JP2011097924A - 食物繊維組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】保水剤を使用した水分含量の高いベーカリー生地であって、分割、丸め、成形時に粘つきがなく良好な物性を呈するベーカリー生地、及び、ソフトでしっとりしていながら、ねちゃつきの感じられない良好な食感のベーカリー製品を提供すること。
【解決手段】水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を2〜18倍量の水中油型乳化物で膨潤させてなることを特徴とする食物繊維組成物、該食物繊維組成物を練込んでなるベーカリー生地、及び、該ベーカリー生地を加熱処理してなるベーカリー製品。
【選択図】なし

Description

本発明は、分割、丸め、成形時に粘つきがなく良好な物性を呈するベーカリー生地、及び斯かるベーカリー生地を得ることができる食物繊維組成物に関する。上記ベーカリー生地は、ソフトでしっとりしていながら、ねちゃつきの感じられない良好な食感のベーカリー製品を得ることができるものである。
澱粉類を使用したベーカリー製品の食感に対してはさまざまな要求があるが、ソフト性としとり感は最も多い要求である。一般的にソフトでしとり感のあるベーカリー製品を得るためには水の添加量(吸水量)を増加すればよい。しかし、単純に吸水量を増加させた場合、未糊化の状態の澱粉類の水の保持力(吸水量)には限界があるため、その吸水量を上回った吸水量になると、ベーカリー生地が粘ついたり流動状となってしまい、扱いにくくなってしまう。ベーカリー製品の中でも、特にパンにおいては、生地の扱いやすさや焼成品の保型性の点で好ましい吸水量の許容範囲が狭いため、大きく吸水量を増加させることは困難であり、小麦粉100質量部に対し吸水量が70質量部以上となると、得られるパン生地は保型性を失い流動状となり、各種の成形を行うことが困難となる。そのため、このような吸水量の多いパン生地(多加水パン生地)を用いて得られるパンはチャバタ等の特殊なパンに限定されてしまう。
一方、吸水量を増やす代わりに、増粘多糖類や食物繊維等の保水性の高い副原料(保水剤)を添加して、焼成中の水分の逸失を抑制する方法もまた一般的に行われている(例えば特許文献1〜7参照)。そして、その添加方法としては、ベーカリー生地に粉末として添加する方法、配合水の一部又は全部でゲル化あるいは膨潤させてから添加する方法がある。しかし、これらの方法では、澱粉類の水和に要する水分が不足したり、焼成中に澱粉類の糊化に利用できる水分が不足したりするため、良好な食感のベーカリー製品が得られにくいことに加え、ねちゃついた食感のベーカリー製品になってしまう問題があった。
そのため、保水剤を液状油中に分散させてパン生地に添加し、練り込む方法が提案された(例えば特許文献8参照)。しかし、この方法では、確かにソフトな食感のパンは得られるが、基本的に水分含量は従来のパンとほぼ同一であるため、従来のパン以上にしっとりとした食感のパンは得られなかった。
そこで、上記2種の方法を併用した方法(保水性の高い副原料を添加し且つ吸水量を増加させる方法)が多く提案されてきた。即ち、ビートファイバーを粉末として添加する方法(例えば特許文献9参照)、寒天(例えば特許文献10参照)を粉末として添加する方法、グルコマンナンと水で形成されたゲルを添加する方法(例えば特許文献11参照)等の保水剤を使用して吸水量を増加させる方法が提案されている。
しかし、保水剤を粉末の状態でベーカリー生地に添加する方法であると、吸水量をあまり増やすことができず、また、生地もべとつきやすく、経時的に生地が締まってきたり、さらには、澱粉類よりも先に保水剤に水分が吸収されてしまうので十分なグルテン形成ができなかったり、焼成時に澱粉の糊化に十分な水が得られないため、得られるベーカリー製品の食感や体積が悪化する問題もある。また、保水剤をゲル化してから添加する方法では、生地中に均質に分散させにくいことに加え、ゲル中の保水剤の濃度を高くしないと生地がべとつきやすいという問題があった。
さらに、パン生地を製造する際は、フランスパン等の小麦粉の風味を味わうパン等の特殊な場合を除いて、通常グルテン膜の保護と伸展性改良のために油脂を使用するが、該油脂のパン生地への添加はその目的上、ミキシングによりグルテンが形成されてから、マーガリンやショートニング等の可塑性油脂を練り込むことにより行う必要があるが、その際、水分含量の高い生地においては、生地がやわらかすぎてこれらの可塑性油脂を生地中に均質に短時間に練り込むことが困難であった。
このように、保水剤を使用し且つ吸水量を増加させる方法においては、生地の物性を良好な状態に保つことができなかったり、十分な吸水増加を望むためには、保水剤を多く添加する必要があり、そのため、保水剤に起因するねちゃついた食感になってしまう等の問題があった。
特開平7−289145号公報 特開平10−179012号公報 特開平10−262541号公報 特開平10−56947号公報 特開2004−187526号公報 特開2007−236322号公報 特開2009−017848号公報 特開2005−000048号公報 特開平10−276663号公報 特開平11−046668号公報 特開2006−320207号公報
本発明の目的は、保水剤を使用した水分含量の高いベーカリー生地であって、分割、丸め、成形時に粘つきがなく良好な物性を呈するベーカリー生地、及び、ソフトでしっとりしていながら、ねちゃつきの感じられない良好な食感のベーカリー製品を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、保水剤を使用して水分含量の高いパン生地を製造する際、保水剤として特定の食物繊維を使用する場合には、保水剤は水で膨潤させてから添加するか、油脂中に分散させるか、あるいは粉体と混合してから添加するという従来法ではなく、該食物繊維を水中油型乳化物で膨潤させた状態でパン生地に練込むと、ベーカリー生地の粘つきが低減され、且つ、得られるパンのねちゃついた食感が顕著に低減することを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を2〜18倍量(質量基準)の水中油型乳化物で膨潤させてなることを特徴とする食物繊維組成物を提供するものである。
また、本発明は、該食物繊維組成物を練込んでなるベーカリー生地を提供するものである。
また、本発明は、該ベーカリー生地を加熱してなるベーカリー製品を提供するものである。
さらに、本発明は、澱粉類及び食物繊維を含有するベーカリー生地を製造するにあたり、予め水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を水中油型乳化物で膨潤させた後、水中油型乳化物で膨潤した該食物繊維を澱粉類と混合することを特徴とするベーカリー生地の製造方法を提供するものである。
本発明の食物繊維組成物を使用して得られたベーカリー生地は、分割、丸め、成形時に良好な物性を呈し、また、本発明のベーカリー生地を用いて得られたベーカリー製品は、ソフトでしっとりしていながら、ねちゃつきがない食感であり、しかも、キメの細かい内相であり且つ耐老化性に優れている。また、本発明の食物繊維組成物を用いれば、練込用可塑性油脂を別途生地に添加せずにベーカリー生地を作製することも可能であり、また、本発明の食物繊維組成物は、生地に均質に短時間で分散させることができるという利点もある。
