JP2011089896A - 周波数測定装置、周波数測定方法及び周波数測定装置を備える電子機器 - Google Patents

周波数測定装置、周波数測定方法及び周波数測定装置を備える電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2011089896A
JP2011089896A JP2009243741A JP2009243741A JP2011089896A JP 2011089896 A JP2011089896 A JP 2011089896A JP 2009243741 A JP2009243741 A JP 2009243741A JP 2009243741 A JP2009243741 A JP 2009243741A JP 2011089896 A JP2011089896 A JP 2011089896A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
sampling
signal
measurement
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009243741A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5780380B2 (ja
Inventor
Masayoshi Gohara
正義 轟原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2009243741A priority Critical patent/JP5780380B2/ja
Publication of JP2011089896A publication Critical patent/JP2011089896A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5780380B2 publication Critical patent/JP5780380B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Frequencies, Analyzing Spectra (AREA)

Abstract

【課題】短ゲートタイムカウント方式の周波数測定装置においてパターン雑音の影響を低減する。
【解決手段】供給される被測定信号の周波数を所定のサンプリング信号で計測して計数値列を得てこれにフィルタ処理を施して周波数に対応した計数値出力を出力する短ゲートタイムカウント方式の第1及び第2周波数測定装置C1,C2と、サンプリング信号を複数のサンプリング周波数のいずれかに設定する信号発生部140と、選択部50と、予め被測定信号の測定周波数とパターン雑音が発生する雑音発生周波数との関係を複数のサンプリング周波数について保持する保持部130と、制御部100と、を備える。
【選択図】図9

