JP2005162269A - 緩衝用包装材 - Google Patents

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和彦 細川
Kenji Tsuji
憲司 辻
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早百合 中田
Toshimitsu Tsuji
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Abstract

【課題】空気の注入に支障を来たさず、また逆止弁に空気が逆流して空気漏れのないようにした緩衝用包装材を提供する。
【解決手段】多数の区画された長尺状の密封袋5を構成し、この密封袋5の全ての長さ方向一端側に通じる空気注入路6の一端の空気注入口から空気を注入できるとともに、空気が充填された密封袋5はそれぞれ独立して密封状態を保持するように合成樹脂フィルム製の2枚のシート8,9を重ねて構成された逆止弁7を内蔵する合成樹脂フィルム製シートからなる緩衝用包装材1であって、空気注入路6内に位置している逆止弁7の一方のシート8の端部が密封袋5の長さ方向一端における緩衝用包装材1の端部に形成されたヒートシール部4aにより緩衝用包装材1の2枚のシート2,3間で熱融着されており、密封袋5内に位置する逆止弁7は緩衝用包装材1の一方のシート2に対し、ヒートシール部16,17により熱融着されている。
【選択図】 図5

Description

本発明は合成樹脂フィルムからなり空気が注入されることにより膨らむように構成された緩衝用包装材に関するものである。
従来、特許文献1において、横方向に連続して多数の区画された密封袋部の全てに1箇所から空気を充填できるとともに、密封袋部に充填された空気は密封袋部から抜け出ないように各密封袋部に逆止弁が設けられ、何れかの密封袋部が破損しても空気の流出はその破損した密封袋部からだけとなるように合成樹脂フィルム製シートを材料として構成された緩衝用包装材を用いて作られた緩衝包装袋が知られている。
この特許文献1に開示されている技術を基礎にして開発された緩衝用包装材ならびにこの緩衝用包装材を用いて作られた緩衝包装袋として例えば図7〜図16に示すものが知られている。
以下、図7〜図16に基づきこの緩衝用包装材ならびにこの緩衝用包装材を用いて作られた緩衝包装袋について説明すると、緩衝用包装材1は合成樹脂フィルム製の2枚のシート2,3を材料に用いてヒートシール部4によって接合させることによって多数の区画された長尺状の密封袋5が横方向に連続して多数並設されている。そして、密封袋5の長さ方向一端側に形成されている空気注入路6の一端の空気注入口6aから空気を注入できるとともに、密封袋5に充填された空気は密封袋5から抜け出ないように各密封袋5の長さ方向一端に逆止弁7が設けられ、何れかの密封袋5が破損しても空気の流出はその破損した密封袋5からだけとなるように構成されている。さらに詳しくは、前記逆止弁7は緩衝用包装材1を構成する前記2枚のシート2,3とは別で2枚のシート2,3よりも厚みがはるかに薄い合成樹脂フィルム製の2枚のシート8,9を重ねて両シート8,9をヒートシール部10a〜10cによって接合させることによって構成されている。ヒートシール部10aは2枚のシート8,9で構成される逆止弁7が緩衝用包装材1を構成する2枚のシート2,3間に設けられた状態において密封袋5の長さ方向一端から他端に流路11幅が徐々に狭くなるように流路11の両側部を形成し、ヒートシール部10bは流路11の狭まった内端側において流路11の内端から僅かに離れた位置に密封袋5の長さ方向一端側に中央の先端部が向く二等辺三角形状を呈し、ヒートシール部10cは前記二等辺三角形状のヒートシール部10bよりも僅かに密封袋5の長さ方向他端側位置に離れて流路11の幅方向中央部で線状に形成されている。