JP2011091499A - 歪補償装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入力信号を増幅する増幅器で発生する歪をプリディストーション方式で補償する歪補償装置で、歪補償を効果的に行う。
【解決手段】係数記憶手段が各アドレスに当該各アドレスに対応する入力信号にプリディストーションを与えるための歪補償係数を記憶し、アドレス検出手段6が入力信号に対応する0〜(M−1)番目のMビットのアドレスを検出し、アドレス生成手段7が当該アドレスについて0〜(M−N−2)番目までのビット値を切り捨て且つ(M−N−1)番目のビット値を0捨1入したアドレスを生成し、誤差マッピング手段9が入力信号と増幅器の出力信号との誤差のデータを当該入力信号について生成されたアドレスにマッピングして、各アドレスについて平均化し、その結果に基づく誤差情報を生成し、更新制御手段10、11が生成された誤差情報に基づいて係数記憶手段の記憶内容を更新する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、歪補償装置に関し、特に、歪補償を効果的に行う歪補償装置に関する。
例えば、電力増幅器には、相反する特性である、高電力効率と低非線形歪が求められる。一般的に、電力増幅器の入出力特性は、入力レベルが低い領域では線形となるが、ある入力レベルを超えると非線形となり、やがて出力電力が飽和する。通常、電力増幅器の電力効率を良くするために飽和点に近い動作点で使用するため、増幅器の非線形性により非線形歪が発生する。
W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式やOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式では、平均電力と最大電力との比が大きいため、広い入力電力範囲で線形である必要がある。非線形歪を補償する技術の一つとして、プリディストーション(PD:Pre−Distortion)方式が用いられる。PD方式は、増幅器の入力信号に予め非線形特性の逆特性を与えておくことで非線形特性を補償する方式である。特に、デジタル信号処理によってPD方式を実現するデジタルプリディストーション(DPD:Digital Pre−Distortion)方式は、電力をほとんど消費しないため、現在の主流となっている。
図13には、DPD機能付き電力増幅器の構成例を示してある。
本例のDPD機能付き電力増幅器は、DPD部101、D/A(Digital to Analog)変換器102、アップコンバータ103、電力増幅器(PA:Power Amplifier)104、方向性結合器105、ダウンコンバータ106、A/D(Analog to Digital)変換器107、DPD制御部108を備えている。
本例のDPD機能付き電力増幅器において行われる動作の一例を示す。
同相成分(I相成分)及び直交成分(Q相成分)から構成されるデジタルの複素信号が入力信号として、DPD部101及びDPD制御部108に入力される。本例では、入力信号はベースバンド信号である。
DPD部101は、電力増幅器104よりも前段であるデジタル部に配置されており、入力信号にプリディストーション処理(電力増幅器104の非線形特性の逆特性を与える処理)を行ってD/A変換器102へ出力する。
D/A変換器102は、デジタル信号であるDPD部101から入力される信号をアナログ信号へ変換してアップコンバータ103へ出力する。
アップコンバータ103は、D/A変換器102から入力される信号を無線周波数の信号へ周波数変換して電力増幅器104へ出力する。
電力増幅器104は、アップコンバータ103から入力される信号を増幅(電力増幅)して出力する。このとき、電力増幅器104では非線形歪が発生するが、DPD部101で予め信号に非線形特性の逆特性を与えているため、電力増幅器104からの出力信号は歪が補償された信号となる。
方向性結合器105は、電力増幅器104からの出力信号の一部を分配してダウンコンバータ106へ出力する。
ダウンコンバータ106は、方向性結合器105から入力される信号を無線周波数の信号から元の周波数(本例では、アップコンバータ103による周波数変換の前の周波数であり、ベースバンドの周波数)の信号へ周波数変換してA/D変換器107へ出力する。
A/D変換器107は、アナログ信号であるダウンコンバータ106から入力される信号をデジタル信号へ変換して、これをフィードバック信号として、DPD制御部108へ出力する。
DPD制御部108は、入力信号や、A/D変換器107から入力される信号(フィードバック信号)に基づいて、例えば温度変化や経年変化などに追従して、常に良好な線形性が得られるように、DPD部101(DPD部101により行われるプリディストーション処理の内容)を適応制御する。
図14には、DPD部101の構成例を示してある。
本例のDPD部101は、振幅検出部111、メモリなどで構成されるルックアップテーブル(LUT:Look Up Table)からなる歪補償テーブル112、複素乗算器などから構成されるPD実行部113を備えている。
本例のDPD部101において行われる動作の一例を示す。
I相成分及びQ相成分から構成されるデジタルの入力信号(本例では、ベースバンド信号)が、振幅検出部111及びPD実行部113に入力される。
振幅検出部111は、入力信号の振幅を計算して、その振幅の値を歪補償テーブル112へ出力する。
歪補償テーブル112は、振幅の値を参照引数として、振幅の値と、歪補償対象となる増幅器(本例では、電力増幅器104)の非線形特性の逆特性に対応した値とを、対応付けて格納(記憶)する。歪補償対象となる増幅器の非線形特性の逆特性としては、一般的に、入力信号の振幅を指標とするAM/AM特性(振幅)、AM/PM特性(位相)がある。
歪補償テーブル112は、振幅検出部111から入力された振幅の値に対応した歪補償係数の値(本例では、複素数)をPD実行部113へ出力する。
PD実行部113は、歪補償テーブル112の参照結果に従って、入力信号に対して振幅、位相を補償する。例えば、PD実行部113は、入力信号と歪補償テーブル112からの歪補償係数の信号(値)とを複素乗算して、その結果の信号をD/A変換器102へ出力する。
歪補償テーブル112を適応制御する方法の一つとして、波形比較を用いる方法がある。
図15には、波形比較を用いたDPD制御部108の構成例を示してある。
本例のDPD制御部108は、メモリ121、直交検波部122、メモリ123、遅延調整部124、誤差検出部125、誤差マッピング部126、誤差補間部127、LUT更新部128を備えている。
本例のDPD制御部108において行われる動作の一例を示す。なお、tは時刻(例えば、サンプル単位の時刻)を表す。
DPD制御部108には、入力信号と、A/D変換器107からの帰還信号(フィードバック信号)が入力される。
直交検波部122は、帰還信号を直交検波することでI相成分及びQ相成分からなる信号として、メモリ123へ出力する。
メモリ123は、直交検波部122から入力された信号を格納する。
メモリ121は、入力信号を格納する。
遅延調整部124は、メモリ121に格納される入力信号とメモリ123に格納される帰還信号との遅延時間が0となるように遅延調整してタイミングを合わせることを行い、このように遅延調整された入力信号に対応した送信信号Tx(t)と帰還信号Rx(t)が誤差検出部125に入力されるようにする。
ここで、遅延を調整する方法としては、例えば、メモリに格納された一方の信号をシフトさせて1サンプル時間の精度で調整する方法、或いは、遅延用の係数を持つデジタルフィルタで1サンプル未満の遅延を調整する方法など、様々な公知の技術を用いることができる。
