JP2000140874A - 水質浄化用多孔質石材及び水質浄化方法 - Google Patents

水質浄化用多孔質石材及び水質浄化方法

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JP2000140874A
JP2000140874A JP10333445A JP33344598A JP2000140874A JP 2000140874 A JP2000140874 A JP 2000140874A JP 10333445 A JP10333445 A JP 10333445A JP 33344598 A JP33344598 A JP 33344598A JP 2000140874 A JP2000140874 A JP 2000140874A
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健 川島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質コンクリート製品のように多孔質内部
や周囲の水のpHを上昇させることがなく、しかも水質
浄化用資材として生物の生態系による自浄作用を利用し
た水質浄化を効果的に促進できる高い機能性を備えた水
質浄化用人工石材を提供すること 【解決手段】 鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主
原料とする石材であって、主原料である粉状および/ま
たは粒状のスラグを、主としてスラグ中に含まれるCa
Oの炭酸化反応で生成させたCaCO3をバインダーと
して固結させた石材であり、且つ該石材が有する気孔径
10μm以上の開気孔による全開気孔率が10%以上で
あることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、鉄鋼製造プロセス
で発生するスラグを主原料とする水質浄化用石材、より
詳細には、粉状若しくは粒状のスラグおよび/またはC
aO分含有廃材を炭酸化反応により固結させて塊状化し
た水質浄化用人工石材に関するもので、この石材は水質
浄化を目的として海、河川、湖沼、池等に沈設または敷
設される。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護の観点から海、河川、湖
沼、池などの水質浄化が大きな課題となっている。この
ような水質浄化のための一つの手法として、微生物を中
心とした生物の生態系による自浄作用を利用することを
狙いとし、水中での生物間の活発な食物連鎖の環境を人
為的に提供する試みがなされている。すなわち、一般に
水中に存在する有機汚濁物質は種々の微生物による分
解、硝化等の過程を経て藻類等の水生植物の栄養源とな
る成分に変えられ、この成分を取り込んで一次生産され
た藻類等の水生植物は各種の動物に摂取され、さらに高
次生産へとつながる。上記の試みは、このような生物の
生態系による自浄作用が適切に得られるような環境を人
為的に提供することにより、水質浄化を図ることを狙い
としている。
【0003】従来、そのような環境を提供するために水
中や水辺に沈設または敷設する資材として多孔質のコン
クリートブロック体を使用することが提案され、一部実
用化もなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コンクリート
はpHが高いため(通常、pH12〜12.5程度)、
上記のようなコンクリート製品ではその多孔質内部や周
囲の水のpHを上昇させてしまう問題があり、このよう
にpHが上昇した環境は生物(微生物、プランクトン、
魚介類、その他の水生小動物)の棲息環境としては全く
不適であり(例えば硝化菌はpH7〜9が適正環境)、
また、藻類等の水生植物の生育遅延を生じさせるおそれ
もある。したがって、従来用いられているようなコンク
リート製の水質浄化用資材では生物の生態系による自浄
作用を利用した水質浄化はほとんど期待できない。ま
た、コンクリート製品は遊離石灰の溶出により強度が低
下するという欠点もある。
【0005】したがって本発明の目的は、多孔質コンク
リート製品のように多孔質内部や周囲の水のpHを上昇
させることがなく、しかも水質浄化用資材として生物の
生態系による自浄作用を利用した水質浄化を効果的に促
進できる高い機能性を備えた水質浄化用人工石材を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく実験と検討を重ねた結果、粉状または粗状
のスラグを、主としてスラグ中に含まれるCaOの炭酸
化反応で生成させたCaCO3をバインダーとして固結
させ、塊状化させたものを水質浄化用石材として用いる
ことにより、水のpHの上昇を生じさせることなく、し
かも水質浄化用資材として高い機能を発揮できることを
