JP2011090214A - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】式(1)で表されるフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキが10%を超える場合に比較し、表面における木目状の筋の発生が抑制される。
【解決手段】基体と、該基体上に感光層と、を有し、且つ最表面を構成する層が、フッ素系樹脂粒子および該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含有し、該最表面を構成する層の断面を観察した際の下記式(1)で表される前記フッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキが0%以上10%以下である電子写真感光体。
式(1) 面積比のバラツキ=(粒子面積最大値−粒子面積平均値)/粒子面積最大値
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ、および画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成は、複写機やレーザービームプリンター等の分野において広く利用されている。画像形成装置に用いられる電子写真感光体としては、有機光導電材料を用いた電子写真感光体が主流を占める様になってきている。
例えば、最表面層中にフッ素系樹脂粒子を分散し、且つ分散助剤としてフッ素系グラフトポリマーを添加した電子写真感光体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、潤滑剤の粒子が分散された最表面層を備えた電子写真感光体が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭63−221355号公報 特開2005−062678号公報
本発明の課題は、式(1)で表されるフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキが10%を超える場合に比較し、表面における木目状の筋(以下「木目筋」と言う場合がある)の発生が抑制された電子写真感光体を提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
基体と、該基体上に感光層と、を有し、
且つ最表面を構成する層が、フッ素系樹脂粒子および該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含有し、該最表面を構成する層の断面を観察した際の下記式(1)で表される前記フッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキが0%以上10%以下である電子写真感光体である。
式(1)
面積比のバラツキ = (粒子面積最大値−粒子面積平均値)/粒子面積最大値
請求項2に係る発明は、
最表面を構成する層以外の全ての層を形成した基体を、フッ素系樹脂粒子および該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含有し且つレイノルズ数が2000以上5000以下である最表面を構成する層形成用の塗布液中に浸漬し、その後該塗布液中から前記基体を取り出して最表面を構成する層を形成する工程を有する電子写真感光体の製造方法である。
請求項3に係る発明は、
電子写真感光体の表面の静電潜像を現像して得られたトナー像を記録媒体に転写して、該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に対して着脱自在であり、
請求項1に記載の電子写真感光体と、帯電装置、現像装置およびクリーニング装置から選択された少なくとも1つと、を備えたプロセスカートリッジである。
請求項4に係る発明は、
請求項1に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
を備えた画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、式(1)で表されるフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキが10%を超える場合に比較し、表面における木目筋の発生が抑制された電子写真感光体が得られる。
請求項2に係る発明によれば、最表面を構成する層形成用の塗布液におけるレイノルズ数が2000未満である場合に比較し、表面における木目筋の発生が抑制された電子写真感光体が製造される。
請求項3に係る発明によれば、式(1)で表されるフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキが10%を超える場合に比較し、クリーニング不良の発生が抑制されたプロセスカートリッジが得られる。
請求項4に係る発明によれば、式(1)で表されるフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキが10%を超える場合に比較し、クリーニング不良の発生が抑制された画像形成装置が得られる。
本実施形態に係る感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る感光体の層構成の別の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る感光体の層構成の別の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る感光体の層構成の別の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る感光体の最表面層の形成に用いる浸漬塗布装置を示す概略模式図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの基本構成の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の基本構成の一例を示す概略構成図である。 (A)は実施例の感光体において木目筋が未発生である最表面層のSEM画像であり、(B)は比較例の感光体において木目筋が発生している最表面層のSEM画像である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
<電子写真感光体>
本実施形態に係る電子写真感光体(以下単に「感光体」と称す場合がある)は、基体と、該基体上に感光層と、を有し、且つ最表面を構成する層(以下単に「最表面層」と称す場合がある)が、フッ素系樹脂粒子および該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含有し、該最表面を構成する層の断面を観察した際の下記式(1)で表される前記フッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキが0%以上10%以下であることを特徴とする。
