JP2011110773A - 吸音材 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた吸音性、機械的強度および成形加工性を有する吸音材を提供すること。
【解決手段】(A)目付が150〜800g/m、嵩高度が0.01〜0.2g/cmである不織布と、(B)JIS L−1096に基づいて測定される通気量が50cc/cm・sec以下の表皮材とが積層されてなり、かつ前記表皮材がポリエステルを含む複合繊維からなるマルチコンポーネント・メルトスパン不織布であることを特徴とする吸音材。
【選択図】なし

Description

本発明は、吸音材に関し、更に詳しくは、エアーコンディショナー、電気冷蔵庫、電気洗濯機若しくは電気芝刈機等の電気製品、車両、船舶若しくは航空機等の輸送用機器、または建築用壁材等の建築用資材、土木・建築機械等の分野において使用される吸音材に関する。
従来より、電気製品、建築用壁材、車両等に吸音材が用いられているが、特に自動車等の車両による車外加速騒音やアイドル車外音等を防止する目的で、エンジンやトランスミッション回りを吸音材のついた遮蔽カバーで覆う仕様が設定されつつある。このため、部品の形状に合致するように成形できるタイプの吸音材が求められている。また、吸音材を取り付けた機械装置や部材パネル等の軽量化を図るために軽量な素材で構成され、廃棄処分時のリサイクル性に優れ、吸音材の燃焼時に有毒ガスが発生しないものが望まれている。
そのため、不織布を用いた吸音材が多数提案されている。例えば、特許文献1には、目付(面密度)が100〜500g/mのポリエステル短繊維不織布の片側一面に、繊度が1.1デシテックス以下で、面密度が20〜100g/mのポリプロピレン製メルトブロー不織布をニードルパンチ法で積層した吸音不織布が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、ポリプロピレン製メルトブロー不織布は引張強度が低いため、機械装置や部材パネルの形状に成形する際に成形時に破れる等、柔らかすぎて成形後の形状保持が不十分であった。
一方、上記した点を改善した吸音材も開発されている(特許文献2)。しかしながら、引張伸度に優れる吸音材は引張強度が十分でなく、機械的強度に改善の余地があり、引張強度が優れる吸音材は引張伸度が十分でなく、成形加工時に表皮材が破れる等、改善の余地があった。そのため、吸音性に優れ、適切な引張強度を有するだけでなく、成形加工性にも優れた吸音材の開発が望まれていた。
特開2001−205725号公報 WO2005/019783号パンフレット
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、優れた吸音性、機械的強度および成形加工性を有する吸音材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、目付が150〜800g/m、嵩高度が0.01〜0.2g/cmである不織布に、JIS L−1096 一般織物試験方法に基づいて測定される通気量が50cc/cm・sec以下のポリエステルを含む複合繊維からなるマルチコンポーネント・メルトスパン不織布の表皮材を積層することにより、吸音性、引張強度等の機械的強度および成形加工性に優れた吸音材が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1](A)目付が150〜800g/m、嵩高度が0.01〜0.2g/cmである不織布と、(B)JIS L−1096に基づいて測定される通気量が50cc/cm・sec以下の表皮材とが積層されてなり、かつ前記表皮材がポリエステルを含む複合繊維からなるマルチコンポーネント・メルトスパン不織布であることを特徴とする吸音材、
[2]表皮材の縦および横の引張伸度がいずれも50%以上であり、かつ、表皮材の縦および横の引張強度/目付がいずれも0.5N/(g/m)以上である前記[1]に記載の吸音材、
[3]複合繊維が、ポリエチレンおよびポリエチレンテレフタレートからなる複合繊維である前記[1]または[2]に記載の吸音材、
[4]ポリエチレンのガラス転移温度が−130〜−80℃であり、ポリエチレンテレフタレートのガラス転移温度が60℃以上である前記[3]に記載の吸音材、
[5]前記不織布を構成する繊維が、ポリエステル繊維である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の吸音材、
[6]前記ポリエステル繊維が、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリエチレンフタレート(PEN)繊維、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、およびポリトリメチレンナフタレート(PTN)繊維からなる群から選ばれる1以上である前記[5]に記載の吸音材、および
[7]前記不織布と前記表皮材とが超音波溶着により接着されてなることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれかに記載の吸音材、
