」との表示は袋の外側即ち大気側を示す。図示の通り、脱気において、上記「内」側が上流側であり、上記「外」側が下流側である。図10(A)〜(E)において、中央縦に伸びて上記「内」側と「外」側を区画する太線は、袋の内圧と袋外部との圧力差位置であり、袋端部といった弁取付位置を示している。
ところが従来の逆止弁が想定していたものは、逆止弁の開閉時に大きな圧力変動を伴う状態であった。この大きな圧力変動を伴う場合の逆止弁の開発は、次の二つの点を考慮してなされていた。
第二の課題は、逆流を防止した状態を長期にわたって維持させるという課題である。
上記の課題を解決するために、逆止弁の通気路内の上流と下流の2か所に弁体を設ける提案もなされている。
これらの特許文献に示される二つの弁部を備えた逆止弁は、上記の第一と第二の課題の課題であって、第一の課題は、逆流を防止する機能を確実に早く発揮させたり、逆流を防止した状態を長期にわたって維持させたりするために、一つの弁部だけでは十分でないため、さらにもう一つの弁部を設けることを提案するものであった。
具体的には、上記図10(C)の状態から、図10(D)の状態、更に図10(E)の状態と変化する際に、弁出口付近の僅かな流体(脱気袋の場合空気など)を吸い込んでしまうという課題があることが発明者によって知見されたった。特に圧力差が非常に小さい均衡状態(上流≒下流)が長く続く場合、弁部の自己粘着だけでは弁出口が閉じ難くなっており、弁を閉鎖できない可能性が増す。
これに対して、内容物がガスを発生する場合、当該発生ガスにより、圧力差を生じるもの、例えばコーヒー豆を内容物とする場合、内容量(コーヒー豆)が少ないときには発生するガス量も少なくなり、均衡状態が長くなることがある。
前記バッファ部に流体を滞留させるためには、次のように構成する。
第二に、前記上流弁部は、前記下流弁部よりも、前記流路の閉鎖性が低くなるように構成される。
また、上記の第二の構成に変えて或いは加えて、第三に、前記バッファ部は、前記上流弁部と前記下流弁部との少なくともいずれか一方よりも、前記流路の前記流体の流れ方向の長さが長くなるように構成される。
また、前記フィルム間の粘着性を、前記バッファ部の方が前記上流弁部及び前記下流弁部よりも低いものとして実施することができる。
この例は、本発明に係る閉止弁vを脱気弁として、当該閉止弁vを備えた密閉袋wについて説明する。特に上記脱気弁を設けた食品用収納用の袋を上記密閉袋wとして、図1(A)へ全体図(平面図)を例示する。図1(B)は図1(A)の密閉袋wに設けた本発明に係る閉止弁vの拡大平面図である。
上記の食品用袋である袋は、柔軟な樹脂性の密閉袋wである。
図1(A)へ示す通り、この例では、密閉袋wは、略矩形の上シートw1と下シートw2の2枚のシートを重ね、前記矩形の3辺w3,w4,w5をシールして閉鎖し、袋としたものである。上シートw1と下シートw2とは、夫々ポリエチレンに代表される柔軟な合成樹脂にて形成されたシートである。図1(A)(B)の網掛けで示す部分が、上記シールを施されたシール部hである。シール部hの形成は、ヒートシールにて行うことができる。
密閉袋wの閉鎖された上記3辺のうちの1辺に上記脱気弁である閉止弁vが設けられている。
この例では、密閉袋wは、脱気袋であり、例えば、コーヒーや発酵食品など保存中ガスを発生する食品や、減圧して嵩を低減させる衣類や布団などを収容物として、密閉袋wの内部空間即ち収容空間w0へ収容するものである。この収容物は、上記ヒートシール後、ファスナw7を開いて開口部w6から収容空間w0内へ収容される。
上記シール部hを境として、密閉袋wの収容空間w0側を袋内側とし、収容空間w0の外側を袋外側として説明を続ける。
閉止弁vは、柔軟で扁平な略筒状のものであり、筒状の閉止弁vの内部空間を流体(本例では空気)の流路v0として密閉袋wの収容空間w0と密閉袋wの袋外側との間の流体の移動を可能とする。閉止弁vは上記流路v0の流体の移動を規制する、上流弁部aと下流弁部cとを備える(図1(B))。
