JP2011099065A - ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP2011099065A
JP2011099065A JP2009255643A JP2009255643A JP2011099065A JP 2011099065 A JP2011099065 A JP 2011099065A JP 2009255643 A JP2009255643 A JP 2009255643A JP 2009255643 A JP2009255643 A JP 2009255643A JP 2011099065 A JP2011099065 A JP 2011099065A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyacetal
polymer
resin composition
polyacetal resin
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009255643A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5418157B2 (ja
Inventor
Akira Ito
顕 伊東
Satoshi Nagai
聡 長井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP2009255643A priority Critical patent/JP5418157B2/ja
Publication of JP2011099065A publication Critical patent/JP2011099065A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5418157B2 publication Critical patent/JP5418157B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

【課題】優れた靭性及び耐衝撃性を有するポリアセタール樹脂組成物およびその成形体を提供すること。
【解決手段】
(A)ポリアセタールと、(B)ポリエステル構造を有しそのポリエステル構造がジカルボン酸及びジオールからなる原料モノマーの重縮合反応により得られる第1重合体と、(C)脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリオールからなる群より選ばれる1種以上からなる第2重合体とを含み、原料モノマー中の芳香族成分のモル比が0モル%より大きく40モル%以下であり、ポリアセタール(A)及び第1重合体(B)の合計質量に対する第2重合体(C)の質量比が1以下であることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体に関する。
ポリアセタールは、脂肪族エーテル型、もしくは脂肪族エーテルを主成分としたポリマーであり、主として、石油に依存しない原料であるメタノールから誘導され、環境負荷の低い材料と考えられている。またポリアセタールは、剛性などの機械的特性も高く、エンジニアリングプラスチックスとして使用される優れた材料である。
一方、近年の地球規模での環境問題に対して、産業廃棄物が環境を汚染することを防止するために、生分解性(微生物分解性、または自然分解性)の素材が注目されている。そして、従来より、脂肪族エステル構造を有する重合体に生分解性があることは知られており、このような生分解性重合体の代表的なものとして、例えば発酵により生産されるL−乳酸および/またはD−乳酸を主たる原料としたポリ乳酸(PLA)などが知られている。これらの中で、PLAは、天然物由来からなる素材でもあり、CO排出量を少なくすることから注目されている。
このため、ポリアセタールとポリ乳酸との組成物に関する技術の開示が多数見られるようになっている(例えば特許文献1〜3)。
本発明者らも、脂肪族エステル構造を有する重合体とポリアセタールとの相溶性が高く、得られる樹脂組成物中のポリアセタールの結晶化度を低下させることにより、充分な生分解性を発現するとともに、機械的特性に優れた樹脂組成物を見出し(特許文献2)、更に特定のポリアセタールを用いることで靭性が著しく向上することを見出した(特許文献3)。
特開2008−274308号公報 特開2000−17153号公報 特開2008−038040号公報
しかし、上記特許文献1〜3に記載の組成物は、耐衝撃性および靭性の点では未だ不十分であり、更なる改善が期待されていた。
