JP2011084036A - 二軸配向多層積層フィルムおよび積層体 - Google Patents

二軸配向多層積層フィルムおよび積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】湿度変化に対する極めて優れた寸法安定性と、表面性と巻取り性の両立が可能な二軸配向多層積層フィルムおよびそれを用いた積層体の提供。
【解決手段】芳香族ポリエステル(A)からなるフィルム層Aと吸水率が0.1%以下の疎水性樹脂(B)からなるフィルム層Bとを交互に11層以上積層した積層構造を有する二軸配向多層積層フィルムであって、一方の表面粗さ(RaX)が0.5−5nmの範囲で、他方の表面粗さ(RaY)がRaXよりも1nm以上大きく、かつ10nm以下である二軸配向多層積層フィルムおよびそれを用いた積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は吸水率0.1重量%以下の疎水性樹脂と芳香族ポリエステルを用いた二軸配向多層積層フィルムおよびそれを用いた積層体に関する。
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表される芳香族ポリエステルは優れた機械的特性、寸法安定性および耐熱性を有することから、フィルムなどに幅広く使用されている。特にポリエチレン−2,6−ナフタレートは、ポリエチレンテレフタレートよりも優れた機械的特性、寸法安定性および耐熱性を有することから、それらの要求の厳しい用途、例えば高密度磁気記録媒体などのベースフィルムなどに使用されている。しかしながら、近年の高密度磁気記録媒体などでの寸法安定性の要求はますます高くなってきており、さらなる特性の向上が求められている。
そこで、特許文献1では、シンジオタティックポリスチレンなどのポリオレフィンと、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどのポリエステルとを、ブレンドまたは積層することが提案されている。しかしながら、ブレンドは、相溶性が乏しいためか、得られるフィルムの表面が荒れやすく、他方2層などの積層フィルムでは、カールなどが発生しやすいという問題があった。一方、特許文献1には、ポリオレフィンとポリエステルとを交互に積層した多層積層フィルムも開示されている。この多層積層フィルムであれば、前述のようなフィルムの表面が粗くなったり、フィルム自体がカールしたりといった問題はない。
しかしながら、その層構成からも明らかな通り、フィルムの一方の面と他方の面とが、ほぼ同様な表面の状態となるため、磁気記録テープなどのベースフィルムとして使用する場合、フィルムの巻取り性と磁気記録テープとしたときの電磁変換特性とを、高度に両立させることが困難であった。
また、ポリエステルフィルムの片面または両面に金属などの層(M層)を設ける方法(特許文献2〜5など)が開示されている。しかしながら、湿度膨張係数を小さくするなど寸法安定性のためにM層の厚みを厚くしていくと、M層にクラックが入りやすくなり、M層による改善だけでは限界があった。
国際公開第2005/073318号パンフレット 特開2003−30818号公報 特開2005−196944号公報 特開2006−277920号公報 特開2003−242630号公報
本発明の目的は、湿度変化に対する極めて優れた寸法安定性と、表面性と巻取り性の両立が可能な二軸配向多層積層フィルムおよびそれを用いた積層体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決しようと鋭意研究したところ、多層積層フィルムの一方の表面を、表面粗さ0.5〜5nmという範囲とし、かつ他方の表面粗さをそれよりも1nm以上大きくすることで、目的とする表面性と巻取り性の両立が得られることを見出し、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、芳香族ポリエステル(A)からなるフィルム層(A)と吸水率が0.1%以下の疎水性樹脂(B)からなるフィルム層(B)とを交互に11層以上積層した積層構造を有する二軸配向多層積層フィルムであって、一方の表面粗さ(RaX)が0.5−5nmの範囲で、他方の表面粗さ(RaY)がRaXよりも1nm以上大きく、かつ10nm以下である二軸配向多層積層フィルムが提供される。
また、本発明によれば、本発明の好ましい態様として、フィルム層AまたはBのいずれか一方のフィルム層が2つの最表層の両方を形成し、最表層を形成しない側のフィルム層は平均粒経0.01−1.0μmの不活性粒子を0.001−5重量%含み、最表層を形成する側のフィルム層は不活性粒子を含有しないか、前記最表層を形成しない側のフィルム層よりも平均粒経の小さな粒子を含有するか、同じ平均粒経の不活性粒子をより少ない含有量で含有し、さらに表面粗さの小さな最表層を形成するフィルム層の厚み(tX)が、表面粗さの大きな最表層を形成するフィルム層の厚み(tY)の厚みに対して、1.5倍以上であること、フィルム層AまたはBのいずれか一方のフィルム層が表面粗さの大きな最表層を形成し、かつ平均粒経0.01−1.0μmの不活性粒子を0.001−5重量%含み、表面粗さの大きな最表層を形成しない側のフィルム層が、表面粗さの小さな最表層を形成し、かつ不活性粒子を含有しないか、表面粗さの大きな最表層を形成する側のフィルム層よりも平均粒経の小さな粒子を含有するか、同じ平均粒経の不活性粒子をBより少ない含有量で含有すること、表面粗さの小さな最表層の厚み(tX(nm))、表面粗さの大きな最表層の厚み(tY(nm))、表面粗さの小さな最表層に隣接するフィルム層の厚み(tX’(nm))と表面粗さの大きな最表層に隣接するフィルム層の厚み(tY’(nm))が次の関係式
(式1) tX>1.5×tX’
(式2) tY>1.5×tY’
のいずれか少なくともひとつを満たすこと、2軸配向積層ポリエステルフィルムの表面粗さの大きい最表層が、平均粒経0.01−1.0μmの不活性粒子を0.001−5重量%含む第3の層(C層)からなり、積層構造を形成するフィルム層AおよびBは、不活性粒子を含有しないか、該表面粗さの大きい最表層を形成するフィルム層よりも平均粒経の小さな粒子を含有するか、同じ平均粒経の不活性粒子をより少ない含有量で含有すること、2軸配向積層ポリエステルフィルムの少なくとも片面の最表層が不活性粒子を有する塗膜層(第4の層、D層)であること、フィルム層Aおよびフィルム層Bが不活性粒子を含有しないこと、疎水性樹脂(B)がシンジオタクティック構造を有するスチレン系重合体であること、疎水性樹脂(B)がポリフェニレンスルフィドであること、疎水性樹脂(B)がシクロオレフィンであること、フィルムの製膜方向及び幅方向のヤング率がそれぞれ4.5GPa以上であること、フィルムの幅方向の湿度膨張係数が0.1×10−6〜9×10−6/RH%であること、フィルムの幅方向の温度膨張係数が−10×10−6〜10×10−6/℃であること、フィルムの厚みが1−10μmの範囲にあること、二軸配向多層積層フィルムが、磁気記録媒体のベースフィルムに用いられることの少なくともいずれかを具備する二軸配向多層積層フィルムも提供される。
さらにまた、本発明によれば、さらに上記本発明の二軸配向多層積層フィルムの片面または両面に金属類または金属系無機化合物からなる層(M層)が設けられたさらに環境変化に対する寸法安定性をより高めた積層体、特に磁気記録媒体のベースフィルムに用いられる積層体も提供される。
本発明によれば、湿度変化に対する寸法変化が極めて小さく、表面が平坦でかつ巻取り性の良好な二軸配向多層積層フィルムが提供される。
したがって、本発明の二軸配向多層積層フィルムを用いれば、優れた湿度変化に対する寸法安定性を有する高密度磁気記録媒体なども効率的に提供できる。
また、本発明によれば、上記二軸配向多層積層フィルムの片面または両面に金属などの層(M層)を設けることで、さらに環境変化に対する寸法安定性をより高めた積層体も提供でき、それを特に磁気記録媒体のベースフィルムに用いれば、優れた湿度変化に対する寸法安定性を有する高密度磁気記録媒体なども効率的に提供できる。
<疎水性樹脂(B)>