誤差検出部125は、入力された送信信号Tx(t)と帰還信号Rx(t)とを比較して、振幅と位相の誤差をサンプル毎に検出し、振幅誤差(ゲイン)Erramp(t)と位相誤差Errphase(t)を誤差マッピング部126へ出力する。
ここで、例えば、振幅誤差Erramp(t)=|Rx(t)|/|Tx(t)|と表され、また、位相誤差Errphase(t)としては送信信号Tx(t)から見た帰還信号Rx(t)の相対角度で表した位相誤差が用いられる。
誤差マッピング部126には、誤差検出部125から振幅誤差Erramp(t)及び位相誤差Errphase(t)が入力されるとともに、送信信号Tx(t)の振幅に応じた歪補償テーブル112のアドレスAddress(t)が入力される。
誤差マッピング部126は、入力されたアドレスAddress(t)に入力された振幅誤差Erramp(t)及び位相誤差Errphase(t)をマッピングして、一回の歪補償テーブル112の更新のために用いる複数のマッピング情報を群として、歪補償テーブル112の更新周期T毎に一度、誤差情報Errinfo(T)として誤差補間部127へ出力する。
ここで、このようなアドレスAddress(t)は、例えば、DPD部101からDPD制御部108に通知されてもよく、或いは、DPD制御部108が入力信号に基づいて検出してもよい。
一構成例として、本例の誤差マッピング部126では、アドレスAddress(t)として、振幅検出部111で求めたもの(或いは、それに対応するもの)を入力しており、この場合、遅延調整部124では、入力信号(送信信号)を基準信号として信号処理を行わずに送信信号Tx(t)として出力し、帰還信号の遅延を調整して帰還信号Rx(t)として出力する。
他の構成例として、振幅検出部111と同じ機能(或いは、類似した機能)を持つ回路を設けて、入力信号(送信信号Tx(t))を入力してアドレスAddress(t)を求めてもよい。
誤差補間部127は、帰還信号の雑音の影響を取り除くための誤差のアベレージングや、有限な時間内に全てのLUTアドレス(歪補償テーブル112のアドレス)について誤差を収集することができないことの対策として、誤差マッピング部126から入力された誤差情報Errinfo(T)の補間を行い、歪補償テーブル112における全てのアドレスの振幅誤差LUT_Erramp(T)及び位相誤差LUT_Errphase(T)を生成して、LUT更新部128へ出力する。
ここで、補間の方法としては、例えば、最小二乗法が用いられる。
図16(a)には、横軸にアドレス(入力電力)を示し、縦軸に振幅の誤差を示して、最小二乗近似の一例を示してある。また、図16(b)には、横軸にアドレス(入力電力)を示し、縦軸に位相の誤差を示して、最小二乗近似の一例を示してある。
図16(a)、(b)において、白丸は誤差のサンプルを示しており、実線は最小二乗法によって求められた近似曲線を示している。
LUT更新部128は、誤差補間部127により求められて誤差補間部127から入力された誤差である振幅誤差LUT_Erramp(T)及び位相誤差LUT_Errphase(T)を元に、(式1)に示されるように、AM/AM補償のための振幅情報LUTamp(t)及びAM/PM補償のための位相情報LUTphase(t)を補正し、また、これらの情報をDPD部101の歪補償テーブル112に設定する。
[数1]
LUTamp((n+1)T)
=LUTamp(nT)×μ{1/LUT_Erramp(nT)}
LUTphase((n+1)T)
=LUTphase(nT)+μ{−LUT_Errphase(nT)}
・・(式1)
ここで、Tは歪補償テーブル(LUT)112の更新周期(例えば、tと同様に、サンプル単位の値)を表し、nは整数を表し、μは平均が十分でなく雑音などに過敏に反応しないように用いられており、0.0<μ≦1.0の値が用いられている。
なお、歪補償テーブル112には、例えば、極座標−直交座標変換を行って、複素数の形で格納しておく形態が望ましい。
特開2009−111958号公報 国際公開第2006/087864号パンフレット
しかしながら、上述のような従来の歪補償装置では、次のような(問題1)〜(問題3)があった。
(問題1)複雑な非線形特性を持つ電力増幅器では、理想とは異なる近似を行うこととなり得るため、DPDの十分な性能が得られない結果となり得る。
図17には、理想とは異なる近似が行われて、誤差を正しく近似できない場合の例を示してある。横軸はアドレス(入力電力)を示しており、縦軸は振幅誤差を示している。白丸は誤差のサンプルを示しており、また、理想的な近似曲線の例と、最小二乗法によって求められた近似曲線の例を示してある。
(問題2)歪補償の安定性を確保するために(式1)のμを小さくする場合に、1回の更新での補正量が少なくなることから、結果として、非線形逆特性の初期収束時間や追従に要する時間が長くなる。
(問題3)メモリ効果を補償するDPDに好ましい更新方法が明示されていない。
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、歪補償を効果的に行うことができる歪補償装置を提供することを目的とする。
具体的には、上記した(問題1)を解消する構成(構成例A1と言う)や、上記した(問題2)を解消する構成(構成例A2と言う)や、上記した(問題3)を解消する構成(構成例A3と言う)を実現する。
[1](構成例A1)について
上記目的を達成するため、本発明では、入力信号を増幅する増幅器で発生する歪をプリディストーション方式で補償する歪補償装置において、次のような構成とした。
すなわち、係数記憶手段が、各アドレスに、当該各アドレスに対応する入力信号にプリディストーションを与えるための歪補償係数を記憶する。アドレス検出手段が、入力信号に対応する0〜(M−1)番目のM(Mは2以上の整数)ビットのアドレスを検出する。アドレス生成手段が、設定されたN(NはMより小さい整数)を用いて、前記アドレス検出手段により検出されたMビットのアドレスについて、0〜(M−N−2)番目までのビット値を切り捨て且つ(M−N−1)番目のビット値を0捨1入した(0なら切り捨て1なら繰り上げた)アドレスを生成する。誤差マッピング手段が、入力信号と前記増幅器の出力信号との誤差のデータを、当該入力信号について前記アドレス生成手段により生成されたアドレスにマッピングして、各アドレスについて平均化し、その結果に基づく誤差情報を生成する。更新制御手段が、前記誤差マッピング手段により生成された誤差情報に基づいて前記係数記憶手段の記憶内容を更新する。
従って、入力信号に対応するアドレスに基づいて生成される代表的なアドレスに誤差のデータをマッピングして平均化することが行われるため、例えば、複雑な非線形特性を持つ電力増幅器などにおいても、従来と比べて、理想に近い近似が行われて、DPDの十分な性能が得られることが期待され、歪補償を効果的に行うことができる。
ここで、係数記憶手段(例えば、メモリ)において、アドレスと信号との対応としては、例えば、信号のレベル(例えば、振幅或いは電力の値)とアドレスとの対応を用いることができる。
また、歪補償係数としては、例えば、歪補償を実行するための構成の仕方に応じて、種々な値が用いられてもよい。
また、Mビットのアドレスのビット数Mや、その上位のNビットのビット数Nとしては、それぞれ、種々な値が用いられてもよい。
また、誤差としては、例えば、振幅の誤差や、位相の誤差を用いることができる。
また、誤差のデータの平均化としては、種々な態様で行われてもよく、例えば、係数記憶手段の記憶内容の更新周期毎に平均化を行うような態様を用いることができる。
