JP2011096640A - 活物質の製造方法及びリチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

活物質の製造方法及びリチウムイオン二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池の放電容量を向上させることが可能な活物質の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る活物質の製造方法は、リン酸源、バナジウム源及び水を加熱して、リン及びバナジウムを含み、比表面積が0.1m/g以上であり25m/g未満である中間体を形成する工程と、中間体、水溶性のリチウム塩及び水を加熱する工程と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、活物質の製造方法及びリチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池用の正極活物質としては、LiCoOが広く用いられている。しかし、LiCoOは、その原料コストが高いことや、その熱安定性が低く安全性に問題があることを指摘されている。これらの問題を克服する正極活物質としてLiFePOやLiVOPO等のリン酸系の正極活物質が注目されている。リン酸系正極材料の中でも4V級の充放電電圧を実現し得る化合物として、LiVOPOが知られている(下記特許文献1、非特許文献1,2を参照)。
特表2003−520405号公報
Journal of The Electrochemical Society, 151(6) A796−A800 (2004) Electrochemistry, 71 No.12 (2003), 1108−1110
LiVOPOは、三斜晶(α型結晶)、斜方晶(β型結晶)等の複数の結晶構造を示し、その結晶構造に応じて異なる電気化学特性を有することが知られている。そして、LiVOPOのβ型結晶は、α型結晶に比べて、直線的で短いイオン伝導経路(リチウムイオンパス)を有するため、リチウムイオンを可逆的に挿入脱離する特性(以下、場合により「可逆性」と記す。)に優れる。そのため、LiVOPOに含まれるβ型結晶の割合が大きいほど、LiVOPOを用いた電池の充放電容量が増加する傾向がある。したがって、LiVOPOのβ型結晶の単相を得ることが可能な活物質の製造方法が望まれる。
しかしながら、上記特許文献1及び非特許文献1,2に記載されたLiVOPOの製造方法では、β型結晶を得るための条件が厳しく、β型結晶の単相を得難いという問題を本発明者らは見出した。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、リチウムイオン二次電池の放電容量を向上させることが可能な活物質の製造方法及び当該活物質を用いたリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る活物質の製造方法は、リン酸源、バナジウム源及び水を加熱して、リン及びバナジウムを含み、比表面積が0.1m/g以上であり25m/g未満である中間体を形成する工程と、中間体、水溶性のリチウム塩及び水を加熱する工程と、を備える。
上記本発明によれば、LiVOPOのβ型結晶を含む活物質を形成することができる。上記本発明によって得た活物質を正極活物質として備えるリチウムイオン二次電池では、従来の製造方法により形成したLiVOPOを用いたリチウムイオン二次電池に比べて、放電容量を向上させることが可能となる。なお、中間体の比表面積は0.4〜10m/gであることが好ましい。これにより、リチウムイオン二次電池の放電容量が向上し易くなる。
上記本発明では、水溶性のリチウム塩がLiNO,LiCl及びLiOH・HOからなる群より選ばれるうち少なくとも一種であることが好ましい。これにより、他の水溶性のリチウム塩を用いた場合に比べて、リチウムイオン二次電池の放電容量が向上する傾向がある。
