JP6083759B2 - 地下空間構造物の開口部蓋構造 - Google Patents

地下空間構造物の開口部蓋構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6083759B2
JP6083759B2 JP2014156533A JP2014156533A JP6083759B2 JP 6083759 B2 JP6083759 B2 JP 6083759B2 JP 2014156533 A JP2014156533 A JP 2014156533A JP 2014156533 A JP2014156533 A JP 2014156533A JP 6083759 B2 JP6083759 B2 JP 6083759B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
underground space
pressure
inner lid
side wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014156533A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016033306A (ja
Inventor
聡樹 神田
聡樹 神田
Original Assignee
有限会社エマージェンシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社エマージェンシー filed Critical 有限会社エマージェンシー
Priority to JP2014156533A priority Critical patent/JP6083759B2/ja
Publication of JP2016033306A publication Critical patent/JP2016033306A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6083759B2 publication Critical patent/JP6083759B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、地下空間構造物の地上開口部を閉じる開口部構造に関する。
下水道(地下空間構造物)と地上をつなぐマンホールは、人や物が落下したり、臭気が漏れたりするのを防ぐために地上開口部を開口部蓋で閉鎖する構造としてある。この開口部構造の蓋は多くが鋳鉄製で基本的に密閉タイプと多数の開孔を設けたグレーチングタイプがある。
密閉タイプは地下空間からの臭気の漏れ出しを防止でき、また、地上の土砂やごみ(落ち葉)などが地下空間へ侵入するのを防止できるが、重い。また、密閉タイプであるために急激な大雨の際に地下空間からの水圧や空気圧で蓋が飛散する恐れがある。このため、頑丈な飛散防止機構を設けている。
一方、グレーチングタイプは軽量であると共に集水に優れ、この種の開口部蓋が地下空間からの圧力で飛散するということは考えにくい。また、雨水の集水、排水に適しているが、地下空間に土砂やごみが堆積しやすい。場合によっては、地下空間からの臭気が地上に漏れ出ることもある。
以上から、これら2つのタイプの蓋は開口部構造において使い分けられており、下水専用管路(地下空間の一つ)や下水・雨水合流管路(同)では基本的に密閉タイプが使用され、雨水専用管路(同)などでは基本的にグレーチングタイプが使用されている。
特許文献1の蓋装置の蓋は、グレーチングタイプであり、侵入する土砂の処理と地下空間からの臭気の漏れ出しを防止する構造に工夫がなされている。
特許文献2の地下構造物用親子式断熱中蓋は、地面に上面が露出する蓋(外蓋)とその内側に位置する中蓋とからなる二重蓋であって、外蓋、中蓋共に親子式に構成している。親子式とすることで軽作業時に大きく重い親蓋を開ける必要のないことが記載されている。
特許文献3は、地下構造物の開口内に設置される排気防臭装置について記載している。
この排気防臭装置は、中蓋に類するものであり、胴部に弁を備えた複数の排圧孔を設けてある。前記開口を塞ぐ格好で取り付けられた排気防臭装置は、地下構造物の内部で圧力が高まると前記の弁が開いて、内部からの圧力を確実に外部へ逃し、また、通常の場合は前記の弁が閉じており、臭気の漏れ出しを防止するというものである。