Description

本発明は周波数測定装置および電子機器等に関し、特に、被測定信号を所定のサンプリング周期で連続的に計数し、計数値列から高周波成分を除いて周波数変動成分を検出する短ゲートタイムカウント方式周波数測定装置の改良に関する。
周波数測定の方式には、決められたゲートタイム内に通過するパルスをカウントする直接カウント方式(例えば、特許文献1参照)、パルス周期を正確に計測しその時間の逆数から周波数を求めるレシプロカル方式(例えば、特許文献2参照)、ΔΣ変調信号を得る
ことで周波数を知る方式(例えば、特許文献3参照)が知られている。
特開2001−119291号公報 特開平5−172861号公報 米国特許第7230458号
出願人は、上記に加え新たな提案として、短ゲートタイムカウント方式(短ゲートカウント方式、短ゲート方式)による周波数測定装置を提案している(特願2008−099721号)。
この周波数カウント方式は、所定の短いゲートタイムでパルス列状の被測定信号を途切れることなく繰り返しカウント(サンプリング)し、得られたカウント値の列から高周波成分を取り除く(フィルタリング)ようにしたもので、時間分解能・周波数分解能ともに大幅に改善することができる。本方式の周波数カウンタは、カウンタ回路と小規模な演算回路で構成することが可能であり、回路規模の増大を抑えつつマルチチャネル化が容易であるという特長を持つ。また、サンプリング周波数を高めるほど分解能が向上する等の特徴がある。
しかしながら、この短ゲートタイムカウント方式においては、一定の条件下においてパターン雑音が発生する。パターン雑音は原理的に避けることはできない。これを問題ないレベルまで低減するには、サンプリング周波数を高めることやローパスフィルタの特性を改善する(フィルタの段数を増やす)ことで対処することが出来る。その反面、サンプリング周波数を高めに設定するものとすれば周波数測定の周波数分解能が制限される。また、周波数測定装置のローパスフィルタの段数を高くすれば周波数測定の時間分解能が低下する。
本発明の一態様は短ゲートタイムカウント方式の周波数測定装置において、パターン雑音の影響を低減するものである。
また、本発明の一態様は短ゲートタイムカウント方式の周波数測定装置において、周波数分解能や時間分解能を低下させずにパターン雑音の影響を低減するものである。
上記課題に対応する本発明の実施の形態の周波数測定装置は、供給される被測定信号の周波数を所定のサンプリング信号で計測して計数値列を得てこれにフィルタ処理を施して前記周波数に対応した計数値出力を出力する短ゲートタイムカウント方式の第1及び第2周波数測定装置と、指令信号に応じて上記第1及び第2周波数測定装置の各々のサンプリング信号を複数のサンプリング周波数のいずれかに設定する信号発生部と、指令信号に応じて上記第1及び第2周波数測定装置の各々の出力のうちいずれかを選択して計数値出力とする選択部と、予め被測定信号の測定周波数とパターン雑音が発生する雑音発生周波数との関係を上記複数のサンプリング周波数について保持する保持部と、上記第1周波数測定装置に第1サンプリング周波数を設定して上記選択部に上記第1周波数測定装置の出力を選択させ、上記第2周波数測定装置に上記第1サンプリング周波数の第1雑音発生周波数では雑音が発生しない第2サンプリング周波数を設定し、上記第1周波数測定装置における測定周波数が上記第1雑音発生周波数に接近したときに上記第2周波数測定装置の出力の選択を上記選択部に指令し、上記第1周波数測定装置に上記第2サンプリング周波数の第2雑音発生周波数では雑音が発生しない第1又は第3サンプリング周波数を設定する、制御部と、を備える。
ここで、「雑音が発生しない」は測定上問題となる所定値以上の雑音が発生しないという程度のことであり、雑音レベル(強度)が0に限定されるものではない。以下同様である。
かかる構成とすることによって、予め一方の周波数測定装置におけるパターン雑音の発生が予測される周波数において他方の周波数測定装置をパターン雑音が生じない(雑音レベルが低い)サンプリング周波数(あるいは動作点パラメータ)に設定しておいて、一方の周波数測定装置における測定周波数がパターン雑音の発生する周波数に接近したときに他方の周波数測定装置の出力に切換えることができ、測定出力中へのパターン雑音の発生を回避することが出来る。これにより、時間分解能を犠牲にせずに周波数分解能を改善することができ、SN比の良い出力が得られる。なお、動作点パラメータについては後述する。
また、本発明の実施の形態の周波数測定装置は、供給される被測定信号の周波数を所定のサンプリング信号で計測して計数値列を得て、該被測定信号の周波数に対応した一連の計数値出力を出力する第1及び第2短ゲートタイムカウンタ部と、上記一連の計数値出力をフィルタリングして上記被測定信号の周波数に対応する信号を出力するローパスフィルタと、指令信号に応じて上記第1及び第2短ゲートタイムカウンタ部の出力のうちいずれかを選択して上記ローパスフィルタに出力する選択部と、指令信号に応じて上記第1及び第2短ゲートタイムカウンタ部の各々のサンプリング信号を複数のサンプリング周波数のいずれかに設定する信号発生部と、予め被測定信号の測定周波数とパターン雑音が発生する雑音発生周波数との関係を上記複数のサンプリング周波数について保持する保持部と、上記選択部に上記第1短ゲートタイムカウンタ部の出力の選択を指令し、上記信号発生部に上記第1短ゲートタイムカウンタ部への第1サンプリング周波数の設定と上記第2短ゲートタイムカウンタ部への上記第1サンプリング周波数の第1雑音発生周波数では雑音が発生しない第2サンプリング周波数の設定を指令し、上記第1短ゲートタイムカウンタ部における測定周波数が上記第1雑音発生周波数に接近したときに、上記選択部に上記第2短ゲートタイムカウンタ部の出力の選択を指令し、上記信号発生部に上記第1短ゲートタイムカウンタ部に上記第2サンプリング周波数の第2雑音発生周波数では雑音が発生しない第1又は第3サンプリング周波数の設定を指令する、制御部と、を備える。
かかる構成によっても、予め一方の周波数測定装置におけるパターン雑音の発生が予測される周波数において他方の周波数測定装置をパターン雑音が生じない(雑音レベルが低い)サンプリング周波数(あるいは動作点パラメータ)に設定しておいて、一方の周波数測定装置における測定周波数がパターン雑音の発生する周波数に接近したときに他方の周波数測定装置の出力に切換えることができ、測定出力中へのパターン雑音の発生を回避することが出来る。これにより、時間分解能を犠牲にせずに周波数分解能を改善することができ、SN比の良い出力が得られる。また、ローパスフィルタを共用することによって回路の部品点数を削減することが出来る。
また、本発明の実施の形態の周波数測定装置は、供給される被測定信号の周波数を所定のサンプリング信号で計測して計数値列を得てこれにローパスフィルタによる処理を施して上記周波数に対応した計数値出力を出力する短ゲートタイムカウント方式の周波数測定装置と、指令信号に応じて上記サンプリング信号のサンプリング周波数を設定する信号発生部と、予め被測定信号の測定周波数とパターン雑音が発生する雑音発生周波数との関係を複数のサンプリング周波数について保持する保持部と、上記計測値出力が現在のサンプリング周波数において上記雑音発生周波数に接近したときに上記現在のサンプリング周波数から当該接近した雑音発生周波数において雑音を発生しない他のサンプリング周波数への切換えを上記信号発生部に指令する制御部と、を備える。
かかる構成とすることによっても、短ゲートタイムカウント方式の一つの周波数測定装置による周波数測定において、測定周波数がパターン雑音の発生する測定周波数に近づいたときにサンプリング周波数(あるいは動作点パラメータ)をパターン雑音の発生しないサンプリング周波数(あいるは動作点パラメータ)に変更することによってパターン雑音を回避することが出来る。計測途中でサンプリング周波数の切換を行っても計測値を得るタイミングが離散的でよい場合にはこのような測定装置(方法)を使用することが出来る。
上記ローパスフィルタの過渡応答特性が周波数測定間隔以下に設定されることが望ましい。それにより、サンプリング周波数を切り換えても各計測タイミングに出力の応答が間に合う。
更に、指令信号に応じて上記ローパスフィルタの出力又は上記選択部の出力を調整するスケーリング部を備え、上記制御部は、上記スケーリング部に上記周波数測定装置又は上記短ゲートタイムカウンタ部に設定したサンプリング周波数に対応するスケーリング係数を設定する、ことが望ましい。それにより、被測定信号の同一周波数に対して同じ計測値出力が得られ、出力の切換を滑らかにすることが出来る。
また、本発明の実施の形態の電子機器は、上述した周波数測定装置をモジュールとして搭載することを特徴とする。上述した周波数測定装置は、同じ性能を発揮するよう設計された従来型カウンタ(レシプロカルカウンタ)に比べ省電力で小型であるため、ある物理量を水晶振動子の周波数変化に変換するようにした水晶デバイスに使用して好適である。例えば、振動子基板表面の微量の質量変化を周波数変化に変換するようにしたQCM(Quartz Crystal Microbalance)デバイス(質量センサ、ニオイセンサ、ガスセンサ、バイオセンサ等)等に使用して好適である。また、これらを複数組み合わせて使用する機器に使用して好適である。
また、本発明の実施の形態の周波数測定方法は、供給される被測定信号の周波数を所定のサンプリング周波数で計測して計数値列を得てこれにフィルタ処理を施して上記周波数に対応した計数値出力を発生する短ゲートタイムカウント方式の第1及び第2周波数測定装置を少なくとも2つ設け、予め被測定信号の測定周波数とパターン雑音が発生する雑音発生周波数との関係あるいは動作点パラメータと雑音発生との関係を複数のサンプリング周波数について保持し、上記第1周波数測定装置に第1サンプリング周波数を設定して上記計数値出力を選択し、上記第2周波数測定装置に上記第1サンプリング周波数の第1雑音発生周波数ではパターン雑音が発生しない第2サンプリング周波数を設定しておき、上記第1周波数測定装置における測定周波数が上記第1雑音発生周波数に接近したときに上記第2周波数測定装置の計数値出力を選択し、上記第1周波数測定装置に上記第2サンプリング周波数の第2雑音発生周波数では雑音が発生しない第1又は第3サンプリング周波数を設定しておく、ものである。
更に、選択した上記計数値出力にサンプリング周波数に対応する出力調整を行う、ことが望ましい。それにより、切換の際の出力を滑らかにすることが出来る。
かかる周波数測定方法によれば、一方の周波数測定装置で測定中に他方の周波数測定装置を異なるサンプリング周波数で待機させておき、一方の周波数測定装置で測定周波数がパターン雑音の発生する周波数に近づいたときに、他方の周波数測定装置で測定を行うようにすることを相互に繰り返す。異なるサンプリング周波数(動作点パラメータ)で駆動しているため、各周波数測定装置におけるパターン雑音の発生状況を違えることができる。パターン雑音の発生状況が異なれば、各周波数測定装置の出力のパターン雑音ピークが重なることを避けることができる。従って、複数の各周波数測定装置の出力から最適な出力を選択することで雑音レベルを低減することができ、サンプリング周波数を高めることやフィルタの高次数化等の対応策をとらずに済み、時間分解能を犠牲にせずに周波数分解能を改善することができる。