式(1)
面積比のバラツキ = (粒子面積最大値−粒子面積平均値)/粒子面積最大値
本実施形態に係る感光体によれば、表面における木目筋の発生が抑制され、該感光体を備えた本実施形態に係る画像形成装置においてはクリーニング不良の発生が抑制される。このメカニズムは明確ではないが、以下のように推察される。
即ち、フッ素系樹脂粒子と分散助剤を含有する最表面層を備えた感光体では、フッ素系樹脂粒子が密な領域と粗な領域とが生じることによって前記木目筋が生じる。しかし、前記式(1)を満たす面積比のバラツキの小さい本実施形態に係る感光体であれば、フッ素系樹脂粒子の疎密が低減され、前記木目筋の発生が抑制されるものと推察される。また、木目筋の発生が抑制されることから、画像形成装置においては連続してプリントを行った後においても表面における粒子の状態が変化せず、クリーニング不良の発生が抑制されるものと推察される。
尚、上記フッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキの数値範囲は、更に0%以上8%以下であることがより望ましく、0%以上5%以下であることが特に望ましい。
−面積比のバラツキの算出方法−
上記式(1)で表されるフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキは、感光体から以下の方法で断面ブロックサンプルを作製して算出する。
まず、感光体から基体ごと小片を切り出し、感光体の表面にPtを蒸着して包埋する。続いてミクロトームにて断面を作成し、試料台に固定した後、導電性を付与するためにPtを蒸着して、断面ブロックサンプルを作製する。次いで、
・SEM/EDS:日本電子製JSM−6700F/JED−2300Fを使用
・観察モード:2次電子像(SEI)、下方電子像(LEI,凹凸強調、帯電障害に強い)
・加速電圧:観察時5kv、分析時20kv
の条件にて観察された断面映像から、任意の観察視野におけるφ10μm×3箇所の画像を抽出し、上記3箇所の画像で観察される全てのフッ素系樹脂粒子の粒子面積を測定し、その全ての粒子面積の平均値と最大値を求めて、前記式(1)から求める。
−面積比のバラツキの制御方法−
フッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキを前記数値範囲に制御するには、以下の本実施形態に係る感光体の製造方法によって製造することが望ましい。
即ち、本実施形態に係る感光体の製造方法は、最表面層以外の全ての層を形成した基体を、フッ素系樹脂粒子および該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含有し且つレイノルズ数が2000以上5000以下である最表面層形成用の塗布液中に浸漬し、その後該塗布液中から前記基体を取り出して最表面層を形成する工程を有することを特徴とする。
尚、レイノルズ数を上記範囲に制御する観点から、塗布装置としては、前記基体を浸漬するための前記最表面層形成用の塗布液が供給された浸漬槽と、該浸漬槽における前記塗布液を循環させるための循環機構(特に浸漬層から塗布液を回収する回収機構および塗布液を浸漬槽に供給する供給配管)と、を有する塗布装置が好適に用いられる。
具体例としては、図5に示す、最表面層形成用の塗布液52が供給された浸漬槽53と、該浸漬槽53中の塗布液52に最表面層以外の全ての層を形成した基体51を浸漬することによって浸漬槽53より溢れた塗布液52を回収する回収容器21と、回収された塗布液52を収容する回収タンク22と、回収タンク22から塗布液52を浸漬槽53に供給する供給配管24と、を有する塗布装置が挙げられる。
レイノルズ数2000以上5000以下の状態で浸漬し塗布することにより、前記塗布液が乱れた状態となり、フッ素系樹脂粒子の凝集が生じにくい状態になると共に、分散性も向上するものと推察され、その結果前述のフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキの数値範囲が達成されるものと思料される。
尚、上記レイノルズ数の数値範囲は、更に3000以上5000以下であることがより望ましく、3500以上4500以下であることが特に望ましい。
−レイノルズ数の計算方法−
上記最表面層形成用の塗布液におけるレイノルズ数は、前記浸漬槽と前記循環機構としての前記供給配管とを有する塗布装置を用いる場合であれば、以下の方法により計算される。尚、本明細書に記載の数値は該方法によって計算されたものである。
レイノルズ数Re=V×d/ν
(V:供給配管中における塗布液の流速(m/s)、d:供給配管の内径(m)、ν:塗布液の動粘度(m/s))
なお、動粘度は下記の式により計算された値を用いる
動粘度(m/s)=粘度(mPa・s)/密度(g/cmW)/1000000
粘度は、東洋計器製B型粘度計にて液温度24℃における粘度の測定を行う。また、密度は、京都電子工業株式会社製密度比重計にて液温度24℃における密度の測定を行ない、動粘度を計算により算出する。
また、供給配管中における塗布液の流速は、供給配管中で塗布液を送り出すポンプの設定により算出される。
尚、レイノルズ数を上記範囲に制御する方法としては、例えば、図5に示す塗布装置であれば、浸漬槽53につながる供給配管24の内径(配管径L1(m))や、供給配管24中における塗布液52の流速、循環させる塗布液52の動粘度の調整によって浸漬槽53中でのレイノルズ数が制御される。
(感光体の構成)
本実施形態に係る感光体は、基体上に感光層を少なくとも有し、且つ最表面層がフッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤とを含有し、前述のフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキの数値範囲を満たすものであれば、その層構成等に特に限定はない。本実施形態に係る感光層は電荷輸送能と電荷発生能とを併せ持つ機能一体型の感光層であってもよいし、電荷輸送層と電荷発生層とを含む機能分離型の感光層であってもよい。さらには、下引層や中間層、保護層等のその他の層を設けてもよい。
以下、本実施形態に係る感光体の構成について、図1乃至図4を参照して説明するが、本実施形態は図1乃至図4によって限定されることはない。
図1は、本実施形態に係る感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。図1中、1は基体、2は感光層、2Aは電荷発生層、2Bは電荷輸送層、4は下引層を表す。
図1に示す感光体は、基体1上に、下引層4、電荷発生層2A、電荷輸送層2Bがこの順に積層された層構成を有し、感光層2は電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの2層から構成される。
