JP2011089034A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】氷上摩擦力を悪化させることなく、ゴム強度、剛性及び耐摩耗性を従来レベル以上に高くするようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ガラス転移温度が−60℃以下のジエン系ゴムを60〜100重量%含むゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積が80〜140m2/gであるカーボンブラックを5〜50重量部、下記式(1)で表されるベンズイミダゾール化合物を0.1〜10重量部配合したことを特徴とする。
Figure 2011089034

【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物に関し、更に詳しくは、氷上摩擦力を悪化させることなく、ゴム強度、剛性及び耐摩耗性を従来レベル以上に高くするようにしたタイヤ用ゴム組成物に関する。
冬用空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)は、トレッドゴムの硬度を低温でも柔軟に維持することにより氷面に対する凝着性を高め、氷上摩擦力を高くするようにしている。このためトレッド用ゴム組成物を、天然ゴム及びブタジエンゴム等のガラス転移温度(Tg)が低いジエン系ゴムで構成するようにしている(例えば特許文献1参照)。
しかし、近年スタッドレスタイヤには、上述した氷雪路での走行性能と共に、氷雪に覆われていない湿潤路(ウェット路面)や乾燥路(ドライ路面)における走行性能及び耐摩耗性を高くすることが求められている。ドライ路面での操縦安定性を高くするにはタイヤ用ゴム組成物の剛性を高くすることが必要である。また、ウェット路面での操縦安定性を高くするにはゴム強度を高くすることが必要である。このためゴム組成物にガラス転移温度(Tg)が高いゴム成分を配合したり、カーボンブラックを増量したりすることが行われている。しかし、Tgが高いゴム成分を配合したりカーボンブラックを増量したりすると、低温でのゴム硬度が大きくなるため氷上摩擦力が悪化するという問題があった。したがって、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物において、氷上摩擦力と、ゴム強度、剛性及び耐摩耗性とは相反する特性であり、両者を共に向上することは困難であった。
一方、特許文献2は、タイヤ用未加硫ゴム組成物の老化防止剤として2−メルカプトベンズイミダゾール系化合物を配合することを提案している。しかし、このゴム組成物では、ゴム強度及び剛性を従来レベル以上に高くすることができなかった。
特許第3995565号公報 特開2004−26924号公報
本発明の目的は、氷上摩擦力を悪化させることなく、ゴム強度、剛性及び耐摩耗性を従来レベル以上に高くするようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ガラス転移温度が−60℃以下のジエン系ゴムを60〜100重量%含むゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積が80〜140m2/gであるカーボンブラックを5〜50重量部、下記式(1)で表されるベンズイミダゾール化合物を0.1〜10重量部配合したことを特徴とする。
Figure 2011089034
(式中、R1はCOOH,COOR2,(CH2nCOOH,(CH2nCOOR2から選ばれる少なくとも1種を表す。なお、R2は炭素数1〜4のアルキル基、nは1〜5の整数である。)
タイヤ用ゴム組成物は、熱膨張性マイクロカプセルを前記ゴム成分100重量部に対し1〜15重量部配合することができる。また、シリカを前記ゴム成分100重量部に対し5〜50重量部配合することが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、冬用空気入りタイヤのトレッド部に好適に使用することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ガラス転移温度が−60℃以下のジエン系ゴムを60〜100重量%含むゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積が80〜140m2/gであるカーボンブラックを5〜50重量部、ベンゼン環にカルボキシル基(COOH)、アルキルエステル基(COOR2)、カルボン酸基((CH2nCOOH)、エステル化カルボン酸基((CH2nCOOR2)から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する2−メルカプトベンズイミダゾールを0.1〜10重量部配合したことにより、意外にもタイヤ用ゴム組成物の氷上摩擦力を悪化させることなく、ゴム強度、剛性及び耐摩耗性を従来レベル以上に高くすることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、ゴム成分はジエン系ゴムにより構成され、ガラス転移温度(以下、「Tg」と言うことがある。)が−60℃以下のジエン系ゴムを60〜100重量%を含むものとする。Tgが−60℃以下のジエン系ゴムを含有することにより、ゴム組成物の氷上摩擦力を高くすることができる。このジエン系ゴムのTgは−60℃以下であり、好ましくは−62℃〜−110℃である。なお、ジエン系ゴムのTgは、示差走査熱量測定(DSC)により10℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。また、ジエン系ゴムが油展オイルを含む場合には、その油展オイルを除いた状態でTgを測定するものとする。
