JP2011093722A - 水中沈設用石材 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が容易で十分な強度を有するとともに、水中安定性が高く、しかも生物(海藻類、サンゴなど)の付着性に優れた水中沈設用石材を提供する。
【解決手段】製鋼スラグと金属Al含有材料を主体とする原料混合物の焼成体からなる複数の塊状物が、一部分が水和固化体外面に露出するようにして、水和固化体に埋め込まれた構造を有する。製鋼スラグと金属Al含有材料を主体とする原料混合物の焼成体からなる複数の塊状物を、水和固化体に対してその外面に露出するようにして埋め込んだものであるため、水和固化体により高い水中安定性が、また、埋め込まれた複数の塊状物により高い生物付着性が得られ、生物付着性と水中安定性がともに優れた石材とすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、水中沈設用石材に関するもので、この石材は主に生物(例えば、海藻類、サンゴなど)の着生用基盤や魚礁などとして用いられる。
従来、海中での生物(例えば、海藻類、サンゴなど)の着生用基盤や魚礁として、コンクリート製品が広く用いられてきた。しかし、コンクリート製品は、表面の海水のpHが高くなる傾向があるため、生物(海藻類、サンゴなど)の付着性があまり高くない。
一方、特許文献1には、粉粒状の鉄鋼スラグをこれに含まれる未炭酸化Caを利用して炭酸固化させて炭酸固化体とし、この炭酸固化体を海藻着生基盤(人工藻礁)用や魚礁用などの海中沈設用資材として用いることが示されている。この炭酸固化体は、表面の海水のpHが高くならないため、コンクリート製品に較べて生物(海藻類、サンゴなど)の付着性は高い。
また、特許文献2には、製鋼スラグと金属Al含有材料を主体とする原料混合物の焼成体からなる水中生物着生用器具が示されている。
特開平11−71160号公報 特開2008−271960号公報
しかし、特許文献1に示されるような鉄鋼スラグの炭酸固化体は、製造に手間がかかり、また、コンクリート製品に較べて強度が小さい難点がある。
また、特許文献2に示されるのは、水中の基盤に接着剤などを用いて接合される小型器具である。この器具は、生物の付着性に優れているものの、焼成体であるため大型のものは製造できず、したがって、単に水中に置いただけでは容易に流失してしまう。
したがって本発明の目的は、製造が容易で十分な強度を有するとともに、波浪などで流失しない優れた水中安定性を有し、しかも生物(海藻類、サンゴなど)の付着性に優れた水中沈設用石材を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]製鋼スラグと金属Al含有材料を主体とする原料混合物の焼成体からなる複数の塊状物が、一部分が水和固化体外面に露出するようにして、水和固化体に埋め込まれたことを特徴とする水中沈設用石材。
[2]上記[1]の水中沈設用石材において、水和固化体は、骨材の一部又は全部が製鋼スラグからなることを特徴とする水中沈設用石材。
[3]上記[1]又は[2]の水中沈設用石材において、焼成体の原料混合物は、さらに、金属鉄及び/又は酸化鉄含有粉(但し、粉が金属鉄及び/又は酸化鉄のみからなる場合を含む)を含むことを特徴とする水中沈設用石材。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの水中沈設用石材において、焼成体の原料混合物は、さらに、粘土を含むことを特徴とする水中沈設用石材。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの水中沈設用石材において、焼成体の原料混合物は、さらに、粘土以外のSiO源を含むことを特徴とする水中沈設用石材。