見い出した。
【0007】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴は以下の通りである。 [1] 鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする
石材であって、主原料である粉状および/または粒状の
スラグを、主としてスラグ中に含まれるCaOの炭酸化
反応で生成させたCaCO3をバインダーとして固結さ
せた石材であり、且つ該石材が有する気孔径10μm以
上の開気孔による全開気孔率が10容積%以上であるこ
とを特徴とする水質浄化用多孔質石材。
【0008】[2] CaO分含有廃材および/または鉄鋼
製造プロセスで発生したスラグを主原料とする石材であ
って、主原料である粉状および/または粒状のスラグ、
粉状および/または粒状のCaO分含有廃材の中から選
ばれる1種以上の石材原料を、主として主原料中に含ま
れるCaOの炭酸化反応で生成させたCaCO3をバイ
ンダーとして固結させた石材であり、且つ該石材が有す
る気孔径10μm以上の開気孔による全開気孔率が10
容積%以上であることを特徴とする水質浄化用多孔質石
材。 [3] 上記[1]または[2]の多孔質石材において、気孔径1
0μm以上の開気孔による全開気孔率が20容積%以上
であって、且つ気孔径10〜500μmの開気孔が石材
中の全開気孔中に占める割合が30容積%以上であるこ
とを特徴とする水質浄化用多孔質石材。
【0009】[4] 上記[1]〜[3]のいずれかの多孔質石材
において、未炭酸化カルシウム分を含有することを特徴
とする水質浄化用多孔質石材。 [5] 上記[4]の多孔質石材において、石材表層部には未
炭酸化カルシウム分が実質的に存在せず、石材内部にの
み未炭酸化カルシウム分を含有することを特徴とする水
質浄化用多孔質石材。 [6] 上記[4]または[5]の多孔質石材において、固結した
スラグ粒子の表層部及びスラグ粒子間には未炭酸化カル
シウム分が実質的に存在せず、スラグ粒子内部に未炭酸
化カルシウム分を含有することを特徴とする水質浄化用
多孔質石材。
【0010】[7] 上記[1]〜[6]のいずれかの多孔質石材
において、鉄分を含有することを特徴とする水質浄化用
多孔質石材。 [8] 上記[1]〜[7]のいずれかの多孔質石材において、可
溶性シリカを含有することを特徴とする水質浄化用多孔
質石材。 [9] 上記[1]〜[8]のいずれかの多孔質石材において、見
掛密度(開気孔を含まず、閉気孔を含む状態での密度)
が2以上あることを特徴とする水質浄化用多孔質石材。 [10] 上記[1]〜[9]のいずれかの多孔質石材を、その少
なくとも一部が水質浄化対象である海水、淡水または汽
水と接触するよう設置することを特徴とする水質浄化方
法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の水質浄化用石材は、粉状
および/または粒状のスラグを、主としてスラグ中に含
まれるCaO(このCaOが変化したCa(OH)2
含む)の炭酸化反応で生成させたCaCO3をバインダ
ーとして固結させ、塊状化した石材であり、本発明はこ
のような人工石材、とりわけ後述するような特定のミク
ロ構造を有する石材が、水質浄化用石材として高い機能
性を備えていることを見い出しなされたものである。
【0012】また、本発明で使用する石材の主原料とし
ては、上記スラグとともに或いはスラグに代えて廃コン
クリート材のようなCaO含有廃材を用いてもよい。こ
のようなCaO含有廃材としては、廃コンクリート材の
ほかに、モルタルや耐火物の廃材があり、これらの材料
もスラグと同様に、含有されるCaOの炭酸化反応でC
aCO3が生成し、このCaCO3をバインダーとして固
結する。したがって、石材の主原料としては、スラグお
よびCaO含有廃材の中から選ばれる1種または2種以
上を用いることができる。なお、以下の発明の説明にお
いてはすべてスラグを主原料として用いる場合を例に説
明を行う。
【0013】粒状物をCaOとCO2との反応、すなわ
ち炭酸化反応により生じるCaCO3を利用して固結さ
せこと自体は古くから知られた技術であり、CaOを含
む粒状物を炭酸ガス雰囲気下に置くと、下記反応式によ
ってCaCO3が生成し、このCaCO3をバインダーと
して粒子間に固結現象を生じる。 CaO+CO2 → CaCO3
【0014】従来、このような炭酸化反応を利用した技
術としては、例えば製鋼風砕スラグと水との混練物を原
料として建材用途等の硬化体製品を製造する方法(例え
ば、特開昭58−74559号)や非焼成ペレットの製
造法(例えば、特開昭57−92143号、特開昭58
−48642号、特開昭58−133334号)等が提
案されている。しかしこれらの従来技術は、いずれも所
要の強度を有する硬化体製品や非焼成ペレットを短時間