具体的には、閉止弁vは、ポリエチレンに代表される柔軟な合成樹脂製のフィルムを外装フィルム1として、当該外装フィルム1を2枚重ねたものである。
以下必要に応じて、図2(A)(B)の上方に配置された外装フィルム1を上外装フィルム1aと呼び、その下方に配置された外装フィルム1を下外装フィルム1bと呼ぶ。
上流弁部aは、流路v0中上記の通り圧力差位置である、密閉袋wの袋外側から袋内側を画する上記シール部hを含む領域に位置する。
この上流弁フィルム3は、流路v0の圧力変動に応じて上下に動くもので、上流弁フィルム3(フラップ部31)の上面が、上外装フィルム1aの下面へ密着することによって流路v0を遮断し、上流弁フィルム3(フラップ部31)の上面が上外装フィルム1aの下面から開放されることにより、流路v0を開くものである。
上記サイドシール部2にて一体にされた上外装フィルム1aと上流弁フィルム3と下外装フィルム1bを、密閉袋w形成時の上シートw1と下シートw2の上記ヒートシールの際、上シートw1と下シートw2との間に挿入し(図4(B))当該ヒートシールを行うことによって、密閉袋wの形成と、閉止弁vへの上流弁部aの形成と、閉止弁vの密閉袋wへの取り付けとを同時に行うことができる(図2(A))。即ちシール部hのヒートシールにて上流弁フィルム3の固定部32が形成される。従って、上流弁フィルム3において固定部32が圧力差位置を示すものとなる。
そして密閉袋wのシール部hを形成する際に、そのヒートシールによって、固定部32が形成される。その際、シール部hのヒートシールによって、上流弁フィルム3の固定部32と反対側の上面が上外装フィルム1aと溶着しないように、上流弁フィルム3の上面には非溶着フィルム33が配置されている(図1(B)、図2、図3及び図4)。
また、非溶着フィルム33に代えて、耐熱インクを塗布しておくこともできる。
上流弁部aは、前述した上流弁フィルム3を備えた逆止弁として実施されており、図3(B)へ示す通り、上流弁フィルム3のフラップ部31の上面は、対向する上外装フィルム1aの下面へ密着し、閉止弁vを閉弁状態とする。
上流弁フィルム3が固定されている下外装フィルム1bの上面に粘着して開弁動作が害されないことを目的として、図3(B)に示すように、フラップ部31の下面には当該外装フィルム1(下外装フィルム1b)を臨む面へ難粘着部分35を設けて実施することが出来るが(図3(B))、難粘着部分35を設けずに実施してもかまわない。
以上説明した形態は、従来の閉止弁(逆止弁)であっても備えた形態であると言えるが、本発明の閉止弁の特徴は、図2(B)へ示す通り、弁部として、上流弁部aと、上流部よりも下流側に位置する下流弁部cの少なくとも2つの弁部を備え、上流弁部aと下流弁部cに、流路v0内の流体を滞留させるバッファ部bを設ける点である。
下流弁部cは、この例では弁体フィルムを備えていない。また、下流弁部cにおいて、外装フィルム1は、バッファ部bのような難粘着部4も備えない。よって、下流弁部cは、自己粘着性がある上外装フィルム1aの下面と自己粘着性がある下外装フィルム1bの上面とが直接対向しており、両者が粘着部5として密着し合い、上下の両外装フィルム1間を閉鎖する(図3(B))。
流路の閉鎖性は、流路v0を構成する上下に対向するフィルムの厚みや、柔軟性や、形状などにも左右されるが、これを左右する最も大きな要因として、粘着性と流路の幅との二つの要因を上げることができる。
第二の要因である流路の幅は、流路の幅(即ち、流路v0中の流体の流れ方向に直交する方向における距離)の長短であって、粘着性が同じ場合には、流路の幅が小さい方が流路の閉鎖性が高い。
図5を参照して、閉止弁vの動作について簡単に説明する。ここでは、各弁部の構造の詳細については省略し作用のみに焦点を絞って説明する。尚、ここで上流側とは流体の流路v0においてバッファ部bよりも上流側を指し、下流側とは上記流路v0においてバッファ部bよりも下流側を指す。
図5(A)へ示す通り、使用初期の密閉袋wの袋内側と袋外側で圧力が均衡している状態において、流路v0内での流体の移動はなく、上流弁部aも下流弁部cも閉弁し、バッファ部bも縮んで両外装フィルム1間の幅を狭めている。
