JP2011088326A - 粘着層付き水系インクジェット用記録シート - Google Patents

粘着層付き水系インクジェット用記録シート Download PDF

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龍也 辻
Shigeji Morita
繁二 森田
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匡誉 岩崎
Masayuki Matsubara
昌幸 松原
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Abstract

【課題】ラミネートフィルムを加熱せずにローラに挟んで圧着させても、粘着面の凹凸がつぶれることがなく、インクジェット受容層とラミネートフィルムの間に「はがれ」が生じることがない、空気抜けしやすい粘着層付きインクジェット用記録シートを提供することである。
【解決手段】粘着層、基材フィルム、水系インクジェット受容層の順に積層した粘着層付き水系インクジェット用記録シートであり、粘着層の粘着面には規則的な配置の粘着凸状部が形成されたものとなり、粘着凸状部は、球表面のように滑らかに膨らむ曲面の凸状であり、水系インクジェット受容層には多孔質の微粒子が含有されたものであり、JIS Z−0237に準じて測定した粘着層付き水系インクジェット用記録シートの保持力が0〜1.0mmとなることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、水系インクを用いたインクジェットプリンタ用の受容層(水系インクジェット用受容層)を有する記録シートであり、水系インクジェット用受容層と反対面に粘着層を有する水系インクジェット用記録シートに関し、特に、空気抜けしやすい粘着層付きインクジェット用記録シートに関する。
粘着層付き水系インクジェット用記録シートは、そのインクジェット受容層に水系インクを用いてインクジェットプリンタにて画像などを印刷して、その画像表面にラミネートフィルムを貼り合わせて、その後、粘着層にて被貼付物に貼り付けるものである。被貼付物に貼り付ける時には、ラミネートフィルムの上から貼り付け具であるスキージなどを押し当てて、空気を抜くように被貼付物に貼り付けている。粘着層の粘着面が平坦であると、貼り付け具であるスキージなどを用いたとしても、空気をうまく抜くことは難しく、空気残りによる「ふくらみ」などが生じることがあった。
そこで、インクジェット用記録シートに限らず、粘着層の粘着面に凹凸を設けて、うまく空気が抜ける経路を設けたものが開発されている。例えば、特開昭59−078285号公報、実用新案登録第2503717号公報、特開2004−075843号公報などがある。
これら粘着面においても、スキージを1回だけ押し当てただけで空気がすべて抜けることはなく、インクジェット用記録面に多少「ふくらみ」が生じることがあった。この場合、スキージを何回か押し当てて空気を抜いて、「ふくらみ」を無くしていた。何回もスキージを押し当てて空気を抜くことなく、1回だけスキージを押し当てて、貼り付ける時の「ふくらみ」を無くすことが求められていた。
また、「ふくらみ」を無くして貼り付けた後に、しばらく時間が経ってから、「ふくらみ」が生じることもあった。この時間が経ってからの「ふくらみ」は、貼り付けた時には無いので、目に見えないほど小さな何かしらの気体が、時間の経過とともにシートもしくは被貼付物から出てきて集まって、目に見えるほどの「ふくらみ」になったものである。目に見えないほどの小さな気体は、例えば、貼り付け時に取り残されたものや、粘着層などの残留溶剤が揮発したものなどが考えられる。時間が経ってから気体が出てきても、「ふくらみ」が生じないことが求められていた。
