JP2015113131A - 包装袋 - Google Patents

包装袋 Download PDF

Info

Publication number
JP2015113131A
JP2015113131A JP2013254415A JP2013254415A JP2015113131A JP 2015113131 A JP2015113131 A JP 2015113131A JP 2013254415 A JP2013254415 A JP 2013254415A JP 2013254415 A JP2013254415 A JP 2013254415A JP 2015113131 A JP2015113131 A JP 2015113131A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
packaging bag
seal portion
laminated film
cut line
point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013254415A
Other languages
English (en)
Inventor
えり子 佃
Eriko Tsukuda
えり子 佃
野 正 人 高
Masato Takano
野 正 人 高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2013254415A priority Critical patent/JP2015113131A/ja
Publication of JP2015113131A publication Critical patent/JP2015113131A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Package Specialized In Special Use (AREA)

Abstract

【課題】電子レンジ内で水平に載置された状態であっても、加熱によって内容物が吹き出すことを効果的に抑制可能な包装袋を提供する。
【解決手段】包装袋1は、重ねられた積層フィルム10をヒートシールすることにより製袋され、内容物を収容する収容空間2と内容物を収容しない蓄圧室3とを有する。包装袋1は、重ねられた積層フィルム10の縁部12をヒートシールすることにより形成された縁部シール部40と、蓄圧室3を取り囲んで収容空間2から隔離させるポイントシール部50と、を備える。蓄圧室3を形成する各積層フィルム10のポイントシール部50に囲まれる部分に切込線60が形成されている。切込線60の延長方向は、縁部シール部40のうちの当該切込線60が最も近接する部分の延長方向と交差する。
【選択図】図1

