JP2011092323A - 移乗支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被介護者の移乗動作が不意に停止することがない移乗支援装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る移乗支援装置100は、支持台12と、支持台12に対して一端が傾動自在に取り付けられた支柱13と、支柱13の他端部に設けられ、被介護者の上半身を保持する身体保持具14と、支柱13を傾動させる第1駆動部と、身体保持具14の下部に設けられ、被介護者との接触を感知する感知部17と、第1駆動部を制御する制御部と、を備える。制御部は、支柱13の傾動角度に基づいて、感知部17の位置情報を算出し、感知部17の位置情報に基づいて、感知部17からの入力情報を無効とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自立歩行が困難な人がベッドから車椅子へ、また車椅子から便座等へ乗り移るような動作を行う場合に、これらの乗り移りの動作を支援する移乗支援装置に関する。
自立歩行が困難な被介護者にとって、ベッドから車椅子への移乗といった乗り移りの動作を一人で自立して行うことは容易でない。そのため、通常は介護者の手助けが必要となるが、移乗の手助けは介護者にとって肉体的な負担が大きく、また、被介護者にとっても精神的な負担が大きい。そのため、近年、自立歩行が困難な人の移乗動作を支援する装置が多く開発されている(例えば特許文献1〜5)。
これらの移乗支援装置においては、被介護者の移乗動作を行う際に、被介護者が移乗支援装置の身体保持具を抱きかかえた状態で保持されることになるが、車椅子やベッド等の着座物に着座する被介護者を移乗させるべく、当該被介護者に身体保持具を近付けると、被介護者が身体保持具により着座物との間に挟み込まれて圧迫される恐れがある。
しかし、これらの移乗支援装置は、被介護者の挟み込みを防止することができる構成とされていない。そのため、身体保持具を被介護者が保持できる位置まで当該身体保持具が被介護者に近付いたか否かを介護者は目視により確認せざるを得ず、移乗支援装置の操作が慎重となり、被介護者を着座物に着座させるのに時間がかかる。
そこで、図1を引用して示すように、身体保持具14の下部に被介護者との接触を感知する感知部17を備え、当該感知部17が被介護者との接触を感知すると、移乗動作を停止する移乗支援装置が実施されている。
特開2006−305092号公報 特開2005−279199号公報 特開2005−304735号公報 特開平10−192346号公報 特公平7−8287号公報
上述のように、被介護者の移乗動作を行う際、当該被介護者は上半身を身体保持具14に保持された状態となる。そのため、図12に示すように、被介護者の腰部が落ち込んで当該被介護者の下腹部が感知部17に接触し、移乗動作が不意に停止してしまう場合がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、被介護者の移乗動作が不意に停止することがない移乗支援装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る移乗支援装置は、支持台と、前記支持台に対して一端が傾動自在に取り付けられた支柱と、前記支柱の他端部に設けられ、被介護者の上半身を保持する身体保持具と、前記支柱を傾動させる第1駆動部と、前記身体保持具の下部に設けられ、前記被介護者との接触を感知する感知部と、前記第1駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記支柱の傾動角度に基づいて、前記感知部の位置情報を算出し、前記感知部の位置情報に基づいて、前記感知部からの入力情報を無効とする。これにより、感知部の位置座標が当該無効エリアに存在し、被介護者の下腹部が当該感知部に接触しても、被介護者の移乗動作が不意に停止することがない。そのため、移乗支援装置の操作性を向上させることができる。
このとき、前記制御部に制御され、前記身体保持具を傾動させる第2駆動部を備え、前記制御部は、前記支柱の傾動角度と、前記身体保持具の傾動角度と、に基づいて、前記感知部の位置情報を算出し、前記感知部の位置情報に基づいて、前記感知部からの入力情報を無効とすることが好ましい。