本発明の水中沈設用石材は、製鋼スラグと金属Al含有材料を主体とする原料混合物の焼成体からなる塊状物を水和固化体と組み合わせることにより、両者の欠点が補われ、生物付着性と水中安定性(波浪安定性)がともに優れた石材とすることができる。すなわち、水和固化体は、強度が高く、且つ大型化できることも含めて形状選択性が高く、水中安定性に優れるという利点があるが、生物付着性が低いという難点がある。一方、製鋼スラグと金属Al含有材料を主体とする原料混合物の焼成体は、生物付着性に優れるという利点はあるが、焼成体であるため大型のものは製造できず、製造できたとしても高コストのものとなる。これに対して本発明の水中沈設用石材は、製鋼スラグと金属Al含有材料を主体とする原料混合物の焼成体からなる複数の塊状物を、水和固化体に対してその外面に露出するようにして埋め込んだものであるため、水和固化体により高い水中安定性が、また、埋め込まれた複数の塊状物により高い生物付着性が得られ、生物付着性と水中安定性がともに優れた石材とすることができる。
また、本発明の水中沈設用石材は、(1)水和固化体の原料混練物中に塊状物(焼成体)を混合し、この原料混練物を適当な広さ・厚さに打ち込み・固化させ、この水和固化体をブレーカーなどで切石大に破砕し、その破砕面に塊状物を露出させる製造方法、或いは、(2)水和固化体の原料混練物を適当な広さ・厚さに打ち込み、固化途中の段階で、塊状物(焼成体)をその一部分が水和固化体外面に露出するように手作業などで埋め込み、固化した水和固化体をブレーカーなどで切石大に破砕する製造方法、などのような簡易な製造方法により大量生産することができる。
本発明の水中沈設用石材を模式的に示す説明図
本発明の水中沈設用石材は、図1に模式的に示すように、基体である水和固化体Aに対して、特定の焼成体からなる複数の塊状物Bを、その一部分が水和固化体外面に露出するようにして埋め込んだものである。前記塊状物Bは、製鋼スラグと金属Al含有材料を主体とする原料混合物の焼成体からなる。この塊状物Bは、生物付着性に優れ、本発明の水中沈設用石材では生物付着の起点となる部位を構成するものであるから、水和固化体Aに対して、脱落しないように且つ水和固化体外面に十分に露出するように埋め込むことが好ましい。また同様の理由から、複数の塊状物Bは、水和固化体Aの外面全体に分散して(点在させて)配置することが好ましい。
前記水和固化体Aと塊状物Bの大きさは特に制限はないが、一般には、塊状物Bは礫〜レンガ大程度の大きさとし、水和固化体Aはこのような大きさの塊状物Bが数個〜数百個程度分散して埋め込まれる程度の大きさとする。
前記水和固化体Aは、コンクリートであってもよいが、水中沈設用石材としての耐久性、安定性および生物付着性などの観点からは、骨材の一部又は全部が製鋼スラグからなる水和固化体が好ましく、なかでも、骨材が製鋼スラグからなり、結合材の一部又は全部が高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフュームのうちの1種以上からなる水和固化体が特に好ましい。また、原料の流動性制御を容易にするため、製鋼スラグは細骨材と粗骨材に分けて使用することが好ましい。
製鋼スラグは、鉄鋼製造プロセスの製鋼工程で発生するスラグである。このような製鋼スラグとしては、例えば、脱珪スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグなどの溶銑予備処理スラグ、脱炭スラグ(いわゆる転炉スラグ)、鋳造スラグ、電気炉スラグなどを挙げることができ、これらの1種以上を用いることができる。製鋼スラグは、エージング処理されたものでもよい。骨材には製鋼スラグのみを用いることが好ましいが、天然砕石や山砂などを骨材の一部として使用してもよい。また、結合材の一部又全部には、セメントを用いてもよい。
以上の骨材と結合材にコンクリートと同様に水を加えて混練し、打ち込み、硬化、養生の工程を経て水和固化体Aが得られる。
以上のような骨材に製鋼スラグを利用した水和固化体は、普通コンクリートに較べて高密度であるため水中安定性が高く、また、塊状物Bを構成する焼成体よりは劣るものの、普通コンクリートや天然石に較べて生物付着性が高い。