特開2008−285834号公報 特開2005− 16132号公報 特開2013− 72229号公報
地下空間構造物の開口部構造における蓋の口径が大きいと重く、作業のつど蓋を開閉するのに労力を要する。これを解決する一つの手段が親子蓋とすることであり、軽作業時では子蓋を開閉すればよい。しかし、開口部構造の蓋がグレーチングタイプの場合、地下空間内部からの臭気が漏れ出すので、中蓋が必要となる。中蓋には前記のように、圧抜きと共に臭気の漏れ出しを防止する構造が必要であるが、外蓋(地面に上面が露出する蓋)が親子蓋である場合、中蓋も親子蓋にしないと、中蓋の全体を開閉するのに労力を要することになって外蓋を親蓋としている利点がなくなる。このため外蓋、中蓋を備えた二重蓋の場合、中蓋にも子蓋(中子蓋)を設ける。
前記の特許文献2が開示する二重蓋は外蓋、中蓋共に子蓋を有し、軽作業は両方の子蓋を開閉して行うことが開示されているが、外蓋が前記の密閉タイプであるため、中蓋に土砂を処理する機能は必要がなく、外蓋がグレーチングタイプである場合に使用できない。また、この文献の二重蓋は地下空間の圧力上昇を逃す排圧構造を有していない。
本発明は、外蓋が口径の大きなグレーチングタイプであって、集水性に優れる一方、中蓋を備えて地下空間からの臭気を抑え込む能力に優れ、また、中蓋の密閉性に伴う地下空間の圧力上昇に対処した排圧能力を備えると共に、軽作業時には外蓋及び中蓋の全部を開閉する必要のない地下空間構造物の開口部構造を提供する。
地下空間構造物の地上開口部構造であって、
外蓋と中蓋を備えた二重蓋構造とする。
外蓋は、グレーチングタイプであると共に親子蓋とする。中蓋もまた親子蓋とし、中蓋にはダンパー構造と排圧弁を設ける。
ダンパー構造は、中蓋に堆積する土砂の重量で開いて土砂を地下空間に放出した後に閉じ、常時は閉じている構造とし、排圧弁は、地下空間からの圧力で開き、常時は閉じているものとする。
前記の中蓋は、親中蓋と中子蓋を備え、中子蓋を底面とした逆円錐台形の側壁を備える。そして、側壁に排圧弁を設け、中子蓋に前記のダンパー構造を設けることがある。
また、中蓋を地下空間構造物の地上開口部に取り付けた受け枠の内面に環状に突出した環状突出部に係合させて取付け、地下空間からの圧力上昇時に環状突出部から上方へ移動して環状突出部との間に、排圧空間を形成する構造とすることがある。
さらに、中子蓋を中蓋において上方へ移動可能に取付け、地下空間からの圧力上昇時に上方へ移動して中蓋の他の部分との間に、排圧空間を形成し、まずこの部分で排圧できる構造とすることがある。
前記の中蓋は、中子蓋を底面とした逆円錐台形の側壁を備え、側壁に排圧弁を設けると共に、中子蓋に前記のダンパー構造を設けることがある。
本発明によれば、外蓋をグレーチングタイプとしたことで集水・排水性に優れ、二重蓋構造としたことで地下空間からの臭気が漏れ出すのを防止できる。また、外蓋、中蓋のいずれも親子蓋構造としたことで、軽作業時の蓋開閉の労力が軽減される。一方、中蓋に排圧弁を設けることで、地下空間内部の圧力が上昇したとき、この圧力を速やかに地上へ逃すことができる。さらに、中蓋にダンパー構造を設けることで、集水時に堆積する土砂やごみを地下空間に落とし込むことができる。
すなわち、中蓋によって地下空間の地上開口部としての密閉性を維持しながら、排圧(圧抜き)機能と外蓋をグレーチングタイプにして集水機能をもたせていることによる堆積土砂などの処理機能とを合わせて達成することができる。
マンホールの開口部構造を分解して示す斜視図。 受け枠の断面図。 概略で示す中蓋の断面図。 概略で示す側壁の断面図。 側壁を下面から見た斜視図。 側壁を上面から見た斜視図(排圧弁を分離している)。 模式的に示した側壁の断面図。 模式的に示した他の側壁の断面図。 排圧弁の作動状態を模式的に示した断面図。 排圧弁の要部を示した断面図。 排圧弁の要部を示した断面図(他の例)。 中子蓋(ダンパー構造)の概略的な断面図。 外蓋の概略的な断面図。 親蓋の平面図。 子蓋の平面図。 受け枠に外蓋と中蓋を取り付けた状態を示す概略的な断面図。 中子蓋の平面図。 受け枠に外蓋と他の中蓋を取り付けた状態を示す概略的な断面図。
