JPH1056947A - 焼成食品の製法 - Google Patents
焼成食品の製法Info
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Abstract
ていても、生地の成形性が良好で、焼成時の火の通りが
よく、サクサクとした食感が均一に感じられる風味良好
な焼成食品及びその製法を提供するにある。 【解決手段】小麦粉と食物繊維と添加原料とを混合して
なる生地を、焼成して焼成食品を製造するにあたり、前
記食物繊維を予め水溶化したのち、小麦粉及び添加原料
と混合することを特徴とする焼成食品の製法である。
Description
るビスケット等の焼成食品及びその製法に関し、更に詳
しくは、食物繊維等の保水性の高い原料を多量に含有し
ていても、火の通りがよく、食感の良好な焼成食品及び
その製法に関する。
スケット、クッキー、クラッカー等が知られており、こ
れらは一般に、小麦粉、油脂、糖類、膨張剤、水等の原
料を混合した後、適宜形状に成形し、焼成することによ
り製造されている。しかも、焼成食品は、特に消化吸収
性に優れていることから、病院食,離乳食,給食等にも
広く利用されている。しかしながら、焼成食品の組成は
炭水化物と脂質とが主体であり、一方、食物繊維は1〜
3%程度と低含量であるため、栄養バランスの点で改善
の余地があった。特に、上記食物繊維は、近年の消費者
の健康に対する意識の高まりから、重要視されてきてい
る。これに対し、特に食物繊維等の強化を行い、「栄養
バランス食品」等と称したビスケット等の焼成食品が各
種上市されている。しかしながら、食物繊維は、特に水
を取り込んでゲル化しやすい性質(保水性)を有してい
るため、焼成食品において食物繊維を増量すると、各原
料を混合して焼成食品生地を調製する際に、食物繊維が
生地中の水分を吸収してしまい、生地がぱさついてまと
まりにくく、成形性が悪くなったり、焼成時に生地中心
部の水分が蒸発しにくく、表面だけが固く焼けて中心部
が生焼けとなる問題がある。このため、上記焼成食品に
食物繊維を多量に添加する場合には、生焼け防止方法と
して、一般焼成食品の焼成条件(160〜230℃、
5〜30分)よりも低温長時間(150℃以下、1時間
以上)に変更して焼成する、食物繊維の添加量を低減
する、食物繊維を焼成後に施与する、食物繊維の粒
状加工物を食品生地中に分散させる、等の方法が用いら
れている。しかしながら、上記の場合、焼成時間は焼
成設備により限定されるため、更に焼成時間を延ばす場
合には、設備増設や、特殊設備の導入が必要となり、生
産効率も悪い。の場合には、食物繊維の含有量が低い
と、1日の栄養所容量を満たすために、焼成食品を多量
に摂取する必要が生じる。の場合には、焼成食品本来
の香ばしい風味や食感が損なわれたり、製造工程が煩雑
になる等の問題がある。
情に鑑みなされたものであって、その目的とするところ
は、食物繊維等の保水性の高い原料を多量に含有してい
ても、生地の成形性が良好で、焼成時の火の通りがよ
く、サクサクとした食感が均一に感じられる風味良好な
焼成食品及びその製法を提供するにある。
食物繊維と添加原料とを混合してなる生地を、焼成して
焼成食品を製造するにあたり、前記食物繊維を予め水溶
化したのち、小麦粉及び添加原料と混合することを特徴
とする焼成食品の製法によって達成される。
まれる焼成食品の場合、これら栄養成分や油等の不溶化
物等が小麦粉グルテンの網目構造形成を阻害しているの
ではないかと想起し、特にこれらの中でも食物繊維によ
る影響に着目した。そこで食物繊維を予め水溶化した
後、他の原料と混合すると、不溶化物等の割合が減少
し、小麦粉中への水の浸透が促進され、グルテンの網目
構造がより強固なものとなって、生地の伸展性や弾力性
が保持され、生地成形性が良くなるとともに、生地の再
利用強度が大きくなることを見いだした。また、食物繊
維の予備溶解によって、適度な水分保持力が付与され、
生地の成形性(圧延性)が向上することを見いだし本発
明に到達した。
