JP2011080331A - 脱気装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンクリート面上に塗布された防水用塗膜層の下面から発生するガスを大気中に排気する脱気装置10であり、コンクリート面に設置されるベースプレート11を備えた構成とする。そしてベースプレート11を、防水用塗膜層から発生するガスを導入するガス案内通路12と、このガス案内通路12内に溜まったガスを当該ガス案内通路12外に排出するガス排出口11Cとを有する形状に形成する。さらに、ベースプレート11に、逆流防止弁14をガス案内通路12の内圧に対して開き、外圧に対して閉じるように保持する軽量コイルバネ16を設けた。
【選択図】図2
Description
ところが、このような塗膜層では、固化させて形成した後でも、2,3年の間は、塗膜層と下地(コンクリート面)との間からガスが発生する。塗膜層の上層部で発生したガスは直接大気中に排気されるが、特に、複数層のうち下の層から発生するガスは外部へ逃げることができず、塗膜層とコンクリート面との間に溜まる。
また、塗膜層表面にできた凹凸のうち、例えば凸部に損傷が発生すると、その損傷部分から水が入り、せっかく施工した防水加工であるにもかかわらず、防水効果が損なわれるという問題もある。
この特許文献1に開示された脱気装置は、コンクリートの床面に設置する塔タイプとされており、塗膜層とコンクリートの床面との間に発生するガスを導入する内筒と、その外周に被せられる外筒とを備えて構成され、内筒の上面に形成された開口に対して開閉自在な逆流防止弁が、弁カバー内に収容されて配置されている。
そして、内筒の内部に導入されたガスは、所定の圧力に達したとき、内筒の上面の開口を塞いでいる逆流防止弁を開いて、内筒と外筒との隙間から大気中に排気されるようになっている。
そのため、コンクリートの床面に設置する塔タイプの場合は勿論、コンクリート壁面に設置する横型の脱気装置の場合でも、逆流防止弁の脱落を防止することができると共に常に正常な姿勢で逆流防止弁を開閉できる構成の脱気装置の開発が望まれている。
その結果、逆流防止弁の脱落を防止することができると共に常に正常な姿勢で開閉することができる。
また、逆流防止弁がバネ製弁保持部材により保持されているので、コンクリート床面に設置する塔タイプの場合でも、コンクリート壁面面に設置する横型タイプの場合でも、より確実にガスを排気できるようになる。
この脱気装置10は、コンクリート壁面50B(図8参照)に設置されるベースプレート11を備えて構成されている。
そして、この膨出部11Bの中心に、所定径の前記ガス排出口11Cが形成されており、上記ガス案内通路12に溜まったガスが、ガス排出口11Cを経由し、弁カバー17に形成されたガス排気孔17Aから大気中に排気されるようになっている。
そして、この隙間S内に、図7に示すように通気用シート20が挿入されるようになっている。また、通気用シート20を挿入した後、その通気用シート20がずれないように、段差部11Aの一端側2箇所に、上記隙間S側に折り曲げ形成された三角形形状の引掛け部11Dが形成されている。
この逆流防止弁14と上記膨出部11Bとは、図6に示すように、逆流防止弁14の曲率半径がr1、膨出部11Bの曲率半径がr2となっており、両者r1,r2の曲率半径が異なっている。
なお、逆流防止弁14の曲率半径のr1が膨出部11Bの曲率半径のr2より小さな寸法に設定されている。そのため、逆流防止弁14はその内周面外縁部が膨出部11Bの上面に対して線接触で接していることになる。
また、軽量コイルバネ16は、例えば、ガス案内通路12内に溜まったガスにより逆流防止弁14を押し上げることが可能なようなバネ圧を有している。そして、軽量コイルバネ16の他端は上記バネ収容部材15を構成する爪部15Bの先端係止部15Cと係合するようになっている。
なお、本第1実施形態の脱気装置10において、軽量コイルバネ16のバネ圧は、内圧P1が例えば19g/cm2で開くような強さに設定されている。
そして、先端係止部15Cと軽量コイルバネ16の他端部とが係合することにより、軽量コイルバネ16が外部に飛び出さないようになっている。
弁カバー17は、図1、図4、図5に示すように、段差部11Aに突設された位置決めピン11Eと、弁カバー17のフランジ部にあけられた位置決め孔17Bとの係合により位置決めされ、その後、溶接により段差部11Aに固着されるようになっている。
そして、脱気装置10のベースプレート11をコンクリート壁面50Bに取り付けるための4本のオールアンカー51が予め準備されている。
コンクリート壁面50Bに取り付けられた脱気装置10では、コンクリート床面50Aの上面に敷設された通気緩衝マット61で収集されたガスが、通気用シート20を経由して脱気装置10のベースプレート11の裏面のガス案内通路12に案内される。
なお、通気緩衝マット61はコンクリート床面50Aの全面に設けられている。
また、脱気装置10がコンクリート壁面50に取り付けられた後、この脱気装置10の表面にも前記防水用塗膜層60が設けられる。ただし、ガス排気孔17Aは開口させておく必要がある。
(1)ベースプレート11のガス案内通路12に収集され案内されたガスがガス案内通路12に溜まったとき、そのガスによる内圧に押されて逆流防止弁14が開く。逆流防止弁14は、軽量コイルバネ16により保持されているので、ガス案内通路12内のガスが排出された後は、軽量コイルバネ16の反発力により、初期位置に戻される。
その結果、逆流防止弁14の脱落を防止することができると共に常に正常な姿勢で開閉することができる。
本第2実施形態の脱気装置30は、コンクリートの床面50Aに設置される塔タイプである。
