JP2011100890A - SiC結晶成長層の製造方法およびバイポーラ型半導体素子 - Google Patents

SiC結晶成長層の製造方法およびバイポーラ型半導体素子 Download PDF

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Abstract

【課題】層厚さが厚くてもSiC結晶中にある炭素空孔を低減できるSiC結晶成長層の製造方法を提供する。
【解決手段】SiC結晶成長層としてのドリフト層23を成長させる工程内に、シリコン原料ガスであるシランと炭素原料ガスであるプロパンのうちのプロパンのみを結晶成長表面に供給する第2の期間を設けている。このことで、結晶成長表面の炭素の過飽和度を上げ、成長途中の表面に過剰な格子間炭素を発生させる。これにより、成長後のSiC結晶成長層としてのドリフト層23の表面から離れている比較的深い箇所での炭素空孔を減少させることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、SiC結晶成長層の炭素空孔を低減できるSiC結晶成長層の製造方法およびオン電圧を低減できるSiCバイポーラ型半導体素子に関する。
例えば、SiCで30kV級の半導体素子を作製する場合、ドリフト層の厚さを300μm以上にする必要がある。このような厚いドリフト層を有するSiC半導体素子では、オン電圧を4V以下にするためには、15μ秒以上のキャリアライフタイムが必要となる。すなわち、高耐圧半導体素子では、そのオン電圧を十分に下げるためにキャリアライフタイムを十分に長くする必要がある。
しかし、上記厚いドリフト層を有するSiC半導体素子では、実使用時と同じようなキャリアの注入が多い状態で測定されたキャリアライフタイムは3μ秒程度と短くなっている。
このようなキャリアライフタイムの低下は、特許文献1(特開2008‐053667号公報)では、SiC結晶中にある炭素空孔が原因であることが記載されている。この特許文献1では、SiC結晶成長終了後に、SiC結晶に炭素イオンを注入することで格子間炭素原子をSiC結晶の表面に導入し、加熱により、上記格子間炭素原子を拡散させ、SiC結晶の炭素空孔を減少させて、ライフタイムを向上させる方法が開示されている。
しかし、上記方法では、SiC結晶からなるドリフト層が厚いと、SiC結晶の表面から導入した炭素原子をドリフト層全体に均一に拡散させることができない。このため、ドリフト層内の表面から離れている比較的深い箇所では炭素空孔を減少させることができなくなり、キャリアライフタイムが改善できなくなり、オン電圧を十分に下げることができないという問題がある。
特開2008−053667号公報
そこで、この発明の課題は、層厚さが厚くてもSiC結晶中にある炭素空孔を低減できるSiC結晶成長層の製造方法およびオン電圧を十分に下げることができるSiCバイポーラ型半導体素子を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のSiC結晶成長層の製造方法は、シリコン原料ガスと炭素原料ガスとを結晶成長表面に供給してSiC結晶成長層を成長させている途中に、上記結晶成長表面へのシリコン原料ガスの供給を中断するが上記結晶成長表面への上記炭素原料ガスの供給を継続する期間を設けることを特徴としている。
この発明のSiC結晶成長層の製造方法によれば、SiC結晶成長層を成長させる期間内に、シリコン原料ガスと炭素原料ガスのうちの炭素原料ガスのみを結晶成長表面に供給する期間を設けることで、結晶成長表面の炭素の過飽和度を上げ、成長途中の表面の過剰な炭素が格子間炭素となり、結晶中に拡散する。これにより、成長後のSiC結晶成長層の表面から離れている比較的深い箇所での炭素空孔を減少させることができる。よって、この発明によれば、キャリアライフタイムが長くオン電圧が低いSiC半導体素子のドリフト層を構成するSiC結晶成長層を作製できる。
また、一実施形態のSiC結晶成長層の製造方法では、上記SiC結晶成長層を成長させている途中に、上記結晶成長表面へのシリコン原料ガスの供給を中断するが上記結晶成長表面への上記炭素原料ガスの供給を継続する期間を複数設ける。
この実施形態によれば、SiC結晶成長層を成長させている期間内に、シリコン原料ガスと炭素原料ガスのうちの炭素原料ガスのみを結晶成長表面に供給する期間を複数回設けることとなる。これにより、成長途中に表面に過剰な炭素を複数回発生させ、格子間炭素を結晶中の深さの異なる複数箇所に拡散させるので、厚いSiC結晶成長層の比較的深い箇所から比較的浅い箇所までの範囲に亘って炭素空孔を減少させることができる。よって、この実施形態によれば、キャリアライフタイムが長くオン電圧が低くて高耐圧のSiC半導体素子の厚いドリフト層を構成するSiC結晶成長層を作製できる。
また、一実施形態のバイポーラ型半導体素子は、上記SiC結晶成長層の製造方法によって作製されたSiC結晶成長層をドリフト層として備えている。したがって、この実施形態によれば、キャリアライフタイムが長いSiC結晶成長層をドリフト層としたオン電圧が低いSiCバイポーラ型半導体素子を実現できる。