Description

本発明は、重ねられた積層フィルムをヒートシールすることにより製袋される包装袋に関する。
例えばレトルト食品や冷凍食品を内容物とした電子レンジ用の包装袋が広く利用に供されている。この包装袋を電子レンジ内で温めると、加熱に伴って内容物に含まれる水分が蒸発して包装袋内の圧力が高まっていく。包装袋内の圧力が高まると、包装袋が破袋して内容物が飛散し電子レンジ内を汚してしまうおそれがある。
そこで、特許文献1に記載されているように、加熱に伴って発生する蒸気を袋の外部へ逃がすべく、包装袋の一部にリング状のポイントシール部を設け、当該ポイントシール部に囲まれた部分に蒸気抜き孔を空けた包装袋が知られている。特許文献1に記載の包装袋によれば、加熱に伴って包装袋内の圧力が高まると、リング状のポイントシール部が剥がれて、包装袋内の収容空間がリング状のポイントシール部内の蒸気抜き孔に通じる。これにより、包装袋内の蒸気を蒸気抜き孔から外部へ逃がすことができる。
特許文献1に記載の包装袋を電子レンジ内で水平に載置した状態で加熱すると、包装袋内の蒸気と共に内容物が蒸気抜き孔から吹き出してしまう。そこで、例えば特許文献2に記載されているように、包装袋の蒸気抜き孔が内容物よりも高い位置に位置するように、当該包装袋を収容する専用のカートンが知られている。特許文献2に記載のカートンを所定の状態に組み立てた後に、カートン内に包装袋を収容して電子レンジ内で温める。これにより、包装袋内の内容物を低い位置に位置させ、高い位置にある蒸気抜き孔から蒸気と共に内容物が吹き出してしまうことを抑制することができる。
特許第4029590号公報 特開平11−240582号公報
しかしながら、専用のカートンを組み立てるのは煩雑であり、しかも、専用のカートンを作製するために多大な費用を要する。加えて、消費者がカートンの組み立て方を誤ったりカートンを用いない場合も想定される。この場合、包装袋は略水平に載置された状態で加熱されてしまうことになる。したがって、包装袋内の蒸気と共に内容物が蒸気抜き孔から吹き出してしまい、吹き出した内容物で電子レンジ内の広い範囲を汚してしまう、という問題があった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、電子レンジ内で水平に配置された場合であっても、加熱によって内容物が吹き出すことを効果的に抑制可能な包装袋を提供することを目的とする。
本発明による包装袋は、重ねられた積層フィルムをヒートシールすることにより製袋され、内容物を収容する収容空間と内容物を収容しない蓄圧室とを有する包装袋であって、
重ねられた積層フィルムの縁部をヒートシールすることにより形成された縁部シール部と、
前記蓄圧室を取り囲んで当該蓄圧室を前記収容空間から隔離させるポイントシール部であって、重ねられた積層フィルムをヒートシールすることにより形成されたポイントシール部と、
を備え、
前記蓄圧室を形成する各積層フィルムの前記ポイントシール部に囲まれる部分に切込線が形成され、
前記切込線は、前記縁部シール部のうちの当該切込線が最も近接する部分の延長方向と交差する方向に延びている。
本発明による包装袋において、前記切込線の長さは、前記切込線の延長方向における前記蓄圧室の長さの1/2以上2/3以下であってもよい。
本発明による包装袋において、前記蓄圧室を形成する少なくとも一方の積層フィルムの前記ポイントシール部に囲まれる部分は、前記蓄圧室を形成する他方の積層フィルムの前記ポイントシール部に囲まれる部分に対して離間するように膨らんでいてもよい。
本発明による包装袋において、前記ポイントシール部の幅は、前記縁部シール部の幅よりも狭くてもよい。
本発明による包装袋において、平面視において、各積層フィルムに形成された前記切込線が互いに重なっていてもよい。
本発明による包装袋において、前記ポイントシール部は、前記縁部シール部と繋がっていてもよい。
本発明によれば、電子レンジ内で包装袋を水平に配置された場合であっても、加熱によって内容物が吹き出すことを効果的に抑制することができる。
図1は、本発明の一実施の形態による包装袋の一例を示す平面図である。 図2は、図1に示す包装袋をなす積層フィルムの積層方向(法線方向)に沿った断面であって、積層フィルムの層構成を説明するための図である。 図3は、図1に示す包装袋の蓄圧室及びポイントシール部を拡大して示す拡大平面図である。 図4は、図3に対応する図であって、従来の包装袋を示す拡大平面図である。 図5Aは、図3に示す線V−Vに沿った包装袋の断面の一例を示す断面図である。 図5Bは、図3に示す線V−Vに沿った包装袋の断面の他の例を示す断面図である。 図6は、図3に対応する図であって、切込線の他の例を示す拡大平面図である。 図7は、図1に対応する図であって、実施例に係る包装袋の寸法を示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。図1は、本発明の一実施の形態による包装袋の一例を示す平面図である。
図1に示す包装袋1は、重ねられた積層フィルム10をヒートシールすることにより製袋される平パウチ形式の包装袋である。図1に示すように、包装袋1は、互いに対向して配置された表積層フィルム11aと裏積層フィルム11bとからなる一対の積層フィルム10を含んでおり、重ね合せられた一対の積層フィルム10の縁部12近傍が互いにヒートシールされている。図1に示す平パウチ形式の包装袋1において、重ね合せられた一対の積層フィルム10の縁部12によって、包装袋1の外縁5が規定されている。
(積層フィルム)
図2は、図1に示す包装袋1をなす積層フィルム10の積層方向に沿った断面であって、積層フィルム10の層構成を説明するための図である。上述のように、包装袋1は、一対の積層フィルム10をヒートシールすることによって製袋される。このため、積層フィルム10には、袋内方側となる部分にシール性を有するシーラント層34が設けられている。また、シーラント層34を安定して成形するための基材層31が、シーラント層34よりも袋外方側となる部分に設けられている。さらに、積層フィルム10は、電子レンジ用の包装袋に要求される種々の機能を付与すべく、中間層33を含んでいる。したがって、このような層構成を持つ積層フィルム10は、製袋して包装袋1とするときの袋外方となる側から袋内方となる側に向けて基材層31と中間層33とシーラント層34とをこの順で含んでいる。以下、各層について詳述していく。
上述したように、電子レンジ用の包装袋1は、熱に対する耐性を必要とされる。このため、本実施の形態の基材層31は、耐熱性をもつ材料からなる。例えば、基材層31として、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、シリカ蒸着延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミナ蒸着延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム、またはポリプロピレン/エチレンービニルアルコール共重合体共押共延伸フィルム、またはこれらの2以上のフィルムを積層した複合フィルムを用いることができる。
好ましくは、基材層31は、二軸延伸処理される。これにより、基材層31をなす分子が、延伸処理によって延伸方向に並び、基材層31が優れた寸法安定性を発揮するようになる。また、二軸延伸処理によって、基材層31に易開封性を付与することができる。
このような基材層31の厚みは、例えば10〜50μm程度に形成される。この場合、包装袋1に要求される耐熱性を満たしつつ、製品コストを抑えることができる。なお、本実施の形態の基材層31は、積層フィルム10のうち、製袋して包装袋1とするときの最も袋外方となる層としても機能する。
また、図2に示すように、本実施の形態では、基材層31の袋内方側となる面に、絵柄を含む絵柄層32が積層されている。ここで、絵柄とは、基材層31に記録または印刷され得る種々の態様の記録対象のことであり、特に限定されることなく、図、文字、模様、パターン、記号、柄、マーク等を広く含む。とりわけ、食品を内包することが意図された包装袋1に用いられる積層フィルム10では、絵柄として、内容物の図や、内容物の商品名、賞味期限、製造日、製造番号等の情報を示す文字が用いられる。もっとも、絵柄層32は、商品の仕様に応じて基材層31に積層されるものであり、基材層31に絵柄層32が設けられなくてもよい。
本実施の形態では、絵柄層32は、袋外方側となる基材層31の外面ではなく、基材層31の内面に施される。この場合、絵柄層32は、耐摩耗性に優れることから擦れ等による消失を効果的に防止することができ、且つ、絵柄の改ざんも効果的に防止することができる。また、製袋して包装袋1としたときに、基材層31の内面に積層された絵柄層32を基材層31を介して視認し得るよう、基材層31は透明性を有していることが好ましい。