[8]前記不織布と前記表皮材との間にポリプロピレン繊維層が積層されてなることを特徴とする前記[1]〜[7]のいずれかに記載の吸音材、
に関する。
本発明によれば、吸音性(垂直入射吸音率、残響室吸音率等)、引張強度等の機械的強度に優れ、かつしわが少なく、外観が良く、破れにくい等の成形加工性にも優れた吸音材を提供することができる。また、リサイクル性に優れた吸音材を低コストで提供することができる。更に、軽量で扱いやすく、燃焼時に有毒ガス発生のおそれのない安全性の高い吸音材を提供することができる。
芯−鞘型の2成分のポリマーからなる複合繊維の断面図である。
本明細書において「ポリエステル」は、反復単位の少なくとも85%がジカルボン酸成分とグリコール成分との縮合生成物であってエステル単位をつくることによって重合体の結合が形成されている重合体(ポリマー)を含む。この中には芳香族、脂肪族の飽和および不飽和酸並びにジアルコールが含まれるが、これらに限定されない。ジカルボン酸成分としては、特に限定されないが、例えば、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。グリコール成分としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。上記ジカルボン酸成分の一部を、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、スルホン酸金属置換イソフタル酸等で置き換えてもよく、上記のグリコール成分の一部を、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、およびポリアルキレングリコール等に置き換えてもよい。また、本明細書において「ポリエステル」は、共重合体(ブロック、グラフト、不規則および交替共重合体)、配合物およびその変性物を含むが、これらに限定されない。ポリエステルとしては、例えばポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)等が挙げられる。
本発明に用いる「ポリ(エチレンテレフタレート)」は、反復単位の大部分がエチレングリコールとテレフタル酸との縮合生成物であってエステル単位の生成によって重合体の結合がつくられている重合体(ポリマー)および共重合体(コポリマー)を含む。共重合に用いる単量体は、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
本発明に用いる「複合繊維」は、2種類以上のポリマーを紡糸口金の多数の細い毛管から溶融した熱可塑性重合体材料をフィラメントとして押出し、次いで押出されたフィラメントの直径を迅速に減少させることによりつくられた並列型、芯−鞘型、区切られたパイ型等の形状を含む種々の公知の形状の繊維であり、平均直径は約5μm以上の繊維であれば、特に限定されない。複合繊維は通常、連続繊維であり、複合繊維の平均の断面積は約90μm以下のものが好ましい。また、より優れた成形加工性および引張強度を得るために、芯−鞘型の複合繊維が好ましく、2成分(2種類)のポリマーからなる鞘と芯の型の複合繊維がより好ましい。芯−鞘型の複合繊維の断面図を図1に示す。
本発明の吸音材は、(A)目付が150〜800g/m、嵩高度が0.01〜0.2g/cmである不織布と、(B)JIS L−1096に基づいて測定される通気量が50cc/cm・sec以下の表皮材とが積層されてなり、かつ前記表皮材がポリエステルを含む複合繊維からなるマルチコンポーネント・メルトスパン不織布であることを特徴とする。
本発明に用いる不織布は、目付が150〜800g/m、嵩高度が0.01〜0.2g/cmであれば、短繊維からなる不織布、長繊維からなる不織布のいずれであってもよい。例えば、ニードルパンチ不織布、ウォータージェットパンチ不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布、ステッチボンド不織布、エアレイド不織布等が用いられる。
本発明において、不織布を構成する繊維の断面形状は、特に限定されず、真円断面状であってもよいし、異形断面状であってもよい。例えば楕円状、中空状、X断面状、Y断面状、T断面状、L断面状、星型断面状、葉形断面状(例えば三つ葉形状、四葉形状、五葉形状等)、その他の多角断面状(例えば三角状、四角状、五角状、六角状等)等の異形断面状であってもよい。
本発明において、不織布を構成する繊維は、天然繊維でも合成繊維でもよいが、機械的強度および成形加工性の観点から熱可塑性繊維が好ましく使用される。かかる熱可塑性繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維(例えばナイロン繊維等)、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維(例えばポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等)等を挙げることができ、前記繊維素材を例えば湿式紡糸、乾式紡糸または溶融紡糸等の公知の方法に従って製造したものを使用することができる。中でも、強力、柔軟性、耐摩耗性等に優れる点から、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維が好ましい。これらの繊維は単独で、または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。特に、使用済み不織布の熱溶融により原料ポリエステルを容易にリサイクル使用することが可能で、経済性に優れ、不織布の風合いも良く、成形性に優れる点より、ポリエステル繊維が最も好ましい。これらの熱可塑性繊維は、一部または全部が反毛(回収再生繊維)であってもよい。