で製造することのみを目的としたものであり、粉状また
は粒状のスラグを炭酸化反応により固結させて得られた
石材が、水質浄化用石材として極めて優れた機能を有す
ることについては、何も示していない。
【0015】生物の食物連鎖による水質自浄作用が適切
に得られるような環境を、水質浄化用資材によって提供
するためには、資材自体が、有機汚濁物質を分解する好
気性微生物が付着・繁殖し、且つこれらが活発に活動で
きる環境を備えていること、また、それら微生物を捕食
する原生動物が活発に活動できる環境を備えているこ
と、さらには、有機汚濁物質の分解物を栄養源として取
り込む藻類等の水生植物が着生・成育できる環境を備え
ていることが必要である。この点、従来のコンクリート
製資材はその多孔質の内部や周囲の水のpHが上昇する
ため、好気性微生物の生存環境や藻類の成育環境のいず
れの面でも大きな問題があり(例えば、硝化菌はpH7
〜9が適正環境である)、むしろそれらの環境をより悪
化させる可能性さえある。
【0016】これに対して本発明の水質浄化用石材は、
主原料であるスラグ中に含まれるCaOの大部分を炭酸
化反応によってCaCO3に変化させ、且つこのCaC
3をバインダーとしてスラグ粒子を固結させたもので
あるため、多孔質の内部や周囲の水のpHを上昇させる
おそれは殆どなく、このため好気性微生物の生存環境や
藻類の成育環境がpH上昇によって阻害されることはな
い。
【0017】このような粉状および/または粒状のスラ
グを炭酸化反応で固結させた石材は、元々比較的ポーラ
ス性状を有するが、特に、本発明では水質浄化用石材と
しての高い生物担体機能(特に、好気性微生物の担体機
能)、さらには水生植物や湿性植物の植生基盤としての
高い機能を得るために、石材が有する開気孔の条件を規
定する。
【0018】すなわち、本発明の石材は、気孔径10μ
m以上の開気孔による全開気孔率が10容積%以上、好
ましくは20容積%以上であることを条件とする。ここ
で、開気孔とは石材内部に存在する気孔のうち石材表面
に通じている気孔(連続空間)であり、このような開気
孔は微生物を付着・繁殖させる場(棲家)を提供するだ
けでなく、石材内部に水と空気を自由に流入通過させる
ことで石材内部に好気性雰囲気を形成し、特に好気性微
生物の生存と活動に好適な環境を提供する。しかも、こ
の開気孔によって有機汚濁物質を含む水の自由な流入通
過が確保されるため、微生物による有機汚濁物質の分解
および硝化を効率的に促進させることができる。
【0019】また、スラグ等を炭酸固化して得られた本
発明の石材は、その表面自体が比較的ポーラスな性状で
あるため藻類等の水生植物が着生し易く、この点だけで
もコンクリート製資材等に較べて藻類等の水生植物の植
生基盤としての機能に優れているが、さらに、上記のよ
うな形態で多くの開気孔が形成されているため、植物の
栄養源となる石材溶出成分(後述する鉄分や可溶性シリ
カ)、さらには開気孔内での微生物による有機汚濁物質
の分解・硝化により生じた成分(栄養成分)が植物の着
生部や根に直に供給され、このため藻類等の水生植物の
成育性にも極めて優れている。
【0020】ここで、気孔径10μm未満の開気孔は、
菌類の棲家としては狭く、また閉塞しやすい。菌類は数
μm程度のものもいるが、それよりも大きい原生動物の
活動を考えると気孔径10μm未満では不十分である。
一方、気孔径500μmを超える開気孔の割合が多くな
ると、菌類が付着する面積が狭くなる。また、生態系を
維持するためには、菌類を捕食する原生動物の活動場が
必要であるが、そのスペースとしては300〜500μ
mが適正といわれている。
【0021】石材中の気孔径10μm以上の開気孔によ
る全開気孔率が10容積%未満では、微生物を付着させ
るための空間が減少するため十分な微生物担体機能を果
たせず、また石材内部を流入通過する水と空気の量も少
ないため、必要な水質浄化作用を得ることができなくな
る。また、水生植物の植生基盤としても、先に述べたよ
うな開気孔を通じた石材内部からの栄養成分の供給量も
減少するため、その機能が低下する。したがって、本発
明では気孔径10μm以上、好ましくは10〜500μ
mの開気孔による全開気孔率を10容積%以上、好まし
くは20容積%以上と規定した。
【0022】また、同様の理由から、気孔径10μm以
上、好ましくは10〜500μmの開気孔が全開気孔に
占める割合が30容積%以上であることが特に好まし
い。全開気孔に占める上記孔径の開気孔の割合が30容
積%未満では石材全体に対する菌類の活動場が少なくな
り、水質浄化の効率が悪い。
【0023】なお、開気孔の気孔径は、水銀圧入法で求
めた細孔径あるいは石材表面または表面と平行な切断面
の顕微鏡像の画像解析により求めた空隙の相当直径とし
て求めることができる。気孔径数百μm以下の開気孔に