特に前記制御部は、前記被介護者の移乗動作開始後に前記感知部から前記被介護者に接触した旨の情報が入力されると、前記感知部の位置情報を算出し、前記感知部の位置情報に基づいて無効エリアを設定し、その後に算出した前記感知部の位置情報と、前記無効エリアと、に基づいて、前記感知部からの入力情報を無効とすることが好ましい。これにより、被介護者の体格差に柔軟に対応することができる。
本発明に係る移乗支援装置は、支持台と、前記支持台に対して一端が傾動自在に取り付けられた支柱と、前記支柱の他端部に設けられ、被介護者の上半身を保持する身体保持具と、前記支柱を傾動させる第1駆動部と、前記身体保持具の下部に回転可能に設けられ、前記被介護者との接触を感知する感知部と、前記感知部を回転させる第3駆動部と、前記第1駆動部を制御する制御部と、を備え、前記第3駆動部は、前記支柱の傾動角度に基づいて、前記感知部を前記被介護者から離れる方向に回転させる。これにより、被介護者が上昇した状態において、被介護者の下腹部が当該感知部に接触して、被介護者の移乗動作が不意に停止することがない。そのため、移乗支援装置の操作性を向上させることができる
前記第3駆動部には、前記第1駆動部の回転駆動力が伝達され、前記第3駆動部は、前記支柱の傾動角度に比例するように、前記感知部を前記被介護者から離れる方向に回転させることが好ましい。これにより、簡易な機械式の構成によって、感知部を被介護者から離れる方向に回転させることができる。
または前記制御部は、前記支柱の傾動角度に基づいて、前記第3駆動部を制御し、前記感知部を前記被介護者から離れる方向に回転させることが好ましい。
このとき、前記制御部に制御され、前記身体保持具を傾動させる第2駆動部を備え、前記制御部は、前記支柱の傾動角度と、前記身体保持具の傾動角度と、に基づいて、前記感知部の位置情報を算出し、前記感知部の位置情報に基づいて、前記第3駆動部を制御し、前記感知部を前記被介護者から離れる方向に回転させることが好ましい。
本発明に係る移乗支援装置は、支持台と、前記支持台に対して一端が傾動自在に取り付けられた支柱と、前記支柱の他端部に設けられ、被介護者の上半身を保持する身体保持具と、前記支柱を傾動させる第1駆動部と、前記身体保持具の下部に設けられ、前記身体保持具の前記被介護者への接触を感知する感知部と、前記被介護者の膝近傍を押し込む押込部と、前記第1駆動部を制御する制御部と、を備える。これにより、被介護者の下腹部が感知部に接触して、被介護者の移乗動作が不意に停止することがない。そのため、移乗支援装置の操作性を向上させることができる。
前記制御部は、前記支柱の傾動角度に基づいて、前記感知部の位置情報を算出し、前記感知部の位置情報に基づいて、前記押込部を制御し、前記被介護者の膝近傍を押し込むことが好ましい。
このとき、前記制御部に制御され、前記身体保持具を傾動させる第2駆動部を備え、前記制御部は、前記支柱の傾動角度と、前記身体保持具の傾動角度と、に基づいて、前記感知部の位置情報を算出し、前記感知部の位置情報に基づいて、前記押込部を制御し、前記被介護者の膝近傍を押し込むことが好ましい。
特に前記制御部は、前記被介護者の移乗動作開始後に前記感知部から前記被介護者に接触した旨の情報が入力されると、前記感知部の位置情報を算出し、前記感知部の位置情報に基づいて無効エリアを設定し、その後に算出した前記感知部の位置情報と、前記無効エリアと、に基づいて、前記押込部を制御し、前記被介護者の膝近傍を押し込むことが好ましい。これにより、被介護者の体格差に柔軟に対応することができる。
以上、説明したように、本発明によると、被介護者の移乗動作が不意に停止することがない移乗支援装置を提供することができる。
本発明に係る第1実施形態の移乗支援装置を概略的に示す側面図である。 本発明に係る第1実施形態の移乗支援装置のシステム構成を示すブロック図である。 無効エリアを説明するための図である。 本発明に係る第1実施形態の移乗支援装置における制御部の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る第2実施形態の移乗支援装置における第3駆動部の構成を説明するための図である。 本発明に係る第2実施形態の移乗支援装置を用いて、被介護者を上昇させたときの状態を概略的に示す側面図である。 本発明に係る第2実施形態の異なる移乗支援装置のシステム構成を示すブロック図である。 本発明に係る第3実施形態の移乗支援装置を概略的に示す側面図である。 本発明に係る第3実施形態の移乗支援装置のシステム構成を示すブロック図である。 本発明に係る第3実施形態の移乗支援装置における制御部の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る第3実施形態の異なる移乗支援装置を概略的に示す側面図である。 移送支援装置の感知部が不意に被介護者に接触したときの状態を説明する図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。但し、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