まず、本発明で使用する「水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維」について述べる。
よく知られているように、食物繊維とは、栄養学的に「ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」と定義され、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分類される。水溶性食物繊維としては、ポリデキストロース、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、グルコマンナン、アガロース(寒天)、キサンタンガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、難消化性デキストリン等が代表的であり、また、不溶性食物繊維としては、小麦フスマ、セルロース、リグニン、キチン、キトサン、ヘミセルロース、穀物ファイバー、果実ファイバー等が代表的である。
食物繊維の食品における利用は、栄養学的なものを除くと、増粘剤やゲル化剤としての利用が主となっている。これは、食物繊維が一般的に分子量の多い多糖類であることによる。ここで、水溶性食物繊維は、溶解度の差により冷水可溶性と冷水不溶性に分類されることはあるものの、いずれも熱水には可溶であるため、その使用方法として特に難しい点はないが、不溶性食物繊維の場合は、その使用方法に若干のコツが必要になっている。
即ち、例えばセルロースのように、水に対する溶解性が極端に低い食物繊維の場合は、微細粉末として使用することが行われている。また、穀物ファイバー、果実ファイバーのように、一部水溶性食物繊維を含むものの不溶性食物繊維が主成分であるがために不溶性食物繊維に分類されている「複合型食物繊維」の場合は、水に対して完全に溶解はしないものの、膨潤により多量の水分を保持することで増粘させることが可能であることから、時間をかけて十分に膨潤させることにより増粘安定剤としての利用も行われている。
本発明で使用する「水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維」は、このような「複合型食物繊維」であり、具体的には、アップルファイバー、シトラスファイバー、オレンジファイバー、キャロットファイバー、トマトファイバー、バンブーファイバー、シュガービートファイバー、コーンファイバー、小麦ファイバー、大麦ファイバー、ライ麦ファイバー、大豆ファイバー、コンニャクファイバー、低置換度カルボキシメチルセルロース、米ぬか、キチン、キトサン等を挙げることができる。これらの食物繊維は、単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いてもよい。
これらの中でも保水性が高いことに加え、水分含量の高い場合であっても、べとつきが少ないパン生地とすることができる点で、アップルファイバー、シトラスファイバー、オレンジファイバー、シュガービートファイバー、コーンファイバー、小麦ファイバー、大豆ファイバー、コンニャクファイバー、低置換度カルボキシメチルセルロースのうちの一種又は二種以上を使用することが好ましく、保水性が特に高いことからシトラスファイバー、オレンジファイバー、小麦ファイバー、コンニャクファイバー、低置換度カルボキシメチルセルロースのうちの一種又は二種以上を使用することがより好ましく、最も好ましくは、シトラスファイバー及び/又は低置換度カルボキシメチルセルロースを使用する。
上記低置換度カルボキシメチルセルロースは、セルロースに対しカルボキシメチルエーテル化法により、グルコース単位当たりのカルボキシメチルエーテル基置換度が0.01〜0.4、好ましくは0.03〜0.38となるようにカルボキシメチル基をエーテル結合して得られるものである。一般のカルボキシメチルセルロース(置換度が0.4超)が水溶性であるのに対し、この低置換度カルボキシメチルセルロースは、水不溶性でありながら膨潤性を有するという特徴を有する。
尚、水溶性食物繊維とセルロースのような膨潤性のない不溶性食物繊維を単に混合して使用しても本発明の効果は得られない。これは、上記「水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維」においては、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とが複合体として存在しているためと考えられる。また、本発明において、カルボキシメチルセルロースにはカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を含むものとする。
次に、本発明で使用する水中油型乳化物について述べる。
本発明で使用する水中油型乳化物としては、油脂と水とが水中油型に乳化されてなる乳化物であればよく、例えば、ホイップ用クリーム、濃縮牛乳状組成物、マヨネーズ、タルタルソース、乳化型ドレッシング、コーヒークリーム、牛乳、生クリーム、チーズ、ヨーグルト等の水中油型乳化物である飲食品を使用することができる。本発明では、上記食物繊維との混合性が良好であること、殺菌処理が可能であること、乳化が安定であること、良好な風味の食物繊維組成物が得られること、さらには、ベーカリー生地に練り込む際に良好な硬さと粘度を示す食物繊維組成物が得られることから、ホイップ用クリーム及び/又は濃縮牛乳状組成物を使用することが好ましい。
上記水中油型乳化物で使用する油脂としては、特に限定されないが、例えば、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、落花生油、サル脂、シア脂、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油、からし油等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
得られるベーカリー生地がべとつきが少なく、また、得られるベーカリー製品の食感、特に歯切れが良好であり、さらには、得られるベーカリー製品がパンである場合にその腰もちや体積を良好なものとすることができる点で、使用する油脂は、水中油型乳化物の油相の融点が好ましくは25〜40℃、より好ましくは30〜40℃となるように選択し、使用することが望ましい。
上記水中油型乳化物中の油脂の含有量は、上記食物繊維との混合性が良好であること、本発明の効果(生地物性の改良及び食感の改良)が特に高いこと、さらには、ベーカリー生地に練り込む際に良好な硬さと粘度を示す食物繊維組成物が得られることから、水中油型乳化物中、5〜50質量%とするのが好ましく、さらに好ましくは7〜40質量%、最も好ましくは10〜25質量%である。また、上記水中油型乳化物中において、上記油脂のほか、必要に応じて用いられる後記のその他の原料中の油分も含めた油分含量は、3〜60質量%とするのが好ましく、さらに好ましくは3〜40質量%、より好ましくは5〜40質量%、最も好ましくは5〜30質量%である。