塊状物Bを構成する焼成体は、製鋼スラグと金属Al含有材料を主体とし、必要に応じて、金属鉄及び/又は酸化鉄含有粉(但し、粉が金属鉄及び/又は酸化鉄のみからなる場合を含む)、粘土、粘土以外のSiO源などを含む原料混合物を焼成したものである。すなわち、そのような原料混合物を適当な形状に成形し、この成形体を焼成して得られるものである。ここで、焼成体の上記原料はいずれも粉粒物である。このような焼成体は、適度な表面粗さを有すること、原料であるスラグ成分などからミネラル分が微量に溶出することなどにより、生物の付着性や成育性に優れている。
なお、塊状物Bは、成形体を焼成したままの焼成体でもよいし、成形体を焼成した後、適当な大きさに破砕した不定形の焼成体でもよい。また、前者の場合の形状は立方体形状、球状、円柱状など任意である。
以下、塊状物Bを構成する焼成体の詳細と製造条件について説明する。
原料混合物に配合される製鋼スラグとしては、例えばさきに挙げたような、脱珪スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグなどの溶銑予備処理スラグ、脱炭スラグ(いわゆる転炉スラグ)、鋳造スラグ、電気炉スラグなどの1種以上を用いることができる。
製鋼スラグには相当量の酸化鉄が含まれており、この酸化鉄が焼成時に金属Alとの間でテルミット反応を生じ、このときの発熱反応により低火度(600〜1200℃程度)での高温焼成を実現する。このようなテルミット反応で実現する高温焼成により、焼成体が緻密化するとともに、鉄分が溶解(溶融)した後固化することで、焼成体の強度発現に寄与する。加えて、酸化鉄が溶解(分解)する際または焼成体生成時の気孔の形成などを通じて、焼成体表面に適度な粗さを付与するのに役立つ。さらに、製鋼スラグには相当量のCa分が含まれており、焼成時にそのCa分を含む低融点化合物が生成し、この低融点化合物が結合材として焼成体の強度発現に寄与する。また、多くの製鋼スラグにはAlも含まれており、このAlも上記低融点化合物の構成成分となり、結合材の一部として焼成体の強度発現に寄与する。
原料混合物に配合される金属Al含有材料は、金属Alが含まれる粉粒状の材料であれば、特に種類を問わないが、金属Alを30質量%以上、好ましくは40質量%以上含むものが好ましい。このような金属Al含有材料としては、アルミドロス、アルミ研磨ダストなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。これらのうちアルミドロスは、アルミニウム製造工程で発生する金属Alを含む副産物であり、安価で大量に入手可能であるため、特に好ましい。
金属Al含有材料に含まれる金属Alは、焼成時に製鋼スラグ中の酸化鉄、さらに必要に応じて添加される金属鉄及び/又は酸化鉄含有粉との間でテルミット反応を生じ、このときの発熱反応により低火度(600〜1200℃程度)での高温焼成を実現する。また、焼成時に金属Alから生成したAl、さらには金属Al含有材料に元々含まれるAlが、上述した低融点化合物の構成成分となり、結合材の一部として焼成体の強度発現に寄与する。
原料混合物に配合される金属鉄及び/又は酸化鉄含有粉は、粉が金属鉄及び/又は酸化鉄のみからなるものでもよい。金属鉄及び/又は酸化鉄含有粉としては、例えば、焼結鉱粉(鉄鉱石の焼結プロセスで発生する返鉱などの焼結鉱粉)、鉄鉱石粉、ミルスケール、鋼材酸洗ライン回収粉(いわゆるルスナー酸化鉄など)、鉄鋼製造プロセスで生じる精錬ダスト、高炉ダストなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。なお、鉄鋼製造プロセスで生じる精錬ダストには、溶銑予備処理工程で生じる精錬ダスト、転炉脱炭工程で生じる精錬ダスト(転炉OGダスト)などが含まれる。これらの精錬ダストは、精錬工程で発生した排ガスから集塵することにより回収されたものである。