本発明に係るリチウムイオン二次電池の製造方法は、集電体と、集電体上に位置し、上記本発明に係る活物質の製造方法によって得られた活物質を含む活物質層と、を有する電極を形成する工程を備える。これにより、従来の製造方法により形成したLiVOPOを用いたリチウムイオン二次電池に比べて、放電容量が大きいリチウムイオン二次電池を製造することが可能となる。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の放電容量を向上させることが可能な活物質の製造方法及び当該活物質を用いたリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の模式断面図である。
(活物質の製造方法)
以下では、本発明の好適な一実施形態に係る活物質の製造方法及びリチウムイオン二次電池の製造方法について詳細に説明する。
本実施形態に係る活物質の製造方法は、リン酸源、バナジウム源及び水を加熱することにより、リン及びバナジウムを含み、比表面積が0.1m/g以上であり25m/g未満である中間体を形成する工程と、中間体、水溶性のリチウム塩及び水を加熱する工程と、を備える。なお、中間体とは、LiVOPOの前駆体であり、Liを含有しない化合物である。以下では、上記の中間体を形成する工程を第一加熱工程と記す。また、中間体、水溶性のリチウム塩及び水を加熱する工程を第二加熱工程と記す。
<第一加熱工程>
第一加熱工程では、リン酸源、バナジウム源及び蒸留水を攪拌してこれらの混合液を調整し、混合液を加熱すればよい。これにより、中間体が混合液中に生成する。本発明者らは、混合液の加熱によって、中間体の水和物であるVOPO・2HOが混合液中に生成する、と考える。
第一加熱工程では、混合液を50〜120℃に加熱することが好ましい。すなわち、リン酸源、バナジウム源及び蒸留水から中間体を形成する反応の温度を上記の範囲内に調整することが好ましい。混合液の温度が低すぎる場合、混合液の温度が上記の範囲内である場合に比べて、中間体が生成し難い傾向がある。混合液の温度が高すぎる場合、混合液の温度が上記の範囲内である場合に比べて、中間体の粒子径が大きくなり、第二加熱工程での反応性が悪化する傾向がある。本実施形態では、混合液を上記の温度範囲に加熱することにより、これらの傾向が抑制され、中間体の比表面積を0.1m/g以上であり25m/g未満である値に制御し易くなる。このように、中間体の比表面積は、第一加熱工程における混合液の加熱温度によって制御できる。また、中間体の比表面積は、第一加熱工程における混合液の加熱時間によって制御してもよい。混合液の加熱時間が短いほど中間体の比表面積が大きくなり易く、加熱時間が長いほど中間体の比表面積が小さくなり易い。第一加熱工程における混合液の加熱時間は、特に限定されないが、例えば40分以上15時間以下程度である。また、得られた中間体を粉砕することにより、中間体の比表面積を調整してもよい。中間体を比表面積に対応する粒径に応じて分級することにより得た所望の比表面積を有する中間体だけを活物質の製造に用いてもよい。
なお、第一加熱工程では、蒸留水を上記の温度範囲に加熱しながら、蒸留水にリン酸源及びバナジウム源を添加して混合液を調整してもよい。この場合も中間体が生成する。
リン酸源としては、例えば、HPO、NHPO及び(NHHPOからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。なお、二種以上のリン酸源を併用してもよい。バナジウム源としては、例えば、V又はNHVOのいずれかを用いることができる。なお、二種以上のバナジウム源を併用してもよい。
リン酸源とバナジウム源の配合比は、リン酸源に含まれるリン元素のモル数とバナジウム源に含まれるバナジウム元素のモル数との比が、LiVOPOの化学量論比(1:1)になるように調整すればよい。なお、リン酸源とバナジウム源の配合比は、必ずしも上記の化学量論比を満たさなくてもよい。
後述するように、第一加熱工程において混合液の乾燥を行う場合、乾燥前の混合液に有機化合物や炭素材料を含有させることが好ましい。有機化合物としては、スクロース、グルコース、フルクトオリゴ糖、ポリビニルアルコール、アスコルビン酸、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。炭素材料としては、グラファイト又はアセチレンブラック等が挙げられる。有機化合物は後述する焼成で炭素化し、最終的に得られる活物質中に不純物として残存し、導電助剤として機能する場合がある。炭素材料も活物質中の導電助剤として機能する場合がある。