この発明のSiC結晶成長層の製造方法によれば、成長後のSiC結晶成長層の表面から離れている比較的深い箇所での炭素空孔を減少させることができる。よって、この発明によれば、キャリアライフタイムが長くオン電圧が低いSiCバイポーラ型半導体素子のドリフト層となるSiC結晶成長層を作製できる。
この発明のSiC結晶成長層の製造方法の第1実施形態によって作製したSiC結晶成長層をドリフト層として備えたSiC pinダイオードの断面を示す断面図である。 この発明のSiC結晶成長層の製造方法の第2実施形態によって作製したSiC結晶成長層をドリフト層として備えたnpnバイポーラトランジスタの断面を示す断面図である。 この発明のSiC結晶成長層の製造方法の第3実施形態によって作製したSiC結晶成長層をドリフト層として備えたバイポーラ半導体素子であるIGBTの断面を示す断面図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1に、この発明のSiC結晶成長層の製造方法の第1実施形態によって作製したSiC結晶成長層をドリフト層23として備えたSiC pinダイオード20の断面を示す。このSiC pinダイオード20は、第1の導電型としてのn型の4H型SiCで作製した基板21の上に、以下に説明する半導体層が形成されている。なお、4H型の「H」は六方晶を表し、4H型の「4」は原子積層が4層周期となる結晶構造を表している。
上記n型の4H型SiC基板21上に、順次、不純物濃度が5×1015cm−3のn型4H−SiC、p型(第2の導電型)4H−SiCをエピタキシャル成長させて、上記エピタキシャルpinダイオード20が作製されている。
図1に示すn型の4H型SiC基板21は、改良レーリー法によって成長させたインゴットをオフ角θを8度にしてスライスし、鏡面研磨することによって作製した。ホール効果測定法によって求めたSiC基板21のキャリヤ密度は8×1018cm−3、厚さは400μmである。
カソードとなる基板21のC面(カーボン面)に、CVD法によって窒素ドープn型SiC層(n型成長層)とアルミニウムドープp型SiC層(p型成長層)を順次エピタキシャル成長で形成する。上記窒素ドープn型SiC層であるn型成長層が、図1に示すn型のバッファ層22とn型のドリフト層23となる。バッファ層22はドナー密度7×1017cm−3、膜厚は10μmである。なお、バッファ層22は必ずしも必要ではなくこれを形成しない場合もある。一方、ドリフト層23はドナー密度約5×1015cm−3、膜厚は300μmである。
一方、上記アルミニウムドープp型SiC層であるp型成長層が、アノードとなるp型接合層24とp+型コンタクト層25となる。このp型接合層24はアクセプタ密度5×1017cm−3、膜厚は1.5μmである。また、p+型コンタクト層25はアクセプタ密度約1×1018cm−3、膜厚は0.5μmである。
上述の如く、このpinダイオード20は、上記SiC基板21の上にn型バッファ層22、n型ドリフト層23、p型接合層24およびp+型コンタクト層25を順次形成したものであるが、作製時の処理条件を以下により詳しく説明する。
先ず、このpinダイオード20は、材料ガスとして、シラン(SiH)およびプロパン(C)を用いる。ドーパントガスとして窒素(N)およびトリメチルアルミニウム(Al(CH)) を用いる。また、キャリアガスとして水素(H)を用いる。各ガスの流量は、sccm(standard cc per minute)または、slm(standard liter minute)で表す。圧力は、kPa(kilo pascal)で表す。また、以下の説明において、各ガスの名称の後に付したかっこ内の数値は流量を表す。また、基板21の温度は1550℃に保たれており、処理チャンバー内の圧力は5.6kPaに保たれている。
SiC基板21のC面にn型SiC成長層であるバッファ層22を形成する工程では、シリコン原料ガスとしてのシラン(30sccm)、炭素原料ガスとしてのプロパン(12sccm)、窒素(30sccm)およびキャリアガスとしての水素(10slm)を供給する。この工程の処理時間は40分である。
次に、n型SiC成長層であるドリフト層23の形成工程では、先ず、第1の期間で、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、窒素(0.2sccm)およびキャリアガスとしての水素(10slm)を200分間供給し、次に第2の期間で、シリコン原料ガスとしてのシランの供給を停止すると共に炭素原料ガスとしてのプロパン(12sccm)、窒素(0.2sccm)および水素(10slm)を5分間だけ供給する。次に、第3の期間で、上記シランの供給だけでなく上記プロパンの供給も停止してHCl(塩化水素)ガスを30sccmで5分間流す。
そして、この第1の期間と第2の期間と第3の期間とからなる1つのサイクルを5サイクルだけ繰り返す。次に、第4の期間で、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、窒素(0.2sccm)およびキャリアガスとしての水素(10slm)を200分間供給する。これにより、膜厚300μmのn型SiC成長層であるドリフト層23を形成する。
