JP2011086541A - 雄端子金具 - Google Patents
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Abstract
【課題】端子金具を接続する際の作業フィーリングの向上を図る。
【解決手段】雄端子金具10は、角筒部21内に弾性接触片22を収容した雌端子金具20との接続方向に沿って前方へ延出した形態のタブ11を有し、雌端子金具20との接続過程では、角筒部21内に挿入したタブ11が、弾性接触片22を挿入方向と交差する方向へ押圧して弾性撓みさせることにより、タブ11と弾性接触片22と間で接触圧を確保する。タブ11は、挿入方向と交差する方向の厚さ寸法が挿入方向において一定であり、雌端子金具20との接続過程における終期及び接続完了時にのみ弾性接触片22に接触する接圧確保部14と、挿入方向において接圧確保部14よりも前方に位置し、且つ接圧確保部14よりも厚さ寸法の小さいガイド部12とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】雄端子金具10は、角筒部21内に弾性接触片22を収容した雌端子金具20との接続方向に沿って前方へ延出した形態のタブ11を有し、雌端子金具20との接続過程では、角筒部21内に挿入したタブ11が、弾性接触片22を挿入方向と交差する方向へ押圧して弾性撓みさせることにより、タブ11と弾性接触片22と間で接触圧を確保する。タブ11は、挿入方向と交差する方向の厚さ寸法が挿入方向において一定であり、雌端子金具20との接続過程における終期及び接続完了時にのみ弾性接触片22に接触する接圧確保部14と、挿入方向において接圧確保部14よりも前方に位置し、且つ接圧確保部14よりも厚さ寸法の小さいガイド部12とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、雄端子金具に関するものである。
特許文献1には、角筒部内に弾性接触片を収容した形態の雌端子金具と、先端部に細長いタブを有する雄端子金具とを接続する構造が開示されている。両端子金具を接続する際には、タブを、角筒部内に挿入して、弾性接触片に対し弾性撓みさせた状態で接触させる。
両端子金具の接続過程では、タブを角筒部に挿入した当初からタブが弾性接触片に接触し、その接触状態は両端子金具の接続動作が完了するまで継続する。この間、弾性撓みさせられている弾性接触片の弾性復元力により、弾性接触片とタブとの間には摺動に起因する挿入抵抗が生じ続けることになる。
このように、従来では、両端子金具の接続行程のうち接続開始直後から接続完了に至るほぼ全行程に亘り、挿入動作に抗する挿入抵抗が発生し続けるため、作業者が感得する作業フィーリングが悪く、改善が望まれる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子金具を接続する際の作業フィーリングの向上を図ることを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、角筒部内に弾性接触片を収容した雌端子金具との接続方向に沿って前方へ延出した形態のタブを有し、前記雌端子金具との接続の過程では、前記角筒部内に挿入した前記タブが、前記弾性接触片を挿入方向と交差する方向へ押圧して弾性撓みさせることにより、前記タブと前記弾性接触片と間で接触圧を確保するようになっている雄端子金具において、前記タブは、挿入方向と交差する方向の厚さ寸法が挿入方向において一定であり、前記雌端子金具との接続過程における終期及び接続完了時にのみ前記弾性接触片に接触する接圧確保部と、挿入方向において前記接圧確保部よりも前方に位置し、且つ前記接圧確保部よりも厚さ寸法の小さいガイド部とを備えているところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記ガイド部の厚さ寸法は、前記タブを前記角筒部に挿入する過程で前記ガイド部が前記弾性接触片の接点部に接触するように設定されているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記ガイド部