上記水中油型乳化物に用いることができる水としては、特に限定されず、天然水や水道水等が挙げられる。上記水中油型乳化物の水分含量は、その他の配合原料中に含まれる水分も含めた純水分含量として、好ましくは55〜82質量%、さらに好ましくは60〜82質量%、より好ましくは65〜80質量%である。
本発明の食物繊維組成物は、生地のシマリを向上させる効果があり、それにより吸水量をさらに増やすことが可能な点で、酸化剤成分を含有することが好ましい。該酸化剤成分は、ベーカリー生地中で、酸化作用によりグルテン蛋白質の架橋をして、パン生地を強化する成分であり、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、臭素酸カリウム、ヨウ素酸カリウム等が挙げられるが、本発明では、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム及びアスコルビン酸カリウムのうちの1種または2種以上を使用することが好ましい。
本発明の食物繊維組成物における上記酸化剤成分の含有量は、好ましくは0.001〜1質量%、さらに好ましくは0.01〜0.5%である。酸化剤成分の含有量が0.001質量%よりも少ないと、吸水量の増加効果が見られず、1質量%を超えると、得られるベーカリー生地が締まりすぎて伸展性が悪化し、作業性の悪い生地となってしまうので好ましくない。
本発明において、上記酸化剤成分を食物繊維組成物中に均質に分散させるためには、酸化剤成分は上記水中油型乳化物中に含有させることが好ましい。その場合、上記水中油型乳化物中の上記酸化剤成分の含有量は、最終的な食物繊維組成物中の酸化剤成分含量が上記範囲となるような含有量であるが、水中油型乳化物中での安定性の面及び均質分散性の点から、好ましくは0.01〜1質量%、さらに好ましくは0.01〜0.5質量%である。
尚、上記酸化剤成分を食物繊維組成物中又はベーカリー生地等に直接分散させた場合、分散が不均一になり上記効果が十分に発揮できなくなるだけでなく、該食物繊維組成物を使用して得られたベーカリー生地等の物性が不均一になる恐れがある。
上記水中油型乳化物には、上記油脂と水以外に、その他の原料を使用することができる。その他の原料としては、一般の水中油型乳化の飲食品の製造に使用可能な各種の食品素材や食品添加物を使用することができる。例えば、ゲル化剤及び増粘安定剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤、糖類、甘味料、脱脂粉乳・チーズ・バターミルクパウダー・ホエイパウダー・WPC・トータルミルクプロテイン(TMP)・乳清ミネラル等の乳や乳製品、蛋白質、澱粉類、卵製品、穀類、無機塩、有機酸塩、キモシン・トランスグルタミナーゼ・ラクターゼ(β−ガラクトシダーゼ)・α―アミラーゼ・グルコアミラーゼ等の酵素、ジグリセライド、植物ステロール、植物ステロールエステル、果汁、濃縮果汁、果汁パウダー、乾燥果実、果肉、野菜、野菜汁、香辛料、香辛料抽出物、ハーブ、直鎖デキストリン・デキストリン類、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、その他各種食品素材、着香料、苦味料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤、強化剤等を挙げることができる。
上記ゲル化剤及び増粘安定剤としては、ポリデキストロース、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、LMペクチン、HMペクチン、グルコマンナン、アガロース(寒天)、キサンタンガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、難消化性デキストリン、海藻抽出物、海藻エキス、グアーガム、ジェランガム、タラガントガム、カラギーナン、タマリンドシードガム、カラヤガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、カシアガム、ファーセルラン等が挙げられる。本発明では、これらのゲル化剤及び増粘安定剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができるが、水中油型乳化物中で3質量%以下、特に1.5質量%以下とすることが好ましい。
上記ゲル化剤又は増粘安定剤として、上記水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を使用することもできる。該食物繊維を使用することで、食物繊維組成物の保水性をさらに向上させることが可能となる。ただし、その場合は、水中油型乳化物の水相中に、水相基準で0.5〜5質量%、好ましくは1.2〜3.5質量%、より好ましくは1.5〜3質量%の範囲で使用する。
尚、ゲル化剤又は増粘安定剤として予め水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を含有させた水中油型乳化物を使用する場合、ゲル化剤又は増粘安定剤としての該食物繊維の量は、水中油型乳化物の量に含めるものとし、水中油型乳化物で膨潤させる水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維の量には含めない。
本発明の食物繊維組成物を顕微鏡で観察すると、ゲル化剤又は増粘安定剤として予め水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を含有させた水中油型乳化物を使用した場合は、やや不均一な粗密のあるゲル状であるのに対し、該食物繊維を含有しない水中油型乳化物を使用した場合は、ほぼ均質なゲル状である。このようになる理由は明確ではないが、恐らく、ゲル化剤又は増粘安定剤として予め該食物繊維を含有させた水中油型乳化物を使用した場合は、(1)予め含有させ膨潤した該食物繊維の表面に油脂球が付着して存在していること(食物繊維の不溶性部分の周囲に油脂球が多く見られる);(2)後から水中油型乳化物と混合した不溶性且つ水膨潤性の食物繊維は、水中油型乳化物の水相の自由水で膨潤され、ゲル化剤又は増粘安定剤として予め含有させた既に膨潤した食物繊維は、上記(1)の形態のままで残存していること、の2点が影響していると考えられる。
上記乳化剤としては、レシチン、酵素処理レシチン等の天然乳化剤、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の合成乳化剤が挙げられる。本発明では、これらの乳化剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記金属イオン封鎖剤は、蛋白質を多く含有する水中油型乳化物を製造する際に、主に、殺菌時の焦げを防止するために添加するものであり、その具体例としては、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ウルトラポリリン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム等の各種リン酸塩、並びにクエン酸、酒石酸等の有機酸塩類、及び炭酸塩等の無機塩類、さらには、これらの金属イオン封鎖剤を含有する食品素材が挙げられる。本発明では、これらの各種金属イオン封鎖剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記糖類としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられる。また、上記甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等が挙げられる。本発明では、これらの糖類・甘味料の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
