JP2014073079A - 焼菓子、焼菓子の製造法、及び焼菓子用油脂組成物 - Google Patents

焼菓子、焼菓子の製造法、及び焼菓子用油脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】挟み焼き機等の特別な製造設備を必要としないで、ビスケット等の焼菓子の製造に汎用されるオーブンで、はさみ焼きと同じようなカリカリとした軽い食感が得られる焼菓子を提供し、また、その焼菓子の製造法、及びその焼菓子のための油脂組成物を提供する。
【解決手段】澱粉質原料を含む粉体原料に対して、食用加工油脂と、水溶性蛋白素材と、乳化剤とを、特定量で加えて生地原料とし、これに温水を加えて湯捏ねして生地を調製して、成型し、焙焼することで、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有する焼菓子を得る。また、油脂と、水溶性蛋白素材と、乳化剤とを、特定量で含有せしめて焼菓子のための油脂組成物とする。前記水溶性蛋白素材としてはカゼインを含有し、前記乳化剤としてはレシチンを含有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、焼菓子、焼菓子の製造法、及び焼菓子用油脂組成物に関する。
ウエハース、ゴーフレット、駄菓子のソースせんべいなどに代表される、はさみ焼きは、小麦粉、澱粉などの粉体原料に対して加水して水種とし、挟み焼き機を用いて薄い間隙の鉄板ではさんで焼いて得られる。このため、伝導熱により急激に加熱された生地の水分が水蒸気となり、それが薄い間隙の鉄板にはさまれ逃げ場を失い急激に膨脹して、多孔質な内層構造に焼き上がる。また、生地に含まれる澱粉のα化が充分になされるため、カリカリとした軽い食感に仕上がる。
これに対して、ハードビスケットなどでは、はさみ焼きとは製造設備が異なる。即ち、小麦粉のグルテンによるつなぎがある伸展性のある生地をロールで薄くシート状に伸ばし、所定形状に打ち抜き成型して、成型生地をプレート又はメッシュ上に載置してオーブン内で上面が開放された状態で焙焼する方法が採用される。これによると、生地の上面は主に放射熱(ふく射熱)により、下面は主に伝導熱により焙焼され、はさみ焼きと比較すると熱の伝わりが穏やかで、生地の加水量も少ないので充分にα化されたカリカリとした軽い食感にはならない。むしろ澱粉粒の一部がα化されずに残り、これがフレーク状の層が積み重なった内層構造や、サクサクした食感に寄与している。また、水蒸気の量も少なく発生した水蒸気やガスは成型生地から発散して逃げてしまい、多孔質な内層構造にはならない。
一方、草加せんべいなどに代表される、かた焼きせんべいは、米粉を蒸し、冷却後に練り、これを圧延、型抜きして、乾燥し、焼いて得られる。一般に硬く、はさみ焼きのように多孔質な内層構造を崩して食べるような食感ではない。また、火ぶくれにより内部に空洞部分が生じて、その表面がでこぼこになってしまうことが多い。
また、小麦ドウをイースト発酵させた生地で作られるクラッカーは、比較的柔らかな砕け易いパリッとした食感であるが、内層には空洞が多く、はさみ焼きのように多孔質な内層構造を崩して食べるような食感ではない。また、イースト発酵の独特の風味が残る(特許文献1参照)。
特許第2584679号公報
挟み焼き機等の特別な製造設備を必要としないで、はさみ焼き様の焼菓子を製造できれば、製品バリエーションが広がり、新規製品の開発にもつながるので、従来からその要請があったが、実現されてはいなかった。
本発明の目的は、ビスケット等の焼菓子の製造に汎用されるオーブンで、はさみ焼きと同じようなカリカリとした軽い食感が得られる焼菓子を提供し、また、その焼菓子の製造法、及びその焼菓子のための油脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、以下の構成からなる本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第1は、固形分換算で、澱粉質原料を含む粉体原料100質量部に対して、食用加工油脂3〜20質量部、水溶性蛋白素材1〜5質量部、及び乳化剤0.3〜4質量部含有する生地原料に、該生地原料100質量部に対して50〜100質量部の60℃以上の温水を加えて湯捏ねして調製された生地を成型し、該成型物をメッシュ上に載置して上面が開放された状態で焙焼して得られた焼菓子であって、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有することを特徴とする焼菓子を提供するものである。
上記発明においては、前記水溶性蛋白素材としてカゼインを含有し、前記乳化剤としてレシチンを含有することが好ましい。
また、前記粉体原料は、α化澱粉を含む澱粉を30〜100質量%含有することが好ましい。
