JP2011102003A - 導電積層体およびそれを用いてなるタッチパネル - Google Patents

導電積層体およびそれを用いてなるタッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、点荷重に対する耐久性、すなわち打鍵耐久性に優れ、且つ、耐久性と光学特性が良好なタッチパネル用の導電積層体を提供せんとするものである。
【解決手段】本発明の導電積層体は、基材の少なくとも片面に、基材側から導電層、無機ケイ素酸化物からなる保護層の順に積層した導電積層体であって、該無機ケイ素酸化物からなる保護層中に下記(i)〜(iii)に記載の樹脂が少なくとも1種含有することを特徴とするものである。
(i)シリコーングラフト樹脂
(ii)シリコーンレジン樹脂
(iii)変性シリコーン樹脂
【選択図】図1

Description

本発明は、導電層の上に保護層を有する導電積層体に関する。さらに、詳しくは、タッチパネルの点荷重に対する耐久性、すなわち打鍵耐久性の向上を図り、且つ、良好な耐久性と、導電層側の反射率が低く良好な光学特性とを併せ持つ導電積層体に関するものである。またさらに、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連および太陽電池モジュールなどの使用される電極部材にも使用される導電積層体に関するものである。
近年、タッチパネルを搭載する携帯電話やゲーム機等が普及している。タッチパネルには電極用の導電部材が使用されているが、タッチパネルへの微細入力化が進み例えばペンのように先端が微小な部材にて点入力するため、使用する導電部材に対して、点荷重に対する耐久性、すなわち打鍵耐久性への要求が高くなっている。
このタッチパネルに使用する導電部材としては、基材上に設けた導電層のさらに上に無機ケイ素酸化物層を積層した導電積層体が提案されている(特許文献1、4)。また、金属微粒子を導電層とし、さらにその上に主成分のSiOと共にシリコーンモノマーまたはシリコーンオリゴマーをバインダー成分とした層を積層した導電積層体が提案されている(特許文献2)。さらに、導電層の上に無機酸化物層、シリコーンポリマーである直鎖の有機ポリシロキサンを含有する層の順に複数積層した導電積層体(特許文献3)や、高分子化合物を保護層として導電層上に積層した導電積層体も提案されている(特許文献4)。
特開平11−203047号公報 特許第3442082号公報 特許第2847704号公報 特開2003−115221号公報
しかしながら、特許文献1、4のように導電層上の層が無機酸化物のみであると、柔軟性が乏しく長期の打鍵によって無機酸化物層や導電層に割れやクラックが入り絶縁する不具合が発生し、特許文献2のようにモノマーやオリゴマーのような低分子量物をバインダー成分として添加しても柔軟性は向上せず、同様に長期の打鍵による割れやクラックを回避することはできない。また、特許文献3のように高分子量の有機ポリシロキサンを含有してもその構造が直鎖構造であると、点荷重の力が分散せずに打鍵耐久性は向上しない。さらに、ディスプレイとしての役割も有するタッチパネルは画像を明るく映し出す必要があるため、使用する導電部材には打鍵耐久性と共に良好な透明性・光学特性も併せ持つ必要があるが、特許文献4のように高分子化合物を保護層としても、透明性や光学特性が不足する。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、タッチパネルの点荷重に対する耐久性、すなわち打鍵耐久性の向上を図り、且つ、良好な耐久性と、導電層側の反射率が低く良好な光学特性とを併せ持つ導電積層体を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような構成を採用する。すなわち、
(1)基材の少なくとも片面に、基材側から導電層、無機ケイ素酸化物を用いてなる保護層の順に積層されてなる導電積層体であって、該無機ケイ素酸化物を用いてなる保護層中に下記(i)〜(iii)に記載の樹脂からなる群のうち少なくとも1種を含有する樹脂組成物Aを含有せしめてなる導電積層体、
(i)シリコーングラフト樹脂
(ii)シリコーンレジン樹脂
(iii)変性シリコーン樹脂
(2)前記保護層に含有される前記樹脂組成物Aの総含有率(質量%)が、前記保護層の全質量に対して5質量%以上20質量%以下である(1)に記載の導電積層体、
(3)前記保護層において、前記無機ケイ素酸化物と樹脂組成物A中の前記(i)〜(iii)記載のいずれかの樹脂同士とが結合されてなる請求項1又は2に記載の導電積層体、
(4)前記保護層側の反射率曲線の極小値が350〜550nmの波長範囲にあり、且つ波長380〜780nmにおける保護層側の平均反射率が4%以下である(1)〜(3)のいずれかに記載の導電積層体、
(5)前記導電層が線状構造体を含有してなる(1)〜(4)のいずれかに記載の導電積層体、
(6)保護層側から入射した際のJIS K7361−1(1997年)に基づいた全光線透過率が80%以上である、(1)〜(5)のいずれかに記載の導電積層体、
(7)タッチパネル用に用いられる(1)〜(6)のいずれかに記載の導電積層体、
(8)(7)に記載の導電積層体を用いてなるタッチパネル、
とするものである。
また、本発明の導電積層体はタッチパネル用途に好適に使用されるものである。さらに、本発明の導電積層体は、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連および太陽電池モジュールなどの使用される電極部材にも好適に使用することができる。
本発明によれば、基材の少なくとも片面に、基材側から導電層、特定の保護層の順に積層することで、タッチパネルの点荷重に対する耐久性、すなわち打鍵耐久性の向上を図り、且つ、良好な耐久性と、導電層側の反射率が低く良好な光学特性とを併せ持つ導電積層体を提供できる。
本発明の導電積層体の断面模式図の一例である。 本発明のシリコーングラフト樹脂の模式図の一例である。 本発明の導電積層体の導電層側から観察した線状構造体の模式図の一例である。 本発明の側鎖中に親水基を有するグラフト構造の樹脂の模式図の一例である。 本発明の一様態であるタッチパネルの一例を示した模式図である。 流動床縦型反応装置の概略図
本発明の導電積層体は、基材側から導電層、無機ケイ素酸化物からなる保護層の順に積層した導電積層体であって、該無機ケイ素酸化物からなる保護層中に下記(i)〜(iii)に記載の樹脂を少なくとも1種含有する樹脂組成物Aを含有せしめたものである。
(i)シリコーングラフト樹脂
(ii)シリコーンレジン樹脂
(iii)変性シリコーン樹脂
かかる保護層中に、前記樹脂組成物Aを含有すると、タッチパネルの打鍵耐久性の向上を図り、且つ、良好な耐久性と、導電層側の反射率が低く良好な光学特性とを併せ持つことができる理由は、以下であると推定している。
すなわち、保護層中の無機ケイ素酸化物はその屈折率から、保護層での反射が少なく透過率が向上するため良好な透明性を付与でき、また、水分や熱に対し性質変化が小さく良好な耐久性を得ることができるが、その結合様態は3次元結合をしており柔軟性に乏しく硬いため、無機ケイ素酸化物のみでは点荷重に対し脆く割れやすい。一方、(i)シリコーングラフト樹脂は後述するように分岐した構造であり、また、(ii)シリコーンレジンは直鎖のシリコーン主鎖を一部架橋した構造であるため、それぞれ無機ケイ素酸化物と共に保護層に含有することで点荷重の力が分散しやすく割れを防いでいると推定される。また、(iii)変性シリコーンは、反応性の官能基を分子鎖末端、分子鎖中、分岐鎖中など構造内に有しているため、保護層中の無機ケイ素酸化物や変性シリコーン同士が結合することができ、点荷重の力がその結合を通じて分散しやすく割れを防いでいると推定される。さらに、前記(i)〜(iii)の樹脂は全てシリコーン骨格であるため、シリコーン骨格以外の高分子化合物と比較し光学特性も無機ケイ素酸化物に類似しており、反射が少なく透過率が向上するため良好な透明性も付与することができる。
本発明の導電積層体は、基材側から導電層、無機ケイ素酸化物からなる保護層の順に積層した導電積層体であって、該無機ケイ素酸化物からなる保護層中に下記(i)〜(iii)に記載の樹脂を少なくとも1種含有する樹脂組成物を含有せしめたものである。
(i)シリコーングラフト樹脂
(ii)シリコーンレジン樹脂
(iii)変性シリコーン樹脂
上記導電層を設けない場合は、導電性を示さない。また、保護層を設けないか、保護層を設けたとしても、該保護層中に前記(i)〜(iii)の少なくとも一つの樹脂を含有しなかったり、含有するものが(i)〜(iii)のいずれにも樹脂に該当しない場合は、それら導電積層体をタッチパネルに組み込んでも、打鍵耐久性は向上せず、また耐久性と光学特性も劣るものとなってしまう。さらに、保護層が無機ケイ素酸化物でない場合は、耐久性が劣るものとなってしまう。
本発明において、保護層は無機ケイ素酸化物を用いてなる必要がある。無機ケイ素酸化物を含有しない場合は、耐久性が劣るものとなってしまう。ここで、前記(i)〜(iii)に該当する樹脂を含むシリコーン樹脂も、ケイ素と酸素の結合を有しているため広義な意味では無機ケイ素酸化物であるが、本発明における無機ケイ素酸化物とは、以下に例示されるような無機ケイ素酸化物のことである。無機ケイ素酸化物は、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、メチルトリアセチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシランなどのオルガノアルコシシランが挙げられ、例えば、これら無機ケイ素酸化物をアルコール・水・酸など各種溶剤にて加水分解し、(i)〜(iii)に該当する樹脂を共に含有した塗液を塗布した後に、無機ケイ素酸化物を重合反応によって形成させることで保護層を形成することができるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明において、前記無機ケイ素酸化物からなる保護層中が下記(i)〜(iii)に記載の樹脂からなる群から少なくとも1種を含有する必要がある。