尚、上記その他の原料は、合計として、水中油型乳化物中において好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、最も好ましくは20質量%以下とする。35質量%を超えると、良好な風味を有するベーカリー製品が得られなくなる恐れがある。
上記水中油型乳化物として好適なホイップ用クリームの組成の一例は以下の通りである。
油脂 25〜55質量%
水 30〜70質量%
乳蛋白質 0.5〜10質量%
糖類 0〜30質量%
乳化剤 0〜3質量%
上記水中油型乳化物として好適な濃縮牛乳状組成物の組成の一例は以下の通りである。
油脂 3〜25質量%
水 50〜90質量%
乳蛋白質 0.1〜12質量%
糖類 2〜30質量%
乳化剤 0〜2質量%
上記水中油型乳化物の製造方法は特に制限はなく、一般の水中油型乳化物の製造方法に倣って製造することができる。
例えば、まず水に必要に応じて用いられるその他の原料のうちの水溶性成分を溶解させた水相を用意する。一方、油脂に必要に応じて用いられるその他の原料のうちの油溶性成分を溶解させた油相を用意する。そして、この水相と油相とを、好ましくは45〜75℃で予備乳化し、水中油型の予備乳化物を得る。
次いで、この予備乳化物を殺菌することが好ましい。該殺菌は、インジェクション式、インフージョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート式・チューブラー式・掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌もしくは加熱殺菌処理、あるいは直火等の加熱調理により行うことができる。そして、冷却することにより、上記水中油型乳化物が得られる。
また、殺菌する前又は後でホモジナイザーで均質化しても良い。均質化処理を行う場合の均質化圧力は、3〜30MPaとするのが好ましい。
尚、上記水中油型乳化物は、必要により、冷蔵もしくは冷凍状態で保存しても良い。
本発明の食物繊維組成物は、上記水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を2〜18倍量(質量基準)、好ましくは5〜15倍量、より好ましくは7〜15倍量の上記水中油型乳化物で膨潤させたものである。2倍量未満であると、上記食物繊維を完全に膨潤させることができず、そのため、本発明の効果(生地物性の改良及び食感の改良)が得られない。また18倍量超であると、食物繊維組成物が水を保持することができず、食物繊維組成物の物性が軟化しすぎたり、離水したりするため、ベーカリー生地に練りこんだ際に保水性の向上効果が見られず、生地物性の改良効果が見られなくなってしまう。
食物繊維が膨潤した状態とは、食物繊維が水に溶解しているのではなく、食物繊維が、形状を残した状態で液体を抱きかかえ、体積が増加した状態のことであり、これらの2つの状態は光学顕微鏡で簡単に判別することができる。
上記水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を膨潤させる方法については、水で食物繊維を膨潤させる通常の場合と同様、該食物繊維を上記水中油型乳化物と混合してしばらく放置して水和を待ち、剰余の水中油型乳化物がある場合はそれを除去(排液)する方法、あるいは、水中油型乳化物と該食物繊維を混合する際に、水中油型乳化物を加温(好ましくは40〜55℃)するか、又は混合後に加温(好ましくは40〜55℃)して強制的に水和させた後、冷却し、剰余の水中油型乳化物がある場合はそれを除去(排液)する方法等が挙げられる。
ここで、上記食物繊維を上記水中油型乳化物と混合した後、放置して水和させる場合、放置時間が長いほど膨潤度が高くなる、即ち、多くの水中油型乳化物を保持することが可能となるが、例えば20℃で20分以上、好ましくは1時間以上であれば十分に膨潤が可能である。尚、放置時間の上限は特にないが、例えば20℃であれば24時間以上かけてもそれ以上には膨潤度を上昇させることは難しい。
また、上記水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維はその種類により当然固有の保水性がある。従って、剰余の水中油型乳化物を除去(排液)する作業を略するため、予め上記水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維の保水量を測定し、それに該当する水分を含む水中油型乳化物の当量を算出し、斯かる量の水中油型乳化物と食物繊維と混合することが好ましい。保水量の測定方法としては、例えば、食物繊維の試料1gに水を滴下し、試料が水を吸収しきれず水のにじみが発生した時を終点とし、試料1g当りの吸水量(g)を保水性とする方法を挙げることができる。そして、この保水量に相当する水中油型乳化物量を使用するのである。尚、実際には、水であっても水中油型乳化物であっても、膨潤時間を長く設定すれば、該測定方法で算出した保水量以上に使用しても離水を生じないことから、該計算により算出した使用量であれば排液操作を略することが可能である。
また、本発明の食物繊維組成物において、油分は2.5〜55質量%であることが好ましく、4.5〜35質量%であることがさらに好ましく、4.5〜25質量%であることが最も好ましい。水分は40〜85質量%であることが好ましく、50〜75質量%であることがさらに好ましく、60〜72質量%であることが最も好ましい。
また、本発明の食物繊維組成物は、上記食物繊維の膨潤中あるいは膨潤後にホモジナイザーで均質化してもよいが、膨潤後に均質化処理を行うと、特に多加水パン生地に使用する場合、本発明の効果が減じられやすいため、膨潤後は均質化処理は行わないことが好ましい。
また、得られた本発明の食物繊維組成物は殺菌してもよい。該殺菌は、インジェクション式、インフージョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート式・チューブラー式・掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌もしくは加熱殺菌処理、あるいは直火等の加熱調理により行うことができる。尚、本発明の食物繊維組成物は、必要により、冷蔵もしくは冷凍状態で保存しても良い。
次に本発明のベーカリー生地について述べる。
本発明のベーカリー生地は、上記の本発明の食物繊維組成物を練込んでなるものであり、従来の保水剤を使用したベーカリー生地に比べて粘つきが低減されているものである。