前記金属鉄及び/又は酸化鉄含有粉は、製鋼スラグに含まれる酸化鉄だけでは酸化鉄量が不十分な場合に、必要に応じて配合すればよい。上述したように酸化鉄は焼成時に金属Alとの間でテルミット反応を生じ、このときの発熱反応により低火度(600〜1200℃程度)での高温焼成を実現する。また、金属鉄は焼成雰囲気中の酸素で酸化されることで発熱し、この点でも高温焼成に寄与する。
原料混合物に配合される粘土は、原料混合物を成形(例えば、金型を用いたプレス成型)する際の保形剤として、必要に応じて配合される。また、粘土に含まれるSiOは、焼成時に生成する低融点化合物のSiO源にもなる。
原料混合物には、前記粘土以外のSiO源も必要に応じて配合される。このSiO源としては、例えば、シリカフューム、フライアッシュなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。このSiO源は、焼成時に生成する低融点化合物の構成成分となる。また、このSiO源には、原料混合物を成形する際の成形性を高める効果もある。
上記原料混合物の成形体を焼成すると、(イ)金属Al含有材料の金属Alと製鋼スラグ中の酸化鉄、さらには金属鉄及び/又は酸化鉄含有粉とのテルミット反応が生じるので、このときの発熱反応により低火度(600〜1200℃程度)であっても高温焼成が実現し、全体が適切に固化した焼成体が得られる、(ロ)テルミット反応により高温焼成が実現されるので、焼成体が緻密化するとともに、鉄分が溶解(溶融)しこれが固化することで、焼成体の強度発現に寄与する、(ハ)製鋼スラグに含まれるCa分と、金属Al含有材料の金属Alから生成するAlや製鋼スラグに含まれるAlと、製鋼スラグや粘土などに含まれるSiOとの反応により低融点化合物が生成し、これが結合材(ボンド)として焼成体の強度発現に寄与する、(ニ)テルミット反応による高温焼成により酸化鉄が溶解(分解)してガス(酸素)が発生し、これにより粗い気泡(気孔)が生じることなど(さらに、原料中に含まれる空気、水、COまたはCOの排出や高温下における低沸点化合物の蒸発などによっても、気孔が生じる可能性がある)により焼成体表面に適度な粗さが付与される、という作用効果が得られる。
これらの作用効果によって、得られる焼成体は、全体に優れた強度を有するとともに、適度な表面粗さを有すること、原料であるスラグ成分などからミネラル分が微量に溶出することなどにより、生物の付着性や成育性に優れる。また、原材料が安価であり、且つ低火度で焼成できるため燃料コストも低減でき、低コストで製造できる。
上記原料混合物を構成する各材料は、優れた強度を有する緻密な焼成組織を得るために粉粒状であることが必要である。また、それらの粒度は、特に成型性の観点から120メッシュ以下であることが好ましい。したがって、上述した各材料は必要に応じて粉砕処理され、必要な粒度に調整される。
また、原料混合物の配合割合としては、上述したような各材料の機能を適切に発揮させるために、通常、製鋼スラグ100質量部に対して、金属Al含有材料を金属Al換算で5〜20質量部程度配合することが好ましい。原料混合物は製鋼スラグと金属Al含有材料を主体とするものであり、具体的には、製鋼スラグと金属Al含有材料の合計割合は50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上である。また、他の材料については、必要に応じて、製鋼スラグ100質量部に対して金属鉄及び/又は酸化鉄含有粉を金属Fe換算で5〜20質量部、粘土又は粘土以外のSiO源を10〜60質量部程度の割合で配合することが好ましい。
焼成体を製造するには、上述したような原料、すなわち、製鋼スラグと金属Al含有材料を主体とし、必要に応じて、金属鉄及び/又は酸化鉄含有粉(但し、粉が金属鉄及び/又は酸化鉄のみからなる場合を含む)、粘土、粘土以外のSiO源などを含む原料に液状油を添加して混練した後、成形し、この成形体を焼成する。原料を構成する各材料については、さきに述べたとおりである。