尚、図1に示す感光体においては電荷輸送層2Bが最表面層であり、該電荷輸送層2Bがフッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤とを含有し、且つ前述のフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキの数値範囲を満たす。
図2は、本実施形態に係る感光体の層構成の他の例を示す模式断面図であり、図2中に示した符号は、図1中に示したものと同様である。
図2に示す感光体は、基体1上に、下引層4、電荷輸送層2B、電荷発生層2Aがこの順に積層された層構成を有し、感光層2は電荷輸送層2Bおよび電荷発生層2Aの2層から構成される。
尚、図2に示す感光体においては電荷発生層2Aが最表面層であり、該電荷発生層2Aがフッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤とを含有し、且つ前述のフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキの数値範囲を満たす。
図3は、本実施形態に係る感光体の層構成の他の例を示す模式断面図であり、図3中、6は機能一体型の感光層を表し、他は、図1中に示したものと同様である。
図3に示す感光体は、基体1上に、下引層4、感光層6がこの順に積層された層構成を有し、感光層6は、図1に示す電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの機能が一体となった層である。
尚、図3に示す感光体においては機能一体型の感光層6が最表面層であり、該感光層6がフッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤とを含有し、且つ前述のフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキの数値範囲を満たす。
図4は、本実施形態に係る感光体の層構成の他の例を示す模式断面図であり、図4中、5は保護層を表し、他は、図1中に示したものと同様である。
図4に示す感光体は、基体1上に、下引層4、電荷発生層2A、電荷輸送層2B、保護層5がこの順に積層された層構成を有し、感光層2は電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの2層から構成される。
尚、図4に示す感光体においては保護層5が最表面層であり、該保護層5がフッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤とを含有し、且つ前述のフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキの数値範囲を満たす。
以下、本実施形態に係る感光体の各層について、図1に示す感光体を代表例として取り上げて説明する。
・基体
図1に示す感光体において、基体1としては、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、およびアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等、あるいは導電性付与剤を塗布、または含浸させた紙、およびプラスチックフィルム等が挙げられる。基体1の形状はドラム状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。
基体1として金属パイプを用いる場合、表面は素管のままであってもよいし、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニングなどの処理が行われていてもよい。
・下引層
下引層4は、基体1表面における光反射の防止、基体1から感光層2への不要なキャリアの流入の防止などの目的で設けられる。下引層4の材料としては、アルミニウム、銅、ニッケル、銀などの金属粉体や、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの導電性金属酸化物や、カーボンファイバ、カーボンブラック、グラファイト粉末などの導電性物質等を結着樹脂に分散し、基体1上に塗布したものが挙げられる。また、金属酸化物粒子は2種以上混合して用いてもよい。さらに、金属酸化物粒子へカップリング剤による表面処理を行うことで、粉体抵抗を制御して用いてもよい。
下引層4に含まれる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などが用いられる。中でも上層(即ち下引層4に対し基体1とは反対側の層)の塗布溶剤に不溶な樹脂が望ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが望ましく用いられる。
下引層4中の金属酸化物粒子と結着樹脂との比率は特に制限されず、感光体の特性を得られる範囲で任意に設定し得る。
下引層4の形成の際には、上記成分を溶媒に加えた塗布液が使用される。かかる溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤は単独または2種以上混合して用いられる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶解し得るものであれば、いかなるものでも使用される。
また、下引層形成用塗布液中に金属酸化物粒子を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や、液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
このようにして得られる下引層形成用塗布液を基体1上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。下引層4の膜厚は15μm以上が望ましく、20μm以上50μm以下がより望ましい。
下引層4には、表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子を添加してもよい。該樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子、架橋型PMMA樹脂粒子等が用いられる。
また、表面粗さ調整のために下引層4の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等が用いられる。
・中間層
また、図示は省略するが、下引層4上に中間層をさらに設けてもよい。中間層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などがある。これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いられる。中でも、ジルコニウムもしくはシリコンを含有する有機金属化合物が優れている。