本発明は、優れた靭性及び耐衝撃性を有するポリアセタール樹脂組成物およびその成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアセタール(A)を含むポリアセタール樹脂組成物に、ポリエステル構造を有しそのポリエステル構造がジカルボン酸及びジオールからなる原料モノマーの重縮合反応により得られる第1重合体(B)、及び、脂肪族ポリエステル及びポリオールからなる群より選ばれる1種以上からなる第2重合体(C)を配合し、上記原料モノマー中の芳香族成分のモル比を所定の範囲に調整すると共にポリアセタール(A)と第1重合体(B)との合計に対する第2重合体(C)の質量比を一定値以下にすることが、ポリアセタール樹脂組成物の靭性及び耐衝撃性を顕著に向上させることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、(A)ポリアセタールと、(B)ポリエステル構造を有し前記ポリエステル構造がジカルボン酸及びジオールからなる原料モノマーの重縮合反応により得られる第1重合体と、(C)脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリオールからなる群より選ばれる1種以上からなる第2重合体とを含み、前記原料モノマー中の芳香族成分のモル比が0モル%より大きく40モル%以下であり、ポリアセタール(A)及び第1重合体(B)の合計質量に対する第2重合体(C)の質量比が1以下であることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物である。
上記ポリアセタール樹脂組成物においては、ポリアセタール(A)の1/2結晶化時間が100秒以上であることが好ましい。
この場合、ポリアセタール(A)の1/2結晶化時間が100秒未満である場合に比べて、靭性及び耐衝撃性をより向上させることができる。
上記ポリアセタール樹脂組成物においては、第1重合体(B)のISO1133に則ったMVR(Melt Volume Rate)が0〜100cm/10分であることが好ましい。この場合、成形加工性に優れるとともに、MVRが100cm/10分を超える場合に比べて機械物性(特に靭性)に優れるという利点がある。
上記ポリアセタール樹脂組成物においては、ポリアセタール(A)が、トリオキサン100質量部に対してコモノマーを5.0〜50質量部添加し、トリオキサンと、トリオキサン以外の1種または2種以上の環状ホルマーおよび/又は環状エーテルからなるコモノマーとを共重合して得られるポリアセタールコポリマーであることが好ましい。
また上記ポリアセタール樹脂組成物においては、第1重合体(B)に対するポリアセタール(A)の質量比が0.1/99.9〜99.9/0.1であることが好ましい。この場合、上記質量比が上記範囲を外れる場合に比べて顕著な効果の発現が期待できる。
また本発明は、上述したポリアセタール樹脂組成物を成形してなる成形体である。この成形体は、優れた靭性及び耐衝撃性を有するため、優れた靭性及び耐衝撃性の要求される種々の用途、例えば射出成形品、押出成形品、真空圧空成形品、ブロー成形品、繊維、マルチフィラメント、モノフィラメント、ロープ、網、織物、編物、不織布、フィルム、シート、ラミネート、容器、発泡体、釣り糸、漁網などに好適に適用可能である。
本発明によれば、優れた靭性及び耐衝撃性を有するポリアセタール樹脂組成物およびその成形体が提供される。
以下、本発明のポリアセタール樹脂組成物及びその成形体について説明する。
〔ポリアセタール樹脂組成物〕
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、(A)ポリアセタールと、(B)ポリエステル構造を有しそのポリエステル構造がジカルボン酸及びジオールからなる原料モノマーの重縮合反応により得られる第1重合体と、(C)脂肪族ポリエステル及びポリオールからなる群より選ばれる1種以上を含む第2重合体とを含むものである。以下、各成分について詳細に説明する。
(A)ポリアセタール
本発明におけるポリアセタールとしては、ホモポリアセタール樹脂およびポリアセタールコポリマー樹脂が挙げられる。これらは単独で又は混合して使用することができる。
本発明に用いるポリアセタール(A)としては、例えば、ホルムアルデヒドの3量体からなるトリオキサンと、エチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリキソカン、グリコールのホルマール、ジグリコールのホルマール等の炭素原子数2〜8の環状エーテルからなるコモノマーとの共重合により製造されるオキシアルキレン単位を含有するオキシメチレンコポリマーが用いられる。ここで、コポリマーとは、2元共重合体のみならず、多元共重合体も含む。従って、コポリマーとしては、例えば上記アセタールコポリマーに、更にオキシメチレン単位、オキシアルキレン単位以外のブロック構造を有するオキシメチレンブロックコポリマー、または、架橋、分岐構造を有するポリアセタール等を広く用いることができる。