一方、本発明の第2は、固形分換算で、澱粉質原料を含む粉体原料100質量部に対して、食用加工油脂3〜20質量部、水溶性蛋白素材1〜5質量部、及び乳化剤0.3〜4質量部含有する生地原料に、その生地原料100質量部に対して50〜100質量部の60℃以上の温水を加えて湯捏ねして生地を調製し、該生地を厚さ0.1〜3.0mmのシート状にして所定形状に打ち抜き成型し、該成型物をメッシュ上に載置して上面が開放された状態で焙焼することを特徴とする焼菓子の製造方法を提供するものである。
上記発明においては、前記水溶性蛋白素材としてカゼインを含有し、前記乳化剤としてレシチンを含有する原料を用いることが好ましい。
また、前記粉体原料は、α化澱粉を含む澱粉を30〜100質量%含有することが好ましい。
また、前記焙焼をオーブンで行ない、焙焼工程中の前半の焙焼温度を230〜260℃に設定し、その後半の焙焼温度を210〜230℃に設定して焙焼することが好ましい。
更に、本発明の第3は、油脂8〜20質量部、カゼインを含む水溶性蛋白素材を1〜5質量部、レシチンを含む乳化剤を0.3〜4質量部の割合で含有することを特徴とする焼菓子用油脂組成物を提供するものである。
本発明によれば、挟み焼き機等の特別な製造設備を必要としないで、ビスケット等の焼菓子の製造に汎用されるオーブンで、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有する焼菓子を製造することができる。
多孔質な内層構造を有する焼菓子の断面の状態を模式的に示す図である。 フレーク状な内層構造を有する焼菓子の断面の状態を模式的に示す図である。 層状な内層構造を有する焼菓子の断面の状態を模式的に示す図である。 実施例1の焼菓子の断面写真である。 実施例2−1の焼菓子の断面写真である。 実施例3−1の焼菓子の断面写真である。 実施例4−1の焼菓子の断面写真である。 実施例5−1の焼菓子の断面写真である。 実施例6の焼菓子の断面写真である。
本発明に用いられる澱粉質原料を含む粉体原料の該澱粉質原料としては、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、トウモロコシ澱粉、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、くず澱粉等の澱粉や、これら澱粉に、酸処理、酵素処理、エステル化、エーテル化、架橋化等の化学的処理、あるいは高周波処理、湿熱処理、放射線処理等の物理的処理を、単独もしくは複数施してなる化工澱粉などが挙げられる。このうち澱粉としては、更にα化処理したものを用いてもよい。これらは単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記粉体原料は、上記澱粉質原料以外の粉体原料を含むものであってもよいが、はさみ焼きと同じようなカリカリとした軽い食感とするためには、上記澱粉質原料を30〜100質量%含有している必要がある。上記澱粉質原料以外の粉体原料としては、小麦粉、乾燥ポテト、米粉、コーンフラワー、きな粉などが挙げられるが、これらに限られない。これらは単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記粉体原料は、α化澱粉を含む澱粉を30〜100質量%含有することが好ましく、α化澱粉を含む澱粉を30〜100質量%含有し、かつ、α化澱粉を5〜50質量%含有することがより好ましく、α化澱粉を含む澱粉を60〜100質量%含有し、かつ、α化澱粉を10〜30質量%含有することが最も好ましい。これによれば、はさみ焼きと同じようなカリカリとした軽い食感とするのがいっそう容易となる。また、粉体原料に対する加水量を増やすことができるので、焙焼中に生地内部に生じる水蒸気の量をより多くすることができ、これにより、はさみ焼き様の多孔質な内層構造とするのがいっそう容易となる。澱粉としては馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉などを用いることがより好ましく、また、α化澱粉としては、馬鈴薯澱粉のエーテル架橋α化澱粉、タピオカのエーテル架橋α化澱粉、馬鈴薯澱粉のアセチル架橋α化澱粉などを用いることがより好ましい。α化澱粉として市販の「エリアンVC−120」(松谷化学社製)、「プリジェルVA70P」(松谷化学社製)、「パセリPAC」(松谷化学社製)などを用いてもよい。