短ゲートタイムカウント方式の周波数測定装置を説明する説明図である。 短ゲートタイムカウンタ部の構成例を説明図である。 他の短ゲートタイムカウンタ部の構成例を説明図である。 ローパスフィルタ部の構成例(アナログフィルタ)を説明する説明図である。 ローパスフィルタ部の構成例(デジタルフィルタ)を説明する説明図である。 短ゲートタイムカウンタ部の出力例を説明するグラフである。 ローパスフィルタ部の出力例を説明するグラフである。 短ゲートタイムカウント方式におけるパターン雑音を説明する説明図である。 第1実施例の短ゲートタイムカウント方式の周波数測定装置の構成例を説明する説明図である。 サンプリング周波数を238095.2Hzに設定した場合の被測定信号周波数の180kHz〜181kHzの範囲におけるパターン雑音強度分布の例を示すグラフである。 サンプリング周波数を236220.5Hzに設定した場合の被測定信号周波数の180kHz〜181kHzの範囲におけるパターン雑音強度分布の例を示すグラフである。 サンプリング周波数を234375.0Hzに設定した場合の被測定信号周波数の180kHz〜181kHzの範囲におけるパターン雑音強度分布の例を示すグラフである。 図10のグラフにおいてパターン雑音強度が0.1Hz以上のものにチェック(丸印)を入れたグラフである。 図11のグラフにおいてパターン雑音強度が0.1Hz以上のものにチェック(丸印)を入れたグラフである。 図12のグラフにおいてパターン雑音強度が0.1Hz以上のものにチェック(丸印)を入れたグラフである。 図13乃至図15でチェックしたパターン雑音強度が0.1Hzを越える被測定周波数とサンプリング周波数(分周数)との対応関係を示すテーブルである。 被測定信号の周波数を180283Hzから180291Hzに上昇させたときの周波数をレシプロカルカウンタを用いて精密測定した際の周波数をプロットしたグラフである。 図17の被測定信号をサンプリング周波数234375.0Hzの短ゲートカウントカウンタで測定した場合の周波数をプロットしたグラフである。 図17の被測定信号をサンプリング周波数236220.5Hzの短ゲートタイムカウンタで測定した場合の周波数をプロットしたグラフである。 実施例の周波数測定装置の出力を切り換えて動作させて測定した周波数をプロットしたグラフである。 実施例の制御部の選択動作を説明する説明図である。 第2実施例(ローパスフィルタ部とスケーリング部を共有化)を説明する説明図である。 第3実施例(短ゲートタイムカウンタ部のサンプリング周波数を切り換えて使用する例)を説明する説明図である。 第3実施例の制御部の切換動作を説明する説明図である。 被測定信号の周波数を180283Hzから180291Hzに上昇させたときの周波数をサンプリング周波数234375.0Hzの短ゲートタイムカウンタ部で測定した場合の周波数をプロットしたグラフである。 図25の被測定信号をサンプリング周波数236220.5Hzの短ゲートタイムカウンタ部で測定した場合の周波数をプロットしたグラフである。 図25に相当する連続出力値を0.05秒間隔で離散的にプロットしたグラフである。 図26に相当する連続出力値を0.05秒間隔で離散的にプロットしたグラフである。 第3実施例の周波数測定装置を動作させ被測定信号を離散的に測定した周波数をプロットしたグラフである。 第3実施例の制御部のサンプリング周波数の切換動作を説明する説明図である。
本願の実施の形態においては、複数の短ゲートタイム方式の周波数測定装置を異なる動作点パラメータで同時に作動させ、各周波数測定装置の出力のうち低雑音のものを選択する。雑音レベルの判別には動作点パラメータを利用する。
また、他の実施の形態においては、一つの周波数測定装置が複数の短ゲートタイムカウンタ部を含む構成とし、各短ゲートタイムカウンタ部を異なる動作点パラメータで動作させる。各短ゲートタイムカウンタ部の動作の相違による出力差をスケーリング部によって調整し、同じ被測定信号を計測している短ゲートタイムカウンタ部の出力の選択を変えても装置出力にレベル(数値)変化が生じないようにする。
また、他の実施の形態においては、ローパスフィルタ部やスケーリング部が共用される。
(用語の説明)
まず、実施例におけるいくつかの用語について説明する。
「短ゲートタイムカウント方式」は、パルス列状の被測定信号を短いゲート時間で連続的に計数し、得られた計数値の列を高周波を除去するローパスフィルタで処理して、周波数に対応する信号を得る周波数測定方式である。
「動作点パラメータ」は、被測定周波数とサンプリング周波数の比として表され、実施例では、以下の式で表されるように使用の便宜上周波数比のうち0〜1の範囲(0〜0.5の範囲)を利用している。
動作点パラメータ=(被測定周波数/サンプリング周波数)−Int(被測定周波数/サンプリング周波数) ただし、Int(c)はcの整数部を返す関数である。
上記式より、動作点は0〜1の間の値を取る。パターン雑音の強度は動作点の複雑な関数であり、動作点0.5で対称性を持つ。すなわち、動作点0.5−dにおけるパターン雑音強度は、動作点0.5+dにおけるパターン雑音強度に等しいという性質がある(0<d≦0.5)。図の雑音強度と動作点の関係は、動作点0〜0.5の範囲で示している(図8参照)。
「パターン雑音」は、短ゲートタイムカウント方式の周波数測定装置において動作点パラメータ(被測定周波数とサンプリング周波数の比)が単純な有理数値に近い場合に、動作点に対応して発生する雑音のことである。ΔΣ変調においては、出力が周期的系列を生成するよう
な入力値があり、これに近い入力が加えられた場合に発生するパターン雑音が知られているが、これと同じアナロジーである。
しかしながら、ΔΣ変調時におけるパターン雑音の回避方法と、短ゲートタイムカウン
ト方式におけるパターン雑音の回避方法では、その思想が異なる。ΔΣ変調の場合、パタ
ーン雑音自体を抑制するために高次の構成や多段の構成とする工夫がなされる。これは、ダイナミックレンジと同程度の入力信号変化を扱うことに起因する。
短ゲートタイムカウント方式の場合、入力信号変化の幅をダイナミックレンジに対してある範囲に収まるように設計することが可能であるため、構成を変更することなく、動作点パラメータを適宜選ぶことによりパターン雑音を回避することができる。
なお、出願人はパターン雑音のより詳細な例について特願2008−255667号によって説明している。
(短ゲートタイムカウント法)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず、特願2008−099721号によって提案された「短ゲートタイムカウント法」を使用する周波測定装置の概略を図1乃至図7を参照して説明する。各図において、対応する部分には、同一符号を付している。
図1において、信号源10はパルス列信号を発生する。信号源(パルス発生器)10は、例えば、発振周波数f0が30MHz付近の水晶発振器であり、例えば、ニオイセンサ、ガスセンサ、バイオセンサなどの検出部に相当する。ニオイ物質などが水晶振動子電極表面に付着すると付着量に応じて発振周波数が低下する。このパルス列信号は短ゲートタイムカウンタ部(以下、単に「短ゲートカウンタ部」とも称する。)20に供給される。短ゲートタイムカウンタ部20は、供給されるパルス列信号のパルス計数を短いゲート時間で途切れることなく行う。カウント値はパルス列信号の周波数(時間間隔)と対応関係にあり、ローパスフィルタ(LPF)30に逐次供給される。
図2は、短ゲートタイムカウンタ部20の第1の構成例を示している。短ゲートタイムカウンタ部20は、信号源から供給されるパルス列信号を途切れることなく計数する(入力信号に対して不感期間を設けない)ことが望ましい。
そこで、第1の実施例では、第1カウンタ21と第2カウンタ22の2つのカウンタを備える構成とする。パルス列信号は第1カウンタ21と第2カウンタ22の両方に供給される。制御部23は両カウンタにサンプリング周波数fs(サンプリング期間ts)のゲート信号、リセット信号を夫々送り、両カウンタの出力をスイッチを介してローパスフィルタ部30に供給する。両カウンタから計数値を交互に出力し、一方が計数しているときに他方がリセットやデータ転送などをすることによって、カウンタのリセットやデータ転送時に生ずる不感期間を回避する。なお、制御部23はハードウエアとして構成しても良いし、パソコンなどによってソフトウェアで構成しても良い。
図3は、短ゲートカウンタ部20の第2の構成例を示している。この実施例では1つのカウンタ24を用いている。カウンタ24は直接カウント方式のカウンタであり、サンプリングしたパルス信号を常時計数し累積値を出力する(リセットしない)。カウンタ24の出力は減算器25と前回累積値を保持するレジスタ26に送られる。減算器25はカウンタ24から出力される今回累積値から前回累積値を減じて今回計数値を得て、ローパスフィルタ部30に供給する。装置全体の動作は図1の測定装置の場合と同様である。
図4は、ローパスフィルタ部30をアナログ回路で構成した例を示す。この例では、抵抗R1〜R3、キャパシタC1,C2、オペアンプOP1からなるローパスフィルタを二段接続としている。これ等の回路定数を適宜に選定することによって、(図示しないD/A変換器によって)アナログ信号に変換されたカウンタ24の出力信号から第1の周波数成分(あるいは第1の周波数以上の高域成分)を除去(抑制)する。ローパスフィルタのカットオフ周波数や信号レスポンス特性は、出力信号のS/N(信号/雑音)比、出力信号の波形応答特性等によって適宜に設定される。短ゲートタイムカウンタ20から1ビットシリアルで出力される場合には、そのままローパスフィルタ部30に入力することが出来る。短ゲートカウンタ20からnビットで出力される場合には、nビット出力に対応したD−A変換器を介して入力することが出来る。
図5は、ローパスフィルタ部30を移動平均フィルタ(デジタルフィルタ)によって構成した例を示す。同図において、31は加算器、32はシフトレジスタ、33は減算器、34はインバータ、35は各部に動作タイミングクロックなどを供給する制御部、36は割算器である。
カウンタから出力された計数値は、加算器31とタップ数相当の記憶領域を備えるシフトレジスタ32の両方に与えられる。シフトレジスタ32内を平均値計算の対象となるN個のデータが他と同期して順次移動する。加算器31の他方には前回計算のトータル値が供給されており、加算器は新計数値と前回のトータル値とを加算する。この累積加算値からシフトレジスタ32で先頭の(旧い)データの計数値を減算器33で除き、これを新トータル値とする。新トータル値を前回トータル値として加算器に戻し、新トータル値を除算器36で対象データ数Nで割り算する。ここで、割算器は出力値を周波数(Hz)にスケーリングする機能を持つが、スケーリングを気にしなくても良い場合は省略することができる。
移動平均フィルタを多段の構成とする場合、最終段にのみ割算器を配しても良い。