シーラント層34は、上述したように、2つの積層フィルム10同士を重ね合わせて対向する縁部近傍をヒートシールすることで、当該縁部を貼り合わせて密封するために設けられている。また、本実施の形態では、シーラント層34は、積層フィルム10のうち、製袋して包装袋1とするときの最も袋内方となる側に配置される。
このようなシーラント層34としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などのポリオレフィン系樹脂からなる耐熱性のあるフィルム及びイージーピールフィルムなどが採用できる。更に、これらの材料からなるフィルムによって単層としてシーラント層34が構成されてもよいし、あるいは、複数の前記材料からなるフィルムによって多層としてシーラント層34が構成されてもよい。
とりわけ、電子レンジ加熱用のパウチなど耐熱性が要求される包装袋1に積層フィルム10を適用する場合には、シーラント層34は、主として無延伸ポリプロピレン(CPP)を含む無延伸ポリプロピレン層(CPP層)、または、主として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む直鎖状低密度ポリエチレン層(LLDPE層)を有することが好ましい。
シーラント層34の厚みは、40μm以上200μm以下の範囲にあるのが好ましい。この場合、包装袋1の流通過程において生じ得る落下に対する耐衝撃強度に優れると共に、内容物の充填し易さ、内容物の詰替え易さといった取扱性にも優れる。
一方、基材層31とシーラント層34との間に積層された中間層33は、電子レンジ用の包装袋に要求される種々の機能を補なうために設けられている。上記の通り、包装袋1は、食品を内容物として内包することに適した袋である。このため、内容物の酸化等の変質を防止しながら内容物を保存することができるように、中間層33は、水蒸気の透過を防止する蒸気バリア性及び酸素ガス等のガスの透過を防止するガスバリア性を有していてもよい。加えて、平パウチ形式の包装袋1は、運搬時に不可避的に伝わる衝撃等にも十分に耐え得るよう、中間層33は、耐屈曲性及び耐衝撃性を有していてもよい。また、中間層33は、消費者の購買意欲を高めるために、包装袋1の内容物が見えないように隠蔽性を十分に高める機能を有していてもよい。
このような機能をもつ中間層33として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、エチレンープロピレン共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体ケン化物等のフィルムあるいはこれらにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルムないしは酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機物の蒸着を施したフィルムあるいはポリ塩化ビニリデン等のフィルムを用いることができる。また、これら基材の一種ないしそれ以上を組み合わせて使用してもよい。
図2に示すように、本実施の形態では、基材層31と中間層33との間、及び、中間層33とシーラント層34との間に接合層35が介在されている。この接合層35としては、例えばそれ自体既知のドライラミネート法にて一般に用いられる接着剤を用いることができ、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤等を用いることができる。
(包装袋)
このような一対の積層フィルム10によって取り囲まれる空間内に、内容物を収容する収容空間2と、内容物を収容しない蓄圧室3と、が区画されている。図1に示すように、包装袋1は、蓄圧室3を取り囲んで収容空間2から隔離させるポイントシール部50を備えている。ポイントシール部50は、重ねられた積層フィルム10をヒートシールすることにより形成されている。また、包装袋1は、重ねられた積層フィルム10の縁部12をヒートシールすることにより形成された縁部シール部40を備えている。
このうち、縁部シール部40は、重ねられた積層フィルム10をヒートシールすることによって、内容物を収容する収容空間2を密閉する機能を有している。図1に示すように、縁部シール部40の外縁40aは、重ねられた一対の積層フィルム10の縁部12に沿って周状に延びている。一方、縁部シール部40の内縁40bは、外縁40aに対して間隔を空けながら当該外縁40aに沿って周状に延びている。なお、本明細書において、縁部シール部40の幅とは、内縁40bと外縁40aとの間の間隔をいう。
図1に示すように、本実施の形態の縁部シール部40は、一対の積層フィルム10の上縁13近傍をヒートシールしたシール上部41と、一対の積層フィルム10の側縁14近傍をヒートシールしたシール側部42と、一対の積層フィルム10の下縁15近傍をヒートシールしたシール下部43と、を含んでいる。
一方、ポイントシール部50は、加熱に伴って収容空間2内の圧力が高まると剥がれて、収容空間2と蓄圧室3とを連通させるように構成されている。図3に、ポイントシール部50を拡大して示す。図3に示すように、ポイントシール部50は、縁部シール部40に囲まれる領域内に位置している。ポイントシール部50の外縁50a及び内縁50bは、互いに対して間隔を空けながら、各角を面取りした矩形の輪郭に沿って周状に延びている。なお、本明細書において、ポイントシール部50の幅とは、内縁50bと外縁50aとの間の間隔をいう。
本実施の形態では、ポイントシール部50は、互いに対向するポイント上部51及びポイント下部53と、ポイント上部51及びポイント下部53の間を延びる一対のポイント側部52と、を含んでいる。一対のポイント側部52は、互いに対して間隔を空けながら互いに対向している。各ポイント側部52は、ポイント上部51の対応する側の端部とポイント下部53の対応する側の端部との間を延びている。本実施の形態では、ポイントシール部50のポイント側部52は、縁部シール部40のシール側部42と平行になっている。さらに、ポイントシール部50のポイント上部51は、縁部シール部40のシール上部41と平行になっており、ポイントシール部50のポイント下部53は、縁部シール部40のシール下部43と平行になっている。ただし、ポイント上部51、ポイント側部52及びポイント下部53は、対応するシール上部41、シール側部42及びシール下部43と非平行であってもよい。
図3に示すように、本実施の形態では、ポイントシール部50は、縁部シール部40と繋がっている。具体的には、ポイントシール部50の一のポイント側部52が、縁部シール部40の一のシール側部42に線状に接するようにして、ポイントシール部50と縁部シール部40とが繋がっている。また、ポイントシール部50の他のポイント側部52がシール側部42から最も離間し、ポイントシール部50は縁部シール部40から収容空間2側に向かって張り出した形状になっている。ただし、ポイントシール部50は、縁部シール部40と繋がっていなくてもよく、縁部シール部40から離間していてもよい。
ところで、縁部シール部40及びポイントシール部50は、同一のヒートシール条件下でヒートシールされた場合、縁部シール部40及びポイントシール部50内の任意の一地点における接合力は、縁部シール部40またはポイントシール部50内の他の一地点の接合力と等しくなる。このため、加熱に伴って収容空間2内の圧力が高まったときの縁部シール部40及びポイントシール部50における剥離のし易さは、縁部シール部40及びポイントシール部50の位置や形状等に起因して誘引される応力集中、並びに、縁部シール部40及びポイントシール部50の幅に大きく依存する。
この点、本実施の形態では、図3に示すように、ポイントシール部50の幅W1は、縁部シール部40の幅W2よりも狭くなっている。従って、縁部シール部40及びポイントシール部50内の各地点での接合力が等しい場合、縁部シール部40よりもポイントシール部50において剥離し易くなる。とりわけ、ポイントシール部50は、縁部シール部40から収容空間2側に向かって張り出していることから、縁部シール部40よりもポイントシール部50において一層剥離し易くなる。さらに、ポイントシール部50のうち、収容空間2の中央に近い部分ほど加熱時に高圧の蒸気の負荷を受け易い点を考慮すると、ポイント側部52とポイント下部53との接続位置周辺から剥離し易い。
次に、ポイントシール部50によって取り囲まれて収容空間2から隔離された蓄圧室3について説明する。蓄圧室3は、加熱に伴って収容空間2内の圧力が高まった際に収容空間2と連通して、内容物の吹き出しを抑制しながら収容空間2内の蒸気を外部へ逃がすためのものである。蓄圧室3は、包装袋1をなす一対の積層フィルム10の、ポイントシール部50に囲まれる部分16によって画定されている。