この発明に係る地下空間構造物としてマンホール1を取り上げる。図1は、その開口部構造2を分解して示している。開口部構造2は、立ち上げ管3、受け枠4、中蓋5及び外蓋6で構成されており、二重蓋構造である。また、親子蓋構造を採用しており、マンホールの開口部径は大きい。
立ち上げ管3は、地中に埋設されて内部が筒状の空間に形成されており、上端がマンホール1の地上開口部7となり、下端が下水・雨水合流管路(図示していない)に通じている。
前記地上開口部7はフランジ面8となっていて、その上面に複数の取付けボルト9が植設されている。
立ち上げ管3のフランジ面8に受け枠4が前記の取付けボルト9によって固定され、受け枠4に中蓋5と外蓋6が順次に嵌合して取付けられる。
受け枠4は、図1,2に示すように、取付けフランジ部10とその上方の環状空間部11を備え、環状空間部11を構成する外壁12と内壁13をつなぐ上壁14は地上面であり、受け枠4の他の上端部分と同一面にある。上壁14は、上下方向に貫通した多数の枠開孔15を備えたグレーチング構造となっている。
受け枠4の前記内壁13は内面に突出した環状のフランジ、すなわち、上段フランジ16と下段フランジ17をそれぞれ内方(受け枠4の中心側)へ突出させて備えている。下段フランジ17は上段フランジ16よりも内方へ張り出している。受け枠4は、また、上段フランジ16と下段フランジ17との間に内壁13を内外に貫通して受け枠4の内側と前記の環状空間部11を連通させる複数の連通孔18を備えている(図2)。なお、前記の下段フランジ17には上下方向の貫通孔19が複数設けられている(図1、後述)。
中蓋5は、浅い逆円錐台形をした側壁20の親中蓋と逆円錐台形の底面に相当する箇所に取付けられた中子蓋21とからなる親子蓋構造である。
なお、正確にはこの実施例の円錐台形は平行な上面と下面の中心をとおる軸線が傾斜している斜行円錐台ともいうべき形態である。したがって、平面視では下面の円形は上面の円形に対して偏心した位置になる。
図1,4に示すように、側壁20の上周縁は円形であって外側へ張り出した水平な上周縁フランジ22とされ、下周縁は円形であって内側へ張り出した水平な下周縁フランジ23とされ、上周縁フランジ22と下周縁フランジ23との間の斜壁24は、基本的に上下方向へ貫通した窓孔25を多数備えた格子構造とされている。符号26は取っ手であり、中蓋5を取り出す時に使用する。符号27は係合脚である。係合脚27は、図5に中蓋5の下面側を示すように、側壁20における上周縁フランジ22の下面側から下方へ突出しており、下端部に外向きに突出した爪28を有する(後述)。
前記側壁20には、格子部分に排圧弁29が配置される。排圧弁29は塩化ビニールなどの柔軟で耐候性の高い樹脂シートであって、側壁20の部分的な曲面に合わせた複数枚に形成されている(図6)。各排圧弁29は上辺を側壁20側の突起30に引っ掛け(図7)、下辺側をぶら下げるようにして取付ける。この実施例では上方の排圧弁29の下辺部を下方の排圧弁29の上辺部に重ねて下方からの臭気が漏れないようにしているが、格子状構造の格子骨に幅が広い箇所やそのような構造の格子構造では重ねる必要はない。
各排圧弁29は自重で側壁20の上面へ接当して、通常時、側壁20の格子構造による窓孔25を遮蔽する(図7)。側壁下面からの圧力(風圧・水圧)が強い場合には破線で示すように下辺部が上方へ変位して格子構造の窓孔25が開き、圧力を逃す。
なお、側壁20の斜壁24に対する排圧弁29の取付け方は種々考えられる。
図8,9は、突起30としてステンレスのスライドピン30aを選択したものであり、スライドピン30aは軸部よりも径を大きくした頭部と下端部に雄ねじを切ってある。排圧弁29の上辺部に設けた孔にスライドピン30aを差し通し、そのピン30aをさらに側壁20に設けた孔へ挿し込んで下方でナット30bをねじ込んで抜け止めとしてある。排圧弁29に設ける前記の孔と側壁20に設ける前記の孔は共にスライドピン30aの太さに対してバカ孔であり、また、スライドピン30aは側壁20に排圧弁29を重ねた厚さよりも十分に長くしてある。したがって、この構造では、通常時は窓孔25は排圧弁29により遮蔽されているが、中蓋5よりも下方の圧力が高くなると図9のように、排圧弁29の全体が浮き上がり、排圧のために窓孔25を大きく開くことができる。下方からの圧力が消失して通常の状態になると、排圧弁29はスライドピン30aと共に自重で降下して前記の窓孔25を閉じる。