(i)シリコーングラフト樹脂
(ii)シリコーンレジン樹脂
(iii)変性シリコーン樹脂
該保護層中に前記(i)〜(iii)の樹脂のいずれも含有しなかったり、含有するものが(i)〜(iii)の樹脂のいずれにも該当しない場合は、それら導電積層体をタッチパネルに組み込んでも、打鍵耐久性は向上せず、また耐久性と光学特性も劣るものとなってしまう。
(i)シリコーングラフト樹脂について説明する。ここでいうシリコーングラフト樹脂とは、シリコーンブロック重合樹脂などとも呼ばれ、図2にその構造を例示する。図2は、主鎖である幹ポリマーの側鎖部位に枝ポリマーとしてシリコーンが結合している状態を示しており、幹ポリマーやシリコーンの種類、重合度、分子量、分子鎖末端・分子鎖中・分岐鎖中の官能基、架橋度によって様々な状態、性能を付与するものである。
シリコーングラフト樹脂の幹ポリマーとしては例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ナイロン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、等の樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単独で用いても、あるいは2種類以上の共重合体及び/又は混合物としたものを用いてもよく、また、用途によっては一部架橋構造を有していてもよい。
次に(ii)シリコーンレジン樹脂について説明する。有機ポリシロキサンであるシリコーン樹脂は、シリコーンオイル、シリコーンゴム(シリコーン生ゴム)、シリコーンレジン等が挙げられ、このうちシリコーンオイルは直鎖構造のシリコーン樹脂であり、シリコーンゴム(シリコーン生ゴム)は直鎖構造のシリコーンが高重合度化したシリコーン樹脂で、両者とも直鎖構造を有しているものである。一方、シリコーンレジン樹脂は、分子内に3官能性(T単位)、もしくは4官能性(Q単位)シロキサン単位を含有する有機ポリシロキサンであり、直鎖構造のシリコーンオイル、シリコーンゴム(シリコーン生ゴム)とは異なり架橋構造をとり、またその架橋密度も高いのが特徴である。
次に(iii)変性シリコーン樹脂について説明する。シリコーンの分子鎖末端、分子鎖中、分岐鎖中など構造内に各種官能基を導入することで、その官能基由来の機能を付与したシリコーンであり、例えば、後述するようにブリードアウトを避けるために熱、紫外線、触媒等により保護層中の他成分と結合を形成する反応性の官能基や、保護層中の他の成分や、加工工程時に使用する有機溶剤との相溶性がある官能基を導入したものが挙げられる。シリコーンオイル、シリコーンゴム(シリコーン生ゴム)に各種官能基を導入したものは直鎖構造の変性シリコーンであり、前記(ii)シリコーンレジン樹脂の構造内に各種官能基を導入したものは架橋構造の変性シリコーンレジンであり、本発明においては変性シリコーンであれば直鎖構造の変性シリコーンであっても、架橋構造の変性シリコーンレジンでもよく特に限定されるものではない。
本発明にかかる前記(i)〜(iii)に記載の樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する樹脂組成物Aはいかなる様態で保護層中に含有していても良く、単純に混合状態で含有していても良いが、前述したような耐久性の更なる向上、取り扱い性、生産性、保護層からのブリードアウト回避、等の理由から、保護層中の無機ケイ素酸化物と前記樹脂組成物中Aの(i)〜(iii)に記載のいずれかの樹脂同士とが結合していることが好ましい。そのため例えば熱、紫外線、触媒等により保護層中の無機ケイ素酸化物と前記(i)〜(iii)に記載のいずれかの樹脂同士と結合を形成する反応性の官能基を分子鎖末端、分子鎖中、分岐鎖中など構造内に有する(i)〜(iii)に記載のいずれかの樹脂を好適に使用することができる。
また、該反応性の官能基以外にも、保護層の加工工程時に使用する有機溶剤や無機ケイ素酸化物、前記(i)〜(iii)に記載の樹脂同士との相溶性がある官能基を分子鎖末端、分子鎖中、分岐鎖中など構造内に有することができるが、特にこれらに限定されるものではない。これら反応性の官能基としては例えば、イソシアネート基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基メトキシ・エトキシ・イソプロポキシなどのアルコキシ基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられ、またその他官能基としては例えば、直鎖アルキル基、分岐状アルキル基、シクロアルキル基、ビニル・アリル・ヘキセニルなどのアルケニル基、フェニル・トリル・キシリル・スチリル・ナフチル・ビフェニルなどのアリール基、ベンジル・フェネチルなどのアラルキル基、ラクトン・オキサゾール・イミダゾールなどの複素環を含むその他芳香族基及びその開環基、アセトキシ基、アクリル基、メタクリル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、アリルオキシカルボニル・ベンジルオキシカルボニルなどのオキシカルボニル基、メルカプト・スルフィドなどの含硫黄元素官能基、ウレイド・ケチミノなどの含窒素元素官能基、フロロアルキル基などの含ハロゲン元素官能基などが挙げられるが、用途や要求する特性によって少なくとも1種類を任意に選択して使用すればよく、2種以上を混合してもよく、特にこれらに限定されるものではない。
(i)シリコーングラフト樹脂としては、具体的には例えば、反応性シリコーングラフト樹脂のX−22−8004、X−22−8053、X−22−8114、X−22−8195、X−22−8296(信越化学工業(株)製)、非反応性シリコーングラフト樹脂のKP−545、X−24−798A(信越化学工業(株)製)等が挙げられ、また(ii)シリコーンレジン樹脂及び(iii)変性シリコーン樹脂としては、ポリエステル変性のX−24−8300、X−24−8310、X−24−8311、KR5230、KR5235(信越化学工業(株)製)、直鎖アルキル変性のX−22−8004、X−22−8053、X−22−8114、X−22−8195、X−22−8296、X−24−798A(信越化学工業(株)製)、Z−6018(東レ・ダウコーニング(株)製)、アクリル変性のKR9706(信越化学工業(株)製)、アルコキシ変性のKR213、KR9218(信越化学工業(株)製)、フェニル変性のKR282、KR271(信越化学工業(株)製)、ヒドロキシル変性のKR211、KR300、KR311、KR212(信越化学工業(株)製)、エポキシ変性のES1001N、ES1002T、ES1023(信越化学工業(株)製)、アルキッド変性のKR5206(信越化学工業(株)製)、ストレートシリコーンレジンのKR242A、KR251、KR500(信越化学工業(株)製)等が挙げられ、シリコーンゴム系ではKR114A、KR165、KR169、KR2038(信越化学工業(株)製)等が挙げられ、シリコーンオイル系ではアミノ変性のKF−868、KF−880、X−22−3820W、X−22−3939A、KF−8008、KF−8010、X−22−1660B−3(信越化学工業(株)製)、アラルキル変性のKF−410(信越化学工業(株)製)、長鎖アルキル変性のKF−412、X−22−7322(信越化学工業(株)製)、エポキシ変性のKF−1001、X−22−2000、KF−105、X−22−163シリーズ、X−22−173DX、X−22−9002(信越化学工業(株)製)、脂環式エポキシ変性のX−22−2046、KF−102、X−22−169シリーズ(信越化学工業(株)製)、ヒドロキシル変性のX−22−4039、KF−6001、KF−9701、X−22−170DX(信越化学工業(株)製)、ジオール変性のX−22−176F(信越化学工業(株)製)、カルボキシル変性のX−22−3701E、X−22−162C、X−22−3710(信越化学工業(株)製)、メタクリル変性のX−22−164シリーズ、X−22−174DX、X−22−2475(信越化学工業(株)製)、高級脂肪酸エステル変性のKF−910、X−22−715(信越化学工業(株)製)、高級脂肪酸アミド変性のKF−3935(信越化学工業(株)製)、フェニル変性のKF−50シリーズ(信越化学工業(株)製)、アミノ及びメトキシ変性のKF−862、X−22−9192(信越化学工業(株)製)、ポリエーテル変性のX−22−6266、KF−353、X−22−6191、KF−6011(信越化学工業(株)製)、フェノール変性のX−22−1821(信越化学工業(株)製)、ポリエーテル及び長鎖アルキル及びアラルキル変性のX−22−2516、KF−6004(信越化学工業(株)製)、ポリエーテル及びメトキシ変性のKF−889(信越化学工業(株)製)、エポキシ及びポリエーテル変性のKF−1002、X−22−4741(信越化学工業(株)製)、エポキシ及びアラルキル変性のX−22−3000T(信越化学工業(株)製)、長鎖アルキル及びアラルキル変性のX−22−1877(信越化学工業(株)製)等が挙げられるが、用途や要求する特性によって少なくとも1種類を任意に選択して使用すればよく、2種以上を混合してもよく、特にこれらに限定されるものではない。
本発明にかかる保護層に含有する前記樹脂組成物Aの含有率は、樹脂の種類や構造・結合様式の違い等にも依存するため一義的に限定することはできず、タッチパネルの点荷重に対する耐久性、すなわち打鍵耐久性の向上を図り、且つ、良好な耐久性と、導電層側の反射率が低く良好な光学特性とを併せ持つことができれば特に限定はされないが、保護層の全質量に対する、前記樹脂組成物Aの総含有率(質量%)が、5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。総含有率が5質量%以上20質量%以下であると、打鍵耐久性の向上を図りつつ、より良好な耐久性を得ることができる。5質量%未満であると打鍵耐久性の向上効果が少ない場合があり、20質量%より多いと耐久性が劣る場合がある。総含有率は、より好ましくは10質量%〜15質量%である。