本発明に用いられる食用加工油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂や動物油脂、あるいはこれら油脂に水素添加、分別、エステル交換等の処理を、単独もしくは複数施してなる加工油脂などを原料として用いて、常法により調製された、マーガリン状、ショートニング状等が挙げられる。食用加工油脂であればいずれでもよく、特に制限はないが、例えば常温で可塑性のあるもの、あるいは油相のSFCが10℃で50〜100%、より好ましくは60〜90%、20℃で30〜70%、より好ましくは35〜65%、30℃で10〜40%、更により好ましくは15〜35%のものを用いることが、伸展性がよく保形性のある生地を得られるという観点からより望ましい。
本発明に用いられる水溶性蛋白素材としては、水溶性の蛋白素材であって、焙焼により生地表面にその蛋白素材が熱変性して被膜が形成して、生地内部の水蒸気やガスが発散し難くするのに寄与するものであればよく、特に制限はない。例えばカゼイン塩、乳蛋白、乳蛋白分解物、ホエー蛋白、ホエー蛋白分解物、大豆蛋白、大豆蛋白分解物などが挙げられる。より好ましくは、カゼインNa、カゼインK、カゼインCa、カゼインMg、酸カゼイン、カゼイン分解物などである。
本発明に用いられる乳化剤としては、生地のべとつきを抑制するのに寄与するものあればよく、特に制限はない。例えばレシチン類、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。より好ましくは、大豆レシチン、卵黄レシチン、米糠レシチン等、また、粗製レシチン、油脂分を除去した脱脂レシチン、酵素で処理した酵素分解レシチン、溶剤等で特定の成分割合を高めた分画レシチンなどである。それぞれのレシチンはリン脂質を有効成分としており、他の成分が含まれる場合もあるが、そのリン脂質濃度が高いことが望ましい。なお、本明細書においてレシチン含量は、有効成分であるリン脂質の含量に換算した値を意味するものとする。
本発明の焼菓子は、生地原料として、固形分換算で、上記粉体原料100質量部に対して、上記食用加工油脂を3〜20質量部、より好ましくは5〜12質量部、上記水溶性蛋白素材を1〜5質量部、より好ましくは2〜4質量部、上記乳化剤を0.3〜4質量部、より好ましくは1〜3質量部含有するものを得、これに温水を加えて湯捏ねして調製された生地を成型し、その成型物をメッシュ上に載置して上面が開放された状態で焙焼して得られた焼菓子であって、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有する焼菓子である。なお、「多孔質な内層構造」とは、図1に模式的に示すように、焼菓子の内層(断面)に0.5〜3mm程度の目が開いた略球状の丸い気泡のような空洞が無数にある状態を意味し、図2,3に模式的に示すようなフレーク状や層状などの内層構造を有する焼菓子(クラッカーやパイなど)とは、構造を異にする。
上記食用加工油脂の含有量が上記範囲未満であると、伸展性がよく保形性のある生地が得難く、生地をロールで薄くシート状に伸ばし型抜きして、その成型生地を焙焼するといった、ビスケット等の製法を利用できない。また、上記範囲を超えると、保形性が無くなりシート状の成型ができなくなってしまう傾向がある。
上記水溶性蛋白素材の含有量が上記範囲未満であると、焙焼後の内層構造は目が細かくなり、はさみ焼き様の多孔質な内層構造とならない。また、カリカリとした軽い食感は失われ、サクサクとした食感になってしまう。また、上記範囲を超えると、固くなり風味が損なわれる傾向がある。
上記乳化剤の含有量が上記範囲未満であると、生地にべとつきが生じ、生地をロールで薄くシート状に伸ばし型抜きして、その成型生地を焙焼するといった、ビスケット等の製法を利用できない。また、上記範囲を超えると、柔らかくなりすぎ生地にコシがなくなる傾向がある。
本発明においては、上記水溶性蛋白素材としてカゼインを用い、上記乳化剤としてレシチンを用いることが好ましい。これによれば、上記効果とともに、更に、後述するように澱粉質原料を含む粉体原料に温水を加えて湯捏ねし、澱粉質原料の一部又は全部がα化するようにして生地を調製する際、あるいは、上述したようにα化澱粉の配合量の多い生地を調製する場合に、そのように調製された生地に特有の、プリプリとしてべとつきがある伸展性の悪さが、これらの添加により抑制され、粉体原料と水分とがよく水和し、また、油脂もよく乳化して生地にべたつきがない、サラッとしてなめらかな伸展性がよい生地を得ることができる。従って、非常に作業性よく、生地を成型したり焙焼したりすることができる。
本発明においては、上記生地の調製の際、澱粉質原料を含む粉体原料に温水を加えて湯捏ねして生地を調製する。これによれば、澱粉質原料の一部又は全部がα化し、はさみ焼きと同じようなカリカリとした軽い食感とするのがいっそう容易となる。また、粉体原料に対する加水量を増やすことができるので、焙焼中に生地内部に生じる水蒸気の量をより多くすることができ、これにより、はさみ焼き様の多孔質な内層構造とするのがいっそう容易となる。