さらに、図3に示すように、蓄圧室3を形成する各積層フィルム10のポイントシール部50に囲まれる部分16に、切込線60が形成されている。ここでいう切込線60とは、積層フィルム10を線状に切り裂いた際に形成される線状の跡をいう。切込線60が設けられていることにより、電子レンジによる加熱に伴って発生する蒸気によって収容空間2内の圧力が高まった際に、収容空間2内の蒸気を外部へ逃がすことができる。
ここで、比較のために、従来の包装袋501を図4に示す。図4に示す例では、包装袋501をなす重ねられた積層フィルム510に、蒸気を逃がすための通気室503を取り囲むようにポイントシール部550を設けている。ポイントシール部550に取り囲まれた通気室503は、収容空間502から隔離されている。さらに、ポイントシール部550に囲まれた部分に蒸気抜き孔560が空けられている。ここで、ポイントシール部550に囲まれた部分に蒸気抜き孔560を確実に形成するためには、ある程度の大きさの蒸気抜き孔560を形成する必要がある。このため、通気室503と外気との間で流体の移動は自由に行われる。背景技術の欄でも触れた通り、図4に示す包装袋501を電子レンジ内で水平に載置した状態で加熱すると、包装袋501内の蒸気と共に内容物が蒸気抜き孔560から吹き出してしまう。本件発明者らがさらに調査したところ、加熱に伴って収容空間2内の圧力が高まると、ポイントシール部550が剥がれて、収容空間502がポイントシール部550に囲まれた通気室503に通じる。このとき、収容空間502内の高圧の蒸気が勢いよく通気室503内の蒸気抜き孔560に向かって流れることにより、当該蒸気と共に内容物が吹き出してしまうことが知見された。すなわち、包装袋501内の収容空間502が通気室503に通じた際における、収容空間502と外気との間の圧力差が内容物の吹き出しに大きく影響していることが知見された。
さらに加熱を行うと、ポイントシール部550の大部分が剥がれて収容空間502と通気室503との間の境界がほとんどなくなる。そして、収容空間502内の蒸気は、通気室503内の蒸気抜き孔560から外部へ逃げ、収容空間502内の圧力は低減する。しかしながら、通気室503内の蒸気抜き孔560は、製造の制約上ある程度の大きさを必要とすることから、通気室503まで到達した内容物が蒸気抜き孔560から少しずつ漏れ出していく。このことにより、収容空間502が通気室503に通じた後においては、蒸気抜き孔560の大きさが、内容物の漏れに大きく影響していることが知見された。
そこで、このような蒸気抜き孔560の問題点を有効に解決すべく工夫を重ねたところ、各積層フィルム10のポイントシール部50に囲まれる部分16に切込線60を形成する、という構成に想到するに至った。切込線60は、蓄圧室3を画定する積層フィルム10を線状に切り裂いた跡であるため、蒸気抜き孔560に比べて流体を通過させ難い。このため、蓄圧室3と外気との間での流体の移動は、自由に行われず制限を受ける。つまり、蓄圧室3内の流体は、積層フィルム10に形成された切込線60を介して外部に徐々に逃げるようになる。この形態によれば、加熱に伴って収容空間2内の圧力が高まると、ポイントシール部50が剥がれて、収容空間2がポイントシール部50に囲まれた蓄圧室3に通じる。このとき、収容空間2から蓄圧室3に高圧の蒸気が流入し、この高圧の蒸気は、切込線60を介して外部に徐々にしか漏れ出さない。したがって、収容空間2から蓄圧室3に流入する高圧の蒸気は、蓄圧室3内に一時的に蓄えられることとなり、高圧の蒸気が勢いよく切込線60から吹き出すことを効果的に抑制することができる。切込線60からの蒸気の吹き出しを抑制したのに伴い、内容物が収容空間2から蓄圧室3に勢いよく流れて切込線60から吹き出すことも回避される。以上の結果、包装袋1内の収容空間2が蓄圧室3に通じた際に、蓄圧室3を画定する積層フィルム10に形成された切込線60から高圧の蒸気に合わせて内容物が勢いよく吹き出してしまうことを効果的に抑制することができる。
さらに加熱を行うと、ポイントシール部50の大部分が剥がれて収容空間2と蓄圧室3との間の境界がほとんどなくなる。そして、収容空間2内の蒸気は、切込線60から外部へ逃げ、収容空間2内の圧力は低減する。その上、切込線60は、図4に示す蒸気抜き孔560に比べて流体を通過させ難くなっているため、内容物が蓄圧室3に到達したとしても切込線60から漏れ出し難い。この結果、収容空間2が蓄圧室3に通じた後において、切込線60から内容物が漏れ出すことを効果的に抑制することができる。
さらに、本件発明者らが、収容空間502と外気との間の圧力差による内容物の吹き出しと、蒸気抜き孔560の大きさによる内容物の漏れと、を効果的に抑制するべく鋭意研究を重ねたところ、切込線60の延長方向d1を、縁部シール部40のうちの当該切込線60が最も近接する部分42aの延長方向d2と交差させると、これらの課題を有効に解決し得ることを見出した。加熱によって包装袋1が膨張することに伴い、包装袋1をなす積層フィルム10は、ヒートシールされた縁部シール部40のうちの互いに対向する部分を結ぶ方向に主として延びる。具体的には、包装袋1をなす積層フィルム10は、互いに対向するシール上部41とシール下部43とを結ぶ方向、及び、互いに対向する一対のシール側部42を結ぶ方向に主として延びる。したがって、積層フィルム10上の各地点の延びる方向(歪み方向)は、主として、縁部シール部40のうち、当該地点が最も近接する部分の延長方向と直交する方向になる。従って、切込線60が形成された地点における積層フィルム10の延びる方向は、縁部シール部40のうち、当該地点が最も近接する部分42aの延長方向d2に直交する方向になる。一方、切込線60により積層フィルム10に画定される開口は、当該積層フィルム10が切込線60の延長方向d1に延びても拡がり難いが、当該積層フィルム10が切込線60の延長方向d1に直交する方向に延びると拡がり易い。上記のように、切込線60の延長方向d1は、縁部シール部40のうちの当該切込線60が最も近接する部分42aの延長方向d2と交差することから、切込線60が形成された地点における積層フィルム10の延びる方向は、切込線60により積層フィルム10に画定される開口が拡がり難い方向となる。このため、収容空間2が蓄圧室3に通じた後において、切込線60から内容物を一層漏れ出し難くすることができる。
とりわけ、加熱によって包装袋1が膨張することに伴い、切込線60により積層フィルム10に画定される開口を拡がり難くするためには、切込線60の延長方向d1が、切込線60が形成された地点における積層フィルム10の延びる方向となす角度が小さいことが好ましい。このことから、切込線60の延長方向d1は、縁部シール部40のうちの当該切込線60が最も近接する部分42aの延長方向d2に対して、45°より大きく135°未満の角度をなすことが好ましい。図示する例では、切込線60の延長方向d1は、縁部シール部40のうちの当該切込線60が最も近接する部分42aの延長方向d2、つまり、シール側部42が延びる方向と直交している。この場合、切込線60の延長方向d1は、切込線60が形成された地点における積層フィルム10の延びる方向に沿うため、切込線60により画定される積層フィルム10の開口が益々拡がり難くなる。このため、収容空間2が蓄圧室3に通じた後において、切込線60から内容物をさらに一層漏れ出し難くすることができる。
また、図3に示すように、切込線60の長さL1は、切込線60の延長方向d1における蓄圧室3の長さL2の1/2以上2/3以下であることが好ましい。切込線60の長さL1を上記範囲内とすることにより、蓄圧室3内の蒸気を、切込線60を介して外部に十分且つ適度な流量で逃がすことができる。このため、包装袋1内の収容空間2が蓄圧室3に通じた際に、収容空間2から蓄圧室3に流入する高圧の蒸気が蓄圧室3内に有効に蓄えられ、高圧の蒸気が勢いよく切込線60から吹き出すことを効果的に抑制することができる。また、切込線60の長さL1を上記範囲内とすることにより、収容空間2内の内容物を蓄圧室3まで到達させ難くするだけでなく、内容物が蓄圧室3に到達したとしても切込線60から漏れ出し難くすることができる。
また、切込線60の延長方向d1における蓄圧室3の長さL2は、切込線60の延長方向d1に直交する方向における蓄圧室3の長さL3の1/3以上1/1以下であることが好ましい。この場合、包装袋1をなす一対の積層フィルム10内の空間に、収容空間2と蓄圧室3とを好ましく区画することができ、収容空間2内の内容物を収容するスペースを広く確保することができる。
また、本実施の形態では、平面視において、各積層フィルム10に形成された切込線60が互いに重なっている。言い換えると、表積層フィルム11aに形成された切込線60と、裏積層フィルム11bに形成された切込線60とが、互いに重なっている。
図示する例では、蓄圧室3は、平面視において、各角を面取りした矩形の形状の輪郭を有している。なお、本明細書において、「平面視」とは、包装袋1をなす積層フィルム10を全体的かつ大局的に見た場合において当該積層フィルム10の平面方向に対する法線方向から視ることをいう。なお、図示する例では、平面視において、蓄圧室3が、各角を面取りした矩形の形状の輪郭をもつ例を示したが、各角を面取りした多角形、円形、楕円形の形状の輪郭を有してもよい。
