JP2011105171A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 タイヤ径方向に沿って延びる乱流発生用突起が、トレッド接地端からビード部までのタイヤサイド部の少なくとも一部に設けられたタイヤを提供する。
【解決手段】本発明に係る空気入りタイヤ1では、タイヤ径方向TRに沿って延びる乱流発生用突起70が、トレッド接地端51からビード部10までのタイヤサイド部60の少なくとも一部に設けられている。タイヤサイド部60は、ゴム部材によって形成され、所定の剛性を有する第1ゴム部材(例えば、サイドゴム60A)が用いられた低剛性部分61と、第1ゴム部材の剛性よりも高い剛性を有する第2ゴム部材(例えば、ビードフィラー13)が用いられた高剛性部分62とを含む。乱流発生用突起70は、前低剛性部分61のみに設けられる。
【選択図】図2
【解決手段】本発明に係る空気入りタイヤ1では、タイヤ径方向TRに沿って延びる乱流発生用突起70が、トレッド接地端51からビード部10までのタイヤサイド部60の少なくとも一部に設けられている。タイヤサイド部60は、ゴム部材によって形成され、所定の剛性を有する第1ゴム部材(例えば、サイドゴム60A)が用いられた低剛性部分61と、第1ゴム部材の剛性よりも高い剛性を有する第2ゴム部材(例えば、ビードフィラー13)が用いられた高剛性部分62とを含む。乱流発生用突起70は、前低剛性部分61のみに設けられる。
【選択図】図2
Description
本発明は、タイヤ径方向に沿って延びる乱流発生用突起が、トレッド接地端からビード部までのタイヤサイド部の少なくとも一部に設けられたタイヤに関する。
従来、自動車などの車両に装着される空気入りタイヤ(以下、タイヤと適宜省略する)では、車両の走行に伴うタイヤサイド部(トレッド接地端〜ビード部)の温度上昇を抑制するため、タイヤ径方向に沿って延びるフィン状の乱流発生用突起をタイヤサイド部の表面に設ける構造が用いられている(例えば、特許文献1)。
このようなタイヤによれば、タイヤの回転によって乱流発生用突起が乱流を引き起こし、この乱流によってタイヤサイド部の表面が効果的に冷却される。また、このようなタイヤは、当該特許文献に記載されているように、建設車両(ORR)や、トラック及びバス(TBR)など、比較的走行速度の低い車両を対象としている。
しかしながら、上述した従来のタイヤには、次のような問題があった。すなわち、タイヤサイド部の表面に乱流発生用突起が設けられるタイヤが超高速(例えば、250km/h以上)で走行する車両に装着されると、ベルト層の幅方向端部におけるセパレーションが発生し易い問題があった。
そこで、本発明は、タイヤサイド部の表面に乱流発生用突起が設けられる場合において、車両が超高速で走行してもベルト層のセパレーションを確実に抑制できるタイヤの提供を目的とする。
上述したタイヤサイド部には、トレッドに用いられるトレッドゴムや、タイヤサイド部に用いられるサイドゴム、ビード部に用いられるビードフィラーなどの複数のタイヤ構成部材が設けられている。それぞれのタイヤ構成部材に要求される機能はそれぞれ異なるため、各タイヤ構成部材には異なるゴム材料が使用され得る。
例えば、ビードフィラーには、リムホイールに接した状態で荷重が負荷される。そのため、ビードフィラーには、トレッドゴムやサイドゴムよりも剛性の高いゴム材料が用いられる。また、ゴム材料の剛性は、温度によって変化し、その変化量は、剛性が高いゴム材料ほど大きいことが知られている。すなわち、ゴム材料の剛性には、温度依存性がある。
本発明者らは、ベルト層の幅方向端部にセパレーションが発生するメカニズムについて鋭意研究を進めた結果、所定の温度範囲において、ビードフィラーの剛性と、トレッドゴムやサイドゴムの剛性との差(いわゆる、剛性差)が大きいことがセパレーション発生の一因であることを発見した。
そこで、本発明者らは、タイヤサイド部を構成するタイヤ構成部材の剛性の温度依存性と、各タイヤ構成部材間における剛性差とを考慮して、乱流発生用突起を取り付けることを考えた。