本発明における疎水性樹脂(B)としては、脂肪族(脂環式含む)または芳香族ポリオレフィン、液晶性ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。これらの中でも、シンジオタクティック構造を有するポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、ポリフェニレンスルフィドなどの樹脂が、得られる二軸配向多層積層フィルムの温湿度の変化に対する寸法安定性を高度に上げつつ、優れた機械特性などを発現しやすいことから好ましい。
具体的なシンジオタクティック構造を有するポリスチレンとしては、立体化学構造がシンジオタクティック構造を有するポリスチレンであり、核磁気共鳴法(13C−NMR法)により測定されるタクティシティーが、ダイアッド(構成単位が2個)で75%以上、好ましくは85%以上、ペンタッド(構成単位が5個)で30%以上、好ましくは50%以上であることが好ましい。
かかるSPSとしては、ポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)として、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(プロピルスチレン)、ポリ(ブチルスチレン)が挙げられ、これらのうち、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−ターシャリーブチルスチレン)が好ましく例示される。また、SPSは、数平均分子量が10,000以上、さらに50,000以上であることが好ましい。数平均分子量が下限に満たない場合、耐熱性や機械特性が不十分である。一方、数平均分子量の上限は500,000以下であることが好ましい。かかる上限を超える場合、製膜性に乏しくなる場合がある。
また、具体的なシクロオレフィンポリマーとしては、ノルボルネン系のポリシクロオレフィンなどが挙げられ、日本ゼオン株式会社製の商品名「ZEONEX」や商品名「ZEONOR」、またJSR株式会社製の商品名「ARTON」、ポリプラスチックス株式会社製の商品名「TOPAS」などが挙げられる。
さらにまた、具体的なポリフェニレンスルフィドとしては、繰り返し単位の80モル%以上、好ましくは90モル%以上が下記一般式で示される構造単位からなる重合体をいう。
Figure 2011084036
上記一般式に示す構造単位からなる重合体成分が80モル%未満ではポリマーの結晶性、軟化点等が低くなり、得られるフィルムの耐熱性、寸法安定性および機械的特性などを損なう。繰り返し単位の20モル%未満、好ましくは10モル%未満であれば、共重合可能なスルフィド結合を含有する単位が含まれていても差し支えない。該重合体の共重合の仕方はランダム、ブロックを問わない。
これらの疎水性樹脂(B)の中でも、シンジオタクティック構造を有するポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、シクロオレフィンポリマーが特に好ましい。
これらの疎水性樹脂(B)は、それ自体公知の方法で製造できる。
<芳香族ポリエステル(A)>
本発明における芳香族ポリエステル(A)は、フィルム層(A)を構成するポリエステル樹脂組成物としてみたときのDSCにおけるTg(ガラス転移温度)が70℃以上、さらに95℃以上、特に110℃以上であることが好ましい。好ましい芳香族ポリエステル(A)のガラス転移温度の上限は特に制限されないがフィルム層(B)と積層したときの製膜性の点から170℃以下、さらに150℃以下が好ましい。
このような点から、具体的な芳香族ポリエステル(A)としては、繰り返し単位の95モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートからなるポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが最も好ましく、さらにTgを高くできるような成分を共重合したり、ブレンドしたものであっても良い。ところで、芳香族ポリエステル(A)はエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエチレンテレフタレートであってもよい。ただし、ポリエチレンテレフタレートの場合は、前述のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートと異なり、ホモポリマーにしただけではTgが低くなりやすく、ガラス転移温度を高くできる共重合成分を共重合したり、ポリエーテルイミドや液晶樹脂をブレンドすること(例えば、特開2000−355631号公報、特開2000−141475号公報および特開平11−1568号公報などを参照)が好ましい。本発明における芳香族ポリエステル(A)は、DSCで測定した融点が、240〜300℃の範囲、さらに250〜290℃の範囲、特に260〜280℃の範囲にあることが製膜性の点から好ましい。融点が上記上限を越えると、低温では溶融粘度が大きく溶融押し出しして成形する際に流動性が劣って層厚構成などが不均一化しやすく、高温にするとポリマーの熱劣化が進みやすくなり、結果として製膜性が低下しやすい。一方、上記下限未満になると、製膜性は優れるものの、加工時の伸び抑制効果が不十分となりやすい。
また、さらに温湿度変化に対する寸法安定性を高める観点から、国際公開2008/153188号パンフレットなどに挙げられる6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を共重合したポリマーであってもよい。
<二軸配向多層積層フィルム>
本発明の二軸配向多層積層フィルムは、前述のとおり、フィルム層(A)とフィルム層(B)とを交互に11層以上積層した積層構造を有するものである。好ましい積層数は、フィルム層(A)とフィルム層(B)の合計層数で下限が15以上、さらに21以上、特に31以上、最も好ましくは41以上で、他方上限は10001以下、さらに1001以下の範囲にあることが層構成の均一性と効果の発現性の点から好ましい。積層数が下限未満であると、カールの発生を抑制しがたくなったり、フィルムの延伸特性が悪化して分子鎖が配向しにくくなり、所望の湿度膨張係数を持ったフィルムを製造しがたくなる場合がある。なお、積層数の上限は特に制限されないが、積層構造を維持しやすい点から、10001以下であることが好ましい。
もちろん、本発明の効果を損なわない範囲で、他のフィルム層を積層したり、塗膜層を設けたりしても良い。なお、フィルム層(B)は、より環境変化に対する寸法安定性を向上させる観点から、フィルム中に占める体積分率が大きいことが好ましい。そのような観点から、本発明の二軸配向多層積層フィルムは、フィルム層(B)の厚みの合計が、二軸配向多層積層フィルムの厚みに対して、下限が10%以上、より20%以上、さらに30%以上、よりさらに50%以上、特に55%以上、最も好ましくは60%以上であることが好ましく、他方上限は95%以下、さらに90%以下、よりさらに85%以下、特に80%以下の範囲にあることが好ましい。このような範囲とすることで、湿度変化に対する寸法安定性向上効果と加工時の伸び抑制効果とをより高度に発現出来る。下限未満では湿度膨張係数の低減効果が乏しくなりやすく、他方上限を超えるとフィルム層(A)による加工時の伸び抑制効果が乏しくなりやすい。
本発明の二軸配向多層積層フィルムは、一方の表面粗さ(RaX)が0.5−5nmの範囲で、他方の表面粗さ(RaY)がRaXよりも1nm以上大きく、かつ10nm以下である必要がある。RaXが0.5nmよりも小さいと滑り性が悪化し巻取り性が悪化する。5nmを超えると磁気テープとしたときに電磁変換特性が悪化してしまう。RaXのより好ましい範囲は1−4nm、さらに好ましくは1.5−3nmである。RaYがRaXよりも1nm以上大きくないと、表面が平坦になりすぎるため巻取り性が悪化してしまい、一方10nmを越えるときには、磁気テープとしたときに磁性層表面に転写してしまうことにより、電磁変換特性の悪化やエラーレートの悪化をもたらす。より好ましいRaYの範囲は2−9nm、さらに好ましくは3−8nm、特に好ましくは4−7nmである。