本発明に用いるポリアセタールコポリマー樹脂は通常、トリオキサンに、1種あるいは2種以上の環状ホルマールおよび/または環状エーテルからなるコモノマーを添加し、トリオキサンとコモノマーとを共重合させることで得られる。中でも、トリオキサンとコモノマーとの共重合に際して、トリオキサン100質量部に対し、5.0〜50質量部のコモノマーを添加して得られるポリアセタールコポリマー樹脂が好ましい。この場合、熱安定性に優れると共に下記に記載するように結晶性を低くすることで他の樹脂との親和性がより向上する。ポリアセタールコポリマー樹脂としては、トリオキサンとコモノマーとの共重合に際し、8.0〜20質量部のコモノマーを添加して得られるポリアセタールコポリマー樹脂がより好ましい。
ポリアセタールは、当該ポリアセタールを200℃で3分間保持したあと、150℃で冷却した際の1/2結晶化時間が100秒以上であることが、他の樹脂との親和性をより向上させる観点から好ましく、より好ましくは150秒以上である。但し、1/2結晶化時間は好ましくは300秒以下である
こうして得られるポリアセタールは、優れた機械物性を有すると同時に結晶化性を抑えることで、第2重合体(C)の脂肪族ポリエステルや、ポリエステル構造を有する第1重合体(B)との親和性が極めて良好なものとなり、ポリアセタールの1/2結晶化時間が100秒未満である場合に比べて、ポリアセタール樹脂組成物の靭性及び耐衝撃性をより向上させることができる。
(B)第1重合体
本発明に用いる第1重合体(B)は、ポリエステル構造を含む重合体であり、そのポリエステル構造は、ジカルボン酸及びジオールからなる原料モノマーの重縮合反応により得られるものである。なお、原料モノマー中のジカルボン酸及びジオールの混合物の含有率は好ましくは100質量%である。この第1重合体としては、例えば、炭素原子数が2〜9個の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸と、炭素原子数が2〜9個の脂肪族ジオールを主成分として重縮合してなるポリエステルを用いることができる。このようなポリエステルとしては、例えば、BASF社製エコフレックス(登録商標)、DuPont社製バイオマックスなどが好適に用いられる。更に、第1重合体は、ポリエステル構造を含んでいれば、ポリエーテル構造をさらに含むものであってもよい。このような第1重合体としては、ポリエステルとポリエーテルとのブロック共重合体である熱可塑性ポリエステルエラストマーを用いることができる。このような熱可塑性ポリエステルエラストマーとして、具体的には、東洋紡績社製ペルプレンP−40Bなどを用いることができる。また第1重合体は、ポリエステル構造を含んでいれば、ポリ乳酸構造をさらに含むものであってもよい。このような第1重合体としては、ポリエステルとポリ乳酸とのブロック共重合体を用いることができる。具体的には、BASF社製エコバイオ(登録商標)などを用いることができる。
第1重合体は、ISO1133に則った評価方法にて測定されたMVR(Melt Volume Rate)が0〜100cm/10分であることが好ましい。第1重合体のMVRはより好ましくは1〜20cm/10分である。この場合、ポリアセタール樹脂組成物全体の溶融粘度の低下が防止されると共に、ポリアセタール中に分散した際の耐衝撃性がより向上する。
上記原料モノマー中、芳香族成分のモル比が0モル%より大きく40モル%以下である。上記モル比が40モル%を超えると、ポリアセタールが軟質化されず、靭性が顕著に低下するとともに、第1重合体のガラス転移点が0℃以上となり、室温以上の温度での物性変動が大きくなるため、耐衝撃性が顕著に低下する。上記モル比は5〜30モル%であることがより好ましい。芳香族成分とは、ジカルボン酸が芳香族ジカルボン酸であり、ジオールが脂肪族ジオールであれば、そのジカルボン酸が芳香族成分である。この場合は、原料モノマー中のジカルボン酸のモル比が芳香族成分のモル比となる。ジカルボン酸が脂肪族ジカルボン酸であり、ジオールが芳香族ジオールであれば、そのジオールが芳香族成分である。この場合は、原料モノマー中のジオールのモル比が芳香族成分のモル比となる。
(C)第2重合体
本発明に用いる第2重合体は、脂肪族ポリエステル及びポリオールからなる群より選ばれる1種以上を含むものである。脂肪族ポリエステルとしては、例えばポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリエステルカーボネートなどが例示され、その中でもポリ乳酸が好適に用いられる。
ポリオールとしては、ジカルボン酸とジオールとを重縮合させて得られ、数平均分子量が10,000以下であるポリエステルポリオールが用いられる。ジカルボン酸としては、炭素原子数が2〜9個の直鎖もしくは分岐構造を有する脂肪族ジカルボン酸やテレフタル酸、イソフタル酸のような芳香族ジカルボン酸や、トリカルボン酸、テトラカルボン酸を用いることができる。一方、ジオールとしては、炭素原子数が2個以上のジオールであって、直鎖、分岐の脂肪族ジオールが好ましく用いられる。またジオールとしては、芳香族ジオールを用いることもできる。
