JP2011090338A - プラズマディスプレイパネルモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】フラットディスプレイパネルを有するモジュールやディスプレイ装置において、パネルの耐衝撃性能を向上する技術を提供する。
【解決手段】PDPモジュール10において、PDP15の前面側にフィルタ16が貼り合わせられ、背面側に両面テープ14でベースシャーシ13が貼り合わせられている。ベースシャーシ13と筐体11との取付け部20において、ベースシャーシ13領域に、筐体連結部品12に対応して、斜面部及び空間19を有するバネ性構造部21が設けられている。PDP15面垂直方向の衝撃力に対し、バネ性構造部21のバネ性により、PDP15のガラスへの衝撃が緩衝される。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDPと略称する)等のフラットディスプレイパネル(FDPと略称する)を含んで構成されるモジュール(FDPモジュールと称する)と、そのモジュールを含んで構成されるプラズマディスプレイ装置等のフラットディスプレイ装置(薄型映像表示装置)に関し、特に、FDP(以下、単にパネルともいう)の耐衝撃性能に係わる実装構造などの技術に関する。
プラズマディスプレイ装置において、PDPとそのベースとなるシャーシ(ベースシャーシ)は、ほぼ全面にわたって、両面テープなどの接着層により強固に固定され、プラズマディスプレイ装置の一部となるモジュール(PDPモジュールと称する)を構成している。PDPモジュールは、組み立てにより、各種バリエーションに応じたプラズマディスプレイ装置筐体へ取付けられ、これによりディスプレイ装置セットが構成される。そのためPDPモジュールには、ベースシャーシと筐体側との接続固定のための構造・部位(本明細書では取付け部と称する)を設けている。
PDPは発光ガラスを主として構成されており、一般にガラスは衝撃に対して弱い。例えばPDPのパネル前面から外力が加わる場合が想定され、その衝撃によりパネル破損の可能性がある。また特にPDPのコスト削減要求は非常に高く、上記パネル破損の防止などを含め、長期信頼性を高めることが求められている。
パネルの耐衝撃性能の向上を図る技術の例が特許文献1に記載されている。本技術では、シャーシ(プレート)の筐体への固定部分に空洞を設けることで衝撃を分散させる旨が記載されている。
特開2001−324942号公報
前記PDPモジュールにおいて、例えばPDPのパネル前面からの衝撃は直接に発光ガラスに伝わるため、前記パネル破損防止などのために、耐衝撃性能を従来よりも向上する必要がある。
特に、パネル面を固定するベースシャーシにおける筐体側との取付け部付近においては、発光ガラスの背面側を前記取付け部の構造により押えられ固定されている。そのため、その取付け部付近の発光ガラスに伝わる力に関しては、逃すことが難しい。すなわち、前記取付け部付近での耐衝撃性能は、前記取付け部が存在しない領域付近での性能に比較して劣り、前記パネル破損の可能性につながるという問題がある。
なお、前記特許文献1に記載の技術では、装置筐体(基体)への取付け部(固定用部分)に対応してパネルとシャーシとの空間を形成する凸部において、筐体側から凸部側面(側壁)を経由してパネルへの力が分散される。しかしながら、凸部側面とシャーシ面とが直角であるため、パネル面垂直方向に加わる力に対して、凸部側面部分ではそのままパネル面垂直方向で力が加わることになる。また前記凸部ではバネ性は持たない。
本発明は以上のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、FDPモジュールのパネルに加わる力、特にベースシャーシと筐体側との取付け部付近に局所的に集中する応力を、効果的に緩衝または吸収または分散して、パネルの耐衝撃性能を向上し、長期信頼性を高めることができる技術を提供することにある。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。前記目的を達成するために、本発明のFDPモジュール及びそれを備えるフラットディスプレイ装置は、FDPと、FDPを固定するベースシャーシと、ベースシャーシと筐体との取付け部とを有するものであって、以下を特徴とする。