この第2実施形態において、前記第1実施形態と同一形成部材、同一構造には、同一符号を付し、異なる部位のみを詳細に説明する。
そして、上記バネ収容部材34の内部には、前記逆流防止弁14と軽量コイルバネ16とが収容されている。
ここで、ベースプレート36をコンクリートの床面50A上に配置した後、ベースプレート36および塗膜押さえ部材37の上面に、前記防水用塗膜層60が形成されるようになっている。
この雌ネジ34Aには、前記外筒35の内部に固着されたボルト40が螺合するようになっており、これにより、外筒35が内筒31に被せられて取り付けられるようになっている。
ここで、雌ネジ34Aがバネ収容部材34の窪み部34Bの底部に形成されているので、外筒35のボルト40を雌ネジ34Aに螺合させる際、外筒35を下げて行くとボルト40が窪み部34Bに案内されるので、見えない部位での結合作業が容易となる。
(9)バネ収容部材34の内部に、逆流防止弁14がガス排出口33Cを塞ぎ、且つ膨出部33Bの上面を覆って配置され、この逆流防止弁14が軽量コイルバネ16により常時膨出部33B側に付勢されているので、コンクリートの床面に設置される塔型の脱気装置30においても、逆流防止弁14の脱落を防止することができると共に常に正常な姿勢で開閉できるようになる。
ここで、板バネ46のバネ圧は、前記第1実施形態の軽量コイルバネ16のバネ圧と同じような強さ、すなわち、内圧が19g/cm2で開くように設定されている。
このような変形形態では、前記第1実施形態のバネ収容部材15が不要となるので、省部材化を図ることができ、また、簡単な構成とすることができる。
なお、板バネ46は周囲4箇所に限らず、例えば3箇所、あるいは前記バネ収容部材15と同じように6箇所に設けてもよい。
また、これらの図11、図12では、前記第1実施形態に適用させた場合で説明したが、前記第2実施形態に適用させてもよい。
すなわち、コンクリート壁面50Bの脱気装置10を設置する部位を除く壁面に、通気緩衝マット61および防水用塗膜層60を設け、この通気緩衝マット61を前記通気用シート20に接続させようにして、その通気用シート20からガスを前記ガス案内通路12に案内するように構成することもできる。そpして、このようにすることで、コンクリート壁面50Bに施工された防水用塗膜層60からのガスも大気中に排気することができる。
11 ベースプレート
11A 段差部
11B 膨出部
11C ガス排出口
12 ガス案内通路
14 逆流防止弁
15 バネ収容部材
17 弁カバー
17A ガス排気孔
20 通気用シート
30 脱気装置(第2実施形態)
31 内筒
32 ガス案内通路
33 上蓋
33B 膨出部
33C ガス排出口
34 バネ収容部材
35 外筒
36 ベースプレート
50A コンクリート床面
50B コンクリート壁面
r1 逆流防止弁の曲率半径
r2 膨出部の曲率半径
P1 内圧
P2 外圧
S ガス案内通路を形成する隙間
Claims (7)
- コンクリート面上に塗布された防水用塗膜層の下面から発生するガスを大気中に排気する脱気装置であって、
コンクリート面に設置されるベースプレートを備え、
このベースプレートを、当該ベースプレートの裏面に形成され前記防水用塗膜層から発生するガスを収集し案内するガス案内通路と、このガス案内通路内に溜まったガスを前記ベースプレートの表面側に排出するガス排出口とを有する形状とし、
前記ガス排出口に外気に対抗して作動する逆流防止弁を配置し、
前記ベースプレートに、前記逆流防止弁を前記ガス案内通路の内圧に対して開き、外圧に対して閉じるように保持するバネ製弁保持部材を設けたことを特徴とする脱気装置。 - 請求項1に記載の脱気装置において、
前記ベースプレートに、前記バネ製弁保持部材および前記逆流防止弁を覆う弁カバー部材を設けると共に当該弁カバー部材に前記ガス排出口から排出されたガスを大気中に排気するガス排気孔を設けたことを特徴とする脱気装置。 - 請求項1または請求項2に記載の脱気装置において、
前記ベースプレートの表面側に、断面湾曲状に膨出した膨出部を設けると共にこの膨出部の中心部に前記ガス排出口を設け、
前記逆流防止弁を前記膨出部およびガス排出口を覆う断面円弧状に形成したことを特徴とする脱気装置。 - 請求項3に記載の脱気装置において、
前記逆流防止弁の内面の曲率半径を前記膨出部の外面の曲率半径よりも小さくしたことを特徴とする脱気装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一に記載の脱気装置において、
前記バネ製弁保持部材をその一端部が前記逆流防止弁の外面と当設するコイルバネで構成し、
前記ベースプレートに、前記コイルバネの外周に当該コイルバネの他端部を係止するバネ収容部材を設けたことを特徴とする脱気装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一に記載の脱気装置において、
前記バネ製弁保持部材を、前記ベースプレートの表面に設けられ先端部が前記逆流防止弁の外周端縁と当接する板ばねで構成し、当該板ばねを前記逆流防止弁の周囲の少なくとも3箇所に対応させて配設したことを特徴とする脱気装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか一に記載の脱気装置において、
前記ベースプレートの裏面で且つ前記ガス案内通路内に、当該ガス案内通路内に設置されるガス通気用シートを係止するシート係止部を設けたことを特徴とする脱気装置。
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2009
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