よる開気孔径分布は、水銀圧入法で求めることができ、
気孔径10μm以下の開気孔も求めることができる。ま
た、全開気孔率はJIS R 2205(いわゆるアルキ
メデス法)の見掛気孔率で求めることができる。したが
って、気孔径10μm以上の開気孔の開気孔率は、全開
気孔率から気孔径10μm以下の開気孔による開気孔率
を差し引くことによって求めることができる。さらに、
数百μm以上の開気孔については、画像処理により気孔
径と気孔率を測定することができるので、気孔径500
μm以上の開気孔の気孔率を差し引くことも可能であ
る。
【0024】石材中に少量のカルシウム分が含まれる場
合、これが水中に微量に溶出して水中の燐を固定(燐を
吸着してリン酸カルシウムを生成)する。水中の燐は、
富栄養化の一因であり、赤潮発の原因となる。したがっ
て、この水中の燐をカルシウム分で固定・除去すること
は水質浄化に役立つ。このため石材中には未炭酸化カル
シウム分(CaO、Ca(OH)2等)が少量含まれる
ことが好ましい。なお、石材中に未炭酸化カルシウム分
が多量に含まれる場合には、先に述べたコンクリート製
資材と同様に水のpHを上昇させるという問題がある
が、燐を吸着するには炭酸固化後に残存する程度の少量
の未炭酸化カルシウムが含まれていれば足りる。
【0025】石材中の未炭酸化カルシウム分の存在形態
としては、石材表層部には未炭酸化カルシウム分が実質
的に存在せず、石材内部にのみ未炭酸化カルシウム分を
含有するような形態とすることが好ましい。これは、石
材表層部に未炭酸化カルシウム分が残存しているような
石材は、ハンドリングする際に必要となる石材表層部の
強度が不十分であるためである。石材表層部に未炭酸化
カルシウム分が実質的に存在しないようにすれば、石材
表層部の必要な強度を確保することができる。
【0026】また、石材中の未炭酸化カルシウム分の存
在形態としては、固結したスラグ粒子の表層部及びスラ
グ粒子間には未炭酸化カルシウム分が実質的に存在せ
ず、スラグ粒子内部にのみ未炭酸化カルシウム分が存在
するような形態としてもよい。この場合には、石材の強
度は粒間の結合で維持され、且つ粒子表面と粒内(未炭
酸化カルシウム)との間には、微細な細孔が存在するた
め、粒内のCaイオンが水を介して粒子表面より溶け出
して、燐の固定に寄与する。
【0027】石材中に未炭酸化カルシウム分を含有させ
るには、石材原料中のCaO、Ca(OH)2の一部を
炭酸化させることなく残存させる方法が採られる。この
未炭酸化のままで残存させるカルシウム分としては元々
スラグ中に含まれるカルシウム分であってもよいし、原
料スラグ中に添加材として添加されたカルシウム分であ
ってもよい。
【0028】また、石材中に含まれる鉄分は、水中に溶
出して水中の硫黄を固定(硫化鉄の生成)し、また、石
材表面に付着する藻類等の水生植物の栄養源となる。水
中の硫黄はCODを高め、青潮発生の原因となる。した
がって、この水中の硫黄を鉄分で固定・除去することは
水質浄化に役立つ。このため石材中には適量の鉄分が含
まれていることが好ましい。
【0029】後述するように鉄鋼製造プロセスで発生す
るスラグには相当量の鉄分が含まれており、このスラグ
から地金(鉄分)を回収する工程を経た後でも、スラグ
中にはある程度の鉄分が残存している。したがって、通
常、石材中にはある程度の鉄分が含まれることになる
が、石材に鉄分を含有させる場合、そのような元々含ま
れる鉄分を利用してもよいし、或いは別途添加材として
鉄分(金属鉄または酸化鉄)を添加してもよい。この添
加材としては、例えば、鉄鋼製造プロセスで発生する含
鉄ダスト(製鉄ダスト等)、ミルスケールを用いてもよ
い。
【0030】また、石材中に含まれる可溶性シリカは、
水中に溶出して石材表面に付着する藻類等の水生植物の
栄養源となる。このため石材中には適量の可溶性シリカ
を含ませることもできる。可溶性シリカ源としては、例
えば、火力発電所等において石炭燃焼により生じるフラ
イアッシュ(可溶性シリカ含有量:45〜75重量
%)、クリンカーアッシュ(可溶性シリカ含有量:50
〜65重量%)を用いてもよい。
【0031】また、本発明の石材中には上記成分以外に
も、必要に応じて任意の成分を適量、すなわち石材の強
度低下等を招かない限度で適宜含有させることができ
る。また、バインダーとなる成分として、例えば、セメ
ントや水砕スラグ微粉末等を少量添加してもよい。ま
た、石材は乾燥時の見掛密度(開気孔を含まず、閉気孔
を含む状態の密度)が2以上あることが好ましい。石材
の乾燥時の見掛密度が2未満では、石材の重量が軽く、
水流等により流されやすい。
【0032】石材の形状に特別な制約はなく、ランダム
な塊状、ブロック状、球状、粒状、円筒状等の任意に形
状に構成できる。但し、水中の小生物のための空間も形
成するという意味では、少なくともmmオーダーないし