本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、タイヤ径方向(タイヤ径方向TR)に沿って延びる乱流発生用突起(乱流発生用突起70)が、トレッド接地端(トレッド接地端51)からビード部(ビード部10)までのタイヤサイド部(タイヤサイド部60)の少なくとも一部に設けられたタイヤ(例えば、空気入りタイヤ1)であって、前記タイヤサイド部は、ゴム部材によって形成され、所定の剛性を有する第1ゴム部材が用いられた第1剛性部分(低剛性部分61)と、前記所定の剛性よりも高い剛性を有する第2ゴム部材が用いられた第2剛性部分(高剛性部分62)とを含み、前記乱流発生用突起は、前記第1剛性部分のみに設けられることを要旨とする。
ここで、剛性とは、JIS(A)のゴム硬度を示す。例えば、ゴム硬度としては、JISK6301の加硫ゴム物理試験法のスプリング式A型硬さ試験に基づいて測定される。
かかる特徴によれば、乱流発生用突起は、第1剛性部分のみに設けられる。つまり、乱流発生用突起は、第1剛性部分よりも高い剛性を有する第2剛性部分とトレッド幅方向において重ならない。このため、タイヤの回転に伴って乱流発生用突起が引き起こした乱流は、第1剛性部分のみを冷却する。
第1剛性部分は、乱流により冷却されることで温度が上昇しにくく、剛性低下が生じにくい。一方、第1剛性部分よりも温度依存性が大きい第2剛性部分は、乱流により冷却されないため、温度が上昇し、剛性が徐々に低下していく。そのため、第1剛性部分の剛性と第2剛性部分の剛性との剛性差は、所定の温度範囲において、第2剛性部分の剛性が徐々に低下することに伴って小さくなる。
従って、例えば車両が超高速走行している時のタイヤの温度範囲(所定の温度範囲)において、第1剛性部分の剛性と第2剛性部分の剛性との剛性差を小さくできるため、第2剛性部分が第1剛性部分に合わせて撓みやすくなる。
これにより、例えば車両が超高速走行している時のタイヤの温度範囲において、第1剛性部分の剛性と第2剛性部分の剛性との剛性差によるベルト層の幅方向端部への歪み(変形)の集中を防止できる。この結果、ベルト層の幅方向端部におけるセパレーションを確実に抑制できる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記第1ゴム部材は、前記タイヤサイド部に用いられるサイドゴム(サイドゴム60A)であり、前記第2ゴム部材は、前記ビード部を構成するビードフィラー(ビードフィラー13)であることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第2の特徴に係り、前記ビードフィラーの温度依存性は、前記サイドゴムの温度依存性よりも大きいことを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至3の特徴に係り、前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端は、トレッド最大幅(トレッド幅方向TW)の位置(P)よりもタイヤ径方向外側に位置することを要旨とする。
本発明の特徴によれば、タイヤ径方向に沿って延びる乱流発生用突起が、トレッド接地端からビード部までのタイヤサイド部の少なくとも一部に設けられたタイヤを提供することができる。
次に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)空気入りタイヤの全体構成、(2)タイヤサイド部の構成、(3)乱流発生用突起の構成、(4)変更例、(5)比較評価、(6)作用・効果、(7)その他の実施形態について説明する。
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(1)空気入りタイヤの全体構成
まず、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の全体構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の一部を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド幅方向断面図である。なお、空気入りタイヤ1には、空気ではなく、窒素ガスなどの不活性ガスが充填されてもよい。