中間層の形成に使用される溶媒としては、公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。また、これらの溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いられる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶かし得る溶剤であれば、いかなるものでも使用される。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層を形成する場合には、その膜厚が0.1μm以上3μm以下の範囲が望ましい。また、この場合の中間層を下引層4として使用してもよい。
・電荷発生層
図1に示す感光体における電荷発生層2Aは、電荷発生材料を結着樹脂中に分散して形成される。かかる電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が使用される。特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜および28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜および28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜および28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜および27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が使用される。またその他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等が使用される。尚、これらの電荷発生材料は単独または2種以上を混合して使用される。
電荷発生層2Aにおける結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が用いられる。これらの結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いられる。電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、10:1乃至1:10の範囲が望ましい。
電荷発生層2Aの形成の際には、上記成分を溶剤に加えた塗布液が使用される。かかる溶剤としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いられる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶解し得るものであれば、いかなるものでも使用される。
電荷発生材料を樹脂中に分散させるために、塗布液には分散処理を施してもよい。分散方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や、液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
このようにして得られる塗布液を下引層4上(前記中間層を有する場合には該中間層上)に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。電荷発生層2Aの膜厚は、望ましくは0.01μm以上5μm以下、より望ましくは0.05μm以上2.0μm以下の範囲である。
・電荷輸送層
図1に示す電荷輸送層2Bは感光体における最表面層に相当し、前述の通り、フッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤とを含有し、且つ断面を観察した際の前記式(1)で表されるフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキが0%以上10%以下である。
(1)フッ素系樹脂粒子
フッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を選択して用いられる。尚、さらに望ましくは4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂であり、特に望ましくは4フッ化エチレン樹脂である。
用いるフッ素系樹脂粒子の平均一次粒径は0.05μm以上1μm以下が望ましく、更に望ましくは0.1μm以上0.5μm以下である。
尚、上記フッ素系樹脂粒子の平均一次粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置LA−700(堀場製作所製)を用いて、フッ素系樹脂粒子が分散された分散液と同じ溶剤に希釈した測定液を屈折率1.35で測定した値をいう。
(2)分散助剤
まず、フッ素系樹脂粒子の「分散助剤」とは、PTFE粒子等の前記フッ素系樹脂粒子の分散性を向上させる機能を有し、前記フッ素系樹脂粒子表面への吸着性を維持しながら、最表面層に含まれる結着樹脂との相溶性を保持し得る化合物を指す。
上記分散助剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、シリコーンオイル等が挙げられる。中でもフッ素系ポリマーさらにはフッ素系くし型グラフトポリマーが望ましく、フッ素系くし型グラフトポリマーとしては、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、スチレン化合物より選ばれたマクロモノマーおよびパーフルオロアルキルエチルメタクリレートよりグラフト重合された樹脂が望ましい。
これらの中でも、特に下記構造式Aおよび下記構造式Bで表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(以下単に「特定の共重合体」と称する場合がある)が望ましい。

構造式Aおよび構造式Bにおいて、l、mおよびnは1以上の正数を、p、q、rおよびsは0または1以上の正数を、tは1以上7以下の正数を、R、R、RおよびRは水素原子またはアルキル基を、Xはアルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−S−、−O−、−NH−または単結合を、Yはアルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−(C2z−1(OH))−または単結合を、zは1以上の正数を表す。
上記特定の共重合体は上記構造式Aおよび構造式Bで表される繰り返し単位を含むものであるが、構造式Aにおけるtが1以上7以下であることにより、フッ素系樹脂粒子へのフッ素系グラフトポリマー(即ち、上記特定の共重合体)の吸着性を維持しながら、表面層に含まれる結着樹脂との相溶性が保持される。構造式Aにおけるtのより望ましい範囲は2以上6以下である。
上記特定の共重合体は構造式Aおよび構造式Bで表される繰り返し単位を含むフッ素系グラフトポリマーであり、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物等からなるマクロモノマーおよびパーフルオロアルキルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレートを用いて、例えばグラフト重合により合成される樹脂である。ここで、(メタ)アクリレートはアクリレートまたはメタクリレートを示す。