上流側の圧力が上昇し、内圧について上流側>バッファ部b=下流側、例えば、内圧の増加比a:b:cが+1:0:0(気圧)となると、図5(B)へ示す通り、上流側の上流弁部aは開弁する。上流弁部aの開弁により図5(C)へ示すようにバッファ部bへ流体が流入し、下流弁部cの閉弁状態においてバッファ部bが膨らむ。バッファ部bは、流路v0の袋外側区間へ配置されているため、袋内側区間のような密閉袋wの内圧の影響を外装フィルム1の表面側から受けることなく、比較的自由に膨らむことができ、バッファとして流体を滞留させる機能を十分発揮することができる。
脱気により上流側の圧力が低減すると、図5(E)へ示す通り、下流弁部cが開弁した状態において上流弁部aは閉弁し、上流側とバッファ部bの内圧が均衡状態へ移行する。即ち内圧が上流側≦バッファ部b>下流側の状態例えば内圧の増加比+0.5:+1:0の状態を経て、更に上流側=バッファ部≧下流側の状態例えば内圧の増加比0(−1):+0.5:0の状態へ移行する。最終的にバッファ部bと下流側の内圧が均衡する。即ち、図5(F)へ示す上流側=バッファ部b=下流側或いは上流側≦バッファ部b=下流側の状態例えば内圧の増加比0(−1):0:0の状態となる。
なお、図5(E)に示す上流側とバッファ部bの均衡時において、バッファ部bからその上流側へ僅かな逆流が発生する可能性はあるが、バッファ部b中の流体はバッファ部よりバッファ部に滞留するまでは上流側にあった流体である。従って、袋外側からの流体を侵入させるような問題はない。
そして次作動時即ち下流弁部の開弁時には、バッファ部より下流側からバッファ部へ侵入した流体は再びバッファ部の下流側に排出され、バッファ部にはバッファ部よりも上流側にあった流体が満たされる。
そして、特に本発明に係る袋では、流路中において、バッファ部は、袋の外側区間に配置されるので、筒状の閉止弁において、袋の内圧の影響を受けずに拡縮することができる。従って、本発明では、上記効果をより顕著に発揮することができる。
バッファ部bにその機能を有効に発揮させるためには、順流時において(収容空間w0から流路v0を通って外部に抜ける時において)バッファ部bが流体によって膨らむように構成する必要がある。
この第1の実施の形態では、上流弁部aとバッファ部bと下流弁部cとは、流路v0の幅は等しいため、閉鎖性は、粘着性によって決定される。
この実施の形態では、流路の閉鎖性は、上流弁部aと下流弁部cとは等しく、難粘着部4が有るバッファ部bの閉鎖性は両弁部a、cよりも低い。
なお、バッファ部bに難粘着部4を設けずに実施することで、上流弁部aとバッファ部bと下流弁部cとの粘着性を等しくした場合には、バッファ部bの流路v0の幅を下流弁部cよりも広くして実施することができ、より好ましくは上流弁部a及び下流弁部cの双方より広くして実施することができる。
具体的には、バッファ部bは、上流弁部aと下流弁部cとの少なくともいずれか一方よりも、流路v0の流体の流れ方向の長さが長くなるように構成するものであり、より望ましくは、上流弁部aと下流弁部cとの双方よりも、流路v0の流体の流れ方向の長さが長くなるように構成する。
この実施の形態では、バッファ部bは、上流弁部aと下流弁部cとの双方よりも、流路v0の流体の流れ方向の長さが長くなるように構成されている。
なお、上流弁フィルム3は、その下面に重ねられた下外装フィルム1bとの間が、その上流側において固定部32によって密閉状態とされ、その下流側においてバッファ部bに導通している。これによって、バッファ部bに入った流体の一部は、図3(B)に示すように、上流弁フィルム3と下外装フィルム1bとの間の空間にも導入される場合があり、以下の説明では、当該空間をバッファ連続部dとして説明する。