前記逆止弁7を構成するシート8,9は多数の区画された密封袋5を備えた前記緩衝用包装材1の密封袋5の並び方向に向く幅方向全長に亘る長さを有し、前記ヒートシール部10a〜10cによって2枚のシート8,9を接合させることによって形成される逆止弁7は各密封袋5の長さ方向一端に対応するように連続状態で多数並んでいる。ところで、前記各逆止弁7において、前記空気注入路6に通じる前記流路11の入口部11aでの2枚のシート8,9間の熱融着と自己粘着を防止するために耐熱性の塗布層12が一方のシート8に形成されている。具体的には、この塗布層12は、各密封袋5と空気注入路6との境目をヒートシール部13によって形成する際、各逆止弁7の流路11の入口部11aで2枚のシート8,9間が熱融着により塞がないようにするためと2枚のシート8,9同士の自己粘着を防止するためのものである。なお、下側の一方のシート8は上側の他方のシート9よりも大きくて、端部が密封袋5の長さ方向一端側に形成されている空気注入路6内に位置し、上側の他方のシート9の端部は前記密封袋5と空気注入路6との境目のヒートシール部13に揃うようになっている。
以上述べた連続状態で多数並設された逆止弁7を備える2枚のシート8,9は、前記緩衝用包装材1を構成する2枚のシート2,3間の所定位置に挟まれ、前記2枚のシート2,3をヒートシール部4および13で接合させることによって多数の区画された長尺状の密封袋5を形成すると同時に各密封袋5の長さ方向一端に逆止弁7が内蔵されることになる。4aおよび4bは密封袋5を形成するために、密封袋5の長さ方向両端における緩衝用包装材1の端部に形成されたヒートシール部である。なお、前述のように各密封袋5と空気注入路6との境目をヒートシール部13によって形成する際、各密封袋5と空気注入路6との境目に沿って一直線状に加熱されることになり、前記塗布層12の存在により2枚のシート8,9間の熱融着を防止することができるが、下側の一方のシート8と緩衝用包装材1の下側のシート2とは熱融着し、また上側の他方のシート9と緩衝用包装材1の上側のシート3も熱融着する。
前記緩衝用包装材1は前述のように多数の区画された密封袋5が横方向に連続して多数並設されてなるもので、この緩衝用包装材1を例えば筒状となるように密封袋5が長さ方向に折り曲げられた状態で多数並んでいる密封袋5の両端に位置する密封袋5の外側部に形成される開口部を閉じるべく両端に位置する密封袋5の外側部を溶着により接合させることによって折り曲げ方向における緩衝用包装材1の端部間に被包装物14の挿入口15が形成されてなり、前記空気注入口6aから空気を注入することによって前記逆止弁7の流路11から各密封袋5に空気が流入して密封袋5が膨らみ、緩衝包装袋となる。このようにして作られた緩衝包装袋の中に前記挿入口15より収納された被包装物14は周囲の膨らんでいる密封袋5により覆われ、緩衝保護されるのである。
特開2002−225945号公報
上記従来の緩衝用包装材1において、前記2枚のシート8,9をヒートシール部10a〜10cによって接合させることによって構成されている逆止弁7は、緩衝用包装材1を構成する2枚のシート2,3間の所定位置に挟まれた状態で前記ヒートシール部4および13で接合させることによって緩衝用包装材1に取り付けられているが、逆止弁7の下側に位置する一方のシート8は端部が密封袋5の長さ方向一端側に形成されている空気注入路6内に位置した状態で2枚のシート2,3の何れにも固着されておらず、また密封袋5内に位置する逆止弁7も2枚のシート2,3の何れにも固着されていない(図11、図12参照)。従って、かかる状態で空気注入口6aから空気を注入したとき、空気注入路6内に送り込まれた空気により空気注入路6内に位置している前記一方のシート8が踊って、前記流路11の入口部11aからの空気の進入を妨げるという問題があった。また、密封袋5内に位置する逆止弁7も2枚のシート2,3の何れに対しても固着されていないので、2枚のシート8,9は密封袋5に充填された空気の内圧によって密封袋5の内面に押し付けられてはいるが、逆止弁7の姿勢が不安定であり、特に前記密封袋5の長さ方向他端側に向く逆止弁7の端部の2枚のシート8,9の先端部間に皺や弛みが発生しやすく、2枚のシート8,9の先端部間に隙間が生じ、その隙間から密封袋5内の空気が逆流して前記空気注入路6を通って空気注入口6aから空気が抜け出るという問題があった。