上記のベーカリー生地としては、例えば、クッキー生地、パイ生地、シュー生地、サブレ生地、スポンジケーキ生地、バターケーキ生地、ケーキドーナツ生地等の菓子生地や、食パン生地、フランスパン生地、デニッシュ生地、スイートロール生地、イーストドーナツ生地等のパン生地が挙げられるが、本発明のベーカリー生地は、吸水量を増加させた際のベーカリー生地物性の改良効果が特に優れている点、得られるベーカリー製品のソフト性向上効果が高い点から、パン生地であることが好ましい。特に、本発明のベーカリー生地は多加水パン生地であることが好ましい。
ここで、本発明における多加水パン生地は、パン生地に使用する澱粉類100質量部に対し水を70〜150質量部、好ましくは70〜100質量部、さらに好ましくは70〜90質量部含むものである。尚、上記の多加水パン生地における水の含有量は、ベーカリー生地の調製に使用される天然水や水道水に加え、本発明の食物繊維組成物中の水分や、後記のその他の原料中の水分も含めたものである。
本発明のベーカリー生地における本発明の食物繊維組成物の練込量は、ベーカリー生地の種類に応じ適宜選択可能であるが、例えば、菓子生地であれば、菓子生地に含まれる澱粉類100質量部に対し好ましくは10〜100質量部、さらに好ましくは15〜50質量部である。また、パン生地である場合は、パン生地に含まれる澱粉類100質量部に対し好ましくは10〜50質量部、さらに好ましくは15〜35質量部である。
上記パン生地が多加水パン生地である場合、パン生地に使用する油脂として別途練込み用可塑性油脂を使用せず、本発明の食物繊維組成物で置換することも可能である。その場合の本発明の食物繊維組成物の練りこみ量は、パン生地に含まれる澱粉類100質量部に対し好ましくは20〜50質量部、さらに好ましくは25〜40質量部である。
本発明のベーカリー生地には、原材料として水及び澱粉類が使用される。本発明のベーカリー生地に使用する水としては、特に限定されず、天然水や水道水等が挙げられる。本発明のベーカリー生地に使用する澱粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉等の小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉等のその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシューナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉等の堅果粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、モチ米澱粉等の澱粉や、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、微細化、グラフト化処理等の中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられる。
本発明のベーカリー生地には、必要に応じ、一般の製菓・製パン材料として使用することのできるその他の原料を使用することができる。該その他の原料としては、例えば、油脂、イースト、糖類、全卵・卵黄・卵白・加塩全卵・加塩卵黄・加塩卵白・加糖全卵・加糖卵黄・加糖卵白・乾燥全卵・乾燥卵黄・凍結全卵・凍結卵黄・凍結卵白、凍結加糖全卵・凍結加糖卵黄・凍結加糖卵白・酵素処理全卵・酵素処理卵黄等の卵類、ゲル化剤や増粘安定剤、ステビア・アスパルテーム・スクラロース・アセスルファムカリウム等の甘味料、β−カロチン・カラメル・紅麹色素等の着色料、トコフェロール・茶抽出物等の酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・醗酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリーム等の乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズ等のチーズ類、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウオッカ・ブランデー等の蒸留酒、ワイン・日本酒・ビール等の醸造酒、各種リキュール、グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン有機酸脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル・ショ糖酢酸イソ酪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル・プロピレングリコール脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム・ステアロイル乳酸ナトリウム・ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド・レシチン・リゾレシチン等の乳化剤、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、イーストフード、生地改良剤、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、アスコルビン酸等の酸化剤、日持ち向上剤、酵素、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類等の食品素材、コンソメ・ブイヨン等の植物及び動物エキス、食品添加物等を挙げることができる。
上記油脂としては、例えば、ショートニング・マーガリン・バター等の可塑性油脂組成物や、サラダ油・流動ショートニング・溶かしバター等の流動状油脂組成物、また、粉末油脂等が挙げられる。また、油脂組成物が乳化物である場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれでも構わない。
上記の糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、還元水飴、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、はちみつ等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記その他の原料は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、上記澱粉類100質量部に対して合計で好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下となる範囲で使用する。
次に、本発明のベーカリー生地の製造方法について述べる。
本発明のベーカリー生地は、澱粉類及び食物繊維を含有するベーカリー生地を製造するにあたり、予め水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を水中油型乳化物で膨潤させた後、水中油型乳化物で膨潤した該食物繊維を澱粉類と混合することによって得ることができる。水中油型乳化物で膨潤した食物繊維としては、本発明の食物繊維組成物を用いればよい。水中油型乳化物で膨潤させた水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を使用する点以外は、常法に準じることができる。
