JPH07257830A - エレベーターの振動抑制制御装置 - Google Patents

エレベーターの振動抑制制御装置

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JPH07257830A
JPH07257830A JP6046804A JP4680494A JPH07257830A JP H07257830 A JPH07257830 A JP H07257830A JP 6046804 A JP6046804 A JP 6046804A JP 4680494 A JP4680494 A JP 4680494A JP H07257830 A JPH07257830 A JP H07257830A
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elevator
speed
car
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vibration suppression
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JP6046804A
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Hiromi Inaba
博美 稲葉
Akihiro Omiya
昭弘 大宮
Sadao Hokari
定夫 保苅
Naoto Onuma
大沼  直人
Toshio Meguro
都志雄 目黒
Takeyoshi Ando
武喜 安藤
Toshiaki Kurosawa
俊明 黒沢
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Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はエレベーター制御に関し、特に、エレ
ベーター乗りかごの機械系振動の抑制方法を提供するこ
とにある。 【構成】エレベーターモデルをエレベーターの速度制御
装置内に持つこと、あるいは乗りかご速度脈動を検出す
ることによって決定される振動抑制信号によって電動機
を制御するよう構成にした。 【効果】エレベーター乗りかごの振動成分を抽出し、こ
の脈動信号を用いて振動抑制制御ができるので、縦ゆれ
の少ない良好な乗心地を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエレベーターの制御装置
に係り、特に、良好な乗心地を提供しうるエレベーター
振動抑制制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特公平3−30161号公報(特願昭59−1102
64号公報)には、操作量指令値に応じて制御対象を操作
する操作機構と、制御対象の制御量を検出する検出器
と、検出器の出力である制御量検出値と制御量指令値と
を入力して操作量指令値を出力する制御演算部とを備え
た制御装置において、制御演算部が、制御量検出値を任
意の伝達関数Gx(s)を介して得られる値Aと、制御
量検出値と制御量指令値とを入力とする制御増幅器の出
力に操作量指令値から制御量検出量までの伝達関数G
L(s)を模擬した伝達関数GLH(s)と伝達関数Gx
(s)の積の伝達関数Gx(s)・GLH(s)に1を加
えた伝達関数(Gx(s)・GLH(s)+1)を介して
得られる値Bとの差(B−A)を操作量指令値として出
力することにより、指令値応答を変化させることなく外
乱応答を改善する提案がなされている。また、特開昭52
−43246号公報,特開昭61−203081号公報,特開昭62−2
11277号公報などではエレベーター乗りかごの振動成分
を直接検出し、これを速度制御装置に帰還し、乗りかご
の振動を抑制しようとする提案がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記第一の従来技術
は、制御量指令値と制御量検出値との偏差信号を入力と
し、操作量指令から検出値までのモデルを通した演算結
果として得られる制御量の推定値と制御量検出値との偏
差を操作量指令値部に加算することにより外乱への性能
を改善しようとしたものである。
【0004】しかし、この方式では、すでにそのモデル
に対する入力信号である操作量指令値に振動外乱成分も
混入している為、モデルを通した演算結果として得られ
る制御量の推定値は、制御量指令に対する推定値成分と
外乱成分に対する推定値成分が入っていることになり、
制御量検出値との差信号を求めても、その値は、制御量
検出部において外乱をゼロにする指令とは直接ならな
い。つまり、仮に、制御量の推定値と制御量検出値との
位相関係が理想的に一致している場合を考えても、外乱