本発明においては、前記保護層側の反射率曲線の極小値が350〜550nmの波長範囲にあり、且つ波長380〜780nmにおける保護層側の平均反射率が4%以下であることが好ましい。前記保護層側の反射率曲線の極小値が350〜550nmの波長範囲にあり、且つ波長380〜780nmにおける保護層側の平均反射率が4%以下であると、透明性が高く、且つ色調がニュートラルである導電積層体となるので好ましい。導電層は、その導電成分自身の物性により光を反射や吸収する。そのため、保護層側の反射率曲線の極小値が350〜550nmの波長範囲にあり、且つ波長380〜780nmにおける保護層側の平均反射率が4%以下とする方法としては、導電層上の保護層が光学干渉膜となるような保護層とする方法が挙げられる。波長380〜780nmにおける保護層側の平均反射率は好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。平均反射率が4%以下であると、透明性が高く、且つ色調がニュートラルである導電積層体を得やすくなり、ひいてはタッチパネル用途などに用いる場合の後述する全光線透過率80%以上の性能を生産性良く得ることができるので好ましい。また、図5に示すタッチパネルでの空間22を介した上下間での反射光の干渉による干渉縞の発生を抑えることができるので好ましい。また、保護層としてこの光学干渉の役割に加え、導電層の耐擦過性の向上、導電成分の脱落防止の役割も兼ねた保護層とするとよりよい。
保護層は平均反射率を下げるために、その屈折率が導電層の屈折率より低く、かつ導電層の屈折率との差が0.3以上とすることが好ましく、さらに好ましくは0.4以上とすることが好ましい。保護層の屈折率が導電層の屈折率よりも高くなると、導電層単独の時よりもかえって平均反射率が高くなるので好ましくない。また、屈折率差が0.3以上であると平均反射率が4%以下とする制御範囲が広くなり、生産でのプロセスマージンが拡大するので好ましい。
本発明にかかる導電層の成分は、In、Sn、Au、Al、Cu、Pt、Pd、Ag、Rhなどの金属、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの金属酸化物、また複合酸化物であるインジウムドープ酸化スズ(以下ITOと略す。)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)アルミニウムドープ酸化亜鉛等の導電性薄膜を、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法などのドライプロセスによって形成する方法を用いることができる。これらの方法は、特許第2868686号公報や特許第4208454号公報に開示されており、それら導電性薄膜を本発明の基材の上に積層することもできるが、本発明においては、導電層は線状構造体を用いてなることが好ましい。線状構造体を用いた場合、前記公知の方法として開示されている高価なドライプロセスを用いた導電性薄膜の積層とは異なり、安価なウェットコートプロセスによる積層が可能になるためである。本発明において線上構造体としては、例えばカーボンナノチューブ(以下CNTと略す。)、金属や金属酸化物のナノワイヤー、金属酸化物のウィスカーや繊維状のような針状結晶等が挙げられる。
前記線状構造体の一例としてCNTについて説明する。本発明において、導電層の成分に用いられるCNTは、単層CNT、二層CNT、三層以上の多層CNTのいずれでもよい。直径が0.3〜100nm、長さ0.1〜20μm程度のものが好ましく用いられる。尚、後述する導電積層体の透明性を高め、表面抵抗値を低減するためには、直径10nm以下、長さ1〜10μmの単層CNT、二層CNTがより好ましい。また、CNTの集合体にはアモルファスカーボンや触媒金属などの不純物は極力含まれないことが好ましい。これら不純物が含まれる場合は、酸処理や加熱処理などによって適宜精製することができる。このCNTは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、触媒化学気相法(化学気相法の中で担体に遷移金属を担持した触媒を用いる方法)などによって合成、製造されるが、なかでも生産性よくアモルファスカーボン等の不純物の生成を少なくできる触媒化学気相法が好ましい。
本発明において、CNT分散液を塗布して導電層を形成することができ、前記側鎖中に親水基を有するグラフト構造の樹脂を、ウレタンアクリレート樹脂と共に含有している下地樹脂層とした場合に好適に用いることができる。CNT分散液を得るには、CNTを溶媒とともに、混合分散機や超音波照射装置によって分散処理を行うことが一般的であり、さらに分散剤を添加することが望ましい。
分散剤としては、CNTが分散できれば特に限定はないが、CNT分散液を基材上に塗布、乾燥させたCNTを含有する導電層の基材との密着性、膜の硬度、耐擦過性の点で、合成高分子、天然高分子のポリマーを選択することが好ましい。さらに、分散性を損ない範囲で架橋剤を添加してもよい。
合成高分子は、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、アセタール基変性ポリビニルアルコール、ブチラール基変性ポリビニルアルコール、シラノール基変性ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合樹脂、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ系樹脂、フェノキシ樹脂、変性フェノキシ系樹脂、フェノキシエーテル樹脂、フェノキシエステル樹脂、フッ素系樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンである。天然高分子は、例えば、多糖類であるデンプン、プルラン、デキストラン、デキストリン、グアーガム、キサンタンガム、アミロース、アミロペクチン、アルギン酸、アラビアガム、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、カードラン、キチン、キトサン、セルロースおよびその誘導体から選択できる。誘導体とはエステルやエーテルなどの従来公知の化合物を意味する。これらは、1種または2種以上を混合して用いることができる。中でも、CNTの分散性に優れることから、多糖類ならびにその誘導体が好ましい。さらにセルロースならびにその誘導体が、膜形成能が高く好ましい。中でもエステルやエーテル誘導体が好ましく、具体的には、カルボキシメチルセルロースやその塩などが好適である。
また、CNTと前記分散剤との配合比を調整することも可能である。CNTと分散剤の配合比は、基材との密着性、硬度、耐擦過性に問題のない配合比が好ましい。具体的には、CNTが導電層全体に対し10質量%〜90質量%の範囲にあることが好ましい。より好ましくは、30質量%〜70質量%の範囲である。CNTが10質量%以上であると、タッチパネルに必要な導電性が得られ易く、またさらに、基材表面に塗布する際にはじくことなく均一に塗布しやすくなり、ひいては良好な外観・品位を有する導電積層体を生産性良く供給することができる。90質量%以下であると、CNTの溶媒中での分散性が良化、凝集し難くなり、良好なCNT塗布層が得られ易くなり、生産性が良いので好ましい。さらに塗布膜も強固で、生産工程中に擦擦傷が発生し難くなり、表面抵抗値の均一性を維持できるので好ましい。
また、前記線状構造体として挙げられる金属や金属酸化物のナノワイヤーは、特表2009−505358号公報、特開2009−146747号公報、特開2009−70660号公報に開示されており、また、金属酸化物のウィスカーや繊維状のような針状結晶としては、例えば、チタン酸カリウム繊維とスズ及びアンチモン系酸化物の複合酸化物であるデントールWKシリーズ(大塚化学(株)製)のWK200B、WK300R、WK500が市販されており、前記CNTを含むこれら線状構造体を単独、又は複数を組み合わせて混合させ使用することができ、さらに、必要に応じて他のマイクロ〜ナノサイズの導電性材料を添加しても良く、特にこれらに限定されるものではない。
本発明においては、前記線状構造体を含有する導電層を形成するために基材と導電層の間に、側鎖中に親水基を有するグラフト構造の樹脂を含有する下地層を更に設けてもよい。本発明においては、導電層の導電成分及び導電層の積層方法については一義的に限定してはいないが、特に前述の線状構造体やその他導電成分の種類よってはその導電成分の溶媒分散液、特に水分散液として塗工することで積層する場合があり、その際下地層を設け、その下地層中に側鎖中に親水基を有するグラフト構造の樹脂を更に含有していると、その下地層表面が改質され、前記導電成分の分散溶液をはじくことなく均一に塗布しやすくなり、ひいては良好な外観・品位を有する導電積層体を生産性良く供給することができる。
ここでいうグラフト樹脂とは、ブロック重合樹脂などとも呼ばれ、図4にその構造を例示する。図4は、主鎖である幹ポリマーの分岐した側鎖が枝状に結合している状態を示しており、幹ポリマーや側鎖の種類、重合度、分子量、分子鎖末端・分子鎖中・分岐鎖中の官能基、架橋度によって様々な状態、性能を付与するものである。本発明においては、前記分岐した枝状の側鎖中に親水基を有しているグラフト樹脂である。
親水基としては例えば、ヒドロキシル基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、スルホ酸基(−SOH)、リン酸基(HPO−)、アミノ基(−NH)等、が挙げられ、また、それら親水基のHの一部がNa、K等のカウンターカチオンを有した状態(例えば、−ONa、−COONa、−SONaなど)であってもよく、これらの親水基は分岐した枝状の側鎖中に単独あるいは2種類以上で有していてもよく、また、親水基の異なる2種のグラフト樹脂の共重合体及び/又は混合物としたものを用いてもよく、特にこれらに限定されるものではない。