第一加熱工程では、混合液を加熱して混合液中に中間体を生成させた後、混合液を乾燥することが好ましい。乾燥により、混合液中で中間体の生成が更に進行するとともに、混合液から水分が除去され、中間体を含む残留物が得られる。これにより、中間体の比表面積を0.1m/g以上であり25m/g未満である値に制御し易くなる。また、混合液が上記の有機化合物や炭素材料を含有する場合、乾燥中に中間体が有機化合物や炭素材料によって被覆される。そのため、中間体の過剰な粒成長が抑制され、中間体の比表面積を0.1m/g以上であり25m/g未満である値に制御し易くなる。なお、以下では、第一加熱工程中の乾燥によって得られる残留物を「第一残留物」と記す。
第一工程では、スプレードライヤー等を用いて上記の混合液を150〜300℃の雰囲気下で乾燥することが好ましい。乾燥の温度が低すぎる場合、温度が上記の範囲内である場合に比べて、乾燥が不十分となり、第一残留物を回収しにくい傾向がある。本実施形態では、上記の温度範囲で混合液を乾燥することにより、この傾向が抑制され、中間体の比表面積が0.1m/g以上であり25m/g未満である値に制御され易くなる。
本実施形態では、上述した中間体を含む混合液又は第一残留物を焼成してもよい。この焼成により、中間体を含む混合液又は第一残留物から、水が除去され、中間体が無水物になる。つまり、焼成によりVOPO・2HOがVOPOになる、と本発明者らは考える。無水物となった中間体の比表面積を測定することにより、中間体の比表面積を正確に評価することができる。無水物となった中間体の比表面積は0.1m/g以上25m/g未満であり、0.2〜20m/gであることが好ましく、0.4〜10m/gであることがより好ましく、0.5〜3m/gであることが最も好ましい。比表面積がこれらの数値範囲内にある中間体から形成した活物質を用いた電池では、放電容量が顕著に大きくなる。中間体の比表面積はBET法により測定すればよい。なお、中間体を含む混合液又は第一残留物の焼成は、中間体を得るための必須の工程ではない。
本実施形態では、中間体を含む混合液又は第一残留物を150〜450℃の雰囲気下で焼成すればよい。焼成の温度が低すぎる場合、中間体中に水が残存し易くなり、中間体の比表面積を正確に測定し難かったり、LiVOPOの組成がずれ易くなったりする傾向がある。焼成の温度が高すぎる場合、中間体に異相が含まれるため、最終生成物であるLiVOPO中のβ型結晶相の割合が低下し、電池容量の低下を引き起こす傾向がある。第一加熱工程における焼成の温度を上記の範囲内とすることによって、これらの傾向を抑制できる。
中間体を含む混合液又は第一残留物の焼成の雰囲気は、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、又は空気雰囲気であればよい。
<第二加熱工程>
第二加熱工程では、まず、第一加熱工程で得た中間体と水溶性のリチウム塩を蒸留水に添加して、これらを攪拌して混合液を調整する。混合液を調整する際は、蒸留水の温度を30〜80℃程度に調整すればよい。これにより、リチウム塩の混合液への溶解が促進される。混合液中のリチウム塩の濃度は、リチウム塩が混合液に溶解する程度に適宜調整すればよい。
水溶性のリチウム塩とは、室温(20〜25℃)の水における溶解度(濃度)が1mol/L以上であるリチウム塩である。水溶性のリチウム塩としては、例えば、LiNO、LiOH・HO、LiCl、LiI、LiSO及びCHCOOLiからなる群より選ばれる一種又は二種以上を用いることができる。LiF、LiCO及びLiPOのように水に対する溶解度が低い非水溶性のリチウム塩を用いた場合、本発明の効果を奏することは困難である。
水溶性のリチウム塩は、LiNO,LiCl及びLiOH・HOからなる群より選ばれるうち少なくとも一種であることが好ましい。これにより、他の水溶性のリチウム塩を用いた場合に比べて、リチウムイオン二次電池の放電容量が向上する傾向がある。
水溶性のリチウム塩と中間体の配合比は、水溶性のリチウム塩に含まれるリチウム元素のモル数と、中間体に含まれるバナジウム元素のモル数と、中間体に含まれるリン元素のモル数の比が、LiVOPOの化学量論比(1:1:1)になるように調整すればよい。なお、水溶性のリチウム塩と中間体の配合比は、必ずしも上記の化学量論比を満たさなくてもよい。例えば、最終的に得られるLiVOPOにおけるLiの欠損を防止するために、水溶性のリチウム塩を多めに配合してもよい。