ポリオールとしては、上記ポリエステルポリオールと同じく、分子量が10,000以下のポリカーボネートジオールも同様に使用可能である。これは1種以上のジオールをカーボネート結合でつなげた構造を有しており、ジオールとしては、炭素原子数が2〜9個の直鎖もしくは分岐構造を有する脂肪族ジオールが好ましく用いられる。またジオールとしては、芳香族ジオールを用いることもできる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物においては、下記式:
質量比=M/〔M+M
(式中、Mはポリアセタール(A)の質量を表し、Mは第1重合体(B)の質量を表し、Mは第2重合体(C)の質量を表す。)
で表されるポリアセタール(A)及び第1重合体(B)の合計質量に対する第2重合体(C)の質量比が1以下である。この質量比が1を超えると、1以下である場合に比べて、靭性及び耐衝撃性が顕著に低下する。
上記質量比は、0.8以下であることが好ましい。但し、上記質量比は、0.01以上であることが、高い靭性と衝撃性を両立させる点から好ましい。
また第1重合体(B)に対するポリアセタール(A)の質量比(M/M)は、高い強度、剛性を維持させる観点からは、0.1/99.9〜99.9/0.1であることが好ましく、40/60〜99/1であることがより好ましい。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、本発明の本来の目的を損なわない範囲内で公知の添加剤および/または充填剤を添加することが可能である。添加剤としては、例えば結晶核剤、酸化防止剤、可塑剤、艶消し剤、発泡剤、潤滑剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、消臭剤、難燃剤、摺動剤、香料、抗菌剤等が挙げられる。また、充填剤としてはガラス繊維、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー等が挙げられる。さらに、顔料、染料を加えて所望の色目に仕上げることも可能である。また、エステル交換触媒、各種モノマー、カップリング剤(例えばジフェニルメタンジイソシアネートやこれをカルボジイミド変性、ウレタン変性したイソシアネート類、ジアリールカーボネート類など)、末端処理剤、その他の樹脂、木粉、でんぷんをはじめとする天然由来の有機フィラーを加えて変性することも可能である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物を製造するに際しては、樹脂の均一性、強度、外観性などからは成形前に全成分を均一混合することが好ましいが、各成分を添加剤や充填剤などと同時に混合し、直接成形に供しても良い。均一混合を行う場合には、少なくともポリアセタールが溶融する温度以上で機械的に混合することにより得ることができる。また本発明のポリアセタール樹脂組成物は、全成分が機械的に粉砕されたものを混合し、加圧することにより製造する方法や、全成分を溶剤に溶解した後に貧溶媒と混合し沈殿化することにより製造する方法、または全成分を溶剤に溶解したものをキャスト、もしくは紡糸して溶媒を除去することにより製造する方法を用いて製造することが可能であるが、本発明のポリアセタール樹脂組成物の製造方法はそれらに限定されるものではない。全成分の混合装置は特に限定されるものではないが、押出機を用いて混合する方法が、短時間で連続的に処理できる点で工業的には推奨される。
混合時の温度は100℃以下では樹脂の溶融粘度が高いか、または溶融しないため、具体的には100℃から300℃の範囲が好適である。300℃以上では樹脂の熱分解が起こるため好ましくない。300℃以下であっても高温下での着色や劣化、熱分解などを防止するために窒素雰囲気下で短時間に混合することが好ましい。具体的な混合時間としては20分以内が推奨される。また、樹脂中のオリゴマー、残存モノマー、発生ガスなどの除去のためにベント口を設置して減圧下に混合することも可能である。
〔成形体〕
本発明の成形体は、本発明のポリアセタール樹脂組成物を用いて成形された物品であり、具体的な成形形態としては、射出成形品、ブロー成形品、繊維、マルチフィラメント、モノフィラメント、ロープ、網、織物、編物、不織布、フィルム、シート、ラミネート、容器、発泡体、釣り糸、漁網が例示されるが、それらに限定されるものではない。特に、本発明の樹脂組成物は優れた靭性も併せ持つことから、ポリアセタールの単独品と比較してフィルム成形性、フィラメントへの紡糸性、延伸性に優れる。