前記の例では、スライドピン30aを排圧弁29の上辺部に配列し、下辺部は自由端にしたが、下辺部にも上辺部と同様なスライドピン30aによる取付け構造としてもよい。また、下辺部の安定した閉じ状態を維持するために、排圧弁29の下辺に永久磁石を埋め込むとか貼り付けるなどして、下辺を中蓋5の格子構造に貼り付けるようにしても良い(中蓋5が鋼板製など磁性金属の場合)。中蓋5が合成樹脂製など非磁性体の場合は、前記の埋め込んだ永久磁石と対応した箇所にワッシャーなどの金属物を埋め込むなり、接着しておく。
図10は、排圧弁29の他の取付け方であって、前記図8,9で説明したスライドピン30aによる取付け構造において、スライドピン30aに戻しばね31を付属させ、排圧弁29の戻りを確実にしている。
図11は、排圧弁29のさらに他の取付け方であり、排圧弁29の上辺部へ予め環状の永久磁石32を取り付けておき、この環状の永久磁石32へスライドピン30aを挿し通し、スライドピン30aの下端部を側壁20へ直接にねじ込んで固定してある。この構造ではスライドピン30aは移動せず、環状の永久磁石32が排圧弁29の動きに追随して上下に移動する。環状の永久磁石32は排圧弁29を通常の状態へ戻す錘の役目も果たす。そして、中蓋5が鉄板で形成される場合は、通常状態において環状の永久磁石32は鉄板と吸着しあって排圧弁29を下方へ押圧し、安定して窓孔25を閉鎖状態に維持する。
また、図において符号33は鉄ワッシャーであり、側壁20の上面に固定してある。通常時において環状の永久磁石32を吸着して排圧弁29の遊動をより効果的に抑制する。
なお、鉄ワッシャー33は、側壁20、ひいては中蓋5が合成樹脂で形成される場合には、環状の永久磁石32を引き寄せておくために必要である。
以上、柔軟な排圧弁29について説明したが、板状の弁体が一側の蝶番を中心に上下に回動して窓孔25を開閉するような簡単な構造であってもよい。
中蓋5の中子蓋21は、ダンパー構造34とされる(図1,3,12)。
ダンパー構造34は、環状の外周フランジ35と筒状側壁36、傾斜底板37及びダンプ板38を備える。環状の外周フランジ35は筒状側壁36の上縁から外方へ張り出した水平部分であり、前記中蓋5の下周縁フランジ23(図4)に上方から係合できる大きさとされている。
傾斜底板37は、中央部に円形に凹んだ円形段部39を有し、円形段部39にダンプ板38を開閉可能に納めている。即ち、円形段部39は傾斜下方が内側へ張り出すフランジを残して半円形に切欠かれている一方、ダンプ板38は円形段部39の底板部分に、前記フランジに掛けて半円形の切欠きを閉鎖した位置となるよう配置されており、直径方向のダンプ軸40を中心に切欠き部分に対応する半円部分が下方へ移動して全体が傾斜できる構成とされている(図12の状態)。ダンプ板38の回転は、下面側に取付けた重錘41で調整されており、下方へ回転できる切欠き側の半分に設定下重量の土砂などが堆積したときに一気に回転して傾斜し、土砂などを下方へ放擲し、放擲後は元の下方から切欠きを閉じた状態へ自動的に戻るバランスとされている。このような構造は特許文献1に開示され公知である。
符号42は、中子蓋用の取手である。
外蓋6は、図13〜15に示すように、親子蓋構造であり、親蓋43の偏心位置に子蓋44が嵌合される構造となっている。子蓋44は親蓋43の開口内周に設けたフランジ45部分に載置されて嵌合される。親蓋43、子蓋44共に多数の蓋開孔46を備えたグレーチングタイプである。そして、これらをまとめた外蓋6は親蓋43の周縁を受け枠4の前記した上段フランジ16に載置されて嵌合される。符号47は滑り止めの突起であり、外蓋6の上面に多数形成されている。これら突起47のいくつかは摩耗程度を測定するための突起となっている。
詳しくは図示していないが、子蓋44は、親蓋43に対して蝶番構造と錠構造をもって取り付けられ、同様に親蓋43は受け枠5に対して蝶番構造と錠構造をもって取付けられている。