さらに、図5Aに、図3に示す線V−Vに沿った包装袋1の断面を示す。図5Aに示すように、蓄圧室3を形成する一対の積層フィルム10のポイントシール部50に囲まれる部分16は、非シール部であり、互いの間に隙間がほとんど形成されていない。
もっとも、図3に示す線V−Vに沿った包装袋1の断面の形態は、図5Aに示す形態に限定されない。図5Bに、図5Aに示す包装袋1の断面の他の形態を示す。図5Bに示す例では、蓄圧室3を形成する一方の積層フィルム10のポイントシール部50に囲まれる部分16は、蓄圧室3を形成する他方の積層フィルム10のポイントシール部50に囲まれる部分16に対して離間するように膨らんでいる。別の見方をすると、蓄圧室3を形成する一方の積層フィルム10のうちの、ポイントシール部50に囲まれる部分16は、他の部分よりも外方に膨らんでいる。本実施の形態では、蓄圧室3を形成する他方の積層フィルム10のポイントシール部50に囲まれる部分16も、蓄圧室3を形成する一方の積層フィルム10のポイントシール部50に囲まれる部分16に対して離間するように膨らんでいる。
図1に戻って、縁部シール部40のシール側部42に、開封の際の起点となり得るノッチ7が形成されている。図示する例では、ポイントシール部50に対して上縁13側となるシール側部42の部分に、ノッチ7が形成されている。ノッチ7は、包装袋1をなす重ねられた積層フィルム10を貫通している。ノッチ7は、シール側部42に形成された切目線であってもよいし、所定の幅をもつ切欠きであってもよい。シール側部42にノッチ7が形成されていることにより、ノッチ7から包装袋1を容易に開封し始めることができる。
なお、各部の寸法について一例を示すと、ポイントシール部50の幅W1は、例えば2.5〜5mm程度に設定され、縁部シール部40の幅W2は、例えば4〜12mm程度に設定される。また、切込線60の長さL1は、例えば5〜8mm程度に設定され、蓄圧室3の長さL2は、例えば10mm〜16mm程度に設定される。一方、切込線60の延長方向d1に直交する方向における蓄圧室3の長さL3は、例えば15mm〜30mm程度に設定される。
次に、このような包装袋1の製造方法について述べる。先ず、一対の積層フィルム10を重ねて配置して、当該積層フィルム10のうち製袋される複数の包装袋1の各々のシール側部42、シール下部43及びポイントシール部50となるべき領域をヒートシールする。このとき、積層フィルム10のうちのヒートシールされなかった領域は、各包装袋1の収容空間2となるべき領域と蓄圧室3となるべき領域とに、ヒートシールされた領域によって区画される。次に、蓄圧室3を形成する各積層フィルム10のうち、ポイントシール部50となるべき領域に囲まれる部分に、切断工具等により切込線60を形成する。とりわけ、本実施の形態によれば、平面視において、各積層フィルム10に形成された切込線60が互いに重なっている。このため、積層フィルム10の法線方向から切断工具を当該積層フィルム10に当てることにより、一対の積層フィルム10に切込線60を同時に形成することができ、切込線60の加工効率を向上させることができる。その後、各包装袋1の形状に合わせてヒートシールされた部分を裁断する。続いて、各包装袋1をなす一対の積層フィルム10の上縁13間の開口から内容物を充填した後、開口4が設けられた上縁13近傍をヒートシールすることにより密閉して、包装袋1が得られる。なお、包装袋1に内容物を充填する方法は、このような例に限定されない。重ねられた一対の積層フィルム10のうち製袋される複数の包装袋1の各々のシール上部41、シール側部42及びポイントシール部50となるべき領域をヒートシールした後、各包装袋1をなす一対の積層フィルム10の下縁15間の開口から内容物を充填してもよい。
また、包装袋1が図5Bに示す断面形状からなる場合には、包装袋1をなす一対の積層フィルム10をヒートシールする工程に先立って、各積層フィルム10のうちポイントシール部50となるべき領域に囲まれる部分に、加熱されたエンボス用の型を押し当て、当該部分を他の部分よりも外方に膨らませてもよい。この場合、蓄圧室3を形成する積層フィルム10のポイントシール部50に囲まれる部分16が他の部分よりも外方に膨らむ高さH1が、例えば1mm〜2mm程度になるように、エンボス用の型を押し当てる。
次に、以上のような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
包装袋1を電子レンジ内に設置して温めると、内容物に含まれる水分を振動させ、この振動によって生じる分子摩擦で内容物が加熱されていく。加熱に伴って内容物に含まれる水分が蒸発し収容空間2内の圧力が高まっていく。上述のように、ポイントシール部50は、縁部シール部40から収容空間2側に向かって張り出し、且つ、縁部シール部40よりも幅が狭くなっている。従って、収容空間2内の圧力が高まると、ポイントシール部50から一対の積層フィルム10の剥離が開始される。ポイントシール部50からの剥離が進行し包装袋1内の収容空間2が蓄圧室3に通じると、収容空間2から蓄圧室3に高圧の蒸気が流入する。本実施の形態では、各積層フィルム10のポイントシール部50に囲まれる部分16に形成された切込線60は、積層フィルム10を線状に切り裂いた跡であるため、蒸気抜き孔560に比べて流体を通過させ難い。このため、蓄圧室3内に流入した蒸気は、切込線60を介して外部に徐々にしか逃げていかない。このため、収容空間2から蓄圧室3に流入する高圧の蒸気は、蓄圧室3内に一時的に蓄えられることとなり、高圧の蒸気が勢いよく切込線60から吹き出すことを効果的に抑制することができる。切込線60からの蒸気の吹き出しを抑制したのに伴い、内容物が収容空間2から蓄圧室3に勢いよく流れて切込線60から吹き出すことも回避される。以上の結果、包装袋1内の収容空間2が蓄圧室3に通じた際に、切込線60から高圧の蒸気の流出に合わせて内容物が勢いよく吹き出してしまうことを効果的に抑制することができる。
さらに電子レンジ内での加熱を行うと、ポイントシール部50の大部分が剥がれて収容空間2と蓄圧室3との間の境界がほとんどなくなる。そして、収容空間2内の蒸気は、切込線60から外部へ逃げ、収容空間2内の圧力は低減する。上述のように、蓄圧室3を形成する各積層フィルム10に形成された切込線60は、図4に示す蒸気抜き孔560に比べて流体を通過させ難い。このため、収容空間2が蓄圧室3に通じた後に内容物が蓄圧室3に到達したとしても切込線60から漏れ出し難い。この結果、収容空間2が蓄圧室3に通じた後においても、切込線60から内容物が漏れ出すことを効果的に抑制することができる。
電子レンジ内での加熱を終えると、積層フィルム10のうち蓄圧室3を形成する部分のような蒸気に触れた部分は熱くなっている。一方、積層フィルム10に形成された縁部シール部40は、蒸気に触れ難いため熱くなり難い。このため、縁部シール部40のシール側部42を指で摘まんで、当該シール側部42に設けられたノッチ7から包装袋1を開封する。これにより、過度な熱さを感じることなく、収容空間2に収容された内容物を取り出すことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、蓄圧室3を形成する各積層フィルム10のポイントシール部50に囲まれる部分に切込線60が形成され、切込線60は、縁部シール部40のうちの当該切込線60が最も近接する部分42aの延長方向d2と交差する方向に延びている。このような形態によれば、包装袋1内の収容空間2が蓄圧室3に通じた際に、収容空間2から蓄圧室3に流入する高圧の蒸気は、切込線60を介して外部に徐々に逃げる。このため、収容空間2から蓄圧室3に流入する高圧の蒸気は、蓄圧室3内に一時的に蓄えられることとなり、高圧の蒸気が勢いよく切込線60から吹き出すことを効果的に抑制することができる。切込線60からの蒸気の吹き出しを抑制したのに伴い、内容物が収容空間2から蓄圧室3に勢いよく流れて切込線60から吹き出すことも回避される。以上の結果、包装袋1内の収容空間2が蓄圧室3に通じた際に、切込線60から高圧の蒸気と共に内容物が吹き出してしまうことを効果的に抑制することができる。上述のように、切込線60は、図4に示す蒸気抜き孔560に比べて流体を通過させ難いため、収容空間2が蓄圧室3に通じた後に内容物が蓄圧室3に到達したとしても切込線60から漏れ出し難い。この結果、収容空間2が蓄圧室3に通じた後にさらに電子レンジ内での加熱を行っても、切込線60から内容物が漏れ出すことを効果的に抑制することができる。