原料に水ではなく液状油を添加するのは、水を添加すると金属Al含有材料の金属Alが水酸化し、発熱するからである。また、液状油を用いることにより、成形体を脱型する際の脱型性も向上する。使用できる液状油に特に制限はなく、植物油、鉱物油などを使用できるが、例えば、使用済みの食用油(天ぷら油)、エンジンオイルなどの廃油を使用すれば製造コストの面で有利である。
液状油の添加量は、成形体の保形性などの面から、原料100質量部に対して8〜15質量部程度が適当である。
液状油を添加した原料は、モルタルミキサーなどの混練手段で混練され、次いで、任意の形状に成形される。通常、この成形は金型を用いたプレス成型で行われるが、原料に液状油が含まれているため、金型からの脱型が容易である。
次いで、成形体は600〜1200℃、好ましくは800〜1000℃程度の酸化性雰囲気中で焼成される。したがって、通常の陶器の焼成窯(設備)でも焼成可能である。この焼成では、原料に含まれる金属Alと酸化鉄とのテルミット反応により部分的に2700℃以上の高温焼成が実現し、成形体は焼成・固化する。その際、さきに述べたような(イ)〜(ニ)の作用効果によって、優れた強度を有し且つ表面に適度な粗さを有する焼成体が得られる。
本発明の水中沈設用石材(および水和固化体A)の形状などに特別な制限はなく、型枠などを用いて適当な形状に成型したものでもよいし、製造された水和固化体をブレーカーなどで破砕した不定形のものでもよい。
水和固化体Aに対して、塊状物Bを、その一部分が水和固化体外面に露出するように埋め込む方法も任意であるが、例えば、次のような方法を採ることができる。
(i)水和固化体Aの原料混練物中に塊状物Bを混合し、少なくとも一部の塊状物Bが水和固化体外面に露出するように、原料混練物を打ち込み・固化させる。或いは、この水和固化体をブレーカーなどで破砕し、その破砕面に塊状物Bを露出させる。
(ii)水和固化体Aの原料混練物を打ち込み、固化途中の段階で、塊状物Bをその一部分が水和固化体外面に露出するように手作業などで埋め込む。
以上の点から、切石状の不定形の石材を大量生産するには、(1)水和固化体Aの原料混練物中に塊状物Bを混合し、この原料混練物を適当な広さ・厚さに打ち込み・固化させ、この水和固化体をブレーカーなどで切石大に破砕し、その破砕面に塊状物Bを露出させる製造方法、或いは、(2)水和固化体Aの原料混練物を適当な広さ・厚さに打ち込み、固化途中の段階で、塊状物Bをその一部分が水和固化体外面に露出するように手作業などで埋め込み、固化した水和固化体をブレーカーなどで切石大に破砕する製造方法、が特に好ましい。
水和固化体は、強度が高く、且つ大型化できることも含めて形状選択性が高く、水中安定性に優れるという利点がある一方で、生物付着性が低いという問題がある。一方、製鋼スラグと金属Al含有材料を主体とする原料混合物の焼成体は、生物付着性に優れるという利点はあるが、焼成体であるため大型のものは製造できず、製造できたとしても高コストのものとなる。これに対して、上述した本発明の水中沈設用石材は、製鋼スラグと金属Al含有材料を主体とする原料混合物の焼成体からなる複数の塊状物Bを、水和固化体Aに対してその外面に露出するようにして埋め込んだものであるため、水和固化体Aにより高い水中安定性が、塊状物Bにより高い生物付着性が得られ、その結果、生物付着性と水中安定性がともに優れた石材となる。
また、塊状物Bを、水和固化体Aに対してその外面に露出するように点在させたことにより、次のような作用効果得られ、特に優れた生物付着性が得られる。
(a)生物付着には基盤に凹凸があった方が良いが、塊状物Bを水和固化体Aの外面に露出するように点在させることで基盤(石材)の外面に凹凸が付与され、しかも、生物付着に適した素材(塊状物B)が外面に点在するので、海藻などの生物が付着しやすくなる。
