JP2011105435A - エレベータの制振システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 巻上機の駆動に伴って複数次数の振動モードの振動成分を発生する支持部材を介して居室等に伝達される振動・騒音を確実に抑制することにある。
【解決手段】 巻上機8の駆動に伴って複数次数の振動モードの振動成分を発生する巻上機の支持部材5の各個所に設置され、各個所の垂直方向の振動を検出する複数の振動検出装置20と、この複数の振動検出装置20で検出された各振動成分に対して、前記複数次数の振動モードの振動成分を持った前記支持部材5の振動モデルから得られる状態変数ベクトルを用いた最適制御理論を適用して得られるフィードバックゲインを乗算し、これら乗算した複数の制御信号から制振力を求める制御装置22と、前記支持部材5に設置され、制御装置22で求めた各振動成分に対する制振力を支持部材に与えて制振する制振装置21とを備えたエレベータの制振システムである。
【選択図】図4

Description

本発明は、巻上機の駆動によって巻上機支持部材を介して伝達されてくる居室などの振動・騒音を抑制するエレベータの制振システムに関する。
高層建物では、外部からの騒音を抑制するために窓,外壁材などに遮音処置を講じているが、建物内もしくは建物に併設されるエレベータの場合、巻上機の駆動による振動・騒音が問題になってくる。
一般に、巻上機の駆動に伴って発生する振動は、巻上機支持部材から機械室床を介して、あるいは巻上機支持部材からガイドレールを介して機械室などに隣接する居室へ伝達し、居室内で振動・騒音の影響を受けることがある。
そこで、従来、巻上機の駆動による居室の振動・騒音を抑制するエレベータとしては、レール支持部材とかごガイドレールとの間に加振器を設置し、巻上機支持部材からガイドレールを介して伝播してくる振動を検出し、加振コントローラに供給する。加振コントローラは、検出した振動に基づいて駆動制御信号を出力し、加振器から巻上機の振動と逆位相の振動を発生させ、巻上機の振動を抑制している(例えば、特許文献1)。
従来のもう一つの振動・騒音を抑制するエレベータは、巻上機の支持部材に振動センサ及びアクティブ制振装置を設置し、制御装置が振動センサで検出される振動に基づき、アクティブ制振装置を介して検出振動と逆位相の振動を巻上機支持部材に付与することにより、振動を抑制している(例えば、特許文献2)。
特開2003−160285号公報 特開2007−297180号公報
一般に、巻上機からの振動は、エレベータを加減速する際に発生し、その振動周波数はエレベータの走行速度(巻上機の回転数)に応じて変化する。
一般に、巻上機支持部材は、複数のH型鋼などのチャンネル材が組み合わされて構成され、その上に巻上機本体やロープそらせシーブなどが配置されている。支持部材を構成する各チャンネル材の振動は、通常の多自由度振動で表される有限の共振周波数を持つ振動ではなく、連続体として、理論上、無限の共振周波数を有するものであり、その運動方程式は、波動方程式で表現する必要がある。そのため、巻上機から主に出される数十〜数百Hzの周波数の中に、複数の共振周波数と、それぞれの共振モードを有する。従って、巻上機の駆動に伴い、各チャンネル材が持つ複数の振動周波数が励振され、その振動エネルギー(振幅)が増大する。
ところで、特許文献1,2に記載の制振技術によれば、連続体のどこか一個所の質点に生じる振動モードの振動成分を抑制する方法をとっているので、1つの振動モードだけしか存在しない場合にはその振動成分を制振すればよいので制振効果は大きいが、連続体のように多数の質点から発生する振動モードの中から、1つの質点に生じる振動モードの振動成分に対して制振力を作用させた場合、当該振動成分を抑制することができるが、逆に他の質点に生じる振動モードの振動成分が大きく共振したり、あるいは制振作用を受けない多数の振動モードが存在し、機械室などに隣接する居室の振動・騒音を効果的に低減できない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、巻上機の駆動に伴って複数次数の振動モードの振動成分を発生する支持部材を介して居室等に伝達される振動・騒音を確実に抑制するエレベータの制振システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、巻上機及びこの巻上機を支持する支持部材を備えたエレベータにおいて、前記巻上機の駆動に伴って複数次数の振動モードの振動成分を発生する前記支持部材の各個所に設置され、当該各個所の垂直方向の振動を検出する複数の振動検出装置と、前記複数の振動検出装置で検出された各振動成分に対して、前記複数次数の振動モードの振動成分を持った前記支持部材の振動モデルから得られる状態変数ベクトルを用いた最適制御理論を適用して得られるフィードバックゲインを乗算し、これら乗算した複数の制御信号から制振力を求める制振制御手段と、前記支持部材に設置され、前記制振制御手段で求めた各振動成分に対する制振力を当該支持部材に与えて制振する少なくとも1個の制振装置とを具備したエレベータの制振システムである。