さらに、インクジェット用記録シートを貼り替えるという使用用途があり、被貼付物に貼り付けてしばらくの期間の後にインクジェット用記録シートを剥がす時に、粘着面に凹凸の経路があっても、その凸部分で引きちぎれて、被貼付物に粘着剤が残らないことも求められていた。
これらを解決するために、本発明者らは、粘着凸状部の形状と規則的な配置および粘着シートの保持力との関係(特願2009−101762号公報)を見出している。
特開昭59−078285号公報 実用新案登録第2503717号公報 特開2004−075843号公報 特願2009−101762号公報
水系インクを用いたインクジェットプリンタで画像などを印刷したインクジェット用記録シートは、そのままでは耐久性に劣ることもあり、すぐにラミネートフィルムを貼り合わせることが一般的である。これを被貼付物に貼り付けている期間に、インクジェット受容層とラミネートフィルムの間に、特に四隅のどこかに「はがれ」が生じることがあった。また、ラミネートフィルムを貼り合せるのに、加熱せずにローラに挟んで圧着させるために、空気を抜くための粘着面の凹凸がつぶれてしまう不具合が生じることがあった。
発明が解決しようとする課題は、ラミネートフィルムを加熱せずにローラに挟んで圧着させても、粘着面の凹凸がつぶれることがなく、インクジェット受容層とラミネートフィルムの間に「はがれ」が生じることがない、空気抜けしやすい粘着層付きインクジェット用記録シートを提供することである。
本発明は、粘着層、基材フィルム、水系インクジェット受容層の順に積層した粘着層付き水系インクジェット用記録シートであり、粘着層は、規則的な配置の離型凹状部を設けた離型フィルムの離型面に粘着塗工液を塗工して基材フィルムを貼り合わせて形成され、粘着層の粘着面には規則的な配置の粘着凸状部が形成されたものとなり、粘着凸状部は、球表面のように滑らかに膨らむ曲面の凸状であり、粘着層における基材フィルムから粘着面までの厚さが10μm〜50μmであり、粘着面上の粘着凸状部の高さが3μm〜10μmであり、規則的な配置は、粘着面と粘着凸状部との境界面形状が円形もしくは正多角形であり、その中心もしくは重心が、辺を共有して繰り返す正方形でない同じ菱形の頂点に位置しているものであり、菱形の1辺の長さが0.3mm〜0.9mmであり、境界面円形の中心からの半径もしくは境界面正多角形の重心から正多角形の頂点までの長さが0.1mm〜0.3mmであり、水系インクジェット受容層は、基材フィルムに受容層塗工液を塗工して形成され、水系インクジェット受容層には多孔質の微粒子が含有されたものであり、JIS Z−0237に準じて測定した粘着層付き水系インクジェット用記録シートの保持力が0〜1.0mmとなることを特徴とする粘着層付きインクジェット用記録シートである。
本発明によりラミネートフィルムを加熱せずにローラに挟んで圧着させても、粘着面の凹凸がつぶれることがなく、インクジェット受容層とラミネートフィルムの間に「はがれ」が生じることがない、空気抜けしやすい粘着層付きインクジェット用記録シートを提供することができるようになった。
粘着層付き水系インクジェット用記録シートの断面を示した説明図である。 各層を示した説明図である。 粘着層を図の上側に示した説明図である。 粘着凸状部の断面を示した説明図である。 粘着面と粘着凸状部との境界面を示した説明図である。 規則的な配置の説明図である。 ラミネートフィルムの貼り合せを示した説明図である。 スキージ前の状態を示した説明図である。 スキージ後の状態を示した説明図である。 1ヶ月経過した状態を示した説明図である。 正方形の頂点に位置する配置の説明図である。
図1は、粘着層付き水系インクジェット用記録シート1の断面を示した説明図である。粘着層付き水系インクジェット用記録シート1は、図の下側から上側へ粘着層2、基材フィルム3、水系インクジェット受容層4の順に積層している。