明の焼成食品に用いられる小麦粉としては、薄力粉、中
力粉、強力粉等の各種小麦粒を粉体化したものが挙げら
れる。これらは単独でも数種組み合わせて用いてもよ
い。また、小麦粉の添加量は、焼成食品の品質に合わせ
適宜設定すればよいが、例えばロータリーモールド成形
等の場合には、小麦粉由来の蛋白質の含有量が、焼成食
品の生地中、4重量%(以下%と記す)以下となるよう
添加することが生地の成形性や焼成時の生焼け防止の点
で好ましい。また、食物繊維の含有量の多い生地を、シ
ート状成形等を用いて、型抜きした後に生じるくず生地
を、再度成形して利用する場合には、生地を再利用する
たびに、生地の伸び強度が低下し、シート生地が裂けた
り、切れ易くなる傾向にある。そこで、生地の伸び強度
を高め、かつその強度を保持するためには、強力粉、中
力粉等のグルテン強度の高い小麦粉を主体とし、小麦粉
由来の蛋白質の含有量が焼成食品の生地中、4%以上と
なることが望ましい。上記グルテン強度の高い小麦粉を
用いると、噛みごたえのあるサクサク感を焼成食品に付
与することができる。
とうもろこし繊維(日本食品化工(株)製の「日食セル
エース」シリーズ等)、不二製油(株)製の「ソヤファ
イブ−S」等の「ソヤファイブ」シリーズや、難消化性
デキストリン、ポリデキストロース、の各種水溶性の食
物繊維等が挙げられる。特に、難消化性デキストリンを
用いると、焼成食品生地の成形性が向上するとともに、
焼成時の火の通りが良くなるため、サクサクとした食感
が更に均一化し、口当たりが一層軽くなる点で好適であ
る。難消化性デキストリンとは、澱粉を加熱酵素処理し
て得られるもので、食物繊維部分の平均分子量が500
〜2,000、グルコース残基がα−1,4、α−1,
6並びにβ−1,2、β−1,3およびβ−1,6−グ
ルコシド結合し、還元末端の一部はレボグルコサン
(1,6−アンヒドログルコース)である分岐構造の発
達したデキストリンである。難消化性デキストリンの具
体例としては、例えば、松谷化学工業(株)製の「パイ
ンファイバー」シリーズ、「ファイバーソル」シリーズ
等が挙げられ、これらは単独でも数種併用してもよい。
また、上記水溶性食物繊維を主体とし、これに、例えば
結晶セルロース、ペクチン、海藻粉末、プルラン、ヘミ
セルロース、寒天等を適宜併用してもよいが、このとき
水溶性食物繊維が、食物繊維の総合計量中の50重量%
以上含まれていることが望ましい。併用する食物繊維の
中では、プルランを併用すると、生地の伸展性を改善す
る点で好適である。本発明の焼成食品の製法は、食物繊
維を比較的多量に配合することができ、特に食物繊維含
有量を食品全体中4%以上含む場合に好適に用いられ
る。
において添加原料とは、焼成食品原料のうち食物繊維と
小麦粉を除いたその他の原料を総称するものである。そ
の種類を以下に例示するが、本発明では、中でも特に蛋
白質と油脂とが焼成食品の栄養成分強化の点から好適に
用いられる。まず、蛋白質としては、例えば、各種グル
テンや、森永乳業(株)製の「TMP(トータルミルク
プロテイン)」、乾燥卵白やキューピー(株)製の「卵
白ペプタイドEPシリーズ」,「卵白プロテインUHシ
リーズ」等の卵白加工品、フジピュリナプロテイン
(株)製の「フジプロ」,「サンラバー」,「SUPR
O」,「プロテナー」,「フジソフト」,「ニュースリ
ーミー」,「ニュープロプラス」等の名称を冠したシリ
ーズの大豆蛋白等や、各種ペプチド、ゼラチン、アルブ
ミン、カゼインナトリウム等が用いられ、これらは単独
で使用しても数種併用してもよい。特に、大豆蛋白等の
吸水性の大きい蛋白質を用いる場合、大豆蛋白と共に、
カゼインを用いると、生地の伸び強度が高まり、成形後
のくず生地を再利用しても生地の伸び強度が保持される
点で好適である。カゼインとしては、酸カゼイン,レン
ネットカゼイン,共沈カゼイン,バターミルクカゼイ
ン,粒状カードカゼイン,加熱カードカゼイン等や、こ
れらのアルカリ塩,アンモニウム塩,カルシウム塩等が
挙げられる。特に、水溶性の高いカゼインは好適であ
り、例えば「カゼインナトリウムEM−HV」(ジョー