における挿入方向後端と、前記接圧確保部における挿入方向前端との間に、挿入方向後方に向かって次第に厚さ寸法が増大するテーパ状の緩衝部が設けられているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記ガイド部の厚さ寸法が、挿入方向における全領域に亘って一定であるところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記ガイド部が、挿入方向前方に向かって次第に厚さ寸法が減少するテーパ状をなしているところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項5に記載のものにおいて、前記ガイド部の挿入方向後端には、挿入方向後方に向かって次第に厚さ寸法が増大するテーパ状の緩衝部が連なっており、前記ガイド部のテーパの角度と前記緩衝部のテーパの角度とが同じ角度とされ、且つ前記ガイド部の外面と前記緩衝部の外面とが面一状に連なっているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
雌端子金具との接続過程において、タブが角筒部に挿入した当初は、厚さ寸法の比較的小さいガイド部が弾性接触片と対応するので、タブと弾性接触片との間の摺動に起因する大きなる挿入抵抗は生じない。そして、挿入終期では、比較的厚さ寸法の大きい接圧確保部が弾性接触片に弾性接触するので、タブと弾性接触片との弾性接触に起因する摺動抵抗が生じる。本発明の雄端子金具によれば、雌端子金具との接続行程において大きな挿入抵抗が発生するのが挿入終期のみとなるので、雌端子金具との接続の開始直後から接続完了に至るほぼ全行程に亘って挿入抵抗が発生し続けるものに比べると、作業フィーリングに優れている。
雌端子金具との接続過程において、タブが角筒部に挿入した当初は、厚さ寸法の比較的小さいガイド部が弾性接触片と対応するので、タブと弾性接触片との間の摺動に起因する大きなる挿入抵抗は生じない。そして、挿入終期では、比較的厚さ寸法の大きい接圧確保部が弾性接触片に弾性接触するので、タブと弾性接触片との弾性接触に起因する摺動抵抗が生じる。本発明の雄端子金具によれば、雌端子金具との接続行程において大きな挿入抵抗が発生するのが挿入終期のみとなるので、雌端子金具との接続の開始直後から接続完了に至るほぼ全行程に亘って挿入抵抗が発生し続けるものに比べると、作業フィーリングに優れている。
<請求項2の発明>
挿入の過程では、ガイド部が弾性接触片の接点部に摺接することにより、接点部の表面の酸化被膜を除去するワイピング効果が期待でき、これにより、接点部とタブとの間の接触抵抗を低減することができる。尚、ガイド部は接圧確保部よりも厚さが薄いので、ガイド部と弾性接触片との間の摺動に起因する挿入抵抗は小さい。したがって、作業フィーリングが大幅に低下する虞はない。
挿入の過程では、ガイド部が弾性接触片の接点部に摺接することにより、接点部の表面の酸化被膜を除去するワイピング効果が期待でき、これにより、接点部とタブとの間の接触抵抗を低減することができる。尚、ガイド部は接圧確保部よりも厚さが薄いので、ガイド部と弾性接触片との間の摺動に起因する挿入抵抗は小さい。したがって、作業フィーリングが大幅に低下する虞はない。
<請求項3の発明>
タブの挿入過程で接圧確保部が弾性接触片に当接するときには、その直前に、テーパ状の緩衝部が弾性接触片に当接して弾性接触片を予備的に弾性撓みさせるようになっているので、弾性接触片が急激に弾性撓みすることに起因して挿入抵抗が急激に増大するという虞がなく、作業フィーリングに優れている。
タブの挿入過程で接圧確保部が弾性接触片に当接するときには、その直前に、テーパ状の緩衝部が弾性接触片に当接して弾性接触片を予備的に弾性撓みさせるようになっているので、弾性接触片が急激に弾性撓みすることに起因して挿入抵抗が急激に増大するという虞がなく、作業フィーリングに優れている。
<請求項4の発明>
ガイド部の厚さ寸法を挿入方向における全領域に亘って一定としたので、ガイド部の形成が容易である。
ガイド部の厚さ寸法を挿入方向における全領域に亘って一定としたので、ガイド部の形成が容易である。