また、誤差情報としては、誤差に関する種々な情報が用いられてもよい。
また、誤差情報に基づいて係数記憶手段の記憶内容を更新する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、誤差情報により示される誤差が低減されるように更新する態様を用いることができる。
[2](構成例A2)について
上記目的を達成するため、本発明では、入力信号を増幅する増幅器で発生する歪をプリディストーション方式で補償する歪補償装置において、次のような構成とした。
すなわち、係数記憶手段が、各アドレスに、当該各アドレスに対応する入力信号にプリディストーションを与えるための歪補償係数を記憶する。アドレス取得手段が、入力信号に対応するアドレス又はそれに基づくアドレスを取得する。誤差データ選択手段が、入力信号と前記増幅器の出力信号との誤差のデータについて、設定された範囲を外れる誤差のデータを除外して、他の誤差のデータ(設定された範囲内の誤差のデータ)を選択する。誤差マッピング手段が、前記誤差データ選択手段により選択された入力信号と前記増幅器の出力信号との誤差のデータを、当該入力信号について前記アドレス取得手段により取得されたアドレスにマッピングして、各アドレスについて平均化し、その結果に基づく誤差情報を生成する。更新制御手段が、前記誤差マッピング手段により生成された誤差情報に基づいて前記係数記憶手段の記憶内容を更新する。
従って、入力信号と増幅器の出力信号との誤差のデータについて、設定された範囲を外れる誤差のデータを除外して、他の誤差のデータ(設定された範囲内の誤差のデータ)を選択することが行われるため、例えば、従来と比べて、歪補償の安定性を確保しつつ、非線形逆特性の初期収束時間や追従に要する時間が短縮化されることが期待され、歪補償を効果的に行うことができる。
ここで、係数記憶手段(例えば、メモリ)において、アドレスと信号との対応としては、例えば、信号のレベル(例えば、振幅或いは電力の値)とアドレスとの対応を用いることができる。
また、歪補償係数としては、例えば、歪補償を実行するための構成の仕方に応じて、種々な値が用いられてもよい。
また、アドレス取得手段としては、例えば、入力信号に対応するアドレスを検出するアドレス検出手段を用いることや、或いは、アドレス検出手段と、アドレス検出手段により検出されたアドレスから代表などのアドレスを生成するアドレス生成手段を用いることができる。
また、誤差としては、例えば、振幅の誤差や、位相の誤差を用いることができる。
また、誤差に関する範囲としては、種々な範囲が用いられてもよく、例えば、上限と下限の両方が用いられてもよく、或いは、上限と下限のうちの一方のみが用いられてもよい。また、範囲としては、例えば、「以上」や「以下」で表されてもよく、或いは、「超える」や「未満」で表されてもよい。
また、誤差のデータの平均化としては、種々な態様で行われてもよく、例えば、係数記憶手段の記憶内容の更新周期毎に平均化を行うような態様を用いることができる。
また、誤差情報としては、誤差に関する種々な情報が用いられてもよい。
また、誤差情報に基づいて係数記憶手段の記憶内容を更新する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、誤差情報により示される誤差が低減されるように更新する態様を用いることができる。
[3](構成例A3)について
上記目的を達成するため、本発明では、入力信号を増幅する増幅器で発生するメモリ効果による歪をプリディストーション方式で補償する歪補償装置において、次のような構成とした。
すなわち、メモリ効果用の係数記憶手段が、各アドレスに、当該各アドレスに対応する入力信号にプリディストーションを与えるためのメモリ効果用の歪補償係数を記憶する。アドレス取得手段が、入力信号に対応するアドレス又はそれに基づくアドレスを取得する。誤差マッピング手段が、入力信号と前記増幅器の出力信号との誤差のデータを、当該入力信号について前記アドレス取得手段により取得されたアドレスにマッピングするとともに、入力信号と前記増幅器の出力信号との誤差のデータの符号(正負の符号)を反転したデータを、当該入力信号よりも過去の入力信号について前記アドレス取得手段により取得されたアドレスにマッピングして、各アドレスについて平均化し、その結果に基づく誤差情報を生成する。更新制御手段が、前記誤差マッピング手段により生成された誤差情報に基づいて前記係数記憶手段の記憶内容を更新する。
従って、入力信号と増幅器の出力信号との誤差のデータを、当該入力信号について取得されたアドレスにマッピングするとともに、入力信号と増幅器の出力信号との誤差のデータの符号を反転したデータを、当該入力信号よりも過去の入力信号について取得されたアドレスにマッピングする、という構成を用いて、メモリ効果を補償するDPDに好ましい構成(例えば、誤差情報に基づく係数記憶手段の記憶内容の更新)を実現することができ、歪補償を効果的に行うことができる。
ここで、係数記憶手段(例えば、メモリ)において、アドレスと信号との対応としては、例えば、信号のレベル(例えば、振幅或いは電力の値)とアドレスとの対応を用いることができる。
また、歪補償係数としては、例えば、歪補償を実行するための構成の仕方に応じて、種々な値が用いられてもよい。
また、アドレス取得手段としては、例えば、入力信号に対応するアドレスを検出するアドレス検出手段を用いることや、或いは、アドレス検出手段と、アドレス検出手段により検出されたアドレスから代表などのアドレスを生成するアドレス生成手段を用いることができる。
また、誤差としては、例えば、振幅の誤差や、位相の誤差を用いることができる。
また、誤差のデータの平均化としては、種々な態様で行われてもよく、例えば、係数記憶手段の記憶内容の更新周期毎に平均化を行うような態様を用いることができる。
また、誤差情報としては、誤差に関する種々な情報が用いられてもよい。
また、誤差情報に基づいて係数記憶手段の記憶内容を更新する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、誤差情報により示される誤差が低減されるように更新する態様を用いることができる。
以上説明したように、本発明に係る歪補償装置によると、歪補償を効果的に行うことができる。
本発明の第1実施例に係る波形比較を用いたDPD制御部の構成例を示す図である。 誤差代表点集約部により行われる処理を説明するための図である。 各代表点の平均化の範囲の一例を示す図である。 (a)、(b)は送信信号Tx(t)と帰還信号Rx(t)との誤差の例を示す図である。 (a)〜(f)はデータ選択の例を示す図である。 誤差マッピング部の構成例を示す図である。 (a)、(b)は誤差の例を示す図である。 本発明の第2実施例に係る波形比較を用いたDPD制御部の構成例を示す図である。 (a)〜(c)はメモリ効果がある場合における誤差について説明するための図である。 メモリレスPD部とメモリPD部を直列に接続した構成例を示す図である。 メモリ効果を補償するために使用する誤差マッピング部の構成例を示す図である。 メモリDPD用の誤差マッピングの一例を示す図である。 DPD機能付き電力増幅器の構成例を示す図である。 DPD部の構成例を示す図である。 波形比較を用いたDPD制御部の構成例を示す図である。 (a)は振幅誤差と最小二乗近似の一例を示す図であり、(b)は位相誤差と最小二乗近似の一例を示す図である。 理想とは異なる近似が行われて誤差を正しく近似できない場合の例を示す図である。
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