上記特定の共重合体において、構造式Aと構造式Bとの含有比、即ちl:mの比率は、1:9乃至9:1が望ましく、3:7乃至7:3がさらに望ましい。
構造式Aおよび構造式Bにおいて、R、R、RおよびRで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。R、R、RおよびRとしては、水素原子、メチル基が望ましく、これらの中でもメチル基がさらに望ましい。
図1に示す最表面層たる電荷輸送層2Bにおける、上記特定の共重合体の含有量は、フッ素系樹脂粒子の最表面層中の含有量(質量基準)に対して1質量%以上5質量%以下であることが望ましい。
最表面層たる電荷輸送層2Bの固形分全量に対するフッ素系樹脂粒子の含有量は、1質量%以上15質量%以下が望ましく、2質量%以上12質量%以下がさらに望ましい。
(3)その他の組成
電荷輸送層2Bは上記成分に加えて、電荷輸送層としての本来的機能を発現させるための電荷輸送材料、さらには結着樹脂を含む。かかる電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質、クロラニル、ブロアントラキノン等のキノン系化合物、テトラアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質、および上記した化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、1種または2種以上を組み合わせて使用される。
また、電荷輸送層2Bにおける結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、塩素ゴム等の絶縁性樹脂、およびポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いられる。
電荷輸送層2Bは、上記成分を溶剤に加えた塗布液を用いて形成される。電荷輸送層の形成に使用される溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。また、これらの溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いられる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶解し得るものであれば、いかなるものも使用される。電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は10:1乃至1:5が望ましい。
(4)電荷輸送層の形成
図1に示す最表面層たる電荷輸送層2Bの形成は、フッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキを前述の数値範囲に制御する観点から、以下の本実施形態に係る感光体の製造方法によって製造することが望ましい。
即ち、最表面層(つまり図1では電荷輸送層2B)以外の全ての層(つまり図1では下引層4と電荷発生層2A)を形成した基体1を、レイノルズ数が2000以上5000以下である最表面層(電荷輸送層2B)形成用の塗布液中に浸漬し、その後該塗布液中から前記基体を取り出して最表面層を形成することが望ましい。
尚、最表面層形成用の塗布液におけるレイノルズ数は、前述の方法によって計算される。
ここで、最表面層形成用の塗布液におけるレイノルズ数は、前記最表面層(図1では電荷輸送層2B)以外の全ての層(図1では下引層4と電荷発生層2A)を形成した基体1を浸漬するための前記最表面層形成用の塗布液が供給された浸漬槽、該浸漬槽における前記塗布液を循環させるための循環機構として前記浸漬槽に前記塗布液を供給するための供給配管および前記浸漬槽から塗布液を回収するための回収機構を有する塗布装置を用いる場合であれば、前記供給配管の内径や、供給配管中における塗布液の流速、塗布液の動粘度を制御することによって調整される。
ここで、前記基体1を最表面層形成用の塗布液中に浸漬し、且つ該塗布液中から前記基体を取り出して最表面層(電荷輸送層2B)を形成する方法について説明する。
・浸漬塗布法
前記基体1を最表面層(電荷輸送層2B)形成用の塗布液に浸漬して取り出す浸漬塗布法に関し、図面を用いてその一例を説明する。
図5は、浸漬塗布装置の構造を示す概略断面図である。なお、本明細書において、「基体を上昇」とは、基体と最表面層形成用の塗布液の液面との相対関係であり、基体を固定し、液面を下降させる場合を含む。
図5に示すのは、塗布液を循環させる方式の浸漬槽53であり、最表面層形成用の塗布液52を該浸漬槽53に入れ、昇降手段10によりその塗布液52中に基体51を浸漬し、次いで取り出す(上昇させる)ことにより塗布が行われ、塗膜が形成される。
尚、上記浸漬槽53より溢れた塗布液52は回収容器21によって回収されて回収タンク22に収容される。その後回収タンク22と浸漬槽53とを接続した供給配管24の途中に設けられたポンプ23により浸漬槽53に向け供給され、さらにフィルタ26を経由して供給配管24を通り浸漬槽53に供給される。
上記浸漬槽53の中における最表面層形成用の塗布液52のレイノルズ数は、前記の通り2000以上5000以下に制御される。具体的には、前述の通り浸漬槽53につながる供給配管24の内径(配管径L1(m))や、供給配管24中における塗布液52の流速、循環させる塗布液52の動粘度によって制御する。
こうして塗膜が形成された後、乾燥することによって最表面層たる電荷輸送層2Bが形成される。
電荷輸送層2Bの膜厚は、望ましくは5μm以上50μm以下、より望ましくは10μm以上40μm以下の範囲である。
ここで、最表面層(電荷輸送層2B)形成用の塗布液の調製方法について説明する。まず、最表面層たる電荷輸送層2Bを形成するのに用いられる電荷輸送層形成用の塗布液中にフッ素系樹脂粒子を分散させるための分散方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や、液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
本実施形態において、電荷輸送層形成用の塗布液の調製方法については特に限定されるものではなく、フッ素系樹脂粒子と分散助剤と結着樹脂と電荷輸送材料と溶剤と、更に必要であればその他の成分とを混合し、上述の分散機を用いて調製される。また、フッ素系樹脂粒子と分散助剤と溶剤とを含む混合液Aおよび結着樹脂と電荷輸送材料と溶剤とを含む混合液Bの2液を別々に準備した後に、これら混合液Aおよび混合液Bを混合することにより調製してもよい。
更に、結着樹脂を含む溶剤にフッ素系樹脂粒子と分散助剤とを添加して混合液A’を準備し、この混合液A’と上述の混合液Bとを混合することにより電荷輸送層形成用の塗布液を調製してもよい。
混合液A’に含まれる結着樹脂の量は、フッ素系樹脂粒子に対して1質量%以上70質量%以下が望ましく、5質量%以上30質量%以下がさらに望ましい。