上記ドリフト層23の形成工程は、この発明のSiC結晶成長層の製造方法の第1実施形態をなす。この第1実施形態によれば、SiC結晶成長層としてのドリフト層23を成長させている工程内に、シリコン原料ガスであるシランと炭素原料ガスであるプロパンのうちのプロパンのみを結晶成長表面に供給する第2の期間を設けている。このことで、結晶成長表面の炭素の過飽和度を上げ、成長途中の表面に過剰な炭素を発生させて格子間炭素として結晶中に拡散させる。これにより、成長後のSiC結晶成長層としてのドリフト層23の表面から離れている比較的深い箇所での炭素空孔を減少させることができる。
また、この第1実施形態によれば、SiC結晶成長層としてのドリフト層23を成長させる期間内に、シランとプロパンのうちのプロパンのみを結晶成長表面に供給する第2の期間を5回設けている。これにより、ドリフト層23の成長途中に表面に過剰な炭素を5回発生させて格子間炭素として結晶中の深さの異なる5箇所に拡散させるので、膜厚300μmの厚いドリフト層23の比較的深い箇所から比較的浅い箇所までの範囲に亘って炭素空孔を減少させることができる。よって、この実施形態によれば、膜厚300μmの厚いドリフト層23のキャリアライフタイムを十分長くにすることができ、オン電圧が低くて30kV級の高耐圧のSiC pinダイオードを実現可能になる。例えば、実使用時と同じようなキャリアの注入が多い状態で測定されたキャリアライフタイムを15μ秒以上にすることができると共に、室温における順方向電流密度100A/cmでのオン電圧を4V以下にできた。
なお、上記ドリフト層23の形成工程では、上記第1の期間と第2の期間と第3の期間とからなる1つのサイクルを5サイクルだけ繰り返したが、この繰り返し回数は6サイクル以上でもよく、4サイクル以下でもよい。
次に、P型接合層24の形成工程では、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、トリメチルアルミニウム(15sccm)および水素(10slm)を供給する。この工程の処理時間は6分である。また、p+型コンタクト層25の形成工程では、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、トリメチルアルミニウム(30sccm)および水素(10slm)を供給する。この工程の処理時間は2分である。
上記の各形成工程の処理により、このpinダイオード用のSiCエピタキシャルウェーハを作製できる。なお、上述のようなエピタキシャル成長の後、基板21の全ての部分をCMP(化学的機械的研磨)にて除去してもよい。
次に、上記SiCエピタキシャルウェーハに、次に説明する加工を施すことによって、図1に示すpinダイオード20を作製できる。
まず、反応性イオンエッチング(RIE)によりSiCエピタキシャルウエーハの両端部を除去してメサ構造に加工する。このRIEにおけるエッチングガスとしては、CF(4弗化炭素)とOを用いて、プラズマ処理装置により、圧力5Pa、高周波電力260Wの条件で深さ約2.5μmまでエッチングした。また、このときのマスク材料として、CVDによって堆積したSiO膜(厚さ10μm)を用いた。
次に、エッチングにより形成したメサ底部での電界集中を緩和するために、メサ底部に幅250μm、深さ0.7μmのp型JTE(ジャンクション・ターミネーション・エクステンション)26を設けた。このp型JTE26は、Alイオン注入により形成した。このAlイオン注入のエネルギーは30〜450keVの間で6段階に変え、トータルドーズ量は1.2×1013cm−2である。また、このp型JTE26の形成時には、JTE26の注入層がボックスプロファイルとなるように設計した。イオン注入は全て室温で行い、イオン注入のマスクには、グラファイト(厚さ5μm)を用いた。注入イオンの活性化のための熱処理をアルゴンガス雰囲気中で1700℃、3分の条件で行った。アニールの後、温度1200℃、3時間のウェット酸化により保護膜としての熱酸化膜27を形成した。なお、図1において、30は、絶縁保護膜(もしくは酸化膜)である。
次に、基板21の下面に、Ni(厚さ350nm)を形成しカソード電極28とする。P+型コンタクト層25上に、Ti(チタン:厚さ350nm)とAl(アルミニウム:厚さ100nm)の膜をそれぞれを蒸着し、アノード電極29とする。アノード電極29は、Ti層29aとAl層29bから構成されている。最後に、1000℃で20分間の熱処理を行って、カソード電極28およびアノード電極29をそれぞれオーミック電極にする。pn接合のサイズは直径が2.6mmφでありほぼ円形である。なお、このpinダイオード20ではアルミニウムイオン注入によってp型JTE26を形成したが、ボロン(B)のイオン注入を用いた場合でも同様の効果がある。
このpinダイオード20の耐電圧は30kVであり、オン電圧(室温,順方向電流密度100A/cm)は4.0V以下であった。