グラフト樹脂の幹ポリマーとしては例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ナイロン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂等の樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単独で用いても、あるいは2種類以上の共重合体及び/又は混合物としたものを用いてもよく、また、用途によっては一部架橋構造を有していてもよい。
また、下地層中のグラフト樹脂はいかなる様態で含有していても良く、単純に混合状態で含有していても良く、取り扱い性、生産性、下地樹脂層からのブリードアウト回避、等の理由から、下地層中のその他成分と結合を有して存在していてもよく、そのため例えば熱、紫外線、触媒等により下地層中の各樹脂や成分と結合を形成する反応性の官能基や、下地層中のその他成分及び下地層の積層加工程時に使用する有機溶剤や水との相溶性がある官能基を、幹ポリマーの分子鎖末端、分子鎖中など構造内に有するグラフト樹脂が好適に使用することができるが、特にこれらに限定されるものではない。これら幹ポリマーの分子鎖末端、分子鎖中に結合する官能基としては例えば、直鎖アルキル基、分岐状アルキル基、シクロアルキル基、ビニル・アリル・ヘキセニルなどのアルケニル基、フェニル・トリル・キシリル・スチリル・ナフチル・ビフェニルなどのアリール基、ベンジル・フェネチルなどのアラルキル基、ラクトン・オキサゾール・イミダゾールなどの複素環を含むその他芳香族基及びその開環基、メトキシ・エトキシ・イソプロポキシなどのアルコキシ基、アセトキシ基、アクリル基、メタクリル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、アリルオキシカルボニル・ベンジルオキシカルボニルなどのオキシカルボニル基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基、アミノ基、メルカプト・スルフィドなどの含硫黄元素官能基、ウレイド・ケチミノなどの含窒素元素官能基、フロロアルキル基などの含ハロゲン元素官能基などが挙げられ、これら官能基のうち主鎖である幹ポリマーにもヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ酸基、リン酸基、アミノ基等の親水基を有している方が好ましく用いることができるが、用途や要求する特性によって少なくとも1種類を任意に選択して使用すればよく、2種以上を混合してもよく、特にこれらに限定されるものではない。下地層に前記グラフト樹脂以外の成分を含有する場合において前記グラフト樹脂の含有率は、導電層の成分の種類や分散溶液の溶媒、さらに加工性等にも依存するため一義的に限定することはできず、下地層表面が充分改質され、導電成分の分散溶液をはじくことなく均一に塗布したり、良好な外観・品位を有する導電積層体を生産性良く供給することができれば特に限定はされないが、下地層全体に対して5質量%より少ない場合、下地樹脂層表面の改質効果が小さすぎて含有しない場合と比較して差が得られない場合がある。
これら、側鎖中に親水基を有するグラフト構造としては、具体的には、例えば、ケミトリー(登録商標)シリーズ(綜研化学(株)製)のL−20、L−40M、LH−448等を使用することができるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明の導電積層体は、導電層の成分が如何なるものであっても、また、前記線上構造体であっても、その導電層側の表面抵抗値が、1×10Ω/□以上、1×10Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは1×10Ω/□以上、1.5×10以下である。この範囲にあることで、タッチパネル用の導電積層体として好ましく用いることができる。すなわち、1×10Ω/□以上であれば消費電力を少なくすることができ、1×10Ω/□以下であれば、タッチパネルの座標読みとりにおける誤差の影響を小さくすることができる。
本発明にかかる導電積層体は、前記導電層側から入射した際のJIS K7361−1(1997年)に基づいた全光線透過率が80%以上である透明導電積層体であることが好ましい。本発明の導電積層体を透明導電積層体としてタッチパネルに組み込むと、そのタッチパネルは点荷重に対する耐久性、すなわち打鍵耐久性と耐久性が良好なだけでなく、優れた透明性を示し、この透明導電積層体を用いたタッチパネルの下層に設けたディスプレイの表示を鮮やかに認識することができる。本発明における透明性とは、前記導電層側から入射した際のJIS K7361−1(1997年)に基づいた全光線透過率が80%以上であることを意味し、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。全光線透過率を上げるための方法としては、例えば、前述した透明保護膜側の波長380〜780nmでの平均反射率を4%以下にする方法以外に、使用する基材の全光線透過率を上げる方法、前記導電層の膜厚をより薄くする方法等が挙げられる。基材の全光線透過率を上げる方法としては、基材の厚みを薄くする方法、あるいは全光線透過率の大きな材質の基材を選定する方法が挙げられる。
本発明の透明導電積層体における基材は、可視光線の全光線透過率が高い基材が好適に使用でき、具体的にはJIS K7361−1(1997年)に基づいた全光線透過率が80%以上のもの、より好ましくは90%以上の透明性を有しているものである。具体的には例えば透明な樹脂、ガラスなどを挙げることができ、厚み250μm以下で巻き取り可能なフィルムであっても、厚み250μmを超える基板であってもよい。コスト、生産性、取り扱い性等の観点からは250μm以下の樹脂フィルムが好ましく、特に好ましくは190μm以下、さらに好ましくは150nm以下である。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、及びこれら樹脂の混合及び/又は共重合したものが挙げられ、例えばその樹脂を未延伸、一軸延伸、二軸延伸してフィルムとすることができる。ガラスとしては、通常のソーダガラスを用いることができる。また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、樹脂とガラスを組み合わせた基材、2種以上の樹脂を積層した基材などの複合基材であってもよい。さらに、基材は、必要に応じ、表面処理を施してあっても良い。表面処理は、グロー放電、コロナ放電、プラズマ処理、火炎処理等の物理的処理、あるいは樹脂層を設けてあっても良い。フィルムの場合、易接着層のあるものでも良い。基材の種類は上述に限定されることはなく、用途に応じて透明性や耐久性や可撓性やコスト等から最適なものを選ぶことができる。
本発明にかかる保護層の膜厚は、タッチパネルの点荷重に対する耐久性、すなわち打鍵耐久性の向上を図り、且つ、良好な耐久性と、波長380〜780nmにおける透明保護膜側の平均反射率が4%以下となる膜厚であれば、特に限定されないが、好ましくは10nm〜150nm、より好ましくは40nm〜120nm、さらに好ましくは60〜100nmである。保護膜の膜厚が10nm以上であると、膜強度が増加し、耐久性、耐擦傷性などの導電層を保護する機能が向上する。一方、150nm以下であると、光の干渉による干渉縞が視認されず、かつ透過色調がニュートラル色となり、さらに導電層の表面抵抗値の上昇を抑えることができるので好ましい。
保護層を導電層上に形成する方法としては、形成する物質により最適な方法を選択すれば良く、真空蒸着、EB蒸着、スパッタなどのドライ法、キャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写、インクジェットなどのウエットコート法等、一般的な方法を挙げることができる。なかでも、保護層を均一にかつ生産性良く形成できるマイクログラビアを使用したウエットコート法が好ましい。
本発明にかかる基材及び/或いは各層には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、有機および/又は無機の微粒子、架橋剤、難燃剤、難燃助剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、レベリング剤、滑り賦活剤、導電剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、核剤、染料、充填剤、分散剤およびカップリング剤などを用いることができる。
次に、本発明のタッチパネルについて説明する。図5は抵抗膜式タッチパネルの一例を示す模式断面図である。抵抗膜式タッチパネルは、下部電極16上に、上部電極15が枠状の両面接着テープ21によって固定された構成である。上部及び下部電極を構成する各基材17、18上には、下地層2、導電層3、保護層4がこの順に積層されており、上部及び下部電極の導電層3同士が空間22を挟むように対向して面状に形成されている。また、基材17または18と導電層3の間には下地層2が設けてあってもよい。空間22には、一定間隔でドットスペーサー20を設けてあり、これによって、上側と下側の導電層の間隙を保持している。基材17の上面はペン24や指の先が接触する面であり、傷つきを防止するためにハードコート層19が設けられる。このタッチパネルは、電源23にて電圧をかけ、ペン24や指の先でハードコート層19の表面を押して荷重をかけることで、接触した部分から電気が流れ動作する。以上の構成からなるタッチパネルは、例えば、リード線と駆動ユニットを取り付け、液晶ディスプレイの前面に組み込んで用いられる。
図5に示す抵抗膜式タッチパネルでは、空間22を介して構成されているため、ペンや指によって入力した際の荷重で導電積層体が変形し導電積層体同士が接触するため、本発明の導電積層体を用いる効果が最も高いタッチパネル構成である。