上記湯捏ねは、生地原料100質量部に対して50〜100質量部の60℃以上の温水、より好ましくは80℃以上の温水を加えて行う。これによれば、上記効果とともに、更に、生地がまとまり作業性がよくなる。
本発明においては、上記生地中に更に膨化剤を配合することが好ましい。これによれば、水蒸気の生じない温度帯、例えば60〜80℃でも、膨化剤によるガスが活発に生じるので、焙焼前半の温度上昇過程にある生地内部にガスを発生させることができ、これにより、はさみ焼き様の多孔質な内層構造とするのがいっそう容易となる。
膨化剤としては、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、焼ミョウバン、フマル酸、ピロリン酸二水素カルシウム、L−酒石酸水素カリウム、リン酸二水素カルシウムなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。その含有量としては、膨化剤の種類にもよるが、例えば、上記生地中に、上記粉体原料100質量部に対して、0.5〜4質量部含有することが好ましく、1〜3質量部含有することがより好ましい。
なお、膨化剤は、上記生地原料に配合して加水すると、生地の調製中にガスを生じるおそれがあるので、上記生地を調製した後に、好ましくは水等に混合して、その生地に添加、混合することにより生地中に配合することが好ましい。
本発明の焼菓子には、本発明による作用効果を損なわない範囲で、砂糖、グラニュー糖、上白糖、三温糖、ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、デキストリン、フルクトース、トレハロース、グルコース、乳糖、オリゴ糖及び糖アルコール等の糖類、食塩、醤油、アミノ酸、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、リキュール類、酒類、味醂類、クロレラ粉末、海老粉末、果汁、チョコレート、ココア、コーヒー、抹茶等の風味原料、青のり、全脂粉乳、フレーバー、乾燥全卵などを更に含有せしめることに特に制限はなく、それらは上記生地原料中に添加してもよく、上記生地の調製前又は調製中又は調製後に添加してもよく、その添加、配合、混合の態様にも特に制限はない。
本発明においては、上記生地を厚さ0.1〜3.0mm、より好ましくは0.20〜1.5mm更により好ましくは0.30〜0.75mmのシート状にして所定形状に打ち抜き成型し、これを焙焼することが好ましい。これによれば、ビスケット等の焼菓子の製造に汎用されるオーブン等で、生地の表面と裏面が放射熱(ふく射熱)と伝導熱により焙焼する場合でも、上記水溶性蛋白素材が熱変性して形成された被膜が生地表面に形成され易く、これにより生地内部からの水蒸気やガスの発散を抑え、更には、成型生地の中心部まで熱が短時間で加わるため、急激に水蒸気やガスが発生して、はさみ焼き様の多孔質な内層構造が得易い。そして、例えば、焙焼後の状態で厚さ1.0〜7.0mmの、ウエハース、ゴーフレット、駄菓子のソースせんべいのような薄い外観と質感の、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有した焼菓子を得ることができる。
なお、上記生地の成型においては、適度に生じた水蒸気やガスの逃げ場をつくり火ぶくれを防ぐため、ミシン目を入れたり針穴を開けたりしてもよい。
本発明においては、上記生地の成型物をメッシュ上に載置して上面が開放された状態で焙焼することができる。即ち、生地をロールで薄くシート状に伸ばし型抜きするといった、ビスケット等の製法を好適に利用できる。
ただし、上記生地の成型物の焙焼においては、生地内部からの水蒸気やガスの発散を抑えるため、水蒸気やガスが発生する前に、生地表面に上記水溶性蛋白素材による被膜を形成させる必要がある。このため、常法ではビスケット等の焼菓子のオーブンの温度設定・時間は平均230℃で5〜8分であるところ、焙焼温度のピークをオーブン前半にシフトして焙焼することが好ましい。また、生地への加水量が多いため、常法のビスケットの焙焼時間と比較して1.5〜2倍程度の焙焼時間を要する。
具体的には、例えば、常法では焙焼工程中の前半(例えば、1〜3分間)が210〜230℃、中頃(例えば、4〜6分間)が230〜260℃、後半(例えば、7〜8分間)が210〜230℃のオーブンの温度設定の場合、本発明においては、前半(例えば、1〜5分間)が230〜260℃、中頃〜後半(例えば、6〜15分間)が210〜230℃のように焙焼温度のピークを焙焼工程中の前半にシフトし、更に全体の焙焼時間を長くして、焙焼することが好ましい。
また、上火と下火とを備えたオーブンで焙焼する場合には、焙焼工程中の前半(例えば、1〜3分間)にて、オーブンの上火を下火よりも強くすることが好ましい。これによれば、上記効果とともに、更に、安定した多孔質な内層構造を有した焼き菓子が得られる。