<請求項5の発明>
ガイド部は、挿入方向前方に向かって次第に厚さ寸法が減少するテーパ状の形態となっているので、雌端子金具に対するタブの挿入方向が正規の方向に対して斜めを向いた場合でも、ガイド部の前端が弾性接触片に対して斜めにこじるように当接する、という事態を回避できる。
ガイド部は、挿入方向前方に向かって次第に厚さ寸法が減少するテーパ状の形態となっているので、雌端子金具に対するタブの挿入方向が正規の方向に対して斜めを向いた場合でも、ガイド部の前端が弾性接触片に対して斜めにこじるように当接する、という事態を回避できる。
<請求項6の発明>
ガイド部の外面と緩衝部の外面との間には段差が存在しないので、タブの挿入過程でガイド部の外面と緩衝部の外面が弾性接触片に摺接しても、挿入抵抗は徐々に上昇することになる。したがって、ガイド部と緩衝部との間に段差が存在することに起因する挿入抵抗の急上昇が回避され、良好な作業フィーリングが維持される。
ガイド部の外面と緩衝部の外面との間には段差が存在しないので、タブの挿入過程でガイド部の外面と緩衝部の外面が弾性接触片に摺接しても、挿入抵抗は徐々に上昇することになる。したがって、ガイド部と緩衝部との間に段差が存在することに起因する挿入抵抗の急上昇が回避され、良好な作業フィーリングが維持される。
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図4を参照して説明する。
本実施形態の雄端子金具10は、雌端子金具20と接続されるようになっている。雌端子金具20は、前面(図における左側の面)が開放された略方形の角筒部21と、角筒部21内に収容された弾性接触片22とを備えている。弾性接触片22は、角筒部21を構成する上面壁の前端縁から延出した部分を、斜め下後方へ折り返し状に曲げ加工して形成されたものである。弾性接触片22は谷形の屈曲部を有し、この屈曲部の最下端には、下方へ(下向きに)エンボス状(略球面状)に突出させた形態の接点部23が形成されている。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図4を参照して説明する。
本実施形態の雄端子金具10は、雌端子金具20と接続されるようになっている。雌端子金具20は、前面(図における左側の面)が開放された略方形の角筒部21と、角筒部21内に収容された弾性接触片22とを備えている。弾性接触片22は、角筒部21を構成する上面壁の前端縁から延出した部分を、斜め下後方へ折り返し状に曲げ加工して形成されたものである。弾性接触片22は谷形の屈曲部を有し、この屈曲部の最下端には、下方へ(下向きに)エンボス状(略球面状)に突出させた形態の接点部23が形成されている。
また、角筒部21を構成する二重の底面壁のうち内側(上側)の底面壁には、弾性接触片22に対して上下方向(角筒部21に対するタブ11の挿入方向と交差する方向)に対応する領域を上方へ台座状に突出させた形態の受け部24が形成されている。弾性接触片22が弾性撓みしていない自由状態であるときの、接点部23と受け部24との間の間隔は、後述するタブ11のガイド部12の厚さ寸法よりも少し小さい寸法に設定されている。
次に、雄端子金具10について説明する。雄端子金具10は、前方(雌端子金具20との接続時に角筒部21の前面と対向する方向)へ片持ち状に延出した形態のタブ11を有する。タブ11の延出方向は、雌端子金具20に対する雄端子金具10の接続方向と平行な方向である。
タブ11は、次の3つの部位によって構成されている。タブ11の前端側領域は、ガイド部12となっている。ガイド部12の後端には緩衝部13が連なっている。緩衝部13の後端には接圧確保部14が連なっている。このタブ11は、前後方向(角筒部21に対するタブ11の挿入方向と平行に方向)の対称軸(図示省略)に関して上下対称な形状をなしている。
ガイド部12は、角筒部21に対するタブ11の挿入方向(以下、単に挿入方向という)と交差する上下方向の厚さ寸法が、全長に亘って一定である。このガイド部12の厚さ寸法は、弾性接触片22が自由状態のときの接点部23と受け部24との間隔よりも僅かに大きい寸法に設定されている。ガイド部12の外面、即ち上面(弾性接触片22との対向面)と下面(受け部24との対向面)は、いずれも、タブ11の挿入方向(両端子金具10,20の接続方向)と平行な平坦面である。尚、ガイド部12の前端部は、略半球状に形成されている。