Tgが−60℃以下のジエン系ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、Tgが−60℃以下のスチレン−ブタジエンゴム等を例示することができる。なかでも天然ゴム、ブタジエンゴムが好ましい。これらのジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
Tgが−60℃以下のジエン系ゴムの含有量は、ゴム成分中60〜100重量%、好ましくは70〜95重量%である。Tg−60℃以下のジエン系ゴムの含有量が60重量%未満であると、ゴム組成物の氷上摩擦力を高くすることができない。
タイヤ用ゴム組成物は、Tg−60℃以下のジエン系ゴム以外の他のジエン系ゴムを含むことができる。他のジエン系ゴムとしては、例えばブチルゴム、アクリトニトリルゴム、Tgが−60℃より高いスチレン−ブタジエンゴム等を例示することができる。
本発明では、下記式(1)で表されるベンズイミダゾール化合物を配合することにより、タイヤ用ゴム組成物の氷上摩擦力を悪化させることなく、ゴム強度、剛性及び耐摩耗性を従来レベル以上に高くする作用を行う。
Figure 2011089034
(式中、R1はCOOH,COOR2,(CH2nCOOH,(CH2nCOOR2から選ばれる少なくとも1種を表す。なお、R2は炭素数1〜4のアルキル基、nは1〜5の整数である。)
上記式(1)において、2−メルカプトベンズイミダゾールのベンゼン環の置換基R1は、カルボキシル基(COOH)、アルキルエステル基(COOR2)、カルボン酸基((CH2nCOOH)、エステル化カルボン酸基((CH2nCOOR2)から選ばれる少なくとも1種である。上記式(1)における置換基R1の数は1つであるが、置換基R1の数は複数でもよい。また、置換基R1が複数あるときは、置換基R1はそれぞれ独立して同一でもよいし、或いは互いに異なってもよい。
置換基R1がアルキルエステル基(COOR2)及びエステル化カルボン酸基((CH2nCOOR2)であるときR2は炭素数1〜4、好ましくは1〜3のアルキル基である。また、置換基R1がカルボン酸基((CH2nCOOH)、エステル化カルボン酸基((CH2nCOOR2)であるときnは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。アルキル基R2の炭素数が4を超えたり、或いは整数nが5より大きくなったりすると、所望の効果が得られなくなる。
このようなベンズイミダゾール化合物としては、例えば2−メルカプト−5−カルボキシベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール−5−メチルエステル、2−メルカプトベンズイミダゾール−5−エチルエステル、2−メルカプトベンズイミダゾール−5−酢酸、2−メルカプトベンズイミダゾール−5−プロピオン酸、2−メルカプトベンズイミダゾール−5−酢酸メチルエステル、2−メルカプトベンズイミダゾール−5−酢酸エチルエステル、2−メルカプトベンズイミダゾール−5−プロピオンメチルエステル、2−メルカプトベンズイミダゾール−5−プロピオンエチルエステル等を例示することができる。なかでも2−メルカプト−5−カルボキシベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール−5−メチルエステル、2−メルカプトベンズイミダゾール−5−エチルエステルが好ましい。このようなベンズイミダゾール化合物は、通常知られた合成方法により製造することができる。
従来、タイヤ用ゴム組成物に、2−メルカプトベンズイミダゾール系化合物を老化防止剤として配合することが知られている。しかし、2−メルカプトベンズイミダゾール系化合物を配合したタイヤ用ゴム組成物は、ゴム組成物のゴム強度及び/又は剛性が不足する。これに対し、ベンゼン環にカルボキシル基(COOH)、アルキルエステル基(COOR2)、カルボン酸基((CH2nCOOH)、エステル化カルボン酸基((CH2nCOOR2)から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する2−メルカプトベンズイミダゾール(以下、「カルボキシル基等を有する2−メルカプトベンズイミダゾール」という。)を配合することにより、ゴム組成物のゴム強度、剛性、耐摩耗性を高くすることができる。また、ゴム組成物の氷上摩擦力を悪化させることがない。
カルボキシル基等を有する2−メルカプトベンズイミダゾールの配合量は、ゴム成分100重量部に対し0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜6重量部である。配合量が0.1重量部未満であると、タイヤ用ゴム組成物のゴム強度、剛性及び耐摩耗性を高くする効果が得られない。また、配合量が10重量部を超えると、ゴム組成物の耐摩耗性、氷上摩擦力が低下する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、カーボンブラックを配合することにより、ゴム強度、剛性及び耐摩耗性を高くする。本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が80〜140m2/g、好ましくは110〜130m2/gである。N2SAが80m2/g未満であると、ゴム組成物の強度、剛性及び耐摩耗性が不足する。また、N2SAが140m2/gを超えるとゴム組成物の氷上摩擦力が悪化すると共に、加工性が悪化する。カーボンブラックのN2SAは、JIS K6217−2に準拠して、測定するものとする。
このようなカーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対し5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部にする。カーボンブラックの配合量が5重量部未満であると、ゴム組成物の強度、剛性及び耐摩耗性が不足する。また、配合量が50重量部を超えると、ゴム組成物の氷上摩擦力が悪化する。