また、このpinダイオード20は、室温における順方向電流密度100A/cmでの通電開始直後と1時間通電後の順方向電圧差ΔVfは、0.1V以下でほとんど差がなく、1時間の通電後もほとんど劣化していなかった。
一方、上記実施形態におけるドリフト層23の形成工程で、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、窒素(0.2sccm)およびキャリアガスとしての水素(10slm)を連続的に1200分間供給して膜厚300μmのn型SiCドリフト層を形成した以外は、上述と同様の製造工程で比較例としてのpinダイオードを作製した。
この比較例のpinダイオードでは、耐電圧は30kVであり、オン電圧(室温,順方向電流密度100A/cm)は20Vであった。また、この比較例のpinダイオードでは、室温における順方向電流密度100A/cmでの通電開始直後と1時間通電後の順方向電圧差ΔVfは、0.1Vであった。
以上のように、本実施形態のSiC結晶成長層の製造方法によれば、高耐圧のための厚いドリフト層23のキャリアライフタイムを十分に長くでき、オン電圧が低くて高耐圧のSiC pinダイオードを実現できる。
尚、上記実施形態では、ドリフト層23の厚さを300μmとしたが、ドリフト層23の厚さを300μm以上としてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、図2に、この発明のSiC結晶成長層の製造方法の第2実施形態によって作製したSiC結晶成長層をドリフト層53として備えたnpnバイポーラトランジスタ50の断面を示す。このnpnバイポーラトランジスタ50は、n型の4H型SiCの基板51を採用している。この基板51は、面方位が(000−1)カーボン面2から8度のオフ角θの面を持つ。このn型の4H型SiCの基板上に、n型4H−SiC、p型4H−SiC、n型4H−SiCの順番で連続的にエピタキシャル成長させることで作製されている。
n型の4H型SiCの基板51は、改良レーリー法によって成長したインゴットをオフ角θが8度となるようにスライスし、鏡面研磨することによって作製した。コレクタとなる基板51はn型であり、ホール効果測定法によって測定したキャリヤ密度は8×1018cm−3、厚さは400μmである。この基板51のC面(カーボン面)の上に、CVD法によって窒素ドープn型SiC層のバッファ層52とドリフト層53を成膜する。
このドリフト層53の上にアルミドープp型SiCのp型成長層54、および窒素ドープn型SiC層のn型成長層55を順番にエピタキシャル成長法で成膜した。バッファ層52とドリフト層53がn型コレクタ層になる。バッファ層52はドナー密度7×1017cm−3、膜厚は10μmである。
一方、上記ドリフト層53はドナー密度約5×1015cm−3、膜厚は300μmである。また、p型ベース層となるp型成長層54はアクセプタ密度2×1017cm−3、膜厚は1μmである。また、n型成長層55はドナー密度約7×1017cm−3、膜厚は0.75μmである。
次に、上記npnバイポーラトランジスタ50の製造工程を説明する。
n型の4H型SiCの基板51は、改良レーリー法によって成長したインゴットをオフ角θが8度となるようにスライスし、鏡面研磨することによって作製した。コレクタとなる基板51はn型であり、ホール効果測定法によって測定したキャリヤ密度は8×1018cm−3、厚さは400μmである。この基板51のC面の上に、CVD法によって窒素ドープn型SiC層のバッファ層52とドリフト層53を成膜する。
まず、材料ガスとして、シラン(SiH)およびプロパン(C)を用いる。ドーパントガスとして窒素(N)およびトリメチルアルミニウム{Al(CH)}を用いる。また、キャリアガスとして水素(H)を用いる。各ガスの流量は、sccm(standard cc per minute)または、slm(standard liter minute)で表す。また、圧力は、kPa(kilo pascal)で表す。そして、以下の説明において、各ガスの名称の後に付したかっこ内の数値は流量を表す。SiC基板51の温度は1550℃に保たれており、処理チャンバー内の圧力は5.6kPaに保たれている。
SiC基板51にn型SiC層であるバッファ層52を形成する工程では、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、窒素(30sccm)および水素(10slm)を供給する。この工程の処理時間は40分である。
また、n型SiC層であるドリフト層53を形成する工程では、先ず、第1の期間で、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、窒素(0.2sccm)および水素(10slm)を200分間供給し、次に第2の期間で、シリコン原料ガスとしてのシランの供給を停止すると共に炭素原料ガスとしてのプロパン(12sccm)、窒素(0.2sccm)および水素(10slm)を5分間だけ供給する。次に、第3の期間で、上記シランの供給だけでなく上記プロパンの供給も停止してHCl(塩化水素)ガスを30sccmで5分間流す。