(b)浮泥などが溜まると海藻の種子などが付着し難く、たとえ付着しても浮泥に埋もれて窒息して死滅してしまうが、凹凸があることで浮泥が溜まりにくくなり、海藻の種子などが付着し易く、この点からも優れた生物着生性が得られる。
(c)塊状物Bが生物付着(主に生物の幼生・幼体の付着)の起点になり、最終的に基盤(石材)全体に生物が付着するので、基盤の複数箇所に生物の幼生・幼体を人工移植するのと同じ効果が得られる。すなわち、従来行われていたような移植の手間が省ける。
(d)塊状物Bにより付与される凹凸が、生物の幼生・幼体の隠れ家となり、幼生や幼体が捕食され難くなる。
・水和固化体Aの原料
細骨材(0−5mm)及び粗骨材(5−25mm)として、エージング処理により水浸膨張比(JIS−A−5015附属書2)を0.6%とした製鋼スラグ(溶銑予備処理スラグ)を用い、結合材として、高炉水砕スラグ微粉末、フライアッシュ、セメントを用いる。これらを用いた各原料の単位配合量は、製鋼スラグ(細骨材,粗骨材):832kg/m、高炉水砕スラグ微粉末:316kg/m、フライアッシュ:63kg/m、ポルトランドセメント:57kg/m、減水剤:2.6kg/m、水:174kg/mとする。
・塊状物Bとなる焼成体の製造
焼成体用の原料はいずれも125メッシュ以下の粒度のものを用いる。製鋼スラグ(脱燐スラグ)100質量部に対して、アルミドロス(金属Al含有量:40質量%)40質量部、酸化鉄粉10質量部、粘土50質量部を配合して原料混合物とする。この原料混合物100質量部に液状油8〜15質量部を添加してモルタルミキサーで混練した後、プレス成型して、円柱状の成形体(短径約1cm)を得る。この成形体を酸化性雰囲気中において900℃で8時間焼成することにより、高強度で且つ適度な表面粗さを有する焼成体を製造する。
・水中沈設用石材の製造
前記水和固化体Aの原料混練物を型枠に打ち込む。この原料混練物が少し固化した段階(流動性がなくなった段階)で、複数個の前記焼成体を、その一部分が水和固化体外面に露出するように、手作業で原料混練物の複数箇所に埋入させ、塊状物Bを構成する。その後、さらに養生し、水和固化体Aと塊状物Bからなる本発明の水中沈設用石材を得る。
また、比較例として、水和固化体の原料混練物を型枠に打ち込み、養生し、水和固化体Aのみからなる石材を得る。
・海域での設置試験
比較例である水和固化体Aのみからなる石材と、本発明例の水中沈設用石材を、それぞれ短径が50cm程度となるように図1に示すような不定形に破砕し、これらを水深7mのカジメ場に11月に沈設する。沈設1年後のカジメ本数を計測したところ、比較例の石材には、平均して1個当たり5本のカジメの着生が認められる。本発明例の水中沈設用石材には、平均して1個当たり10本のカジメの着生が認められる。
A 水和固化体
B 塊状物

Claims (5)

  1. 製鋼スラグと金属Al含有材料を主体とする原料混合物の焼成体からなる複数の塊状物が、一部分が水和固化体外面に露出するようにして、水和固化体に埋め込まれたことを特徴とする水中沈設用石材。
  2. 水和固化体は、骨材の一部又は全部が製鋼スラグからなることを特徴とする請求項1に記載の水中沈設用石材。
  3. 焼成体の原料混合物は、さらに、金属鉄及び/又は酸化鉄含有粉(但し、粉が金属鉄及び/又は酸化鉄のみからなる場合を含む)を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の水中沈設用石材。
  4. 焼成体の原料混合物は、さらに、粘土を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の水中沈設用石材。
  5. 焼成体の原料混合物は、さらに、粘土以外のSiO源を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の水中沈設用石材。
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