本発明によれば、巻上機の駆動に伴って複数次数の振動モードの振動成分を発生する支持部材を介して居室等に伝達される振動・騒音を確実に抑制できるエレベータの制振システムを提供できる。
本発明に係るエレベータの制振システムを適用する巻上機及びその周辺の構造物の一例を説明する図。 本発明に係るエレベータの制振システムを適用する巻上機及びその周辺の構造物の他の例を説明する図。 図2の上方から見た巻上機及びその周辺の構造物の平面図。 本発明に係るエレベータの制振システムの一実施形態を示す構成図。 巻上機の駆動に伴って、複数次数の振動モードの振動成分を発生する巻上機支持部材の近似的な振動モデルを表す図。 LQR制御を用いたフィードバック制御システム図。 制振制御無し、1個の振動検出装置設置及び複数個の振動検出装置設置における制振効果の比較例を示すグラフ図。 支持部材に2個の制振動装置を設置した例を示す図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は機械室に設置される巻上機及びその周辺の構造物の一例を示す図である。
同図において、1は昇降路上部の機械室を形成するための仕切りとなる機械室床であって、機械室床1上の所要とする例えば4個所にそれぞれ基礎鉄骨2と基礎部材3が連ねた状態で立設される。そして、紙面手前側の2つの基礎部材3,3にはそれぞれ防振ゴム4を介在させて、一般的にマシンベースなどと呼ばれる支持部材5が支持され、紙面奥行側にも同様に2つの基礎部材3,3(図示せず)に支持部材5が支持されている。
さらに、各支持部材5には防振ゴム6を介して当該支持部材5よりも短尺のマシンヘッドとなる支持部材7が支持され、同様に紙面奥行側にも支持部材7が支持されている。
なお、支持部材5,7は、区別するために下位支持部材、上位支持部材とも呼ぶ。
8は巻上機であって、2つの上位支持部材7に架け渡すように設置される。巻上機8の回転軸に連結される巻上シーブ(図示せず)にはメインロープ9が架け渡され、そのロープ9一端部には機械室床1の開口部1aを通って乗りかご(図示せず)が吊下され、当該ロープ9他端部には機械室床1の別の開口部1aを通ってつり合い重り(図示せず)が吊下される。10は機械室と居室11とを仕切る居室壁である。
従って、巻上機8の駆動によって生じる振動は、上位支持部材7,防振ゴム6,下位支持部材5、防振ゴム4,基礎部材3,機械室床1の基礎鉄骨2を介して機械室床1や機械室に隣接し、あるいは機械室近傍の居室11に伝達する構造となっている。
一方、巻上機8の駆動による居室11への振動・騒音を抑制する制振制御系としては、各基礎部材3に支持される下位支持部材5の両端側近傍や巻上機8の設置個所近傍に設置される複数の振動検出装置20と、下位支持部材5の任意の個所に設置される少なくとも1個の制振装置21と、連続体に生じる多次数の振動モードの振動状態を近似的に表す振動モデル(後記図5参照)を作成し、その振動モデルから得られる状態変数ベクトルを用いて、最適制御理論のもとに求められるフィードバックゲインを用いて、多次数の振動モードの振動成分に対して最適な制振力を与える制御装置22(図4参照)とで構成される。
振動検出装置20は、例えば加速度センサが用いられ、センサ設置個所(質点)で生じている振動を検出する。なお、振動検出装置20としては、連続体の場合には多次数の振動モードが存在するので、共振が生じている全次数の振動モードの発生個所に設置するのが望ましいが、少なくとも共振の大きな複数次数の振動モードを選択し、該当選択個所に設置する方法であってもよい。
制振装置21としては、特許文献2で用いられているアクティブ型の制振装置の他、従来一般に使用されている各種のアクチュエータが用いられる。制振装置21の設置個所としては、巻上機8の支持部材5,7の構造上から限られる場合があるが、後記する多次数の振動モードの振動モデル(図5参照)を用いてシミュレーションを実施することにより、効果的に制振できる個所を見つけ出して設置する。
なお、複数の振動検出装置20及び制振装置21は、基礎部材3側の下位支持部材5に設置したが、上位支持部材7に振動検出装置20及び制振装置21を設置してもよい。図2は上位支持部材7に4個の振動検出装置20を設置した例を示している。また、複数個の振動検出装置20の中の1個振動検出装置20については、例えば巻上機設置近傍である巻上機上部または当該巻上機8を覆うカバー12に設置してもよい。