また、最表面層たる電荷輸送層2Bを形成するための塗布液中におけるフッ素系樹脂粒子の粒度分布は、85以上95以下であることが望ましく、90以上95以下であることがより望ましい。
尚、上記塗布液中におけるフッ素系樹脂粒子の粒度分布は以下の方法により測定される。
まず、電荷輸送層におけるフッ素系樹脂粒子以外の成分を溶解させ、且つフッ素系樹脂粒子を膨潤させない溶媒を用いる。該溶媒に電荷輸送層を溶解させてフッ素系樹脂粒子の1質量%溶解液を調製する。前記溶解液におけるフッ素系樹脂粒子の粒度分布の測定は、該溶解液1mlと溶媒10mlをバッチ式セル中で攪拌し、堀場製作所製粒度分布計(LA−920)で測定し求められる。
尚、電荷輸送層を溶解する前記溶媒として具体的には、電荷輸送層形成用塗布液の溶媒が挙げられる。この溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶媒、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合して用いてもよい。
尚、図2および図4に示すごとく、電荷輸送層2Bが最表面層でない場合には、その他の最表面を構成する層に前記フッ素系樹脂粒子や該フッ素系樹脂粒子の分散助剤が含有され、且つその他の最表面を構成する層において前述のフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキの数値範囲が満たされる。
また、電荷輸送層2Bが最表面層でない場合には上記以外の方法によっても電荷輸送層2Bを形成し得る。例えば、電荷輸送層形成用の塗布液を塗布する方法としては、上記の浸漬塗布法の他にも、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
また、図2に示すごとく、電荷発生層2Aが最表面層である場合には、該電荷発生層2Aは、フッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤とを含有し、且つ断面を観察した際の前記式(1)で表されるフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキが0%以上10%以下である。
この場合の電荷発生層2Aの形成は、前述の最表面層たる電荷輸送層2Bの形成方法に準じて行われることが望ましい。
更に、図3に示すごとく、機能一体型の感光層6が最表面層である場合には、該機能一体型の感光層6は、フッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤とを含有し、且つ断面を観察した際の前記式(1)で表されるフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキが0%以上10%以下である。
この場合の機能一体型の感光層6の形成は、前述の最表面層たる電荷輸送層2Bの形成方法に準じて行われることが望ましい。
・保護層
図4に示す感光体は、図1に示す感光体の最表面にさらに保護層5を有する態様である。該保護層5は感光体における最表面層に相当し、前述の通り、フッ素系樹脂粒子と該フッ素系樹脂粒子の分散助剤とを含有し、且つ断面を観察した際の前記式(1)で表されるフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキが0%以上10%以下である。
図4に示す保護層5に含有されるフッ素系樹脂粒子および該フッ素系樹脂粒子の分散助剤としては、前述の図1に示す電荷輸送層2Bに含有されるフッ素系樹脂粒子および該フッ素系樹脂粒子の分散助剤がそのまま適用される。
また、保護層5の形成は、前述の最表面層たる電荷輸送層2Bの形成方法に準じて行われることが望ましい。
以下においては、フッ素系樹脂粒子および該フッ素系樹脂粒子の分散助剤以外の保護層5の組成について説明する。
保護層は、導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させ、且つフッ素系樹脂粒子および該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含有させた塗布液を感光層上に塗布することにより形成される。
この導電性材料は特に限定されるものではなく、例えば、N,N’−ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫とアンチモン、硫酸バリウムと酸化アンチモンとの固溶体の担体、上記金属酸化物の混合物、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛または硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を混合したもの、或いは、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、または硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を被覆したもの等が挙げられる。
保護層に使用する結着樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の公知の樹脂が用いられる。また、これらは互いに架橋させて使用してもよい。
保護層の膜厚は1μm以上20μm以下であることが望ましく、2μm以上10μm以下であることがより望ましい。
保護層を形成するための塗布液に用いる溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を、単独であるいは2種以上を混合して用いられるが、この塗布液が塗布される感光層を溶解しにくい溶剤を用いることが望ましい。
<プロセスカートリッジおよび画像形成装置>
次に、本実施形態の電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジおよび画像形成装置について説明する。
本実施形態のプロセスカートリッジは、本実施形態の電子写真感光体を用いたものであれば特に限定されないが、具体的には、本実施形態の電子写真感光体と、帯電装置、現像装置およびクリーニング装置から選択された少なくとも1つとを一体として有するものであり、画像形成装置本体に脱着自在である構成を有するものであることが望ましい。
また、本実施形態の画像形成装置は、本実施形態の電子写真感光体を用いたものであれば特に限定されないが、具体的には、本実施形態の電子写真感光体と、この電子写真感光体表面を帯電させる帯電装置と、帯電装置により帯電される電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光装置(潜像形成装置)と、静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像装置と、トナー像を記録媒体に転写する転写装置とを備えた構成を有するものである。なお、本実施形態の画像形成装置は、各色のトナーに対応した感光体を複数有するいわゆるタンデム機であってもよく、この場合、全ての感光体が本実施形態の電子写真感光体であることが望ましい。また、トナー像の転写は、中間転写体を利用した中間転写方式であってもよい。