さらに、加熱によって包装袋1が膨張することに伴い、包装袋1をなす積層フィルム10は、ヒートシールされた縁部シール部40のうちの互いに対向する部分を結ぶ方向に主として延びる。したがって、積層フィルム10上の各地点の延びる方向(歪み方向)は、主として、縁部シール部40のうちの当該地点が最も近接する部分42aの延長方向d2に直交する方向になる。一方、切込線60により積層フィルム10に画定される開口は、当該積層フィルム10が切込線60の延長方向d1に直交する方向に延びると拡がり易い。本実施の形態では、切込線60の延長方向d1は、縁部シール部40のうちの当該切込線60が最も近接する部分42aの延長方向d2と交差することから、切込線60が形成された地点における積層フィルム10の延びる方向は、切込線60により積層フィルム10に画定される開口が拡がり難い方向となる。このため、収容空間2が蓄圧室3に通じた後において、切込線60から内容物を一層漏れ出し難くすることができる。これらの結果、本実施の形態の包装袋1によれば、水平に配置された状態であっても、加熱によって内容物が吹き出すことを効果的に抑制することができる。
また、図5Bに示す例では、蓄圧室3を形成する少なくとも一方の積層フィルム10のポイントシール部50に囲まれる部分16は、蓄圧室3を形成する他方の積層フィルム10のポイントシール部50に囲まれる部分16に対して離間するように膨らんでいる。この場合、蓄圧室3の容積を予め広く確保することができることから、包装袋1内の収容空間2が蓄圧室3に通じた際に収容空間2から蓄圧室3に流入する高圧の蒸気が、スムーズに蓄圧室3内に蓄えられる。この結果、収容空間2から流入する高圧の蒸気が、切込線60から勢いよく吹き出すことをさらに効果的に抑制することができる。この結果、包装袋1内の収容空間2が蓄圧室3に通じた際に、切込線60から高圧の蒸気と共に内容物が吹き出してしまうことをさらに効果的に抑制することができる。
ところで、図4に示す従来の包装袋501では、商品性を損ねることがないよう、積層フィルム510のポイントシール部550に囲まれる部分に蒸気抜き孔560を空ける際に生成される抜きカスを確実に回収する必要がある。この点、本実施の形態では、積層フィルム10のポイントシール部50に囲まれる部分に切込線60が形成され、図4に示す包装袋501のように蒸気抜き孔560を形成する必要がないため、蒸気抜き孔560を形成することに伴い生じ得る検査や抜きカスの回収の問題も生じ得ない。
≪変形例≫
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
上述した実施の形態では、図3に示すように、蓄圧室3を形成する表積層フィルム11a及び裏積層フィルム11bのポイントシール部50に囲まれる部分に、1つずつ切込線60が形成された例を示したが、切込線60の数は、上述した例に限定されない。図6に、切込線60の数の他の例を示す。図6に示す例では、蓄圧室3を形成する表積層フィルム11a及び裏積層フィルム11bのポイントシール部50に囲まれる部分に、2つずつ切込線60が形成されている。各切込線60の延長方向d1は、縁部シール部40のうちの切込線60が最も近接する部分42aの延長方向d2と交差している。図示する例では、各積層フィルム10に形成された2つの切込線60は、互いに間隔を空けて平行に延びている。ただし、各積層フィルム10に形成された2つの切込線60の間隔は、仕様に応じて適宜設定可能である。また、各積層フィルム10に形成された2つの切込線60は、非平行に延びてもよい。
また、上述した実施の形態では、図1に示すように、包装袋1が、一対の積層フィルム10をヒートシールして形成される平パウチ形式の包装袋からなる例を示したが、包装袋の形態は、このような例に限定されない。包装袋は、胴部シートと底部シートとをヒートシールして形成されるスタンディング形式の包装袋であってもよいし、三方シール形式、ピロー形式、あるいは、ガセット形式の包装袋であってもよい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。以下に説明するようにして、実施例1〜5及び比較例1に係る包装袋をそれぞれ3つずつ作製し、電子レンジ内での内容物の漏れについて評価した。
〔実施例1〜4〕
実施例1〜4は、図1に示す平パウチ形式の包装袋に対応している。
先ず、基材層と、中間層と、シーラント層とを、ドライラミネート法を用いて貼り合わせて、積層フィルムを作製した。この基材層として、厚み12μmからなるシリカ蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(VMPET)を用い、中間層として、厚み15μmからなる二軸延伸ナイロンフィルム(ONY)を用い、シーラント層として、厚み60μmからなる無延伸ポリプロピレン(CPP)を用いた。また、基材層と中間層との間、及び、中間層とシーラント層との間に介在させた接合層として、二液硬化型ウレタン系接着剤を使用した。
作製された一対の積層フィルムを所定の位置に配置して、これらの積層フィルムのうち製袋される各包装袋のシール側部、シール下部及びポイントシール部となるべき領域をヒートシールした。このとき、積層フィルムのうちのヒートシールされなかった領域は、各包装袋の収容空間となるべき領域と蓄圧室となるべき領域とに、ヒートシールされた領域によって区画された。次に、蓄圧室を形成する各積層フィルムのうち、ポイントシール部となるべき領域に囲まれる部分に、切断工具により切込線を形成した。その後、各包装袋の形状に合わせてヒートシールされた部分を裁断することによって、複数の包装袋を作製した。作製した各包装袋に内容物として170グラムの水を充填した後、重ねられた積層フィルムの上縁近傍をヒートシールして包装袋を密閉した。さらに、各包装袋に、121℃で40分間のレトルト殺菌処理を施した。このようにして、実施例1〜4に係る包装袋をそれぞれ作製した。
作製された実施例1〜4に係る包装袋の各部の寸法は、図7に示す通りとした。実施例1〜4に係る包装袋の各々について、図7に示すL1の値は、表1に示す通りとした。
〔実施例5〕
実施例5は、図6に示す平パウチ形式の包装袋に対応している。実施例5に係る包装袋は、実施例2に係る包装袋に対して、蓄圧室を形成する各積層フィルムに切込線をさらに追加した形態に対応している。したがって、実施例5に係る包装袋は、実施例1〜4に係る包装袋と同一の材料を用いて、実施例1〜4に係る包装袋と同一の製造方法で作製された。各積層フィルムに形成した2つの切込線の間隔は、5mmとした。表1に示す通り、実施例5に係る包装袋について、各切込線の長さL1を6mmとし、その他の部分の寸法は図7に示す包装袋と同一とした。
〔比較例1〕
比較例1は、図4に示す平パウチ形式の包装袋に対応している。比較例1に係る包装袋は、実施例1〜5に係る包装袋に対して、切込線の代わりに蒸気抜き孔を設けた形態に対応している。したがって、比較例1に係る包装袋は、実施例1〜5に係る包装袋と同一の材料を用いて、実施例1〜5に係る包装袋と同一の製造方法で作製された。表1に示す通り、比較例1に係る包装袋について、各積層フィルムに形成した蒸気抜き孔の直径を6mmとし、その他の部分の寸法は図7に示す包装袋と同一とした。
Figure 2015113131
(評価)
上記で得られた実施例1〜5及び比較例1に係る包装袋について、電子レンジ内での内容物の漏れを評価した評価結果を表1に示す。内容物の漏れの有無は、各包装袋を電子レンジ内に水平に載置した状態にして600Wで2分間温め、加熱後の電子レンジ内の状態に基づいて判断した。具体的には、加熱後の電子レンジ内に直径5mm以上の液状物が残留した場合、あるいは、加熱後においても内容物の吹き出しが持続していた場合に、内容物の漏れが発生したと判断した。また、表1の総合評価の欄において、上記基準に基づいて判断された内容物が漏れた回数が1回以下の場合に◎とし、内容物が漏れた回数が2回の場合に○とし、内容物が3回とも漏れた場合に×とした。
実施例1〜5に係る包装袋においては、上記基準に基づいて内容物が漏れないことが少なくとも1回はあった。一方、比較例1に係る包装袋においては、上記基準に基づいて内容物が3回とも漏れてしまった。したがって、実施例1〜5に係る包装袋は、比較例1に係る従来の包装袋よりも、加熱によって内容物が吹き出すことを抑制する効果に優れていることが確認された。
とりわけ、切込線の長さL1を6〜8mm以内とした実施例2、3及び5に係る包装袋においては、内容物が漏れた回数が1回以下だった。したがって、切込線の長さL1が、切込線の延長方向における蓄圧室の長さの1/2以上2/3以下である場合に、加熱によって内容物が吹き出すことを顕著に抑制する効果を発揮することが確認された。
1、501 包装袋
2、502 収容空間
3 蓄圧室
5 外縁
10、510 積層フィルム
12 縁部
16 ポイントシール部に囲まれる部分
40 縁部シール部
42a 切込線が最も近接する部分
50、550 ポイントシール部
60 切込線
503 通気室
560 蒸気抜き孔560
d1 切込線の延長方向
d2 切込線が最も近接する部分の延長方向
L1 切込線の長さ
L2 蓄圧室の長さ
W1 ポイントシール部の幅
W2 縁部シール部の幅