図2は、各層を示した説明図である。粘着層2は、規則的な配置の凹状部を設けた離型フィルム5の離型面に粘着塗工液を塗工して基材フィルム3を貼り合わせて形成され、水系インクジェット受容層4は、この基材フィルム3に受容層塗工液を塗工して形成される。この水系インクジェット受容層4に、水系インクジェットプリンタで画像などを印刷して、その上に透明なラミネートフィルム6を貼り合せる。ラミネートフィルム6は、ラミネート粘着層7とラミネート基材8からなる。図2は、これら各層を示している。
離型フィルム5の離型面には、エンボス加工によって規則的な配置の離型凹状部を設けている。その離型面に粘着塗工液を塗工して粘着層2を形成するので、粘着層2の粘着面には規則的な配置の粘着凸状部9が形成される。
図3は、粘着層2を図の上側に示した説明図である。図1とは上下が逆であり、図の下側から上側へ水系インクジェット受容層4、基材フィルム3、粘着層2の順に積層している。粘着凸状部9は、粘着面10上に規則的な配置で形成されており、粘着層2は、この粘着凸状部9も含めた部分である。
粘着凸状部9は、球表面のように滑らかに膨らむ曲面の凸状であり、粘着層2における基材フィルム境界面から粘着面10までの厚さpが10μm〜50μmであり、粘着面10上の粘着凸状部9の高さtが3μm〜10μmである。これらが粘着層2である。
粘着層2における基材フィルム境界面から粘着面10までの厚さpが、10μmより小さいと、被貼付物からはがれやすくなったり、50μmより大きいと、時間が経過した後に粘着層付き水系インクジェット用記録シート1を被貼付物から剥がす時に被貼付物に粘着剤が残ったりする不具合が起こることがある。
粘着面10上の粘着凸状部9の高さtが、3μmより小さいと、スキージなどを押し当てても空気を抜くことができずに「ふくらみ」が生じたり、10μmより大きいと、時間が経過した後に粘着層付き水系インクジェット用記録シート1を被貼付物から剥がす時に被貼付物に粘着剤が残ったりする不具合が起こることがある。
図4は、粘着凸状部9の断面を示した説明図である。粘着層2を網点で表しており、粘着面10と粘着凸状部9との境界面形状が円形の場合である。その円形の中心N上の垂線LNと、円形の直径KMおよび半径rとを一点破線で表している。前述したように、粘着面10上の粘着凸状部9の高さtが3μm〜10μmである。
粘着凸状部9は、階段のような段差はなく、図のように、球表面のように滑らかに膨らむ曲面の凸状である。階段のような段差があると、貼付する時にその段差に空気が残ることがある。球表面のように滑らかに膨らむ曲面であると、貼付する時に滑らかに膨らむ曲面で空気が押し出されて空気が残りにくい。
境界面円形の中心からの半径rもしくは境界面正多角形の重心から正多角形の頂点までの長さrが0.1mm〜0.3mmである。粘着面10上の粘着凸状部9の高さtと粘着層付き水系インクジェット用記録シート1の保持力との関係から、この半径rもしくはこの長さrの範囲が好ましい。
境界面円形の中心からの半径rもしくは境界面正多角形の重心から正多角形の頂点までの長さrが、0.1mmより小さいと、粘着層付き水系インクジェット用記録シート1が被貼付物から剥がれやすくなったり、0.3mmより大きいと、球表面のように滑らかに膨らむ曲面の凸状であっても、貼付する時にスキージを押し当てる前の状態で接触面積が大きくなるので空気が残ったりする不具合が起こることがある。
図5は、粘着面と粘着凸状部9との境界面11を示した説明図である。図3におけるA−A’断面図であり、粘着層である粘着凸状部9の部分を網点で表している。図5は、図4と同じく、粘着面と粘着凸状部9との境界面形状が円形の場合である。図5におけるB−B’断面図を表したものが、図3となる。
粘着面と粘着凸状部9との境界面形状は円形だけでなく、星型正多角形を含めた正多角形でもよい。円形もしくは正多角形であり、球表面のように滑らかに膨らむ曲面の凸状であると、空気が残らずに抜けやすい。正多角形でも正六角形以上の角の多い正多角形の方が、円形に近くなるので好ましい。