本実施例に係る、電力増幅器の非線形歪をデジタルプリディストーション方式により補償するDPD機能付き電力増幅器の全体的な構成は、例えば、図13に示されるものと同様である。
なお、上記した(問題1)を解消する構成部は主に(実施例1)、(実施例2)における誤差代表点集約部7に関する構成部であり(構成例A1)、上記した(問題2)を解消する構成部は主に(実施例1)、(実施例2)におけるデータ選択部8に関する構成部であり(構成例A2)、上記した(問題3)を解消する構成部は主に(実施例3)における誤差マッピング部61(平均化部74の入力データに遅延させたアドレス信号を用いる点など)に関する構成部である(構成例A3)。
上記した構成例A1、A2、A3について、構成例A3はメモリ効果型のDPDに適用することが可能であり、また、構成例A1、A2については、例えば、(構成例A1+構成例A2)、(構成例A1+構成例A3)、(構成例A2+構成例A3)、(構成例A1+構成例A2+構成例3)といったように、適宜組み合わせることが可能である。
また、本実施例などから把握される発明については、通常の技術知識を持つ同業に従事する者が容易に類推可能な範囲も含む。
例えば、従来例で示したDPDは一例であり、種々なDPDに適用されてもよい。
また、歪補償テーブル(LUT)や誤差の値としては、極座標系の値(R、θ)ばかりでなく、直交座標系の値(I、Q)を用いることもできる。これらの座標系の交換式は、I+jQ=R・exp(jθ)となる。
また、集約して補間する対象としては、本実施例では誤差を用いるが、補正値が用いられてもよい。この場合においても、極座標系の値(1/Erramp(nT)、−Errphase(nT))ばかりでなく、直交座標系の値(I(nT)、Q(nT))が用いられて処理が行われてもよい。
本発明の第1実施例を説明する。
図1には、本発明の一実施例に係る波形比較を用いたDPD制御部(図13に示されるDPD制御部108に対応するもの)の構成例を示してある。
本例のDPD制御部は、メモリ1、直交検波部2、メモリ3、遅延調整部4、誤差検出部5、振幅検出部6、誤差代表点集約部7、データ選択部8、誤差マッピング部9、誤差補間部10、LUT更新部11を備えている。
本例のDPD制御部において行われる動作の一例を示す。なお、tは時刻(例えば、サンプル単位の時刻)を表す。また、誤差検出部5までの処理の流れは、例えば、図15に示されるものと同様である。
DPD制御部には、入力信号と、A/D変換器(図13に示されるA/D変換器107に対応するもの)からの帰還信号(フィードバック信号)が入力される。
メモリ1は、入力信号を格納する。
直交検波部2は、帰還信号を直交検波することでI相成分及びQ相成分からなる信号として、メモリ3へ出力する。
メモリ3は、直交検波部2から入力された信号を格納する。
遅延調整部4は、メモリ1に格納される入力信号とメモリ3に格納される帰還信号との遅延時間が0となるように遅延調整してタイミングを合わせることを行い、このように遅延調整された入力信号に対応した送信信号Tx(t)と帰還信号Rx(t)が誤差検出部5に入力されるようにする。
ここで、遅延を調整する方法としては、例えば、メモリに格納された一方の信号をシフトさせて1サンプル時間の精度で調整する方法、或いは、遅延用の係数を持つデジタルフィルタで1サンプル未満の遅延を調整する方法など、様々な公知の技術を用いることができる。
誤差検出部5は、入力された送信信号Tx(t)と帰還信号Rx(t)とを比較して、振幅と位相の誤差をサンプル毎に検出し、振幅誤差(ゲイン)Erramp(t)と位相誤差Errphase(t)をデータ選択部8へ出力する。
ここで、例えば、振幅誤差Erramp(t)=|Rx(t)|/|Tx(t)|と表され、また、位相誤差Errphase(t)としては送信信号Tx(t)から見た帰還信号Rx(t)の相対角度で表した位相誤差が用いられる。
なお、送信信号(入力信号)の振幅に応じた歪補償テーブル(図14に示される歪補償テーブル112に対応するもの)のアドレスの誤差としてマッピングされる。
振幅検出部6は、DPD部の振幅検出部(例えば、図13、図14に示されるDPD部101の振幅検出部111に対応するもの)と同じ機能(或いは、類似した機能)を有しており、入力信号の振幅に対応したアドレスAddress(t)を求めて誤差代表点集約部7へ出力する。
このように、本例では、DPD制御部が入力信号に基づいてアドレスAddress(t)を検出するが、他の構成例として、DPD部からDPD制御部にアドレスAddress(t)が通知される構成が用いられてもよい。
誤差代表点集約部7は、誤差を少数の代表点に集約する態様で、振幅検出部6から入力されたアドレスAddress(t)をアドレスAddress(t)へ変換してデータ選択部8へ出力する。
図2を参照して、誤差代表点集約部7により行われる処理(代表点のアドレスAddress(t)を求める処理)を説明する。なお、M、Nはそれぞれ自然数を表し、M>Nである。
図2に示されるMビット(b〜bM−1)により歪補償テーブルのアドレスAddress(t)が構成され、アドレス数は2となる。本例では、アドレスAddress(t)の上位Nビット(図2の例では、N=3)を用いたアドレスAddress(t)に誤差をマッピングする。本例では、好ましい態様例として、bM−N−1番目のビットより下位のビットは全て0として、bM−N−1番目のビットを0捨1入し(0であれば捨てて、1であれば繰り上げるようにし)、桁上がりを考慮した(2+1)の点へマッピングする。
図3には、誤差を集約して平均化を行う例として、各代表点(アドレスAddress(t))の平均化の範囲の一例を示してある。
本例では、M=10ビット(歪補償テーブルのアドレスAddress(t)が0〜1023)、N=3(9個の代表点に集約)である場合を示してある。
図3において、丸印(○)は誤差の集約点(代表点)を示しており、本例では、第1代表点から第9代表点までの9個あり、各代表点のアドレスは[0、128、256、384、512、640、768、896、1023]となる。
また、各代表点に集約(本例では、平均化)するアドレスAddress(t)の範囲は、[(0〜63)、(64〜191)、(192〜319)、(320〜447)、(448〜575)、(576〜703)、(704〜831)、(832〜959)、(960〜1023)]となる。
このようにしてマッピングした誤差をそれぞれの代表点において平均する。
従って、例えば、従来ではAddress(t)としてbM−1〜bのビットを用いていたアドレスが、本例では、bM−1〜bM−Nのビットを用いたアドレスに集約される。
データ選択部8は、誤差検出部5から振幅誤差Erramp(t)及び位相誤差Errphase(t)を入力するとともに、誤差代表点集約部7からアドレスAddress(t)を入力し、これらを誤差マッピング部9へ出力するに際して、データの選択を行い、これにより、歪補償の安定を確保しつつ非線形逆特性の初期収束や追従に要する時間を短くする。
ここで、歪補償が安定しない原因は、帰還信号Rx(t)に付加される雑音Noise(t)が存在するために電力増幅器(例えば、図13に示される電力増幅器104に対応するもの)の非線形特性による誤差Error(t)を正確に測定できないためである。
図4(a)、(b)には、送信信号Tx(t)と帰還信号Rx(t)との誤差の例を示してある。それぞれ、横軸はI相成分を表しており、縦軸はQ相成分を表している。
図4(a)に示されるように、送信信号Tx(t)の振幅が大きい場合には、雑音Noise(t)の影響が比較的小さいが、図4(b)に示されるように、送信信号Tx(t)の振幅が小さい場合には、雑音Noise(t)の影響が大きくなる。