得られるポリアセタール樹脂組成物およびその成形体は、高い機械物性と実用充分な軟化温度を有するとともに、土中、活性汚泥中、コンポスト中で微生物による分解の進行が期待される。この生分解性は、成形体を構成する(B)第1重合体や(C)第2重合体の分子量、各成分の混合比、成形品の厚みなどにより調節可能である。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下に示す実施例に制限されるものではない。
<実施例1〜5及び比較例1〜7>
まず実施例又は比較例で使用される(A)、(B)及び(C)の各成分としては、具体的には下記のものを使用した。
(A):ポリアセタール
(A−1)トリオキサンと1,3−ジオキソラン(コモノマー)とを共重合してなるアセタールコポリマー
1/2結晶化時間:100秒以上
コモノマー量:13質量%(トリオキサンとコモノマーとの合計に占める配合割合)
メルトインデックス:9.0g/10分
(A−2)トリオキサンと1,3−ジオキソラン(コモノマー)とを共重合してなるアセタールコポリマー
1/2結晶化時間:45秒
コモノマー量:4質量%(トリオキサンとコモノマーとの合計に占める配合割合)
メルトインデックス:9.0g/10分
(B)ポリエステル構造を有する第1重合体
(B−1)BASF社製エコフレックス(登録商標)
反応時のテレフタル酸含有率:全原料モノマー中の20モル%
MVR:3cm/10分
(B−2)東洋紡株式会社製ペルプレンP−40B
反応時のテレフタル酸含有率:全原料モノマー中の50モル%
メルトインデックス:12g/10分
(C):脂肪族ポリエステル及び/又はポリオ−ルからなる第2重合体
(C−1)ユニチカ株式会社製テラマックTP−4000
メルトインデックス:3g/10分
(C−2)DIC株式会社製ポリエステルポリオールOD−X−2554
(アジピン酸と1,4−ブタンジオールとを共重合してなるポリエステルポリオールであり、数平均分子量が約3000である)
なお、上記材料のメルトインデックス及び1/2結晶化時間については、以下のようにして測定した。
(メルトインデックス)
メルトインデックス(MI)は、ASTM−D1238に準じて、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
(1/2結晶化時間)
1/2結晶化時間は、パーキンエルマー社製ダイヤモンドDSCを用い、等温結晶化を行うことによって測定した。具体的には、4mgのサンプルをアルミパンに採取し、200℃で3分間完全に溶融させた後、直ちに150℃へ冷却し、そこから結晶化発熱ピークが現れるまでの時間を測定した。
実施例1〜5及び比較例1〜7のポリアセタール樹脂組成物の組成を表1に示す。実施例1〜5及び比較例1〜7のポリアセタール樹脂組成物を、株式会社池貝製の2軸押出機PCM−30を用い、シリンダー温度200℃でコンパウンドし、均一混合したペレットを得た。そして、得られたペレットを射出成形機で成形し、成形体を得た。
こうして得られた成形体について、機械特性、靭性、曲げ特性、及び耐衝撃性を以下のようにして評価した。
(機械特性)
機械特性は、成形体について引張試験を行い、引張強度を測定することにより評価した。このとき、引張試験は具体的には、ASTM D638規格の方法に従って、引張試験速度10mm/分で引張破断伸び(標線間)を測定した時の、引張強さ、引張伸びおよび引張弾性率を測定した。結果を表1に示す。
(靭性)
靭性は、引張破断伸びが100%以上であれば、靭性に優れるとして合格とし、引張伸びが100%未満であれば、靭性に劣るとして不合格とした。結果を表1に示す。
(曲げ特性)
曲げ特性は、成形体について、曲げ試験を行うことにより評価した。曲げ試験は、具体的には12.7mm×6.4mm×150mmの試験片を用い、ASTMD790に従って測定した。結果を表1に示す。
(耐衝撃性)
耐衝撃性は、引張衝撃試験を行い、引張衝撃強度を測定することにより評価した。引張衝撃強度は、23℃の室温下、厚み3.2mmの小型引張試験片を用いて、ASTM D1822に規定された方法に従い測定した。値が大きいほど衝撃強度に優れることを表す。評価に用いたサンプル(小型引張試験片)は、230℃の熱プレス成形機にて厚さ1mmのシートを作成し、成形後、室温23℃、湿度50%に調整された恒温室内で24時間以上状態調整して用いた。そして、引張衝撃強さが120kg・cm/cm以上であれば、耐衝撃性に優れるとして合格とし、引張衝撃強さが120kg・cm/cm未満であれば、衝撃性に劣るとして不合格とした。結果を表1に示す。

Figure 2011099065
表1に示すように、実施例1〜5のポリアセタール樹脂組成物は、靭性及び耐衝撃性のいずれも合格基準を満たしていた。これに対し、比較例1〜7のポリアセタール樹脂組成物は、靭性又は耐衝撃性のいずれかが合格基準に達していなかった。
このことから、本発明のポリアセタール樹脂組成物によれば、靭性及び耐衝撃性に優れることが確認された。