本発明において、ポリエステル繊維は、上記「ポリエステル」からなる繊維であれば特に限定されない。ポリエステル繊維は、通常、ポリエステル樹脂から溶融紡糸等の公知の紡糸法により製造される。ポリエステル繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリエチレンフタレート(PEN)繊維、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)繊維等が挙げられるが、とりわけ、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維が好ましい。このポリエステル繊維には、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、ジルコニウム酸等の各種無機粒子や架橋高分子粒子、各種金属粒子等の粒子類のほか、従来からある抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種界面活性剤等が添加されていてもよい。
上記ポリプロピレン繊維は、ポリプロピレン樹脂からなる繊維であれば特に限定されない。ポリプロピレン樹脂は、繰り返し単位に−CH(CH)CH−の構造を含んでいる重合体樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリプロピレン樹脂、プロピレン─エチレン共重合体樹脂等のプロピレン−オレフィン共重合体樹脂等が挙げられる。ポリプロピレン繊維は、上記ポリプロピレン樹脂から溶融紡糸等の公知の紡糸法を用いて製造される。また、ポリプロピレン繊維には、上記したポリエステル繊維に添加してもよい各種添加剤等が添加されていてもよい。
上記ナイロン繊維としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリメタキシレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ナイロン6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン66/6I/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)またはポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)等のナイロン共重合体樹脂等のナイロン樹脂からなるナイロン繊維が挙げられる。ナイロン樹脂からナイロン繊維を製造する方法は、溶融紡糸等の公知の方法であってよい。また、ナイロン繊維には、上記したポリエステル繊維に添加してもよい各種添加剤等が添加されていてもよい。
不織布を構成する繊維の繊維長および繊度は、特に限定されず、他の合成繊維との相性により適宜決定することができるが、繊維長は10mm以上が好ましい。長繊維でも短繊維でもよいが、短繊維の場合は、繊維長10〜100mmが好ましく、20〜80mmが特に好ましい。繊維長10mm以上の短繊維を使用することにより、交絡させた短繊維が不織布から脱落しにくくなる。カード機からの紡出性等を考慮すると、100mm以下の短繊維とすることが好ましい。不織布を構成する繊維の繊度は、通常5.0dtex以上30dtex以下であり、特に好適には5.5dtex以上10dtex以下である。カード機からの紡出性および吸音材の成形加工性に優れる点から、繊維長10〜100mmの熱可塑性短繊維がより好ましい。
前記熱可塑性短繊維は、単独で、または二種以上を混合して用いることができる。同種または異種の繊維で、繊度や繊維長の異なる熱可塑性短繊維を混合して用いることもできる。この場合、繊維の混合比は任意であり、不織布の用途や目的に合せて適宜決定することができる。また、成形時の不織布のヘタリを少なくするために糸の硬さの異なる繊維、または、糸がカール状若しくは折れ曲がり構造の繊維等を混合してもよい。
本発明において、不織布の吸音特性を向上させるために、熱可塑性短繊維中に細デニールの熱可塑性短繊維を含有させることが好ましい。細デニールの熱可塑性短繊維の種類としては、上記ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等に加えて、線状低密度ポリエチレン繊維、エチレン−酢酸ビニル共重合体繊維等であってもよく、これらを単独で、または二種以上を混合して使用してもよい。
細デニールの熱可塑性短繊維の繊度は、通常、0.0001dtex以上5.0dtex未満であり、より好ましくは0.5dtex以上4.5dtex以下である。繊度が細すぎると成形加工性が悪くなり、太すぎると吸音特性が低下する。細デニールの熱可塑性短繊維の繊維長は特に限定されず、吸音材の用途により適宜決定することができるが、通常、10〜100mm、特に20〜80mmの短繊維であることが好ましい。