図6は、規則的な配置の説明図である。粘着面と粘着凸状部9との境界面形状が円形の場合での説明である。図6(a)は、正方形でない同じ菱形12が辺13を共有して繰り返しているものである。図6(b)は、その菱形12の頂点14に、粘着面と粘着凸状部との境界面円形の中心Nが位置しているものである。図6(c)は、菱形12を消去して、粘着面と粘着凸状部との境界面11を表したものであり、これが図5と同じである。境界面形状が円形でなく正多角形の場合には、境界面正多角形の重心Nが、辺13を共有して繰り返す正方形でない同じ菱形12の頂点14に位置する。
菱形12の一辺13の長さが0.3mm〜0.9mmであり、境界面円形の中心からの半径rもしくは境界面正多角形の重心から正多角形の頂点までの長さrが0.1mm〜0.3mmである。粘着面と粘着凸状部との境界面形状が円形もしくは正多角形であり、隣り合う境界面形状が接したりつながったりしていないものである。接したりつながったりしていると、空気が残りやすくなり、好ましくない。
菱形の一辺の長さが、0.3mmより小さいと、気体が抜けなかったり、0.9mmより大きいと、粘着層付き水系インクジェット用記録シート1が剥がれやすくなったりする不具合が起こることがある。
このように、粘着層は、離型フィルムの離型面への塗工によって形成され、粘着面上に規則的な配置の粘着凸状部が形成されたものとなり、粘着凸状部は、球表面のように滑らかに膨らむ曲面の凸状であり、粘着層における基材フィルムから粘着面までの厚さが10μm〜50μmであり、粘着面上の粘着凸状部の高さが3μm〜10μmであり、規則的な配置は、粘着面と粘着凸状部との境界面形状が円形もしくは正多角形であり、その中心もしくは重心が、辺を共有して繰り返す正方形でない同じ菱形の頂点に位置しているものであり、菱形の1辺の長さが0.3mm〜0.9mmであり、境界面円形の中心からの半径もしくは境界面正多角形の重心から正多角形の頂点までの長さが0.1mm〜0.3mmである。
ここで塗工とは、ブレードコーター、バーコーター、コンマコーター、リバースロールコーター、グラビアコーターなどのいわゆるコーターを用いて、粘着層塗工液を塗布して層状に形成するものであり、加熱乾燥や紫外線硬化などにより粘着層を形成する。塗工液が液状であることによって、粘着面に粘着凸状部のある粘着層を形成することができる。
粘着層塗工液は、一般に粘着剤として扱われているアクリル系、ビニルエーテル系などの合成樹脂やゴム系の粘着性を有する材料を用いることができる。架橋剤や硬化剤を併用する方が、粘着凸状部の形状が安定して製造できるため、好ましい。必要であれば、充填剤、接着性調整剤、老化防止剤等を配合してもよい。
離型フィルムは、エンボス加工によって離型凹状部を設けることができる材質であればよいが、エンボス加工後に塗工するまで時間が経過したり、エンボス加工とは異なる場所で塗工するために移動したりしても、離型凹状部の形状が安定している必要がある。また、ラミネートフィルムを貼り合せる時にローラで圧着するので、その圧力でも離型凹状部の形状がつぶれたり変形したりせず安定している必要がある。それゆえPET(ポリエチレンテレフタレート)やPP(ポリプロピレン)が好ましい。
基材フィルムは、インクジェット受容層と、その反対面に粘着層を形成するため、合成紙やPETフィルムなどが好ましい。インクジェット受容層は、単なる膨潤タイプのものではなく、多孔質の微粒子が含有されたものである。多孔質の微粒子が含有されていない膨潤タイプであると、印刷直後のインクジェット受容層は水系のインク溶媒によって膨潤していて、ラミネートフィルムを貼り合せる時に画像などを印刷した表面に触れると跡が残るなどの不具合が生じることがある。多孔質の微粒子が含有されたものであると、微粒子が水系のインク溶媒を保持して受容層の膨潤を抑えることになり、跡が残るなどの不具合が生じにくい。