Claims (6)

  1. 重ねられた積層フィルムをヒートシールすることにより製袋され、内容物を収容する収容空間と内容物を収容しない蓄圧室とを有する包装袋であって、
    重ねられた積層フィルムの縁部をヒートシールすることにより形成された縁部シール部と、
    前記蓄圧室を取り囲んで当該蓄圧室を前記収容空間から隔離させるポイントシール部であって、重ねられた積層フィルムをヒートシールすることにより形成されたポイントシール部と、
    を備え、
    前記蓄圧室を形成する各積層フィルムの前記ポイントシール部に囲まれる部分に切込線が形成され、
    前記切込線は、前記縁部シール部のうちの当該切込線が最も近接する部分の延長方向と交差する方向に延びている、包装袋。
  2. 前記切込線の長さは、前記切込線の延長方向における前記蓄圧室の長さの1/2以上2/3以下である、請求項1に記載の包装袋。
  3. 前記蓄圧室を形成する少なくとも一方の積層フィルムの前記ポイントシール部に囲まれる部分は、前記蓄圧室を形成する他方の積層フィルムの前記ポイントシール部に囲まれる部分に対して離間するように膨らんでいる、請求項1または2に記載の包装袋。
  4. 前記ポイントシール部の幅は、前記縁部シール部の幅よりも狭い、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装袋。
  5. 平面視において、各積層フィルムに形成された前記切込線が互いに重なっている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の包装袋。
  6. 前記ポイントシール部は、前記縁部シール部と繋がっている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の包装袋。
JP2013254415A 2013-12-09 2013-12-09 包装袋 Pending JP2015113131A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013254415A JP2015113131A (ja) 2013-12-09 2013-12-09 包装袋