ここで、図6は本実施形態のプロセスカートリッジの基本構成の一例を示す概略構成図である。
図6に示すプロセスカートリッジ100は、電子写真感光体107とともに、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部105、および除電器114を取り付け、ケース101、取り付けレール103を用いて組み合せて一体化したものである。そして、このプロセスカートリッジ100は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とを含む画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、電子写真装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
図7は、本実施形態の画像形成装置の基本構成の一例を示す概略構成図である。
図7に示す画像形成装置200は、電子写真感光体207と、電子写真感光体207を接触方式により帯電させる帯電装置208と、帯電装置208に接続された電源209と、帯電装置208により帯電される電子写真感光体207を露光する露光装置210と、露光装置210により露光された部分を現像する現像装置211と、現像装置211により電子写真感光体207に現像された像を転写する転写装置212と、クリーニング装置213と、除電器214と、定着装置215とを備える。
以下、実施例および比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
・下引層の形成
酸化亜鉛(平均粒子径:70nm、テイカ社製、比表面積値:15m/g)100質量部をメタノール500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤として、KBM603(信越化学社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、メタノールを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛粒子を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛粒子60質量部と、アリザリン0.6質量部と、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3173、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部と、ブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部と、をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部を、メチルエチルケトン25質量部と共に混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間の分散を行い分散液を得た。得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)4.0質量部とを添加し、下引層形成用塗布液を得た。この塗布液を、浸漬塗布法にて直径24mmのアルミニウム基材上に塗布し、180℃40分の乾燥硬化を行い厚さ23.5μmの下引層を形成した。
・電荷発生層の形成
次に、電荷発生材料として、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜および28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10質量部およびn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散して電荷発生層形成用塗布液を得た。この塗布液を前記下引層上に浸漬塗布し、乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を形成した。
・電荷輸送層の形成
次に、(A)4フッ化エチレン樹脂粒子(フッ素系樹脂粒子/平均一次粒径:0.2μm)0.5質量部および下記構造式で表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(分散助剤/重量平均分子量50,000、l:m=1:1、s=1、n=60)0.01質量部を、テトラヒドロフラン4質量部、トルエン1質量部と共に20℃の液温に保ち、48時間攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を得た。次に、(B)電荷輸送物質としてN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン2質量部、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン2質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)6質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1質量部を混合してテトラヒドロフラン24質量部およびトルエン11質量部を混合溶解した。上記B液に上記A液を加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、500kgf/cmまで昇圧しての分散処理を6回繰り返した液に、ジメチルシリコーンオイル(商品名:KP−340 信越シリコーン社製)を5ppm添加し、十分に攪拌して電荷輸送層形成用塗布液を得た。

ここで、上記電荷輸送層形成用塗布液の動粘度を下記の式により計算した。尚、粘度は、東洋計器製B型粘度計にて液温度24℃における粘度の測定を行った。また、密度は、京都電子工業株式会社製密度比重計にて液温度24℃における密度の測定を行なった。
動粘度(m/s)=粘度(mPa・s)/密度(g/cmW)/1000000
その結果、動粘度は0.000025(m/s)であった。
循環機構を備えた浸漬槽を有する図5に示す浸漬塗布装置を用意し、レイノルズ数が2120(供給配管24中における塗布液の流速5.3(m/s)、供給配管の内径0.01(m)、塗布液の動粘度0.000025(m/s))の乱流となるように調整された該浸漬層53に前記電荷輸送形成用塗布液を注いだ。図5に示す装置にて浸漬塗布法により前記電荷輸送形成用塗布液を前記電荷発生層上に塗布し、135℃で25分間乾燥し、最表面層として膜厚が22μmの電荷輸送層を形成して、目的の感光体を得た。
このようにして得られた感光体を用いて、以下のテストを行なった。
<評価>
−フッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキ−
既述の方法により、最表面層の断面を観察して、前記式(1)で表されるフッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキを算出した。算出結果を表1に示す。
尚、実施例1において最表面層の断面は、図8の(A)に示すごとくフッ素系樹脂粒子の凝集が抑制されて疎密が抑制され、また表面における木目筋は確認されなかった。
−クリーニング不良−
接触型直流電圧帯電システム、低電圧転写システムを有するDocuPrint C1100改造機(富士ゼロックス社製)に前記感光体を搭載し、A4短手方向を用紙走行方向として100000枚の連続プリントを行ったのち、ハーフトーン画質をプリントし、そのクリーニング不良によるハーフトーン画質筋の発生の評価を行った。結果を表1に示す。尚、評価基準は以下のとおりである。
○:ハーフトーン画質筋の発生はない
△:ハーフトーン画質筋の発生が確認されるが許容範囲である
×:ハーフトーン画質筋が顕著に発生し許容できないレベルである
[実施例2]
実施例1の電荷輸送層の形成において、浸漬槽53中における電荷輸送層形成用塗布液のレイノルズ数が3560(供給配管24中における塗布液の流速8.9(m/s)、供給配管の内径0.01(m)、塗布液の動粘度0.000025(m/s))になるように調整された浸漬塗布装置を用いて、電荷輸送層の形成を行った以外は、実施例1に記載の方法により感光体を作製し、評価を行った。
尚、実施例2において最表面層の断面は、図8の(A)に示すごとくフッ素系樹脂粒子の凝集が抑制されて疎密が抑制され、また表面における木目筋は確認されなかった。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1の電荷輸送層の形成において、浸漬槽53中における電荷輸送層形成用塗布液のレイノルズ数が5080(供給配管24中における塗布液の流速12.7(m/s)、供給配管の内径0.01(m)、塗布液の動粘度0.000025(m/s))になるように調整された浸漬塗布装置を用いて、電荷輸送層の形成を行った以外は、実施例1に記載の方法により感光体を作製し、評価を行った。
尚、実施例3において最表面層の断面は、図8の(A)に示すごとくフッ素系樹脂粒子の凝集が抑制されて疎密が抑制され、また表面における木目筋は確認されなかった。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1の電荷輸送層の形成において、浸漬槽53中における電荷輸送層形成用塗布液のレイノルズ数が1880(供給配管24中における塗布液の流速4.7(m/s)、供給配管の内径0.01(m)、塗布液の動粘度0.000025(m/s))になるように調整された浸漬塗布装置を用いて、電荷輸送層の形成を行った以外は、実施例1に記載の方法により感光体を作製し、評価を行った。
尚、比較例1において最表面層の断面は、図8の(B)に示すごとくフッ素系樹脂粒子の凝集が発生し疎密が確認され、また表面における木目筋が確認された。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1の電荷輸送層の形成において、浸漬槽53中における電荷輸送層形成用塗布液のレイノルズ数が1520(供給配管24中における塗布液の流速3.8(m/s)、供給配管の内径0.01(m)、塗布液の動粘度0.000025(m/s))になるように調整された浸漬塗布装置を用いて、電荷輸送層の形成を行った以外は、実施例1に記載の方法により感光体を作製し、評価を行った。
尚、比較例2において最表面層の断面は、図8の(B)に示すごとくフッ素系樹脂粒子の凝集が発生し疎密が確認され、また表面における木目筋が確認された。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1の電荷輸送層の形成において、浸漬槽53中における電荷輸送層形成用塗布液のレイノルズ数が1000(供給配管24中における塗布液の流速2.5(m/s)、供給配管の内径0.01(m)、塗布液の動粘度0.000025(m/s))になるように調整された浸漬塗布装置を用いて、電荷輸送層の形成を行った以外は、実施例1に記載の方法により感光体を作製し、評価を行った。
尚、比較例3において最表面層の断面は、図8の(B)に示すごとくフッ素系樹脂粒子の凝集が発生し疎密が確認され、また表面における木目筋が確認された。結果を表1に示す。

1,51 基体、2 感光層、2A 電荷発生層、2B 電荷輸送層、4 下引層、5 保護層、6 機能一体型の感光層、10 昇降手段、21 回収容器、22 回収タンク、23 ポンプ、24 供給配管、26 フィルタ、52 塗布液、53 浸漬槽、100 プロセスカートリッジ、107,207 感光体、108,208 帯電装置、111,211 現像装置、112,212 転写装置、113,213 クリーニング装置、114,214 除電器、115,215 定着装置、200 画像形成装置、210 露光装置

Claims (4)

  1. 基体と、該基体上に感光層と、を有し、
    且つ最表面を構成する層が、フッ素系樹脂粒子および該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含有し、該最表面を構成する層の断面を観察した際の下記式(1)で表される前記フッ素系樹脂粒子の面積比のバラツキが0%以上10%以下である電子写真感光体。
    式(1)
    面積比のバラツキ = (粒子面積最大値−粒子面積平均値)/粒子面積最大値
  2. 最表面を構成する層以外の全ての層を形成した基体を、フッ素系樹脂粒子および該フッ素系樹脂粒子の分散助剤を含有し且つレイノルズ数が2000以上5000以下である最表面を構成する層形成用の塗布液中に浸漬し、その後該塗布液中から前記基体を取り出して最表面を構成する層を形成する工程を有する電子写真感光体の製造方法。
  3. 電子写真感光体の表面の静電潜像を現像して得られたトナー像を記録媒体に転写して、該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に対して着脱自在であり、
    請求項1に記載の電子写真感光体と、帯電装置、現像装置およびクリーニング装置から選択された少なくとも1つと、を備えたプロセスカートリッジ。
  4. 請求項1に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電する帯電装置と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
    前記電子写真感光体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
    を備えた画像形成装置。
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