そして、この第1の期間と第2の期間と第3の期間とからなる1つのサイクルを5サイクルだけ繰り返す。次に、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、窒素(0.2sccm)およびキャリアガスとしての水素(10slm)を200分間供給する。これにより、膜厚300μmのn型SiC成長層であるドリフト層53を形成する。このドリフト層53の形成工程の処理時間は、(200分+5分+5分)×5+200分)=1250分である。
上記ドリフト層53の形成工程は、この発明のSiC結晶成長層の製造方法の第2実施形態をなす。この第2実施形態によれば、SiC結晶成長層としてのドリフト層53を成長させている工程内に、シリコン原料ガスであるシランと炭素原料ガスであるプロパンのうちのプロパンのみを結晶成長表面に供給する第2の期間を設けている。このことで、結晶成長表面の炭素の過飽和度を上げ、成長途中の表面に過剰な炭素を発生させて格子間炭素として結晶中に拡散させる。これにより、成長後のSiC結晶成長層としてのドリフト層53の表面から離れている比較的深い箇所での炭素空孔を減少させることができる。
また、この第2実施形態によれば、SiC結晶成長層としてのドリフト層53を成長させる期間中に、シランとプロパンのうちのプロパンのみを結晶成長表面に供給する第2の期間を5回設けている。これにより、ドリフト層53の成長途中に表面に過剰な炭素を5回発生させて格子間炭素として結晶中の深さの異なる5箇所に拡散させるので、膜厚300μmの厚いドリフト層53の比較的深い箇所から比較的浅い箇所までの範囲に亘って炭素空孔を減少させることができる。よって、この実施形態によれば、膜厚300μmの厚いドリフト層53のキャリアライフタイムを十分長くすることができ、オン電圧が低くて高耐圧のSiC npnバイポーラトランジスタを実現可能になる。
なお、上記ドリフト層53の形成工程では、上記第1の期間と第2の期間と第3の期間とからなる1つのサイクルを5サイクルだけ繰り返したが、この繰り返し回数は6サイクル以上でもよく、4サイクル以下でもよい。
次に、p型成長層54の形成工程では、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、トリメチルアルミニウム(6sccm)および水素(10slm)を供給する。この工程の処理時間は4分である。また、n型成長層55の形成工程では、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、窒素(30sccm)および水素(10slm)を供給する。この工程の処理時間は3分である。
上記の各工程の処理により、このnpnバイポーラトランジスタ50用のSiCエピタキシャルウェーハを作製できる。なお、上述のようなエピタキシャル成長の後、基板51の全ての部分をCMP(化学的機械的研磨)にて除去してもよい。
このnpnバイポーラトランジスタ50では、ドリフト層53は、ドナー密度が約5×1015cm−3、膜厚は300μmである。
次に、上記SiCエピタキシャルウェーハに、次に説明する加工を施すことによって、図2に示すnpnバイポーラトランジスタ50を作製できる。
まず、反応性イオンエッチング(RIE)によりn型成長層55を幅10μm、深さ0.75μm、ピッチ23μmでエッチングし、エミッタとなるn型成長層55を残す。このRIEのエッチングガスとしては、CFとOを用い、圧力は0.05Torr、高周波電力260Wの条件でエッチングした。また、このときのマスク材料として、CVDによって堆積したSiO膜(厚さ10μm)を用いた。
次に、ベース領域において素子分離を行うために、反応性イオンエッチング(RIE)によりメサ構造にする。このRIEのエッチングガスにはCFとOを用い、圧力は0.05Torr、高周波電力260Wの条件で深さ約1μmまでエッチングした。このときのマスク材料として、CVDによって堆積したSiO膜(厚さ10μm)を用いた。
このnpnバイポーラトランジスタ50では、ベース端部での電界集中を緩和するためのガードリング56と、ベースのコンタクト領域57を同一プロセスのAl(アルミニウム)イオン注入によって形成した。ベースのコンタクト領域57は幅3μmでエミッタとの間隔は5μmであり、p型ガードリング56の幅は150μmである。コンタクト領域57,p型ガードリング56の深さは共に0.5μmである。
p型ガードリング56、ベースのコンタクト領域57を形成する時のAlイオン注入のエネルギーは40〜560keVであり、トータルドーズ量は1.0×1013cm−2である。このイオン注入のマスクとしては、CVDにより形成したSiO膜(厚さ5μm)を用いた。また、イオン注入はすべて室温で行い、注入イオン活性化のための熱処理はアルゴンガス雰囲気中の温度1600℃、時間5分の条件で行った。
次に、アニールの後、温度1150℃で2時間のウェット酸化によって熱酸化膜を形成し、さらにCVDによってSiO膜を堆積させ、合計2μmの酸化膜58を形成した。