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013254415A JP2015113131A (ja) 2013-12-09 2013-12-09 包装袋

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015113131A true JP2015113131A (ja) 2015-06-22

Family

ID=53527294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013254415A Pending JP2015113131A (ja) 2013-12-09 2013-12-09 包装袋

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015113131A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019196198A (ja) * 2018-05-09 2019-11-14 凸版印刷株式会社 包装袋
JP2019196200A (ja) * 2018-05-09 2019-11-14 凸版印刷株式会社 包装袋
JP2019196199A (ja) * 2018-05-09 2019-11-14 凸版印刷株式会社 包装袋

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019196198A (ja) * 2018-05-09 2019-11-14 凸版印刷株式会社 包装袋
JP2019196200A (ja) * 2018-05-09 2019-11-14 凸版印刷株式会社 包装袋
JP2019196199A (ja) * 2018-05-09 2019-11-14 凸版印刷株式会社 包装袋
JP7151158B2 (ja) 2018-05-09 2022-10-12 凸版印刷株式会社 包装袋
JP7151157B2 (ja) 2018-05-09 2022-10-12 凸版印刷株式会社 包装袋
JP7151159B2 (ja) 2018-05-09 2022-10-12 凸版印刷株式会社 包装袋

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6496462B1 (ja) パウチ
JP6425122B2 (ja) パウチ
JP2007238165A (ja) 電子レンジ加熱調理用密封袋
JP5097582B2 (ja) 電子レンジ加熱用包装袋
JP6111537B2 (ja) 紙容器の製造方法
JP2015113131A (ja) 包装袋
JP4839956B2 (ja) 電子レンジ加熱用包装袋
JP2007331816A (ja) 電子レンジ加熱用包装袋及びその製造方法
JP6425123B2 (ja) パウチ
JP6222394B2 (ja) パウチ
JP6521412B2 (ja) パウチ
JP2019142573A (ja) 包装袋
JP2018131271A (ja) パウチ
JP5306707B2 (ja) ガゼット型パウチ容器の製造方法
JP6614521B2 (ja) パウチ
JP2017149487A (ja) パウチ
JP2019116330A5 (ja)
JP6641651B2 (ja) パウチ
JP6229964B2 (ja) パウチ
JP6496355B2 (ja) パウチ
JP2014005002A (ja) 口栓付き紙容器およびその製造方法
JP4985060B2 (ja) 折り込み部付き包装袋
JP7176250B2 (ja) パウチ
JP2017024786A (ja) スパウト付きガゼット袋
JP2018111539A (ja) パウチ