JP2011080298A - トンネル掘削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】掘削断面を上下複数段に分割してトンネルを掘削するトンネル掘削装置であって、低土被りでも掘削可能なトンネル掘削装置を提供する。
【解決手段】トンネル掘削装置10は、掘削断面を上下3段に分割して各段に掘削機30,40,50を配設して掘削、推進を行う。上段に配設された上段掘削機30は上段掘削機推進ジャッキ31を伸張して装置本体70に対して推進する。装置本体70は本体推進ジャッキ74を伸張して既設の函体Sを反力として推進する。上段掘削機30の上面には、装置本体70の上面を覆うフリクションカットプレート37が固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、セグメントに分割された函体を組立てる際に使用する鉄道の軌道や道路等(以下、「軌道等」という)を横断してトンネルを掘削するトンネル掘削装置に関する。
特に大掘削断面のトンネルを掘削する場合、切羽を安定化させるため、掘削断面を上下複数段に分割して掘削することが好ましい。
例えば特許文献1には、上下2段左右3列に掘削断面を分割した区画毎に、カッター刃を前端に備えた主シールドを配設したシールド機が開示されている。各主シールドは、それぞれ独立して胴体から出没自在に構成されている。
このシールド機を用いて掘削を行うとき、まず、上段の主シールドを順次して推進させて掘削断面の上段を掘削し、次に、下段の主シールドを順次推進させて掘削断面の下段掘削し、その後、胴体を推進させ、各主シールドを胴体内に格納する。
特開2006−16961号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたシールド機においては、胴体を推進させるときに、胴体と周囲地盤との間に発生する摩擦抵抗によって、周囲地盤が剪断破壊して引き込みが起り、地盤が沈下、変形するおそれがある。そのため、特に低土被りでトンネルを掘削できないという問題がある。
本発明は、以上の点に鑑み、掘削断面を上下複数段に分割してトンネルを掘削するトンネル掘削装置であって、低土被りでも掘削可能なトンネル掘削装置を提供することを目的とする。
本発明は、掘削断面を上下複数段に分割して各段に掘削機を配設して掘削、推進を行うトンネル掘削装置であって、最上段に配設された上段掘削機は上段掘削機推進ジャッキを伸張して装置本体に対して推進し、該装置本体は本体推進ジャッキを伸張して既設の地下構造物を反力として推進し、前記上段掘削機の上面には、前記装置本体の上面を覆う上面縁切板が固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、上段掘削機を装置本体に対して推進させて掘削断面の上段を掘削した後、掘削断面の他段を掘削しながら、又は掘削断面の他段を掘削した後に、装置本体を推進させるとき、上面縁切板の存在により、装置本体上面と周囲地盤との間の摩擦抵抗が低減する。よって、装置本体の推進により、周囲地盤が周辺摩擦力で剪断破壊して引き込みが起こって、地盤が沈下、変形することを防止でき、低土被りでも上部地盤に影響なく、軌道等の直下を安全に掘削、推進を行うことが可能となる。
また、本発明において、前記上段掘削機は掘削断面の上段を水平方向に分割した区画毎に複数設けられ、該各上段掘削機はそれぞれ上段掘削機推進ジャッキを伸張して前記装置本体に対して独立して推進可能に構成されており、前記各上段掘削機の上面にそれぞれ前記縁切板が固定されていることが好ましい。
この場合、各上段掘削機を順次掘削、推進させることにより、上段掘削時の上部地盤の変形が防止され、切羽が安定化する。
また、本発明において、掘削断面の側部を掘削する側部掘削機を備え、該側部掘削機は側部掘削機推進ジャッキを伸張して前記装置本体に対して推進し、前記側部掘削機の側面の山留め板には、前記装置本体の側面を覆う側面縁切板が固定されていることが好ましい。