水中油型乳化物で膨潤させた水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維と、澱粉類との混合時期については、該食物繊維を粉状の澱粉類と混合することも可能であるが、好ましくは、澱粉類の水和を妨害させないために、澱粉類と水を含有する中間生地をいったん製造し、この中間生地と該食物繊維とを混合する。特に、ベーカリー生地がパン生地の場合は、グルテンの形成を阻害させないように、練り込み用油脂と同様、ミキシングの終期、グルテンが形成されてから添加・混合することが好ましい。
本発明のベーカリー生地は、上述のように多加水パン生地であることが好ましいため、以下、本発明のベーカリー生地が多加水パン生地である場合について詳しく述べる。
本発明の多加水パン生地に使用する水としては、上述のベーカリー生地に使用する水と同様のものを使用することができる。
本発明の多加水パン生地に使用する澱粉類としては、上述のベーカリー生地に使用する澱粉類と同様のものを使用することができるが、本発明の多加水パン生地においては、澱粉類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは100質量%使用する。
本発明の多加水パン生地は、必要に応じ、一般の製パン材料として使用することのできるその他の原料を使用することができる。該その他の原料としては、上述のベーカリー生地に使用するその他の原料と同様のものを使用することができる。
本発明の多加水パン生地における油脂の含有量は、多加水パン生地における澱粉類100質量部に対し、油脂純分として、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは5〜20質量部である。尚、ここでいう油脂純分は、前記の油脂のほか、本発明の食物繊維組成物中の油分及びその他の原料中の油分も含めたものである。
本発明の多加水パン生地における糖類の含有量は、多加水パン生地における澱粉類100質量部に対し、固形分として、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは5〜20質量部である。
上記その他の原料は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、上記澱粉類100質量部に対して合計で好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下となる範囲で使用する。
本発明の多加水パン生地は、澱粉類及び食物繊維を含有する多加水パン生地を製造するにあたり、予め水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を水中油型乳化物で膨潤させた後、水中油型乳化物で膨潤した該食物繊維を澱粉類と混合することによって得ることができる。水中油型乳化物で膨潤した食物繊維としては、本発明の食物繊維組成物を用いればよい。
水中油型乳化物で膨潤させた水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維と、澱粉類との混合時期については、該食物繊維を粉状の澱粉類と混合することも可能であるが、澱粉類の水和を妨害させないために、澱粉類と水を含有する中間生地をいったん製造し、この中間生地と混合することが好ましく、グルテンの形成を阻害させないように、練り込み用油脂と同様、ミキシングの終期、グルテンが形成されてから添加・混合することが更に好ましい。とりわけ、練り込み油脂を添加後、さらにミキシングして得られた滑らかな中間生地に、添加・混合することが、より多くの水分を含有しながら粘つきのない良好な生地物性の多加水パン生地を得ることが可能である点で最も好ましい。尚、多加水パン生地に使用する油脂として別途の練り込み用可塑性油脂を使用しない場合は、上述のように、ミキシングの終期、グルテンが形成されてから添加・混合することが好ましい。
次に、本発明のベーカリー製品について述べる。
本発明のベーカリー製品は、上記の本発明のベーカリー生地を、適宜、成形し、必要に応じホイロ、リタード、レストをとった後、加熱したものである。
上記成形においては、どのような形状に成形してもよく、型詰めを行っても構わない。これらの成形は、手作業で行っても、連続ラインを用いて全自動で行っても構わない。
上記加熱としては、例えば、焼成、フライ、蒸し、蒸し焼きが挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を行うことができる。
焼成する場合の加熱条件は、ベーカリー製品の種類によって異なるが、例えばオーブンを使用する場合、好ましくは150〜240℃で4〜40分、さらに好ましくは180〜230℃で8〜30分である。また、フライする場合の加熱条件は、好ましくは180〜260℃で1〜10分、さらに好ましくは200〜250℃で2〜5分である。
本発明のベーカリー製品は、ソフトでしっとりしていながら、ねちゃつきのない良好な食感を有する。特に多加水パン生地から得られたパンである場合は、水分含量の高いパン生地を使用していながら、それらの特徴に加え、腰持ちも良好である。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例等により制限されるものではない。
<水中油型乳化物の製造>
〔製造例1〕
60℃に加温したパーム油(融点36℃)8質量%にレシチン0.1質量%とグリセリン脂肪酸エステル0.1質量%を溶解した油相を用意した。一方、60℃に加温した水67.5質量%に乳糖8質量%、脱脂粉乳(蛋白質含量=36質量%)15質量%、リン酸塩0.2質量%、香料0.1質量%を溶解し、さらに低置換度カルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル製、商品名「サンローズSLD−FM」、置換度=0.2〜0.3)1質量%を添加・分散した水相を用意した。該油相と水相を65℃で混合し、攪拌して水中油型の予備乳化物を調製した。該予備乳化物をVTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機ステリラボ)で143℃にて5秒間殺菌し、10MPaの圧力で均質化後、5℃まで冷却し、濃縮牛乳状組成物である水中油型乳化物Aを得た。水中油型乳化物Aは、油分含量が8質量%、水分含量が67.5%であり、油相の融点が36℃であった。
〔製造例2〕
製造例1で使用した低置換度カルボキシメチルセルロースを無添加とし、水を67.5質量%から68.5質量%に変更した以外は製造例1の配合・製法と同様にして、濃縮牛乳状組成物である水中油型乳化物Bを得た。
〔製造例3〕
パーム分別中部油(融点35℃)7質量部、ヨウ素価65のパーム分別軟部油のランダムエステル交換油脂(融点28℃)7質量部、パーム核分別硬部油(融点32℃)16質量部、パーム核油及びパーム極度硬化油を80:20(前者:後者)の質量比率で混合した油脂をランダムエステル交換したエステル交換油脂(融点43℃)5質量部、レシチン0.15質量部及びソルビタン脂肪酸エステル0.15質量部からなる油相を60℃に加温溶解した。一方、脱脂粉乳5質量部、トータルミルクプロテイン1質量部、ショ糖脂肪酸エステル0.15質量部、グアーガム0.05質量部及び水58.5質量部からなる水相を60℃に加温溶解した。上記油相と上記水相を混合、乳化して、水中油型の予備乳化物を調製し、バルブ式ホモジナイザー(アルファラバル社製:ホモジナイザー)を用いて、3MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で140℃、4秒間殺菌し、再度5MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、ホイップ用クリームである水中油型乳化物Cを得た。水中油型乳化物Cは、油分含量が35質量%、水分が58.5質量%、油相の融点が33.4℃であった。