特に、送信信号Tx(t)の振幅が0付近では、振幅誤差Erramp(t)が非常に大きくなり、位相誤差Errphase(t)も雑音Noise(t)に支配される。
このように雑音Noise(t)の影響を大きく受けたデータを用いて歪補償テーブルの内容を適応更新すると、歪補償テーブルの内容が振動し、十分な歪補償性能を得ることができない。
そこで、本例では、データ選択部8が、データの選択として、振幅誤差Erramp(t)がある閾値Thampの範囲外であるという条件、又は、位相誤差Errphase(t)がある閾値Thphaseの範囲外であるという条件、のうちの少なくともいずれか一方を満たす場合に、それに該当するアドレスAddress(t)、送信信号Tx(t)及び帰還信号Rx(t)のサンプルデータを除外して、誤差マッピング部9へ出力しないようにする。
これにより、本例では、振幅誤差Erramp(t)及び位相誤差Errphase(t)の両方が所定の閾値の範囲内であるデータのみが、(例えば、(式1)に示される式を用いて)歪補償テーブルを更新する処理に使用されるようにする。
なお、他の構成例として、振幅誤差Erramp(t)及び位相誤差Errphase(t)の両方が所定の閾値の範囲外である場合に除外して、振幅誤差Erramp(t)及び位相誤差Errphase(t)のうちの一方でも所定の閾値の範囲内である場合には選択する、ことも可能である。
ここで、具体例として、振幅誤差Erramp(t)についてデータを選択(採用)する条件は(式2)のように表され、振幅誤差Erramp(t)についてデータを選択しない(不採用とする)条件は(式3)のように表され、位相誤差Errphase(t)についてデータを選択(採用)する条件は(式4)のように表され、位相誤差Errphase(t)についてデータを選択しない(不採用とする)条件は(式5)のように表される。
[数2]
振幅誤差の採用データの条件
:|10log{Erramp(t)}|<Thamp
・・(式2)
[数3]
振幅誤差の不採用データの条件
:|10log{Erramp(t)}|≧Thamp
・・(式3)
[数4]
位相誤差の採用データの条件
:|Errphase(t)|<Thphase
・・(式4)
[数5]
位相誤差の不採用データの条件
:|Errphase(t)|≧Thphase
・・(式5)
本例の誤差検出部5では、振幅誤差Erramp(t)=|Rx(t)|/|Tx(t)|を求める際に、送信信号Tx(t)と帰還信号Rx(t)の平均電力が等しくなるようにレベル調整する。(式2)及び(式3)は閾値をデシベルで与える例であり、実数が用いられてもよい。
また、本例の誤差検出部5では、位相誤差Errphase(t)については、位相歪がない場合にErrphase(t)=0となるように規格化してある。
なお、上限の閾値の絶対値と下限の閾値の絶対値とは、必ずしも同一でなくてもよい。
具体例として、上限の閾値の絶対値と下限の閾値の絶対値とが異なり、例えば、振幅誤差Errampの閾値を実数で与える場合、振幅誤差Erramp(t)についてデータを選択(採用)する条件は(式6)のように表され、振幅誤差Erramp(t)についてデータを選択しない(不採用とする)条件は(式7)のように表される。
[数6]
振幅誤差の採用データの条件
:0.25≦Erramp(t)≦4.0
・・(式6)
[数7]
振幅誤差の不採用データの条件
:Erramp(t)<0.25 又は 4.0<Erramp(t)
・・(式7)
振幅誤差Erramp(t)の閾値Thampの決定方法や、位相誤差Errphase(t)の閾値Thphaseの決定方法としては、一例として、予め誤差のサンプルの統計を取って分散σを求め、2σや3σなどの振幅及び位相を閾値として用いる方法がある。
図5(a)〜(f)には、データ選択の例を示してある。それぞれ、横軸はアドレス(入力電力)を示しており、縦軸は誤差(振幅誤差又は位相誤差)を示している。白丸は誤差のサンプルを示している。また、雑音等がない場合の増幅器の非線形特性(誤差)を表す曲線を示してある。また、振幅誤差Erramp(t)の閾値+Thamp、−Thampを表す線や、位相誤差Errphase(t)の閾値+Thphase、−Thphaseを表す線を示してある。
図5(a)には振幅誤差を示してあり、図5(b)には位相誤差を示してあり、図5(c)には図5(a)に対して振幅誤差Erramp(t)の閾値+Thamp、−Thampを示してあり、図5(d)には図5(b)に対して位相誤差Errphase(t)の閾値+Thphase、−Thphaseを示してある。
また、他の例として、図5(e)には振幅誤差Erramp(t)の閾値+Thamp、−Thampを変化させる場合を示してあり、図5(f)には位相誤差Errphase(t)の閾値+Thphase、−Thphaseを変化させる場合を示してある。具体例としては、DPD部の歪補償テーブル(LUT)を所定の回数(例えば、数回)更新した後に閾値の絶対値を小さくする。この場合、例えば、本来所望する非線形歪の誤差の値が小さくなり、0に近づく。これにより、閾値の絶対値を小さくすることができ、更に精度を良くし、安定して歪補償テーブルを更新することができるという効果がある。
このように、図5(c)〜(f)において、正の閾値の線と負の閾値の線との両線内にある誤差のデータを使用し、両線外の誤差のデータを使用しないようにする。これにより、特に、送信信号Tx(t)の振幅が小さい場合には、雑音の影響が大きくなるため、効果が大きい。
従って、ノイズなどの不要な信号が大きいデータを取り除くことにより、歪補償テーブルの内容が安定し、収束時間や追従に要する時間を短縮することができる。
誤差マッピング部9には、データ選択部8から、振幅誤差Erramp(t)及び位相誤差Errphase(t)が入力されるとともに、アドレスAddress(t)が入力される。
誤差マッピング部9は、歪補償テーブルの更新周期T(例えば、tと同様に、サンプル単位の値)毎に一度、複数のマッピング情報を各アドレス(各代表点)Address(t)について平均して、誤差情報Errinfo(T)として誤差補間部10へ出力する。ここで、誤差マッピング部9は、例えば、入力されたアドレスAddress(t)に入力された振幅誤差Erramp(t)及び位相誤差Errphase(t)をマッピングして、一回の歪補償テーブルの更新のために用いる複数のマッピング情報を群とする。
図6には、誤差マッピング部9の構成例を示してある。
本例の誤差マッピング部9は、平均化部21を備えている。
入力データは、歪補償テーブルのアドレスAddress(t)、振幅誤差Erramp(t)、位相誤差Errphase(t)である。入力データは、サンプル単位で時系列的に入力される。
誤差マッピング部9は、入力データを元に誤差マップを得る機能を有しており、同一のアドレスAddress(t)についての複数の誤差を平均化部21により平均化する。
ここで、誤差マップは、例えば、図5(a)〜(f)に示される誤差(白丸)のようなイメージであるが、誤差マップは仮想的なイメージであり、必ずしもマップを生成する必要はなく、アドレスAddress(t)の誤差データがErramp(t)、Errphase(t)であるという組み合わせ(データセット)が把握されればよい。
誤差補間部10は、誤差マッピング部9から入力された誤差情報Errinfo(T)の補間を行い、歪補償テーブルにおける例えば全てのアドレスの振幅誤差LUT_Erramp(T)及び位相誤差LUT_Errphase(T)を生成して、LUT更新部11へ出力する。