図6は、短ゲートタイムカウンタ20におけるカウント値の出力の例を示している。この例では、サンプリング周波数100Hz(ゲート時間0.01秒)でパルス列信号を計数した場合を示している。サンプリング周波数100Hzの場合には、周波数分解能も100Hzまで低下するため、1つの計数値のみからは供給パルス列信号の100Hz以下の情報を検出できないが、1秒間に100個の計数値が得られることになる。計数値の100倍である周波数は、30,072,300Hzと30,072,400Hzの間に時間軸上にパルス状に分布している。
ここで、サンプリングにおける量子化誤差(±1カウント誤差)について説明する。例えば、直接カウント方式のカウンタで123.34Hzで安定しているパルス列信号を測定する場合について検討する。
ゲート時間10秒の場合: 10秒ごとに1233カウント又は1234カウント
これを1/10倍した、123.3Hzもしくは123.4Hzの表示(10秒ごと)となる。(測定誤差は0.1Hz)
ゲート時間1秒の場合: 1秒ごとに123カウント又は124カウント
123Hzもしくは124Hzの表示(1秒ごと)となる。(測定誤差は1Hz)
ゲート時間0.1秒の場合: 0.1秒ごとに12カウント又は13カウント
これを10倍した、120Hzもしくは130Hzの表示(0.1秒ごと)となる。(測定誤差は10Hz)
ゲート時間0.01秒の場合: 0.01秒ごとに1カウント又は0カウント
これを100倍した、100Hzもしくは200Hzの表示(0.01秒ごと)となる。(測定誤差は100Hz)
このように、ある一点の周波数で安定しているパルス列信号をカウントした場合、計数値はゲート時間によって定まる2つの値間を振幅とするパルス列状に分布する。一方、カウントするパルス列信号の周波数が変動する場合でも、変動が上記測定誤差に収まる範囲であれば、計数値は2つの値間を振幅とするパルス列状に分布するのに変わりない。例えばゲート時間0.01秒の場合、カウントするパルス列信号の周波数の変動が100〜200Hzの間で収まっている限り、100Hzもしくは200Hzの表示が得られる。
図6に示すように、1秒未満の短いゲート時間でサンプリングを行う短ゲートタイムカウント方式では、カウント値がパルス列として振る舞い、被測定周波数の変化に応じパルス列の頻度(粗密)が変化する。振動周波数の大小が当該パルス列の密度の大小に対応する。カウントするパルス列信号の周波数に関する情報は、パルス列として振る舞うカウント値の周波数スペクトルの低域成分に存在する。そこで、ローパスフィルタによってカウント値から低域成分を抽出する(量子化誤差に起因する高調波成分を除去する)ことによってカウントするパルス列信号の周波数の情報を復調することが出来る。
図7は、上述したカウント値の列(図6参照)をタップ数512の(デジタル)ローパスフィルタ部30に与えて高周波成分を除去した例を示している。同図に示されるように供給されたパルス列信号の周波数の変化が連続的な(アナログ的)な曲線として出力される。100Hzのサンプリング周期の計数では測定不能な領域まで、特に、1Hz以下の周波数変化まで検出することが可能となっている。
このように、短ゲートタイムカウント方式では、ゲート時間を短くする(サンプリング周波数を高くする)と、各々の測定誤差は大きくなるがたくさんの測定値の列が得られ、ローパスフィルタによって高域成分(あるいはある周波数成分)を取り除くことが出来、周波数測定分解能は向上する。前述したように、ローパスフィルタの特性は、出力信号の所要のS/N、信号応答性などに応じて適宜に設計される。短ゲートタイムカウント方式では、回路規模を小さく抑えることができるため、マルチチャンネル化が容易である。アナログローパスフィルタを用いることによってアナログ出力にも対応することが可能である等の利点を有する。
(パターン雑音)
短ゲートタイムカウント方式は上述した利点を有するものであるが、種々の実験の結果、信号源10が出力する被測定信号(パルス列信号)の周波数と短ゲートタイムカウンタ20のサンプリング周波数との組み合わせによっては、パターン雑音(ノイズ)が発生(レベル増加)する場合があることが判った。
図8は、被測定周波数とサンプリング周波数との比(動作点パラメータ0〜0.5)に対するパターン雑音レベルを示すグラフである。パターン雑音レベルは最大値を1とする相対値(任意単位)で示されている。
上述したように、動作点パラメータは特性把握の便宜上用いられており、以下のように定義される。動作点パラメータ=被測定周波数÷サンプリング周波数−Int(被測定周波数÷サンプリング周波数) ただし、Int(c)はcの整数部を返す関数である。定義式より、動作点パラメータは0〜1の間の値を取ることがわかる。パターン雑音のレベル(強度)は動作点パラメータの複雑な関数であり、動作点0.5で対称性を持つ。すなわち、動作点0.5−dにおけるパターン雑音レベル強度は、動作点0.5+dにおけるパターン雑音強度に等しいという性質がある(0<d≦0.5)。そこで、図8では、雑音強度と動作点の関係は、動作点0〜0.5の範囲で示している。
(パターン雑音の低減方法)
次に、短ゲートタイムカウント法の周波数測定装置におけるパターン雑音の低減について説明する。パターン雑音を低減するためには、雑音レベルの低い動作点パラメータとなるように周波数測定装置の動作を設定すればよい。動作点パラメータを調整する方法としては、(1) 被測定信号の周波数を調整する。(2) 被測定信号の周波数を見かけ上変化させる。(3) サンプリング周波数を調整する等が考えられる。
ところで、動作点パラメータはその定義から明らかであるように、被測定信号の周波数が変化すると動作点パラメータの値も変化する。被測定信号の周波数の変化範囲が広いと周波数測定中にパターン雑音が発生する特定の周波数を被測定信号の周波数が通過することになり、パターン雑音の回避が難しくなる。
本願発明はこの被測定信号の測定中における動作点パラメータの変化にも対応するものである。本願発明では、周波数測定動作中に測定された周波数(あるいはその時点の動作点パラメータ)に対応して周波数測定装置の、例えば、サンプリング周波数を変えて動作点パラメータを変更するようにする。このため、第1実施例では2つ(適宜な数でもよい)の周波数測定装置を使用する。また、第2実施例では2つ(適宜な数でもよい)の短ゲートタイムカウンタ部を使用する。一方の周波数測定装置(あるいは短ゲートタイムカウンタ部)を使用して測定しているときに、他方の周波数測定装置をパターン雑音強度の低い動作点パラメータになるように調整し、併行して計数動作させる。そして、被測定信号の周波数変化等によって現在選択している周波数測定装置(あるいは短ゲートタイムカウンタ部)のパターン雑音強度が増大したときに、より雑音の少ない動作点パラメータで動作している他の周波数測定装置(あるいは短ゲートタイムカウンタ部)に選択を切換える。必要により周波数測定装置相互間の出力差を補償して切換ノイズ(レベル差)の発生を防止する。このようにして、適宜に動作点を切り換えた周波数測定装置によって計測値出力を得ることにより、広い測定周波数範囲においてSNの良い出力を得る。
(実施例1)
まず、実施例の構成を説明し、その後に雑音を除去する動作について説明する。
図9は、第1実施例の短ゲートタイムカウント方式の周波数測定装置の構成を説明する説明図である。同図において図1と対応する部分には同一符号を付している。
この実施例では、2つの周波数測定装置の各々を3つのサンプリング周波数fs1〜fs3(これに限定されるものではない)で動作可能に構成し、被測定信号を同時に2つの周波数測定装置で計数し、いずれかの計数出力を選択する構成としている。そして、一方の周波数測定装置の出力が選択されているとき、他方の周波数測定装置は現在の計測値においてパターン雑音強度が低い動作点パラメータとなるようにサンプリング周波数が選定されて選択待ち(待機)状態となっている。この状態において、一方の周波数測定装置の出力がパターン雑音強度の増大する周波数に近づいた際に他方の周波数測定装置の出力に切換える。
また、この実施例では、例えば、サンプリング周波数は、30MHzの原信号を126分周、127分周、128分周したものをそれぞれのサンプリングの基準信号(サンプリング周波数fs1:238095.2Hz、fs2:236220.5Hz、fs3:234375.0Hz)としている。また、被測定信号として180kHz〜181kHzの間で変動する信号foを計測する場合を一例として説明する。
同図に示すように、被測定信号源10からパルス列状の被測定信号foが短ゲートタイムカウント方式の第1の周波数測定装置C1及び第2の周波数測定装置C2に供給される。周波数測定装置C1及び周波数測定装置C2の各測定出力はセレクタ50に供給される。セレクタ50は後述の制御部100から供給される信号に応じていずれか一つの測定値出力を選択し、図示しない装置出力端に導出する。
第1の周波数測定装置C1は、短ゲートタイムカウンタ部20、ローパスフィルタ部30及びスケーリング部40によって構成される。短ゲートタイムカウンタ部20は後述する基準信号発生部140から供給される動作信号によってサンプリングの周波数fs(=fs1、fs2、fs3、…)が適宜に設定される。例えば、サンプリング周波数fs3(ゲート期間ts3)のゲートクロックに同期して被測定信号foのパルス数を計数する。このときの短ゲートタイムカウンタ部20の動作点パラメータは(fo/fs3)−Int(fo/fs3)である。
ローパスフィルタ部30は、短ゲートタイムカウンタ部20から供給される計数値列から高周波成分を除去して被測定信号の周波数の大小に対応したレベル(あるいは数値)の信号をスケーリング部40に出力する。例えば、ローパスフィルタ部30は、三段移動平均フィルタ(タップ数7813×3)で構成される。このタップ数はカットオフ周波数が約5Hzとなるように(フィルタのタップ数の合計を駆動周波数の10分の1の値になるように)決めているが、3つのサンプリング周波数fs1〜fs3のうち最も小さいもの(fs3)を採用することで、カットオフ周波数約5Hz以上が保証できる。サンプリング周波数が異なってもローパスフィルタを共用する場合には、サンプリング周波数の小さい方に合わせると都合が良い。
スケーリング部40は同一周波数の被測定信号foに対して他の周波数測定装置と同じ出力が得られるようにローパスフィルタの30の出力値をスケーリング係数k(より具体的には、後述の係数a,係数b)で調整し、レベル調整した計数値出力をセレクタ50に供給する。サンプリング周波数fs及びスケーリング係数kの各値は制御部100によって設定される。なお、周波数絶対値を必要としないような用途にはスケーリング部40を省略することが可能である。
スケーリング部40は、例えば、入力xに対しa・x+bのレベル変換を行う。制御部100は、サンプリング周波数fsを変更する度に係数a,bを対応する値に変更する。a,bの係数は、サンプリングの周波数fsとローパスフィルタ部30の構成により一意に決まる。ローパスフィルタ部30の構成が固定である場合は係数a,bはサンプリングの周波数により決まる。例えば、サンプリング周波数fsがfs3のとき、スケーリング部40にはスケーリング係数k3(a3、b3)が設定される。
上述したローパスフィルタ部30及びスケーリング部40はデジタル回路あるいはアナログ回路のいずれで構成しても良い。