まず、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の全体構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の一部を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド幅方向断面図である。なお、空気入りタイヤ1には、空気ではなく、窒素ガスなどの不活性ガスが充填されてもよい。
図1及び図2に示すように、空気入りタイヤ1は、ビード部10と、カーカス層20と、インナーライナー30と、ベルト層40と、トレッド部50とを備える。
ビード部10は、リム(不図示)に固定される際に当該リムと接する。ビード部10は、ビードコア11と、ビードフィラー13とを少なくとも有する。ビードコア11は、ビード部10の芯となる。ビードフィラー13は、ビードコア11を折り返したカーカス層20間に設けられ、ビード部10の変形を抑制する。
カーカス層20は、空気入りタイヤ1の骨格を形成する。カーカス層20は、ビードコア11を折り返し、一方のビードコア11からトレッド部50のタイヤ径方向TR内側を経由して、他方のビードコア11に向けて設けられる。カーカス層20は、カーカスコード及びゴムによって構成される。
インナーライナー30は、チューブの役割となる気密性の高いゴム層によって形成される。インナーライナー30は、カーカス層20の内側に設けられる。
ベルト層40は、空気入りタイヤ1の形状を保持するとともに、トレッド部50を補強する。ベルト層40は、カーカス層20のタイヤ径方向TR外側に設けられる。ベルト層40は、複数設けられ、それぞれのベルト層40は、タイヤ周方向TCに沿った帯状をなしている。
トレッド部50は、トレッドパターンが形成され、路面と接する。トレッド部50は、ベルト層40のタイヤ径方向TR外側に設けられる。
(2)タイヤサイド部の構成
次に、上述した空気入りタイヤ1におけるタイヤサイド部60の構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、図3は、本実施形態に係るビードフィラー13及びサイドゴム60Aの温度依存性を示すグラフである。
次に、上述した空気入りタイヤ1におけるタイヤサイド部60の構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、図3は、本実施形態に係るビードフィラー13及びサイドゴム60Aの温度依存性を示すグラフである。
図1及び図2に示すように、空気入りタイヤ1のトレッド幅方向TW外側には、タイヤサイド部60が設けられている。本実施形態では、タイヤサイド部60は、トレッド部50が路面に接した際の最もトレッド幅方向TW外側に位置するトレッド接地端51からビード部10(ビードフィラー13のタイヤ径方向TRの外側端13e)までの領域を示す。なお、ビードフィラー13の外側端13eは、トレッド幅方向TWにおいても最も広いタイヤ最大幅THWの位置Pよりもタイヤ径方向TR内側に位置する。
具体的には、タイヤサイド部60は、低剛性部分61(第1剛性部分)と、高剛性部分62(第2剛性部分)とを含む。低剛性部分61には、ゴム部材によって形成され、所定の剛性を有する第1ゴム部材が用いられる。本実施形態では、第1ゴム部材は、タイヤサイド部60に用いられるサイドゴム60Aである。例えば、サイドゴム60Aには、ヤング率5〜7MPa(25℃時)のゴムが用いられる。
高剛性部分62には、第1ゴム部材の剛性、すなわち、サイドゴム60Aの剛性よりも高い剛性を有する第2ゴム部材が用いられる。本実施形態では、第2ゴム部材は、ビードフィラー13である。例えば、ビードフィラー13には、ヤング率50〜500MPaのゴム、特に、110〜130MPa(25℃時)のゴムが用いられることが好ましい。
ここで、ビードフィラー13の温度依存性は、サイドゴム60Aの温度依存性よりも大きい。なお、温度依存性とは、タイヤを構成するタイヤ構成部材の温度の変化によって、タイヤ構成部材の剛性が変化する性質である。本実施形態では、ビードフィラー13の剛性は、サイドゴム60Aの剛性よりも高いため、ビードフィラー13の温度依存性は、サイドゴム60Aの温度依存性よりも大きい。すなわち、図3に示すように、ビードフィラー13の温度変化による剛性の変化量(S1)は、サイドゴム60Aの温度変化による剛性の変化量(S2)よりも大きい。