本例では、誤差補間部10は、代表点のアドレスAddress(t)の誤差情報を用いて、代表点の間におけるアドレスの誤差を内挿することで、歪補償テーブル(図3の例では、1024アドレスのLUT)に対応する。
ここで、補間方法としては、種々な方法が用いられてもよく、例えば、スプライン補間やラグランジュ補間など、様々な公知の技術を用いることができる。
図7(a)、(b)には、本例における誤差の例を示してある。
図7(a)には振幅誤差を示してあり、図7(b)には位相誤差を示してある。それぞれ、横軸はアドレス(入力電力)を示しており、縦軸は誤差(振幅誤差又は位相誤差)を示している。白丸は誤差のサンプルを示しており、また、補間により求められる線の例を示してある。
本例では、少数の点を用いて補間するため、例えば、無理に近似式を求めることはなく、理想に近い近似ができる。
LUT更新部11は、誤差補間部10により求められて誤差補間部10から入力された誤差である振幅誤差LUT_Erramp(T)及び位相誤差LUT_Errphase(T)を元に、(式1)に示されるように、AM/AM補償のための振幅情報LUTamp(t)及びAM/PM補償のための位相情報LUTphase(t)を補正し、また、これらの情報をDPD部の歪補償テーブルに設定する。これにより、歪補償テーブルにおける全てのアドレス(図3の例では、1024アドレス)の情報を更新する。
なお、LUT更新部11の動作としては、例えば、図15に示されるLUT更新部128と同様な動作を用いることができる。
以上のように、適応的なプリディストータ(適応プリディストータ)からなる本例の歪補償装置では、DPD制御部に、送信信号Tx(t)のサンプルと帰還信号Rx(t)のサンプルとの誤差を代表点に集約して平均化するための誤差代表点集約部7を備えた。
また、本例の歪補償装置では、DPD制御部に、誤差の影響を大きく受けた送信信号Tx(t)のサンプルと帰還信号Rx(t)のサンプルの組み合わせを適応制御に使用しない目的でデータを選択するデータ選択部8を備えた。
また、本例の歪補償装置では、データ選択部8によるデータ選択の方法として、振幅誤差に関する閾値を使用する方法や、位相誤差に関する閾値を使用する方法を用いた。
また、他の構成例として、補正値に関する閾値を使用することも可能であり、例えば、誤差又は補正値に関する振幅の閾値を使用する方法や、誤差又は補正値に関する位相の閾値を使用する方法を用いることも可能である。
従って、本例の歪補償装置では、安定な歪補償を行うことができ、且つ、初期収束時間や追従に要する時間を短くすることができる。また、本例の歪補償装置では、複雑な非線形特性の場合についても、十分な歪補償性能を得ることができる。
一構成例(構成例A1)として、本例のプリディストーション歪補償増幅装置では、入力信号(送信信号)と帰還信号との誤差を用いて歪補償テーブル(LUT)を更新する波形比較型DPDの機能を有しており、
入力信号に対応したアドレスに、入力信号にプリディストーションを与える歪補償係数を対応付けて記憶する歪補償テーブルと、
入力信号と増幅器(本例では、電力増幅器)の出力信号との誤差データを当該入力信号に対応する歪補償テーブルのアドレスにマッピングし、マッピングして得られた誤差情報に基づいて歪補償テーブルを更新する制御部(本例では、DPD制御部)を備え、
前記誤差情報は、入力信号と増幅器の出力信号との誤差データを当該入力信号に対応するアドレスにマッピングして、当該アドレスにおいて平均化する誤差マッピング部(本例では、誤差マッピング部9)により生成され、
前記誤差データをマッピングするアドレスとしては、入力信号に対応したMビット(0〜M−1番目のビット)からなる歪補償テーブルのアドレスに対して、0からM−N−2ビット目までを切り捨て、M−N−1ビット目を0捨1入したアドレスを出力するアドレス集約部(本例では、誤差代表点集約部7)により与えられる。
(構成例A1)では、誤差データを代表点に集約してからマッピングする。具体的には、誤差代表点集約部を介してマッピングするアドレスに対して上記のような操作を加えることにより、結果的に、誤差データを代表点に集約する。なお、(実施例1)では、波形比較の誤差の段階で代表点を取っており、誤差で補間を行っている。
また、(構成例A1)では、アドレスを操作しただけでデータの集約が行われるという効果があり、例えば、誤差マッピング部としては、従来と同様に、同じアドレスのものを平均化する機能を有するものを用いることができる。
なお、(構成例A1)において問題とされる帰還信号のノイズとは、例えば、一般的な熱雑音である。
他の一構成例(構成例A2)として、本例のプリディストーション歪補償増幅装置では、入力信号(送信信号)と帰還信号との誤差を用いて歪補償テーブル(LUT)を更新する波形比較型DPDの機能を有しており、
入力信号に対応したアドレスに、入力信号にプリディストーションを与える歪補償係数を対応付けて記憶する歪補償テーブルと、
入力信号と増幅器(本例では、電力増幅器)の出力信号との誤差データを当該入力信号に対応する歪補償テーブルのアドレスにマッピングし、マッピングして得られた誤差情報に基づいて歪補償テーブルを更新する制御部(本例では、DPD制御部)を備え、
前記マッピングされる誤差データとしては、入力信号と増幅器の出力信号との誤差データから予め定めた誤差の範囲を外れる誤差データを除外する誤差データ選択部(本例では、データ選択部8)を介して与えられる。
(構成例A2)では、取得される誤差に含まれるノイズの影響を小さくするために、閾値を設けて誤差データを取捨選択する。誤差データとしては、実際には、例えば、振幅誤差及び位相誤差のそれぞれについて処理が行われる。
なお、本例の歪補償装置では、DPD部の歪補償テーブル(LUT)の機能により係数記憶手段が構成されており、振幅検出部6の機能によりアドレス(Address(t))検出手段が構成されており、誤差代表点集約部7の機能によりアドレス(Address(t))生成手段が構成されており、データ選択部8の機能により誤差データ選択手段が構成されており、誤差マッピング部9の機能により誤差マッピング手段が構成されており、誤差補間部10やLUT更新部11の機能により更新制御手段が構成されている。
本発明の第2実施例を説明する。
図8には、本発明の一実施例に係る波形比較を用いたDPD制御部(図13に示されるDPD制御部108に対応するもの)の構成例を示してある。
本例のDPD制御部は、メモリ1、直交検波部2、メモリ3、遅延調整部4、誤差検出部5、振幅検出部6、誤差代表点集約部7、データ選択部8、誤差マッピング部9、LUT補間代表点更新部31、LUT補間部32を備えている。
ここで、本例のDPD制御部の構成は、例えば、図1に示されるものと比べて、誤差マッピング部9の後段にLUT補間代表点更新部31、LUT補間部32を備えている点が異なっており、説明の便宜上から同様な処理部については同一の符号を付してある。
本例のDPD制御部では、歪補償テーブル(LUT)の代表点について更新を行い、更新後の代表点の情報を用いて歪補償テーブルを補間する方法を用いる。
本例では、誤差マッピング部9は、誤差情報Errinfo(T)をLUT補間代表点更新部31へ出力する。
LUT補間代表点更新部31は、誤差マッピング部9から入力された誤差情報Errinfo(T)に基づいて、例えば、(式1)を用いて、歪補償テーブルの代表点のみの情報を更新し、代表点における振幅情報LUTamp(T)及び位相情報LUTphase(T)をLUT補間部32へ出力する。
LUT補間部32は、LUT補間代表点更新部31から入力された代表点における振幅情報LUTamp(T)及び位相情報LUTphase(T)を用いて、補間により、歪補償テーブルの情報(本例では、AM/AM補償のための振幅情報LUTamp(t)及びAM/PM補償のための位相情報LUTphase(t))を内挿して、これらの情報をDPD部の歪補償テーブルに設定する。