図7(A)へ示す通り、下流弁部cは、上流弁部aと同様、弁体フィルムを備えるものとしても実施できる。具体的には、下流弁部cにおいて、外装フィルム1の一方に、上記弁体フィルムとして下流弁フィルム6が固定されている。下流弁フィルム6は、上記フラップ部31及び固定部32と同様の機能を有する副フラップ部61及び副固定部62を備える。即ち、下流弁部cにおいて、副固定部62により下流弁フィルム6が下外装フィルム1bの上面へ固定されている。副固定部62から下流側に向けて副フラップ部61は伸びている。
また副フラップ部61には、上記非溶着フィルム33と同様の副非溶着フィルム63が設けられている。
第2の実施の形態において、特に言及しなかった事項については、上記第1の実施の形態と同様である。
この例では、図7(B)及び図8(A)(B)へ示す通り、外装フィルム1の夫々は、互いに別体に形成された第1構成フィルム10と第2構成フィルム11とにて構成されている。
上第1構成フィルム10aと下第1構成フィルム10bとの間が流路v0の一部を提供し、上第2構成フィルム11aと下第2構成フィルム11bとの間も流路v0の他の一部を提供する。
図7(B)及び図8(B)へ示す通り、上第1構成フィルム10aと下第1構成フィルム10b上の非溶着フィルム33とが前述の流入部12を提供し、上下の第2構成フィルム11,11は前述の流出部13を提供する。上下の第1構成フィルム10,10は、前記圧力差位置から袋外側へ向け伸びて第2構成フィルム11,11間へ内装される内装部14を備える。上流弁フィルム3は一方の第1構成フィルム10(下第1構成フィルム10b)の上方に配置され固定ている。下流弁フィルム6は、一方の第2構成フィルム11(下第2構成フィルム11b)の上方に配置され固定ている。
この実施の形態において、内装部14の先端と下流弁フィルム6との間の難粘着部4の領域をバッファ部bとする。
この第3の実施の形態において下流弁フィルム6の自己粘着性については、第2の実施の形態で説明したものと同様である。
この他、第3の実施の形態において、特に言及しなかった事項については、上記第1及び第2の実施の形態と同様である。
第4の実施の形態について、図9を参照して説明する。
図9(A)は第4の実施の形態に係る閉止弁の断面図で(B)は同平面図である。
まず、流入部12の構造について、この例では袋wの収容空間w0の内部に、平面状に開口しているものである。上外装フィルム1aが収容空間w0の内部に長く伸ばされており、その下方に不織布などのフィルター51が配置されている。収容空間w0の内部の上外装フィルム1aとフィルター51とはほぼ同じ大きさ同じ形状とされており、その周囲がフィルター固定部52のヒートシールによって固定されている。収容空間w0の内部の流体はフィルター51を通って流路v0内部に導入されることにより、微粉末などが閉止弁内に導入されたり外部に流出したりすることを防ぐことができる。
なお、この流入部12の構造は、先に示した各実施の形態においても採用することができる。
次に、この例では、バッファ部bは、外装フィルム1(上外装フィルム1aと下外装フィルム1b)に難粘着部4を備えておらず、共に、自己粘着性がある上外装フィルム1aの下面と自己粘着性がある下外装フィルム1bの上面とが直接対向しており、両者が粘着部5として密着し合うものである。従って、この点では、バッファ部bと下流弁部cとは上下の両外装フィルム1間を閉鎖する点で差異がない。
言い換えれば、バッファ部bと下流弁部cは、弁体フィルムである上流弁フィルム3の下流端と外装フィルム1(上外装フィルム1aと下外装フィルム1b)の下流端との間の先端空間を構成している点で共通する。
第二の要因である流路の幅は、流路の幅(即ち、流路v0中の流体の流れ方向に直交する方向における距離)が、下流弁部cはバッファ部bよりも小さいため、流路の閉鎖性が高い。
なお、上流弁フィルム3は、その上面が自己粘着性があり、上外装フィルム1aの下面と対向している点で、バッファ部b及び下流弁部cと同等の粘着性がある。また、流路の幅は、バッファ部bと同じく、下流弁部cよりも大きい。従って流路の閉鎖性は、下流弁部cが最も高く、上流弁部aとバッファ部bとはほぼ等しい。
先に述べたように、バッファ部bにその機能を有効に発揮させるためには、順流時において(収容空間w0から流路v0を通って外部に抜ける時において)バッファ部bが流体によって膨らむように構成する必要がある。