第二加熱工程では、中間体、水溶性のリチウム塩及び蒸留水を含む混合液をスプレードライヤー等で乾燥して、第二残留物を得ることが好ましい。これにより、中間体粒子の周囲に微細なリチウム塩を均質に分散させることができる。そのため、LiVOPOのβ型結晶相が得やすくなる、と本発明者らは考える。第二加熱工程では、スプレードライヤー等を用いて、中間体、水溶性のリチウム塩及び蒸留水を含む混合液を150〜300℃の雰囲気下で乾燥することが好ましい。乾燥の温度が低すぎる場合、温度が上記の範囲内である場合に比べて、乾燥が不十分となり、第二残留物を回収しにくい傾向がある。上記の温度範囲で混合液の乾燥を行うことにより、この傾向を抑制できる。なお、乾燥の代わりにろ過乾燥を採用した場合、混合液からリチウム元素が除去されてしまい、LiVOPOを得ることが困難となる。
第二加熱工程では、第二残留物を焼成する。または、第二加熱工程では、中間体、水溶性のリチウム塩及び蒸留水を含む混合液を焼成する。この焼成によって、LiVOPOのβ型結晶を含む活物質を形成することができる。
第二加熱工程では、中間体、水溶性のリチウム塩及び蒸留水を含む混合液又は第二残留物を400〜700℃の雰囲気下で焼成することが好ましい。焼成の温度が低過ぎる場合、LiVOPOの結晶成長度が小さく、その容量密度の向上度が小さくなる傾向がある。焼成の温度が高過ぎる場合、LiVOPOの成長が過剰に進み、LiVOPOの粒径が増加する傾向がある。その結果、活物質におけるリチウムの拡散が遅くなり、活物質の容量密度の向上度が小さくなる傾向がある。第二加熱工程における焼成の温度を上記の範囲内とすることによって、これらの傾向を抑制できる。
第二加熱工程での焼成時間は、3〜20時間であればよい。
本実施形態に係る活物質の製造方法で得られるLiVOPOは、リチウムイオンの可逆性に優れるβ型結晶の単相であるため、これを用いた電池の放電容量が向上する、と本発明者らは考える。換言すれば、本実施形態に係る活物質の製造方法では、LiVOPOのβ型結晶を従来の製造方法に比べて高い収率で得ることが可能になる、と考える。
(リチウムイオン二次電池の製造方法)
上記本実施形態に係る製造方法によって得られた活物質や導電助剤を含む正極活物質層14を正極集電体12上に形成する(図1参照)。このようにして、正極集電体12と正極集電体12上に形成された正極活物質層14とを備える正極10を作製する。また、黒鉛等の負極活物質を含む負極物質層24を負極集電体22上に形成する。このようにして、負極集電体22と負極集電体22上に形成された負極活物質層24とを備える負極20を作製する。
次に、負極20及び正極10それぞれに対して、負極リード60及び正極リード62を電気的に接続する。その後、負極20と正極10との間に、セパレータ18を接触した状態で配置し、発電要素30を形成する。このとき、負極20の負極活物質層側の面、及び正極10の正極活物質層側の面が、セパレータ18と接触するように配置する。
次に、電池ケース50の内部に、発電要素30を挿入し、更に電解質溶液を注入する。続いて、負極リード60、正極リード62の先端部をそれぞれ電池ケース外に配置した状態で、電池ケース50の開口部を封止することにより、リチウムイオン二次電池100が完成する。
以上、本発明に係る活物質及びリチウムイオン二次電池の製造方法の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
本発明に係る製造方法により得た活物質は、リチウムイオン二次電池以外の電気化学素子の電極材料としても用いることができる。このような、電気化学素子としては、金属リチウム二次電池等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池や、リチウムキャパシタ等の電気化学キャパシタ等が挙げられる。これらの電気化学素子は、自走式のマイクロマシン、ICカードなどの電源や、プリント基板上又はプリント基板内に配置される分散電源の用途に使用することが可能である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<第一加熱工程>