以下、本発明を実施例に基づき、具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。まず、各実施例および比較例における評価方法を説明する。
(1)各層の化合物の構造、結合様態の同定
先ず、サンプルを溶剤に浸漬して各層を剥離採取し、浸漬した後の溶剤を濾過する。濾物がある場合は、濾物に対する溶解度の高い溶剤を選択し再度溶解する。次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、液体高速クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等に代表される一般的なクロマトグラフィーのうち分離可能な方法を選択し、濾液及び再溶解した濾物溶液をそれぞれ単一物質に分離精製する。他成分と結合して分離が困難な場合はそのまま用いる。
その後各物質について適宜濃縮及び希釈を行い、核磁気共鳴分光法(H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR)、二次元核磁気共鳴分光法(2D−NMR)、赤外分光光度法(IR)、ラマン分光法、質量分析法(Mass)、X線回折法(XRD)、中性子回折法(ND)、低速電子線回折法(LEED)、高速反射電子線回折法(RHEED)、原子吸光分析法(AAS)、紫外光電子分光法(UPS)、X線光電子分光法(XPS)、蛍光X線元素分析法(XRF)、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−AES)、電子線マイクロアナライザ(EPMA)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、その他元素分析、から方法を適宜選択・組み合わせて構造及び結合様態の同定を行った。
(2)保護層中の(i)〜(iii)の樹脂に該当する樹脂の含有率
(1)と同様の方法にて、単離、同定を行った。同定後の各単一物質について、前記(i)〜(iii)の樹脂に該当する物質のみを選択しそれぞれ、適宜濃縮及び希釈後、波長分散型蛍光X線分析装置を用いて、各樹脂に該当する物質についてのケイ素元素の固有X線のピーク強度を測定した。その後、検出された各樹脂と同構造の濃度既知すなわち含有率既知である標準物質を用いてピーク強度と含有率との検量線を作成後、求めたサンプルのピーク強度の値におけるケイ素元素の含有率を検量線より求め、さらにそのケイ素元素の含有率から各樹脂の濃度すなわち含有率を求めた。同様の方法にて5箇所の測定を行い、5箇所の平均値を「樹脂の含有率」とした。
(3)表面抵抗値R
導電層側の表面抵抗は、低抵抗率計Loresta−EP MCP−T360(三菱化学(株)製)を用い4探針法で100mm×50mmのサンプルの中央部分を測定した。5サンプルについて平均値を算出し、これを表面抵抗値Rとした。
(4)耐久性(耐熱性)
前記(3)項のサンプルを安全扉つき恒温器セーフティーオーブン(エスペック(株)製、SPHH−201)にて150℃、1時間加熱後、前記(3)項と同様の方法にて再度同位置の表面抵抗値Rを測定しR/R(Rは前記(3)項の値)を算出した。同様に5サンプルについて実施し、各R/Rの平均値を表面抵抗値の上昇率として耐熱性の指標とした。本発明における判定基準は、下記により判定しA、B級であれば合格とし、A級が最も好ましい。
A級:R/R≦1.50
B級:1.50<R/R≦1.80
C級:R/R>1.80
(5)耐久性(耐湿熱性)
前記(3)項のサンプルを恒温器パーフェクトオーブン(エスペック(株)製、PH−400)にて60℃、90%RHの条件にて240時間経過後、前記(3)項と同様の方法にて再度同位置の表面抵抗値Rを測定しR/R(Rは前記(3)項の値)を算出した。同様に5サンプルについて実施し、各R/Rの平均値を表面抵抗値の上昇率として耐熱性の指標とした。本発明における判定基準は、下記により判定しA、B級であれば合格とし、A級が最も好ましい。
A級:R/R≦1.50
B級:1.50<R/R≦1.80
C級:R/R>1.80
(6)導電成分の構造
サンプルの導電層側の表面を、電界放射型走査電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM−6700−F)を用いて加速電圧3.0kVにて、もしくは原子間力顕微鏡(Digital Instruments社製 NanoScopeIII)にて観察した。表面観察では観察できない場合は、(1)と同様のいずれかの方法にて導電層の成分を離精製後、導電成分に該当する物質を充分量を採取・集めてから、同様に観察した。
(7)全光線透過率
濁度計(曇り度計)NDH2000(日本電色工業(株)製)を用いてJIS K7361−1(1997年)に基づいて、導電積層体厚み方向の全光線透過率を、導電層側から光を入射させて測定した。5サンプルについて測定した値から平均値を算出し、これを全光線透過率とした。
(8)タッチパネルの打鍵耐久性
まず図5のタッチパネルにおいて、上部電極15と下部電極16として本発明の実施例及び比較例の導電積層体をそれぞれ用いて、縦40mm×横40mmのタッチパネルを作製した。次いで、打鍵試験機((株)タッチパネル研究所、駆動電源部及びオッシロスコープ付き)の打鍵部(ソレノイド方式)にペン先の形状が半径3mmであるシリコーンゴムペン3R((株)タッチパネル研究所製)をセットし、ペン先がタッチパネルの中心位置(縦位置20mm、横位置20mm)となるように作製したタッチパネルに設置した。次いで、タッチパネルに印可電圧3V、付加抵抗100kΩにて荷重200gをかけ、図5における上部電極15と下部電極16の導電層が接した際の接触抵抗の値を読みとりRsとした。次いで、前記シリコーンゴムペンで荷重250g、10Hzにて100万回打鍵後、再度同様に、印可電圧3V、付加抵抗100kΩにて荷重200gをかけた際の接触抵抗の値を読みとりReとし、Re/Rsを算出した。同様に3サンプルについて実施し、各Re/Rsの平均値を接触抵抗値の上昇率として打鍵耐久性の指標とした。本発明における判定基準は、下記により判定しA、B級であれば合格とし、A級が最も好ましい。
A級:Re/Rs≦1.15
B級:1.15<Re/Rs≦1.30
C級:Re/Rs>1.30
(9)屈折率
シリコンウエハーまたは石英ガラス上にコーターにて形成された塗膜について、高速分光メーターM−2000(J.A.Woollam社製)を用い、塗膜の反射光の偏光状態の変化を入射角度60度、65度、70度で測定、解析ソフトWVASE32にて、波長550nmの屈折率を計算で求めた。
(10)保護層の膜厚
作製した導電積層体の保護膜の膜厚は、電界放射型走査電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM−6700−F)を用いて加速電圧3.0kVにて観察倍率10000〜200000倍から任意の3倍率を選択し、画像のコントラストを適宜調節して各倍率にて観察した。試料断面調整は日本ミクトローム研究所(株)製ロータリー式ミクロトームを用いて行った。得られた断面写真から任意の5箇所を同様に任意の3倍率で測定(拡大倍率から計算)、計15箇所の値を平均して求めた。
(11)平均反射率
保護層を設けた側の面の反対側表面を60℃光沢度(JIS Z 8741(1997年))が10以下になるように320〜400番の耐水サンドペーパーで均一に粗面化した後、可視光線透過率が5%以下となるように黒色塗料を塗布して着色した。測定面を島津製作所製の分光光度計(UV−3150)にて、測定面から5度の入射角で、波長領域300nm〜800nmにおける絶対反射スペクトルを1nm間隔で測定し、波長380nm〜780nmでの平均反射率を求めた。
各実施例及び比較例の保護層に使用した材料を以下に示す。各保護層は導電層の上に実施例及び比較例の各方法で積層した。
(1)保護層材料A(無機ケイ素酸化物)
本発明にかかる保護層中の無機ケイ素酸化物は以下のようにして得た。
100mLポリ容器中に、エタノール20gを入れ、n−ブチルシリケート40gを添加し30分間撹拌した。その後、0.1N塩酸水溶液を10g添加した後2時間撹拌を行い(加水分解反応)、4℃で保管した。翌日、この溶液をイソプロピルアルコール/トルエン/n−ブタノール混合液(混合質量比2/1/1)で固形分濃度が、2.0質量%となるように希釈した。この液をシリコンウエハーに塗布、乾燥した無機ケイ素酸化物膜の屈折率は、1.44であった。
(2)保護層材料B
非反応性シリコーングラフト樹脂(信越化学工業(株)製 X−24−798A 濃度50%溶液、(i)に該当する樹脂、官能基:メチル基、n−ブチル基 保護層中の成分と結合不可)
(3)保護層材料C
反応性シリコーングラフト樹脂(信越化学工業(株)製 X−22−8114 濃度40%溶液、(i)に該当する樹脂、官能基:ヒドロキシル基、メチル基、n−ブチル基 保護層中の成分と結合可)
(4)保護層材料D
反応性シリコーングラフト樹脂(信越化学工業(株)製 X−22−8195 濃度30%溶液、(i)に該当する樹脂、官能基:カルボキシル基、メチル基、n−ブチル基 保護層中の成分と結合可)
(5)保護層材料E
非反応性ストレートシリコーンレジン樹脂(信越化学工業(株)製 KR242A 濃度50%溶液、(ii)に該当する樹脂、官能基:メチル基 保護層中の成分と結合不可)
(6)保護層材料F
反応性シリコーンオイル樹脂(信越化学工業(株)製 X−24−8300 濃度25%溶液、(iii)に該当する樹脂、官能基:ヒドロキシル基、メチル基 保護層中の成分と結合可)
(7)保護層材料G
非反応性ストレートシリコーンオイル樹脂(信越化学工業(株)製 KF−69 濃度100%溶液、(i)〜(iii)のいずれにも該当しないシリコーン樹脂、官能基:メチル基 保護層中の成分と結合不可)
(8)添加剤A
硬化用反応触媒(信越化学工業(株)製 CAT−AC)。