次に、SiC基板51の下面にコレクタ電極59Cを形成する。また、ベースのコンタクト領域57にベース電極59Bを形成する。また、エミッタ領域55にNiを蒸着してエミッタ電極69を形成する。次に、1000℃、20分間の熱処理を行ってそれぞれオーミック接合を形成した。最後に、ベース電極59Bおよびエミッタ電極69をTi/Au電極70で覆って各電極端子を形成した。接合部の大きさは3.2mm×3.2mmである。なお、このnpnバイポーラトランジスタ50では、Alイオン注入によってガードリング56を形成したが、B(硼素)イオン注入を用いた場合でも同様の効果がある。
こうして作製したnpnバイポーラトランジスタ50の耐圧は30kVである。オン抵抗は10.0mΩcmであり、最大電流増幅率は約15であった。このnpnバイポーラトランジスタ50にベース電流0.6A、コレクタ電流7A(コレクタ電流密度100A/cm)を1時間通電し、通電前後の室温でのコレクタ特性をカーブトレーサで測定した。その結果、この実施形態のnpnバイポーラトランジスタ50では、通電開始直後と1時間通電後ともオン抵抗は10.0mΩ/cmであり、順方向電圧の変化は殆んどなかった。上記npnバイポーラトランジスタ50の最大電流増幅率は通電開始直後と1時間通電後とでほとんど変化がなく約15であった。
一方、上記実施形態におけるドリフト層53の形成工程で、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、窒素(0.2sccm)およびキャリアガスとしての水素(10slm)を連続的に1200分間供給して膜厚300μmのドリフト層を形成した以外は上述と同様の製造工程で比較例としてのnpnトランジスタを作製した。この比較例のnpnトランジスタでは、耐圧は30kVであり、オン抵抗は100.0mΩcmであり、最大電流増幅率は約2であった。また、この比較例のnpnトランジスタに、ベース電流0.6A、コレクタ電流7A(コレクタ電流密度100A/cm)を1時間通電し、通電前後の室温でのコレクタ特性をカーブトレーサで測定した。その結果、この比較例のnpnバイポーラトランジスタでは、通電開始直後ではオン抵抗が100.0mΩcmであったが、1時間通電後も100.0mΩcmであり変わらなかった。また、この比較例のnpnバイポーラトランジスタの室温での最大電流増幅率は、通電初期は約2であったが、1時間通電後も約2であり変わらなかった。
これに対し、本実施形態のSiC結晶成長層の製造方法によれば、上述の如く、高耐圧のための厚いドリフト層53のキャリアライフタイムを十分に長くでき、オン抵抗が低くて高耐圧のSiC npnバイポーラトランジスタ50を実現できる。また、本実施形態によるnpnバイポーラトランジスタ50は上記1時間の通電試験後でもほとんど順方向電圧劣化は生じていなかった。
(第3の実施の形態)
次に、図3に、この発明のSiC結晶成長層の製造方法の第3実施形態によって作製したSiC結晶成長層をドリフト層73として備えたバイポーラ半導体素子であるIGBT(インシュレーテッド・ゲート・バイポーラトランジスタ)80の断面を示す。
このIGBT80は、n型の4H型SiCによる基板71上に、膜厚の時間(h)当たりの増加速度が15μm/hで、p型4H−SiC層、n型4H−SiC層、p型4H−SiC層の順番で3つの層をエピタキシャル成長させ、以下に詳しく説明するようにして、IGBT80を作製した。このIGBT80では、p層とn層の主たる接合面(図において紙面に垂直な方向に広がる面)は、{0001}面となっている。
次に、このIGBT80の作製方法を説明する。すなわち、面方位が、(000−1)カーボン面から3.5度のオフ角θの面をもつn型の4H型SiCを用いた基板上に、15μm/hの成膜速度で、p型4H−SiC層、n型4H−SiC層、p型4H−SiC層を順次形成する。
上記SiC基板71は、改良レーリー法によって成長したインゴットを(000−1)カーボン面から3.5度傾いた面でスライスし、鏡面研磨することによって作製した。コレクタとなる基板71はn型で、厚さは400μm、ホール効果測定法によって求めたキャリヤ密度は5×1018cm−3である。
このSiC基板71上に、CVD法によって、アルミニウムドープp型SiC層、窒素ドープn型SiC層、アルミニウムドープp型SiC層の三層を連続的にエピタキシャル成長した。このp型SiC層は、図3のバッファ層72とドリフト層73となる。このバッファ層72はアクセプタ密度が1×1017cm−3、膜厚は3μmである。また、ドリフト層73はアクセプタ密度が約5×1015cm−3、膜厚は300μmである。また、ドリフト層73の上に形成されるn型成長層74はドナー密度2×1017cm−3、膜厚は2μmである。このn型成長層74の上に形成されるp型成長層75はアクセプタ密度が約1×1018cm−3、膜厚は0.75μmである。
次に、このIGBT80を作製するときの処理条件を説明する。