多孔質の微粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。このうち多孔質の微粒子がシリカであると、保持した水系のインク溶媒が乾燥するのが速いので好ましい。そのため、印刷直後でもラミネートフィルムを貼り合せることができ、膨潤タイプのように充分に乾燥するまで時間を空ける必要がなく、作業効率がよい。なお、充分に乾燥させずに膨潤タイプにラミネートフィルムを貼り合せると、インク溶媒が留まることになり、受像層がひび割れを起こしたり、インク溶媒が受像層と基材との境界にまで達して、そこから剥がれたりする不具合が生じることがある。多孔質の微粒子がシリカであると、そのような不具合は生じにくい。
図7は、ラミネートフィルムの貼り合せを示した説明図である。離型フィルム5に形成した粘着層付き水系インクジェット用記録シート1に、水系インクジェットプリンタで画像などを印刷して、その面にラミネートフィルム6を合わせて、ローラ15で上下から挟んで圧着させて、ラミネートフィルムを貼り合せる。この後に、離型フィルム5を剥がして、ラミネートフィルム6とともに粘着層付き水系インクジェット用記録シート1を被貼付物に貼り付ける。
なお、図7では、水系インクジェット用記録シート1とラミネートフィルム6は単層のように表しているが、図2のように各層からなるものである。また、離型フィルム5と水系インクジェット用記録シート1の境界の凹状部凸状部も省略している。
図7のようにローラ15で上下から挟んで圧着させても、粘着層の粘着面の規則的な配置の粘着凸状部がつぶれることはない。これは、離型フィルム5の材質(PETやPP)が安定しているからだけでなく、粘着層付き水系インクジェット用記録シートの保持力が0〜1.0mmの範囲であることも重要な要素であると考えている。
また、離型フィルム5には離型凹状部の形状があるため、その形状が離型面とは反対の外面(図2の下側)にも反映されており、そこにローラが圧着されることで、ローラの均一な圧力だけでなく、その形状の影響を受けて微小な圧力の強弱が生じて、ラミネートの貼り合わせを強くしているのではないかと推測している。そのため、この離型凹状部の形状がある方が、平坦で離型凹状部の形状がない方よりも、時間が経過した後のインクジェット受容層とラミネートフィルムの間の「はがれ」は生じにくい。
図8は、被貼付物16に粘着層付き水系インクジェット用記録シート1を貼り付けたスキージ前の状態を示した説明図である。
図8(a)は、剥離フィルムから剥がして、被貼付物16にラミネートフィルム6を貼り合せた粘着層付き水系インクジェット用記録シート1を貼り付けだけであり、スキージを押し当てる前の状態である。この状態で、空気などの気体が抜ける経路17が存在している。図8(b)は、図8(a)のC−C’断面であり、被貼付物16と粘着凸状部9との接触面18を斜線で表している。接触面18のひとつの面積は小さいが数が多くあるので、シートを被貼付物16に保持させることはでき、かつ、貼り直して位置調整することもできる。図8(b)のD−D’断面を表したものが、図8(a)である。
このように、貼り付けたスキージ前の状態でも、空気などの気体が抜ける経路17が既に存在しているために、この状態においても空気残りによる「ふくらみ」が既に出にくいものとなっている。
図9は、図8のスキージ後の状態を示した説明図である。図9(a)は、被貼付物16にラミネートフィルム6を貼り合せた粘着層付き水系インクジェット用記録シート1を貼り付けて、スキージを押し当てて、空気を抜くように貼り付けた状態である。この状態で、空気などの気体が抜ける経路17は、スキージ前より小さくなっているが、なくなってはおらず存在している。図9(b)は、図9(a)のE−E’断面であり、被貼付物16と粘着凸状部9との接触面18を斜線で表している。図8(b)の被貼付物16と粘着凸状部9との接触面18より面積が大きくなっているが、空気が抜ける経路17もまだ存在している。接触面18の面積がより大きくなったことで、貼り付けた状態を長期間保つことができる。図9(b)のE−E’断面を表したものが、図9(a)である。