〔製造例4〕
製造例1で使用した水を67.5質量%から67.481質量%に変更し、アスコルビン酸0.019質量%を水相に添加した以外は、製造例1の配合・製法と同様にして、濃縮牛乳状組成物である水中油型乳化物Dを得た。
〔製造例5〕
製造例2で使用した水を68.5質量%から68.481質量%に変更し、アスコルビン酸0.019質量%を水相に添加した以外は、製造例2の配合・製法と同様にして、濃縮牛乳状組成物である水中油型乳化物Eを得た。
<食物繊維組成物の製造及びベーカリー試験>
〔実施例1〕
水不溶性且つ水膨潤性である食物繊維であるシトラスファイバー(鳥越製粉製、商品名「シトリファイ100FG」、下記保水性の測定方法で測定した保水性:10ml/g)2質量部を水中油型乳化物A25質量部で20℃で1時間膨潤させ、食物繊維1質量部に対し水中油型乳化物12.5質量部で膨潤させた本発明の食物繊維組成物Aとした。尚、得られた食物繊維組成物Aに離水は見られなかった。また、得られた食物繊維組成物Aの油分は7.4質量%、水分は62.5質量%であった。
上記食物繊維組成物Aを使用し、下記(ベーカリー試験)に記載の配合・製造方法で多加水パン生地である食パン生地を作製し、該食パン生地から食パンを得た。
得られた食パン生地の水分含量(パン生地に使用する澱粉類100質量部に対する水の含有量(質量部))を表1に記載した。
得られた食パン生地を分割し丸めを行なった際の生地物性について、下記評価基準により評価を行ない、その結果を表1に記載した。
得られた食パンの体積、内相、食感(ソフト性及び歯切れ)について、下記評価基準に従って評価し、結果を表1に示した。また、得られた食パンの一部は、5℃の冷蔵庫で保管し、保管開始から2日後の食感及び3日後の食感それぞれについて下記評価基準により評価を行ない、これを老化耐性の評価とし、その結果も併せて表1に記載した。
〔実施例2〕
水中油型乳化物A25質量部に代えて水中油型乳化物B25質量部を使用した以外は実施例1と同様にして食物繊維組成物Bを得た。尚、食物繊維組成物Bに離水は見られなかった。また、得られた食物繊維組成物Bの油分は7.4質量%、水分は63.4質量%であった。
上記食物繊維組成物Bを使用し、下記(ベーカリー試験)に記載の配合・製造方法で多加水パン生地である食パン生地を作製し、該食パン生地から食パンを得た。
食パン生地の水分含量を表1に記載した。また、生地物性の評価及び食パンの評価については実施例1と同様に実施し、表1に結果を記載した。
〔実施例3〕
水中油型乳化物A25質量部に代えて水中油型乳化物C25質量部を使用した以外は実施例1と同様にして食物繊維組成物Cを得た。尚、食物繊維組成物Cに離水は見られなかった。また、得られた食物繊維組成物Cの油分は32.4質量%、水分は54.2質量%であった。
上記食物繊維組成物Cを使用し、下記(ベーカリー試験)に記載の配合・製造方法で多加水パン生地である食パン生地を作製し、該食パン生地から食パンを得た。
食パン生地の水分含量を表1に記載した。また、生地物性の評価及び食パンの評価については実施例1と同様に実施し、表1に結果を記載した。
〔実施例4〕
水中油型乳化物A25質量部に代えて牛乳(油分3質量%、水分89質量%、油相の融点32℃)25質量部を使用した以外は実施例1と同様にして食物繊維組成物Dを得た。尚、食物繊維組成物Dに離水は見られなかった。また、得られた食物繊維組成物Dの油分は2.8質量%、水分は82.4質量%であった。
上記食物繊維組成物Dを使用し、下記(ベーカリー試験)に記載の配合・製造方法で多加水パン生地である食パン生地を作製し、該食パン生地から食パンを得た。
食パン生地の水分含量を表1に記載した。また、生地物性の評価及び食パンの評価については実施例1と同様に実施し、表1に結果を記載した。
〔実施例5〕
水中油型乳化物A25質量部に代えて生クリーム(油分45質量%、水分50質量%、油相の融点32℃)25質量部を使用した以外は実施例1と同様にして食物繊維組成物Eを得た。尚、食物繊維組成物Eに離水は見られなかった。また、得られた食物繊維組成物Eの油分は41.7質量%、水分は46.3質量%であった。
上記食物繊維組成物Eを使用し、下記(ベーカリー試験)に記載の配合・製造方法で多加水パン生地である食パン生地を作製し、該食パン生地から食パンを得た。
食パン生地の水分含量を表1に記載した。また、生地物性の評価及び食パンの評価については実施例1と同様に実施し、表1に結果を記載した。
〔実施例6〕
シトラスファイバーに代えて低置換度カルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル製、商品名「サンローズSLD−FM」、下記保水性の測定方法で測定した保水性:13ml/g)を使用した以外は実施例1と同様にして食物繊維組成物Fを得た。尚、食物繊維組成物Fに離水は見られなかった。また、得られた食物繊維組成物Fの油分は7.4質量%、水分は62.5質量%であった。
上記食物繊維組成物Fを使用し、下記(ベーカリー試験)に記載の配合・製造方法で多加水パン生地である食パン生地を作製し、該食パン生地から食パンを得た。
食パン生地の水分含量を表1に記載した。また、生地物性の評価及び食パンの評価については実施例1と同様に実施し、表1に結果を記載した。
〔実施例7〕
実施例1で得られた食物繊維組成物Aをポリエチレン製の袋に入れて密封し、98℃73分でレトルト殺菌して食物繊維組成物Gを得た。得られた食物繊維組成物Gを使用し、下記(ベーカリー試験)に記載の配合・製造方法で多加水パン生地である食パン生地を作製し、該食パン生地から食パンを得た。
食パン生地の水分含量を表1に記載した。また、生地物性の評価及び食パンの評価については実施例1と同様に実施し、表1に結果を記載した。
〔実施例8〕
実施例3で使用した食物繊維組成物Cを使用し、下記(ベーカリー試験)に記載の配合・製造方法において、製パン練り込み用マーガリンを無添加とした以外は実施例3と同様にして、多加水パン生地である食パン生地を作製し、該食パン生地から食パンを得た。
食パン生地の水分含量を表1に記載した。また、生地物性の評価及び食パンの評価については実施例3と同様に実施し、表1に結果を記載した。
〔実施例9〕
実施例5で使用した食物繊維組成物Eを使用し、下記(ベーカリー試験)に記載の配合・製造方法において、製パン練り込み用マーガリンを無添加とした以外は実施例5と同様にして、多加水パン生地である食パン生地を作製し、該食パン生地から食パンを得た。
食パン生地の水分含量を表1に記載した。また、生地物性の評価及び食パンの評価については実施例5と同様に実施し、表1に結果を記載した。
〔実施例10〕