・ウェリー社製)や「カゼインナトリウム」(日成共益
社製)等のカゼインナトリウムや「森永ペプチドC70
0」(森永乳業(株)製)等が挙げられる。その他、特
開平7−23737号公報に記載の水溶性カゼインカル
シウムを用いてもよい。
性の高い原料であるので、生地のぱさつきや生焼けを引
き起こしやすい。そこで、このような問題を防止するた
めに、蛋白質は予め油脂にて被覆された状態で含有され
ていることが好ましい。なお、ここで「被覆」とは、蛋
白質粒子表面を油脂で被覆した状態、あるいは蛋白質粒
子中に油脂が吸着されている状態の少なくとも一方をい
う。上記油脂としては、通常食品に使用されるものを、
単独もしくは組み合わせて用いればよく、例えば、バタ
ー,ラード,ヘッド等の動物性油脂、もしくはこれらの
加工油脂や、例えば、マーガリン,ショートニング,サ
ラダ油,カカオバター,種実油等の植物油脂、もしくは
これらを加工したカカオ同等脂、中鎖トリグリセライ
ド、サラトリム(カルタ−・フードサイエンス社(旧社
名ファイザー社)製)、カプレニン、オレストラ(プロ
クター&ギャンブル社製)等を適宜選択して用いればよ
い。この中でも水分1%以下の油脂が蛋白質の被覆性の
点で好ましい。特に常温液体油の比率の高い油脂が好適
に用いられる。また、油脂総量中、常温液状油脂の比率
を50重量%以上にすると、被覆性ならびに生地を再利
用する際のグルテン強度保持の点で好適である。また、
油脂の添加量は、焼成食品の品質に合わせ適宜設定すれ
ばよいが、焼成食品生地中、重量比で、蛋白質1に対し
て、油脂が0.3以上、更に好ましくは0.5以上に設
定されていることが望ましい。油脂が0.3未満である
と、蛋白質を充分被覆することができないため、蛋白質
が吸水しやすくなり、生地がぱさついて成形性が悪くな
ったり、焼成時に生焼けになりやすい傾向にある。上記
のように蛋白質を油脂にて被覆した状態で含有させる
と、蛋白質を比較的多量に含む配合組成とすることがで
き、具体的には、蛋白質を焼成食品全体重量中7%以上
含有させることができる。なお、蛋白質や油脂と共に乳
化剤を用いると、生地の伸展性を良くする点で好適であ
る。乳化剤としては、レシチン(大豆レシチン,卵黄レ
シチン)、ショ糖脂肪酸エステル等適宜選択して用いれ
ばよい。特に卵黄レシチンは乳化性、風味の点で好適で
ある。上述のように蛋白質を油脂で被覆すると(すなわ
ち、油脂を蛋白質粒子の表面もしくは表面と粒子中に吸
着させた状態て存在させると)、例えば、サラトリムの
ような脂肪酸臭が強く、油浮きしやすい合成脂質等を用
いた場合でも、脂肪酸臭がマスキングされ、油浮きを防
止できる点で好適である。
様々に設計する目的で、特に任意に配合する原料(任意
原料)があり、例えば次のようなものが挙げられる。例
えば、糖類、澱粉、そば粉、小麦胚芽等の穀粉類、デキ
ストリンやα化穀粉類等の加工澱粉、卵及びその加工
品、乳製品及びその加工品、膨張剤、香料、着色料、乳
化剤、安定剤、塩類、品質改良剤、調味料、酸味料、粉
末茶類、種実類、粒状食品や各種機能性物質、ビタミン
群(ビタミンA,ビタミンE,ビタミンC,ビタミンB
群,ビタミンD,ビタミンK,ナイアシン,パントテン
酸,葉酸等やカロチノイド(β−カロチン,リコピン,
フコキサンチン等)やミネラル類(海藻成分、CCM、
ヘム鉄、鉄塩系、乳清カルシウム、発酵乳酸カルシウ
ム、牛骨カルシウム、珊瑚カルシウム、卵殻カルシウム
等)、各種植物体及びその抽出物や精製物や分画物(オ
オバコ,クロレラ,スピルリナ,にんにく,いちょう
葉,ギムネマ,杜仲の葉,しその葉,ハトムギ,大豆グ
ロブリン,ルチン,緑茶抽出物,テアニン,ポリフェノ
−ル類,甘草,ユッカ,大豆サポニン,カフェイン,シ
ャンピニオンエキス,ホワトルベリーエキス,ガルシニ
ア・カンボジアエキス等)、微生物及びその増殖因子及
び微生物生産物(乳酸菌,酵母,乳酸菌増殖因子等)、
動物体及びその抽出物や精製物や分画物や生産物(ロー
ヤルゼリー,プロポリス,牡蠣エキス,キチン,キトサ