ウェッブ中に細デニールの熱可塑性短繊維を配合する場合、細デニールの熱可塑性短繊維の配合割合は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、熱可塑性短繊維全量に対して通常30〜70質量%であり、好ましくは30〜50質量%である。
本発明において、不織布の目付は150〜800g/mである。目付が小さすぎると製造時の取り扱いが悪くなり、例えばウェッブ層の形態保持性が不良となり、また、低周波数(例えば500Hz以下)での吸音率が低くなる等の不都合が生じる。目付が大きすぎると繊維の交絡に要するエネルギーが大きくなり、あるいは交絡が不十分となり不織布加工時に変形する等の不都合が生じる。不織布の目付は、吸音性がより優れる点から、180〜600g/m程度がより好ましい。
なお、ウェッブは、従来と同様のウェッブ形成装置を用いて、従来のウェッブ形成方法に従って作製することができる。例えば、混綿された熱可塑性短繊維をカード機を用いて開繊された後に、ウェッブに形成される。
本発明において好ましく使用される不織布は、熱可塑性短繊維からなるウェッブを、例えばニードルパンチ処理またはウォータージェットパンチ処理、あるいはエアレイド処理等によって交絡させて一体化することにより得られる。パンチング処理を施すことにより、ウェッブの繊維を交絡させて不織布の耐摩耗性を向上させることができる。
ニードルパンチング処理は、ウェッブの片面または両面処理のいずれでもよい。パンチング密度は、少なすぎると不織布の耐摩耗性が不十分となり、多すぎると嵩高度が低下し、不織布中の空気体積率の低下により断熱効果や吸音効果が損なわれるため、好ましくは50〜300回/cm、より好ましくは50〜100回/cmである。本発明において、ニードルパンチング処理は、従来と同様のニードルパンチング装置を用いて、従来のニードルパンチング方法に従って行うことができる。
ウォータージェットパンチング処理は、例えば孔径(直径)が0.05〜2.0mmの噴射孔を、孔間隔0.3〜10mmで一列あるいは複数列に多数配列した装置であって、噴射圧力を90〜250kg/cm Gとして高圧水流を噴射させるウォータージェットパンチング装置を用いて、従来のウォータージェットパンチング方法に従って行うことができる。噴射孔とウェッブとの距離は、1〜10cm程度とするのがよい。
エアレイド処理はカード機で得られたウェッブに高温の熱風を当て、ウェッブに含まれる低融点糸を溶融し、バインダとして隣接する他の繊維と接着させたものであり、低融点糸の溶融温度より20℃程度高い温度で熱処理し、熱処理直後にロールで冷却しながら圧縮して他の繊維と接着し、不織布厚さを好みの厚さに調整して得ることができる。
ニードルパンチング処理またはウォータージェットパンチング処理の後、従来と同様に乾燥し、必要に応じてヒートセットしてもよい。
短繊維からなる不織布は、その嵩高度が小さすぎると、吸音性が低下し、大きすぎても剛性が大きく成形加工性が低下するため、0.01〜0.2g/cmの範囲である必要がある。好ましくは0.01〜0.1g/cm、より好ましくは0.02〜0.08g/cm、さらに好ましくは0.02〜0.05g/cmの範囲である。このように、不織布の嵩高度を制御することによって、不織布中の空気の割合が一定範囲内に制御されることで、不織布に優れた吸音性が付与される。
本発明において不織布の厚さは、厚いほど吸音性が良くなるが、経済性、扱い易さ、吸音材としてのスペース確保等の点から、通常2〜100mmであり、好ましくは3〜50mmであり、より好ましくは5〜30mmである。
本発明の吸音材は上記の不織布に表皮材を積層してなるものであるが、この表皮材の通気量は50cc/cm・sec以下であることが必要である。ここでいう通気量は、JIS L−1096に基づいて測定されるものであり、通気量の測定方法の詳細は、下記実施例に記載するとおりである。通気量の下限はないが、0.01cc/cm・sec以上50cc/cm・sec以下が好ましく、0.01cc/cm・sec以上30cc/cm・sec以下が特に好ましい。通気量が50cc/cm・secを超えると吸音材の吸音性が悪くなる。
本発明に用いる表皮材は、優れた引張強度および成形加工性が得られる点から、ポリエステルを含む複合繊維からなるマルチコンポーネント・メルトスパン(multiple component melt spun)不織布であれば、特に限定されない。本発明の表皮材としては、コストがかかる、成形時の不織布のヘタリを減らすという点から極細繊維を含めない表皮材が好ましい。