各実施例及び比較例における、導電層及び下地層を以下に示す。各導電層は実施例及び比較例における基材上もしくは基材上に設けた下地層の上に以下の各方法で積層した。
(1)導電層A「ITO導電層」
組成In/SnO=90/10のインジウム・スズ酸化物ターゲットを用いて、真空度10−4Torrにてアルゴン/酸素混合ガス導入のもとスパッタリング法にて、厚み250nmのITO導電性薄膜を設けた。
(2)導電層B「CNT導電層」
(触媒調整)
クエン酸アンモニウム鉄(緑色)(和光純薬工業(株)製)2.459gをメタノール(関東化学(株)製)500mLに溶解した。この溶液に、軽質マグネシア(岩谷化学工業(株)製)を100g加え、室温で60分間攪拌し、40℃から60℃で攪拌しながら減圧乾燥してメタノールを除去し、軽質マグネシア粉末に金属塩が担持された触媒を得た。
(CNT組成物製造)
図5の概略図で示す流動床縦型反応装置でCNTを合成した。反応器100は内径32mm、長さは1200mmの円筒形石英管である。中央部に石英焼結板101を具備し、石英管下方部には、不活性ガスおよび原料ガス供給ライン104、上部には排ガスライン105および、触媒投入ライン103を具備する。さらに、反応器を任意温度に保持できるように、反応器の円周を取り囲む加熱器106を具備する。加熱器106には装置内の流動状態が確認できるよう点検口107が設けられている。
前記触媒12gを取り、密閉型触媒供給器102から触媒投入ライン103を通して、石英焼結板101上に前記「触媒調整」部分で示した触媒108をセットした。次いで、原料ガス供給ライン104からアルゴンガスを1000mL/分で供給開始した。反応器内をアルゴンガス雰囲気下とした後、温度を850℃に加熱した。
850℃に到達した後、温度を保持し、原料ガス供給ライン104のアルゴン流量を2000mL/分に上げ、石英焼結板上の固体触媒の流動化を開始させた。加熱炉点検口107から流動化を確認した後、さらにメタンを95mL/分で反応器に供給開始した。該混合ガスを90分供給した後、アルゴンガスのみの流通に切り替え、合成を終了させた。
加熱を停止させ室温まで放置し、室温になってから反応器から触媒とCNTを含有するCNT組成物を取り出した。
上記で示した触媒付きCNT組成物23.4gを磁性皿に取り、予め446℃まで加熱しておいたマッフル炉(ヤマト科学(株)製、FP41)にて大気下、446℃で2時間加熱した後、マッフル炉から取り出した。次に、触媒を除去するため、CNT組成物を6Nの塩酸水溶液に添加し、室温で1時間攪拌した。濾過して得られた回収物を、さらに6Nの塩酸水溶液に添加し、室温で1時間攪拌した。これを濾過し、数回水洗した後、濾過物を120℃のオーブンで一晩乾燥することでマグネシアおよび金属が除去されたCNT組成物を57.1mg得ることができ、上記操作を繰り返すことによりマグネシアおよび金属が除去されたCNT組成物を500mg用意した。
次に、マッフル炉で加熱して触媒を取り除いたCNT組成物80mgを濃硝酸(和光純薬工業(株)製 1級 Assay60〜61%)27mLに添加し、130℃のオイルバスで5時間攪拌しながら加熱した。加熱攪拌終了後、CNTを含む硝酸溶液をろ過し、蒸留水で水洗後、水を含んだウエット状態のままCNT組成物を1266.4mg得た。
(CNT分散塗液)
50mLの容器に上記CNT組成物を10mg(乾燥時換算)、分散剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(シグマ社製90kDa,50−200cps)10mgを量りとり、蒸留水を加え10gにし、超音波ホモジナイザー出力20W、20分間で氷冷下分散処理しCNT塗液を調製した。得られた液を高速遠心分離機にて10000G、15分遠心し、上清9mLを得た。この操作を複数回繰り返し得た上清145mLにエタノール5mL加え、コーターで塗布可能なCNT濃度約0.1質量%のCNT分散塗液(CNTと分散剤の配合比1対1)を得た。このCNT分散塗液を石英ガラスに塗布、乾燥したCNT導電層の屈折率は1.82であった。
(CNT導電層の形成)
前記CNT分散塗液をマイクログラビアコーター(グラビア線番150R、グラビア回転比80%)で塗布、100℃で1分間乾燥しCNT塗膜を設けた。
(3)導電層C「銀ナノワイヤー導電層」
特表2009−505358号公報の例1(銀ナノワイヤーの合成)に開示されている方法にて銀ナノワイヤーを得た。次いで、同特表2009−505358号公報の例8(ナノワイヤー分散)に開示されている方法にて銀ナノワイヤー分散塗液を得た。この銀ナノワイヤー分散塗液を松尾産業(株)製 バーコーターを使用して塗布、120℃で2分間乾燥し銀ナノワイヤー塗膜を設けた。
(4)下地層
ケミトリー(登録商標)L−20(綜研化学(株)製、側鎖中に親水基としてヒドロキシル基(−OH)を有するグラフトアクリル、固形分濃度26質量%溶液)を10g、酢酸エチルを3g用意し、混合した後に撹拌し下地層塗布液を作った。この下地層塗布液を、松尾産業(株)製 バーコーター番手16を使用して塗布し、100℃、3分間で加熱乾燥して、乾燥後の塗布厚みが4.8μmの下地層とした。
(実施例1)
厚み188μmのポリエチレンレテフタレートフィルム、ルミラー(登録商標)U46(東レ(株)製)を基材として、片面に日本化薬(株)製のKAYANOVA(登録商標)FOP1740(日本化薬(株)、固形分濃度82質量%)をトルエンとメチルエチルケトン(MEK)質量%比1対1で、固形分濃度40質量%まで希釈したハードコート剤をマイクログラビアコーター(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、80℃で1分間乾燥後、紫外線を1.0J/cm照射、硬化させ、厚み5μmのハードコート層を設けた。
次いで、前記基材のハードコート層を設けた反対面に、「導電層A」を積層した。
次いで、「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料B」0.8333g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」540.8333gを混合、撹拌し、保護層塗布液を作った。この保護層塗布液を、前記「導電層A」の上にマイクログラビアコート(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、125℃で1分間乾燥し厚み60nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例2)
厚み188μmのポリエチレンレテフタレートフィルム、ルミラー(登録商標)U46(東レ(株)製)を基材として、片面に日本化薬(株)製のKAYANOVA(登録商標)FOP1740(日本化薬(株)、固形分濃度82質量%)をトルエンとメチルエチルケトン(MEK)質量%比1対1で、固形分濃度40質量%まで希釈したハードコート剤をマイクログラビアコーター(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、80℃で1分間乾燥後、紫外線を1.0J/cm照射、硬化させ、厚み5μmのハードコート層を設けた。
次いで、前記基材のハードコート層を設けた反対面に、「導電層A」を積層した。
次いで、「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料E」0.8333g、「添加剤A」0.0042g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」541.2458gを混合、撹拌し、保護層塗布液を作った。この保護層塗布液を、前記「導電層A」の上にマイクログラビアコート(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、125℃で1時間加熱し厚み60nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例3)
厚み188μmのポリエチレンレテフタレートフィルム、ルミラー(登録商標)U46(東レ(株)製)を基材として、片面に日本化薬(株)製のKAYANOVA(登録商標)FOP1740(日本化薬(株)、固形分濃度82質量%)をトルエンとメチルエチルケトン(MEK)質量%比1対1で、固形分濃度40質量%まで希釈したハードコート剤をマイクログラビアコーター(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、80℃で1分間乾燥後、紫外線を1.0J/cm照射、硬化させ、厚み5μmのハードコート層を設けた。
次いで、前記基材のハードコート層を設けた反対面に、「導電層A」を積層した。
次いで、「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料F」1.6667g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」540.0000gを混合、撹拌し、保護層塗布液を作った。この保護層塗布液を、前記「導電層A」の上にマイクログラビアコート(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、125℃で1分間乾燥し厚み60nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例4)
厚み188μmのポリエチレンレテフタレートフィルム、ルミラー(登録商標)U46(東レ(株)製)を基材として、片面に日本化薬(株)製のKAYANOVA(登録商標)FOP1740(日本化薬(株)、固形分濃度82質量%)をトルエンとメチルエチルケトン(MEK)質量%比1対1で、固形分濃度40質量%まで希釈したハードコート剤をマイクログラビアコーター(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、80℃で1分間乾燥後、紫外線を1.0J/cm照射、硬化させ、厚み5μmのハードコート層を設けた。