水中油型乳化物A25質量部に代えて水中油型乳化物D25質量部を使用した以外は実施例1と同様にして食物繊維組成物Hを得た。尚、食物繊維組成物Hに離水は見られなかった。また、得られた食物繊維組成物Hの油分は7.4質量%、水分は62.5質量%であった。
上記食物繊維組成物Hを使用し、下記(ベーカリー試験)に記載の配合・製造方法で多加水パン生地である食パン生地を作製し、該食パン生地から食パンを得た。
食パン生地の水分含量を表1に記載した。また、生地物性の評価及び食パンの評価については実施例1と同様に実施し、表1に結果を記載した。
〔実施例11〕
水中油型乳化物A25質量部に代えて水中油型乳化物E25質量部を使用した以外は実施例1と同様にして食物繊維組成物Iを得た。尚、食物繊維組成物Iに離水は見られなかった。また、得られた食物繊維組成物Iの油分は7.4質量%、水分は63.4質量%であった。
上記食物繊維組成物Iを使用し、下記(ベーカリー試験)に記載の配合・製造方法で多加水パン生地である食パン生地を作製し、該食パン生地から食パンを得た。
食パン生地の水分含量を表1に記載した。また、生地物性の評価及び食パンの評価については実施例1と同様に実施し、表1に結果を記載した。
〔実施例12〕
シトラスファイバーに代えて低置換度カルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル製、商品名「サンローズSLD−FM」、下記保水性の測定方法で測定した保水性:13ml/g)を使用した以外は実施例10と同様にして食物繊維組成物Jを得た。尚、食物繊維組成物Jに離水は見られなかった。また、得られた食物繊維組成物Jの油分は7.4質量%、水分は62.5質量%であった。
上記食物繊維組成物Jを使用し、下記(ベーカリー試験)に記載の配合・製造方法で多加水パン生地である食パン生地を作製し、該食パン生地から食パンを得た。
食パン生地の水分含量を表1に記載した。また、生地物性の評価及び食パンの評価については実施例1と同様に実施し、表1に結果を記載した。
〔比較例1〕
水中油型乳化物A25質量部に代えて水25質量部を使用した以外は実施例1と同様にして食物繊維組成物Kを得た。尚、食物繊維組成物Kに離水は見られなかった。また、得られた食物繊維組成物Kの油分は0質量%、水分は92.6質量%であった。
上記食物繊維組成物Kを使用し、下記(ベーカリー試験)に記載の配合・製造方法で多加水パン生地である食パン生地を作製し、該食パン生地から食パンを得た。
食パン生地の水分含量を表1に記載した。また、生地物性の評価及び食パンの評価については実施例1と同様に実施し、表1に結果を記載した。
〔比較例2〕
食物繊維組成物を使用しなかった点以外は、下記(ベーカリー試験)に記載の配合・製造方法と同様にして、多加水パン生地ではない通常の食パン生地を作製し、該食パン生地から食パンを得た。
食パン生地の水分含量を表1に記載した。また、生地物性の評価及び食パンの評価については実施例1と同様に実施し、表1に結果を記載した。
(保水性の測定方法)
食物繊維の試料1gに水を滴下し、試料が水を吸収しきれず水のにじみが発生した時を終点とし、試料1g当りの吸水量(g)を測定し、試料1gあたりの吸水量(ml)を保水性の測定値とした。
(ベーカリー試験)
強力粉70質量部、生イースト(水分含量70質量%)2.2質量部、イーストフード0.3質量部、及び水40質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で2分ミキシングし、中種生地を得た。捏ね上げ温度は26℃であった。この中種生地を生地ボックスに入れ、温度28℃、相対湿度85%の恒温室で、4時間中種醗酵を行なった。終点温度は29℃であった。この中種醗酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、以下のように本捏ミキシングを行なった。強力粉30質量部、食塩2質量部、上白糖6質量部、脱脂粉乳2質量部、水20質量部を添加し、低速で3分、中速で4分ミキシングした。ここで、製パン練り込み用マーガリン(水分含量17質量%、油分含量80質量%)5質量部及び食物繊維組成物27質量部を投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で4分ミキシングし、食パン生地を得た。得られた食パン生地の捏ね上げ温度は27℃であった。
ここで、フロアタイムを20分とった後、350gに分割・丸目を行なった。次いで、ベンチタイムを20分とった後、モルダー成形し、ワンローフ型に入れ、38℃、相対湿度85%で50分ホイロをとった後、200℃に設定した固定窯に入れ35分焼成してワンローフ型食パンを得た。
(評価基準)
・生地物性
×:べたつきが激しく、丸めが困難であった。
△:粘つきがあり、丸めが困難であった。
○:やや粘つくものの、丸めに支障はない程度であった。
◎−:生地がやや硬いが、粘つきがなく、伸展性も良好であった。
◎:粘つきもなく、伸展性が良好であり、良好な作業性であった。
◎+:ドライな触感で、伸展性が良好であり、作業性が非常に良好であった。
××:粘つきはないが、生地が硬く伸展性が不良であった。
・外観(体積)
◎:1550ml〜
○:1450〜1549ml
△:1350〜1449ml
×:〜1349ml
・内相(キメ)
○:気泡膜が薄く、均一である。
△:不均一で、やや目が詰まっている。
×:気泡膜が厚く、不均一で、目が詰まっている。
・食感(ソフト性)
◎+:きわめて良好
◎:特に良好
○:良好
△:やや悪い
×:悪い
・食感(歯切れ)
◎:きわめて良好
○:良好
△:ややねちゃつく
×:ねちゃつきが激しい
・2日後の食感
◎:ソフトで歯切れも良好である。
○:ソフトである。
△:硬い食感でありやや悪い。
×:硬い食感でヒキが強く極めて悪い。
・3日後の食感
◎:ソフトで歯切れも良好である。
○:ソフトである。
△:硬い食感でありやや悪い。
×:硬い食感でヒキが強く極めて悪い。
Figure 2011097924

Claims (8)

  1. 水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を2〜18倍量(質量基準)の水中油型乳化物で膨潤させてなることを特徴とする食物繊維組成物。
  2. 上記水中油型乳化物の油分含量が3〜60質量%である請求項1記載の食物繊維組成物。
  3. 上記水中油型乳化物が酸化剤成分を含有する請求項1又は2記載の食物繊維組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の食物繊維組成物を練込んでなるベーカリー生地。
  5. パン生地である請求項4記載のベーカリー生地。
  6. 多加水パン生地である請求項5記載のベーカリー生地。
  7. 請求項4〜6のいずれか一項に記載のベーカリー生地を加熱してなるベーカリー製品。
  8. 澱粉類及び食物繊維を含有するベーカリー生地を製造するにあたり、予め水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を水中油型乳化物で膨潤させた後、水中油型乳化物で膨潤した該食物繊維を澱粉類と混合することを特徴とするベーカリー生地の製造方法。
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