緩衝部13は、挿入方向後方に向かって厚さ寸法が次第に厚くなるようなテーパ状をなしている。即ち、緩衝部13の外面、即ち上面(弾性接触片22との対向面)と下面(受け部24との対向面)は、いずれも、タブ11の挿入方向(両端子金具10,20の接続方向)に対して斜めをなす平坦面である。緩衝部13の挿入方向に対するテーパの角度は、緩衝部13の全長に亘って一定の角度である。また、緩衝部13の前端の厚さ寸法は、ガイド部12の後端の厚さ寸法と同じであり、緩衝部13の前端とガイド部12の後端とは、鈍角状に連なっている。
接圧確保部14は、挿入方向と交差する上下方向の寸法が全長に亘って一定である。接圧確保部14の外面、即ち上面(弾性接触片22との対向面)と下面(受け部24との対向面)は、いずれも、タブ11の挿入方向(両端子金具10,20の接続方向)と平行な平坦面である。接圧確保部14の厚さ寸法は、ガイド部12の厚さよりも大きく、弾性接触片22の弾力等を勘案して、雄端子金具10と雌端子金具20が接続されたときにタブ11と弾性接触片22の接点部23との間で所定の接触圧が確保されるように設定されている。緩衝部13の後端と接圧確保部14の前端とは、鈍角状に連なっている。
次に、雄端子金具10と雌端子金具20の接続行程を説明する。接続の初期には、タブ11が角筒部21内に挿入され、まず、ガイド部12が弾性接触片22と受け部24との間のタブ11の挿入経路内に潜り込むように進入するので、ガイド部12は、雌端子金具20(角筒部21)に対する雄端子金具10の接続姿勢(挿入姿勢)を安定させるガイド機能を発揮する。
このようにして、弾性接触片22と受け部24との間に潜り込んだガイド部12は、図2に示すように、その上面を弾性接触片22の接点部23に接触させ、ガイド部12が弾性接触片22を上方へ押圧して弾性撓みさせる。このときの弾性接触片22の弾性撓み量は僅かであるから、ガイド部12と弾性接触片22との摺接に起因する挿入抵抗は、作業者が感得できないほどの小さなものである。そして、弾性接触片22とガイド部12とが摺接することにより、接点部23の表面の酸化皮膜が除去される。そして、ガイド部12と接点部23の摺接行程の終期に、接圧確保部14の下面が受け部24に上面に対する摺接を開始する。
この状態から更に接続(挿入)が進むと、図3に示すように、緩衝部13が接点部23に摺接する状態となる。緩衝部13の上面は挿入方向に対して斜めをなすテーパ状に形成されているので、緩衝部13が接点部23に摺接する行程では、弾性接触片22の弾性撓み量が次第に増大することになる。この間、接圧確保部14は受け部24に摺接する状態を保つので、タブ11は、受け部24と弾性接触片22との間で弾性的に挟まれた状態となる。
そして、緩衝部13が接点部23を通過すると、図4に示すように、接圧確保部14の上面が接点部23に接触する状態となり、両端子金具10,20の接続(角筒部21に対するタブ11の挿入動作)が完了する。接圧確保部14が接点部23への接触を開始してから接続が完了するまでの間も、接圧確保部14の下面は受け部24に摺接する状態を保つので、タブ11は、受け部24と弾性接触片22との間で弾性的に挟まれた状態となる。そして、接圧確保部14が接点部23に当接している状態では、弾性接触片22の弾性撓み量が最大となり、この弾性接触片22の弾性復元力により、接圧確保部14と接点部23との間(タブ11と弾性接触片22との間)では所定の接触圧が確保される。
本実施形態の雄端子金具10は、角筒部21内に弾性接触片22を収容した雌端子金具20との接続方向に沿って前方へ延出した形態のタブ11を有し、雌端子金具20との接続の過程では、角筒部21内に挿入したタブ11が、弾性接触片22を挿入方向と交差する方向(上方)へ押圧して弾性撓みさせることにより、タブ11と弾性接触片22と間で接触圧を確保するようになっている。