第2の周波数測定装置C2も周波数測定装置C1と同様に構成される。短ゲートタイムカウンタ部20は基準信号発生部140から供給される動作信号によってサンプリングの周波数fsが適宜に設定される。例えば、サンプリング周波数fs2(ゲート期間ts2)のゲートクロックに同期して被測定信号foのパルス数を計数する。このときの短ゲートタイムカウンタ部20の動作点パラメータは(fo/fs2)−Int(fo/fs2)である。また、スケーリング部40には制御部100によってスケーリング係数k2(a2、b2)が設定され、同じ被測定信号に対して周波数測定装置C1とC2の出力が同じ計測値出力となるように調整される。他の構成は周波数測定装置C1と同じである。
周波数測定装置C1及び周波数測定装置C2の各出力はセレクタ50に供給され、セレクタ50は制御部100からの指令信号に従っていずれかの出力を選択して図示しない装置出力端に計数値出力を中継する。また、計数値出力は制御部100にも供給される。
制御部100は動作点算出部110、選択制御部120、記憶部130、基準信号発生部140等を含んでいる。制御部100は、例えば、マイクロプロセッサユニットによって構成される。計測値出力は制御部100の動作点算出部110及び選択制御部120に供給される。後述のように動作点算出部110は必要により設けられる。周波数測定値の選択制御動作が予め作成されたテーブルに従って行わせる場合等には、動作点算出部110は省略可能である。
既述した基準信号発生部140は、選択制御部120の指令に応じて、例えば、水晶振動子による発振器の30MHzの信号を可変分周器などによって適宜に分周し、複数の短ゲートタイムカウンタ部20の各々に異なる周波数の動作信号を供給する。例えば、既述したように30MHzの信号を126分周して周波数238095.2Hzの信号fs1を出力し、127分周して周波数236220.5Hzの信号fs2を出力し、127分周して周波数234375.0Hzの信号fs3を出力する。
動作点算出部110は、例えば、周波数測定装置C1から出力されるカウント値を収集し、一定時間におけるカウント値の分布に基づき動作点パラメータを推定する。カウント値の合計をΣ、収集したカウント値の個数をnとおくと、定義より、Σ/n−Int(Σ/n)で推定することができる。この際、必要な推定精度となるようnを調整する。各々の周波数測定装置における動作点パラメータm1、m2は、被測定信号の測定周波数foと、サンプリング周波数fs1、fs2が与えられれば、m1=fo/fs1−Int(fo/fs1)、m2=fo/fs2−Int(fo/fs2)の関係より知ることができる。これ等の各周波数測定装置の短ゲートタイムカウンタ部20の動作点パラメータの計算結果を選択制御部120に出力する。
なお、被測定信号foの周波数が変化すると、動作点パラメータm1、m2は一定の関係を保って移動する。したがって、いずれか一つの周波数測定装置の動作点パラメータを計算すれば、他の周波数測定装置の動作点パラメータは機械的に決まり、全ての周波数測定装置の動作点パラメータを知ることが出来る。
記憶部130は、上述した動作点パラメータ対パターン雑音強度のテーブル(図8参照)、後述する測定周波数対パターン雑音強度のテーブル(図10、図24参照)、サンプリング周波数fsに対応するスケーリング係数k(a,b)等を予め記憶している。なお、記憶部130は周波数測定装置に内蔵されるコンピュータシステムのメモリ装置に限られず、LANやWANなどのネットワーク上のデータベースなども該当する。
選択制御部120は、予め記憶部130に保持された図8に示すような動作点パラメータ対パターン雑音強度のテーブルあるいは後述する図10等に示すような測定周波数対パターン雑音強度のテーブルを参照し、各周波数測定装置の動作点パラメータの雑音レベルあるいは測定周波数(計数値出力)における雑音レベルを判別(推定)する。そして、選択制御部120は、一つの周波数測定装置の出力を選択しているときに、被測定信号の周波数の増加又は減少の傾向から予測される測定周波数における動作点パラメータがパターン雑音の増大点に至ると判断すると、予め他の周波数測定装置の動作点パラメータ(サンプリング周波数fs)を予測される測定周波数におけるパターン雑音の低い状態に設定しておく。また、選択制御部120は設定したサンプリング周波数fsに対応するスケーリング係数k(a,b)をスケーリング部40に設定する。選択制御部120は、選択している周波数測定装置の計数値出力(周波数)がパターン雑音の増大点に近づくと、他の周波数測定装置の出力の選択に切換える。
選択制御部120は、被測定信号の周波数測定期間中、パターン雑音を回避するための、出力が選択された周波数測定装置において予測されるパターン雑音発生前の非選択(待機)周波数測定装置への該予測されるパターン雑音の発生周波数において低雑音となる動作点パラメータの設定を行う。また、選択制御部120は、選択された周波数測定装置の計数値出力が予測されるパターン雑音発生の周波数に至る前に非選択周波数測定装置の計数値出力に切換える。このような操作が繰り返される。それにより、短ゲートタイムカウント法による周波数測定装置の一連の計測値出力からパターン雑音が除かれたSN比のよい計数値出力が提供される。
次に、図10乃至図21を参照して制御部100の選択動作について更に説明する。
図10は、30MHzの原信号を126分周した238095.2Hzのサンプリング周波数fs1によって180kHz〜181kHzの範囲で変化する被測定信号foを測定した場合の周波数測定装置におけるパターン雑音強度分布の例を示すグラフである。同図のグラフにおいてパターン雑音強度が所定強度、例えば、0.1Hz以上のものにチェック(丸印)を入れたグラフを図13に示す。
図11は、30MHzの原信号を127分周した236220.5Hzのサンプリング周波数fs2によって180kHz〜181kHzの範囲で変化する被測定信号foを測定した場合の周波数測定装置におけるパターン雑音強度分布の例を示すグラフである。同図のグラフにおいてパターン雑音強度が所定強度、例えば、0.1Hz以上のものにチェック(丸印)を入れたグラフを図14に示す。
図12は、30MHzの原信号を128分周した234375.0Hzのサンプリング周波数fs3によって180kHz〜181kHzの範囲で変化する被測定信号foを測定した場合の周波数測定装置におけるパターン雑音強度分布の例を示すグラフである。同図のグラフにおいてパターン雑音強度が所定強度、例えば、0.1Hz以上のものにチェック(丸印)を入れたグラフを図15に示す。
図16は、図13乃至図15でチェックした、被測定周波数対所定値を越えるパターン雑音強度の関係をサンプリング周波数fs1(分周数126で示す)、fs2(分周端数127で示す)及びfs3(分周数128で示す)についてそれぞれ示すテーブルである。
図17は、実施例との比較基準用として、被測定信号foの周波数を180283Hzから180291Hzに徐々に上昇させ、このときの周波数をレシプロカルカウンタを用いて精密測定した際の計数値出力をプロットしたグラフである。
図18は、図17に示される、180kHz〜181kHzの範囲で変化する被測定信号foをサンプリング周波数fs3(234375.0Hz、128分周)の短ゲートタイムカウント法の単体の周波数数測定装置(C1に相当)で測定した場合の計数値出力をプロットしたグラフである。後半に雑音が発生している。
図19は、図17に示される被測定信号foをサンプリング周波数fs2(236220.5Hz、127分周)の短ゲートタイムカウント法の単体の周波数測定装置(C2に相当)で測定した場合の計数値出力をプロットしたグラフである。
図20は、第1実施例のように2つの周波数測定装置の出力を途中で切り換えて動作させて周波数測定した計数値出力をプロットしたグラフである。180284.4Hzで図18の出力特性のパターンから図19の出力特性のパターンに切り換えられて、図18に存在したパターン雑音の発生が回避されている。
図21は、上述した図16のテーブルに説明を加えて制御部100の選択動作を説明する説明図である。まず、サンプリング周波数fs3(234375.0Hz、図中の128分周の欄に相当)で動作させた周波数測定装置C1(あるいは短ゲートタイムカウンタ回路)が180283.0Hzの被測定信号foを測定しているものとする。このとき、表中の128と書かれた縦の欄に現在の周波数測定装置C1の状態があり、180283.0Hzを含む領域には領域の上部に「127」と記載さている。そこで、制御部100は、待機中の周波数測定装置C2(短ゲートタイムカウンタ部)をサンプリング周波数fs2(236220.5Hz、図中の127分周の欄に相当)で動作させておき、それに対応するスケーリング係数をスケーリング部40に書き込んでおく。
被測定信号foの周波数が上昇し180288.4Hz(第1雑音発生周波数)に近づいてくると、制御部100は測定値が180288.4Hzの±4Hzの範囲に入った時点で待機中の周波数測定装置C2(短ゲートタイムカウンタ回路)の出力に切り替える。なお、近傍値±4Hzの範囲は構成に応じて適宜に設定される。
この選択出力の切換によって現在使用されている周波数測定装置C2の状態は127の欄の180288.4Hzを含む領域にある。この領域の上部には、「128」と記載されており、待機状態となった周波数測定装置C1のサンプリング周波数をfs3に設定する。尤も、周波数測定装置C1はサンプリング周波数fs3で動作しているのでそのままの状態で動作させておく。
もし被測定信号foの周波数がさらに上昇し180300.0Hzを超えるようなことがあれば、表中の次の領域に周波数測定装置C2の状態が移動し、同領域の上部に記載された「126」に対応して、待機中の周波数測定装置C1(短ゲートタイムカンター回路)の駆動周波数をサンプリング周波数fs1(238095.2Hz、126分周相当)に切り替え、スケーリング係数も対応するものに書き換える。被測定信号foの周波数がさらに上昇し180340.4Hz(第2雑音発生周波数)に近づいてくると、制御部100は測定値が180340.4Hzの±4Hzの範囲に入った時点で待機中の周波数測定装置C1(短ゲートタイムカウンタ回路)の出力に切り替える。このような出力の選択操作を被測定信号foの周波数の増加又は減少に対応して繰り返す。
このようにして、2つの動作点パラメータの異なる周波数測定装置を用いて一方の出力がパターン雑音の発生する周波数に近接すると予めパターン雑音の発生する周波数が異なるように選定された他方の周波数測定装置の出力を選択することにより雑音を回避するようにして広い周波数変化範囲おいて雑音の少ない連続な計数値出力を得ることが可能となる。
なお、図21においては、説明の便宜のため被測定周波数foと所定強度以上の雑音の発生点によって示しているが、これは動作点パラメータと雑音発生点との関係としても対応づけられるものである。したがって、既述した動作点算出部110によって算出された動作点パラメータによって上記同様に周波数測定装置の出力の切換えと、待機周波数測定装置の動作点パラメータ(サンプリング周波数fs選定)及びこれに対応するスケーリング係数の設定とを行うことが出来る。
(実施例2)
図22は、本発明の第2の実施例を説明する説明図である。同図において、図9と対応する部分には同一符号を付しかかる部分の説明は省略する。