本発明のゴム組成物は、熱膨張性マイクロカプセルを配合することができる。熱膨張性マイクロカプセルは、ポリアクリロニトリル等の熱可塑性樹脂で形成された殻材中に、熱膨張性物質を内包した構成からなる。このため、熱膨張性マイクロカプセルを配合したゴム組成物でトレッド部を形成した未加硫タイヤを成形し、この未加硫タイヤを加硫すると、ゴム組成物中のマイクロカプセルが加熱され殻材に内包された熱膨張性物質が膨張して殻材の粒径を大きくし、トレッドゴム中に多数の樹脂被覆気泡を形成する。これらの気泡により、氷の表面に発生する水膜を効率的に吸収除去すると共に、ミクロなエッジ効果が得られるため、氷上摩擦力が増大する。このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、例えばスェーデン国エクスパンセル社製の商品名「EXPANCEL 091DU−80」又は「EXPANCEL 092DU−120」等、或いは松本油脂製薬社製の商品名「マイクロスフェアー F−85」又は「マイクロスフェアー F−100」等を使用することができる。
本発明において、マイクロカプセルの配合量は、ゴム成分100重量部に対し、好ましくは1〜15重量部であり、より好ましくは2〜7重量部にするとよい。マイクロカプセルの配合量が、1重量部未満であると、トレッドゴム中に形成される樹脂被覆気泡の容積が不足し氷上摩擦力を十分に得ることができない。逆に、配合量が15重量部を超えると、ゴム組成物の耐摩耗性が悪化する。
本発明のゴム組成物において、シリカをカーボンブラックと共に配合することが好ましい。シリカを配合することによりゴム組成物の0℃近くのtanδを大きくしウェットグリップ性能を高くする作用を行う。また、ゴム組成物の発熱性を小さくしタイヤにしたときの転がり抵抗を低減する。本発明で使用するシリカは、窒素吸着比表面積(N2SA)が好ましくは80〜220m2/g、より好ましくは100〜200m2/gである。N2SAが80m2/g未満であると、タイヤ用ゴム組成物の強度、剛性及び耐摩耗性が不足する。また、N2SAが220m2/gを超えるとゴム組成物の加工性が悪化する。シリカのN2SAは、JIS Z8830に準拠して、測定するものとする。
シリカの配合量はゴム成分100重量部に対し好ましくは5〜50重量部、より好ましくは10〜40重量部にする。シリカの配合量が5重量部未満では、0℃付近のtanδを大きくすることができない。また、発熱性を小さくする効果が得られない。シリカの配合量が50重量部を超えると、ゴム組成物の耐摩耗性が不足する。
本発明では、カーボンブラック及びシリカの合計をゴム成分100重量部に対して、好ましくは50〜120重量部、より好ましくは55〜85重量部にする。カーボンブラック及びシリカの合計が50重量部未満では、ゴム組成物の強度、剛性及び耐摩耗性が不足する。また、カーボンブラックとシリカの合計が120重量部を超えると、ゴム組成物の氷上摩擦力が悪化する。
本発明において、シリカを配合するときは、同時にシランカップリング剤を配合することが好ましく、ジエン系ゴムに対するシリカの分散性を改良することができる。シランカップリング剤の配合量は、シリカの配合量に対し、好ましくは3〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%にするとよい。シランカップリング剤の配合量が3重量%未満であると、シリカの分散性を十分に改良することができない。また、シランカップリング剤の配合量が15重量%を超えると、シランカップリング剤同士が凝集・縮合してしまい、所望の効果を得ることができなくなる。
シランカップリング剤の種類としては、特に制限されるものではないが、硫黄含有シランカップリング剤が好ましい。硫黄含有シランカップリング剤としては、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
本発明では、カーボンブラック、シリカ以外の他の補強性充填剤を配合することができる。他の補強性充填剤としては、例えばクレイ、炭酸カルシウム、マイカ、タルク等を例示することができる。これらの補強性充填剤は、単独種で配合することができる。或いは、複数種を組み合わせて配合してもよい。
タイヤ用ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してタイヤ用ゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のタイヤ用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、氷上摩擦力を悪化させずに、ゴム強度、剛性及び耐摩耗性を従来レベル以上に高くすることができる。このタイヤ用ゴム組成物は、冬用空気入りタイヤのトレッド部に好適に使用することができる。このタイヤ用ゴム組成物でトレッド部を構成した冬用空気入りタイヤは、氷雪路面における走行性能が優れると共に、ドライ路面及びウェット路面における操縦安定性、耐摩耗性が優れる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1,2に示す配合からなる14種類のタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜6、比較例1〜8)を調製するに当たり、それぞれ硫黄、加硫促進剤及び熱膨張性マイクロカプセルを除く成分を秤量し、1.7L密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後マスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを1.7L密閉式バンバリーミキサーに供し、硫黄、加硫促進剤及び熱膨張性マイクロカプセルを加えて混合してタイヤ用ゴム組成物を得た。
得られた14種類のタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜6、比較例1〜8)を、それぞれ所定形状の金型中で、150℃、30分間加硫して試験片を作製し、下記に示す方法により引張り破断強度、動的弾性特性及び耐摩耗性の評価を行った。