第二の手段として、流体の流出時(収容空間w0の内圧が上昇するなどして、上流弁部aが開いた時)、バッファ部bに流体が導入された直後に下流弁部cも開いてしまうと、バッファ部bが流体によって膨らまない場合があるため、これを防ぐ手段を講じる必要がある。
この二つの手段をまとめれば、下流弁部cの閉鎖性が上流弁部a及びバッファ部bの双方よりも、高くなるように構成するもので、この実施の形態では、下流弁ポイントシール53を設けることによって、流路の幅を最も小さくしたものである。
なお、バッファ部bと下流弁部cとの流路v0の流れ方向における長さは、上記の作用を発揮することを条件に設定することができるが、それぞれ少なくとも2mmの長さ、より好ましくは3mm以上の長さとすることが適当である。
また、図9(D)(E)に示すように、上流弁フィルム3と上外装フィルム1aとの間に上流弁ポイントシール54を、設けて実施しても構わないが、この場合にも閉鎖性は、下流弁部cの方が高くなるように構成する必要がある。具体的には下流弁ポイントシール53の数を増やしたり幅を大きくするなどして、流路幅を下流弁部cの方が狭くなるようにして実施する必要がある。
以上この実施の形態では、流路の閉鎖性について、流路幅のみによって実現させたが、先の実施の形態に示すように粘着性によって実現させることもできるし、両者を併用することも可能である。
上流弁部aは、対向する1対の上流弁フィルム3にて構成しても構わない。即ち、上流弁フィルム3が設けられた外装フィルム1と対向する外装フィルム1にも上流弁フィルム3を設け、両上流弁フィルム3のフラップ部31同士が密着することにて、上流弁部aが閉弁し、両フラップ部が離反することによって上流弁部aが開弁するものとしても実施できる。また、下流弁部cが弁体フィルムを備える場合も、図7(A)(B)へ示すものと異なり、下流弁部cは対向する一対の弁体フィルム(下流弁フィルム6)を備えるものとしても実施できる。
上述の各実施の形態について、食品用密閉袋の脱気弁を例示して説明したが、本発明の袋wは、気体を排気する脱気袋に限らず、液体などの気体以外の排出を上記閉止弁vにて行うものとしてもよい。更に、本発明に係る閉止弁vは、密閉袋w内から袋外部へ流体を排出する際に流体が逆流するのを防止するものの他、袋外部から袋内へ流体を注入する際に逆流を防止する閉止弁vとして実施してもよい。
閉止弁vは、上記外装フィルムや弁体フィルムにて構成されたものに限定するものではなく、フィルム以外の形態に賦形されたものとしても実施できる。例えば密閉袋をビーチボールや浮き輪、人形その他の空気を注入して膨らませて使用する玩具とし、閉止弁vを当該玩具の空気注入口に設けられる、筒状のゴムやプラスチック成形品としても実施できる。
b バッファ部
c 下流弁部
d バッファ連続部
f,w 袋
h シール部
h1 補助シール部
v 閉止弁
v0 流路
w 密閉袋
w0 収容空間
w1 上シート
w2 下シート
w6 開口部
w7 ファスナ
w8 延設部
1,1a,1b 外装フィルム
1a 上外装フィルム
1b 下外装フィルム
2 閉鎖部
2,20 サイドシール部
3 上流弁フィルム
4 難粘着部
5 粘着部
6 下流弁フィルム
10,10a,10b 第1構成フィルム
11,11a,11b 第2構成フィルム
12 流入部
13 流出部
14 内装部
21 副サイドシール部
31 フラップ部
32 固定部
33 非溶着フィルム
34 溶着フィルム
35 難粘着部分
51 フィルター
52 フィルター固定部
53 下流弁ポイントシール
54 上流弁ポイントシール
61 副フラップ部
62 副固定部
63 副非溶着フィルム
Claims (7)
- 外側の上下に外装フィルムのそれぞれが配置され、前記外装フィルムの両側辺が閉鎖された閉鎖部を構成し、一端側が順流に対する流入部となり、他端側が前記順流に対する流出部となる、柔軟な略筒状のものであり、前記順流及びその逆方向へ流れる逆流の流路を構成すると共に、前記流路内の流体の移動を規制する弁部を前記流路に備えたシート製の閉鎖弁において、