次いで、前記基材のハードコート層を設けた反対面に、「下地層」を積層後「導電層B」を積層した。
次いで、「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料B」0.8333g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」540.8333gを混合、撹拌し、保護層塗布液を作った。この保護層塗布液を、前記「導電層A」の上にマイクログラビアコート(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、125℃で1分間乾燥し厚み60nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例5)
厚み188μmのポリエチレンレテフタレートフィルム、ルミラー(登録商標)U46(東レ(株)製)を基材として、片面に日本化薬(株)製のKAYANOVA(登録商標)FOP1740(日本化薬(株)、固形分濃度82質量%)をトルエンとメチルエチルケトン(MEK)質量%比1対1で、固形分濃度40質量%まで希釈したハードコート剤をマイクログラビアコーター(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、80℃で1分間乾燥後、紫外線を1.0J/cm照射、硬化させ、厚み5μmのハードコート層を設けた。
次いで、前記基材のハードコート層を設けた反対面に、「下地層」を積層後「導電層B」を積層した。
次いで、「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料E」0.8333g、「添加剤A」0.0042g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」541.2458gを混合、撹拌し、保護層塗布液を作った。この保護層塗布液を、前記「導電層A」の上にマイクログラビアコート(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、125℃で1時間加熱し厚み60nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例6)
厚み188μmのポリエチレンレテフタレートフィルム、ルミラー(登録商標)U46(東レ(株)製)を基材として、片面に日本化薬(株)製のKAYANOVA(登録商標)FOP1740(日本化薬(株)、固形分濃度82質量%)をトルエンとメチルエチルケトン(MEK)質量%比1対1で、固形分濃度40質量%まで希釈したハードコート剤をマイクログラビアコーター(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、80℃で1分間乾燥後、紫外線を1.0J/cm照射、硬化させ、厚み5μmのハードコート層を設けた。
次いで、前記基材のハードコート層を設けた反対面に、「下地層」を積層後「導電層B」を積層した。
次いで、「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料F」1.6667g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」540.0000gを混合、撹拌し、保護層塗布液を作った。この保護層塗布液を、前記「導電層A」の上にマイクログラビアコート(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、125℃で1分間乾燥し厚み60nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例7)
厚み188μmのポリエチレンレテフタレートフィルム、ルミラー(登録商標)U46(東レ(株)製)を基材として、片面に日本化薬(株)製のKAYANOVA(登録商標)FOP1740(日本化薬(株)、固形分濃度82質量%)をトルエンとメチルエチルケトン(MEK)質量%比1対1で、固形分濃度40質量%まで希釈したハードコート剤をマイクログラビアコーター(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、80℃で1分間乾燥後、紫外線を1.0J/cm照射、硬化させ、厚み5μmのハードコート層を設けた。
次いで、前記基材のハードコート層を設けた反対面に、「下地層」を積層後「導電層C」を積層した。
次いで、「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料F」1.6667g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」540.0000gを混合、撹拌し、保護層塗布液を作った。この保護層塗布液を、前記「導電層A」の上にマイクログラビアコート(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、125℃で1分間乾燥し厚み60nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例8)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料C」1.0417g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」540.6250gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、本発明の導電積層体を得た。
(実施例9)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料D」1.3889g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」540.2778gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、本発明の導電積層体を得た。
(実施例10)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料B」1.1640g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」557.0370gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、本発明の導電積層体を得た。
(実施例11)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料C」1.4550g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」556.7460gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、本発明の導電積層体を得た。
(実施例12)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料E」1.1640g、「添加剤A」0.0058g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」557.6132gとしたこと以外は、実施例5と同様に作成し、本発明の導電積層体を得た。
(実施例13)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料F」2.3280g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」555.8730gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、本発明の導電積層体を得た。
(実施例14)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料C」2.7778g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」608.3333gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、本発明の導電積層体を得た。
(実施例15)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料C」4.0698g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」658.7209gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、本発明の導電積層体を得た。
(実施例16)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料C」5.6748g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」721.3190gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、本発明の導電積層体を得た。
(実施例17)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料C」6.6456g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」759.1772gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、本発明の導電積層体を得た。
(実施例18)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料C」6.6456g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」548.2068gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、本発明の導電積層体を得た。