氷上摩擦力
得られた試験片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機を用いて氷上摩擦係数を測定した。測定条件は、温度を−1.5℃、荷重を0.54MPa、ドラム回転速度を25km/hにした。得られた結果は、表1では比較例1を100、表2では比較例5を100とする指数として、表1,2の「氷上摩擦力」の欄に示した。この指数が大きいほど氷上摩擦力が大きく優れることを意味する。
引張り破断強度
得られた試験片から、JIS K6251に準拠してJIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、500mm/分の引張り速度で引張り破断強度を測定した。得られた結果は、表1では比較例1を100、表2では比較例5を100とする指数として表1,2に示した。この指数が大きいほど引張り破断強度が大きく、ゴム強度が優れることを意味する。
動的弾性特性(60℃のE′)
得られた試験片をJIS K6394に準拠して、岩本製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、伸張変形歪み率10%±2%、振動数20Hzの条件で、温度60℃における動的弾性率(E′)を測定した。得られた結果は、表1では比較例1を100、表2では比較例5を100とする指数として表1,2の「E′(60℃)」の欄に示した。このE′(60℃)の指数が大きいほど高温時の弾性率が高く剛性が優れることを意味する。
耐摩耗性
得られた試験片をJIS K6264に準拠して、ランボーン摩耗試験機(岩本製作所社製)を使用して、室温、荷重49N、スリップ率25%、時間4分の条件で摩耗試験を行い摩耗量を測定した。得られた結果は、比較例で1の値の逆数を100、表2では比較例5の値の逆数を100とする指数として表1,2に示した。この指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを意味する。
Figure 2011089034
Figure 2011089034
なお、表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
NR:天然ゴム、RSS#3、ガラス転移温度=−65℃
BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製NIPOL BR1220、ガラス転移温度=−105℃
SBR:スチレン−ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1502、ガラス転移温度=−54℃
カーボンブラック1:東海カーボン社製シースト6、N2SA=119m2/g
カーボンブラック2:キャボットジャパン社製ショウブラックN330、N2SA=75m2/g
カーボンブラック3:三菱化学社製ダイヤブラックA、N2SA=142m2/g
シリカ:東ソー・シリカ社製Nipsil AQ、N2SA=203m2/g
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製Si69
酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
老化防止剤:フレキシス社製SANTOFLEX 6PPD
化合物A:2−メルカプト−5−カルボキシベンズイミダゾール、下記の合成方法により製造したもの
化合物B:2−メルカプトベンズイミダゾール、住友化学社製アンチゲンMB
アロマオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーCBS
マイクロカプセル:熱膨張性マイクロカプセル、松本油脂製薬社製マイクロスフェアーF100
2−メルカプト−5−カルボキシベンズイミダゾールの合成
N,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製)を150gを入れた500mlの丸フラスコに3,4−ジアミノ安息香酸(東京化成工業社製)を76.1g、エチルキサントゲン酸カリウム(東京化成工業社製)を80.2g、触媒としてN,N−ジメチルアセトアミド(東京化成工業社製)を87.1g加え、温度160℃に加温して、1時間還流しながら反応させた。その後、この反応溶液を室温まで冷却し1時間静置した。得られた沈殿物をろ過し、エタノールで繰り返し洗浄し、温度80℃で24時間、真空乾燥したところ、97gの2−メルカプト−5−カルボキシベンズイミダゾールを得た。

Claims (4)

  1. ガラス転移温度が−60℃以下のジエン系ゴムを60〜100重量%含むゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積が80〜140m2/gであるカーボンブラックを5〜50重量部、下記式(1)で表されるベンズイミダゾール化合物を0.1〜10重量部配合したタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2011089034
    (式中、R1はCOOH,COOR2,(CH2nCOOH,(CH2nCOOR2から選ばれる少なくとも1種を表す。なお、R2は炭素数1〜4のアルキル基、nは1〜5の整数である。)
  2. 前記ゴム成分100重量部に対し、熱膨張性マイクロカプセルを1〜15重量部配合した請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ゴム成分100重量部に対し、シリカを5〜50重量部配合した請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1,2又は3に記載のタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に使用した冬用空気入りタイヤ。
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