本発明に用いる複合繊維を構成するポリマーは、ポリエステルを含めば、特に限定されないが、芯−鞘型の複合繊維の場合、芯に用いるポリマーは、伸縮性のあるポリマーであれば特に限定されず使用でき、例えば上記ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート等)等が挙げられ、固有粘度(IV)が約0.62dl/g以下(以下、「低IV」という。)のポリ(エチレンテレフタレート)が好ましい。芯に、前記低IVポリ(エチレンテレフタレート)を用いる場合は、低IVポリ(エチレンテレフタレート)は少なくとも50重量%含まれるものが好ましく、少なくとも90重量%の低IVポリ(エチレンテレフタレート)を含むものがより好ましい。鞘に用いるポリマーは、特に限定されないが、例えばポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等を用いることができる。ポリエチレンとしては、ガラス転移温度が−130〜−80℃ものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートとしては、ガラス転移温度が60℃以上90℃以下のものが好ましい。前記芯−鞘型の複合繊維における繊維の使用割合は特に限定されないが、芯が複合繊維全体の40重量%以上を占めているものが好ましく、複合繊維全体の50〜80重量%を占めているものが好ましい。芯−鞘型の複合繊維が2種類のポリマーからなる場合、鞘がポリエチレンであり、芯がポリエチレンテレフタレートであり、芯が複合繊維全体の50重量%以上を占めている、ポリエチレンとポリエチレンテレフタレートからなる複合繊維が好ましい。
表皮材の形態は、布帛状であり、布帛としては、例えば、不織布が挙げられる。また、表皮材が布帛である場合、布帛を構成する繊維は、短繊維、長繊維のいずれでもよい。布帛状の表皮材を用いる場合は、表皮材と積層される不織布と同一の素材であってもよく、異なる素材であってもよい。例えば、本発明の吸音材が自動車等の車両内装材として使用される場合には、該吸音材は多量に使用され、かつ、リサイクルが可能であることが要求されることから、表皮材と積層される不織布とは同一の素材であってもよい。
表皮材に用いる複合繊維からなるマルチコンポーネント・メルトスパン不織布は、米国特許6,548,431B1号明細書、特表2003−518206号公報、米国特許3,802,817号、同5,545,371号、および同5,885,909号に記載の方法により製造することができる。例えば、2種類のポリマーを用いた複合繊維からなるマルチコンポーネント・メルトスパン不織布は、以下のようにして得られる。芯に用いるポリマーおよび鞘に用いるポリマーを別々のホッパーに供給する。次いで、各ポリマーはホッパーからそれぞれ別々に押出機に供給され、押出機は各ポリマーを溶融加圧し、溶融したポリマーは米国特許5,162,074号に記載されるような多成分紡糸パックを使用して、二成分紡糸口金を通ってモノフィラメントのような二成分フィラメントを形成する。二成分紡糸口金を通過後、空気急冷区域で該フィラメントを部分的に冷却し、同時に空気によって延伸してその太さを減少させ強度を増加させる。次いで、動いているベルト、スクリムまたは他の繊維層の上にフィラメントを沈積させる。前記方法によって製造された複合繊維は実質的に連続しており、その直径は5〜11μmである。前記押出機としては、特に限定されないが、0.5〜40ポンド/時(0.23〜18.1kg/時)処理能力を有するヴェルナー・アンド・プフライデラー(Werner & Pfleiderer)共回転28mm押出機等が挙げられる。前記二成分紡糸口金としては、特に限定されないが、特許第4313312号公報に記載の二成分紡糸口金を使用することができ、具体的には、円形に配列された34ペアの毛管、30°の毛管の各ペア間内角、0.64mmの毛管直径、および4.24mmの毛管長さを有する後融合二成分紡糸口金等が挙げられる。このような不織布としては、市販の不織布、例えばバイコンポーネント・メルトスパン不織布であるスープレル(商品名、登録商標)(デュポン株式会社製)を用いることができる。本発明の吸音材は、マルチコンポーネント・メルトスパン不織布を表皮材として用いることにより、通常のメルトブロー不織布に比べて優れた引張強度および成形加工性を有する。マルチコンポーネント・メルトスパン不織布は、機械的強度が高いという点でメルトブロー不織布とは異なる。
表皮材の厚さは、薄いものがよく、好ましくは100μm〜2mm、より好ましくは150μm〜1mm程度のものがよい。また、表皮材の単位面積あたりの重量(目付)は、軽い方がよいが、強度の点から、好ましくは20〜400g/m、より好ましくは35〜300g/m程度が好ましい。
表皮材と不織布の積層は、非接着状態でもよいが、好ましくは通常の結合方法で結合させて積層するのが好ましい。結合方法としては、特に限定されないが、融着、縫合、ニードルパンチング、ウォータージェットパンチング、接着剤による接着、熱エンポス、超音波溶着、接着樹脂によるシンター接着、ウエルダーによる接着法等の方法が挙げられ、不織布を構成する繊維と表皮材を構成する素材を含めて一気に吸音材を製造でき、製造工程が少なくて済むという点から、熱融着または超音波溶着による結合が好ましい。超音波溶着の場合、例えば、前記不織布を構成する繊維と、前記表皮材に用いる複合繊維を構成する繊維とを、超音波溶着機(例えば、日本ヒューチャア社製の超音波溶着機デジタルウェルダー(形式:W3005−28/40等))を用いて超音波を照射し、接着することができる。この製造方法により、不織布と表皮材が一体となった吸音材が一工程で得られる。また、低融点ネット、低融点フィルム、低融点ポリマー等の低融点物を表皮材と不織布の間に介在させ、熱処理して該低融点物を溶融させて表皮材と不織布を接着し、表皮材と不織布との間に、低融点物層を含む3層構造の吸音材とする方法も採用することができる。ここで、低融点物の融点は、不織布、表皮材に使用されている他の繊維よりも20℃以上低いものが好ましい。低融点ポリマーとしては、特に限定されないが、上記ポリエステル、上記ポリオレフィン(例えば、上記ポリプロピレン等)等が挙げられる。成形加工性がより優れた吸音材を得るために、上記不織布がポリエチレンテレフタレート(PET)繊維であり、不織布と表皮材との間にポリプロピレン繊維層が積層されてなる吸音材が好ましい。