そして、この雄端子金具10のタブ11は、接圧確保部14とガイド部12とを有している。接圧確保部14は、挿入方向と交差する上下方向の厚さ寸法が挿入方向において一定であり、雌端子金具20との接続過程における終期及び接続完了時にのみ弾性接触片22に接触するようになっている。一方、ガイド部12は、挿入方向において接圧確保部14よりも前方に位置し、且つ接圧確保部14よりも厚さ寸法が小さくなっている。
この構成によれば、雄端子金具10と雌端子金具20の接続過程において、タブ11が角筒部21に挿入した当初は、厚さ寸法の比較的小さいガイド部12が弾性接触片22と対応するので、タブ11と弾性接触片22との間の摺動に起因する大きなる挿入抵抗は生じない。そして、挿入終期では、比較的厚さ寸法の大きい接圧確保部14が弾性接触片22に弾性接触するので、タブ11と弾性接触片22との弾性接触に起因する摺動抵抗が生じる。
このように、本実施形態の雄端子金具10によれば、雌端子金具20との接続行程において大きな挿入抵抗が発生するのが挿入終期のみとなるので、雌端子金具20との接続の開始直後から接続完了に至るほぼ全行程に亘って挿入抵抗が発生し続けるものに比べると、作業フィーリングに優れている。
また、ガイド部12の厚さ寸法は、タブ11を角筒部21に挿入する過程でガイド部12が弾性接触片22の接点部23に接触するように設定されている。この構成によれば、挿入の過程で、ガイド部12が弾性接触片22の接点部23に摺接することにより、接点部23の表面の酸化被膜を除去するワイピング効果が期待でき、これにより、接点部23とタブ11との間の接触抵抗を低減することができる。尚、ガイド部12は接圧確保部14よりも厚さが薄いので、ガイド部12と弾性接触片22との間の摺動に起因する挿入抵抗は小さい。したがって、作業フィーリングが大幅に低下する虞はない。
また、ガイド部12における挿入方向後端と、接圧確保部14における挿入方向前端との間に、挿入方向後方に向かって次第に厚さ寸法が増大するテーパ状の緩衝部13が設けられている。この構成によれば、タブ11の挿入過程で接圧確保部14が弾性接触片22に当接するときには、その直前に、テーパ状の緩衝部13が弾性接触片22に当接して弾性接触片22を予備的に弾性撓みさせるようになっているので、弾性接触片22が急激に弾性撓みすることに起因して挿入抵抗が急激に増大するという虞がなく、作業フィーリングに優れている。
また、ガイド部12の厚さ寸法は、角筒部21に対するタブ11の挿入方向における全領域に亘って一定となっているので、ガイド部の厚さ寸法が挿入方向において異なる形態のものに比べると、本実施形態では、ガイド部12の形成が容易となっている。
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2を図5を参照して説明する。本実施形態2の雄端子金具30は、タブ31の形態を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。また、雌端子金具20は、実施形態1のものと同じである。
次に、本発明を具体化した実施形態2を図5を参照して説明する。本実施形態2の雄端子金具30は、タブ31の形態を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。また、雌端子金具20は、実施形態1のものと同じである。
雄端子金具30は、前方(雌端子金具20との接続時に角筒部21の前面と対向する方向)へ片持ち状に延出するタブ31を有する。タブ31の延出方向は、雌端子金具20に対する雄端子金具30の接続方向と平行な方向である。タブ31は、次の3つの部位によって構成されている。タブ31の前端側領域は、ガイド部32となっている。ガイド部32の後端には緩衝部33が連なっている。緩衝部33の後端には接圧確保部34が連なっている。このタブ31は、前後方向(角筒部21に対するタブ31の挿入方向と平行に方向)の対称軸(図示省略)に関して上下対称な形状をなしている。