本発明の目的は、このような課題を解決するものであり、空気の注入に支障を来たさず、また逆止弁に空気が逆流して空気漏れのないようにした緩衝用包装材を提供することにある。
本発明の請求項1に記載の緩衝用包装材は、合成樹脂フィルム製の2枚のシートを重ねて両シートをヒートシール部によって接合させることによって横方向に連続して多数の区画された長尺状の密封袋を構成し、この密封袋の全ての長さ方向一端側に通じる空気注入路を設けて、この空気注入路の一端の空気注入口から空気を注入できるとともに、空気が充填された密封袋はそれぞれ独立して密封状態を保持するように且つ空気注入路の入口部で前記2枚のシート間の熱融着防止と2枚のシート同士の自己粘着を防止するように構成された逆止弁を内蔵して構成された合成樹脂フィルム製シートからなる緩衝用包装材であって、逆止弁は、緩衝用包装材を構成する2枚のシート間の所定位置に挟まれた状態で緩衝用包装材を構成する2枚のシートをヒートシール部で接合させることによって多数の区画された長尺状の密封袋を形成すると同時に各密封袋の長さ方向一端に取り付けられ、空気注入路内に位置している逆止弁の一方のシートの端部が密封袋の長さ方向一端における緩衝用包装材の端部に形成されたヒートシール部により緩衝用包装材の2枚のシート間で熱融着されているとともに、逆止弁の他方のシートの端部は前記密封袋と空気注入路との境目のヒートシール部に揃うように構成され、密封袋内に位置する逆止弁は緩衝用包装材の一方のシートに対し、ヒートシール部により熱融着されていることを特徴とする。
以上のように、本発明の緩衝用包装材は、空気注入路の一端の空気注入口から空気が注入されるとき、空気注入路内に位置している逆止弁の一方のシートの端部が密封袋の長さ方向一端における緩衝用包装材の端部に形成されたヒートシール部により緩衝用包装材の2枚のシート間で熱融着されているので、逆止弁の一方のシートの端部が空気注入路内で踊ることがなく、逆止弁の流路の入口部からの空気の進入を妨げることがなくなる。また、密封袋内に位置する逆止弁は緩衝用包装材の一方のシートに対し、前記ヒートシール部により熱融着されているので、逆止弁の姿勢が安定し、前記密封袋の長さ方向他端側に向く逆止弁の端部の2枚のシートの先端部間に皺や弛みが発生しにくくなり、その部分からの空気の逆流がなくなり、空気漏れを防止することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面(図1〜図6)に基づいて説明する。なお図中、前記従来例と同一符号は同一部材を示し、その詳細説明は省略し、前記従来例と異なる部分について説明する。
前記従来例において、前記2枚のシート8,9をヒートシール部10a〜10cによって接合させることによって構成されている逆止弁7は、緩衝用包装材1を構成する2枚のシート2,3間の所定位置に挟まれた状態で密封袋5を横方向に連続して多数並設するための緩衝用包装材1のヒートシール部4および密封袋5と空気注入路6との境目を形成するためのヒートシール部13により緩衝用包装材1に取り付けられていて、逆止弁7の下側に位置する一方のシート8は端部が密封袋5の長さ方向一端側に形成されている空気注入路6内に位置した状態で2枚のシート2,3の何れにも固着されておらず、また密封袋5内に位置する逆止弁7も2枚のシート2,3の何れにも固着されていないのに対し、本発明の実施の形態の緩衝用包装材1は、逆止弁7は、緩衝用包装材1を構成する2枚のシート2,3間の所定位置に挟まれた状態で前記ヒートシール部4および13により緩衝用包装材1に取り付けられていることは前記従来例と同じであるが、上側に位置するシート9よりも大きな下側に位置するシート8は、端縁が密封袋5の長さ方向一端側に形成されている空気注入路6内に位置して緩衝用包装材1の端縁に揃って密封袋5の長さ方向一端における緩衝用包装材1の端部に形成されたヒートシール部4aにより2枚のシート2,3間で熱融着され、また密封袋5内に位置する逆止弁7は緩衝用包装材1の下側のシート2に対し、2枚のシート8,9同士の前記ヒートシール部10bの中央部位置および2枚のシート8,9同士の前記ヒートシール部10cを両側から挟む位置でヒートシール部16および17により熱融着されている。他の構成は前記従来例と同じであるため、説明は省略する。