はcmオーダーの中空部や凹凸部があった方がよい。
【0033】石材の大きさにも特別な制約はない。塊状
スラグそのものを石材として用いる場合、溶融スラグの
冷却方法や条件等の制約により一般にその大きさには限
界(通常、最大でも800mm程度)があり、また、サ
イズの揃った大塊の石材を得ることは難しいが、本発明
のように粉状または粒状のスラグを炭酸固化させた石材
は、炭酸固化させる際の形状の選択或いは炭酸固化後の
切り出し形状の選択等によりその大きさを任意に調整す
ることができ、大塊の石材も容易に得ることができる。
【0034】なお、本発明の石材は、粒径の小さいスラ
グが炭酸化反応で生成したCaCO3をバインダーとし
て緊密に固結したものであるため、十分な強度を有して
おり、このため運搬や水中への沈設の際に衝撃が加わっ
ても割れや崩壊を生じる恐れはなく、またスラグ中に含
まれるCaOの大部分がCaCO3に変化しているた
め、水中に長期間置かれてもコンクリート製資材のよう
に強度が低下するおそれもない。また、石材の使用形態
としては、石材を海、河川、湖沼、池等の水中(海水、
淡水、汽水中)または水際等に設置して石材の少なくと
も一部を浄化対象水と接触させればよく、また、水位が
長期的または短期的に変動するために一時的に水と接触
しないような設置場所で使用してもよい。
【0035】以下、本発明の石材の主原料となるスラグ
について、より詳細に説明する。本発明の水質浄化用石
材の主原料となる鉄鋼プロセスで発生するスラグとして
は、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグ等の高炉系スラ
グ、予備処理、転炉、鋳造等の工程で発生する脱炭スラ
グ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、鋳造スラグ
等の製鋼系スラグ、鉱石還元スラグ、電気炉スラグ等を
挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0036】これらのスラグのうち、代表的なスラグの
組成の一例を以下に示す。 (1) 脱炭スラグ … T.Fe:17.5%,CaO:4
6.2%、SiO2:11.7%、Al23:1.4
%、MgO:8.3%、MnO:6.2%、P:0.7
6%、S:0.04% (2) 脱燐スラグ … T.Fe:5.8%,CaO:5
4.9%、SiO2:18.4%、Al23:2.8
%、MgO:2.3%、MnO:1.9%、P:2.8
%、S:0.03%
【0037】(3) 脱硫スラグ … T.Fe:10.5
%,CaO:50.3%、SiO2:10.0%、Al2
3:5.4%、MgO:1.1%、MnO:0.4
%、P:0.13%、S:1.8% (4) 脱珪スラグ … T.Fe:10.5%,CaO:1
3.6%、SiO2:43.7%、Al23:3.8
%、MgO:0.4%、MnO:15.8%、P:0.
10%、S:0.19% (5) 高炉水砕スラグ … FeO:0.3%、CaO:4
2.0%、SiO2:33.8%、MnO:0.3%、
MgO:6.7%、Al23:14.4%
【0038】なお、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ
のうち、脱燐スラグはP含有量が高いために、また脱珪
スラグはMnOの含有量が高いために、それぞれセメン
ト原料として使用するには難があるが、本発明ではこれ
らのスラグについても問題なく石材の主原料として利用
することができる。
【0039】また、高炉水砕スラグは可溶性シリカを比
較的多く含んでいるため、スラグの一部または全部を高
炉水砕スラグとすること、例えば製鋼スラグと高炉水砕
スラグとを混合して用いることにより、可溶性シリカ源
となる添加材を添加した場合と同様の効果が得られる。
【0040】使用するスラグは粉状および/または粒状
であればよく、その粒径は特に限定されない。上記のよ
うな鉄鋼製造プロセスで発生するスラグは、程度の差は
あるものの比較的多量(通常、数重量%〜30重量%程
度)の地金(粒鉄等の鉄分)を含んでおり、一般には、
このような鉄分を鉄鋼製造プロセスにリサイクルするた
めに、スラグ中の地金回収が行われる。通常、この地金
回収を行うためにスラグは粉砕処理され、したがって、
元々粉化した状態にあるスラグを含め、地金回収工程を
経たスラグは必然的に粉状若しくは粒状(通常、cmオ
ーダーまたはそれ以下)のものとなる。
【0041】本発明の石材の主原料とするスラグは、こ
のような地金回収工程を経たスラグをそのまま用いても
よいし、また必要に応じて、これをさらに粉砕処理した
ものを用いてもよい。また、地金回収工程を経ないスラ
グを必要に応じて粉砕処理したもの、或いは地金回収工
程よりもさらに鉄分を除去したものをそれぞれ主原料と
して用いてもよい。
【0042】また、これら主原料となるスラグには、先