図3は図2を上方から見た巻上機周辺の構造例を示す図である。図3において、13は巻上シーブ、14はそらせシーブである。
前記制御装置22は、例えば5個の振動検出装置20,…からの検出振動を取り込み、巻上機8の駆動に伴う支持部材5,7に発生する多次数の振動モードに対して最適な制振力を取り出すものであって、汎用のマイコンやDPS(デジタルシグナルプロセッサ)等が用いられる。
制御装置22は、具体的には,図4に示すように、5つの加速度センサを設置した場合の例として、5個の振動検出装置20,…にそれぞれ個別に対応するA/D変換部23、ハイパスフィルタ24、積分演算部25、ゲイン調整部26が設けられ、さらに、各ゲイン調整部26の出力から制振力を計算する制振力演算部27、この制振力演算部27で求めた制振力をアナログ信号に変換するD/A変換部28及び必要に応じて増幅部29が設けられる。
制御装置22では、各振動検出装置20,…の検出振動を取り込むと、A/D変換部23にてデジタル振動信号に変換した後、ハイパスフィルタ24を通し、所定周波数(例えば50Hz)以上の振動成分を抽出する。そして、ハイパスフィルタ24で抽出された所定周波数以上の振動成分を積分演算部25にて数値積分し、さらに、ゲイン調整部26にて多次の振動モードを有する連続体の振動モデルから求められるフィードバックゲインを乗じて制御信号を生成し、制振力演算部27に導入する。
制振力演算部27は、各ゲイン調整部26から得られた制御信号を用い、結果として、多次数の振動モードによる振動成分を打ち消すように位相が調整された振動成分に相当する駆動信号,つまり制振力信号を生成し、D/A変換部28及び増幅部29を介して制振装置21に供給する。
ここで、制振装置21は、制振力信号に基づき、多次数の振動モードによる振動成分を実際に打ち消す駆動信号を発生し、制振対象となる支持部材5,7に対して制振のための振動を与える。これにより、巻上機8からの振動が相殺され、巻上機8から支持部材5,7及び機械室床1を介して居室11に伝達される振動・騒音を大幅に抑制できる。
次に、連続体に生じる多次数の振動モードの近似的な振動モデルを作成し、制御装置22のひとつの構成要素となるゲイン調整部26に設定するフィードバックゲインを計算する処理について説明する。
一対の支持部材例えば5上に巻上機8を設置した連続体では、多次数の振動モードをもった質点系を構成しているが、ここでは、説明の便宜上、5個の振動検出装置20を設置した支持部材5の5質点を例に上げ、図5で示すような近似的な振動モデルを作成する。ここで、Mi(i=1〜5)は各質点の質量、Xi(i=1〜5)は各質量の垂直方向の変位である。近似的な振動モデルとしては、各質点の質量どうしが互いにダンパや弾性部材で連結されたモデルと考えることができる。
そこで、図5に示す振動モデルとしたとき、5質点にそれぞれ振動検出装置20として加速度センサを用いた場合、
Figure 2011105435

そこで、以上の状態変数ベクトルXを用いて、状態方程式を表すと、
Figure 2011105435
なる式で表せる。ここで、Aは状態(各質点の現在の速度と変位の状態)を表す行列(A行列)、Bは制振力を与える位置を表す行列(B行列)、uは制振装置21に与える制振力であって、制振制御における制御入力ともなる。
そこで、A行列及びB行列に関して行列式で表すと、
Figure 2011105435
となる。fi(i=1〜5)はi番目の質点に制振装置21を設置した場合の制振力(制御入力)であるが、ここでは、図1に示すように支持部材5の2番目の質点(紙面手前側の右端のセンサ設置点)近傍に制振装置21を設置した場合の一例である。また、cはダンパ、Kは弾性部材、Mは質量を表すパラメータであって、下記の行列式で表すことができる。
Figure 2011105435
以上の行列式において、cij、Kijのi,jは質点の番号であり、c,K,Mの値は、多次数の振動モードからなる実験モード解析を使って自動的に求まる振動モデルのパラメータである。従って、近似振動モデルのパラメータc,K,Mを求めると、前述した式(2)の状態方程式を用いて、例えば下記の評価関数式(3)を最小にする最適制御理論(LQR制御)に基づき、制御系を設計できる。なお、LQR(Linear−quadratic state−feedback Regurator)制御とは、状態変数ベクトルを用いて、重み行列Q,Rから評価関数が最小となるようなフィードバックゲインKを計算する制御である。
Figure 2011105435