ン,タウリン,コラーゲン,ゼラチン等)、各種オリゴ
糖(ガラクトオリゴ糖,キシロオリゴ糖,大豆オリゴ
糖,フラクトオリゴ糖,イソマルトオリゴ糖,乳果オリ
ゴ糖等)、脂質(不飽和脂肪酸(EPA,DHA等)、
リン脂質)、各種漢方生薬及びその有効成分等、小麦胚
芽(特に脱脂胚芽)等を必要に応じ、単独もしくは適宜
組み合わせて添加すればよい。多糖類を添加する場合
は、マンナン、ムコ多糖類、タマリンド種子多糖類、カ
ラギナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ア
ラビアガム等を用いてもよい。また、糖類として、糖ア
ルコール(ソルビット,マルチトール,エリスリトー
ル,キシリット,ラクチトール,パラチニット,還元澱
粉糖化物等)、砂糖の誘導体(カップリングシュガー,
パラチノース)、澱粉分解物(粉末水飴等)等を用いて
もよい。また、糖類として蜂蜜、ぶどう糖、果糖、ソル
ビット等を用いる場合には、予め乳化剤と混練してから
添加すると、焼成時の焦げやすさを防止する点で好適で
ある。更に、デキストリンを用いる場合には、DE値が
13以下のものを用いると、生地の成形適性を改良する
点で、より好適である。上記原料は、単独でも数種併用
してもよく、その添加量は、焼成食品の品質に合わせ適
宜設定すればよい。上述の任意原料の中でも、特に吸水
性の高い原料や水不溶性の原料については、必要に応じ
て予め油脂と混練しておいてもよい。例えば、ギムネマ
は添加する食品の甘味を低減させる作用を有するが、こ
のギムネマを用いる場合に、予め油脂と混練しておく
と、甘味の低減作用が抑えられて焼成食品の風味に影響
しにくくなる点で好適である。一方、任意原料を油脂、
蛋白とともに予備混練しない場合は、任意原料を予め微
粒化しておくと、焼成食品生地の伸び強度を保持する点
で好適である。
品は、例えば次のようにして製造される。まず、食物繊
維を水に添加し、適宜攪拌して溶解する。このとき、食
物繊維と水の量は、特に限定されるものではなく、焼成
食品の水分、食物繊維等に合わせて適宜設定すればよ
い。好ましくは重量比で食物繊維1に対し水1〜6、更
に好ましくは1.5〜5.5程度である。また、焼成食
品生地調製用の水分全量とを食物繊維の溶解用に使用し
てもよいし水分の一部を用いてもよい。更に、溶解に使
用する水分の種類については、単なる水、あるいは牛
乳、果汁、スープ等の高水分原料を用いてもよく、また
は上述の任意原料のうち、例えばビタミン類等の微量栄
養素、塩類、調味料、色素等の水溶性の原料を溶解した
水溶液を用いてもよい。添加量は、生地の物性や焼成食
品の品質にあわせて適宜設定すればよい。また、食物繊
維が重量比で溶解水1に対し0.8以上になる場合は、
食物繊維を糖類等の水溶性粉体原料と予備混合したの
ち、水に溶解すると、食物繊維がダマにならずに均一に
溶解できる点で好適である。また、添加原料中の水溶性
原料を共に溶解しておいてもよい。
水溶液を、それ以外の原料(小麦粉及び添加原料)と必
要に応じ水分とともに略均一になるまで混練して、焼成
食品生地を得る。混練手段は特に限定されず、例えば、
エクストルーダー、ケーキミキサー、ニーダー等の混練
手段を、単独または複数組み合わせて用いればよい。な
お、混練時に乳化剤、安定剤、カゼイン等を添加するよ
うにしてもよい。このとき、混練の程度は、焼成食品の
成形方法等にあわせて、適宜調節すればよいが、例え
ば、食感の固い焼成食品に仕上げる場合には、混練時間
を長くしたり、40℃以上に加温する等の処理を行えば
よい。また、水分は、単なる水でよいが、牛乳、果汁、
スープ等の高水分原料を用いてもよく、あるいは、微量
栄養素、塩類、調味料、色素等の原料を溶解した水溶液
を用いてもよい。添加量は、生地の物性や焼成食品の品
質にあわせて適宜設定すればよい。更に、必要に応じ
て、焼成食品生地を適当な温度や湿度にてエージング
し、生地物性の安定化を行ってもよい。
工程に先立ち、予め蛋白質と油脂とを混練して、油脂で
蛋白質を被覆した状態で添加することが、生地成形性、