更に、上記生地の成型物をオーブンに入れる前に、それを載置するメッシュの表面を200〜250℃に予め熱することが好ましい。これによれば、メッシュに載置した直後から生地裏面からの伝導熱により急激に加熱されるので、生地内部の水蒸気やガスの発生が活発に行われ、はさみ焼き様の多孔質な内層構造とするのがいっそう容易となる。ただし、この場合、生地表面に上記水溶性蛋白素材による被膜を形成させるタイミングよりも水蒸気やガスの発生するタイミングが早すぎてと、発生した水蒸気やガスが発散してしまうことがないように、上述した焙焼の態様のように、焙焼温度のピークを焙焼工程中の前半にシフトしたり、焙焼工程中の前半で上火を強くしたり、又はその両方を行うことが好ましい。これにより、更に安定して品質の良い、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有する焼菓子を得ることができる。
一方、本発明の焼菓子用油脂組成物は、油脂8〜20質量部、カゼインを含む水溶性蛋白素材1〜5質量部、レシチンを含む乳化剤0.3〜4質量部の割合で含有する焼菓子用油脂組成物である。
その水溶性蛋白素材や乳化剤としては、上記に説明した本発明の焼菓子やその製造方法において用いられるものを用いることができる。また、油脂としては、ナタネ油、大豆油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サル脂等の植物油脂、牛脂、豚脂、魚油、乳脂等の動物油脂、あるいはこれら油脂に水素添加、分別、エステル交換等の処理を、単独もしくは複数施してなる加工油脂などを、1種または複数を用いることが可能であるが、それらに限定されるものではない。
例えばその調製例を挙げれば、上記の割合で油脂、水溶性蛋白素材、乳化剤を混合し、70℃程度まで加温して完全に溶解した後、急冷練り合わせすることで、油脂組成物を得ることができる。
また、本発明の焼菓子用油脂組成物には、本発明による作用効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、消泡剤、色素、澱粉、上記以外の乳化剤などを、更に含有せしめることに特に制限はない。
この焼菓子用油脂組成物によれば、上記に説明した本発明の焼菓子やその製造方法において、その原料として好適に利用でき、より簡便に、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有する焼菓子を製造することができる。
以下本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
表1の配合にて、焼菓子を作製した。
即ち、馬鈴薯澱粉85.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)と、グラニュー糖6.7質量部と、食塩1.8質量部とをよく混合し、これにショートニング8.3質量部と、カゼインナトリウム2.5質量部と、大豆レシチン1.7質量部(大豆レシチンのリン脂質濃度が65質量%でありそのリン脂質換算での質量部をいう。以下同様。)とを加えて更に混合し、生地原料とした。
この生地原料に、60℃以上に調整した湯66.7質量部を加えて捏ね、更に水2.5質量部に炭酸水素アンモニウム2.5質量部を溶かしたものと、海老粉末4.2質量部を加えて混合し、生地とした。
この生地を厚さ1.0mmのシート状に成型し、針穴をあけ、直径6cmの円板状に打ち抜き成型した。その成型物を焼菓子用汎用オーブンのメッシュ天板に載置して、210〜230℃で約10分焙焼し、焼菓子を得た。
なお、ショートニング、カゼインナトリウム、大豆レシチンのいずれかを欠いたり、60℃のお湯の代わりに水を加えて捏ねて生地を調製したりすると、べとついた離水しやすい生地となり成型できなかった。
[評価1]
得られた焼菓子について、(1)多孔質な内層構造、(2)カリカリとした軽い食感、(3)粉体原料の素材感(味)、ならびに(1)〜(3)の総合評価について、下記評価基準によって評価した。なお、多孔質な内層構造とは、図1に模式的に示すような、焼菓子の内層(断面)に0.5〜3mm程度の目が開いた略球状の丸い気泡のような空洞が無数にある状態かどうかで評価し、カリカリとした軽い食感とは、歯触りがカリカリして口中でダマになることなく口溶けが良いかどうかで評価し、粉体原料の素材感(味)とは、添加した個々の粉体原料の味、風味が心地よく感じられるかどうかどうかで評価した。なお、図4には、実施例1の焼菓子の断面写真を示す。

5:非常に良い
4:良い
3:やや良い
2:やや悪い
1:悪い
表2にはその結果を示す。
表2に示すように、実施例1の焼菓子は、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有し、カリカリとした軽い食感の焼菓子であった。また、馬鈴薯澱粉を多く含む配合により、軽い食感で、口どけが良い海老風味が付された焼菓子であった。