表皮材と不織布との接着度合い(接着点または接着面積)は大きいほど表皮材と不織布とが強固に接着されるが、接着度合いが大きすぎると吸音率が低くなる。また全く接着しない状態では、吸音率は高くなるが、使用中の剥がれや、取扱いにくさ等の問題が生じる。このような観点から、表皮材と不織布との接着点は、好ましくは30個/cm以下、より好ましくは20個/cm以下、さらに好ましくは10個/cm以下であるが、最低は1個/cmである。また、接着点の接着面積は大きすぎると吸音率が低下するので、小さいほど好ましい。例えば、非接着点の面積(A)と接着点の面積(B)との比率(B/A×100)は、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下である。このように接着点や接着比率を小さくするためには、例えば低融点物がネット状に成形されたものを使用する、または密度の小さい低融点ウェッブを使用するまたは、粒子の比較的大きい低融点物を接着剤として少量使用するのが好ましい。
本発明の吸音材は、必要に応じて染料や顔料で着色されていてもよい。着色方法として、紡糸前に染料や顔料をポリマーと混合して紡糸した原着糸を使用してもよく、各種方法で着色した繊維を用いてもよい。吸音材を染料や顔料で着色してもよい。
本発明の吸音材には、その難燃性や耐摩耗性を更に向上させるために、必要に応じて、アクリル樹脂エマルジョンや、リン酸エステル系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、水和金属化合物等の公知の難燃剤を配合したアクリル樹脂エマルジョンあるいはアクリル樹脂溶液等をコーティングまたは含浸させてもよい。
本発明の吸音材は、その目的や用途に合せて公知の方法等を適用して適宜な大きさ、形状等に加工することにより、種々の用途に用いることができる。本発明の吸音材は、難燃性と吸音性が求められる用途の全てに用いることができ、例えば、自動車、貨車等の車両用内装材、船舶若しくは航空機等の輸送用機器の内装材、タイヤの内側、土木・建築用の壁材や天井材等の土木・建築用資材に好適に使用することができる。その他、自動車の天井材、リアパッケージ、ドアトリム;自動車、電車、航空機等のダッシュボードにおけるインシュレータ;電気掃除機、換気扇、電気洗濯機、電気冷蔵庫、冷凍庫、電気衣類乾燥機、電気ミキサー・ジューサ、エアコン(エアーコンディショナー)、ヘヤードライヤー、電気かみそり、空気清浄器、電気除湿器、電気芝刈機等の電化製品;スピーカー用振動板;芝刈機、ブレーカー(ケーシングの内張等)等の土木・建築機械等の各種用途に用いることができる。
本発明の吸音材は、その裏面(すなわち、不織布側の底面)や側面に、反射板、固定板等の部材を取り付けて適用することもできる。上記「部材」の材質としては、例えば金属(例えばアルミニウム等)、樹脂(例えばゴム等)、木材等が挙げられる。また、上記「部材」の形状は特に限定されず、板状であってもよいし、管状であってもよいし、棒状であってもよい。さらに、フレーム状であっても額縁状であってもよい。例えば、本発明の吸音材の裏面にアルミニウム板を取り付け、かつ吸音材の全側面にフレーム状のアルミニウム部材を嵌め込んで、吸音パネルとし、この吸音パネルを例えば音の発生する機械設備のケーシング内側に設置したり、パーテーション代わりに使用したりすることができる。
本発明の吸音材は、特に限定されないが、通常、表皮材の縦および横の引張伸度が50%以上であり、かつ、表皮材の縦および横の引張強度/目付がいずれも0.5N/(g/m)以上である。また、表皮材の縦および横の引張伸度がいずれも60%以上135%以下であり、かつ、表皮材の縦および横の引張強度/目付がいずれも0.7N/(g/m)以上であるものが吸音材としての実用に供する点から、好ましい。表皮材の縦または横のいずれかの引張伸度が50%未満では、プレス成形で深絞りの条件で成形した場合、吸音材が破れる等の問題があり、製品として好ましくない。また、表皮材の引張伸度が135%を超えた場合は成形時に破れることはなくても機械的強度が低くなりすぎ、成形後の摩耗等により表皮部分が破れることがある。表皮材の縦または横のいずれかの引張強度/目付が0.5N/(g/m)未満の場合、製品として十分な機械的強度を有していないため好ましくない。引張強度および引張伸度の測定方法については、下記実施例に記載するとおりである。
本発明の吸音材は、通常、周波数100〜10000Hzの吸音に用いられ、好ましくは周波数400〜6000Hzの吸音に用いられる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例における各特性値の測定方法は次の通りである。