本発明のFDPモジュールは、発光ガラスを主に含んで構成されるFDPと、前記FDPを接着層(例えば両面テープ)等によって近接して固定するベースシャーシとを有する。前記ベースシャーシは、背面側に、当該FDPモジュールが取付けされるフラットディスプレイ装置筐体への取付けのための構造または部品を含んだ取付け部を有する。そして、前記取付け部に、前記FDPへ加わる力を緩衝または吸収または分散するための手段として、弾力性(バネ性とも言い換えられる)構造部を設ける。前記FDPへの力は、例えばFDP前面からの外力による衝撃力であり、FDP、ベースシャーシ、取付け部、及び筐体などを通じて伝わり、特にFDP面垂直方向で前記取付け部付近のFDPのガラスに集中する応力である。より詳しくは例えば以下(1)〜(5)等に示される。
(1)本FDPモジュールで、前記ベースシャーシは、主に金属製の平面板を含んで構成される。前記取付け部の弾力性構造部は、前記ベースシャーシの平面板の部分(部分領域)に形成される。前記弾力性構造部のFDP面垂直方向断面が、斜面部を有してFDP背面側に盛り上がった形状あるいは浮き出た形状により構成される。また、前記弾力性構造部は、前記ベースシャーシの部分の断面において例えば略台形状であり前記FDPとの空洞(すなわち空気を有する)を有した形状である。当該形状は、平面が折り曲げられた形状、曲面形状などと言い換えてもよい。前記斜面部のベースシャーシ平面となす角度を、90°以外、例えば5°以上60°以下の範囲にすることで、適度な弾力性を確保する。
(2)また、前記弾力性構造部として、バネ部材または衝撃吸収材を用いる。例えば、前記取付け部は、前記ベースシャーシの部分と、前記筐体の部分と、前記ベースシャーシの部分と前記筐体の部分との接続固定のための連結部品とを有する。そして、前記ベースシャーシの部分と前記連結部品との間に、主に前記FDP面垂直方向に弾力性を持つバネ部材などが接続固定される。
(3)また、前記取付け部の弾力性構造部において、前記ベースシャーシの部分の面(斜面部及び連結部品の固定面などを含む)と、前記FDPまたは接着層の面との間の空洞に、空気よりも高い熱伝導性の充填材、例えばゲル状物質を有する。これにより、耐衝撃性能と放熱性能の両方を満たす。
(4)また、前記FDP前面側に、主に前記FDP面垂直方向の衝撃吸収性を持つフィルタまたは衝撃吸収層を有する。前記FDPへの力に対し、前記弾力性構造部と前記フィルタとで耐衝撃性に関して相乗的に働く。
(5)また、前記取付け部の弾力性構造部は、例えば前記ベースシャーシを構成する金属板の平面の該当部分が押圧されることにより形成される。
また、その他の構成として、例えば、本FDPモジュールは、前記ベースシャーシ背面内の複数の部分に対応して前記取付け部を有し、前記複数の取付け部のそれぞれに前記弾力性構造が設けられる。
また、前記取付け部は、前記ベースシャーシの部分と前記筐体の部分との接続固定のための連結部品を有し、前記ベースシャーシの部分に形成された弾力性構造部の上面と前記連結部品の下面がねじ止め等により接続固定される。
また、前記取付け部は、前記ベースシャーシの部分に形成された弾力性構造部を二つ一組にして、この一組の領域に対しブリッジ状の連結部品が固定され、前記連結部品を複数含む領域に対し梁状の部品が固定され、前記梁状の部品に対し前記筐体及び回路部などが固定される。
また、前記取付け部の弾力性構造部は、放熱性重視の場合に、例えばアルミニウムにより構成される。また、前記取付け部の弾力性構造は、コスト重視の場合に、例えば鉄により構成される。
また、前記FDPモジュールにおいて、前記FDPは、ガラスを主として構成される前面基板及び背面基板を含んで構成されるPDPである。このPDPモジュールと筐体とを含んでプラズマディスプレイ装置が構成される。
また、上記のようなFDPモジュールを備えて構成されるフラットディスプレイ装置であって、前記取付け部に対し、連結部品などを介して、ベースシャーシ側とフラットディスプレイ装置筐体(外側ケースなど)が接続固定される。