抑制信号のもととなる成分は(制御量の推定値−制御検
出値)となり、本来抑制信号に使用するべきものよりも
その値は小さくなってしまい、ゲイン補正等が必要とな
る。さらに、制御量の推定値と制御量検出値との位相関
係が一致していない場合には、外乱成分に関する基本信
号以外の信号成分(位相,大きさが位相差に応じて変化
するような成分等)が外乱抑制信号に混入することにな
り、強力に振動抑制を効かせることは、他の悪影響の発
生と相まって困難ではないかと思われる。
【0005】また、前記第二の従来技術は、エレベータ
ー乗りかごの振動成分を直接検出し、これを振動抑制制
御の信号に使うための種々の工夫が提案されているが、
加速度センサ自体の信頼性、センサから数百m離れた最
上階の機械室にある制御装置まで配線する信号線に重畳
するノイズの除去など実用化には本質的な課題があると
思われる。
【0006】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決し、エレベーター乗りかごの縦振動、つまりロープ
系と乗りかご、釣合いおもり、モータなどから決まる機
械系の固有振動周波数帯に発生する不快な乗りかご振動
を抑制しうるエレベーターの振動抑制装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、エレベーターモデルをエレベーターの速度制御装置
内に持つこと、あるいは乗りかご速度脈動を検出するこ
とによって求められる振動抑制信号によって電動機を制
御することにより達成される。
【0008】
【作用】振動抑制信号は制御装置からあまり離れていな
い機械室内に設置されたセンサや制御装置内のエレベー
ターモデル等を用いて作成され、速度制御に使用される
ので、テールコードなど長いケーブルを介して外部から
ノイズが混入するなどの悪影響が少なく、信頼度の高い
エレベーターの振動抑制制御を実現できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明によるエレベーターの振動抑制
制御装置の実施例を図面により詳細に説明する。図1は
本発明が適用されるエレベーター装置の全体構成を示す
ブロック図である。図1において、1はエレベーターの
速度指令、2はエレベーターの駆動装置の実速度を検出
するための第一の速度検出器で、ここでは電動機の回転
軸に直結ないしはシーブ6やブレーキドラム(図示して
いない)でフリクション駆動され電動機の速度を検出す
るパルス発生器、3は速度検出器2の出力を加工した電
動機速度信号、4は速度指令と電動機速度信号との偏差
を求める比較器、5は速度制御系を構築するための比例
積分器などの制御演算部、7は制御演算部5の出力であ
るトルク指令8と振動抑制指令9との加算器、10はイ
ンバータやコンバータなどの電力変換器、11は誘導電
動機や直流電動機などのエレベーター駆動用電動機、1
2はメインロープ、13は乗りかご、14は釣合い錘、
15は乗りかごやロープなどの機械系を完全剛体と見な
した慣性系と駆動系や制御系などの電気系を含むエレベ
ーター剛体モデル、16は速度指令1と乗りかごやロー
プなどの機械系を完全剛体と見なした慣性系を含むエレ
ベーター剛体モデルから得られる電動機の推定速度17
との偏差を求める比較器モデル、18は制御演算部5を
模擬した制御演算部モデル、19は電力変換器10を模
擬した電力変換器モデル、20は電動機11を模擬した
電動機モデル、21は乗りかごやロープなどの機械系を
完全剛体と見なした慣性系モデル、22は乗りかご13
に接続されたガバナロープあるいはフロアコントローラ
駆動用スチールテープ36とプーリ37で駆動される第
二の速度検出器38で検出される乗りかご速度信号39
とエレベーター剛体モデル15から得られる推定速度1
7との偏差である乗りかご速度の脈動信号23を求める
比較器、24はこの乗りかご速度脈動信号23を入力
し、脈動抑制信号9を作成する信号変換器である。この
構成において、動作原理を図2を用いて説明する。図2
において、S1は速度指令1の例、S39は検出した乗
りかご速度信号39の例、S17はエレベーター剛体モ
デル15から得られる推定速度17の例、S23は検出
乗りかご速度信号39と推定速度17との偏差信号の
例、S9は信号変換器24の出力である脈動抑制信号9
の例である。ここで、検出乗りかご速度S39には加減
速中に機械系振動、特にここではロープ系の1次振動モ
ードに伴う速度脈動が重畳しているが、推定速度S17
には機械系モデルが剛体モデルとして扱っているので、
ロープのバネ系に代表される機械系振動に起因する振動
成分はまったく重畳しない。従って、S39とS17の偏
差信号であるS23は機械系振動成分をそのままの形で
忠実に抽出可能である。次に、この信号S23を信号変