この実施例では、実施例1の構成におけるローパスフィルタ部30とスケーリング部40とを2つの短ゲートタイムカウンタ部で共用している。このため、2つの短ゲートタイムカウンタ部20の各々の出力をセレクタ50によって選択する。セレクタ50の出力はスケーリング部40に供給される。スケーリング部40はサンプリング周波数fsの相違による計数値の差を補償して被測定信号の周波数に対して同じ計数値(レベル)出力となるようにする。ローパスフィルタ部30によって計数値列の出力から高周波成分を除いて被測定信号の周波数に対応して計測値出力が得られる。制御部100は実施例1と同様に構成されて、計測値出力に基づいて2つの短ゲートタイムカンター部20の各々のサンプリング周波数fs(動作点パラメータ)の選定、セレクタ50による短ゲートタイムカウンタ部20の一方の出力選択、スケーリング部40の選択した短ゲートタイムカウンタ部20のサンプリング周波数fsに対応したスケーリング係数の書き換えを行う。セレクタ部50による出力選択とスケーリング係数の書き換えとはタイミングが同期されている。また、ローパスフィルタ部30のタップ数は、例えば、サンプリング周波数fs(fs1、fs2、fs3、…)のうち最小のものに合わせてカットオフ周波数などの仕様を満たすように設計される。他の構成は実施例1と同様であり、制御部100の制御態様も同様であるので説明を省略する。
この実施例2の構成によっても図20と同じSN比が改善された出力結果が得られている。実施例2の構成によれば、ローパスフィルタ部、スケーリング部40とが共用されるので同構成部分が半分の回路で済む。
(実施例3)
図23は、本発明の第3の実施例を示す説明図である。同図において、図9と対応する部分には同一符号を付しかかる部分の説明は省略する。
この実施例では、周波数測定装置は1つのターンゲートタイムカウント方式の周波数測定送致C1で構成される。周波数測定装置C1の1つの短ゲートタイムカンター部20のサンプリング周波数fsを複数のサンプリング周波数fs1、fs2、…に切り換えて使用する。サンプリング周波数fsの切換に対応してスケーリング部40のスケーリング係数kも選定される。他の構成は図9と同様であるのでその説明を省略する。
このような実施例は、例えば、被測定信号の計測値を得るタイミングが離散的で良く、サンプリング周波数fs(動作点パラメータ)の切換の際にローパスフィルタ部40の過渡応答時間が計測間隔以下である場合に適用することができる。例えば、以下の例のローパスフィルタ部30は、過渡応答が0.05秒以内に収まるように三段移動平均フィルタ(タップ数3906×3)のタップ数が選定されている。なお、実施例2と同様に、スケーリング部40をローパスフィルタ部30の前に設けて計測値出力を補償する構成(図23参照)とすることも出来る。
このような構成の実施例3の制御部100の動作について説明する。
まず、図24は、実施例3の場合の制御部100のサンプリング周波数選択動作を説明するテーブルであり、スケーリング係数と共に記憶部130に記憶されている。
図24は、被測定周波数対所定値を越えるパターン雑音強度の関係をサンプリング周波数fs1(分周数126で示す)、fs2(分周数127で示す)及びfs3(分周数128で示す)についてそれぞれ示すテーブルである。同図では、図16中に丸印で示したパターン雑音発生点に、この発生点に接近したときに選択すべきサンプリング周波数fs1、fs2、fs3がそれぞれ分周数126、127、128で記載されている。
図25は、周波数を180283Hzから180291Hzにステップ状に緩やかに上昇させた被測定信号をサンプリング周波数fs3(234375.0Hz、30MHzの128分周相当)で計測した周波数測定装置の計測値出力を連続的にプロットしたグラフを示している。計測値列の後半で雑音が発生している。
図26は、周波数を180283Hzから180291Hzに上昇させた被測定信号をサンプリング周波数fs2(236220.5Hz、30MHzの127分周相当)で計測した周波数測定装置の計測値出力を連続的にプロットしたグラフを示している。後半で雑音は発生していない。
図27は、図25に相当する連続出力値を0.05秒間隔で離散的にプロットしたグラフである。また、図28は図26に相当する連続出力を0.05秒間隔で離散的にプロットしたものである。
図29は、実施例3の周波数測定装置の制御部100を動作させて、サンプリング周波数fs(動作点パラメータ)を計測途中の被測定信号の周波数180284.4Hzでサンプリング周波数fs3からサンプリング周波数fs2に変更して被測定信号の周波数測定を離散的に行った計測値をプロットしたグラフである。同図に示すように、図27中に発生していた大きなパターン雑音が回避されている。
図30は、上述した図24のテーブルに説明を加えて実施例3の周波数測定装置の制御部100の選択動作を説明する説明図である。
まず、図30に示すように、周波数測定装置C1がサンプリング周波数fs3(234375.0Hz)で動作しているものとする。これは図30に128で示される右側の縦の欄(30MHzの128分周に相当)に相当する。サンプリング周波数fs3で動作する短ゲートタイムカウンタ部20が180283.0Hzの被測定信号を0.05秒間隔で離散的に測定している。制御部100は、図中に矢印で示すように、被測定信号の周波数が上昇し180288.4Hz(第1雑音発生周波数)に接近すると、測定値が180288.4Hz±4Hzの範囲に入ったときに、サンプリング周波数をfs2に切換える(既述のように表の128の欄の被測定周波数180288.4Hzに対応する部分には選定すべきサンプリング周波数が127と書かれている。)。また、スケーリング係数もサンプリング周波数fs2に対応するものに書き換える。過渡応答は0.05秒以内に終わるため、次回の測定では正常な値が出力される。なお、接近範囲の±4Hzは任意的な値であり、構成に応じて適宜変更可能である。
この選択出力の切換によって周波数測定装置の状態は127の欄の180288.4Hzを含む領域にある。この領域の上部には、「128」と記載されており、下部には「126」と記載されている。被測定信号の周波数が更に増加して180340.4(第2雑音発生周波数)に接近すると周波数測定装置のサンプリング周波数はfs1に、スケーリング係数もこれに対応したものに設定される。
もし被測定信号foの周波数がさらに上昇し180336.4を超えるようなことがあれば、被測定周波数180340.4に対応する同領域に記載された「126」に対応して、表中の次の(左)領域に周波数測定装置の状態が移動し、周波数測定装置のサンプリング周波数をfs1(238095.2Hz、126分周相当)に切り替え、スケーリング係数もこれに対応するものに書き換える。このような出力の選択操作を被測定信号foの周波数の増加又は減少に対応して繰り返す。
このように、実施例3によれば、周波数測定装置のローパスフィルタ部30の過渡応答特性を被測定信号の計測時間間以下とし、周波数測定装置のサンプリング周波数(動作点パラメータ)をパターン雑音の発生に対応して測定中に切り換えて被測定信号の計測を行う。それにより、パターン雑音の少ない特性の良い出力部分を組み合わせて出力信号を形成することができるのでパターン雑音のないSN比の良い周波数測定装置を得ることが出来る。1つの周波数測定装置で実施例1と同様の効果を得ることが出来、周波数測定装置を半分の回路で構成することができる。
以上説明したように、本発明の実施例によれば、高次数のフィルタを用いずにパターン雑音を抑制することができ、時間分解能を損なわずにSN比を向上させることが可能である。設計余裕度が増すためローパスフィルタのタップ数を下げることができ、高速応答性が実現できる(高速応答性はメモリの削減と同義である。)。同じサンプリング周波数では、性能が著しく向上するため、要求される性能が低い場合はサンプリング周波数を下げることができ、消費電力が抑制される。
また、本発明の実施例によれば、選択された出力をスケーリングするスケーリング部を備えるので、切り替えの際の出力値間の繋ぎ目をスムーシングすることができる。また、ローパスフィルタ部やスケーリング部を共有することによって回路の部品点数を削減できる。
(周波数測定装置を用いた装置)
上述した周波数測定装置は電子機器にモジュールとして搭載されて利用される。短ゲートタイムカウント法の周波数測定装置は同じ性能を発揮するよう設計された従来型カウンタ(レシプロカルカウンタ)に比べ回路構成が簡易であり、省電力で小型であり好都合である。例えば、振動子基板表面の微量の質量変化を周波数変化に変換するようにしたQCM(Quartz Crystal Microbalance)デバイス(質量センサ、ニオイセンサ、ガスセンサ、バイオセンサ等)等に使用して好都合である。また、ある物理量を水晶振動子の周波数変化に変換するようにした水晶デバイス、例えば、圧力センサ、加速度センサや、また、これらを複数組み合わせて使用する機器に使用しても好適である。
以上説明したように、本発明の周波数測定装置によれば、短ゲートタイムカウント法の2つの周波数測定装置がそれぞれ複数のサンプリング周波数で動作し、かつ被測定信号に対して両周波数測定装置は異なるサンプリング周波数で計数を行うため、各周波数測定装置におけるパターン雑音の発生状況が違っている。パターン雑音特性は動作点パラメータ(被測定周波数とサンプリング周波数の比)の関数であり、鋭いピーク特性を持つため、パターン雑音の発生状況が異なれば2つの周波数測定装置の出力に発生するパターン雑音のピークが重なることを避けることができる。
そこで、各々のサンプリング周波数について測定周波数対パターン雑音発生のテーブルを用意し、第1の周波数測定装置におけるサンプリング周波数を第1周波数に設定したときに、第2の周波数測定装置におけるサンプリング周波数を第2周波数に設定して待機状態とする。そして、第1の周波数測定装置から第2の周波数測定装置に出力を切り換えたときに、第1の周波数測定装置のサンプリング周波数を第1又は第3周波数に設定して待機状態とする。
選択されている一方の周波数測定装置の計数値出力が増加又は減少してパターン雑音のピークが大きくなる動作点に近づいた際には、パターン雑音が小さくなるサンプリング周波数に調整されて待機している他方の周波数測定装置の出力に選択出力を切り替えることでパターン雑音のピークレベルを低減することができる。そのため、時間分解能を犠牲にせずに周波数分解能を改善することができる。
また、2つのサンプリング周波数を高めることやフィルタの特性を改善する等の対策を取らずとも、パターン雑音を抑制することができ、SN比が向上する。
また、設計余裕度が増すためローパスフィルタのタップ数を下げることができ、高速応答性が実現できる。同じサンプリング周波数では、性能が著しく向上するため、要求される性能が低い場合はサンプリング周波数を下げることができ、消費電力が抑制される。
C1 周波数測定装置、C2 周波数測定装置、10 信号源、20 短ゲートタイムカウンタ部、21 カウンタ、22 カウンタ、23 制御部、24 カウンタ、25 減算器、26 レジスタ、30 ローパスフィルタ部、30a ローパスフィルタ部、31 加算器、32 シフトレジスタ、33 減算器、36 除算器、40 スケーリング部、40a スケーリング部、50 セレクタ、100 制御部、110 動作点算出部、120 選択制御部、130 記憶部