また、他のFDPモジュールにおいて、前記連結部品は、前記ベースシャーシの部分との近接側や、前記筐体の部分との近接側などに、前記弾力性構造部あるいはバネ部品などを含んで構成される。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。本発明によれば、FDPモジュールのパネルに加わる力を効果的に緩衝または吸収または分散して、パネルの耐衝撃性能を向上でき、ガラス破損なども防止して長期信頼性を高めることができる。
また特に前記課題を解決するための手段の(3)等によれば、パネルの耐衝撃性能と放熱性能の両方を満たすことができる。また特に同上(4)等によれば、フィルタとの相乗効果により耐衝撃性能を大きくできる。また特に同上(5)等によれば、部品増を伴わずコストアップ無し又は極低く弾力性構造を実現できる。
本発明の実施の形態1であるプラズマディスプレイ装置において、PDPモジュールと筐体との取付け部付近の断面構成を示す図である。 本発明の実施の形態1であるプラズマディスプレイ装置において、PDPモジュールの製造及びPDPモジュールと筐体との組み立てにおける分解構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1であるプラズマディスプレイ装置において、PDPモジュールのベースシャーシ背面の取付け領域の構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態1であるプラズマディスプレイ装置において、PDPとベースシャーシの貼り合わせの構成及びベースシャーシ背面への連結部品の取付けの構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1であるプラズマディスプレイ装置において、PDPモジュールの連結部品の取付け領域における断面の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1であるプラズマディスプレイ装置において、PDPモジュールのバネ性構造部の領域の断面の詳細を示す図である。 本発明の実施の形態2であるプラズマディスプレイ装置において、PDPモジュールと筐体との取付け部付近の断面構成を示す図である。 本発明の実施の形態3であるプラズマディスプレイ装置において、PDPモジュールと筐体との取付け部付近の断面構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。図1〜図8は、本発明の実施の形態を説明するための図である。
(実施の形態1)
実施の形態1は、FDPモジュール及びフラットディスプレイ装置としてPDPを含む場合の構成であり、概要として、PDPモジュールとプラズマディスプレイ装置筐体との取付け部に対応したベースシャーシ領域に、皿状のバネ性構造部を有するものである。
図1〜図6は、本発明の実施の形態1におけるPDPモジュール(10)及びプラズマディスプレイ装置の構成を示す。図1は、本プラズマディスプレイ装置の要部構造を示すものであり、PDPモジュール(10)と筐体(11)との取付け部(20)付近の断面構成を示す。図2は、PDPモジュール(10)の組み立て(製造)及びPDPモジュール(10)と筐体(11)との組み立てにおける分解構成を示す。図3は、PDPモジュール(10)のベースシャーシ(13)背面の取付け領域の構成を示す。図4は、PDP(15)とベースシャーシ(13)の貼り合わせの構成及びベースシャーシ(13)背面への連結部品(12)の取付けの構成を示す。図5は、PDPモジュール(10)の連結部品(12)の取付け領域における断面の構成を示す。図6は、PDPモジュール(10)のバネ性構造部(21)の領域の断面の詳細を示す。
図1において、PDPモジュール10は、1つ以上の取付け部20によって筐体11側へ取付けされることにより、プラズマディスプレイ装置の製品(セット)が構成される。PDPモジュール10は、前面側から順に、フィルタ(直貼フィルタ)16、PDP15、両面テープ14、ベースシャーシ13、筐体連結部品(連結部品と略称する)12を有する構成である。ベースシャーシ13における取付け部20に対応した領域には、バネ性構造部(皿バネ構造部)21を有する。バネ性構造部21は、PDP15側との空間(空洞)19を有する。矢印は、取付け部20やバネ性構造部21の中心軸22を表し、PDP15面垂直方向での力の伝播するラインを示す。