火通り向上の点で好ましい。更に、蛋白質と油脂とを混
練したのち、6〜24時間程度エージングしてから、食
物繊維水溶液、小麦粉、添加原料と混練すると、生地成
形と火通りが一層向上し、好適である。
方法は特に限定するものではなく、例えば、デポジット
成形,ロータリーモールド成形,シート成形,押出成
形,絞り出し成形等、生地の物性や焼成食品の品質に合
わせ適宜設定すればよい。また、成形時に、例えば種実
類,アラザン,スプレー類、乾果類等を振りかけたり、
混合するようにしてもよく、更に、配合、色調、風味の
異なる生地を複数組合せて成形するようにしてもよい。
ては、例えば、オーブン,マイクロ波加熱装置.ホイ
ロ,二軸エクストルーダー等、従来用いられているもの
を適宜選択して用いればよい。また焼成条件は、焼成装
置の機種や焼成食品の配合、水分、品質等に合わせて適
宜設定すればよい。
一かつ充分に膨化しており、口当たりが軽く、サクサク
とした食感が均一に感じられるものである。この焼成食
品は、例えば、クッキー,ビスケット,クラッカー,ス
ナック菓子,ラスク様食品,ケーキ等の各種食品に用い
られ、特に、水分10%以下の低水分食品や膨化率の低
い(1.1〜2.3程度)食品に好適に用いられる。ま
た、本願の焼成食品は、例えば油脂含有量が食品全体の
16%以下であっても充分に焼成、膨化するため、所謂
「カロリー調整食品」としても好適に用いられる。な
お、本発明の焼成食品には、必要に応じ、粉糖等の粉末
状食品や、ジャム,ソース,生クリーム,チョコレート
等のペースト状食品を塗布したり、サンドしたり、飾り
つけする等の様々な加工を施してもよい。
物繊維が予め水溶化された状態で混合されているので、
小麦粉中のグルテンの網目構造の形成が充分になされ、
焼成食品の生地の成形性(伸展性)を向上させることが
できる。また焼成時の生焼けを防止することもできる。
その結果、焼成食品に食物繊維を多量に添加することが
でき、また他の栄養成分の添加量を増すことも可能とな
り、栄養成分を強化しながらも、外観良好で、しかも焼
成食品本来の香ばしい風味や、サクサクとした口当たり
の軽い食感の焼成食品を得ることができる。また、本発
明の焼成食品は、特殊設備や製造条件を用いることな
く、通常の焼成食品と同様の設備で簡便に製造すること
ができる。
基づき具体的に説明する。 〈実施例1〜8〉表1及び表2に示す組成で、食物繊維
を水に溶解し、食物繊維水溶液を得た。次に、上記食物
繊維水溶液を他の原料とともに均一になるまで更に混練
した。その後、生地を縦5×横5×厚み4mmになるよ
うシート状成形し、180℃20分間オーブンで焼成
し、ビスケット様焼成食品を得た。 〈実施例9〜13〉蛋白質を予め油脂と混合したのち添
加した他は、実施例1と同様にしてビスケット様焼成食
品を得た。 〈比較例〉原料を全て一括混合する他は、実施例と同様
にした。
いて、成形工程における成形性(生地のまとまりやす
さ、形状の安定性)について評価した。また、焼成後の
ビスケット様焼成食品5gを粉体化し、ケット水分計に
て98℃で恒量に達するまで水分量を測定した。更に、
得られたビスケット様焼成食品について、火通り、食感
について専門パネラー20名にて評価した。また、成形
した生地を一旦丸めて再度成形する操作を10回繰り返
したときの生地の伸び強度について「生地の再利用強
度」として評価した。なお、上記実施例及び比較例のビ
スケット様焼成食品に用いた具体的原料は次の通りであ
る。 小麦粉:(実施例1〜12、及び比較例)日清製粉
(株)製「フラワー」蛋白質7.7%。(実施例13)
日清製粉(株)製「オーション」蛋白質13%。 大豆蛋白:フジピュリナプロテイン(株)製「プロテナ
ー200」蛋白質89.5%。 卵白プロテイン:キューピー(株)製「卵白プロテイン
UHA」蛋白質82.5%。 難消化性デキストリン:松谷化学工業(株)製「ファイ
バーソル#2」食物繊維90%。 大豆食物繊維:不二製油(株)製「ソヤファイブS」食
物繊維60%。 デキストリン(DE10〜12):松谷化学工業(株)