通常フィルムの表面粗さを粗くするには、フィルム層に不活性粒子を含有させたりして、突起を形成すればよい。含有させる不活性粒子としては、(1)耐熱性ポリマー粒子(例えば、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリエステルなどからなる粒子)、(2)金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど)、金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、金属の硫酸塩(例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)、炭素(例えば、カーボンブラック、グラファイト、ダイアモンドなど)および粘土鉱物(例えば、カオリン、クレー、ベントナイトなど)などのような無機化合物からなる粒子、さらに(3)異なる素材を例えばコアとシェルに用いたコアシェル型などの複合粒子など粒子の状態で添加する外部添加粒子や(4)触媒などの析出によって形成する内部析出粒子などを挙げることができる。これらの中で特に架橋シリコーン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル、架橋ポリスチレン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、カオリン及びクレーからなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子であることが好ましく、特に架橋シリコーン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル、架橋ポリスチレンおよび二酸化ケイ素(但し、多孔質シリカなどは除く)からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子であることが、粒子の粒径のバラツキを小さくしやすいことから好ましい。もちろん、これらは2種以上を併用しても良い。
ただ、前述の積層構造を形成するフィルム層AおよびBだけでこのような表面粗さを満足させるのは、単純に一方のフィルム層に不活性粒子を含有させることだけでは難しい。そこで、好ましいフィルムの層構成について、さらに詳述する。
まず、第1の層構成としては、フィルム層AまたはBのいずれか一方のフィルム層が2つの最表層の両方を形成する、すなわちフィルム層AとBの合計が奇数層の場合、最表層を形成しない側のフィルム層は平均粒経0.01−1.0μmの不活性粒子を0.001−5重量%含み、最表層を形成する側のフィルム層は不活性粒子を含有しないか、前記最表層を形成しない側のフィルム層よりも平均粒経の小さな粒子を含有するか、同じ平均粒経の不活性粒子をより少ない含有量で含有し、さらに表面粗さの小さな最表層を形成するフィルム層の厚み(tX)が、表面粗さの大きな最表層を形成するフィルム層の厚み(tY)の厚みに対して、1.5倍以上であることが好ましい。tXをtY対比、1.5倍以上にすることで、内側のフィルム層に内在する不活性粒子による影響を抑え、表面粗さの小さな最表層をより平坦に調整することができる。
次に、第2の層構成については、フィルム層AとBとでそれぞれの最表層を形成させる、すなわちフィルム層AとBの合計を偶数層とし、フィルム層AまたはBのいずれか一方のフィルム層が表面粗さの大きな最表層を形成し、かつ平均粒経0.01−1.0μmの不活性粒子を0.001−5重量%含み、表面粗さの大きな最表層を形成しない側のフィルム層が、表面粗さの小さな最表層を形成し、かつ不活性粒子を含有しないか、表面粗さの大きな最表層を形成する側のフィルム層よりも平均粒経の小さな粒子を含有するか、同じ平均粒経の不活性粒子をBより少ない含有量で含有するようにすることが好ましい。この際、表面粗さの小さい最表層の厚み(tX(nm))、表面粗さの大きい最表層が厚み(tY(nm))、表面粗さの小さい最表層に隣接するフィルム層の厚み(tX’(nm))、表面粗さの大きい最表層に隣接するフィルム層の厚み(tY’(nm))は、次の関係式のいずれか少なくともひとつを満たすことが本発明の効果がより顕著となるので好ましい。
(式1) tX>1.5×tX’
(式2) tY>1.5×tY’
式1、式2における厚み比は、より好ましくは2倍以上、さらに好ましくは5倍以上、特に好ましくは10倍以上である。上限は特に制限されないが、通常500倍以下、さらに300倍以下であることが好ましい。tXとtX’が上記(式1)を満たすことにより、表面粗さをより平坦にしやすく、他方tYとtY’が上記(式2)を満たすことにより、表面粗さをより大きく調整しやすくなる。なお、前述のフィルム層(A)と(B)は、どちらを表面粗さの小さい最表層にしても良いし、またどちらを表面粗さの大きい最表層ににしても良い。含有させる不活性粒子は、前述の物が好適に利用でき、特に表面粗さの大きな最表層に含有させる不活性粒子は、磁気記録媒体にするときのキュア工程での背面転写抑制の観点から有機粒子が好ましく、特に架橋ポリスチレン有機粒子、シリコーン樹脂粒子が好ましい。他方、表面粗さの小さな最表層に含有させる不活性粒子としては、小粒子径の均一な粒子径を有する不活性粒子を、凝集させることなく均一に分散させることが好ましく、そのような観点から球状の不活性粒子が好ましく、特に真球状シリカ粒子が好ましい。
ところで、本発明の二軸配向多層積層フィルムは、フィルム層AとBとを交互に11層以上積層した積層構造を有しておればよく、それとは別の第3のフィルム層を形成しても良い。特にフィルム層の厚みを薄くする必要があるときに、前記積層構造を形成す部分のみでは滑り性と表面平坦性を両立する表面の形成が困難となるが、このような第3の層を設けることで、より容易に滑り性と表面平坦性を両立する表面の形成ができる。第3の層を設ける場合、二軸配向多層積層フィルムの表面粗さの大きい最表層が、平均粒経0.01−1.0μmの不活性粒子を0.001−5重量%含む第3の層(C層)からなり、積層構造を形成するフィルム層AおよびBは、不活性粒子を含有しないか、該表面粗さの大きい最表層を形成するフィルム層よりも平均粒経の小さな粒子を含有するか、同じ平均粒経の不活性粒子をより少ない含有量で含有することが好ましい。なお、第3の層は、前述のフィルム層AまたはBと含有する不活性粒子の種類、大きさまたは量を異にすることが、表面粗さに違いを持たせる上で好ましい。一方、第3の層のポリマー自体の組成は、特に制限されず、ポリエステル以外の他それ自体公知の熱可塑性樹脂であっても良いが、好ましくは前述のフィルム層AやBと同じポリマーである。また、第3の層の厚みを厚くする場合、カールをより抑えやすいことから、第3の層のポリマー自体の組成は、前述の積層構造を形成するフィルム層AとBの中間の組成を有することが好ましい。
なお、第3の層を積層する面は、フィルム層(A)または(B)のいずれの表面でもよく、前述の組合せのほかに、第3の層を表面粗さの小さな最表層を形成する層としてもよい。また、第3の層に含有させる不活性粒子は、有機粒子または有機粒子と無機粒子の組み合わせが好ましく、有機粒子としては架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂粒子、無機粒子としては球状シリカ、酸化チタンなどが好ましい。
本発明の二軸配向多層積層フィルムは、その少なくとも片面に、滑り性や接着性を向上させるために、塗膜層(以下、第4の層またはD層と称することがある)を形成されたものであっても良い。塗膜層を有する場合、表面粗さは、塗膜層の表面を測定した状態で満足すればよい。この塗膜層は製膜工程中の延伸完了前の未延伸または1軸延伸フィルムへの水溶性樹脂のコーティングあるいは、製膜完了後のフィルムへのホットメルトコートまたは、製膜完了後のフィルムへの溶剤に溶解した樹脂の塗布乾燥により得ることができる。塗膜層を積層する面はフィルム層(A),(B)、さらに第3の層のいずれの面であってもよく、片面だけでなく両面であってもよい。なお、塗膜層を形成する面が、表面粗さの小さな平坦な面である場合は、塗膜層は平均粒径が1−40nmの小粒径の不活性粒子を含有していることが好ましい。好ましい不活性粒子の平均粒径は2−30nm、特に5−25nmである。他方、塗膜層を形成する面が、表面粗さの大きな粗面である場合は、塗膜層は平均粒径が30−100nmの粒子を含有していることが好ましい。好ましい不活性粒子の平均粒径は、35−80nm、特に35−60nmである。粒子の種類は球状の有機粒子が好ましく、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂粒子などが例示される。また、粗面に塗布する場合には、メチルセルロースなどの硬い樹脂を含有させると、ロール状態としたときのブロッキングも抑制できることから好ましい。なお、本発明において、塗膜層を有する場合、前述のtXおよびtYは、塗膜層の内側に位置するそれぞれ最表層側に位置するフィルム層を意味する。