ここで、制御入力uは、リカッチ方程式から得られる解Pから下記式(4)に基づいて決定できる。Qは状態変数ベクトルXに対する重み行列を表し、Rは制御入力uに対する重み行列を表す。従って、状態フィードバックゲインKは式(4)から求めることができる。
Figure 2011105435
従って、以上のような実施形態においては、巻上機8の駆動に伴って、当該巻上機8を支持する支持部材5,7に発生する複数次数の振動モードのうち、振動を抑えたい複数個所または共振振動の大きな複数個所に複数の振動検出装置20を設置し、支持部材5または7に発生する各個所の振動成分を各振動検出装置20で検出し、制御装置22に導入する。
制御装置22は、複数次数の振動モードの振動成分を持った前記支持部材5または7の近似的な振動モデルのもとに、状態変数ベクトルを用いた最適制御理論を適用して得られるフィードバックゲインKをゲイン調整部26に設定し、複数の振動検出装置20で検出された各振動成分に対して前記フィードバックゲインKを乗算し、複数の制御信号を取り出し、制振演算部27に導入し、制振力を計算する。
そして、制振演算部27で計算された制振力(駆動信号)を制振装置21に入力する。この制振装置21は、前述した複数個の質点からなる振動モデルを用いてシミュレーションを行うことによって設置個所を選択するが、設置可能個所も限られることから、例えば巻上機8の設置個所近傍に設置することにより、加振点の振動も状態(速度及び変位)に組み入れて制御系設計に用いて制振することができる。
図6はLQR制御を用いたフィードバック制御システムを示す図である。
図7は複数次数の振動モードの振動成分が発生する支持部材5に対し、制振制御無し(制御OFF)、1個の振動検出装置20を設置した場合及び複数の振動検出装置20を設置した場合との制振効果の比較結果を示す図である。
すなわち、制振制御無しの場合には各次数の振動モードが大きく共振しているが、1個の振動検出装置20を支持部材5に設置した場合、その設置点に現れる特定次数の振動モードの振動成分を制振できるが、他の次数の振動モードの振動成分を制振できない。一方、支持部材5に生じる複数次数の振動モードとなる振動発生点にそれぞれ振動検出装置20を設置すれば、各次数の振動モードが抑制され、支持部材5全体に振動が抑制され、制振効果を高めることができる。
すなわち、本願発明では、複数次数の振動モードの発生する質点に複数の振動検出装置20を設置し、状態変数ベクトルを用いた最適制御理論を適用し、重み行列Q、Rを適度に調整し、評価関数が最小となるフィードバックゲインを用いて制振制御を行った場合、複数の質点の振動を確実に抑えることができる。
従って、以上のような実施の形態によれば、巻上機8を支持する下位支持部材5または上位支持部材7に発生する複数次数の振動モードの発生する質点に複数の振動検出装置20を設置し、これら振動検出装置20で検出された振動信号に対して、近似的な振動モデルのもとに状態変数ベクトルを用い、最適制御理論を適用して得られるフィードバックゲインを乗算した値に基づいて制振力を計算し、制振装置21を駆動することにより、支持部材5,7の複数個所の振動を抑えることができ、これにより巻上機8が加減速する際に当該巻上機8からの振動が支持部材5,7及び機械室床1を介して伝達される居室11の振動・騒音を大幅に抑えることができる。
(その他の実施の形態)
(1) 上記実施の形態では、一定の距離を隔てた一対の支持部材5,7上に巻上機8を設置した構造体をもって連続体として説明したが、複数次数の振動モードを発生する連続体としては多数の構造体が考えられる。例えば、四角形の枠体からなる支持部材上に巻上機8を設置した構造体であっても、同様に支持部材に複数次数の振動モードを発生するものであって、近似的な振動モデルを作成し、この振動モデルのもとに、状態変数ベクトルを用いた最適制御理論を適用して得られるフィードバックゲインを求めるものである。
(2) 上記実施の形態では、下位支持部材5または上位支持部材7に1個の制振装置21を設置する例について説明したが、例えば巻上機8の大きさなどにより、1個の制振装置21だけでは制振力の効果が十分に効かない場合がある。
このような場合、図8に示すように一対の支持部材7,7にそれぞれ制振装置21a,21bを設置し、制振力の効果を高めるようにしてもよい。一対の支持部材5,5に制振装置21a,21bを設置してもよい。
(3) 上記実施の形態では、機械室に巻上機8を設置する例について述べたが、マシンルームレス型のエレベータでは、例えば昇降路内に敷設される一対のかごガイドレール上部に支持部材を架け渡し、それら支持部材上に巻上機8を設置する構成とする場合がある。
このような場合、巻上機8からの振動が支持部材、かごガイドレール及びガイドレール取付壁を伝達し、隣接する居室に振動・騒音を発生することがある。