Claims (6)

  1. (A)ポリアセタールと、
    (B)ポリエステル構造を有し前記ポリエステル構造がジカルボン酸及びジオールからなる原料モノマーの重縮合反応により得られる第1重合体と、
    (C)脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリオールからなる群より選ばれる1種以上からなる第2重合体とを含み、
    前記原料モノマー中の芳香族成分のモル比が0モル%より大きく40モル%以下であり、
    ポリアセタール(A)及び第1重合体(B)の合計質量に対する第2重合体(C)の質量比が1以下であること
    を特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
  2. ポリアセタール(A)の1/2結晶化時間が100秒以上である、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 第1重合体(B)のISO1133に則ったMVRが0〜100cm/10分であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. ポリアセタール(A)が、トリオキサン100質量部に対してコモノマーを5.0〜50質量部添加し、トリオキサンと、トリオキサン以外の1種または2種以上の環状ホルマーおよび/又は環状エーテルからなるコモノマーとを共重合して得られるポリアセタールコポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 第1重合体(B)に対するポリアセタール(A)の質量比が0.1/99.9〜99.9/0.1である請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物を成形してなる成形体。
JP2009255643A 2009-11-09 2009-11-09 ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体 Active JP5418157B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009255643A JP5418157B2 (ja) 2009-11-09 2009-11-09 ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009255643A JP5418157B2 (ja) 2009-11-09 2009-11-09 ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011099065A true JP2011099065A (ja) 2011-05-19
JP5418157B2 JP5418157B2 (ja) 2014-02-19

Family

ID=44190515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009255643A Active JP5418157B2 (ja) 2009-11-09 2009-11-09 ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5418157B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000017153A (ja) * 1998-06-29 2000-01-18 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 樹脂組成物および成形体
JP2003342459A (ja) * 2002-03-20 2003-12-03 Toray Ind Inc 樹脂組成物ならびにそれからなる成形品
JP2004155110A (ja) * 2002-11-07 2004-06-03 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリアセタールフィルムの製造法
JP2006056925A (ja) * 2004-08-17 2006-03-02 Polyplastics Co ポリアセタール樹脂組成物および成形品
JP2008038040A (ja) * 2006-08-07 2008-02-21 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 樹脂組成物及び成形体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000017153A (ja) * 1998-06-29 2000-01-18 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 樹脂組成物および成形体