本発明の二軸配向多層積層フィルムの交互積層された多層部分の厚みは、上記のように最外層とそれ以外で厚みを変えることが好ましいが、その厚みの変化は、最外層のみ厚くすることも可能であるし、また、交互積層部分の厚みを厚み方向に連続的に変化させることも可能である。
なお、二軸配向多層積層フィルムの前記積層構造を形成する最表層以外のフィルム層の平均厚み(フィルム層Aの平均厚み:tA(nm)、フィルム層Bの平均厚み:tB(nm))には特に制約はないが、延伸性を確保するための総層数と全厚みの関係から、0.5−1000nmが好ましく、より好ましくは1−300nm、さらに好ましくは2−200nm、特に好ましくは3−100nmである。
本発明の二軸配向多層積層フィルムの好ましい態様について、さらに詳述する。
本発明の二軸配向多層積層フィルムは、磁気テープなどのベースフィルムとして用いたとき、ベースフィルムが伸びないようにフィルム面方向における少なくとも一方向は、ヤング率が6.0GPa以上という高いヤング率を有することが好ましい。しかも、このようにヤング率を高くすることで、より湿度膨張係数を小さくすることができる。ヤング率の上限は制限されないが、通常18GPaである。好ましいヤング率は、フィルムの長手方向が4〜11GPa、さらに5〜10GPa、特に5.5〜9GPaの範囲であり、フィルムの幅方向が5〜18GPa、さらに6〜15GPa、さらに7〜12GPa、特に8〜10GPaの範囲である。
本発明の二軸配向多層積層フィルムは、少なくとも一方向の湿度膨張係数が0.1〜9ppm/%RH、さらには1〜6ppm/%RH、特に2〜5ppm/%RHの範囲にあることが、磁気記録テープにしたときの寸法安定性の点で好ましい。特に、磁気記録テープにベースフィルムに用いる場合、湿度膨張係数の小さい方向が二軸配向ポリエステルフィルムの幅方向であることが、トラックずれなどを極めて抑制できることから好ましい。なお、本発明において、フィルムの幅方向とは、フィルムの製膜方向(長手方向、縦方向と称することもある。)に直交する方向であり、横方向と称することもある。
本発明の二軸配向多層積層フィルムは、幅方向の温度膨張係数が−10〜+10ppm/℃、さらには−5〜+5ppm/℃、特に−5〜0ppm/℃の範囲にあることが、磁気記録テープにしたときの寸法安定性の点で好ましい。
本発明の二軸配向多層積層フィルムの好ましい全厚みは1−10μm、さらには2−8μm、特に好ましくは3−7μmである。
<芳香族ポリエステル(A)および疎水性樹脂(B)の製造方法>
本発明で使用する芳香族ポリエステル(A)および疎水性樹脂(B)は、それ自体公知の方法で製造することができる。
なお、本発明における芳香族ポリエステル(A)および疎水性樹脂(B)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の熱可塑性ポリマー、紫外線吸収剤等の安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、離型剤、顔料、核剤、充填剤あるいはガラス繊維、炭素繊維、層状ケイ酸塩などを必要に応じて配合しても良い。他種熱可塑性ポリマーとしては、脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルイミド、ポリイミドなどが挙げられる。
<不活性粒子の添加方法>
本発明における前述の不活性粒子の、フィルム層(A)、(B)および第3の層への添加方法は、特に制限されず、それぞれの層を構成する樹脂の重合段階で添加したり、重合後に二軸懇練押出機などで練り込んだりすればよい。好ましくは、フィルム層中での粒子の分散性をより向上させやすいことから、重合段階で最終のフィルムでの使用よりも多量に不活性粒子を含有させたマスターポリマーを作成し、それを不活性粒子を含有しないポリマーで所望の粒子濃度になるように希釈する方法が好ましい。その際、フィルターなどのろ過によって、粗大粒子などを取り除くことが好ましい。
<フィルムの製造方法>
本発明の二軸配向多層積層フィルムは、製膜方向と幅方向に延伸してそれぞれの方向の分子配向を高めたものであり、例えば以下のような方法で製造することが、製膜性を維持しつつ、ヤング率を向上させやすいことから好ましい。
まず、芳香族ポリエステル(A)と疎水性樹脂(B)とを原料とし、これらを乾燥後、溶融状態、好ましくはそれぞれの層を形成するポリマーの融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度で溶融した後に流路中で所定の層数だけ分割を行ない、交互に積層した後に口金から吐出させ、急冷固化して積層未延伸フィルムとし、さらに該積層未延伸フィルムを二軸延伸する。このとき分岐流路の形状を工夫することにより、最外層の厚みのみを厚くすることや、厚み方向で厚みを徐々に変えることも可能である。また、交互積層している層を形成後、口金から押し出す前の段階までに、第3の樹脂を合流させてどちらかの最外層に積層させた構造体を作ることも可能である。
二軸延伸としては、逐次二軸延伸でも同時二軸延伸でもよい。
ここでは、逐次二軸延伸で、縦延伸、横延伸および熱処理をこの順で行う製造方法を一例として挙げて説明する。まず、最初の縦延伸は芳香族ポリエステル(A)もしくは疎水性樹脂(B)のどちらか高いほうのガラス転移温度(Tg:℃)ないし(Tg+40)℃の温度で、3〜10倍に延伸し、次いで横方向に先の縦延伸よりも高温で(Tg+10)〜(Tg+50)℃の温度で3〜10倍に延伸し、さらに熱処理としてポリマーの融点以下の温度でかつ(Tg+50)〜(Tg+150)℃の温度で1〜20秒、さらに1〜15秒熱固定処理するのが好ましい。特に、熱固定処理の温度は180〜220℃、さらに好ましくは190〜210℃の範囲で行うことが好ましい。
前述の説明は逐次二軸延伸について説明したが、本発明の二軸配向多層積層フィルムは縦延伸と横延伸とを同時に行う同時二軸延伸でも製造でき、例えば先で説明した延伸倍率や延伸温度などを参考にすればよい。
さらには、滑り性向上や、易接着性を目的としてコーティング層を設けることも可能である。コーティング層は製膜工程中の未延伸フィルムや一軸延伸フィルムに水性塗液を塗布して延伸および熱固定しながら乾燥させることも可能であるし、2軸延伸終了後に塗布することで形成させることもできる。
本発明の二軸配向多層積層フィルムの厚みは、用途に応じて適宜決めればよく、磁気記録テープのベースフィルムに用いる場合は、2〜10μm、さらに3〜7μm、特に4〜6μmの範囲が好ましい。
なお、粒子を含有させる方法については、それ自体公知の方法を採用でき、例えば芳香族ポリエステル(A)や疎水性樹脂(B)の製造工程において、反応系に添加しても良いし、芳香族ポリエステル(A)や疎水性樹脂(B)に溶融混練によって添加してもよい。粒子の分散性の点から、好ましくは芳香族ポリエステル(A)や疎水性樹脂(B)の反応系に添加して、粒子濃度の高い芳香族ポリエステル(A)や疎水性樹脂(B)をマスターポリマーとして製造し、該マスターポリマーを、粒子を含まないか、粒子濃度が低いポリエステル組成物と混ぜ合わせる方法が好ましい。
本発明によれば、本発明の上記二軸配向多層積層フィルムをベースフィルムとし、その平坦面側の表面に非磁性層および磁性層がこの順で形成され、走行面側の表面にバックコート層を形成することなどで磁気記録テープとすることができる。
<積層体>
ところで、本発明の二軸配向多層積層フィルムは、それ自体を磁気記録媒体のベースフィルムとして用いても良いが、さらに本発明の二軸配向多層積層フィルムの片方の表面もしくは両方の表面上に金属類または金属系無機化合物からなる層(M層)が形成された積層体としてもよく、それによってさらに寸法変化をより小さくすることができる。金属類としては、例えば、Cu、Zn、Al、Si、Fe、Ag、Ti、Mg、Sn、Zr、In、Cr、Mn、V、Ni、Mo、Ce、Ga、Hf、Nb、Ta、Y、Wなどが挙げられ、金属系無機化合物としてはこれらの金属類を酸化させたものが挙げられる。