中蓋5の側壁20に中子蓋21(ダンパー構造34)を取付け、中子蓋21を完成する(図3、図17)。中子蓋21は、前記の外周フランジ35を側壁20の下周縁フランジ23に載せ、上下両端に抜け止めの大径部(ボルトの頭とナットのような)を設けた3本の長ボルト48で結合する(図16,17)。外周フランジ35と側壁20の下周縁フランジ23に設けたボルト孔は前記の長ボルト48の径に対してバカ孔となっている。
このため、下方からの圧力が急激に高まったとき、中子蓋21は長ボルト48をガイドとして上方へ移動し、外周フランジ35と側壁20の下周縁フランジ23との間に圧抜き用の空隙が形成される。
次いで完成した中蓋5の上周縁フランジ22を受け枠4の下段フランジ17に載置し、中蓋5を嵌合する。このとき、前記の中子蓋21の場合と同様に、上周縁フランジ22と下段フランジ17にこれらのバカ孔に長ボルト49を上下方向に通して、中蓋5と受け枠4を結合する。
このため、下方からの圧力が急激に高まったとき、中蓋5は長ボルト49をガイドとして全体的に上方へ移動し、上周縁フランジ22と下段フランジ17との間に圧抜き用の空隙が形成される。中蓋5が上方へ移動する際の限度は上周縁フランジ22の下面側に垂下して設けられた係合脚27の爪28が受け枠4の下段フランジ17の下面に係合することで定められる。
次いで、親蓋43に子蓋44を嵌め込んだ外蓋6を受け枠4の上段フランジ16に載置して嵌合する。
なお、外蓋6の子蓋44と中蓋5の中子蓋21の偏心位置は、それぞれの外周に設けた3か所の凹所と受け枠4側の凸所との位置を合わせることで、上下方向で一致させる。
図18は、中蓋5の中子蓋21に関する他の例を示したものであり、ダンパー構造34において、外周フランジ35から下方へ存在する筒状側壁36が先の例よりも深くなっており、中蓋5に保持できる土砂など流入物の量を大きくしている。このダンパー構造34もまた、地下空間における急激な圧力上昇の際に、長ボルト48をガイドとして上方へ移動して、側壁20の下周縁フランジ23との間に圧抜き用の大きな空隙を作る。他の構造は先に説明した中蓋5と同じである。
以上の構成であり、外蓋6は親子蓋43、44共にグレーチングタイプであることにより雨天時の集水性、排水性に優れる。また、外蓋6がグレーチングタイプであるにかかわらず、中蓋5を備え地下空間と地上空間を遮断して、地下空間から臭気が漏れ出すのが防止される。また、外蓋、中蓋のいずれも親子蓋構造なので、軽作業時の際は子蓋44、中子蓋21を開閉すればよく、重量のある外蓋6や中蓋5の全部を開閉する必要ない。すなわち、蓋開閉の労力が軽減される。
一方、豪雨などで地下空間の圧力が上昇すると、中蓋5の排圧弁29が開き、側壁20の窓孔25を通じて圧力が中蓋5と外蓋6との間の蓋下空間50(図16)に抜け、外蓋6が多数の蓋開孔46を有するグレーチングタイプであることにより、この蓋下空間50から外部へ放出される。一方、この蓋下空間50に抜けた圧力は受け枠4の内壁13の連通孔18を通じて環状空間部11に入り、上壁14の枠開孔15を通じても外部へ放出される。
地下空間の圧力上昇が急激でかつ強い場合は、前記の排圧弁29が開くと同時に中蓋5における前記の長ボルト48を案内としてダンパー構造34の全体が浮き上がり、下周縁フランジ23と外周フランジ35との間の空隙から圧力が蓋下空間50に抜ける。また、さらに急激で強い圧力上昇時には、前記に加え、中蓋5の全体が長ボルト49をガイドして浮き上がり、上周縁フランジ22と受け枠4側の下段フランジ17との間の空隙から圧力が蓋下空間50に抜ける。
このように、外蓋6がグレーチングタイプであるにも関わらず中蓋5を備えた二重蓋構造とすることで地下空間からの臭気の漏れ出しを防止する一方で、地下空間の圧力上昇時には、3段階で対応することができる。特に、急激な圧力上昇時に中蓋5もろとも外蓋6が飛散してしまうなどの事態を防止することができる。
一方、外蓋6がグレーチングタイプであって、集水機能に優れることから土砂やごみも流入することを避けられないが、中蓋5の中子蓋21をダンパー構造34としていることにより、常時は中子蓋21として地下空間との遮断機能を発揮し、中子蓋21に所定量の土砂やごみが堆積すると一気に地下空間に放出するという機能により、前記の蓋下空間50に土砂やごみが充満して前記の排圧機能が失われてしまうのを防止することができる。
なお、中蓋5に前記ダンプ板38の作動に支障がない位置に網を張り、落ち葉などごみは地下空間に放出しない構造とすることもできる。