<第1実施形態>
本発明に係る第1実施形態の移乗支援装置を説明する。
移乗支援装置100は、図1及び図2に示すように、台座11、支持台12、支柱13、身体保持具14、第1駆動部15、第2駆動部16、感知部17、制御部18を備える。
台座11は、その底面において、略水平な床面上を移動可能とするための車輪を複数備えている。これらの車輪は、回転自由な状態と、固定した状態とを切り替えることが可能である。被介護者が移乗動作を行う場合に、これらの車輪を固定した状態として、被介護者が移乗動作を行う際に移乗支援装置100を安定させることができる。
支持台12は、台座11の表面上から略鉛直方向に立設された支柱である。但し、支持台12は台座11に対して水平回転自在な構成としても良い。
支柱13は、所謂ロボットアームである。支柱13の一端は、支持台12の端部に回転可能に連結されている。支柱13の他端は、身体保持具14に連結されている。支柱13は、支持台12との連結部に設けられた第1駆動部15の回転駆動力によって傾動する。
身体保持具14は、被介護者の上半身を保持することができる大きさ、形状とされている。すなわち、身体保持具14は、被介護者がその上半身を接触させ、両腕部で抱えた状態で保持できる程度の大きさ、形状の弾力部材である。身体保持具14は、支柱13の他端に回転可能に連結されている。身体保持具14は、支柱13との連結部に設けられた第2駆動部16の回転駆動力によって傾動する。
第1駆動部15は、例えばモータと減速機などを備えており、モータの回転駆動力を減速機を介して大きなトルクに変換し、支柱13に伝達する。ちなみに、第1駆動部15は、図示を省略した操作レバーを介護者が操作することにより、当該操作レバーから入力される操作情報に基づいて制御される。
第2駆動部16も、例えばモータと減速機などを備えており、モータの回転駆動力を減速機を介して大きなトルクに変換し、身体保持具14に伝達する。ちなみに、第2駆動部16も、図示を省略した操作レバーを介護者が操作することにより、当該操作レバーから入力される操作情報に基づいて制御される。
感知部17は、身体保持具14の下部底面に設けられている。感知部17としては、一般的な接触覚センサなどを用いることができる。但し、感知部17は、被介護者との接触を検出することができる構成であれば良く、圧力センサなどでも良い。
制御部18は、演算処理装置や所定の記憶領域を含むECUなどのコンピュータから構成されており、前述の操作レバーを操作することにより得られた操作情報などに基づいて、支柱13や身体保持具14の傾動速度を実現するための制御情報を生成し、当該制御情報を第1駆動部15や第2駆動部16に対して送信する。すなわち、制御部18は、図2に示すように、トルク決定部181、信号生成部182、出力部183、第1算出部184、第2算出部185、第3算出部186、判定部187を備える。
トルク決定部181は、操作レバーからの操作情報を受けて第1駆動部15や第2駆動部16により出力させるトルクの大きさ及び方向を決定する。また、トルク決定部181は、感知部17から被介護者との接触を感知した情報が入力されると、入力される操作情報を一時的に無効とする。一方、トルク決定部181は、感知部17から被介護者との接触を感知した情報が入力されていない場合、及び判定部187から感知部17の入力情報を無効にする情報が入力されると、入力される操作情報を有効とする。
信号生成部182は、当該決定したトルクの大きさ及び方向に基づいて第1駆動部15や第2駆動部16の出力トルクを制御する情報(制御情報)を生成する。出力部183は、当該生成した制御情報を第1駆動部15や第2駆動部16に対して出力する。