図2において、PDPモジュール10は、主にPDP15とベースシャーシ13により構成される。PDP15背面は、全面にわたって、1枚以上の両面テープ14により、ベースシャーシ13前面と貼り合わせられる。また、PDP15前面には、全面にわたって、フィルタ16が直に貼り合わせられる。
また、ベースシャーシ13背面側と、筐体11側とが、ベースシャーシ13面のバネ性構造部21を介して、連結部品12により連結・固定される。本例では、PDP15面に対応したベースシャーシ13面内における16箇所の領域(バネ性構造部21に対応する)を用いて、8個の連結部品12により取付けされる。
PDPモジュール10は、その他の要素としては、PDP15の駆動制御などのための回路部や、PDP15の電極群及び回路部に接続されるドライバモジュールなどを有する。ドライバモジュールは、フレキシブル基板にドライバICチップが実装されたモジュールである。
図1及び図2において、筐体11は、プラズマディスプレイ装置外側ケースに対応した構造体であり、例えば金属製である。また便宜的に筐体11を平面板状で示しているが、実際には各種詳細形状や複数部位からなる構造体が可能である。
PDP15は、前面基板と背面基板による概略二層構成であり、発光ガラスを主として構成されている。PDP15では、基板に対して、図示しない、電極群、誘電体層、保護層、隔壁、蛍光体層などが形成されている。PDP15の構成要素のうち、一般にガラスの耐衝撃性能が一番低い。
ベースシャーシ13は、PDPモジュール10を構成するPDP15や回路部などを支持・固定するベースであり、例えばアルミ材などによる一枚板構造の金属板を主として構成される。ベースシャーシ13は、少なくともPDP15面を固定できる大きさの面を有する。
連結部品12は、例えばプラスチック製であり、ねじ止め等によりベースシャーシ13及び筐体11側と固定される。連結部品12は、スペーサ等と言い換えてもよい。
フィルタ16は、PDP15に対する光透過性かつ衝撃吸収性を有する、高分子膜による直貼りフィルタである。フィルタ16の衝撃吸収性は、バネ性構造部21の衝撃吸収性と相乗的に働く。フィルタ16は、PDP15の発光の調整や改善のための光学特性を有してもよいし、あるいはそのような光学特性フィルタなどが重ねて設けられてもよい。
両面テープ14は、接着層となり、両面に接着剤が塗布された樹脂製テープなどである。また、両面テープ14は、接着の機能だけでなく柔軟性を有するものにすれば、耐衝撃性能においてより効果的となる。
両面テープ14及びベースシャーシ13等は熱伝導性も有し、PDP15及び回路部などで発生する熱は、両面テープ14及びベースシャーシ13等も通じて外部へ放熱される。
前記図1で、ベースシャーシ13背面側で筐体11との間において取付け部20を有する。取付け部20は、説明の便宜のために区分して示している部位である。取付け部20には、ベースシャーシ13の一部であるバネ性構造部21と、連結部品12と、筐体11の一部の領域と、その他接続固定のためのねじ止め構造及び部品などが含まれる。取付け部20において、ベースシャーシ13のバネ性構造部21の面と、筐体11側の面とで、連結部品12の上下面によりそれぞれ接続固定している。連結部品12の上下面の接続固定は、例えばねじ止めによりなされる。具体的には、図2等に示すように、取付けの性能などを考慮して、PDP15及びベースシャーシ13に対応した面領域内において、複数の取付け部20を設けている。
図3において、本例では、取付け部20に係わる領域として、ベースシャーシ13背面側において、バネ性構造部21に相当する第1の領域31を16箇所有する。第1の領域31は、ベースシャーシ13背面側に島状に盛り上がった領域(図1に示す断面では略台形状に折り曲げられた領域)であり、筐体11側との接続固定のための単位となる領域である。第1の領域31の形状は、ベースシャーシ13背面側から見て概略四角形としているが、他の形状も可能である。また、ベースシャーシ13背面において、連結部品12の接続固定のために、第1の領域31を二つ一組にしてなる第2の領域32を8箇所有する。図1の連結部品12の詳細形状は、図5などに示すようにブリッジ状であり、第2の領域32に対して固定される。また、ベースシャーシ13背面において、連結部品12上に対する筐体11側の接続固定のために、第2の領域32を4箇所ずつ含んだ帯状の第3の領域33を上下2箇所に有する。第3の領域33における複数の連結部品12上面に対し、例えば梁状の部品が接続固定され、当該梁状の部品を介して筐体11やその他図示しない回路部などが接続固定される。このような連結部品12等の実装構造は一例であり、図1に示す構造を基本として他の実装構造とすることも可能である。