換器24を介して、電力変換器10や電動機11の遅れ
要素やメインロープ12の長さにより変化する伝達関数
要素を補償し、S9のように位相調整φやゲイン調整を
行って加算点7、つまりメインループである速度帰還ル
ープの内側にマイナループとして入力し、この指令成分
によって乗りかご13のポイントで振動発生を打ち消す
ような制御系を構築するのである。
【0010】ここで、乗りかご13と釣合い錘14が逆
方向にゆれる振動モードでは、シーブ6が乗りかご13
の振動を減少させる方向に動作するため、このかご振動
抑制動作が釣合い錘14に対してもそのゆれを抑制する
ように動作するので特に問題を生じることはない。しか
し、乗りかご13と釣合い錘14が同方向にゆれる振動
モードではシーブ6は乗りかご13の振動を減少させる
方向に動作する際、このかご振動抑制動作が釣合い錘1
4に対してはそのゆれを促進するように動作することに
なる。そこで、釣合い錘14があまりに大きく加振され
問題を生じることがないよう信号変換器24の出力であ
る脈動抑制信号9にリミッタ、あるいは入力阻止機構を
設けることはシステム構築上有効な方策である。
【0011】図3に本発明の効果を示すシミュレーショ
ン結果の一例を示す。シミュレーション条件として、ビ
ル高さが230m、乗客数がゼロ、乗りかご位置が最上
階付近で上昇運転を行っているとき駆動電動機が駆動力
のほかトルクリプルなどの加振源を発生している状況を
模擬し、乗りかごに発生する縦振動加速度を計算してい
る。本発明の抑制制御処理を行わない場合には、乗りか
ごの縦振動加速度は約±0.025m/s2であり、抑制
制御処理を行った場合には、乗りかごの縦振動加速度は
約±0.007m/s2と約1/3に改善されていること
がわかる。この方式では、機械系の振動成分を機械室に
設置されるプーリ37によって駆動される第二の速度検
出器38で検出するので、この検出装置はエレベーター
の制御盤からの距離も近く、乗りかご上に設けた加速度
センサ信号を用いるなどの従来方式とは違いノイズなど
の悪影響を受けにくい機器配置であること、またマイコ
ン内に構築されるモデルに対する他からの混入信号源や
要素が少ないため、乗りかご速度の脈動信号23を高信
頼度で得ることができ、さらに、信号変換器24で加算
器7から乗りかご13までの遅れ特性を適切に補償する
ことによって乗りかごの不快な縦振動を安定的に抑制出
来るのである。また、第二の速度検出器38は乗りかご
13の移動に伴って速度信号が得られるので、シーブ6
では検出困難な乗りかご13と釣合い錘14が同相でゆ
れる一次振動モードの状態を検出でき、さらに、乗りか
ご13と釣合い錘14が逆相でゆれる二次振動モードの
振動成分をも検出でき、これを抑制できる効果もある。
【0012】また、このエレベーターモデル15を用い
る方法では、その推定すべき信号は速度指令に対応した
推定速度17であるが、運ぶものが人間であることから
その周波数特性は比較的ゆっくりとしたものであると言
え、モデルを構築するマイコンはかならずしも高速処理
能力を有する高価なものは不要であるという効果もあ
る。
【0013】図4に信号変換器24の具体的構築例を示
す。図4は加算器7から電動機11までの要素の遅れ特
性を考慮し、乗りかご部において脈動発生を適切に抑制
するための位相の進み遅れ調整要素とゲイン調整要素を
組み込んだものである。ここでは、乗りかご13が最上
階付近にあり、シーブ6と乗りかご13の間のロープ1
2の長さが短く、この部分の位相遅れなどが少ないとし
て省略した構成を示した。
【0014】図5に加算器7から電動機11までの周波
数特性の一例を示すが、入力振動周波数の変化にリンク
してエレベーターシステムの特性(ゲインも位相)も変
化する。本願の技術を例えばロープ系1次振動の例とし
て1.2Hz 前後の周波数帯に効かせる場合には、加算
点7から速度発生までの遅れは−35°前後であるの
で、信号変換器24ではこの35°分の位相遅れを補償
すべく約35°の位相進めを設定すれば、速度の脈動成
分の注入による振動抑制は十分な効果が得られる。さら
に、乗りかご位置などが変化して条件が変わり、ロープ
系の2次振動の例としてたとえば7Hz付近の振動が出
やすい条件では、位相進め量を約100°程度に可変す
るなど、おもに乗りかご位置などの運転条件に応じて可
変要素である位相進め量とゲインの補正量を調整すれ
ば、運転条件によって変化・発生する複数の共振振動現
象を効果的に抑制することができる。
【0015】他の実施例として、図6に示すように、信
号変換器24内に振動抑制の対象とする周波数帯域f0
以外の成分を遮断するバンドパスフィルタを設ければ、
振動抑制の対象周波数以外の周波数帯成分に対する本脈
動信号注入ルートの働きを無効にすることができるの
で、本ルートの他の周波数帯への悪影響をほとんどなく