まず、材料ガスとして、シラン(SiH)およびプロパン(C)を用いる。また、ドーパントガスとして窒素(N)およびトリメチルアルミニウム{Al(CH)}を用いる。また、キャリアガスとして水素(H)を用いる。ここで、各ガスの流量は、sccm(standard cc per minute)または、slm(standard liter minute)で表す。また、圧力は、kPa(kilo pascal)で表す。また、以下の説明において、各ガスの名称の後に付したかっこ内の数値は流量を表す。
基板71の温度は1550℃に保たれており、処理チャンバー内の圧力は5.6kPaに保たれている。n型SiC基板71のC面上にp型SiCバッファ層72を形成する工程では、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、トリメチルアルミニウム(3sccm)および水素(10slm)を供給する。この工程の処理時間は12分である。
次に、p型SiCドリフト層73の形成工程では、先ず、第1の期間で、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、トリメチルアルミニウム(0.15sccm)および水素(10slm)を200分間供給し、次に第2の期間で、炭素原料ガスとしてのプロパンの供給を停止すると共にシリコン原料ガスとしてのシラン(30sccm)、トリメチルアルミニウム(0.15sccm)および水素(10slm)を5分間だけ供給する。次に、第3の期間で、上記シランの供給だけでなく上記プロパンの供給も停止してHCl(塩化水素)ガスを30sccmで5分間流す。そして、この第1の期間と第2の期間と第3の期間からなる1つのサイクルを5サイクルだけ繰り返す。
次に、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、トリメチルアルミニウム(0.15sccm)およびキャリアガスとしての水素(10slm)を200分間供給する。これにより、膜厚300μmのp型SiC成長層であるドリフト層73を形成する。このドリフト層73の形成工程の処理時間は、(200分+5分+5分)×5+200分)=1250分である。
このドリフト層73の形成工程は、この発明のSiC結晶成長層の製造方法の第3実施形態をなす。この第3実施形態によれば、SiC結晶成長層としてのドリフト層73を成長させる工程内に、シリコン原料ガスであるシランと炭素原料ガスであるプロパンのうちのプロパンのみを結晶成長表面に供給する第2の期間を設けている。このことで、結晶成長表面の炭素の過飽和度を上げ、成長途中の表面に過剰な炭素を発生させて格子間炭素として結晶中に拡散させる。これにより、成長後のSiC結晶成長層としてのドリフト層73の表面から離れている比較的深い箇所での炭素空孔を減少させることができる。
また、この第3実施形態によれば、SiC結晶成長層としてのドリフト層73を成長させている期間内に、シランとプロパンのうちのプロパンのみを結晶成長表面に供給する第2の期間を5回設けている。これにより、ドリフト層73の成長途中に表面に過剰な炭素を5回発生させて格子間炭素として結晶中の深さの異なる5箇所に拡散させるので、膜厚300μmの厚いドリフト層73の比較的深い箇所から比較的浅い箇所までの範囲に亘って炭素空孔を減少させることができる。よって、この実施形態によれば、膜厚300μmの厚いドリフト層73のキャリアライフタイムを十分長くすることができ、オン電圧が低くて高耐圧のSiC IGBTを実現可能になる。
なお、上記ドリフト層73の形成工程では、上記第1の期間と第2の期間と第3の期間からなる1つのサイクルを5サイクルだけ繰り返したが、この繰り返し回数は6サイクル以上でもよく、4サイクル以下でもよい。
次に、n型成長層74の形成工程では、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、窒素(9sccm)および水素(10slm)を供給する。この工程の処理時間は8分である。また、p型成長層75の形成工程では、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、トリメチルアルミニウム(30sccm)および水素(10slm)を供給する。この工程の処理時間は3分である。上記の各工程での処理により、このIGBT80用のSiCエピタキシャルウェーハができる。
次に、上記SiCエピタキシャルウェーハに、次に説明する加工を施すことによって、図3に示すIGBT80を作製できる。なお、上述のようなエピタキシャル成長の後、基板71の全ての部分をCMP(化学的機械的研磨)にて除去してもよい。
まず、フォトリソグラフ法を用いて、p+成長層75の中央部をRIEでエッチングして、孔76aを設け、窒素をイオン注入することにより、エミッタとなるコンタクト領域76を形成する。次に、ゲート領域を形成するために、RIEによりp+成長層75とn+成長層74をエッチングして孔78a(図3では2つ)をあける。次に、孔78aの壁面にMOS構造を形成するために、CVDによりSiO膜を堆積させ、絶縁膜77を形成する。次に、基板71のコレクタ領域にNiを蒸着してコレクタ端子79Cとする。また、コンタクト領域76にエミッタ電極79を蒸着する。次に、熱処理を行って、それぞれオーミック接合を形成する。さらに、絶縁膜77の上にMo電極を形成しゲート電極78とする。