ガイド部32は、角筒部21に対するタブ31の挿入方向(以下、単に挿入方向という)の前方に向かって次第に厚さ寸法が減少するようにテーパ状をなしている。即ち、ガイド部32の外面、即ち上面(弾性接触片22との対向面)と下面(受け部24との対向面)は、いずれも、タブ31の挿入方向(両端子金具10,30の接続方向)に対して斜めをなす平坦面である。このガイド部32の挿入方向に対するテーパの角度は、ガイド部32の全長に亘って一定の角度である。また、ガイド部32の最大厚さ寸法は、弾性接触片22が自由状態のときの接点部23と受け部24との間隔よりも僅かに大きい寸法に設定されている。尚、ガイド部32の前端部は、略半球状に形成されている。
緩衝部33は、挿入方向後方に向かって厚さ寸法が次第に厚くなるようなテーパ状をなしている。即ち、緩衝部33の外面、即ち上面(弾性接触片22との対向面)と下面(受け部24との対向面)は、いずれも、タブ31の挿入方向(両端子金具10,30の接続方向)に対して斜めをなす平坦面である。緩衝部33の挿入方向に対するテーパの角度は、緩衝部33の全長に亘って一定であり、ガイド部32のテーパと同じ角度である。そして、緩衝部33の上面は、ガイド部32の上面に対して面一状に連なり、緩衝部33の下面は、ガイド部32の下面に対して面一状に連なっている。
接圧確保部34は、挿入方向と交差する上下方向の寸法が全長に亘って一定である。接圧確保部34の外面、即ち上面(弾性接触片22との対向面)と下面(受け部24との対向面)は、いずれも、タブ31の挿入方向(両端子金具10,30の接続方向)と平行な平坦面である。接圧確保部34の厚さ寸法は、ガイド部32の厚さよりも大きく、弾性接触片22の弾力等を勘案して、雄端子金具30と雌端子金具20が接続されたときにタブ31と弾性接触片22の接点部23との間で所定の接触圧が確保されるように設定されている。緩衝部33の後端と接圧確保部34の前端とは、鈍角状に連なっている。
次に、雄端子金具30と雌端子金具20の接続行程を説明する。接続の初期には、タブ31が角筒部21内に挿入され、まず、ガイド部32が弾性接触片22と受け部24との間のタブ31の挿入経路内に潜り込むように進入するので、ガイド部32は、雌端子金具20(角筒部21)に対する雄端子金具30の接続姿勢(挿入姿勢)を安定させるガイド機能を発揮する。
このようにして、弾性接触片22と受け部24との間に潜り込んだガイド部32は、その上面の後端側領域を弾性接触片22の接点部23に接触させ、弾性接触片22を上方へ押圧して弾性撓みさせる。ガイド部32の上面は挿入方向に対して斜めをなすテーパ状に形成されているので、タブ31の挿入が進むのに伴い、弾性接触片22の弾性撓み量が次第に増大していく。
この状態から更に接続(挿入)が進むと、緩衝部33が接点部23に摺接する状態となる。緩衝部33の上面も挿入方向に対して斜めをなすテーパ状に形成されているので、緩衝部33が接点部23に摺接する行程でも、弾性接触片22の弾性撓み量が次第に増大することになる。
しかしながら、ガイド部32と緩衝部33が接点部23に摺接する間における弾性接触片22の弾性撓み量は僅かであるから、ガイド部32と弾性接触片22との摺接に起因する挿入抵抗は、作業者が感得できないほどの小さなものである。
ガイド部32と緩衝部33が接点部23に摺接する間は、接点部23の表面の酸化皮膜が除去される。また、接圧確保部34は受け部24に摺接する状態を保つので、タブ31は、受け部24と弾性接触片22との間で弾性的に挟まれた状態となる。
そして、緩衝部33が接点部23を通過すると、接圧確保部34の上面が接点部23に接触する状態となり、両端子金具10,30の接続(角筒部21に対するタブ31の挿入動作)が完了する。接圧確保部34が接点部23への接触を開始してから接続が完了するまでの間も、接圧確保部34の下面は受け部24に摺接する状態を保つので、タブ31は、受け部24と弾性接触片22との間で弾性的に挟まれた状態となる。そして、接圧確保部34が接点部23に当接している状態では、弾性接触片22の弾性撓み量が最大となり、この弾性接触片22の弾性復元力により、接圧確保部34と接点部23との間(タブ31と弾性接触片22との間)では所定の接触圧が確保される。