JP2003342459A (ja) * 2002-03-20 2003-12-03 Toray Ind Inc 樹脂組成物ならびにそれからなる成形品
JP2004155110A (ja) * 2002-11-07 2004-06-03 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリアセタールフィルムの製造法
JP2006056925A (ja) * 2004-08-17 2006-03-02 Polyplastics Co ポリアセタール樹脂組成物および成形品
JP2008038040A (ja) * 2006-08-07 2008-02-21 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 樹脂組成物及び成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP5418157B2 (ja) 2014-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101731123B1 (ko) 지방족 폴리에스테르
US5952450A (en) Crosslinked polycarbonate and polylactic acid composition containing the same
US8409677B2 (en) Biodegradable starch-containing blend
KR101225944B1 (ko) 천연 보강제 강화 폴리유산 복합 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품
CN113166489A (zh) 可生物降解的增强复合材料
JPH10251498A (ja) 自然分解性樹脂組成物及びその成形物
JP4200340B2 (ja) 樹脂組成物および成形体
JP4503215B2 (ja) 乳酸系樹脂組成物、過酸化物変性乳酸系樹脂組成物、並びに、それらの成形体
US20230145613A1 (en) Poly(3-hydroxybutyrate)-based resin tube and method for producing same
JP5418157B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体
JP5359329B2 (ja) 樹脂組成物及び成形体
KR101504676B1 (ko) 유리섬유가 강화된 폴리옥시메틸렌-폴리락트산 조성물
KR20060035384A (ko) 유연성과 투명성이 우수한 생분해성 폴리에스테르 수지조성물
KR100531757B1 (ko) 생분해성 수지 조성물, 그의 제조방법 및 그로부터제조되는 생분해성 수지 필름
JP5170359B2 (ja) 樹脂組成物及び成形体
JP2001031853A (ja) ポリ乳酸系重合体組成物
JP2008063582A (ja) 乳酸系樹脂組成物、過酸化物変性乳酸系樹脂組成物、並びに、それらの成形体
JP3584579B2 (ja) 可塑化された脂肪族ポリエステル組成物及びその成型品
KR101850514B1 (ko) 3d 프린터 필라멘트용 생분해성 수지 조성물 및 그를 이용한 유연성 및 내충격성이 우수한 3d 프린터용 필라멘트
KR102410624B1 (ko) 생분해성 폴리에스테르 수지 조성물, 생분해성 폴리에스테르 필름 및 이의 제조 방법
JP2012233120A (ja) ポリオキシメチレン樹脂組成物
WO2012025907A1 (en) Copolymers based on polyester and aromatic polycarbonate
JP4288456B2 (ja) 樹脂組成物および成形体
KR20040110556A (ko) 컷팅성 및 기계적강도가 향상된 생분해성 폴리에스테르공중합체 의 제조방법
KR101592845B1 (ko) 친환경 코폴리에스테르 수지조성물, 그 발포체, 및 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120912

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131022

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131104

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5418157

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151