このように、貼り付けたスキージ後の状態でも、空気などの気体が抜ける経路17がまだ存在しているために、この状態においても気体による「ふくらみ」が出にくいものとなっている。
図8や図9のような状態にするには、JIS Z−0237に準じて測定した粘着層付き水系インクジェット用記録シートの保持力が0〜1.0mmとなるものであればよい。この保持力が0〜0.5mmとなるのがより好ましく、0mmとなるのがさらに好ましいものである。また、このような保持力であれば、粘着シートを剥がす時に被貼付物に粘着剤が残らない。保持力の値が大きいと、スキージを押し当てた時に粘着凸状部がつぶれたり、時間が経ってからの「ふくらみ」が生じたり、ラミネートフィルムを圧着させて粘着面の凹凸がつぶれたりする、何かしらの不具合が起こることがある。
厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムをエンボス加工して規則的な配置の凹状部を設けた離型フィルムの離型面に、粘着塗工液をコーターを用いて塗布して加熱乾燥して、厚さ80μmの合成紙の基材フィルムを貼り合わせて粘着層を形成した。
粘着凸状部は、球表面のように滑らかに膨らむ曲面の凸状であり、粘着層における基材フィルムから粘着面までの厚さが25μm、粘着面上の粘着凸状部の高さが8μmである。
規則的な配置は、粘着面と粘着凸状部との境界面形状が円形であり、その中心が辺を共有して繰り返す正方形でない同じ菱形の頂点に位置しているものであり、菱形の1辺の長さが0.47mm、境界面円形の中心からの半径が0.16mmである。
粘着塗工液は、固形分比で、アクリル系粘着剤である綜研化学株式会社製SKダイン1442を99重量%、イソシアネート系架橋剤である綜研化学株式会社製L−45を0.1重量%、エポキシ系架橋剤である綜研化学株式会社製E−5XMを0.9重量%となるようにトルエン溶液中に混合したものを用いた。なお、これに着色剤を混合して着色してもよい。
この基材フィルムに受容層塗工液をコーターを用いて塗布して加熱乾燥して、水系インクジェット受容層を厚さ30μmになるように形成した。
受容層塗工液は、固形分比で、水性ウレタン樹脂である大原パラヂウム化学株式会社製パラゾールU−800Kを50重量%、多孔質の微粒子としてシリカである水澤化学工業株式会社製ミズカシルP−78Aを50重量%を水に混合したものを用いた。なお、分散性を上げるために分散剤や、インクジェット印刷適性を上げるために調整剤などの添加剤を適量追加してもよい。
ここまでが粘着層付き水系インクジェット用記録シートであり、これを用いてJIS Z−0237に準じて保持力を測定したところ、0mmであった。また、貼付後、24時間後と48時間後とにそれぞれの保持力を測定したところ、それぞれともに0mmであった。
この粘着層付き水系インクジェット用記録シートの受容層に水系インクジェットプリンタにて画像を印刷して、その面に厚さ80μmの塩ビのラミネート基材と厚さ25μmのラミネート粘着層からなるラミネートフィルムを合わせて、ローラで上下から挟んで圧着させて、ラミネートフィルムを貼り合せた。
これを被貼付物16として透明なガラス板や透明なアクリル板に貼付して、スキージ前およびスキージ後の状態を観察した。それらが図8(b)および図9(b)である。
さらに、図10は、被貼付物に貼り付けた後、1ヶ月経過した状態を示した説明図である。図10(a)は、被貼付物16に粘着層付き水系インクジェット用記録シート1をスキージを押し当てて空気を抜くように貼り付けて、1ヶ月経過した状態である。図10(b)は、図10(a)のG−G’断面であり、被貼付物16と粘着凸状部9との接触面18を斜線で表している。図10(b)のH−H’断面を表したものが、図10(a)である。
このように1ヶ月経過した状態でも、気体が抜ける経路17がすべて無くなるわけでなく少し残っており、時間の経過とともに気体が出てきても、この経路17によって気体が抜けて集まることがなく、「ふくらみ」が生じない。