本実施形態2の雄端子金具30によれば、実施形態1の雄端子金具10と同様に、雌端子金具20との接続行程において大きな挿入抵抗が発生するのが挿入終期のみとなるので、雌端子金具20との接続の開始直後から接続完了に至るほぼ全行程に亘って挿入抵抗が発生し続けるものに比べると、作業フィーリングに優れている。
また、ガイド部32が、挿入方向前方に向かって次第に厚さ寸法が減少するテーパ状をなしているので、雌端子金具20に対するタブ31の挿入方向が正規の方向に対して斜めを向いた場合でも、ガイド部32の前端が弾性接触片22に対して斜めにこじるように当接する、という事態を回避できる。
また、ガイド部32の挿入方向後端には、挿入方向後方に向かって次第に厚さ寸法が増大するテーパ状の緩衝部33が連なっており、ガイド部32のテーパの角度と緩衝部33のテーパの角度とが同じ角度とされ、且つガイド部32の外面と緩衝部33の外面とが面一状に連なっている。この構成によれば、ガイド部32の外面と緩衝部33の外面との間には段差が存在しないので、タブ31の挿入過程でガイド部32の外面と緩衝部33の外面が弾性接触片22に摺接しても、挿入抵抗は徐々に上昇することになる。したがって、ガイド部と緩衝部との間に段差が存在することに起因する挿入抵抗の急上昇が回避され、良好な作業フィーリングが維持される。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1及び2では、タブを角筒部に挿入する過程でガイド部が弾性接触片に接触するようにしたが、挿入過程でガイド部が弾性接触片に接触しない形態としてもよい。
(2)上記実施形態1及び2では、ガイド部における挿入方向後端と、接圧確保部における挿入方向前端との間に、挿入方向後方に向かって次第に厚さ寸法が増大するテーパ状の緩衝部を設けたが、このような緩衝部を設けない形態としてもよい。
(3)上記実施形態2では、テーパ状のガイド部の外面とテーパ状の緩衝部の外面とが面一状に連なるようにしたが、ガイド部の外面と緩衝部の外面との間に段差が存在するようにしてもよい。
(4)上記実施形態2では、ガイド部のテーパ角度と緩衝部のテーパ角度を同じ角度としたが、ガイド部のテーパ角度と緩衝部のテーパ角度は、異なる角度であってもよい。
(5)上記実施形態1及び2では、タブを挿入方向の対称軸に関して上下対称な形状としたが、タブは上下非対称な形状であってもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1及び2では、タブを角筒部に挿入する過程でガイド部が弾性接触片に接触するようにしたが、挿入過程でガイド部が弾性接触片に接触しない形態としてもよい。
(2)上記実施形態1及び2では、ガイド部における挿入方向後端と、接圧確保部における挿入方向前端との間に、挿入方向後方に向かって次第に厚さ寸法が増大するテーパ状の緩衝部を設けたが、このような緩衝部を設けない形態としてもよい。
(3)上記実施形態2では、テーパ状のガイド部の外面とテーパ状の緩衝部の外面とが面一状に連なるようにしたが、ガイド部の外面と緩衝部の外面との間に段差が存在するようにしてもよい。
(4)上記実施形態2では、ガイド部のテーパ角度と緩衝部のテーパ角度を同じ角度としたが、ガイド部のテーパ角度と緩衝部のテーパ角度は、異なる角度であってもよい。
(5)上記実施形態1及び2では、タブを挿入方向の対称軸に関して上下対称な形状としたが、タブは上下非対称な形状であってもよい。
10…雄端子金具
11…タブ
12…ガイド部
13…緩衝部
14…接圧確保部
20…雌端子金具
21…角筒部
22…弾性接触片
23…接点部
30…雄端子金具
31…タブ
32…ガイド部
33…緩衝部
34…接圧確保部
11…タブ
12…ガイド部
13…緩衝部
14…接圧確保部
20…雌端子金具
21…角筒部
22…弾性接触片
23…接点部
30…雄端子金具
31…タブ
32…ガイド部
33…緩衝部
34…接圧確保部
Claims (6)
- 角筒部内に弾性接触片を収容した雌端子金具との接続方向に沿って前方へ延出した形態のタブを有し、
前記雌端子金具との接続の過程では、前記角筒部内に挿入した前記タブが、前記弾性接触片を挿入方向と交差する方向へ押圧して弾性撓みさせることにより、前記タブと前記弾性接触片と間で接触圧を確保するようになっている雄端子金具において、