すことができる。このフィルタによって除去される信号
成分として代表的なものは、プーリ37を駆動するガバ
ナロープ系やフロアコントローラ駆動用スチールテープ
系の機械的な共振周波数成分や、プーリ37と第二速度
検出器38との間の駆動用ギヤのガタやバックラッシュ
成分などのメカ的な要素のほか、電力変換器から発生す
るスイッチングノイズ成分などの電気的な要素も除去す
ることができ信頼性の高いシステムを構築できる。
【0016】さらに、第3の実施例として、振動抑制の
目標となる機械系共振周波数が複数存在する場合に対す
る実施例を図7に示す。この実施例では図1に示した脈
動抑制信号の注入ルートとしての信号変換器24−1の
ほか、電動機速度信号3と推定速度17との偏差信号を
求め信号変換器24−2を介して信号注入する第二のル
ートを設けている。この第一のルートでは乗りかご側で
振動検出しやすいロープの一次振動要素の制振を、第二
のルートではシーブ側で振動検出しやすいロープのニ次
振動要素の制振を、周波数帯域で分担すれば、図8にそ
の計算結果を示すように、乗りかご位置に対する振動成
分の検出、及びそれを用いた制振効果を安定したものと
することができる。
【0017】さらに好ましくは、周波数分担制御とし
て、信号変換器24−1,24−2内にそれぞれの目的
制振周波数信号のみを通過させるバンドパスフィルタを
内蔵すれば、複数信号注入ルートによる他周波数帯への
干渉を容易に防止することができる。
【0018】また、図1,図7では、エレベーター剛体
モデル15や信号変換器24を通常の速度制御装置とは
別置装置のように示したが、比較器22,4、制御演算
部5などと同様にエレベーター制御用のマイコン内にソ
フトウェアで構築すればノイズなどに強い制御系を組む
ことができる。勿論、速度制御系を構築するための比例
積分器などの制御演算部とは独立にアナログ回路などで
構築しても本願の振動抑制効果は損なわれないし、この
場合には、ソフトウェアで問題となる処理速度上の制約
が無いため、マイコンは制振に専念できるため高速タス
クレベルで演算設定することが可能となり制振対象とす
る振動の周波数は高周波領域まで拡大することができと
いう他の効果がある。
【0019】さらに、ゲイン変化という観点では、図5
に示した加算器7から電動機11までの周波数特性以外
に図8からわかるように、乗りかご位置や乗客量(図示
していない)に応じて振動の検出し易さ、つまり検出ゲ
インが変化するので、振動抑制制御系を安定に動作させ
るために乗りかご位置や乗客量に応じて図4,図6のゲ
インKを可変とするようにする。このようにすればエレ
ベーターの運転条件のいかんにかかわらず安定した制振
制御がかけられるので良好な乗心地が得られる。具体的
にはKの値を乗りかご位置や乗客量に対してテーブル化
しておき、これを乗りかご位置や乗客量で検索するよう
にすれば処理が短時間に完了できるので、振動抑制制御
の領域を広くとることができる。また、その都度Kの値
を計算するようにすればやや計算時間はかかるもののテ
ーブル化のためのメモリを省略できる他の効果がある。
【0020】さらに、図1のエレベーター剛体モデル1
5のうち、慣性系モデル21は乗りかご位置や乗客量に
よって慣性分が変化する可能性がある。この変化分は推
定速度17と検出速度39や3との間に速度の非振動成
分誤差を発生させ、速度の脈動信号23にバイアス成分
的な余分な成分を混入させる。そこで、本願ではエレベ
ーター剛体モデル15内の慣性系モデル21の慣性分を
乗りかご位置や乗客量に応じて変化させるようにした。
このようにすればエレベーターの運転状態とは無関係に
安定した振動抑制を実現できる他の効果がある。
【0021】また、図1の実施例ではエレベーター剛体
モデル15は速度指令に対する発生速度のうち振動成分
などを含まない、いわゆる基本波成分に相当するものの
みを推定すれば良いので、モデルについては厳密な模擬
性というものが必ずしも要求されない。そこで、電力変
換器モデル19,電動機モデル20を詳細なモデルでは
なく、一次遅れ程度に近似した。その効果として、モデ
ルの記憶に必要なメモリ空間を節約できるばかりではな
く演算を簡単化することができ、安価なマイコンを使用
することが可能となる工業上の効果がある。
【0022】さらに、推定速度17との偏差演算に用い
る検出実測度検出のインターバルを比較器4で用いる値
の検出インターバルよりも短くすれば、振動抑制指令9
を短い間隔で制御系に供給でき、振動抑制に関する周波
数帯域を高周波側に拡大することが可能となり、より一
層高周波の振動成分に対しても制振効果を発揮すること
が可能となる効果がある。
【0023】図9に本発明の第4の一実施例を示す。こ
こではエレベーターモデルを省略し、乗りかご速度信号