[実施例1−1〜実施例1−4]・[比較例1−1〜比較例1−2]
表3の配合にて、焼菓子を作製した。
即ち、カゼインナトリウムの配合量を、粉体原料100質量部に対して0.5質量部、1.0質量部、2.0質量部、4.0質量部、5.0質量部、または7.5質量部とした以外は実施例1と同様にして、焼菓子を得た。
[評価2]
得られた焼菓子について、[評価1]と同様に評価した。表4にはその結果を示す。
表4に示すように、カゼインナトリウムの配合量が多すぎたり少なすぎたりすると、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有し、カリカリとした軽い食感が得られない傾向があった。また、カゼインナトリウムの配合量が多すぎると、粉体原料の素材感(味)を損なう傾向があった。
[実施例1−5〜実施例1−8]・[比較例1−3〜比較例1−4]
表5の配合にて、焼菓子を作製した。
即ち、大豆レシチンの配合量を、粉体原料100質量部に対して0.1質量部、0.3質量部、1.0質量部、3.0質量部、4.0質量部、または5.0質量部とした以外は実施例1と同様にして、焼菓子を得た。
[評価3]
得られた焼菓子について、[評価1]と同様に評価した。表6にはその結果を示す。
表6に示すように、大豆レシチンの配合量が多すぎたり少なすぎたりすると、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有し、カリカリとした軽い食感が得られない傾向があった。また、大豆レシチンの配合量が多すぎると、粉体原料の素材感(味)を損なう傾向があった。
[実施例2−1〜実施例2−4]
表7の配合にて、焼菓子を作製した。
即ち、実施例2−1では、小麦粉42.5質量部と、馬鈴薯澱粉42.5質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例2−2では、小麦粉60.0質量部と、馬鈴薯澱粉25.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例2−3では、小麦粉70.0質量部と、馬鈴薯澱粉15.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例2−4では、小麦粉85.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、その他は表3の配合にて、実施例1と同様にして、焼菓子を得た。
[評価4]
得られた焼菓子について、[評価1]と同様に評価した。表8にはその結果を示す。なお、図5には、実施例2−1の焼菓子の断面写真を示す。
表8に示すように、実施例2の焼菓子は、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有し、カリカリとした軽い食感の焼菓子であった。また、小麦粉の添加により、セイボリー風味の焼菓子であった。ただし、実施例2−2,2−3のように、小麦粉の添加により馬鈴薯澱粉の割合が低くなると、やや歯ごたえのある食感となる傾向があった。また、実施例2−4にみられるように、馬鈴薯澱粉の割合が更に低くなると、内層構造が詰まった目となり、カリカリとした軽い食感や、粉体原料の素材感(味)にも劣り、総合評価がやや悪かった。
[実施例3−1〜実施例3−5]
表9の配合にて、焼菓子を作製した。
即ち、実施例3−1では、青きな粉15.0質量部と、乾燥ポテト粉末15.0質量部と、馬鈴薯澱粉55.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例3−2では、青きな粉25.0質量部と、乾燥ポテト粉末15.0質量部と、馬鈴薯澱粉45.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例3−3では、青きな粉45.0質量部と、乾燥ポテト粉末15.0質量部と、馬鈴薯澱粉25.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例3−4では、青きな粉50.0質量部と、乾燥ポテト粉末20.0質量部と、馬鈴薯澱粉15.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例3−5では、青きな粉65.0質量部と、乾燥ポテト粉末20.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、その他は表5の配合にて、実施例1と同様にして、焼菓子を得た。
[評価5]
得られた焼菓子について、[評価1]と同様に評価した。表10にはその結果を示す。なお、図6には、実施例3−1の焼菓子の断面写真を示す。