上記構成において、空気注入路6の一端の空気注入口6aから空気が注入されるとき、空気注入路6内に位置している前記一方のシート8の端部が密封袋5の長さ方向一端における緩衝用包装材1の端部に形成されたヒートシール部4aにより2枚のシート2,3間で熱融着されているので、一方のシート8の端部が空気注入路6内で踊ることがなく、前記流路11の入口部11aからの空気の進入を妨げることがなくなる。また、密封袋5内に位置する逆止弁7は下側のシート2に対し、前記ヒートシール部16および17により熱融着されているので、逆止弁7の姿勢が安定し、前記密封袋5の長さ方向他端側に向く逆止弁7の端部の2枚のシート8,9の先端部間に皺や弛みが発生しにくくなり、その部分からの空気の逆流がなくなり、空気漏れを防止することができる。
本発明の一実施の形態における緩衝用包装材の展開図である。 同緩衝用包装材の要部拡大平面図である。 同緩衝用包装材の要部拡大一部切り欠き斜視図である。 同緩衝用包装材の要部拡大水平断面図である。 同緩衝用包装材の空気充填前の状態を示す要部拡大縦断面図である。 同緩衝用包装材の空気充填後の状態を示す要部拡大縦断面図である。 従来例における緩衝用包装材の展開図である。 同緩衝用包装材の要部拡大平面図である。 同緩衝用包装材の要部拡大一部切り欠き斜視図である。 同緩衝用包装材の要部拡大水平断面図である。 同緩衝用包装材の空気充填前の状態を示す要部拡大縦断面図である。 同緩衝用包装材の空気充填後の状態を示す要部拡大縦断面図である。 同緩衝用包装材を用いて作られた緩衝包装袋に空気を充填する前の状態を示す斜視図である。 同緩衝包装袋に空気を充填した状態を示す斜視図である。 同緩衝包装袋に被包装物を収納する状態を示す斜視図である。 同緩衝包装袋に被包装物を収納した状態を示す断面図である。
符号の説明
1 緩衝用包装材
2,3 シート
4,4a,4b ヒートシール部
5 密封袋
6 空気注入路
6a 空気注入口
7 逆止弁
8,9 シート
10a〜10c ヒートシール部
11 流路
11a 入口部
13,16,17 ヒートシール部

Claims (1)

  1. 合成樹脂フィルム製の2枚のシートを重ねて両シートをヒートシール部によって接合させることによって横方向に連続して多数の区画された長尺状の密封袋を構成し、この密封袋の全ての長さ方向一端側に通じる空気注入路を設けて、この空気注入路の一端の空気注入口から空気を注入できるとともに、空気が充填された密封袋はそれぞれ独立して密封状態を保持するように且つ空気注入路の入口部で前記2枚のシート間の熱融着防止と2枚のシート同士の自己粘着を防止するように構成された逆止弁を内蔵して構成された合成樹脂フィルム製シートからなる緩衝用包装材であって、逆止弁は、緩衝用包装材を構成する2枚のシート間の所定位置に挟まれた状態で緩衝用包装材を構成する2枚のシートをヒートシール部で接合させることによって多数の区画された長尺状の密封袋を形成すると同時に各密封袋の長さ方向一端に取り付けられ、空気注入路内に位置している逆止弁の一方のシートの端部が密封袋の長さ方向一端における緩衝用包装材の端部に形成されたヒートシール部により緩衝用包装材の2枚のシート間で熱融着されているとともに、逆止弁の他方のシートの端部は前記密封袋と空気注入路との境目のヒートシール部に揃うように構成され、密封袋内に位置する逆止弁は緩衝用包装材の一方のシートに対し、ヒートシール部により熱融着されていることを特徴とする緩衝用包装材。
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