第1算出部184は、信号生成部182で生成された第1駆動部15の制御情報に基づいて、支柱13の傾動角度を算出し、当該支柱13の傾動角度情報を第3算出部186に出力する。第2算出部185は、信号生成部182で生成された第2駆動部16の制御情報に基づいて、身体保持具14の傾動角度を算出し、当該身体保持具14の傾動角度情報を第3算出部186に出力する。第3算出部186は、支柱13の傾動角度情報と、身体保持具14の傾動角度情報と、に基づいて、感知部17の位置情報を算出する。すなわち、第3算出部186は、支柱13及び身体保持具14の稼働領域内に設定された座標系における、当該感知部17の位置座標を算出し、当該位置座標を判定部187に出力する。
判定部187には、感知部17の入力信号を無効とする座標群(無効エリアR)が当該座標系に対応するように設定されている。当該無効エリアRは、図3に示すように、例えば被介護者が上昇しており、身体保持具14によって被介護者の下腿部が着座物に挟み込まれていないにも関わらず、被介護者の腰部が落ち込んで当該被介護者の下腹部が不意に感知部17に接触し始める位置と支柱13の根元部分とを結んだ直線L1と、支持台12から鉛直上方に引かれた直線L2と、で囲まれた領域とされる。判定部187は、感知部17の位置座標が無効エリアR内に存在するか否かを判定し、存在する場合は、感知部17の入力情報を無効にする情報をトルク決定部181に出力する。これにより、感知部17の位置座標が当該無効エリアRに存在し、被介護者の下腹部が当該感知部17に接触しても、被介護者の移乗動作が不意に停止することがない。そのため、移乗支援装置の操作性を向上させることができる。しかも、不意に移乗動作が停止することがないので、被介護者への負担を軽減することができる。一方、判定部187は、感知部17の位置座標が無効エリアR内に存在しない場合は、感知部17の入力情報を無効にする情報をトルク決定部181に出力しない。
このような移乗支援装置100の制御部18は、例えば被介護者の移乗動作において、図4に示すフローチャートのように動作することが好ましい。
先ず制御部18は、操作レバーの操作情報に基づいて、着座物に着座する被介護者の胸部近傍に身体保持具14を配置する(S1)。このとき、感知部17から制御部18に入力される、被介護者との接触を感知する情報は有効とされる。このように配置した身体保持具14に被介護者が抱き付くことで、移乗準備が完了する。
次に、制御部18は、操作レバーの操作情報に基づいて、支柱13及び身体保持具14を制御し、被介護者を上昇させる(S2)。このとき、被介護者が上昇するに従い、当該被介護者の腰部が落ち込むので、被介護者の下腹部が感知部17に接触し、制御部18には、感知部17から被介護者に接触した旨の情報が入力される(S3)。制御部18は、感知部17から被介護者に接触した旨の情報が入力された、当該感知部17の位置情報を算出する(S4)。当該感知部17の位置情報は、被介護者の移乗動作開始後、最初に感知部17が被介護者に接触した位置を示すことになる。そこで、制御部18は、当該感知部17の位置情報に基づいて、無効エリアRを設定する。例えば、制御部18は、支柱13の根元部分の座標と、当該感知部17の位置座標とを結んで上述の直線L1とし、無効エリアRを設定する。一方で制御部18は、操作レバーの操作情報に基づいて、支柱13及び身体保持具14を制御し、被介護者を上昇又は下降させる(S5)。
次に、制御部18は、S5において移動した感知部17の位置情報が、設定した無効エリアR内に存在するか否かを判定し(S6)、存在する場合は、感知部17の入力情報を無効にする(S7)。一方、制御部18は、感知部17の位置情報が無効エリアR内に存在しない場合は、感知部17の入力情報を有効状態に維持する(S8)。このように、制御部18は、実際に被介護者に接触した感知部17の位置情報に基づいて無効エリアRを設定するので、被介護者の体格差に柔軟に対応することができる。
但し、制御部18に、無効エリアRを逐次に設定するのでなく、予め広めに設定された無効エリアRが格納されていても良い。このとき、制御部18は、感知部17が当該無効エリアR内に存在するか否かを逐次に判定する、簡易な動作となる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を説明する。
本実施形態の移乗支援装置101(図6)は、第1実施形態の移乗支援装置100と略同様の構成とされているため、重複する説明は省略する。
移乗支援装置101は、図5に示すように、感知部17を回転させる第3駆動部19を備える。ちなみに、当該移乗支援装置101は、支柱13のみが傾動する構成とされている。