表10に示すように、実施例3の焼菓子は、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有し、カリカリとした軽い食感の焼菓子であった。また、きな粉の添加により、ややザクザクした食感で、大豆の香ばしさと豆風味(枝豆のような)が付された焼菓子であった。ただし、実施例3−3,3−4のように、きな粉の添加により馬鈴薯澱粉の割合が低くなると、やや口どけの悪い粉っぽい食感となる傾向があった。また、実施例3−5にみられるように、馬鈴薯澱粉の割合が更に低くなると、内層構造が詰まった目となり、カリカリとした軽い食感にも劣り、総合評価がやや悪かった。
[実施例4−1〜実施例4−5]
表11の配合にて、焼菓子を作製した。
即ち、実施例4−1では、乾燥ポテト粉末35.0質量部と、馬鈴薯澱粉50.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例4−2では、乾燥ポテト粉末42.5質量部と、馬鈴薯澱粉42.5質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例4−3では、乾燥ポテト粉末60.0質量部と、馬鈴薯澱粉25.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例4−4では、乾燥ポテト粉末70.0質量部と、馬鈴薯澱粉15.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例4−5では、乾燥ポテト粉末85.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、その他は表7の配合にて、実施例1と同様にして、焼菓子を得た。
[評価6]
得られた焼菓子について、[評価1]と同様に評価した。表12にはその結果を示す。なお、図7には、実施例4−1の焼菓子の断面写真を示す。
表12に示すように、実施例4の焼菓子は、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有し、カリカリとした軽い食感の焼菓子であった。また、乾燥ポテトの添加により、ポテトの味が後を引くスナック的な連食性が付された焼菓子であった。ただし、実施例4−2〜実施例4−4のように、乾燥ポテトの添加により馬鈴薯澱粉の割合が低くなると、やや歯ごたえのある食感となる傾向があった。また、実施例4−5にみられるように、馬鈴薯澱粉の割合が更に低くなると、内層構造が詰まった目となり、カリカリとした軽い食感にも劣り、総合評価がやや悪かった。
[実施例5−1〜実施例5−5]
表13の配合にて、焼菓子を作製した。
即ち、実施例5−1では、米粉15.0質量部と、馬鈴薯澱粉70.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例5−2では、米粉25.0質量部と、馬鈴薯澱粉60.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例5−3では、米粉42.5質量部と、馬鈴薯澱粉42.5質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例5−4では、米粉70.0質量部と、馬鈴薯澱粉15.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、実施例5−5では、米粉85.0質量部と、α化加工澱粉15.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)を用い、その他は表9の配合にて、実施例1と同様にして、焼菓子を得た。
[評価7]
得られた焼菓子について、[評価1]と同様に評価した。表14にはその結果を示す。なお、図8には、実施例5−1の焼菓子の断面写真を示す。
表14に示すように、実施例5の焼菓子は、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有し、カリカリとした軽い食感の焼菓子であった。また、米粉の添加により、米の風味があり、うすやきせんべい風ではあるが、それよりもさらに連食性のあるパリパリとした軽い食感が付された焼菓子であった。ただし、実施例5−2〜実施例5−4のように、米粉の添加により馬鈴薯澱粉の割合が低くなると、やや噛み出しの固い口どけの悪い食感となる傾向があった。また、実施例5−5にみられるように、馬鈴薯澱粉の割合が更に低くなると、内層構造が更に詰まった目となり、カリカリとした軽い食感にも劣り、総合評価がやや悪かった。
[実施例6]
表15の配合にて、焼菓子を作製した。