に述べた石材含有成分(鉄分、可溶性シリカ)となるべ
き添加材を必要に応じて添加することができる。また、
大部分のスラグにはCaOとともにある程度の量のMg
Oが含まれており、このMgO(このMgOが変化した
Mg(OH)2を含む)も上記炭酸化反応によりMgC
3に変化し、バインダーの一部となる。
【0043】本発明の石材を製造するには、適度な水分
が添加された粉状または粒状のスラグ(必要に応じて添
加材が添加されたスラグ)を、例えば型枠等の容器内に
適当な嵩密度で充填して原料充填層を形成し、この容器
内に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガス(以下、単に炭酸
ガスという)を流すことにより、主としてスラグ中に含
まれるCaOの炭酸化反応により生成するCaCO3
バインダーとしてスラグ粒子を固結させ、原料充填層全
体を炭酸固化させる。
【0044】スラグをCaOと炭酸ガスとの反応を利用
して効率的に炭酸固化させるには水分が必要である。こ
れは水にCaOと炭酸ガスが溶解することにより炭酸化
反応が促進されるためである。したがって、スラグには
適量の水が添加される必要がある。また、型枠等の容器
内に供給された炭酸ガスのうちの未反応ガスは、適当な
排気口から排気される。製造される石材の性状(開気孔
のサイズ、開気孔率等)は、主原料となるスラグの粒
度、炭酸化反応させる際の原料層の充填度(嵩密度)、
水分量等により変わるので、これらを適宜調整すること
により所望の大きさの開気孔と開気孔率を有する石材を
得ることができる。
【0045】原料となるスラグの粒度、原料充填層の充
填度、水分量等は、例えば、下記の条件の範囲内で選択
されることが好ましい。 (1) 主原料であるスラグの粒度分布に関しては、6〜1
mm>70%、0.3mm以下<30%、特に好ましく
は3〜1mm>70%、0.3mm以下<30%が望ま
しい。 (2) 原料中の水分に関しては、水分含有量3%以上であ
って、且つ水分添加された原料充填を形成した時に、原
料充填層内に炭酸ガスが流れる通路が確保されるととも
に、ガス吹き込みにより原料充填層が崩壊(流動化)す
るようなことがない程度の水分含有量とすることが好ま
しい。 (3) 原料充填層の嵩密度は、嵩比重/真比重が0.3〜
0.9の範囲となるようにすることが好ましい。
【0046】原料層を所定の充填度にするために行う締
め固めは、原料層の上部から加圧する方法、原料層に振
動を与える方法、これら両者を併用する方法等を採用で
きる。原料充填層内に炭酸ガスを供給する方法に特別な
制限はないが、原料充填層の底部にガス吹き込み手段を
設け、このガス吹き込み手段を通じてガスを吹き込むこ
とが最も効果的である。また、場合によっては、原料充
填層を気密性の空間(容器等を含む)内に置き、この空
間内を炭酸ガス含有雰囲気にすることもできる。
【0047】使用される炭酸ガス含有ガスとしては、例
えば一貫製鉄所内で排出される石灰焼成工場排ガス(通
常、CO2:25%前後)や加熱炉排ガス(通常、C
2:6.5%前後)等が好適であるが、これらに限定
されるものではない。また、炭酸ガス含有ガス中の炭酸
ガス濃度が低すぎると処理効率が低下するという問題を
生じるが、それ以外の問題は格別ない。したがって、炭
酸ガス濃度は特に限定しないが、効率的な処理を行うに
は3%以上の炭酸ガス濃度とすることが好ましい。
【0048】また、炭酸ガスのガス吹込量にも特別な制
限はなく、原料充填層が流動しない程度にガス吹き込み
を行えばよいが、一般的な目安としては0.004〜
0.5m3/min・t程度のガス吹き込み量が確保で
きればよい。また、ガス吹き込み時間(炭酸化処理時
間)にも特別な制約はないが、目安としては炭酸ガス
(CO2)の吹込量がスラグの重量の3%以上となる時
点、すなわち、ガス量に換算すると材料1t当たり15
3以上の炭酸ガス(CO2)が供給されるまでガス吹き
込みを行うことが好ましい。
【0049】原料充填層に吹き込まれる炭酸ガスまたは
炭酸ガス含有ガスは常温でよいが、ガスが常温よりも高
温であればそれだけ反応性が高まるため有利である。但
し、ガスの温度が過剰に高いとCaCO3がCaOとC
2に分解し、またMgCO3もMgOとCO2に分解し
てしまうため、高温ガスを用いる場合でもこのような分
解を生じない程度の温度のガスを用いる必要がある。ま
た、原料充填層内に炭酸ガスを供給するに当たっては、
炭酸ガスを一旦水中に吹き込んでH2Oを飽和させた
後、積み山または充填層に吹き込むようにすることによ
り、スラグの乾燥を防止して炭酸化反応を促進させるこ
とができる。
【0050】また、先に述べたような石材表層部には未
炭酸化カルシウム分が実質的に存在せず、石材内部にの
み未炭酸化カルシウム分を含有するような石材を得るに