従って、マシンルームレス型のエレベータにおいても、前述した実施の形態がそのまま適用することができる。
(4) 上記実施の形態では、下位支持部材5または上位支持部材7に複数の振動検出装置20,…を設置したが、例えば複数の振動検出装置20,…を下位支持部材5と上位支持部材7とに分担分けして設置してもよい。何れにせよ、振動モデルを用いたシミュレーションを実施することにより、下位支持部材5及び上位支持部材7から共振の大きな振動モードの振動成分を発生している場合、その振動成分を抑制するために支持部材5,7に設置する。
さらに、巻上機8を支持する手段としては、多段となるように下位支持部材5と上位支持部材7を用いたが、単なる一段からなる支持部材を用いて、巻上機8を支持する構成であっても構わない。
その他、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
1…機械室床、2…基礎鉄骨、3…基礎部材、4,6…防振ゴム、5,7…支持部材、8…巻上機、9…メインロープ、10…居室壁、11…居室、20…振動検出装置、21…制振装置、22…制御装置、24…ハイパスフィルタ、25…積分演算部、26…ゲイン調整部、27…制振力演算部、Mi(i=1,2,3,4,5)…各質点の質量、Xi(i=1,2,3,4,5)…各質量の垂直方向の変位。

Claims (7)

  1. 巻上機及びこの巻上機を支持する支持部材を備えたエレベータにおいて、
    前記巻上機の駆動に伴って複数次数の振動モードの振動成分を発生する前記支持部材の各個所に設置され、当該各個所の垂直方向の振動を検出する複数の振動検出装置と、
    前記複数の振動検出装置で検出された各振動成分に対して、前記複数次数の振動モードの振動成分を持った前記支持部材の振動モデルから得られる状態変数ベクトルを用いた最適制御理論を適用して得られるフィードバックゲインを乗算し、これら乗算した複数の制御信号から制振力を求める制振制御手段と、
    前記支持部材に設置され、前記制振制御手段で求めた各振動成分に対する制振力を当該支持部材に与えて制振する少なくとも1個の制振装置と
    を具備したことを特徴とするエレベータの制振システム。
  2. 請求項1に記載のエレベータの制振システムにおいて、
    前記フィードバックゲインを計算する手段は、前記支持部材に対して制振する複数の振動モード次数に等しい数または共振の大きな複数の振動モード次数の個所に質点を置き、各質点どうしをバネとダンパで連結して振動モデルを作成し、当該振動モデルから得られる状態変数ベクトルを用いて、重み行列を調整しつつ評価関数が最小となるようなフィードバックゲインを求めることを特徴とするエレベータの制振システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載のエレベータの制振システムにおいて、
    前記複数の振動検出装置は、前記支持部材が機械室床側またはガイドレール側に近い下位支持部材とマシンヘッドとなる上位支持部材とからなる場合、前記下位支持部材または前記上位支持部材の前記巻上機の設置場所近傍の複数個所に設置することを特徴とするエレベータの制振システム。
  4. 請求項1または請求項2に記載のエレベータの制振システムにおいて、
    前記複数の振動検出装置は、前記支持部材が機械室床側またはガイドレール側に近い下位支持部材とマシンヘッドとなる上位支持部材とからなる場合、前記下位支持部材及び前記上位支持部材の前記巻上機の設置場所近傍の複数個所に設置することを特徴とするエレベータの制振システム。
  5. 請求項3または請求項4に記載のエレベータの制振システムにおいて、
    前記複数の振動検出装置のうち少なくとも1個の振動検出装置は、巻上機上部または当該巻上機を覆うカバーに設置することを特徴とするエレベータの制振システム。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載のエレベータの制振システムにおいて、
    前記制振装置は、巻上機を支持する前記下位支持部材または前記上位支持部材の複数箇所に設置することを特徴とするエレベータの制振システム。
  7. 請求項6に記載のエレベータの制振システムにおいて、
    前記制振装置は、巻上機を支持する前記下位支持部材または前記上位支持部材の複数箇所に設置するに際し、複数次数の振動モードの振動成分を持った振動モデルのシミュレーションを実施し、前記支持部材の制振すべき個所を決定することを特徴とするエレベータの制振システム。
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