図4において、PDP15及びベースシャーシ13の実装構造詳細を示している。PDP15背面とベースシャーシ13前面とが両面テープ14により貼り合わせされる。PDP15は、その端部において、電極群を駆動するための図示しないドライバモジュールと接続される。ベースシャーシ13は、図3に示すような背面側の各領域(第2の領域32)において、連結部品12がねじ止めにより接続固定される。Aは、連結部品12を含むPDPモジュール10の取付け部20の断面の例である。ベースシャーシ13の略平面板形状において、複数の第1の領域31及び連結部品12の高さは同じである。
前記図1で、バネ性構造部21は、ベースシャーシ13平面(非取付け部領域)との角度を有する斜面部と、連結部品12を固定する平面と、PDP15及び両面テープ14との間の空間19とを有する。バネ性構造部21は、前記斜面部を含む形状及び材質により、取付け部20の中心軸22の方向を中心としたバネ性を有している。すなわち、このバネ性により、中心軸22方向の衝撃力に対しての緩衝・吸収・分散の機能を有している。バネ性構造部21の斜面部とベースシャーシ13平面とでなす角度は、90°以外とする。なお、バネ性構造部21の断面を複数の平面からなる略台形状で示しているが、バネ性であれば滑らかな曲面状などでもよい。
図5の断面Aにおいて、第2の領域32における二つの第1の領域31にそれぞれバネ性構造部21を含む取付け部20を有する。Bは、取付け部20の1つのバネ性構造部21に対応した断面の例である。連結部品12の断面がブリッジ状であり、その下面が、ベースシャーシ13のバネ性構造部21の上平面に対し接続固定される。
図6の断面Bにおいて、バネ性構造部21では、斜面部61を有する。斜面部61とベースシャーシ13の非取付け領域平面(あるいはPDP15や両面テープ14の面)とでなす角度は、本例では約8°である。この角度は、例えば、5°以上60°以下の範囲となるように設計する。これにより、バネ性構造部21のバネ性を確保し、かつ一枚板構造のベースシャーシ13の、バネ性構造部21以外の平面度を維持し、両面テープ14による接着性を十分確保することができる。また、バネ性構造部21の連結部品12固定面と、連結部品12の下面とにおいて、ねじ止め部62を有し、ねじ止めにより固定される。
バネ性構造部21は、例えば、ベースシャーシ13の構造体の一部となるアルミの平面板において、前面側から、空間19に対応した形状によって押圧加工することにより形成される。このような製造方法の場合、バネ性の機能の実現のために、従来よりも新たに部品を設けていないため、組立作業に要する工数も増えることはなく、コストを低く実現できる。
以上のような構成において、取付け部20の中心軸22方向において、バネ性構造部21とフィルタ16の働きにより、特に取付け部20付近のPDP15のガラスに伝わる衝撃力を緩和できる。
従来技術において、PDPモジュールと筐体との取付け部付近の領域では、PDPのガラス背面側が、取付け部を構成する部品において直接押えられ支持・固定されている。そのため、PDPのガラスに外力が加わった場合、前記取付け部付近のガラスに応力が集中し影響が大きい。また、前記取付け部付近の領域以外の非取付け部領域では、PDPのガラスを伝わる力が、パネル面のたわみ等により減衰されるため、比較して取付け部付近の領域の耐衝撃性能が低い。
一方、本実施の形態1では、取付け部20付近の領域において、PDP15のガラス等が、単に連結部品12により押えられるのではなく、バネ性構造部21を介在している構造である。そのため、例えばPDP15前面から外力が加わった場合などには、取付け部20の中心軸22方向において、PDP15のガラスを伝わる衝撃力(連結部品12付近に対し集中する応力)が、バネ性構造部21(及びフィルタ16)で緩衝・吸収・分散される。すなわち、取付け部20付近の領域における耐衝撃性能が向上しており、特にPDP15のガラスに対する衝撃力も抑えられ、結果、ガラス破損なども防止できる。