Claims (8)

  1. 供給される被測定信号の周波数を所定のサンプリング信号で計測して計数値列を得て前記計数値列にフィルタ処理を施して前記周波数に対応した計数値出力を出力する短ゲートタイムカウント方式の第1周波数測定装置及び第2周波数測定装置と、
    指令信号に応じて前記第1周波数測定装置及び前記第2周波数測定装置の各々のサンプリング信号を複数のサンプリング周波数のいずれかに設定する信号発生部と、
    指令信号に応じて前記第1周波数測定装置及び前記第2周波数測定装置の各々の出力のうちいずれかを選択して計数値出力とする選択部と、
    予め測定周波数とパターン雑音が発生する雑音発生周波数との関係を前記複数のサンプリング周波数の各々について保持する保持部と、
    前記第1周波数測定装置に第1サンプリング周波数を設定して前記選択部に前記第1周波数測定装置の出力を選択させ、前記第2周波数測定装置に前記第1サンプリング周波数の第1雑音発生周波数では雑音が発生しない第2サンプリング周波数を設定し、前記第1周波数測定装置における測定周波数が前記第1雑音発生周波数に接近したときに前記第2周波数測定装置の出力の選択を前記選択部に指令し、前記第1周波数測定装置に前記第2サンプリング周波数の第2雑音発生周波数では雑音が発生しない前記第1サンプリング周波数又は第3サンプリング周波数を設定する、制御部と、
    を備える周波数測定装置。
  2. 供給される被測定信号の周波数を所定のサンプリング信号で計測して計数値列を得て、該被測定信号の周波数に対応した一連の計数値出力を出力する第1短ゲートタイムカウンター部及び第2短ゲートタイムカウンタ部と、
    前記一連の計数値出力をフィルタリングして前記被測定信号の周波数に対応する信号を出力するローパスフィルタと、
    指令信号に応じて前記第1短ゲートタイムカウンター部及び前記第2短ゲートタイムカウンタ部の出力のうちいずれかを選択して前記ローパスフィルタに出力する選択部と、
    指令信号に応じて前記第1短ゲートタイムカウンター部及び前記第2短ゲートタイムカウンタ部の各々のサンプリング信号を複数のサンプリング周波数のいずれかに設定する信号発生部と、
    予め測定周波数とパターン雑音が発生する雑音発生周波数との関係を前記複数のサンプリング周波数の各々について保持する保持部と、
    前記選択部に前記第1短ゲートタイムカウンタ部の出力の選択を指令し、前記信号発生部に前記第1短ゲートタイムカウンタ部への第1サンプリング周波数の設定と前記第2短ゲートタイムカウンタ部への前記第1サンプリング周波数の第1雑音発生周波数では雑音が発生しない第2サンプリング周波数の設定を指令し、
    前記第1短ゲートタイムカウンタ部における測定周波数が前記第1雑音発生周波数に接近したときに、前記選択部に前記第2短ゲートタイムカウンタ部の出力の選択を指令し、前記信号発生部に前記第1短ゲートタイムカウンタ部に前記第2サンプリング周波数の第2雑音発生周波数では雑音が発生しない前記第1サンプリング周波数又は第3サンプリング周波数の設定を指令する、制御部と、
    を備える周波数測定装置。
  3. 供給される被測定信号の周波数を所定のサンプリング信号で計測して計数値列を得て前記計数値列にローパスフィルタによる処理を施して前記周波数に対応した計数値出力を出力する短ゲートタイムカウント方式の周波数測定装置と、
    指令信号に応じて前記サンプリング信号のサンプリング周波数を設定する信号発生部と、
    予め測定周波数とパターン雑音が発生する雑音発生周波数との関係を複数のサンプリング周波数の各々について保持する保持部と、
    前記計測値出力が現在のサンプリング周波数において前記雑音発生周波数に接近したときに前記現在のサンプリング周波数から当該接近した雑音発生周波数において雑音を発生しない他のサンプリング周波数への切換えを前記信号発生部に指令する制御部と、
    を備える周波数測定装置。
  4. 前記ローパスフィルタルターの過渡応答特性が周波数測定間隔以下に設定される、請求項3に記載の周波数測定装置。
  5. 更に、指令信号に応じて前記ローパスフィルタの出力又は前記選択部の出力を調整するスケーリング部を備え、
    前記制御部は、前記スケーリング部に前記周波数測定装置又は前記短ゲートタイムカウンタ部に設定したサンプリング周波数に対応するスケーリング係数を設定する、請求項1乃至3のいずれかに記載の周波数測定装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の周波数測定装置をモジュールとして搭載した電子機器。
  7. 予め測定周波数とパターン雑音が発生する雑音発生周波数との関係あるいは動作点パラメータと雑音発生との関係を複数のサンプリング周波数の各々について保持し、
    第1周波数測定装置に第1サンプリング周波数を設定して計数値出力を選択し、第2周波数測定装置に前記第1サンプリング周波数の第1雑音発生周波数ではパターン雑音が発生しない第2サンプリング周波数を設定しておき、
    前記第1周波数測定装置における測定周波数が前記第1雑音発生周波数に接近したときに前記第2周波数測定装置の計数値出力を選択し、前記第1周波数測定装置に前記第2サンプリング周波数の第2雑音発生周波数では雑音が発生しない前記第1サンプリング周波数又は第3サンプリング周波数を設定しておく、周波数測定方法。
  8. 更に、選択した前記計数値出力にサンプリング周波数に対応する出力調整を行う、請求項請求項7に記載の周波数測定方法。
JP2009243741A 2009-10-22 2009-10-22 周波数測定装置、周波数測定方法及び周波数測定装置を備える電子機器 Active JP5780380B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009243741A JP5780380B2 (ja) 2009-10-22 2009-10-22 周波数測定装置、周波数測定方法及び周波数測定装置を備える電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009243741A JP5780380B2 (ja) 2009-10-22 2009-10-22 周波数測定装置、周波数測定方法及び周波数測定装置を備える電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011089896A true JP2011089896A (ja) 2011-05-06
JP5780380B2 JP5780380B2 (ja) 2015-09-16