このようなタイヤサイド部60の少なくとも一部には、タイヤ径方向TRに沿って延びる乱流発生用突起70が設けられる。
(3)乱流発生用突起の構成
次に、上述した乱流発生用突起70の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
次に、上述した乱流発生用突起70の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、乱流発生用突起70は、タイヤサイド部60の表面から突出している。乱流発生用突起70の延在方向に直交した断面形状は、四角状である。
乱流発生用突起70は、低剛性部分61のみ、すなわち、サイドゴム60Aのみに設けられる。具体的には、乱流発生用突起70は、トレッド接地端51からビードフィラー13の外側端13eまでの領域に設けられる。すなわち、乱流発生用突起70は、ビードフィラー13とトレッド幅方向TWにおいて重ならない位置に設けられる。
なお、乱流発生用突起70の断面形状については、必ずしも四角状である必要はなく、台形状や半円弧状など様々な形状であってもよい。また、乱流発生用突起70は、トレッド接地端51からビードフィラー13の外側端13eまでの領域内に設けられていればよく、複数に分割されていてもよい。
(4)変更例
次に、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1の変更例について、図面を参照しながら説明する。なお、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
次に、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1の変更例について、図面を参照しながら説明する。なお、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
(4−1)変更例1
まず、変更例1に係る空気入りタイヤ1Aの構成について、図面を参照しながら説明する。図4は、変更例1に係る空気入りタイヤ1Aのトレッド幅方向断面図である。
まず、変更例1に係る空気入りタイヤ1Aの構成について、図面を参照しながら説明する。図4は、変更例1に係る空気入りタイヤ1Aのトレッド幅方向断面図である。
上述した実施形態では、ビードフィラー13は、一つの部材によって構成される。また、第1ゴム部材がサイドゴム60Aであり、第2ゴム部材がビードフィラー13である。これに対して、変更例1では、図4に示すように、ビードフィラー13は、二つの部材によって構成される。
具体的には、ビードフィラー13は、第1ビードフィラー13A(第1ゴム部材)と、第2ビードフィラー13B(第2ゴム部材)とによって構成される。第1ビードフィラー13Aは、第2ビードフィラー13Bよりもタイヤ径方向TR外側に位置する。第1ビードフィラー13Aは、ゴム部材によって形成され、所定の剛性を有する。例えば、第1ビードフィラー13Aには、ヤング率10〜15MPa(25℃時)のゴムが用いられる。
第2ビードフィラー13Bは、第1ビードフィラー13Aよりもタイヤ径方向TR内側に位置し、ビードコア11と接している。第2ビードフィラー13Bは、第1ビードフィラー13Aの剛性よりも高い剛性を有する。例えば、第2ビードフィラー13Bには、ヤング率90〜110MPa(25℃時)のゴムが用いられる。
乱流発生用突起70は、トレッド接地端51から第1ビードフィラー13Aの外側端13eまでの領域に設けられる。すなわち、変更例1では、タイヤサイド部60は、トレッド接地端51から第1ビードフィラー13Aの外側端13eまでの領域を示す。
(4−2)変更例2
まず、変更例2に係る空気入りタイヤ1Bの構成について、図面を参照しながら説明する。図5は、変更例2に係る空気入りタイヤ1Bのトレッド幅方向断面図である。
まず、変更例2に係る空気入りタイヤ1Bの構成について、図面を参照しながら説明する。図5は、変更例2に係る空気入りタイヤ1Bのトレッド幅方向断面図である。
上述した実施形態では、ビードフィラー13の外側端13eは、タイヤ最大幅THWの位置Pよりもタイヤ径方向TR内側に位置する。これに対して、変更例2では、図5に示すように、ビードフィラー13の外側端13eは、タイヤ最大幅THWの位置Pよりもタイヤ径方向TR外側に位置する。