第3駆動部19は、支柱13の傾動角度に基づいて、感知部17を被介護者から離れる方向に回転させる。すなわち、第3駆動部19は、第1駆動部15の回転駆動力が伝達され、感知部17を支柱13側に回転させる構成とされている。例えば、感知部17は、図5の矢印A、B方向に回転可能に、身体保持具14の下端部に回転軸20を介して連結されている。この感知部17を回転させる第3駆動部19は、第1駆動部15のモータ(図示は省略)の回転軸に設けられたピニオンギア191、身体保持具14と支柱13との連結部に回転可能に設けられたピニオンギア192、ピニオンギア191とピニオンギア192とに架け渡されたベルト193、ピニオンギア192に噛み合わされ、感知部17における被介護者に接触する側の面と逆側の面に設けられた歯車194を備える。この歯車194は、感知部17の回転軸20より支柱13側に配置されている。つまり、感知部17を通る直線をX軸とし、当該直線と直交し、且つ感知部17の回転軸20を通る直線をY軸とした座標系において、当該歯車194は、第1象限に配置されている。その結果、被介護者を上昇させるべく、第1駆動部15のモータを回転させると、感知部17は矢印A方向に回転する。一方、被介護者を下降させるべく、第1駆動部15のモータを回転させると、感知部17は矢印B方向に回転する。つまり、第3駆動部19は、支柱13の傾動角度の増加に比例するように、感知部17を被介護者から離れる方向に回転させる。これにより、被介護者が上昇した状態において、図6に示すように、被介護者の下腹部が当該感知部17に接触することがなく、被介護者の移乗動作が不意に停止することがない。そのため、移乗支援装置の操作性を向上させることができる。しかも、不意に移乗動作が停止することがないので、被介護者への負担を軽減することができる。
このとき、ピニオンギア191、192、歯車194のギア比は、支柱13の傾動角度の増加に伴って良好に感知部17を被介護者から離れる方向に回転させることができるように、適宜設定される。
但し、本実施形態の第3駆動部19は、ベルト193を用いて第1駆動部15の回転駆動力を感知部17に伝達しているが、伝達方式は特に限定されず、ギア列、ワイヤーなどを用いた通例の駆動伝達手段を採用することができる。
また、本実施形態の第3駆動部19は、機械的な機構によって感知部17を回転させているが、この限りでない。
すなわち、図7に示す第3駆動部21は、図示を省略するが、感知部17の回転軸20を回転駆動させるモータや減速機などであって、感知部17の位置情報に基づいて、制御部18に制御される。すなわち、制御部18には、予め感知部17の位置情報に対応した感知部17の目標回転角度が設定されている。制御部18は、感知部17の位置情報に応じた、感知部17の回転角度を実現するべく、逐次、第3駆動部21を制御する。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態を説明する。
本実施形態の移乗支援装置102は、第1実施形態の移乗支援装置100と略同様の構成とされているため、重複する説明は省略する。
移乗支援装置102は、図8に示すように、被介護者の膝近傍を押し込む押込部22を備える。押込部22は、膝接触部221、伸縮部222を備える。膝接触部221は、被介護者の両膝と対峙する側の面がウレタン等の柔らかい材質で構成されている。膝接触部221の被介護者と対峙する側の面は、被介護者の正面側から両膝を支持することができる広さ、形状とされている。膝接触部221の被介護者と対峙する側の面と逆側の面は、伸縮部222に連結されている。
伸縮部222は、身体保持具14に保持された被介護者の前後方向に当該膝接触部221を移動させる。伸縮部222としては、例えば直動型アクチュエータを用いることができる。すなわち、伸縮部222は、図示を省略するが、シリンダ内に収められたロッドを電動や空気圧などによって伸縮させる。伸縮部222は、外部から図示を省略した操作レバーなどによって、伸縮制御することができる構成とされている。伸縮部222のシリンダは、支持台12に連結されている。伸縮部222のロッドの先端部には、膝接触部221が連結されている。
伸縮部222は、図9に示すように、制御部18に制御される。すなわち、制御部18は、感知部17が無効エリアR内に存在するか否かを判定し、存在する場合は、被介護者が感知部17に接触しない程度に、被介護者の落ち込んだ腰部を押し上げるべく、伸縮部222を制御して伸張させ、被介護者の膝近傍を押し込む。これにより、被介護者の下腹部が感知部17に接触して、被介護者の移乗動作が不意に停止することがない。そのため、移乗支援装置の操作性を向上させることができる。しかも、不意に移乗動作が停止することがないので、被介護者への負担を軽減することができる。