こうして完成したIGBT80の耐電圧は、30kV、オン抵抗は15.0mΩcmであり、コレクタ−エミッタ間電圧は−15Vである。また、このIGBT80に、−40Vのゲート電圧を印加し、コレクタ電流1.4Aを1時間通電し、通電開始時と1時間通電後の室温でのコレクタ特性をカーブトレーサで測定した。このIGBT80では、通電直後と1時間通電後のコレクタ−エミッタ間電圧はともに−15Vであり、変化がなく、従ってほとんど劣化していないことが判った。
一方、上記実施形態におけるドリフト層73の形成工程で、シラン(30sccm)、プロパン(12sccm)、トリメチルアルミニウム(0.15sccm)および水素(10slm)を連続的に1200分間供給して膜厚300μmのドリフト層を形成した以外は上述と同様の製造工程で比較例としてのIGBTを作製した。この比較例のIGBTでは、耐電圧は、30kV、オン抵抗は100.0mΩcmであり、コレクタ‐エミッタ間電圧は−40Vである。また、この比較例のIGBTに、−40Vのゲート電圧を印加し、コレクタ電流1.4Aを1時間通電し、通電開始時と1時間通電後の室温でのコレクタ特性をカーブトレーサで測定した。この比較例のIGBTでは、通電直後のコレクタ−エミッタ電圧は−40Vだったが、1時間通電後のコレクタ−エミッタ電圧も−40Vと変わらなかった。
これに対し、本実施形態のSiC結晶成長層の製造方法によれば、上述の如く、高耐圧のための厚いドリフト層73のキャリアライフタイムを十分に長くでき、オン抵抗が低くて高耐圧のSiC IGBT80を実現できる。
尚、以上では、この発明のSiC結晶成長層の製造方法の実施形態として、SiC pinダイオード、npnバイポーラトランジスタ、IGBTのドリフト層を作製する第1〜第3実施形態を説明したが、この発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、SIAFET、SIJFET、サイリスタ、GTO、MCT(Mos Controlled Thyristor)、SiCGT(SiC Commutated Gate Thyristor)、EST(Emitter Switched Thyristor)、BRT(Base Resistance Controlled Thyristor)などの各種の4H−SiCバイポーラ半導体素子のドリフト層の作製にも応用可能である。当然ながら、反対極性の素子(例えばnpnトランジスタに対するpnpトランジスタ)などの各種の4H−SiCバイポーラ素子にも変形応用可能であり、6H−SiCなどの多の結晶構造を用いたSiCバイポーラ素子に適用できるものである。
この発明のSiC結晶成長層の製造方法は、高耐圧でオン電圧が低いSiC半導体素子のドリフト層をなすSiC結晶成長層を製造するのに適している。また、この発明のSiCバイポーラ型半導体素子は、通電損失を抑制でき、大電流での使用が可能となるので、一例として、家電分野、産業分野、電気自動車などの車両分野、送電などの電力系統分野等において、例えばインバータなどの電力制御装置等に組み込まれて使用される電力制御装置に適用すると、信頼性を向上できる。
20 pinダイオード
21 n型SiC基板
22 n型SiCバッファ層
23 n型SiCドリフト層
24 n型接合層
25 p+型コンタクト層
26 p型JTE
27 熱酸化膜
28 カソード電極
29 アノード電極
30 絶縁保護膜
50 npnバイポーラトランジスタ
51 n型SiC基板(コレクタ層)
52 n型SiCバッファ層(コレクタ層)
53 n型SiCドリフト層(コレクタ層)
54 p型成長層(ベース層)
55 n型成長層(エミッタ層)
56 p型ガードリング
57 コンタクト領域
58 酸化膜
59B ベース電極
69 エミッタ電極
70 Ti/Au電極
71 n型SiC基板
72 p型SiCバッファ層
73 p型SiCドリフト層
74 n型成長層
75 p型成長層
76 コンタクト領域
77 絶縁膜
78 ゲート電極
79C コレクタ端子
80 IGBT

Claims (3)

  1. シリコン原料ガスと炭素原料ガスとを結晶成長表面に供給してSiC結晶成長層を成長させている途中に、上記結晶成長表面へのシリコン原料ガスの供給を中断するが上記結晶成長表面への上記炭素原料ガスの供給を継続する期間を設けることを特徴とするSiC結晶成長層の製造方法。
  2. 請求項1に記載のSiC結晶成長層の製造方法において、
    上記SiC結晶成長層を成長させている途中に、上記結晶成長表面へのシリコン原料ガスの供給を中断するが上記結晶成長表面への上記炭素原料ガスの供給を継続する期間を複数設けることを特徴とするSiC結晶成長層の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のSiC結晶成長層の製造方法によって作製されたSiC結晶成長層をドリフト層として備えたバイポーラ型半導体素子。
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