以上、実施例について説明した。この実施例は、外蓋をグレーチングタイプにして集水機能をもたせるとともに、中蓋によって地下空間の地上開口部としての密閉性を維持し、かつ、中蓋5に3段階の排圧構造を持たせ、地下空間の圧力上昇に対処できるものである。また、中蓋5上に堆積する土砂などの処理機能とを持たせ、中蓋5による排圧機能が損なわれないようにしたことを特徴とする。
なお、中蓋5に設ける3段階の排圧構造と受け枠4に環状空間部11を設ける構成は、外蓋6が密閉タイプの場合に応用して、いわゆる鉄蓋が地下空間の圧力で飛散するのを防止することができる。
さらに、中蓋5を設けることによって、地下空間の温度が外蓋6に伝達されるのが遮断されるので、積雪の多い寒冷地において、外蓋6上の雪が溶かされてできる大きな穴の出現を防止できる。
1 マンホール
2 開口部構造
3 立ち上げ管
4 受け枠
5 中蓋
6 外蓋
7 地上開口部
8 フランジ面
9 取付けボルト
10 取付けフランジ部
11 環状空間部
12 外壁
13 内壁
14 上壁
15 枠開孔
16 上段フランジ
17 下段フランジ
18 連通孔
19 貫通孔
20 側壁
21 中子蓋
22 上周縁フランジ
23 下周縁フランジ
24 斜壁
25 窓孔
26 取っ手
27 係合脚
28 爪
29 排圧弁
30 突起
31 戻しばね
32 環状の永久磁石
33 鉄ワッシャー
34 ダンパー構造
35 外周フランジ
36 筒状側壁
37 傾斜底板
38 ダンプ板
39 段部
40 ダンプ軸
41 重錘
42 中子蓋用取手
43 親蓋
44 子蓋
45 フランジ
46 蓋開孔
47 滑り止め突起
48 長ボルト
49 長ボルト
50 蓋下空間

Claims (2)

  1. 地下空間構造物の地上開口部構造であって、
    外蓋と中蓋を備えた二重蓋構造であり、
    外蓋は、グレーチングタイプであると共に親子蓋とされており、
    中蓋は親子蓋とされ、中子蓋を底面とした逆円錐台形の側壁を備え、中子蓋にダンプ板が設けられていると共に前記の側壁に排圧弁を備えており、
    ダンプ板は、中蓋に堆積する土砂の重量で開いて土砂を地下空間に放出した後に閉じ、常時は閉じている構造であり、
    排圧弁は、地下空間からの圧力で開き、常時は閉じているものである
    ことを特徴とした地下空間構造物の地上開口部構造。
  2. 中蓋に対して中子蓋は上方へ移動可能に取付けられており、地下空間からの圧力上昇時に上方へ移動して排圧用の空隙を形成する構造であることを特徴とした請求項1に記載の地下空間構造物の地上開口部構造。
JP2014156533A 2014-07-31 2014-07-31 地下空間構造物の開口部蓋構造 Active JP6083759B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014156533A JP6083759B2 (ja) 2014-07-31 2014-07-31 地下空間構造物の開口部蓋構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014156533A JP6083759B2 (ja) 2014-07-31 2014-07-31 地下空間構造物の開口部蓋構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016033306A JP2016033306A (ja) 2016-03-10
JP6083759B2 true JP6083759B2 (ja) 2017-02-22

Family

ID=55452314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014156533A Active JP6083759B2 (ja) 2014-07-31 2014-07-31 地下空間構造物の開口部蓋構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6083759B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6629711B2 (ja) * 2016-12-13 2020-01-15 日本電信電話株式会社 マンホールの受枠