上記のM層を両面に形成する場合、両表面で異なる金属成分を含んでいてもよく、また、複数種の金属成分を混合して含んでいても構わないが、より好ましくは両表面で同一種の金属成分を含む方が良い。中でも、金属系酸化物は、酸化度の制御性、寸法安定性、生産性、環境性の観点から、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、珪素元素の少なくとも一種を含んでいることが好ましく、より好ましくはアルミニウム元素が主成分となっていることが好ましい。
本発明では、M層の厚みは、それぞれ15〜90nmの範囲にあることが好ましい。M層の厚みが15nmより小さい場合、補強効果が小さく、温度・湿度による環境変化や高温での加工時の伸びの低減効果が小さくなりやすい。M層の厚みの下限は、好ましくは20nm、より好ましくは25nmである。一方、M層の厚みが90nmより大きい場合は、曲げ剛性が大きくなりやすく、結晶粒などによって表面が粗れやすくなる。M層の厚みの上限は、好ましくは80nm、より好ましくは70nmである。M層の厚みは、上記の範囲であれば、両表面で異なる厚みでもよい。両表面を同じ厚みに制御すると、得られた支持体がフラットな形状になりやすいので好ましい。また、両表面を異なる厚みに制御すると、得られた支持体がカッピングを起こすことがあるが、磁気記録媒体に使用するために、必要に応じて、カッピングを有する支持体であると、磁気ヘッドあたりが良好であることがある。その場合、磁性層を設ける側の表面(A)と磁性層を設けない側の表面、すなわちバックコート層側の表面(B)とでは、磁性層を設ける側の表面(A)が凸面になるカッピング形状であることが好ましい。このようなカッピング形状を実現するためには、A面側のM層の厚みとB面側のM層の厚みをそれぞれMa、Mbとしたとき、その厚み比(Ma/Mb)を1〜5とすることが好ましい。Ma/Mbは、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2である。
ところで、本発明の積層体は、積層体の縦方向のヤング率(GPa)と支持体の厚み(μm)の積が30以上であることが好ましい。この積が30未満では、例えば磁気テープとする際に、塗布工程での張力により長手方向に延びて幅方向にシワが入りやすく、または磁気テープとしたときに、磁気テープの走行方向にかかる張力で長手方向(縦方向)に延びて幅方向に縮み、トラックズレなどを引き起こしやくなるからである。もちろん、この積を大きくするには、支持体の縦方向のヤング率(GPa)と支持体の厚み(μm)とを大きくすれば良いのであるが、前述のとおり、記憶容量の観点からは支持体の厚みは薄いほどよい。その点、本発明の積層体は、二軸配向多層積層フィルムが非常に寸法安定性を有することから、M層を薄くしつつ、さらに積層体の厚みを4.5μm以下、さらに4μm以下といった非常に薄いものとしても、塗布適性を高度に維持することができる。
本発明の積層体は、優れた寸法安定性、特に磁気テープなどのベースフィルムとして用いたとき、トラックズレなどを抑制する観点から、積層体の幅方向の温度膨張係数(αt)が−10〜10ppm/℃以下であることが好ましい。好ましい積層体の幅方向の温度膨張係数(αt)は、−7〜5ppm/℃、さらに−5〜0ppm/℃の範囲である。このような温度膨張係数(αt)は、二軸配向多層積層フィルムのαtやM層の材質や厚さなどで調整できる。また、本発明の積層体は、優れた寸法安定性、特に磁気テープなどのベースフィルムとして用いたとき、トラックズレなどを抑制する観点から、フィルムの幅方向における湿度膨張係数(αh)が、0〜5ppm/%RH、さらに1〜4.5ppm/%RHの範囲にあることが好ましい。このような湿度膨張係数(αh)は、二軸配向多層積層フィルムのαhやM層の材質や厚さなどで調整できる。
また、本発明の積層体は、支持体の長手方向と幅方向のヤング率の和が10〜22GPaであり、かつ、長手方向のヤング率Emと幅方向のヤング率Etの比Em/Etが0.5〜1.0の範囲にあることが、上記のような寸法安定性を具備させつつ、製造工程を安定化しやすいことから好ましい。
<支持体の製造方法>
まず、前述のようにして得られた二軸配向多層積層フィルムにM層を形成する方法を、真空蒸着装置を用いて両面にM層を設ける方法を例にとって説明する。
まず、真空蒸着装置においては、真空チャンバの内部を二軸配向多層積層フィルムが巻出しロール部から冷却ドラムを経て巻取りロール部へと走行する。そのときに、るつぼ内に金属材料を入れ、そこに電子銃から照射した電子ビームを当てるなどして加熱蒸発させ、冷却ドラム上の二軸配向多層積層フィルムに蒸着する。このとき、酸素供給ノズルから酸素ガスを導入すれば、蒸発した金属を酸化反応させながら蒸着することができる。また、片方の表面(1面目)に蒸着した後巻取りロール部から片面蒸着したものを取り外し、それを巻出しロール部にセットし同じように反対側の表面(2面目)に蒸着することで両面に形成できる。
ここで、真空チャンバ12の内部は、1.0×10−8〜1.0×10Paに減圧することが好ましい。さらに緻密で劣化部分の少ないM層を形成させるためには、1.0×10−6〜1.0×10−1Paに減圧することが好ましい。また、冷却ドラムは、その表面温度を−40〜60℃の範囲内にすることが好ましい。より好ましくは−35〜30℃、さらに好ましくは−30〜0℃である。電子ビームを用いる場合は、その出力が2.0〜8.0kWの範囲内のもので行うのが好ましい。より好ましくは3.0〜7.0kW、さらに好ましくは4.0〜6.0kWの範囲内である。なお、直接ルツボを加熱することで金属材料を加熱蒸発させてもよい。
酸素ガスは、ガス流量制御装置を用いて0.5〜10L/minの流量で真空チャンバ内部に導入するのが好ましい。より好ましくは1.5〜8L/min、さらに好ましくは2.0〜5L/minである。
真空チャンバの内部における二軸配向多層積層フィルムの搬送速度は20〜200m/minが好ましい。より好ましくは30〜100m/min、さらに好ましくは40〜80m/minである。搬送速度が20m/minより遅い場合、上記のようなM層厚みに制御するためには金属の蒸発量をかなり小さくする必要がある。厚みや酸化度の制御が非常に難しくなる。搬送速度が200m/minより速くなると、冷却ドラムとの接触時間が短くなるため熱による破れやシワが発生し、生産性が低下する傾向がある。また、金属蒸気と酸素ガスとが不充分な反応状態で成膜されやすく、酸化度の制御が難しくなる場合がある。蒸着は片面ずつ行ってもよいし、両面を1工程で行ってもよい。
蒸着後、M層を安定化させ、緻密性を高めるためには、真空蒸着装置内を常圧に戻して、巻取ったフィルムを巻き返すことが好ましい。特に、未結合原子を減らすためには加湿巻き返しを行うことが水蒸気とM層が接触する機会が長くなるため好ましい。加湿巻き返しは20〜40℃で60〜80%RHで行うことが好ましい。さらに、20〜50℃の温度で1〜3日間エージングすることが好ましく、さらに好ましくは湿度60%以上の結露しない程度の環境下でエージングすることが好ましい。
次に、磁気記録媒体を製造する方法を説明する。上記のようにして得られた積層体を、磁気記録媒体用支持体として用いる場合、たとえば0.1〜3m幅にスリットし、速度20〜300m/min、張力50〜300N/mで搬送しながら、一方の面(A)に磁性塗料および非磁性塗料をエクストルージョンコーターにより重層塗布する。なお、上層に磁性塗料を厚み0.1〜0.3μmで塗布し、下層に非磁性塗料を厚み0.5〜1.5μmで塗布する。その後、磁性塗料および非磁性塗料が塗布された支持体を磁気配向させ、温度80〜130℃で乾燥させる。次いで、反対側の面(B)にバックコートを厚み0.3〜0.8μmで塗布し、カレンダー処理した後、巻き取る。なお、カレンダー処理は、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)を用い、温度70〜120℃、線圧0.5〜5kN/cmで行う。その後、60〜80℃にて24〜72時間エージング処理し、1/2インチ(1.27cm)幅にスリットし、パンケーキを作製する。次いで、このパンケーキから特定の長さ分をカセットに組み込んで、カセットテープ型磁気記録媒体とする。