製「パインデックス#2 」。デキストリン(DE2〜5):松谷化学工業(株)
製「パインデックス#100」。 以上の結果を表1及び表2に併せて示す。
品は、予め食物繊維を水溶化した後、その他の原料と混
合しているため、生地中の不溶化物の割合が減少して小
麦粉グルテンの網目構造が強固に形成され、生地伸展性
が向上し、成形性が良好であった。また、火通りも良好
で、サクサクとした軽い食感の焼成食品であった。特
に、予め蛋白質と油脂とを混合して添加した実施例9〜
10は、生地を再利用しても伸び強度が保持されてい
た。更に小麦粉として強力粉を用い、カゼインナトリウ
ムを併用した実施例13は、生地成形性と生地の再利用
時の伸び強度とが、ともに大変良好であり、噛みごたえ
のあるサクサク感を有していた。これに対し、比較例の
焼成食品は、製造中に生地のまとまりが悪く、焼成時に
実施例品より長時間(180℃×20分間及び160℃
×40分間)焼成したにもかかわらず、焼成後のビスケ
ット様焼成食品中に、実施例の約2倍量の水分が残存し
ていることからも明らかなように、火通りが悪く、生焼
けとなっていた。
Claims (1)
- 【請求項1】 小麦粉と食物繊維と添加原料とを混合し
てなる生地を、焼成して焼成食品を製造するにあたり、
前記食物繊維を予め水溶化したのち、小麦粉及び添加原
料と混合することを特徴とする焼成食品の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24120396A JP3403899B2 (ja) | 1996-08-22 | 1996-08-22 | 焼成食品の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24120396A JP3403899B2 (ja) | 1996-08-22 | 1996-08-22 | 焼成食品の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1056947A true JPH1056947A (ja) | 1998-03-03 |
JP3403899B2 JP3403899B2 (ja) | 2003-05-06 |
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ID=17070743
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---|---|---|---|
JP24120396A Expired - Fee Related JP3403899B2 (ja) | 1996-08-22 | 1996-08-22 | 焼成食品の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011097924A (ja) * | 2009-10-06 | 2011-05-19 | Adeka Corp | 食物繊維組成物 |
JP2011097923A (ja) * | 2009-10-06 | 2011-05-19 | Adeka Corp | ベーカリー製品練込用水中油型乳化油脂組成物 |
WO2012128266A1 (ja) * | 2011-03-22 | 2012-09-27 | 不二製油株式会社 | 米原料配合ベーカリー製品 |
JP2014073079A (ja) * | 2012-10-02 | 2014-04-24 | Tsukishima Foods Industry Co Ltd | 焼菓子、焼菓子の製造法、及び焼菓子用油脂組成物 |
-
1996
- 1996-08-22 JP JP24120396A patent/JP3403899B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP3403899B2 (ja) | 2003-05-06 |
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