Family

ID=44108277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009243741A Active JP5780380B2 (ja) 2009-10-22 2009-10-22 周波数測定装置、周波数測定方法及び周波数測定装置を備える電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5780380B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014053761A (ja) * 2012-09-07 2014-03-20 Rohm Co Ltd データ分散回路、周波数測定回路

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02252306A (ja) * 1989-03-27 1990-10-11 Toshiba Corp Fm復調装置
JPH0755554A (ja) * 1993-08-19 1995-03-03 Yokogawa Electric Corp 周波数変化測定装置
JP2001021597A (ja) * 1999-07-09 2001-01-26 Toyo Commun Equip Co Ltd 周波数分析装置
JP2008111832A (ja) * 2006-10-03 2008-05-15 Advantest Corp スペクトラムアナライザ、スペクトラムアナライズ方法およびプログラム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02252306A (ja) * 1989-03-27 1990-10-11 Toshiba Corp Fm復調装置
JPH0755554A (ja) * 1993-08-19 1995-03-03 Yokogawa Electric Corp 周波数変化測定装置
JP2001021597A (ja) * 1999-07-09 2001-01-26 Toyo Commun Equip Co Ltd 周波数分析装置
JP2008111832A (ja) * 2006-10-03 2008-05-15 Advantest Corp スペクトラムアナライザ、スペクトラムアナライズ方法およびプログラム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014053761A (ja) * 2012-09-07 2014-03-20 Rohm Co Ltd データ分散回路、周波数測定回路

Also Published As

Publication number Publication date
JP5780380B2 (ja) 2015-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5883558B2 (ja) 周波数測定装置及び電子機器
US10317252B2 (en) System and method for a capacitive sensor
JP2010271091A (ja) 周波数測定装置
JP5876975B2 (ja) 周波数測定装置及び周波数測定装置における変速分周信号の生成方法
US9897504B2 (en) System and method for a MEMS sensor
JP2009250807A (ja) 周波数測定装置及び測定方法
US20110169768A1 (en) Electrostatic detection device, information apparatus, and electrostatic detection method
CN102064802A (zh) 一种基于直接数字频率合成技术的低功耗低失真信号发生器
TWI470230B (zh) 偏差補償電路及設有此電路的轉速感測器
JP5841930B2 (ja) 周波数測定装置
JP2006266960A (ja) 蓄電池内部インピーダンス測定装置および蓄電池内部インピーダンス測定方法
JP5780380B2 (ja) 周波数測定装置、周波数測定方法及び周波数測定装置を備える電子機器
JP5741887B2 (ja) 周波数測定システム、周波数測定方法、及び周波数測定システムを備える電子機器
JP5802184B2 (ja) 慣性センサ用のノイズ除去装置及びそのノイズ除去方法
KR20080054860A (ko) 컨버터의 커패시턴스 추정 방법
JP3661012B2 (ja) 配電系アクティブフィルタ装置及び制御方式
JP2010054229A (ja) 静電容量測定装置
JP2010230659A (ja) 電池内部インピーダンス計測装置
JP6028466B2 (ja) 電力系統シミュレータ
JP2010085286A (ja) 周波数測定装置
JP2011179849A (ja) 異常波形検出回路
JP4648243B2 (ja) 交流信号測定器、およびそのオフセット調整方法
KR101918559B1 (ko) 최대 순시 전력과 최소 순시 전력을 이용한 전력 측정 방법 및 장치
JP2007121125A (ja) 電流検出装置および静電容量測定装置
CN114253139B (zh) 一种基于切换结构的纳米定位平台控制系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140901

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150402

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150617

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150630

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5780380

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350