ここで、磁性塗料などの組成は、例えば後述の実施例の測定にある組成などが挙げられる。磁気記録媒体は上記に示した以外に、コバルト、ニッケル、鉄などを蒸着やスパッタなどにより設けた強磁性薄膜型磁性層を有するものでもかまわない。
このようにして得られた磁気記録媒体は、例えば、データ記録用途、具体的にはコンピュータデータのバックアップ用途(例えばリニアテープ式の記録媒体(LTO4やLTO5など))や映像などのデジタル画像の記録用途などに好適に用いることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明では、以下の方法により、その特性を測定および評価した。
(1)固有粘度
得られたポリエステルの固有粘度はo-クロロフェノールを用いてポリマーを溶解して35℃で測定して求めた。
(2)ガラス転移点および融点
ガラス転移点および融点は、それぞれの層に用いる芳香族ポリエステル(A)と疎水性樹脂(B)とを用意し、DSC(TAインスツルメンツ株式会社製、商品名:Thermal lyst2920)により、昇温速度20℃/minで測定した。
(3)ヤング率
得られた二軸配向多層積層フィルムおよび積層体を試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算した。
(4)湿度膨張係数(αh、CHE)
得られた二軸配向多層積層フィルムおよび積層体を、フィルムの製膜方向または幅方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、30℃の窒素雰囲気下で、湿度30%RHと湿度70%RHにおけるそれぞれのサンプルの長さを測定し、次式にて湿度膨張係数を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値をαhとした。
αh=(L70−L30)/(L30×△H)
ここで、上記式中のL30は30%RHのときのサンプル長(mm)、L70は70%RHのときのサンプル長(mm)、△H:40(=70−30)%RHである。
(5)温度膨張係数(αt、CTE)
得られた二軸配向多層積層フィルムおよび積層体を、フィルムの製膜方向または幅方向が測定方向となるようにそれぞれ長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、窒素雰囲気下(0%RH)、60℃で30分前処理し、その後室温まで降温させる。その後25℃から70℃まで2℃/minで昇温して、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt)を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値を用いた。
αt={(L60−L40)}/(L40×△T)}+0.5
ここで、上記式中のL40は40℃のときのサンプル長(mm)、L60は60℃のときのサンプル長(mm)、△Tは20(=60−40)℃、0.5は石英ガラスの温度膨張係数(ppm/℃)である。
(6)二軸配向多層積層フィルム、積層体、各フィルム層およびM層の厚み
得られた二軸配向多層積層フィルムまたは積層体を、層間の空気を排除しながら10枚重ね、JIS規格のC2151に準拠し、(株)ミツトヨ製ダイヤルゲージMDC−25Sを用いて、10枚重ね法にて厚みを測定し、1枚当りの二軸配向多層積層フィルムおよび積層体の厚みを計算する。この測定を10回繰り返して、その平均値を1枚あたりの二軸配向多層積層フィルムおよび積層体の全体の厚みとした。
一方、M層、フィルム層(A)およびフィルム層(B)の厚みは、フィルムの小片をエポキシ樹脂にて固定成形し、ミクロトームにて約60nmの厚みの超薄切片(フィルムの製膜方向および厚み方向に平行に切断する)を作成する。この超薄切片の試料を透過型電子顕微鏡(日立製作所製H−800型)にて観察しその境界をからM層、フィルム層(A)、フィルム層(B)、フィルム層(C)の厚みを求めた。
(7)巻取り性
製膜の完了した二軸配向多層積層フィルムロールを、幅1m長さ10000mに100本裁断し、以下の判定基準で○以上の本数を合格とし、100本中の良品の本数としてあらわした。
◎ 欠点なし。
○ わずかにシワまたはへこみがある。
△ 顕著なシワまたはへこみまたはブツがある。
× シワとへこみ、ブツの内2つ以上が存在する。
(8)表面粗さ(Ra)
非接触式三次元表面粗さ計(ZYGO社製:New View5022)を用いて測定倍率25倍、測定面積283μm×213μm(=0.0603mm)の条件にて測定し、該粗さ計に内蔵された表面解析ソフトMetro Proにより中心面平均粗さ(Ra)を求めた。なお、第3の層や第4の層がある場合は、その表面を測定した。
(9)データストレージ(磁気テープ)の作成
ダイコーターで、20MPaの張力条件で、幅500mmにスリットされた長さ850mの二軸配向多層積層フィルムまたは積層体の表面粗さが小さいほうの表面に、下記組成の非磁性塗料、磁性塗料を同時に、乾燥後の非磁性層および磁性層の厚みが、それぞれ1.2μmおよび0.1μmとなるように膜厚を変えて塗布し、磁気配向させて120℃×30秒の条件で乾燥させる。さらに、小型テストカレンダ−装置(スチ−ルロール/ナイロンロール、5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダ−処理した後、70℃、48時間キュアリングする。
非磁性塗料の組成
・二酸化チタン微粒子:100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5重量部
・レシチン: 1重量部
・メチルエチルケトン:75重量部
・メチルイソブチルケトン:75重量部
・トルエン:75重量部
・カーボンブラック: 2重量部
・ラウリン酸:1.5重量部
磁性塗料の組成
・鉄(長さ:0.3μm、針状比:10/1、1800エルステッド)
:100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5重量部
・レシチン: 1重量部
・メチルエチルケトン:75重量部
・メチルイソブチルケトン:75重量部
・トルエン:75重量部
・カーボンブラック: 2重量部
・ラウリン酸:1.5重量部
このようにして作成した磁性層付フィルムを用意し、その磁性層の反対面に下記組成のバックコートを固形分の厚みが0.5μmとなるように塗布した後、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)で、温度85℃、線圧200kg/cmでカレンダー処理し、巻き取る。上記テープ原反を1/2インチ幅にスリットし、それをLTO用のケースに組み込み、長さが850mで磁気記録容量が0.8TBのデータストレージカートリッジを作成した。
(バックコートの組成)
・カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95重量部
・カーボンブラック(平均粒径280nm): 10重量部
・αアルミナ : 0.1重量部
・変成ポリウレタン : 20重量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 30重量部
・シクロヘキサノン : 200重量部
・メチルエチルケトン : 300重量部
・トルエン : 100重量部
(10)電磁変換特性
上記(9)の方法で作成した磁気テープを、市販のLTO−G3ドライブ(IBM社製、MR再生ヘッドを搭載)を用いて、BBSNR(平均信号強度と広帯域積分平均雑音との比)を測定した。なお、結果は、実施例1の結果を基準として評価した。
(11)吸水率
各層に用いる樹脂を厚み100μmの未延伸フィルムを作成し、JIS K7209A法に準拠して測定した。
(12)M層の厚み
下記条件にて断面観察を行い、得られた合計9点の厚み(nm)の平均値を算出し、M層の厚み(nm)とする。
・測定装置:透過型電子顕微鏡(TEM) 日立製H−7100FA型