即ち、馬鈴薯澱粉75.0質量部と、α化加工澱粉25.0質量部とからなる粉体原料(100質量部)と、グラニュー糖35.0質量部と、食塩0.7質量部と、全脂粉乳34.2質量部と、カゼインナトリウム2.5質量部とをよく混合し、これにショートニング10.0質量部と、大豆レシチン1.7質量部と、バニラフレーバー0.2質量部とを加えて更に混合し、生地原料とした。
この生地原料に、60℃以上に調整した湯50.0質量部を加えて捏ね、更に水2.5質量部に炭酸水素アンモニウム2.5質量部を溶かしたものと、乾燥全卵4.2質量部を加えて混合し、生地とした。
この生地を厚さ0.75mmのシート状に成型し、針穴とミシン目を入れて、直径6cmの円板状に打ち抜き成型した。その成型物を焼菓子用汎用オーブンのメッシュ天板に載置して、210〜230℃で約8分焙焼し、焼菓子を得た。
[評価8]
得られた焼菓子について、[評価1]と同様に評価した。表16にはその結果を示す。なお、図9には、実施例6の焼菓子の断面写真を示す。
表16に示すように、実施例6の焼菓子は、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有し、カリカリとした軽い食感の焼菓子であった。また、市販のゴーフレットと同様な配合(全脂粉乳、乾燥全卵の添加とグラニュー糖を増量した配合)により、甘さを感じ、軽い食感で口溶けもよく副原料由来の香ばしい風味を感じられる焼菓子であった。
[実施例7]
表17の配合にて、油脂組成物を作製した。
即ち、上記原料を70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、急冷練り合わせし、油脂組成物を作製した。その結果、常温で可塑性のある半固形状の油脂組成物が得られた。
この油脂組成物を用いて、実施例1のショートニング、カゼインナトリウム、大豆レシチンにかえて、その粉体原料100質量部に対して12.5質量部配合して、当該方法にて焼菓子を作製したところ、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有する焼き菓子が得られた。
[実施例8]
表18の配合にて、油脂組成物を作製した。
即ち、上記原料を70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、急冷練り合わせし、油脂組成物を作製した。その結果、常温で可塑性のある半固形状の油脂組成物が得られた。
この油脂組成物を用いて、実施例1のショートニング、カゼインナトリウム、大豆レシチンにかえて、その粉体原料100質量部に対して12.5質量部配合して、当該方法にて焼菓子を作製したところ、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有する焼き菓子が得られた。

Claims (8)

  1. 固形分換算で、澱粉質原料を含む粉体原料100質量部に対して、食用加工油脂3〜20質量部、水溶性蛋白素材1〜5質量部、及び乳化剤0.3〜4質量部含有する生地原料に、該生地原料100質量部に対して50〜100質量部の60℃以上の温水を加えて湯捏ねして調製された生地を成型し、該成型物をメッシュ上に載置して上面が開放された状態で焙焼して得られた焼菓子であって、はさみ焼き様の多孔質な内層構造を有することを特徴とする焼菓子。
  2. 前記水溶性蛋白素材としてカゼインを含有し、前記乳化剤としてレシチンを含有する請求項1記載の焼菓子。
  3. 前記粉体原料は、α化澱粉を含む澱粉を30〜100質量%含有する請求項1又は2記載の焼菓子。
  4. 固形分換算で、澱粉質原料を含む粉体原料100質量部に対して、食用加工油脂3〜20質量部、水溶性蛋白素材1〜5質量部、及び乳化剤0.3〜4質量部含有する生地原料に、その生地原料100質量部に対して50〜100質量部の60℃以上の温水を加えて湯捏ねして生地を調製し、該生地を厚さ0.1〜3.0mmのシート状にして所定形状に打ち抜き成型し、該成型物をメッシュ上に載置して上面が開放された状態で焙焼することを特徴とする焼菓子の製造方法。
  5. 前記水溶性蛋白素材としてカゼインを含有し、前記乳化剤としてレシチンを含有する原料を用いる請求項4記載の焼菓子の製造方法。
  6. 前記粉体原料は、α化澱粉を含む澱粉を30〜100質量%含有する請求項4又は5記載の焼菓子の製造方法。
  7. 前記焙焼をオーブンで行ない、焙焼工程中の前半の焙焼温度を230〜260℃に設定し、その後半の焙焼温度を210〜230℃に設定して焙焼する請求項5〜7のいずれか1つに記載の焼菓子の製造方法。
  8. 油脂8〜20質量部、カゼインを含む水溶性蛋白素材を1〜5質量部、レシチンを含む乳化剤を0.3〜4質量部の割合で含有することを特徴とする焼菓子用油脂組成物。
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