また、本実施の形態では、バネ性構造部21に加え、PDP15前面に衝撃吸収性を持つフィルタ16を設けているため、中心軸22方向でPDP15のガラスに伝わる衝撃力に対して、これら二つの部位により緩衝・吸収・分散の機能が相乗的に働く。そのため、フィルタ16を設けない場合に比べて、耐衝撃性能における相乗効果を得ることができる。
なお、PDPモジュール10と筐体11との取付けのために、連結部品12以外に部品や構造を有してもよい。また本例では連結部品12をPDPモジュール10の一部に含めているが、PDPモジュール10の一部に含めない別個の部品や筐体11側部品としてもよい。また分離された連結部品12とせずに、ベースシャーシ13や筐体11等に一体化された構造としてもよい。また例えば、前記バネ性構造部21が、ベースシャーシ13平面とは別の部品として作製され、ベースシャーシ13平面領域に対して接続固定されてもよい。
また、バネ性構造部21の材料としては、アルミ以外にも、鉄などの金属を用いて所望の弾力性を実現してもよい。また、弾力性だけでなく放熱性能やコストとのバランスも考慮して材料を選択してもよい。また、複数の取付け部20を有する場合、一部箇所ではバネ性構造部21を設けて他箇所では設けない構成としてもよい。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2を説明する。図7は、本発明の実施の形態2におけるPDPモジュール及びプラズマディスプレイ装置の構成を示す。実施の形態2は、前記取付け部20において、バネ性構造部21に対応する部位として、ベースシャーシ13平面と連結部品12との間に、バネ部品71を接続固定した構成である。その他の構成は実施の形態1と同様である。実施の形態1では、ベースシャーシ13の構造体の一部においてバネ性構造部21を形成しているが、実施の形態2では、バネ部品71を直接設けて介在させた構造である。
バネ部品71は、中心軸22方向の弾力性を有し、衝撃吸収材と言い換えてもよい。バネ部品71の詳細な構成は各種可能である。取付け部20において、ベースシャーシ13平面上に、バネ部品71の下面側が接続固定され、バネ部品71の上面側に、連結部品12下面が接続固定される。
実施の形態2の構成でも同様に、中心軸22方向でPDP15のガラス等に伝わる衝撃力がバネ部品71及びフィルタ16の機能により緩衝などされるため、耐衝撃性能が向上できる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3を説明する。図8は、本発明の実施の形態3におけるPDPモジュール及びプラズマディスプレイ装置の構成を示す。実施の形態3は、前記実施の形態1と同様の構成の取付け部20において、更に、バネ性構造部21内の空間19に、充填材(高熱伝導性ゲル状物質)81を設けて、耐衝撃性能と放熱性能とを併せ持った形態である。その他の構成は実施の形態1と同様である。
充填材81は、少なくとも空気に比して高い熱伝導性を有する、ゲル状物質あるいは液体などである。実施の形態1で空間19に空気が存在する場合には、空気の熱伝率が低いために取付け部20における放熱性能がやや落ちることになるが、実施の形態3のように充填材81を有することで、取付け部20における放熱性能を向上できる。
なお、前記バネ性構造部21の空間19が十分に小さく放熱性能として特に問題ない場合には、充填材81を設ける必要は特にない。前記空間19が大きい場合には、その分放熱性能で不利になるため、充填材81を設けることで解消できる。また、必要に応じて空間19に充填材81を部分的に設ける等してもよい。
以上説明した各形態に関して、以下のような構成も可能である。まず、衝撃吸収性を持つフィルタ16を設けない形態としても、バネ性の部位(21,71)による耐衝撃性能の向上が可能である。また、ベースシャーシ13面の領域やベースシャーシ13面と連結部品12との間においてバネ性の部位を設ける構成に限らず、取付け部20領域の中心軸22方向において、例えば、連結部品12自体や筐体11領域自体、あるいは連結部品12と筐体11との間などにおいて、同様なバネ性の部位を設けた形態としてもよく、前述した形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、耐衝撃性能が必要なパネル等を有するモジュールや装置などに利用可能である。