・測定条件:加速電圧 100kV
・測定倍率:20万倍
・試料調製:超薄膜切片法
・観察面 :TD−ZD断面
・測定回数:1視野につき3点、3視野を測定する。
[実施例1]
テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行い、グリコール成分の1.5モル%がジエチレングリコール成分であるポリエチレン−テレフタレートのペレットを得た。得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.65であった。得られたペレットにポリエーテルイミドを10%濃度となるように混合し、同回転2軸押出機により混練した後に再度ペレット化してA層用のポリマー(A−1)とした。
また、シンジオタクティックポリスチレン樹脂として出光石油化学製ZAREC 130ZCに平均粒経0.25μmの架橋ポリスチレン粒子をペレット中の濃度が0.1重量%となるように同方向回転二軸混練機を用いて添加し、フィルム層(B)用の疎水性樹脂(B−1)を得た。
このようにして得られた(A−1)と(B−1)を170℃で3時間乾燥後、それぞれ押出機に供給し、295℃まで加熱して溶融状態とし、(A−1)を101層、(B−1)を100層に分岐させた後、(A−1)の層と(B−1)の層が交互に積層するように多層フィードブロック装置により積層した。なお、(A−1)の最外層となる部分1層は多層に分岐前に分岐して、A−1層100層とB−1層100層の交互積層後に積層した。つぎに、その積層状態を保持したままダイへと導き、溶融状態で回転中の温度20℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し、(A−1)の層と(B−1)の層が交互に積層された総数201層の未延伸多層積層フィルムを作成した。尚、B層とA層の吐出比率は3:2とした。得られた未延伸積層フィルムを、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が105℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率4.4倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、125℃で横方向(幅方向)に延伸倍率3.9倍で延伸し、その後200℃で5秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向多層積層フィルムの特性を表1に示す。
[実施例2]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行い、グリコール成分の1.5モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層(A)用のポリエチレン−2,6−ナフタレート(A−2)を得た。得られたポリエチレン−2,6−ナフタレートの固有粘度は0.63であった。なお、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(A−2)には、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%含有させた。B層用の樹脂は、実施例1で用いた(B−1)を用いた。
このようにして得られた芳香族ポリエステル(A−2)と(B−1)を170℃で6時間乾燥後、押出し機に供給し、295℃まで加熱して溶融状態とし、(A−2)の層用ポリエステルを最表層(AX層)用としてまず1層分岐させ、次いで残りの(A−2)を50層、(B−1)の疎水性樹脂を50層に分岐させた後、(A−2)の層と(B−1)の層が交互に積層するような多層フィードブロック装置を使用して積層した後に、最表層のAX層を積層した。この積層状態を保持したままダイへと導き、溶融状態で回転中の温度50℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し、(A−2)の層と(B−1)の層が交互に積層された総数101層の未延伸多層積層フィルムを作成した。尚、B層とA層の吐出比率は3:1.2とした。た。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5.1倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、145℃で横方向(幅方向)に延伸倍率6.7倍で延伸し、その後215℃で5秒間熱固定処理を行い、厚さ4.2μmの二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向多層積層フィルムの特性を表1に示す。
[実施例3]
A層用ポリエステル(A−3)には不活性粒子を含まないポリエチレンテレフタレート、B層用樹脂(B−3)として、αメチルスチレンを共重合した出光石油化学性ZAREC142AEを準備した。また、C層用ポリエステル(C−3)として、ポリエチレンテレフタレートに平均粒経0.25μmの架橋ポリスチレン粒子を0.1重量%添加したものを準備した。これらを170℃で4時間乾燥後それぞれ3台の押出機に供給し、A−3とB−3はそれぞれ11層、10層に分岐後交互積層し、その後片面にC層を積層させた。延伸倍率を長手方向3.0倍、幅方向5.0倍とした以外は実施例1と同様にして二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向多層積層フィルムの特性を表1に示す。
[実施例4]
B層用の樹脂をPPS(ポリプラスチックス社製フォートロン0220A9)とし、この樹脂にあらかじめ平均粒経0.3μmの真球状シリカを0.2重量%添加した樹脂B−4を準備した。A−2のポリエステルとB−4の樹脂を170℃で6時間乾燥後2台の押出機を用いて溶融させた。交互積層の前に最外層用のA−2樹脂およびB−4樹脂を一旦分岐し、さらにA−2樹脂を24層、B−4樹脂を24層に交互積層した後に、最外層用のA−2樹脂およびB−4樹脂を積層した。その後縦延伸倍率を4.8倍とする以外は実施例2と同様にして、一軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムに、下記の組成からなるコーティング液を、A−2の最外層に塗布し、続いて連続的にテンターに導入して、幅方向に6.8倍延伸し、220℃で4秒間熱固定をすることにより、二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向多層積層フィルムの特性を表1に示す。
[実施例5]
A層用として、A−1樹脂の添加粒子を平均粒経0.06μmの架橋ポリスチレン粒子に変更したA−5を準備し、B層用としては実施例4と同じB−4を用いた。それぞれを170℃で4時間乾燥後に2台の押出機から供給し、A−5は最終厚みが100−5nmとなるように、B−4は最終厚みが20−70nmとなるように、それぞれ厚み配分を連続的に変化させて41層に分岐し、交互に積層した。なお積層にあたっては、A層及びB層の最も厚い層がそれぞれ両最外層となるように積層し、実施例1と同様に未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを長手方向3.0倍、幅方向6.5倍に延伸する以外は実施例1と同様にして二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向多層積層フィルムの特性を表1に示す。
[実施例6]
A層用のポリエステルとしての6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分をPENに24モル%共重合し平均粒経0.1μmの真球状シリカを0.1重両%添加したA−6を準備した。B層用としてはシクロオレフィンコポリマー(ポリプラスチックス製、商品名:TOPAS 6017、ガラス転移温度178℃)に平均粒経0.25μmの架橋ポリスチレン粒子を0.1重量%添加したB−6を準備した。A−6,B−6をそれぞれ170℃6時間乾燥した後に実施礼2と同様に操作し、延伸倍率を長手方向5.3倍幅方向7.7倍とする以外は実施例2と同様にして、二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向多層積層フィルムの特性を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、B層用の樹脂をSPSではなく、ポリエーテルイミドを10重量%添加したものを使用し延伸倍率を長手方向4.2倍幅方向3.8倍とした以外は実施例1と同様にして二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向多層積層フィルムの特性を表1に示す。