つまり、乱流発生用突起70は、トレッド接地端51から、タイヤ最大幅THWの位置Pよりもタイヤ径方向TR外側に位置するビードフィラー13の外側端13eまでの領域に設けられる。
(5)比較評価
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(5−1)各空気入りタイヤの構成、(5−2)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(5−1)各空気入りタイヤの構成、(5−2)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(5−1)各空気入りタイヤの構成
まず、比較例1,2及び実施例に係る空気入りタイヤについて、簡単に説明する。なお、空気入りタイヤに関するデータは、以下に示す条件において測定された。
まず、比較例1,2及び実施例に係る空気入りタイヤについて、簡単に説明する。なお、空気入りタイヤに関するデータは、以下に示す条件において測定された。
・ タイヤサイズ : 235/45R17
・ キャンバー角(CA) : 1.5deg
・ スリップ角(SA) : 0.5deg
・ 荷重条件 : 820kgf
比較例1に係る空気入りタイヤには、乱流発生用突起が設けられていない。比較例2に係る空気入りタイヤでは、乱流発生用突起がビードフィラー13とトレッド幅方向TWにおいて重ならる位置に設けられる。実施例に係る空気入りタイヤは、上述した実施形態で説明したタイヤ(図1及び図2参照)である。
・ キャンバー角(CA) : 1.5deg
・ スリップ角(SA) : 0.5deg
・ 荷重条件 : 820kgf
比較例1に係る空気入りタイヤには、乱流発生用突起が設けられていない。比較例2に係る空気入りタイヤでは、乱流発生用突起がビードフィラー13とトレッド幅方向TWにおいて重ならる位置に設けられる。実施例に係る空気入りタイヤは、上述した実施形態で説明したタイヤ(図1及び図2参照)である。
(5−2)評価結果
次に、各空気入りタイヤのベルト層40の幅方向端部(以下、ベルト端)におけるセパレーションの抑制効果の評価結果について、図6を参照しながら説明する。
次に、各空気入りタイヤのベルト層40の幅方向端部(以下、ベルト端)におけるセパレーションの抑制効果の評価結果について、図6を参照しながら説明する。
各空気入りタイヤが装着された試験ドラムを任意の速度で途中止めした際、各空気入りタイヤの車両装着時内側に相当するベルト端(20箇所)において、ベルトコードが離れている本数を測定した。なお、ベルトコードが離れている本数が多いほど、セパレーションの抑制効果が少ない。
この結果、図6に示すように、実施形態に係る空気入りタイヤは、比較例1,2に係る空気入りタイヤと比べて、セパレーションを効率的に抑制していることが判った。
(6)作用・効果
例えば、タイヤサイド部の表面全体に乱流発生用突起が設けられていると、乱流発生用突起によってタイヤサイド部全体の表面が冷却される。しかし、タイヤサイド部全体の温度が低下すると、図3に示すように、ビードフィラーの剛性(例えば、T1)と、サイドゴムの剛性(例えば、T2’)との剛性差(d2)が大きい。このため、ビードフィラーが撓み(変形し)にくくなる分、タイヤサイド部がより撓んでしまう。この結果、ベルト層40の幅方向端部(以下、ベルト端41)に歪みが集中しやすくなり、ベルト端41におけるセパレーションが発生する恐れがあった。
例えば、タイヤサイド部の表面全体に乱流発生用突起が設けられていると、乱流発生用突起によってタイヤサイド部全体の表面が冷却される。しかし、タイヤサイド部全体の温度が低下すると、図3に示すように、ビードフィラーの剛性(例えば、T1)と、サイドゴムの剛性(例えば、T2’)との剛性差(d2)が大きい。このため、ビードフィラーが撓み(変形し)にくくなる分、タイヤサイド部がより撓んでしまう。この結果、ベルト層40の幅方向端部(以下、ベルト端41)に歪みが集中しやすくなり、ベルト端41におけるセパレーションが発生する恐れがあった。