JP7136674B2 (ja) * 2018-12-05 2022-09-13 アロン化成株式会社 管継手セット
JP7079190B2 (ja) * 2018-12-05 2022-06-01 アロン化成株式会社 防臭弁機構およびそれを備えた蓋
JP7429034B2 (ja) 2020-02-14 2024-02-07 ワイズイン株式会社 開閉装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6036442U (ja) * 1983-08-19 1985-03-13 東京都 マンホ−ル蓋飛散防止装置
JP3026446B2 (ja) * 1990-05-30 2000-03-27 株式会社東芝 免震装置
JPH0756358Y2 (ja) * 1991-03-29 1995-12-25 株式会社荒木製作所 地下施設の蓋装置
JP3954535B2 (ja) * 2003-06-25 2007-08-08 長島鋳物株式会社 地下構造物用親子式断熱中蓋
JP2006028995A (ja) * 2004-07-21 2006-02-02 Sayoko Minami グレーチング開閉装置
KR100570468B1 (ko) * 2005-05-26 2006-04-12 최윤호 악취 및 해충유입방지용 맨홀 뚜껑
JP4234706B2 (ja) * 2005-10-06 2009-03-04 聡樹 神田 飛跳防止型マンホール二重蓋装置
JP4815393B2 (ja) * 2007-05-15 2011-11-16 有限会社エマージェンシー マンホールの蓋装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016033306A (ja) 2016-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6083759B2 (ja) 地下空間構造物の開口部蓋構造
KR101111091B1 (ko) 하수구 악취방지장치
KR200485881Y1 (ko) 하수구용 악취방지장치
JP2011111856A (ja) マンホール蓋
JP4815393B2 (ja) マンホールの蓋装置
JP6213930B2 (ja) 排気弁装置および排気弁装置を備えた地下構造物用蓋
US20070215216A1 (en) Check valve mechanism for rodents and/or odors
KR101228181B1 (ko) 인상링을 구비한 우수유입 방지용 pps 맨홀
JP6162615B2 (ja) 通気口装置および通気弁構造
KR100994795B1 (ko) 하수도 맨홀용 역지변
KR20120007934U (ko) 우수받이
JPH09137461A (ja) マンホール用蓋
KR20140128813A (ko) 맨홀용 악취 및 역류 방지 장치
JP5706659B2 (ja) 排水管路における掃除口用蓋
AU2012202851A1 (en) Sewer vent
KR20170082238A (ko) 도로 배수구 악취 차단 장치
JP5704956B2 (ja) 排水管路用圧力開放蓋
KR20120026031A (ko) 위생 하수관 시스템용 고용량 통기 밸브
KR100927147B1 (ko) 재난대비 다기능 하수도용 이중맨홀뚜껑
KR100895422B1 (ko) 하수구의 이물진입방지 및 악취 배출방지용 맨홀덮개
KR20170022309A (ko) 부력에 의해 개폐되는 배수트랩
KR20120000758U (ko) 맨홀의 악취방지장치
JP5279688B2 (ja) マンホール蓋
KR101707671B1 (ko) 하수관과 연결되는 맨홀의 역류방지구조
KR20180003535U (ko) 맨홀의 수직통로 상에 설치되는 악취차단용 내부덮개

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6083759

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150