[比較例2]
実施例2において、フィルムB層に添加する粒子と添加量を表1の通りとするほかは実施例2と同様にして、二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向多層積層フィルムの特性を表1に示す。
[比較例3]
A層の最表層の形成を行わない以外は実施例4と同様にして、二軸配向多層積層フィルムを得た。
得られた二軸配向多層積層フィルムの特性を表1に示す。
[比較例4]
実施例2において、多層積層とせず、1層のA層と1層のB層の2層積層フィルムと変更する以外は、実施例1と同様な操作を繰り返そうとしたが、縦方向の延伸過程においてフィルムのカールと層間剥離が発生し、横方向の延伸工程でクリップ把持することができず、二軸配向フィルムを得ることができなかった。
Figure 2011084036
ここで、表1中の、PETはポリエチレンテレフタレートを、PENはポリエチレン2,6-ナフタレートを、PEIはポリエーテルイミドを、SPSはシンジオタクティックポリスチレンを、PPSはポリエーテルサルフォンを、COPはシクロオレフィンポリマーを、ANAは6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を、PESはポリエステルを、PSは架橋ポリスチレン粒子、シリカはシリカ粒子、CTEは温度膨張係数(αt)、CHEは湿度膨張係数(αt)を意味する。
[実施例7]
実施例5で作成した二軸配向多層積層フィルムの両面に、以下の方法で、M層を設けた。まず、真空蒸着装置内に設置されたフィルム走行装置に、得られた二軸配向多層積層フィルムをセットし、1.00×10−3Paの高真空にした後に、20℃の冷却金属ドラムを介して走行させた。このとき、アルミのターゲットを電子ビームで加熱蒸発させ、酸素を導入して、アルミと酸素のモル比が42:58の部分酸化アルミのM層(厚み:60nm)を形成し、さらに連続で、反対側の面に同様にしてM層を形成し、積層体を作成した。
得られた積層体は、幅方向の温度膨張係数が−1.9ppm/℃、幅方向の湿度膨張係数が1.6ppm/%RH、ヤング率が製膜方向6.6GPa、幅方向10.5GPa、RaX側の表面のRaが3.5nm、RaY側の表面のRaが6.0nmであった。
[実施例8]
実施例7において、アルミの代わりにシリカ(SiO)を用い、珪素と酸素のモル比が37:63の部分酸化ケイ素とし、かつその厚みをそれぞれ80nmとなるように変更した以外は、実施例7同様にして、M層を形成し、積層体を作成した。
得られた積層体は、幅方向の温度膨張係数が2.6ppm/℃、幅方向の湿度膨張係数が1.7ppm/%RH、ヤング率が製膜方向6.1GPa、幅方向10.0GPa、RaX側の表面のRaが3.5nm、RaY側の表面のRaが6.0nmであった。
[実施例9]
実施例7において、酸素導入をしなかった以外は、実施例7同様にして、M層を形成し、積層体を作成した。
得られた積層体は、幅方向の温度膨張係数が4.4ppm/℃、幅方向の湿度膨張係数が1.6ppm/%RH、ヤング率が製膜方向5.9GPa、幅方向9.8GPa、RaX側の表面のRaが3.5nm、RaY側の表面のRaが6.0nmであった。
本発明の二軸配向多層積層フィルムおよび積層体は、優れた寸法安定性と表面の平坦性を兼ね備えていることから、さまざまな用途に利用でき、特に高密度磁気記録媒体の支持体として好適に利用できる。

Claims (14)

  1. 芳香族ポリエステル(A)からなるフィルム層Aと吸水率が0.1%以下の疎水性樹脂(B)からなるフィルム層Bとを交互に11層以上積層した積層構造を有する二軸配向多層積層フィルムであって、一方の表面粗さ(RaX)が0.5−5nmの範囲で、他方の表面粗さ(RaY)がRaXよりも1nm以上大きく、かつ10nm以下であることを特徴とする二軸配向多層積層フィルム。
  2. フィルム層AまたはBのいずれか一方のフィルム層が2つの最表層の両方を形成し、最表層を形成しない側のフィルム層は平均粒経0.01−1.0μmの不活性粒子を0.001−5重量%含み、最表層を形成する側のフィルム層は不活性粒子を含有しないか、前記最表層を形成しない側のフィルム層よりも平均粒経の小さな粒子を含有するか、同じ平均粒経の不活性粒子をより少ない含有量で含有し、さらに表面粗さの小さな最表層を形成するフィルム層の厚み(tX)が、表面粗さの大きな最表層を形成するフィルム層の厚み(tY)の厚みに対して、1.5倍以上である請求項1記載の二軸配向多層積層フィルム。
  3. フィルム層AまたはBのいずれか一方のフィルム層が表面粗さの大きな最表層を形成し、かつ平均粒経0.01−1.0μmの不活性粒子を0.001−5重量%含み、表面粗さの大きな最表層を形成しない側のフィルム層が、表面粗さの小さな最表層を形成し、かつ不活性粒子を含有しないか、表面粗さの大きな最表層を形成する側のフィルム層よりも平均粒経の小さな粒子を含有するか、同じ平均粒経の不活性粒子をBより少ない含有量で含有する請求項1記載の二軸配向多層積層フィルム。
  4. 表面粗さの小さな最表層の厚み(tX(nm))、表面粗さの大きな最表層の厚み(tY(nm))、表面粗さの小さな最表層に隣接するフィルム層の厚み(tX’(nm))と表面粗さの大きな最表層に隣接するフィルム層の厚み(tY’(nm))が次の関係式のいずれか少なくともひとつを満たす請求項3記載の二軸配向多層積層フィルム。
    (式1) tX>1.5×tX’
    (式2) tY>1.5×tY’
  5. 二軸配向多層積層フィルムの表面粗さの大きい最表層が、平均粒経0.01−1.0μmの不活性粒子を0.001−5重量%含む第3の層(C層)からなり、積層構造を形成するフィルム層AおよびBは、不活性粒子を含有しないか、該表面粗さの大きい最表層を形成するフィルム層よりも平均粒経の小さな粒子を含有するか、同じ平均粒経の不活性粒子をより少ない含有量で含有する、請求項1に記載の二軸配向多層積層フィルム。
  6. 二軸配向多層積層フィルムの少なくとも片面の最表層が不活性粒子を有する塗膜層(第4の層、D層)である、請求項1に記載の二軸配向多層積層フィルム。
  7. フィルム層Aおよびフィルム層Bが不活性粒子を含有しない請求項5または6のいずれかに記載の二軸配向多層積層フィルム。
  8. 疎水性樹脂(B)が、シンジオタクティック構造を有するスチレン系重合体、ポリフェニレンスルフィド、シクロオレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜7のいずれかに記載の二軸配向多層積層フィルム。
  9. フィルムの製膜方向及び幅方向のヤング率がそれぞれ4.5GPa以上である請求項1〜8のいずれかに記載の二軸配向多層積層フィルム。
  10. フィルムの幅方向の湿度膨張係数が0.1×10−6〜9×10−6/RH%である請求項1〜9のいずれかに記載の二軸配向多層積層フィルム。
  11. フィルムの幅方向の温度膨張係数が−10×10−6〜10×10−6/℃である請求項1〜10のいずれかに記載の二軸配向多層積層フィルム。
  12. フィルムの厚みが1〜10μmの範囲にある請求項1〜11のいずれかに記載の二軸配向多層積層フィルム。
  13. 二軸配向多層積層フィルムが、磁気記録媒体のベースフィルムに用いられる請求項1〜12のいずれかに記載の二軸配向多層積層フィルム。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載の二軸配向多層積層フィルムの少なくとも片面に、金属類または金属系無機化合物からなる層(M層)が設けられた積層体。
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