前記弁部として、前記順流の上流側に位置する上流弁部と、前記上流弁部よりも前記順流の下流側に位置する下流弁部の、少なくとも2つの弁部を備え、
前記上流弁部と前記下流弁部との間は、前記流路内の流体を滞留させるバッファ部を構成し、
前記流路を構成する前記フィルム間の粘着性は、前記バッファ部の方が前記上流弁部及び前記下流弁部よりも低く、
前記バッファ部は、前記下流弁部よりも、前記流路の閉鎖性が低くなるように構成され、
且つ、
前記上流弁部は、前記下流弁部よりも、前記流路の閉鎖性が低くなるように構成されたことを特徴とするシート製の閉止弁。 - 外側の上下に外装フィルムのそれぞれが配置され、前記外装フィルムの両側辺が閉鎖された閉鎖部を構成し、一端側が順流に対する流入部となり、他端側が前記順流に対する流出部となる、柔軟な略筒状のものであり、前記順流及びその逆方向へ流れる逆流の流路を構成すると共に、前記流路内の流体の移動を規制する弁部を前記流路に備えたシート製の閉鎖弁において、
前記弁部として、前記順流の上流側に位置する上流弁部と、前記上流部よりも前記順流の下流側に位置する下流弁部の、少なくとも2つの弁部を備え、
前記上流弁部と前記下流弁部との間は、前記流路内の流体を滞留させるバッファ部を構成し、
前記流路を構成する前記フィルム間の粘着性は、前記バッファ部の方が前記上流弁部及び前記下流弁部よりも低く、
前記バッファ部は、前記下流弁部よりも、前記流路の閉鎖性が低くなるように構成され、
且つ、
前記バッファ部は、前記上流弁部と前記下流弁部との少なくともいずれか一方よりも、前記流路の前記流体の流れ方向の長さが長くなるように構成されたことを特徴とするシート製の閉止弁。 - 前記弁部のうち少なくとも前記上流弁部は、前記順流時に開いて前記逆流時に閉じる逆止弁を構成する少なくとも1枚のフィルムを弁体フィルムとして備えており、
前記弁体フィルムは、その上面に重ねられたフィルムとの間が開放又は密着することにより、前記流路の開閉が行われるものであり、
前記弁体フィルムは、その下面に重ねられたフィルムとの間が、その上流側において密閉状態に固定され、その下流側において前記バッファ部に導通していることによって、前記弁体フィルムとその下面に重ねられた前記フィルムとの間がバッファ連続部を構成していることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート製の閉止弁。 - 前記弁体フィルムは、前記上流弁部のみが備え、前記下流弁部が備えていないものであり、
前記弁体フィルムの下流端と前記外装フィルムの下流端との間に先端空間が配置され、
前記先端空間は、上下の前記外装フィルム間が直接対向する空間であり、前記バッファ部を構成する低閉鎖性空間と、その下流側に位置して前記下流弁部を構成する高閉鎖性空間とを備えていることを特徴とする請求項3に記載のシート製の閉止弁。 - 前記流路の流路幅は、前記下流弁部の方が前記バッファ部及び前記上流弁部よりも狭いことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のシート製の閉止弁。
- 請求項1乃至5の何れかに記載のシート製の閉止弁を備えた袋。
- 袋と、前記袋の収容空間を構成するシートに固定された請求項1又は2に記載のシート製の閉止弁とを備え、
前記上流弁部は上流弁フィルムを備え、前記上流弁フィルムは一方の前記外装フィルムに固定された固定部と、前記固定部から前記流出部へ向けて伸びるフラップ部とを備えた逆止弁であり、
前記固定部は、前記順流の流れ方向において、前記袋を構成する前記シート同士をシールして前記収容空間の内外を分ける前記袋のシール部である圧力差位置と同じ位置か、それよりも下流側に配置されていることを特徴とする袋。
Priority Applications (5)
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