ここで、補間方法としては、種々な方法が用いられてもよく、例えば、スプライン補間やラグランジュ補間など、様々な公知の技術を用いることができる。
なお、本例の歪補償装置では、DPD部の歪補償テーブル(LUT)の機能により係数記憶手段が構成されており、振幅検出部6の機能によりアドレス(Address(t))検出手段が構成されており、誤差代表点集約部7の機能によりアドレス(Address(t))生成手段が構成されており、データ選択部8の機能により誤差データ選択手段が構成されており、誤差マッピング部9の機能により誤差マッピング手段が構成されており、LUT補間代表点更新部31やLUT補間部32の機能により更新制御手段が構成されている。
本発明の第3実施例を説明する。
本例では、メモリ効果を補償するDPD(メモリDPD)における波形比較を用いた歪補償テーブル(LUT)の更新方法について説明する。
図9(a)、(b)、(c)を参照して、メモリ効果がある場合における誤差について説明する。
図9(a)には、送信信号の時間波形の一例を示してあり、横軸は時間を表しており、縦軸は振幅を表している。
図9(b)には、振幅誤差の時間波形の一例を示してあり、横軸は時間を表しており、縦軸は振幅誤差を表している。
図9(c)には、振幅誤差のマッピング(メモリ効果あり)の一例を示してあり、横軸はアドレスを表しており、縦軸は振幅誤差を表している。
図9(a)に示されるような時間波形の送信信号を増幅した際に、メモリ効果の影響を受けると、誤差検出部(例えば、図1に示される誤差検出部5に対応するもの)で検出される振幅誤差は図9(b)に示されるようになり、この誤差をマッピングすると、図9(c)に示されるように、送信信号の振幅が等しくても発生する誤差が異なり得る。また、位相誤差についても同様の現象が起こる。
ここで、従来の典型的なDPDでは、平均的なAM/AM特性及びAM/PM特性を補償することはできるが、メモリ効果を補償することができないため、メモリ効果補償用のDPD機能部が別に設けられる。
図10には、AM/AM特性及びAM/PM特性を補償するDPD部であるメモリレスPD部41と、メモリ効果を補償するDPD部であるメモリPD部42を直列に接続した構成例を示してある。
ここで、メモリレスPD部41としては、例えば、図14に示されるようなプリディストータ(DPD部)が用いられる。
本例のメモリPD部42は、振幅検出部51、メモリなどで構成されるルックアップテーブル(LUT)からなるメモリ効果歪補償テーブル52、遅延部53、加算器54、乗算器55、加算器56を備えている。
本例において行われる動作の一例を示す。
メモリレスPD部41には、入力信号として、例えば図13、図14に示されるものと同様に、複素ベクトルのIQデジタルベースバンド信号が入力される。
メモリレスPD部41によりプリディストーション処理された信号は、メモリPD部42へ出力される。
メモリPD部42では、メモリレスPD部41から入力された信号(I相成分及びQ相成分)が、振幅検出部51、乗算器55、加算器56に入力される。
振幅検出部51は、入力信号の振幅を検出して、その検出結果(振幅の値)をメモリ効果歪補償テーブル52へ出力する。
メモリ効果歪補償テーブル52は、振幅の値を参照引数として、振幅の値と、歪補償対象となる増幅器(例えば、図13に示される電力増幅器104に対応するもの)についてメモリ効果によって発生する歪を補償するための値(メモリ効果に関する歪補償係数の値)とを、対応付けて格納(記憶)する。
メモリ効果歪補償テーブル52は、振幅検出部51から入力された振幅の値(参照引数)に対応したアドレスの歪補償係数の値(本例では、複素数)を遅延部53及び加算器54へ出力する。
遅延部53は、メモリ効果歪補償テーブル52から入力された歪補償係数を遅延させて加算器54へ出力する。
加算器54は、メモリ効果歪補償テーブル52から入力された歪補償係数と遅延部53から遅延されて入力された歪補償係数との差を計算して、その結果を乗算器55へ出力する。
乗算器55は、入力信号(メモリレスPD部41からの出力信号)と加算器54から入力された信号(歪補償係数の差分)とを乗算して、その結果を加算器56へ出力する。これにより、本例では、メモリ効果によって発生する歪の逆特性が和の形で表される。
加算器56は、入力信号(メモリレスPD部41からの出力信号)と乗算器55から入力された信号(乗算結果)とを加算して、その結果の信号を、プリディストータ出力信号として、出力する。この信号は、例えば、図13に示されるような構成では、D/A変換器102へ出力される。
このようにして出力された信号では、増幅器(本例では、電力増幅器)のAM/AM特性、AM/PM特性、及び、メモリ効果によって発生した歪を補償するための特性を予め当該増幅器の入力信号に与えることができており、当該増幅器からの出力信号の歪を補償することができる。
次に、メモリDPDに波形比較を適用する方法(従来では、その技術は開示されていないと思われる)の例を示す。
図11には、メモリ効果を補償するために使用する誤差マッピング部61の構成例を示してある。
本例の誤差マッピング部61は、例えば、メモリPD部42のメモリ効果歪補償テーブル52を更新するDPD制御部の構成として、図1や図8や図15に示されるようなDPD制御部と同様な構成を用いる場合に、その中の誤差マッピング部(図1や図8における誤差マッピング部9や、図15における誤差マッピング部126)として用いられる。
なお、メモリレスPD部41とメモリPD部42とについて、それぞれ、別個に制御部(本例では、DPD制御部)が設けられる。
本例の誤差マッピング部61は、遅延部71、符号反転部72、符号反転部73、平均化部74を備えている。
本例の誤差マッピング部61により行われる動作の一例を示す。
誤差マッピング部61には、アドレスAddress(t)、振幅誤差Erramp(t)及び位相誤差Errphase(t)が入力される。アドレスAddress(t)は平均化部74及び遅延部71に入力され、振幅誤差Erramp(t)は平均化部74及び符号反転部72に入力され、位相誤差Errphase(t)は平均化部74及び符号反転部73に入力される。
なお、例えば、図1や図8の構成では、前段の処理部であるデータ選択部8から誤差マッピング部61に、アドレスAddress(t)=Address(t)、振幅誤差Erramp(t)及び位相誤差Errphase(t)が入力される。また、例えば、図15の構成では、前段の処理部である誤差検出部125から誤差マッピング部61に、振幅誤差Erramp(t)及び位相誤差Errphase(t)が入力される。
遅延部71は、入力されたアドレスAddress(t)をτ(本例では、τサンプル)だけ遅延させて、その結果Address(t−τ)を平均化部74へ出力する。
符号反転部72は、入力された振幅誤差Erramp(t)の正負の符号を反転させて、その結果−Erramp(t)を平均化部74へ出力する。
符号反転部73は、入力された位相誤差Errphase(t)の正負の符号を反転させて、その結果−Errphase(t)を平均化部74へ出力する。
平均化部74は、アドレスAddress(t)、振幅誤差Erramp(t)、位相誤差Errphase(t)、遅延したアドレスAddress(t−τ)、反転した振幅誤差−Erramp(t)、反転した位相誤差−Errphase(t)を入力し、同一のアドレスについての複数の誤差を平均化する。