粘着面と粘着凸状部との境界面形状が円形もしくは正多角形であり、その中心もしくは重心が、辺を共有して繰り返す正方形でない同じ菱形の頂点に位置している規則的な配置であるから、このような経路17ができるものである。正方形でない菱形ではなく、正方形のように、頂点が同じ間隔で位置している配置であると、図10のような経路ができずに、空隙ができてしまう。
図11は、正方形の頂点に位置する配置の説明図である。粘着面と粘着凸状部との境界面形状が円形であり、その中心が正方形の頂点に位置する配置である。被貼付物と粘着凸状部との接触面18を斜線で表している。時間が経過して、隣合う粘着凸状部がつながりあっている。図10と異なり、経路ができずに、空隙19ができてしまっている。このような状態になると、気体が抜けることなく、その空隙19から「ふくらみ」になってしまう。このようにならないように、正方形でない同じ菱形の頂点に位置している規則的な配置にする必要がある。
被貼付物16として透明なガラス板に貼付して、50℃で48時間経過させると、経路17が全く観察できなくなり、さらに、室温に戻して放置しても、経路17が復活することもなく、「ふくらみ」が生じることもなかった。
実際の施工として、900mm×1800mmサイズのものをスキージを押し当てて被貼付物に貼り付けることを行った。「ふくらみ」が生じることなく、スキージを1回だけ押し当てて「ふくらみ」を無くすことができた。その後、1週間と1ヶ月経過したものを観察したが、新たな「ふくらみ」も生じることはなかった。また、1ヶ月経過したものを剥がす時に被貼付物に粘着剤が残らなかった。
1 粘着層付き水系インクジェット用記録シート
2 粘着層
3 基材フィルム
4 水系インクジェット受容層
5 離型フィルム
6 ラミネートフィルム
7 ラミネート粘着層
8 ラミネート基材
9 粘着凸状部
10 粘着面
11 粘着面と粘着凸状部との境界面
12 菱形
13 菱形の辺
14 菱形の頂点
15 ローラ
16 被貼付物
17 経路
18 接触面
19 空隙
N 境界面円形の中心もしくは境界面正多角形の重心
p 基材フィルムから粘着面までの厚さ
t 粘着面上の粘着凸状部の高さ
r 半径もしくは重心から頂点までの長さ

Claims (1)

  1. 粘着層、基材フィルム、水系インクジェット受容層の順に積層した粘着層付き水系インクジェット用記録シートであり、
    粘着層は、規則的な配置の離型凹状部を設けた離型フィルムの離型面に粘着塗工液を塗工して基材フィルムを貼り合わせて形成され、粘着層の粘着面には規則的な配置の粘着凸状部が形成されたものとなり、
    粘着凸状部は、球表面のように滑らかに膨らむ曲面の凸状であり、粘着層における基材フィルムから粘着面までの厚さが10μm〜50μmであり、粘着面上の粘着凸状部の高さが3μm〜10μmであり、
    規則的な配置は、粘着面と粘着凸状部との境界面形状が円形もしくは正多角形であり、その中心もしくは重心が、辺を共有して繰り返す正方形でない同じ菱形の頂点に位置しているものであり、菱形の1辺の長さが0.3mm〜0.9mmであり、境界面円形の中心からの半径もしくは境界面正多角形の重心から正多角形の頂点までの長さが0.1mm〜0.3mmであり、
    水系インクジェット受容層は、基材フィルムに受容層塗工液を塗工して形成され、水系インクジェット受容層には多孔質の微粒子が含有されたものであり、
    JIS Z−0237に準じて測定した粘着層付き水系インクジェット用記録シートの保持力が0〜1.0mmとなることを特徴とする粘着層付き水系インクジェット用記録シート。
JP2009242617A 2009-10-21 2009-10-21 粘着層付き水系インクジェット用記録シート Pending JP2011088326A (ja)

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