200mlのイオン交換水に、バナジウム源である4.68gのNHVO、リン酸源である5.28gの(NHHPO、及び1gのスクロースを投入して混合液を調整した。この混合液を80℃で5時間加熱した。加熱後の混合液を、スプレードライにより約200℃で乾燥させ、第一残留物を得た。この第一残留物を450℃のアルゴン雰囲気中で16時間焼成し、中間体を得た。なお、第一残留物の焼成では1時間かけてアルゴン雰囲気を450℃まで昇温させた。BET法で測定した中間体の比表面積は1.0m/gであった。
<第二加熱工程>
中間体に100mlのイオン交換水と、水溶性のリチウム塩である2.76gのLiNOを加えて、これらを25℃で撹拌して混合液を調製した。次に、中間体、LiNO及びイオン交換水を含む混合液を、スプレードライにより約200℃で乾燥させ、粉末状の第二残留物を得た。第二残留物を450℃のアルゴン雰囲気中で4時間焼成した。なお、第二残留物の焼成では、4時間かけてアルゴン雰囲気を450℃まで昇温させた。これにより、実施例1の活物質を得た。粉末X線回折(XRD)に基づくリートベルト解析の結果から、実施例1の活物質は、LiVOPOのβ型結晶の単相であることが確認された。
(実施例2〜22、比較例1〜8)
実施例2〜22及び比較例1〜8では、200mlのイオン交換水へのNHVOの投入量は4.68gであった。実施例2〜22及び比較例1〜7では、200mlのイオン交換水への(NHHPOの投入量は5.28gであった。比較例8では、200mlのイオン交換水への(NHHPOの投入量は78gであった。
実施例2〜22及び比較例1〜8では、第一加熱工程において、イオン交換水、NHVO、(NHHPO、及びスクロースを含む混合液を表1〜3に示す温度(反応温度)に加熱した。また、実施例2〜22及び比較例1〜8では、イオン交換水、NHVO、(NHHPO、及びスクロースを含む混合液を表1〜3に示す時間(反応時間)にわたって加熱した。比較例8の第一加熱工程では、スプレードライ後の第一残留物に200mlのイオン交換水を加えてスラリーを調製する工程と、このスラリーをろ過して再度第一残留物を回収する工程とを、交互に3回繰り返すことにより、第一残留物を洗浄した。そして、洗浄後の第一残留物を実施例1と同様に焼成した。
BET法で測定した実施例2〜22及び比較例1〜8の各中間体の比表面積は表1〜3に示す値であった。
実施例2〜22及び比較例1、2、6では、水溶性のリチウム塩として表1〜3に示す化合物を用いた。比較例3では、リチウム塩として非水溶性のLiFを用いた。比較例4では、リチウム塩として非水溶性のLiPOを用いた。比較例5、7、8では、リチウム塩として非水溶性のLiCOを用いた。
実施例2〜22及び比較例1〜8では、100mlのイオン交換水へのリチウム塩の投入量が表1〜3に示す値であった。実施例2〜16及び比較例1、2、6では、水溶性のリチウム塩が全てイオン交換水に溶解した。比較例3で用いたLiFの投入量は1.04gであったが、イオン交換水に対するLiFの溶解度は0.27g/100mlであった。比較例3で用いたLiPOはイオン交換水に殆ど溶解しなかった。比較例5、7、8で用いたLiCOはイオン交換水に殆ど溶解しなかった。
実施例2〜22及び比較例1〜8では、第二加熱工程において、第二残留物を表1〜3に示す温度(焼成温度)で焼成した。
以上の事項以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2〜22及び比較例1〜8の各活物質を得た。
(比較例9)
<第一加熱工程>
200mlのイオン交換水に、バナジウム源である7.2gのV、リン酸源である40.1gのHPOを投入して混合液を調整した。この混合液を80℃で16時間加熱した。加熱後の混合液を、200mlの冷イオン交換水で3回洗浄し、さらに200mlのアセトンで洗浄することにより、第一残留物を得た。この第一残留物を400℃の大気雰囲気中で16時間焼成し、中間体を得た。なお、第一残留物の焼成では1時間かけて雰囲気を400℃まで昇温させた。BET法で測定した中間体の比表面積は0.08m/gであった。
<第二加熱工程>
中間体に、非水溶性のリチウム塩である2.96gのLiCOと0.3gのカーボンブラックを加えて、これらを自動乳鉢で充分に混合して、混合粉末を得た。混合粉末を450℃のアルゴン雰囲気中で4時間焼成した。なお、焼成では4時間かけてアルゴン雰囲気を450℃まで昇温させた。これにより、比較例9の活物質を得た。