〔通気量〕JIS L−1096のフラジール形法(A法)に従って、フラジール形通気度試験機(商品名:AP−360S、大栄科学精器製作所製)を用いて測定した。
〔吸音率〕自動垂直入射吸音率測定器(商品名:10041A、電子測器株式会社製)を用い、JIS−A−1405「管内法における建築材料の垂直入射吸音率測定方法」に従って、各実施例および比較例の吸音材の表皮部分を音源側にして取り付けた。
〔引張強度〕JIS L−1096のカットストリップ法(A法)に従って、オートグラフ(商品名:AG−G、定速伸長形、島津製作所製)を用いて、各実施例および比較例の表皮材を200mm(長さ)×50mm(幅)の試験体にして、引張速度200mm/分、つかみ間隔200mmの条件で、表皮材の縦および横の引張強度(N)を測定した。
〔引張伸度〕JIS L−1096のカットストリップ法(A法)に従って、オートグラフ(商品名:AG−G、定速伸長形、島津製作所製)を用いて、各実施例および比較例の表皮材を200mm(長さ)×50mm(幅)の試験体にして、引張速度200mm/分、つかみ間隔200mmの条件で、表皮材の縦および横の引張伸度(%)を測定した。
〔厚さ〕JIS L−1096に従って、圧縮硬さ試験器(大栄科学精器製作所製)を用いて、荷重が0.1g/cm時の各実施例および比較例の表皮材および不織布の厚さを測定した。
〔目付〕各実施例および比較例の表皮材および不織布を、30cm(長さ)×30cm(幅)にカットして、重量を精密天秤で測定し、mあたりの重量に換算して表示した。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレート(PET)ステープル(1.7dtex(繊度)×44mm(繊維長)、東レ株式会社製)、ポリエチレンテレフタレート(PET)ステープル(6.6dtex(繊度)×51mm(繊維長)、東レ株式会社製)および低融点糸「サフメット」(商品名、融点110℃、4.4dtex(繊度)×51mm(繊維長)、東レ株式会社製)を60:20:20(質量比)で混綿し、カード工程を経たウェッブをニードルパンチ処理して不織布を得、150℃で3分間熱処理して低融点糸を溶融させて他のポリエステル糸に部分的に接着させ、厚さ10mm、目付220g/m、嵩密度0.02g/cmのポリエチレンテレフタレート(PET)のニードルパンチ不織布を製造した。
芯をポリエステル(ガラス転移温度:73℃)とし、鞘をポリエチレン(ガラス転移温度:−110℃)とする2成分からなる芯鞘型複合繊維からなるマルチコンポーネント・メルトスパン不織布(商品名:スープレル(登録商標)、DUPONT社製)を重ねた状態で、超音波溶着機デジタルウェルダー(形式:W3005−28/40、日本ヒューチャア社製)を用いて超音波溶着処理(0.5秒程度)により、不織布と表皮材とを接着面積5mm、1m当たりの接着点400個で接着して、目付277g/mの吸音材を得た。吸音材の性状を下記表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同じ繊維比率で混綿し、カード機を用いて作製したウェッブの上に繊維長51mm、単糸繊度4.4dtexのポリプロピレン繊維からなる目付30g/mからなるウェッブを乗せ、そのウェッブの上に実施例1で使用した芯をポリエステルとし、鞘をポリエチレンとする2成分からなる芯鞘型複合繊維からなるマルチコンポーネント・メルトスパン不織布(商品名:スープレル(登録商標)、DUPONT社製)をのせ、160℃で2分間熱風処理を施し、表面温度100℃の金属ロールの間を通過させて表皮とエアレイド不織布とを接着し、目付230g/mの吸音材を得た。
[比較例1]
ポリエチレンテレフタレートステープル(1.7dtex(繊度)×51mm(繊維長)、東レ株式会社製)を用いて、ニードルパンチ処理により厚さ10mm、目付400g/m、嵩高度0.04g/cmのポリエステルニードルパンチ不織布を作製した。表皮材は、ポリエステルスパンボンド不織布「アクスター(登録商標)」(商品番号:H2070−1S 厚さ270μm、目付70g/m、通気量50cc/cm・sec、東レ株式会社製)を用いた。低融点EVAパウダーを前記表皮材と前記ポリエステルニードルパンチ不織布との間にふりかけ、表面温度150℃のロール間を通して貼り付け、「ポリエチレンテレフタレート(PET)/スパンボンド不織布」貼り合わせの吸音材を得た。吸音材の性状を下記表1に示す。
[比較例2]
ポリエチレンテレフタレート(PET)ステープル(1.7dtex(繊度)×44mm(繊維長)、東レ株式会社製)、ポリエチレンテレフタレート(PET)ステープル(6.6dtex(繊度)×51mm(繊維長)、東レ株式会社製)および低融点糸「サフメット」(商品名、融点110℃、4.4dtex(繊度)×51mm(繊維長))を60:20:20(質量比)で混綿し、ニードルパンチ処理により、厚さ10mm、目付200g/m、嵩密度0.02g/cmの不織布を製造した。表皮材は、王子製紙社製の「ポリエステル100%ペーパー」(商品名、厚さ90μm、目付41.7g/m、通気量20.9cc/cm/sec)を用いた。低融点EVAパウダーを前記表皮材と前記不織布との間にふりかけ、表面温度150℃のロール間を通して貼り付け、「ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリエステルペーパー」貼り合わせの吸音材を得た。吸音材の性状を下記表1に示す。