10…PDPモジュール、11…筐体、12…筐体連結部品、13…ベースシャーシ、14…両面テープ、15…PDP、16…フィルタ、19…空間、20…取付け部、21…バネ性構造部、22…中心軸、31…第1の領域、32…第2の領域、33…第3の領域、61…斜面部、62…ねじ止め部、71…バネ部品、81…充填材。

Claims (10)

  1. ガラスを含んで構成されるプラズマディスプレイパネルと、
    前記プラズマディスプレイパネルの面を近接して固定するベースシャーシと、を有するプラズマディスプレイパネルモジュールであって、
    前記ベースシャーシの背面側に、プラズマディスプレイ装置筐体への取付けのための構造または部品を含んだ取付け部を有し、
    前記ベースシャーシは、金属製の平面板を含んで構成され、
    前記取付け部は、前記ベースシャーシの背面側に前記平面板に対して斜面部を有して盛り上がった形状の盛り上がり形状部を有し、当該盛り上がり形状部と、前記筐体の部分と、前記盛り上がり形状部と前記筐体の部分との接続固定のための連結部品とを有し、
    前記盛り上がり形状部の前記筐体側の面と前記連結部品の前記ベースシャーシ側の面とをねじ止めにより接続固定したことを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。
  2. 請求項1記載のプラズマディスプレイパネルモジュールにおいて、
    複数個の前記盛り上がり形状部に対して1つの前記連結部品が接続固定されることを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。
  3. 請求項2記載のプラズマディスプレイパネルモジュールにおいて、
    前記連結部品を複数含む領域に対し梁状の部品が接続固定され、
    前記梁状の部品に対し前記筐体が接続固定されることを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルモジュールにおいて、
    前記盛り上がり形状部は、前記ベースシャーシの平面板の部分を背面側に押圧加工することにより形成されることを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルモジュールにおいて、
    前記盛り上がり形状部は、その断面において略台形状であり前記プラズマディスプレイパネルとの空洞を有した形状であることを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルモジュールにおいて、
    前記盛り上がり形状部の前記ベースシャーシの領域では、前記ベースシャーシの領域の面と前記プラズマディスプレイパネルとの間の空間に、空気よりも高い熱伝導性の充填材を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルモジュールにおいて、
    前記盛り上がり形状部は、前記斜面部の前記平面板との角度が、5°以上60°以下であることを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルモジュールにおいて、
    前記プラズマディスプレイパネルの前面側に、前記プラズマディスプレイパネル面垂直方向の衝撃吸収性を持つフィルタを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルモジュールにおいて、
    前記盛り上がり形状部は、アルミニウムにより構成されることを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルモジュールにおいて、
    前記盛り上がり形状部は、鉄により構成されることを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。
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