[結晶構造の測定]
粉末X線回折(XRD)に基づくリートベルト解析の結果から、実施例2〜22及び比較例1〜9の各活物質は、LiVOPOのβ型結晶相を含むことが確認された。
[評価用セルの作製]
実施例1の活物質と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)とアセチレンブラックを混合したものを、溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。なお、スラリーにおいて活物質とアセチレンブラックとPVDFとの重量比が84:8:8となるように、スラリーを調製した。このスラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、実施例1の活物質を含む活物質層が形成された電極(正極)を得た。
次に、得られた電極と、その対極であるLi箔とを、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んで積層し、積層体(素体)を得た。この積層体を、アルミラミネーターパックに入れ、このアルミラミネートパックに、電解液として1MのLiPF溶液を注入した後、真空シールし、実施例1の評価用セルを作製した。
実施例1と同様の方法で、実施例2〜22及び比較例1〜9の活物質をそれぞれ単独で用いた評価用セルを作製した。
[放電容量の測定]
実施例1の評価用セルを用いて、放電レートを0.1C(25℃で定電流放電を行ったときに10時間で放電終了となる電流値)とした場合の放電容量(単位:mAh/g)を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例1と同様の方法で、実施例2〜22、比較例1〜9の各評価用セルの放電容量を測定した。結果を表1〜3に示す。
Figure 2011096640
Figure 2011096640
Figure 2011096640
表1,2に示すように、実施例1〜22では、中間体の比表面積が0.1m/g以上であり25m/g未満であった。また、実施例1〜22では、水溶性のリチウム塩を用いた。
実施例1〜22の評価用セルの放電容量は、全比較例に比べて大きいことが確認された。また、水溶性のリチウム塩のなかでもLiNO又はLiClを用いた場合に優れた放電容量が得られることがわかった。特に、中間体の比表面積が0.4〜10m/gであった実施例1〜4,12〜22では、他の実施例5〜11に比べて放電容量が高いことが確認された。
中間体の比表面積が25m/gであり、水溶性のリチウム塩を用いた比較例1の評価用セルの放電容量は全実施例に比べて小さいことが確認された。中間体の比表面積が0.1m/g未満であり、水溶性のリチウム塩を用いた比較例2、6の評価用セルの放電容量は全実施例に比べて小さいことが確認された。
非水溶性のリチウム塩を用いた比較例3〜5、7〜9の評価用セルの放電容量は全実施例に比べて小さいことが確認された。
10・・・正極,20・・・負極、12・・・正極集電体、14・・・正極活物質層、18・・・セパレータ、22・・・負極集電体、24・・・負極活物質層、30・・・発電要素、50・・・ケース、60,62・・・リード、100・・・リチウムイオン二次電池。

Claims (4)

  1. リン酸源、バナジウム源及び水を加熱して、リン及びバナジウムを含み、比表面積が0.1m/g以上であり25m/g未満である中間体を形成する工程と、
    前記中間体、水溶性のリチウム塩及び水を加熱する工程と、を備える、
    活物質の製造方法。
  2. 前記中間体の前記比表面積が0.4〜10m/gである、
    請求項1に記載の活物質の製造方法。
  3. 前記水溶性のリチウム塩がLiNO,LiCl及びLiOH・HOからなる群より選ばれるうち少なくとも一種である、
    請求項1又は2に記載の活物質の製造方法。
  4. 集電体と、前記集電体上に位置し、請求項1〜3のいずれか一項に記載の活物質の製造方法によって得られた活物質を含む活物質層と、を有する電極を形成する工程を備える、
    リチウムイオン二次電池の製造方法。
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