は、例えば、スラグに水硬性物質(セメント、水砕スラ
グ微粉末等)と水を添加して型枠内に充填し、荷重をか
けて成型した後、脱枠し、この成型体を炭酸ガス含有雰
囲気下に置き、原料充填層内部のカルシウム分の全てが
炭酸化する前に炭酸ガス含有雰囲気から取り出す。これ
により石材表層部には未炭酸化カルシウム分が実質的に
存在せず、石材内部にのみ未炭酸化カルシウム分を含有
する石材を得ることができる。
【0051】この場合のスラグ粒度としては、乾燥状態
で原料充填層を形成した時に、原料充填層内に気孔径が
10μm以上の開気孔(このような開気孔ではCO2
細孔内拡散が分子拡散となる)を気孔率で20容積%以
上形成できるような粒度分布とすることが好ましい。な
お、この気孔率は、原料充填層を成形して水銀圧入法で
粒子間間隙を測定することにより、測定可能である。ま
た、原料中の水分に関しては、水分含有量3%以上であ
って、水銀圧入法で求めた原料充填層の細孔容積(粒子
間間隙容積)から原料充填層の10容積%分の容積を差
し引いた細孔容積を満たす水分量を上限とすることが好
ましい。
【0052】また、上記のような石材内部にのみ未炭酸
化カルシウム分を含有するような石材を得るための他の
方法としては、型枠内の原料充填層に対して炭酸ガスを
流して行う炭酸化処理を原料充填層がある程度の強度に
固化した段階(原料充填層全体に未炭酸化カルシウムが
適量残存している段階)で一旦中止し、この原料充填層
を脱枠した後、炭酸ガス含有雰囲気下に置いて主として
原料充填層の表層部側を対象とした炭酸化処理を行い、
原料充填層内部のカルシウム分が全て炭酸化する前に、
炭酸ガス含有雰囲気から取り出す。これにより石材表層
部には未炭酸化カルシウム分が実質的に存在せず、石材
内部にのみ未炭酸化カルシウム分を含有する石材を得る
ことができる。
【0053】また、固結したスラグ粒子の表層部及びス
ラグ粒子間には未炭酸化カルシウムが実質的に存在せ
ず、スラグ粒子内部にのみ未炭酸化カルシウム分を含有
するような石材を得るには、原料スラグの粗粒を多く、
微粒を少なくした上で、炭酸固化時間を短くし、微粒部
が炭酸化し、ハンドリングに耐える程度の強度になった
ときに炭酸化を止めるようにする。
【0054】
【実施例】製鋼スラグ(粒度;1〜3mm:80%、
0.3mm以下:20%)を110℃で乾燥後、水分を
5%添加した。このスラグを25cm×25cm×25
cmの型枠に乾燥密度で2.0〜2.1g/cm2にな
るように突き固めて充填し、原料充填層を形成した。こ
の型枠の上部を密閉した後、加湿したCO2をゲージ圧
1kgf/cm2、1L/minで型枠の下方から原料
充填層内に6日間供給して、水質浄化用石材を製造し
た。
【0055】この石材は、全体の開気孔率が39.9容
積%、気孔径10μm以上の開気孔による全開気孔率が
30容積%以上、気孔径10〜500μmの開気孔が全
気孔に占める割合が>36%であった。図1に、この石
材の300μ以下の気孔径分布を示す。また、表1に気
孔径と気孔率を示す。
【0056】
【表1】
【0057】石材の微生物担体機能を定量的に評価する
のは難しいため、主として植生基盤としての機能を評価
すべく、以下のような試験を行った。上記により製造さ
れた本発明例の石材と比較材である花崗岩(25cm×
25cm×25cm)を、4月に水深約2mの天然のホ
ンダワラ群棲地内の3個所に隣接して沈設し、約6ヶ月
後の海藻の着生・成育状態を調べた。その結果を表2に
示す。これによれば、本発明の石材は自然石に較べて海
藻の着生・成育状態が非常に良いことが判る。
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】以上述べたように本発明の水質浄化用石
材は、その多孔質内部や周囲の水のpHを上昇させるこ
とがなく、しかも非常に優れた微生物担体機能と植生基
盤としての機能を有している。このため微生物による有
機性汚濁物質の分解と窒素化合物の硝化を効率的に促進
させるとともに、藻類のような水生植物、さらには湿性
植物の生育環境を提供することで植物による富栄養分の
吸収を促進させることができ、これらの作用により微生
物を中心とした生物の生態系による水質浄化能力を効果
的に促進させることができる。
【0060】また、本発明は、従来では路盤材等として
の利用価値しかなかったようなスラグを付加価値の高い
製品として利材化できるという大きな利点があり、ま
た、特にスラグの中には冷却時に生成するγ−ダイカル
シウムシリケートの変態膨張や、遊離CaOの水和によ
り生じる膨張等により粉化する性質を持つものがあり、
従来、このような粉化スラグは一部がセメント原料等と
して利用される以外は利材化の途がなく、大部分が廃棄
されていたものであるが、本発明ではこのような粉化ス
ラグについても原料として利用でき、さらに組成上の制
約からセメント原料等として利用するのに難があり、有