(実施例19)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料C」6.6456g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」337.2363gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、本発明の導電積層体を得た。
(比較例1)
厚み188μmのポリエチレンレテフタレートフィルム、ルミラー(登録商標)U46(東レ(株)製)を基材として、片面に製のKAYANOVA(登録商標)FOP1740(日本化薬(株)、固形分濃度82質量%)をトルエンとメチルエチルケトン(MEK)質量%比1対1で、固形分濃度40質量%まで希釈したハードコート剤をマイクログラビアコーター(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、80℃で1分間乾燥後、紫外線を1.0J/cm照射、硬化させ、厚み5μmのハードコート層を設けた。
次いで、前記基材のハードコート層を設けた反対面に、導電層及び保護層を設けずに、積層体とした。
(比較例2)
厚み188μmのポリエチレンレテフタレートフィルム、ルミラー(登録商標)U46(東レ(株)製)を基材として、片面に製のKAYANOVA(登録商標)FOP1740(日本化薬(株)、固形分濃度82質量%)をトルエンとメチルエチルケトン(MEK)質量%比1対1で、固形分濃度40質量%まで希釈したハードコート剤をマイクログラビアコーター(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、80℃で1分間乾燥後、紫外線を1.0J/cm照射、硬化させ、厚み5μmのハードコート層を設けた。
次いで、前記基材のハードコート層を設けた反対面に、「導電層A」のみを積層し保護層を設けずに、導電積層体とした。
(比較例3)
厚み188μmのポリエチレンレテフタレートフィルム、ルミラー(登録商標)U46(東レ(株)製)を基材として、片面に日本化薬(株)製のKAYANOVA(登録商標)FOP1740(日本化薬(株)、固形分濃度82質量%)をトルエンとメチルエチルケトン(MEK)質量%比1対1で、固形分濃度40質量%まで希釈したハードコート剤をマイクログラビアコーター(グラビア線番80R、グラビア回転比100%)で塗布、80℃で1分間乾燥後、紫外線を1.0J/cm照射、硬化させ、厚み5μmのハードコート層を設けた。
次いで、前記基材のハードコート層を設けた反対面に、「下地層」を積層後「導電層B」のみを積層し保護層を設けずに、導電積層体とした。
(比較例4)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」500.0000gとしたこと以外は、実施例1と同様に作成し、導電積層体を得た。
(比較例5)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」500.0000gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、導電積層体を得た。
(比較例6)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」500.0000gとしたこと以外は、実施例7と同様に作成し、導電積層体を得た。
(比較例7)
保護層塗布液の組成を「保護層材料C」25.0000g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」975.0000gとしたこと以外は、実施例1と同様に作成し、導電積層体を得た。
(比較例8)
保護層塗布液の組成を「保護層材料C」25.0000g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」975.0000gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、導電積層体を得た。
(比較例9)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料G」0.4167g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」541.2500gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、導電積層体を得た。
(比較例10)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」500.0000g、「保護層材料G」1.1111g、「酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合質量比1/1)」610.0000gとしたこと以外は、実施例4と同様に作成し、導電積層体を得た。
Figure 2011102003
Figure 2011102003
実施例1〜19のいずれにおいても、タッチパネルの打鍵耐久性を向上することができた。中でも、含有する樹脂の含有率が特定の範囲内で且つ保護層内の成分と結合を有している場合は、打鍵耐久性と共に耐久性(耐熱性、耐湿熱性)も良好であった。
無機ケイ素酸化物と共に保護層に含有する樹脂が(i)〜(iii)に該当する樹脂で有れば、導電層の種類及び形状に関係なく打鍵耐久性を向上させることができた(実施例1〜7)。また、無機ケイ素酸化物と共に保護層に含有する樹脂が、保護層内の成分と結合を有している場合(実施例3、6〜9、12〜19)は、結合を有していない場合(実施例1、2、4、5、10、12、比較例7〜10)と比較して、打鍵耐久性だけでなく耐久性(耐熱性、耐湿熱性)も良好となった。無機ケイ素酸化物と共に保護層に含有する樹脂の種類、官能基の種類、含有率を適宜変更することで、打鍵耐久性、耐久性(耐熱性、耐湿熱性)、表面抵抗値を調整することができた(実施例8〜17)。さらに保護層の屈折率や厚みを適宜変更することで、光学特性も調整することができた(実施例16〜19)。
導電層を設けない場合(比較例1)は、タッチパネルが動作しない。保護層を設けない場合(比較例2)、保護層を設けたとしても無機ケイ素酸化物のみである場合(比較例4〜6)は、導電層の種類に関係なく打鍵耐久性が悪かった。また、保護層に無機ケイ素酸化物を含有しない場合(比較例7、8)や無機ケイ素酸化物と共に含有する樹脂が(i)〜(iii)以外の樹脂である(比較例8、9)場合は、打鍵耐久性だけでなく耐久性(耐熱性、耐湿熱性)も劣るものとなった。さらに保護層を設けない場合は、光学特性が悪かった。
本発明は、タッチパネルの点荷重に対する耐久性、すなわち打鍵耐久性の向上を図り、且つ、良好な耐久性と、導電層側の反射率が低く良好な光学特性とを併せ持つ導電積層体に関するものである。またさらに、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連および太陽電池モジュールなどの使用される電極部材にも使用される導電積層体に関するものである。
1:基材
2:下地樹脂層
3:導電層
4:保護層
5:主鎖の幹ポリマー
6:側鎖部位に枝ポリマーとして結合しているシリコーン
7:積層面に垂直な方向より観察した導電面
8:カーボンナノチューブ(線上構造体の一例)
9:金属や金属酸化物のナノワイヤー(線上構造体の一例)
10:金属酸化物のウィスカーや繊維状のような針状結晶(線上構造体の一例)
11:導電性薄膜
12:主鎖の幹ポリマー
13:分岐した側鎖
14:親水基
15:上部電極
16:下部電極
17:上部電極の基材
18:下部電極の基材
19:ハードコート層
20:ドットスペーサー
21:両面接着テープ
22:空間
23:電源
24:ペン
100:反応器
101:石英焼結板
102:密閉型触媒供給機
103:触媒投入ライン
104:原料ガス供給ライン
105:排ガスライン
106:加熱器
107:点検口
108:触媒

Claims (8)

  1. 基材の少なくとも片面に、基材側から導電層、無機ケイ素酸化物を用いてなる保護層の順に積層されてなる導電積層体であって、該無機ケイ素酸化物を用いてなる保護層中に下記(i)〜(iii)に記載の樹脂からなる群のうち少なくとも1種を含有する樹脂組成物Aを含有せしめてなる導電積層体。
    (i)シリコーングラフト樹脂
    (ii)シリコーンレジン樹脂
    (iii)変性シリコーン樹脂
  2. 前記保護層に含有される前記樹脂組成物Aの総含有率(質量%)が、前記保護層の全質量に対して5質量%以上20質量%以下である請求項1に記載の導電積層体。
  3. 前記保護層において、前記無機ケイ素酸化物と樹脂組成物A中の前記(i)〜(iii)記載のいずれかの樹脂同士とが結合されてなる請求項1又は2に記載の導電積層体。
  4. 前記保護層側の反射率曲線の極小値が350〜550nmの波長範囲にあり、且つ波長380〜780nmにおける保護層側の平均反射率が4%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の導電積層体。
  5. 前記導電層が線状構造体を含有してなる請求項1〜4のいずれかに記載の導電積層体。
  6. 保護層側から入射した際のJIS K7361−1(1997年)に基づいた全光線透過率が80%以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の導電積層体。
  7. タッチパネル用に用いられる請求項1〜6のいずれかに記載の導電積層体。
  8. 請求項7に記載の導電積層体を用いてなるタッチパネル。
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