このような移乗支援装置102の制御部18は、例えば被介護者の移乗動作において、図10に示すフローチャートのように動作することが好ましい。但し、基本的な動作は、第1実施形態における移乗支援装置100の制御部18と同様である。
先ず制御部18は、操作レバーの操作情報に基づいて、着座物に着座する被介護者の胸部近傍に身体保持具14を配置する(S11)。このとき、感知部17から制御部18に入力される、被介護者との接触を感知する情報は有効とされる。このように配置した身体保持具14に被介護者が抱き付くことで、移乗準備が完了する。
次に、制御部18は、操作レバーの操作情報に基づいて、支柱13及び身体保持具14を制御し、被介護者を上昇させる(S12)。このとき、被介護者が上昇するに従い、当該被介護者の腰部が落ち込むので、被介護者の下腹部が感知部17に接触し、制御部18には、感知部17から被介護者に接触した旨の情報が入力される(S13)。制御部18は、感知部17から被介護者に接触した旨の情報が入力された、当該感知部17の位置情報を算出する(S14)。そして、制御部18は、当該感知部17の位置情報に基づいて、無効エリアRを設定する。一方で制御部18は、操作レバーの操作情報に基づいて、支柱13及び身体保持具14を制御し、被介護者を上昇又は下降させる(S15)。
次に、制御部18は、S15において移動した感知部17の位置情報が、設定した無効エリアR内に存在するか否かを判定し(S16)、存在する場合は、伸縮部222を制御して伸張させ、被介護者が感知部17に接触しない程度に、被介護者の膝近傍を押し込み、被介護者の落ち込んだ腰部を押し上げる(S17)。一方、制御部18は、感知部17の位置情報が無効エリアR内に存在しない場合は、伸縮部222を制御せず、当該伸縮部222が縮んだ状態を維持する(S18)。このように、制御部18は、実際に身体保持具14に接触した感知部17の位置情報に基づいて無効エリアRを設定するので、被介護者の体格差に柔軟に対応することができる。
但し、制御部18に、無効エリアRを逐次に設定するのでなく、予め広めに設定された無効エリアRが格納されていても良い。このとき、制御部18は、感知部17が当該無効エリアR内に存在するか否かを逐次に判定する、簡易な動作となる。
なお、本実施形態の押込部22は、制御部18によって制御される構成とされているが、この限りでない。
すなわち、図11に示す押込部23は、介護者が手動によって膝接触部221を押し出し、又は引き戻す構成とされている。詳細には、押込部23は、スライド機構231の端部に膝接触部221が設けられている。スライド機構231は、例えば支持台12の所定の高さ位置に設けられた鞘管2311に摺動可能に棒状部材2312が嵌め込まれており、当該棒状部材2312に設けられたハンドル2313を介護者が操作することで、当該棒状部材2312が膝接触部221を被介護者の膝近傍に向かって押し出す。但し、スライド機構231の構成は、この限りでなく、要するに手動によって膝接触部221を押し出し、又は引き戻すことができれば良い。
以上、本発明に係る移乗支援装置の実施形態を説明したが、上記の構成に限らず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、変更することが可能である。
例えば、上記実施形態の移乗支援装置は、支柱13の傾動角度の他に、身体保持具14の傾動角度を用いて感知部17の位置情報を算出しているが、身体保持具14が固定されている場合は、支柱13の傾動角度のみに基づいて、感知部17の位置情報を算出しても良い。
例えば、上記実施形態の移乗支援装置は、説明を簡便にするために比較的少ない関節構造としたが、多関節ロボットアームを用いる場合は、各関節部の駆動部への制御情報などに基づいて、感知部の位置情報を算出すれば良い。
100、101、102 移乗支援装置
11 台座
12 支持台
13 支柱
14 身体保持具
15 第1駆動部
16 第2駆動部
17 感知部
18 制御部、181 トルク決定部、182 信号生成部、183 出力部、183出力部、184 第1算出部、185 第2算出部、186 第3算出部、187 判定部
19 第3駆動部、191、192 ピニオンギア、193 ベルト、194 歯車
21 第3駆動部
20 回転軸
22 押込部、221 膝接触部、222 伸縮部