効利用が難しかったスラグ(例えば、脱燐スラグや脱珪
スラグ等)についても原料として利用できることから、
鉄鋼製造プロセスで発生するほとんどのスラグを有効利
用でき、それも付加価値の高い製品として利材化できる
点で非常に有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で製造された石材の気孔径分布を示すグ
ラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 38/02 B09B 3/00 301F 304C (72)発明者 加藤 誠 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 川島 健 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡辺 圭児 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 田辺 治良 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D003 AA01 BA07 EA14 EA19 EA22 4D004 AA43 BA10 CA03 CA45 CC01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主
    原料とする石材であって、主原料である粉状および/ま
    たは粒状のスラグを、主としてスラグ中に含まれるCa
    Oの炭酸化反応で生成させたCaCO3をバインダーと
    して固結させた石材であり、且つ該石材が有する気孔径
    10μm以上の開気孔による全開気孔率が10容積%以
    上であることを特徴とする水質浄化用多孔質石材。
  2. 【請求項2】 CaO分含有廃材および/または鉄鋼製
    造プロセスで発生したスラグを主原料とする石材であっ
    て、主原料である粉状および/または粒状のスラグ、粉
    状および/または粒状のCaO分含有廃材の中から選ば
    れる1種以上の石材原料を、主として主原料中に含まれ
    るCaOの炭酸化反応で生成させたCaCO3をバイン
    ダーとして固結させた石材であり、且つ該石材が有する
    気孔径10μm以上の開気孔による全開気孔率が10容
    積%以上であることを特徴とする水質浄化用多孔質石
    材。
  3. 【請求項3】 気孔径10μm以上の開気孔による全開
    気孔率が20容積%以上であって、且つ気孔径10〜5
    00μmの開気孔が石材中の全開気孔に占める割合が3
    0容積%以上であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の水質浄化用多孔質石材。
  4. 【請求項4】 未炭酸化カルシウム分を含有することを
    特徴とする請求項1、2または3に記載の水質浄化用多
    孔質石材。
  5. 【請求項5】 石材表層部には未炭酸化カルシウム分が
    実質的に存在せず、石材内部にのみ未炭酸化カルシウム
    分を含有することを特徴とする請求項4に記載の水質浄
    化用多孔質石材。
  6. 【請求項6】 固結したスラグ粒子の表層部及びスラグ
    粒子間には未炭酸化カルシウム分が実質的に存在せず、
    スラグ粒子内部にのみ未炭酸化カルシウム分を含有する
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の水質浄化用
    多孔質石材。
  7. 【請求項7】 鉄分を含有することを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5または6に記載の水質浄化用多孔質
    石材。
  8. 【請求項8】 可溶性シリカを含有することを特徴とす
    る請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の水質
    浄化用多孔質石材。
  9. 【請求項9】 見掛密度(開気孔を含まず、閉気孔を含
    む状態での密度)が2以上あることを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5、6、7または8に記載の水質浄化
    用多孔質石材。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9または10に記載の水質浄化用多孔質石材を、そ
    の少なくとも一部が水質浄化対象である海水、淡水また
    は汽水と接触するよう設置することを特徴とする水質浄
    化方法。
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