39をそのまま信号変換器24に入力して脈動抑制信号
9を作成し、加算器7に入力している。この実施例で
は、乗りかご速度成分から乗りかごの振動成分のみを抽
出する必要があるため、信号変換器24には振動成分以
外の周波数成分を除去するシャープなバンドパスフィル
タが組み込まれること、および、抑制したい乗りかごの
振動成分が定常速度や加減速度などの低周波成分と少し
離れていること(乗りかごと駆動装置と釣合い錘とロー
プ長さから決まるロープ系の共振周波数が高く、通常の
加減速運転に伴って生じる周波数帯成分と分離可能とい
う特徴のある低揚程・低速度のエレベーターなどが該当
する。)、信号分離が困難な場合には定常走行時にのみ
適用するなどの制約はあるものの、エレベーターモデル
を制御装置の中に持たなくても良いのでエレベーターの
制御装置は安価で、簡単なものでよいという他の特徴が
ある。
【0024】また、信号変換器24の内部で、出力であ
る振動抑制指令9に相当する信号が通常のエレベーター
システムとして事前に予測される大きさや周波数から逸
脱しているかどうかをチェックし、そのような場合に
は、出力にリミットを設けることや出力すること自体を
阻止したり、警報を発するようにすれば、乗心地向上と
いう本来の目的達成のほか、安全性を損なわないという
エレベーターシステムにとっては重要な項目との両立が
可能となる効果がある。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、外
部からのノイズ混入などの悪影響を受けず、特別な付加
装置によるコストアップをも避けつつ乗りかごの振動現
象を抑制することができるので、ロープ系に伴う乗りか
ごの不快な縦ゆれ等を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のエレベーター装置の全体構
成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例の動作原理の説明図。
【図3】本発明の一実施例を用いたシミュレーション結
果図。
【図4】本発明の一実施例の信号変換器の構成図。
【図5】本発明の一実施例の動作原理の説明図。
【図6】本発明の他の実施例の信号変換器の構成図。
【図7】本発明の第3の実施例のエレベーター装置の全
体構成を示すブロック図。
【図8】本発明の第3の実施例の動作原理の説明図。
【図9】本発明の第4の実施例のエレベーター装置の全
体構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…速度指令、2…第一の速度検出器、3…電動機速度
信号、7…加算器、9…振動抑制指令、10…電力変換
器、11…エレベーター駆動用電動機、13…乗りか
ご、15…エレベーター剛体モデル、17…電動機推定
速度、19…電力変換器モデル、20…電動機モデル、
21…慣性系モデル、22…比較器、23…速度脈動信
号、24,24−1,24−2…信号変換器、36…ガ
バナロープあるいはフロアコントローラ駆動用スチール
テープ、37…プーリ、38…第二の速度検出器、39
…エレベーター乗りかごの速度、K…信号変換器のゲイ
ン、T1 ,T2 ,T3 …信号変換器内の伝達要素の時定
数、f0 …バンドパスフィルタの中心周波数。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保苅 定夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 大沼 直人 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 目黒 都志雄 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内 (72)発明者 安藤 武喜 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 黒沢 俊明 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乗りかごとこれを駆動するエレベーター駆
    動装置とこの駆動装置の速度制御を行うエレベーター制
    御装置を備えたエレベーター制御システムにおいて、前
    記エレベーター制御装置内に前記駆動装置の速度指令を
    入力とし、前記駆動装置の推定速度を出力とする前記乗
    りかごなど機械系を含むエレベーターモデルを設け、こ
    のモデルの出力と前記乗りかご速度との偏差信号を求
    め、これを前記エレベーター制御装置内の速度制御ルー
    プの内側に入力することを特徴とするエレベーターの振
    動抑制制御装置。
  2. 【請求項2】乗りかごとこれを駆動するエレベーター駆