[比較例3]
ポリエチレンテレフタレート(PET)ステープル(1.7dtex(繊度)×51mm(繊維長)、東レ株式会社製)を用いて、ニードルパンチ処理により厚さ10mm、目付400g/m、嵩高度0.04g/cmの不織布を作製した。表皮材は、ポリプロピレンのメルトブロー不織布「シンテックスMB(登録商標)」(商品番号:N11040N 厚さ120μm、目付40g/m、通気量145cc/cm・sec、三井化学社製)を用いた。前記表皮材を実施例1と同じ方法でポリエステルニードルパンチ不織布に貼り付け、「ポリエチレンテレフタレート(PET)/メルトブロー不織布」貼り合わせの吸音材を得た。吸音材の性状を下記表1に示す。
[試験例1]
実施例および比較例の吸音材について、温度230℃〜250℃(比較例3のみ120℃)で2分間熱処理した後、直ちに表面温度25℃の凹凸型の金型の中央にはさみ、コールドプレスで、成形した。成形加工性について、以下の評価基準で評価した。評価結果を下記表1に示す。
(成形加工性の評価基準)
○:しわ、破れなし
△:しわあり
×:破れる
Figure 2011110773
(表中、実施例1と2は同一表皮材を用いるため、実施例2の成形加工性の評価結果を省略しているが、実施例2の吸音材も、実施例1と同様に、成形加工性の評価は、○であった。)
表1から明らかなように、従来の吸音材では、引張伸度が良いと引張強度が十分でなく(比較例3)、引張強度が良いと引張伸度が十分ではなかった(比較例1〜2)。一方、本発明では、引張伸度および引張強度のいずれにも優れ、成形加工性の良好な吸音材が得られたことが確認された。
[試験例2]
実施例2について、JIS−A−1405「管内法における建築材料の垂直入射吸音率測定方法」による吸音材の各周波数における垂直入射吸音率は下記の通りであった。
Figure 2011110773
[試験例3]
実施例1の吸音材について、成形前および成形後の吸音率をJIS−A−1405「管内法における建築材料の垂直入射吸音率測定方法」に従って測定した。結果を下記表3に示す。
Figure 2011110773
表1より、本発明の吸音材は、成形加工性に優れることが確認された。表2より、本発明の吸音材は、吸音性が優れることが確認された。表3より、本発明の吸音材は、成形加工性に優れるため、成形加工により不織布が潰れる、吸音材が破れる等の問題により吸音性が低下することはなく、成形後の吸音率も成形前と変わらず優れていた。以上の結果から、本発明により、吸音性、成形加工性および引張強度等の機械的強度の優れた吸音材が得られたことが確認された。
本発明の吸音材は、エアーコンディショナー、ブレーカー、電気冷蔵庫、電気洗濯機、オーディオ機器若しくは電気芝刈機等の電気製品、車両、船舶若しくは航空機等の輸送用機器または建築用壁材等の建築用資材等の分野において吸音材として有用である。
1 複合繊維
2 芯のポリマー
3 鞘のポリマー

Claims (8)

  1. (A)目付が150〜800g/m、嵩高度が0.01〜0.2g/cmである不織布と、(B)JIS L−1096に基づいて測定される通気量が50cc/cm・sec以下の表皮材とが積層されてなり、かつ前記表皮材がポリエステルを含む複合繊維からなるマルチコンポーネント・メルトスパン不織布であることを特徴とする吸音材。
  2. 表皮材の縦および横の引張伸度がいずれも50%以上であり、かつ、表皮材の縦および横の引張強度/目付がいずれも0.5N/(g/m)以上である請求項1に記載の吸音材。
  3. 複合繊維が、ポリエチレンおよびポリエチレンテレフタレートからなる複合繊維である請求項1または2に記載の吸音材。
  4. ポリエチレンのガラス転移温度が−130〜−80℃であり、ポリエチレンテレフタレートのガラス転移温度が60℃以上である請求項3に記載の吸音材。
  5. 前記不織布を構成する繊維が、ポリエステル繊維である請求項1〜4のいずれかに記載の吸音材。
  6. 前記ポリエステル繊維が、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリエチレンフタレート(PEN)繊維、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、およびポリトリメチレンナフタレート(PTN)繊維からなる群から選ばれる1以上である請求項5に記載の吸音材。
  7. 前記不織布と前記表皮材とが超音波溶着により接着されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の吸音材。
  8. 前記不織布と前記表皮材との間にポリプロピレン繊維層が積層されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の吸音材。
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