前記タブは、
挿入方向と交差する方向の厚さ寸法が挿入方向において一定であり、前記雌端子金具との接続過程における終期及び接続完了時にのみ前記弾性接触片に接触する接圧確保部と、
挿入方向において前記接圧確保部よりも前方に位置し、且つ前記接圧確保部よりも厚さ寸法の小さいガイド部とを備えていることを特徴とする雄端子金具。 - 前記ガイド部の厚さ寸法は、前記タブを前記角筒部に挿入する過程で前記ガイド部が前記弾性接触片の接点部に接触するように設定されていることを特徴とする請求項1記載の雄端子金具。
- 前記ガイド部における挿入方向後端と、前記接圧確保部における挿入方向前端との間に、挿入方向後方に向かって次第に厚さ寸法が増大するテーパ状の緩衝部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の雄端子金具。
- 前記ガイド部の厚さ寸法が、挿入方向における全領域に亘って一定であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の雄端子金具。
- 前記ガイド部が、挿入方向前方に向かって次第に厚さ寸法が減少するテーパ状をなしていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の雄端子金具。
- 前記ガイド部の挿入方向後端には、挿入方向後方に向かって次第に厚さ寸法が増大するテーパ状の緩衝部が連なっており、
前記ガイド部のテーパの角度と前記緩衝部のテーパの角度とが同じ角度とされ、且つ前記ガイド部の外面と前記緩衝部の外面とが面一状に連なっていることを特徴とする請求項5記載の雄端子金具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009239339A JP2011086541A (ja) | 2009-10-16 | 2009-10-16 | 雄端子金具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009239339A JP2011086541A (ja) | 2009-10-16 | 2009-10-16 | 雄端子金具 |
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JP2009239339A Pending JP2011086541A (ja) | 2009-10-16 | 2009-10-16 | 雄端子金具 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2011086541A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019169322A (ja) * | 2018-03-23 | 2019-10-03 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電子制御装置のコネクタ端子形状 |
JP2020077546A (ja) * | 2018-11-08 | 2020-05-21 | 矢崎総業株式会社 | 端子の接続構造 |
JP2021057193A (ja) * | 2019-09-30 | 2021-04-08 | 矢崎総業株式会社 | 電源回路遮断装置 |
WO2023171561A1 (ja) * | 2022-03-11 | 2023-09-14 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 端子ユニットおよび第1端子 |
-
2009
- 2009-10-16 JP JP2009239339A patent/JP2011086541A/ja active Pending
Cited By (6)
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---|---|---|---|---|
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