    動装置とこの駆動装置の速度制御を行うエレベーター制
    御装置を備えたエレベーター制御システムにおいて、前
    記駆動装置の検出速度の脈動成分、または乗りかご速度
    の脈動成分を前記エレベーター制御装置内の速度制御ル
    ープの内側に入力することを特徴とするエレベーターの
    振動抑制制御装置。
  3. 【請求項3】乗りかごとこれを駆動するエレベーター駆
    動装置とこの駆動装置の速度制御を行うエレベーター制
    御装置を備えたエレベーター制御システムにおいて、前
    記エレベーター制御装置内に前記駆動装置の速度指令を
    入力とし、前記駆動装置の推定速度を出力とする前記乗
    りかごなど機械系を含むエレベーターモデルを設け、こ
    のモデルの出力と前記乗りかご速度との偏差信号およ
    び、このモデルの出力と前記駆動装置の速度との偏差信
    号を求め、これらを前記エレベーター制御装置内の速度
    制御ループの内側に入力することを特徴とするエレベー
    ターの振動抑制制御装置。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項または第2項または
    第3項記載の前記偏差信号ないしは脈動信号の速度制御
    ループの内側への入力とは、前記速度指令と前記駆動装
    置の検出速度との偏差信号であるトルク指令より後段点
    への加算であることを特徴とするエレベーターの振動抑
    制制御装置。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項または第3項記載の
    前記エレベーターモデルは前記乗りかごなど機械系を完
    全剛体と見なした慣性系を含むことを特徴とするエレベ
    ーターの振動抑制制御装置。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項または第2項または
    第3項記載の前記乗りかごの速度は前記エレベーター乗
    りかごの移動に伴い、駆動されるパルス発生器の出力か
    ら演算される速度であることを特徴とするエレベーター
    の振動抑制制御装置。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第6項記載の前記駆動され
    るパルス発生器はガバナロープによって駆動されること
    を特徴とするの振動抑制制御装置。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第7項記載の前記パルス発
    生器は前記エレベーター制御装置と同一の機械室に設置
    されることを特徴とするエレベーターの振動抑制制御装
    置。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第1項または第2項または
    第3項記載の前記偏差信号または脈動成分は前記エレベ
    ーターの運転条件で可変制御されることを特徴とするエ
    レベーターの振動抑制制御装置。
  10. 【請求項10】特許請求の範囲第9項記載の前記エレベ
    ーターの運転条件とは前記乗りかごの位置であることを
    特徴とするエレベーターの振動抑制制御装置。
  11. 【請求項11】特許請求の範囲第9項記載の前記可変制
    御とは前記偏差信号のゲインまたは位相を制御すること
    を特徴とするエレベーターの振動抑制制御装置。
  12. 【請求項12】特許請求の範囲第1項または第2項また
    は第3項記載の前記偏差信号、または乗りかごの速度の
    脈動成分はバンドパスフィルタを介して速度制御ループ
    の内側に入力されることを特徴とするエレベーターの振
    動抑制制御装置。
  13. 【請求項13】特許請求の範囲第12項記載の前記バン
    ドパスフィルタの中心周波数は前記エレベーターシステ
    ムのロープ系の一次または二次共振周波数であることを
    特徴とするエレベーターの振動抑制制御装置。
  14. 【請求項14】特許請求の範囲第1項または第2項また
    は第3項記載の前記乗りかご速度の検出間隔は前記速度
    制御ループで用いる速度の検出間隔よりも短いことを特
    徴とするエレベーターの振動抑制制御装置。
  15. 【請求項15】特許請求の範囲第1項または第2項また
    は第3項記載の前記偏差信号または脈動信号が所定値以
    上の場合には、前記偏差信号または脈動信号の前記速度
    制御ループへの入力を阻止、あるいは低減して入力する
    ことを特徴とするエレベーターの振動抑制制御装置。
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