23 押込部、231 スライド機構、2311 鞘管、2312 棒状部材、2313 ハンドル
R 無効エリア

Claims (11)

  1. 支持台と、前記支持台に対して一端が傾動自在に取り付けられた支柱と、前記支柱の他端部に設けられ、被介護者の上半身を保持する身体保持具と、前記支柱を傾動させる第1駆動部と、前記身体保持具の下部に設けられ、前記被介護者との接触を感知する感知部と、前記第1駆動部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記支柱の傾動角度に基づいて、前記感知部の位置情報を算出し、前記感知部の位置情報に基づいて、前記感知部からの入力情報を無効とする移乗支援装置。
  2. 前記制御部に制御され、前記身体保持具を傾動させる第2駆動部を備え、
    前記制御部は、前記支柱の傾動角度と、前記身体保持具の傾動角度と、に基づいて、前記感知部の位置情報を算出し、前記感知部の位置情報に基づいて、前記感知部からの入力情報を無効とすることを特徴とする請求項1に記載の移乗支援装置。
  3. 前記制御部は、前記被介護者の移乗動作開始後に前記感知部から前記被介護者に接触した旨の情報が入力されると、前記感知部の位置情報を算出し、前記感知部の位置情報に基づいて無効エリアを設定し、その後に算出した前記感知部の位置情報と、前記無効エリアと、に基づいて、前記感知部からの入力情報を無効とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の移乗支援装置。
  4. 支持台と、前記支持台に対して一端が傾動自在に取り付けられた支柱と、前記支柱の他端部に設けられ、被介護者の上半身を保持する身体保持具と、前記支柱を傾動させる第1駆動部と、前記身体保持具の下部に回転可能に設けられ、前記被介護者との接触を感知する感知部と、前記感知部を回転させる第3駆動部と、前記第1駆動部を制御する制御部と、を備え、
    前記第3駆動部は、前記支柱の傾動角度に基づいて、前記感知部を前記被介護者から離れる方向に回転させる移乗支援装置。
  5. 前記第3駆動部には、前記第1駆動部の回転駆動力が伝達され、
    前記第3駆動部は、前記支柱の傾動角度に比例するように、前記感知部を前記被介護者から離れる方向に回転させることを特徴とする請求項4に記載の移乗支援装置。
  6. 前記制御部は、前記支柱の傾動角度に基づいて、前記第3駆動部を制御し、前記感知部を前記被介護者から離れる方向に回転させることを特徴とする請求項4に記載の移乗支援装置。
  7. 前記制御部に制御され、前記身体保持具を傾動させる第2駆動部を備え、
    前記制御部は、前記支柱の傾動角度と、前記身体保持具の傾動角度と、に基づいて、前記感知部の位置情報を算出し、前記感知部の位置情報に基づいて、前記第3駆動部を制御し、前記感知部を前記被介護者から離れる方向に回転させることを特徴とする請求項6に記載の移乗支援装置。
  8. 支持台と、前記支持台に対して一端が傾動自在に取り付けられた支柱と、前記支柱の他端部に設けられ、被介護者の上半身を保持する身体保持具と、前記支柱を傾動させる第1駆動部と、前記身体保持具の下部に設けられ、前記被介護者との接触を感知する感知部と、前記被介護者の膝近傍を押し込む押込部と、前記第1駆動部を制御する制御部と、を備える移乗支援装置。
  9. 前記制御部は、前記支柱の傾動角度に基づいて、前記感知部の位置情報を算出し、前記感知部の位置情報に基づいて、前記押込部を制御し、前記被介護者の膝近傍を押し込むことを特徴とする請求項8に記載の移乗支援装置。
  10. 前記制御部に制御され、前記身体保持具を傾動させる第2駆動部を備え、
    前記制御部は、前記支柱の傾動角度と、前記身体保持具の傾動角度と、に基づいて、前記感知部の位置情報を算出し、前記感知部の位置情報に基づいて、前記押込部を制御し、前記被介護者の膝近傍を押し込むことを特徴とする請求項9に記載の移乗支援装置。
  11. 前記制御部は、前記被介護者の移乗動作開始後に前記感知部から前記被介護者に接触した旨の情報が入力されると、前記感知部の位置情報を算出し、前記感知部の位置情報に基づいて無効エリアを設定し、その後に算出した前記感知部の位置情報と、前記無効エリアと、に基づいて、前記押込部を制御し、前記被介護者の膝近傍を押し込むことを特徴とする請求項9又は10に記載の移乗支援装置。
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