このような平均化部74の機能を用いて、誤差マッピング部61は、メモリ効果歪補償テーブルの更新周期T(例えば、tと同様に、サンプル単位の値)毎に一度、複数のマッピング情報を各アドレスAddress(t)について平均して、誤差情報Errinfo(T)として次段の処理部(例えば、図1、図15における誤差補間部10、127や、図8におけるLUT補間代表点更新部31)へ出力する。
なお、本例では、メモリレスPDの歪補償テーブルの更新周期TとメモリPDのメモリ効果歪補償テーブルの更新周期Tとが同一である場合を示したが、他の構成例として、これらの更新周期が異なる態様が用いられてもよい。
ここで、本例の誤差マッピング部61は、例えば、図6に示される誤差マッピング部9の構成とは異なる点として、誤差マッピング部61への入力に基づいて、τサンプル遅延したアドレスのデータAddress(t−τ)に、反転した振幅誤差−Erramp(t)と反転した位相誤差−Errphase(t)をマッピングする。
また、遅延部71で与える遅延量τとしては、例えば、メモリ効果の特性に依存し、メモリPD部42の遅延部53で与える遅延量と等しくすることが望ましい。
また、各符号反転部72、73は、信号の正負を反転する機能を有しており、例えば、信号に−1を乗算する。なお、この符号反転は、例えば、メモリPD部42の加算器54で差を取っていることに対応している。
図12には、メモリDPD用の誤差マッピングの一例を示してある。横軸はアドレスを示しており、縦軸は振幅誤差を示している。
本例では、τ=1サンプルである場合におけるマッピングの一例を示してある。データは同等に扱うが、説明のため、遅延無しのものであるAddress(t)のマッピング点を白丸(○)で示してあり、また、遅延有りのものであるAddress(t−τ)のマッピング点を黒丸(●)で示してある。
ここで、Address(t)のマッピング点(白丸)は、図9(c)に示されるものと等しい。
また、このようなデータを用いてメモリ効果歪補償テーブルを更新する方法としては、例えば、従来と同じ方法を適用することができる。
具体例としては、(式1)におけるμとして1.0以下の値を選んで、(式1)を使用して更新を繰り返すことによって、メモリDPDのメモリ効果歪補償テーブルを収束させることができ、メモリ効果によって発生する非線形歪を補償することができる。このようにして、波形比較を用いてメモリDPDのメモリ効果歪補償テーブル(LUT)を適応制御することができる。
以上のように、本例の歪補償装置では、メモリ効果を補償するためのメモリ効果歪補償テーブルを制御するDPD制御部において、ある時刻の振幅誤差及び位相誤差を、それ以前の時刻の振幅に対応するメモリ効果歪補償テーブルのアドレスの誤差として用いることが行われる。
これにより、本例の歪補償装置では、メモリDPDに波形比較を適用することができ、メモリ効果によって発生する歪を良好に補償することができる。
一構成例(構成例A3)として、増幅器によって発生するメモリ効果による歪を補償する本例のプリディストーション歪補償増幅装置では、入力信号(送信信号)と帰還信号との誤差を用いて歪補償テーブル(LUT)を更新する波形比較型DPDの機能を有しており、
入力信号に対応したアドレスに、入力信号にプリディストーションを与える歪補償係数を対応付けて記憶するメモリ効果歪補償テーブルと、
入力信号と増幅器(本例では、電力増幅器)の出力信号との誤差データを当該入力信号に対応するメモリ効果歪補償テーブルのアドレスにマッピングし、マッピングして得られた誤差情報に基づいてメモリ効果歪補償テーブルを更新する制御部(本例では、DPD制御部)を備え、
前記誤差情報は、入力信号と増幅器の出力信号との誤差データを当該入力信号に対応するアドレスにマッピングして、当該アドレスにおいて平均化する誤差マッピング部(本例では、誤差マッピング部61)により生成され、
ここで、誤差マッピング部61においてマッピングされる誤差データとしては、入力信号と増幅器の出力信号との誤差データが該当する時刻における入力信号に対応したアドレスにマッピングされると同時に、入力信号と増幅器の出力信号との誤差データの符号を反転したデータが該当する時刻以前の入力信号に対応したアドレスにマッピングされる。
(構成例A3)では、波形比較DPDをメモリ効果の歪補償に適用する場合に、誤差マッピング部61において、誤差データを過去(例えば、数サンプル前など)の同一アドレスにもマッピングすることが行われる。
なお、本例の歪補償装置では、図1や図8や図15の例において、DPD部のメモリ効果用の歪補償テーブル(LUT)52の機能によりメモリ効果用の係数記憶手段が構成されており、振幅検出部6(又は、DPD部101の振幅検出部111)の機能によりアドレス検出手段が構成されており、誤差代表点集約部7の機能によりアドレス生成手段が構成されており、データ選択部8の機能により誤差データ選択手段が構成されており、誤差マッピング部61の機能により誤差マッピング手段が構成されている。また、図1や図15の例において、誤差補間部10、127やLUT更新部11、128の機能により更新制御手段が構成されており、また、図8の例において、LUT補間代表点更新部31やLUT補間部32の機能により更新制御手段が構成されている。
ここで、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々なシステムや装置として提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
1、3、121、123・・メモリ、 2、122・・直交検波部、 4、124・・遅延調整部、 5、125・・誤差検出部、 6、51、111・・振幅検出部、 7・・誤差代表点集約部、 8・・データ選択部、 9、61、126・・誤差マッピング部、 10、127・・誤差補間部、 11、128・・LUT更新部、 21、74・・平均化部、 31・・LUT補間代表点更新部、 32・・LUT補間部、 41・・メモリレスPD部、 42・・メモリPD部、 52・・メモリ効果歪補償テーブル、 53、71・・遅延部、 54、56・・加算器、 55・・乗算器、 72、73・・符号反転部、
101・・DPD部、 102・・D/A変換器、 103・・アップコンバータ(周波数変換部)、 104・・電力増幅器、 105・・方向性結合器、 106・・ダウンコンバータ(周波数変換部)、 107・・A/D変換器、 108・・DPD制御部、 112・・歪補償テーブル、 113・・PD実行部(例えば、乗算器)、

Claims (1)

  1. 入力信号を増幅する増幅器で発生する歪をプリディストーション方式で補償する歪補償装置において、
    各アドレスに、当該各アドレスに対応する入力信号にプリディストーションを与えるための歪補償係数を記憶する係数記憶手段と、
    入力信号に対応する0〜(M−1)番目のM(Mは2以上の整数)ビットのアドレスを検出するアドレス検出手段と、
    設定されたN(NはMより小さい整数)を用いて、前記アドレス検出手段により検出されたMビットのアドレスについて、0〜(M−N−2)番目までのビット値を切り捨て且つ(M−N−1)番目のビット値を0捨1入したアドレスを生成するアドレス生成手段と、
    入力信号と前記増幅器の出力信号との誤差のデータを、当該入力信号について前記アドレス生成手段により生成されたアドレスにマッピングして、各アドレスについて平均化し、その結果に基づく誤差情報を生成する誤差マッピング手段と、
    前記誤差マッピング手段により生成された誤差情報に基づいて前記係数記憶手段の記憶内容を更新する更新制御手段と、
    を備えたことを特徴とする歪補償装置。
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