そこで、実施形態では、乱流発生用突起70は、低剛性部分61(サイドゴム60A)のみに設けられる。つまり、乱流発生用突起70は、サイドゴム60Aよりも高い剛性を有する高剛性部分62(ビードフィラー13)とトレッド幅方向TWにおいて重ならない。このため、空気入りタイヤ1の回転に伴って乱流発生用突起70が引き起こした乱流は、サイドゴム60Aのみを冷却する。
サイドゴム60Aは、乱流により冷却されることで温度が上昇しにくく、剛性低下が生じにくい。一方、サイドゴム60Aよりも温度依存性が大きいビードフィラー13は、乱流により冷却されないため、温度が上昇し、剛性が徐々に低下していく。そのため、図3に示すように、サイドゴム60Aの剛性とビードフィラー13の剛性との剛性差は、所定の温度範囲Rにおいて、ビードフィラー13の剛性が徐々に低下することに伴って小さくなる。
従って、図3に示すように、例えば車両が超高速走行している時のタイヤの温度範囲(所定の温度範囲R)において、サイドゴム60Aの剛性(例えば、T1)とビードフィラー13の剛性(例えば、T2)との剛性差(d1)を小さくできるため、ビードフィラー13がサイドゴム60Aに合わせて撓みやすくなる。
これにより、例えば車両が超高速走行している時のタイヤの温度範囲において、サイドゴム60Aの剛性とビードフィラー13の剛性との剛性差によるベルト端41への歪み(変形)の集中を防止できる。この結果、ベルト端41におけるセパレーションを確実に抑制できる。
また、乱流発生用突起70は、サイドゴム60Aよりも高い剛性を有する高剛性部分62(ビードフィラー13)とトレッド幅方向TWにおいて重ならないため、タイヤサイド部の表面から突出した乱流発生用突起によって、ビードフィラー13のトレッド幅方向TW外側においてサイドゴム60Aの厚さが増大しない。このため、車両が超高速走行しても、サイドゴム60Aとビードフィラー13とが合わせて確実に撓み、ベルト端41への歪みの集中を確実に抑制できる。
(7)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。具体的には、タイヤとして、空気や窒素ガスなどが充填される空気入りタイヤ1であるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、ソリッドタイヤ(ノーパンクタイヤ)でもあってもよい。
また、実施形態では、空気入りタイヤ1の構成やトレッドパターンは、実施形態で説明したものに限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定できることは勿論である。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
1,1A,1B…空気入りタイヤ、10…ビード部、11…ビードコア、13…ビードフィラー、13A…第1ビードフィラー、13B…第2ビードフィラー、20…カーカス層、30…インナーライナー、40…ベルト層、41…ベルト端、50…トレッド部、51…トレッド接地端、60…タイヤサイド部、60A…サイドゴム、61…低剛性部分(第1剛性部分)、62…高剛性部分(第2剛性部分)、70…乱流発生用突起
Claims (4)
- タイヤ径方向に沿って延びる乱流発生用突起が、トレッド接地端からビード部までのタイヤサイド部の少なくとも一部に設けられたタイヤであって、
前記タイヤサイド部は、
ゴム部材によって形成され、所定の剛性を有する第1ゴム部材が用いられた第1剛性部分と、
前記所定の剛性よりも高い剛性を有する第2ゴム部材が用いられた第2剛性部分と
を含み、
前記乱流発生用突起は、前記第1剛性部分のみに設けられるタイヤ。 - 前記第1ゴム部材は、前記タイヤサイド部に用いられるサイドゴムであり、
前記第2ゴム部材は、前記ビード部を構成するビードフィラーである請求項1に記載のタイヤ。 - 前記ビードフィラーの温度依存性は、前記サイドゴムの温度依存性よりも大きい請求項2に記載のタイヤ。
- 前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端は、トレッド最大幅の位置よりもタイヤ径方向外側に位置する請求項1乃至3の何れか一項に記載のタイヤ。
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