この場合、装置本体を推進させるとき、側面縁切板の存在により、装置本体側面と周囲地盤との間の摩擦抵抗が低減する。よって、装置本体の推進により、周囲地盤が周辺摩擦力で剪断破壊して引き込みが起こって、地盤が沈下、変形することをより防止でき、低土被りでも上部地盤に影響なく、軌道等の直下をより安全に掘削、推進を行うことが可能となる。
本発明の一実施形態に係るトンネル構築システムを示す模式縦断側面図。 図1におけるII−II線方向矢視模式部分後面図。 図1におけるIII−III線方向矢視模式部分後面図。 トンネル構築システムの後方を示す模式縦断側面図。 上段掘削・推進工程が完了した状態におけるトンネル構築システムを示す模式縦断側面図。 側部掘削・推進工程が完了した状態におけるトンネル構築システムを示す模式縦断側面図。 中段掘削・推進工程が完了した状態におけるトンネル構築システムを示す模式縦断側面図。 掘削工程が完了した状態におけるトンネル構築システムを示す模式縦断側面図。
本発明の一実施形態に係るトンネル構築システム100について説明する。トンネル構築システム100は、軌道等の直下を低土被りで掘削してトンネルを構築する際に使用することに特に適している。
図1乃至図3に示すように、トンネル構築システム100は、矩形断面の掘削を行うトンネル掘削装置10、及びトンネル覆工体である函体Sを組立てる函体組立装置20を備えている。なお、以下の説明では、トンネル掘削方向を前方向(図1中左方向、図2及び図3中紙面奥向き方向)、トンネル掘削方向と直交するトンネル断面の水平方向を横方向(図1中紙面に直交する方向、図2及び図3中左右方向)とする。
トンネル掘削装置10は、複数段、ここでは、上・中・下段の3段に分割してトンネル断面を掘削するように構成されている。上段の断面を掘削する上段掘削機30は、独立して掘削可能な複数、ここでは16に分割された矩形領域を、それぞれ掘削可能に構成されている。そして、中、下段の断面をそれぞれ掘削する中段掘削機40、下段掘削機50は、それぞれ、独立して掘削可能な複数、ここでは3に左右方向に分割された矩形領域を、それぞれ機械化メッセル方式により掘削可能に構成されている。
トンネル掘削装置10は、左右両側部の断面を掘削する側部掘削機60も備えている。側部掘削機50は、左右それぞれ複数、ここでは前後方向に段差を有し縦方向に3個並設され、これら並設された3個が左右それぞれ3組あり、各組が各々独立して掘削する。
このように、トンネル掘削装置10は、16台の上段掘削機30、3台の中段掘削機40、3台の下段掘削機50及び18台の側部掘削機60を備えている。
トンネル構築システム100は、下段掘削機50を配設固定する前胴体(フード部)71、函体組立装置20を配設固定する矩形状の後胴体(テール部)72、及び前胴体71と後胴体72とを接続する内殻(ガーダー部)73からなる装置本体70を備えている。装置本体70は、鋼材から形成されており、前胴体71、後胴体72及び内殻73は一体化して構成されている。
内殻73には、上段、中段、側部掘削機30,40,60を推進するための上段、中段、側部掘削機ジャッキ31,41,61の基部が固定されている。後胴体72の四隅には、トンネル掘削装置10全体を推進するための本体推進ジャッキ74の基部がそれぞれ固定されている。本体推進ジャッキ74のピストン先端部は、既設の連接された函体(地下構造物)Sの四隅に当接しており、トンネル掘削装置10の推進時の反力が函体S全周に均等に作用するように構成されている。
各上段掘削機30は、複数本、ここでは4本の上段掘削機推進ジャッキ31により、各々独立に装置本体70の内殻73に反力をとって、装置本体70に対して推進することが可能となっている。3台の中段掘削機40は、複数本、ここでは、6本の中段掘削機推進ジャッキ41により、装置本体70の内殻73に反力をとって、装置本体70に対して推進することが可能となっており、中段の断面を一括して掘削する。3台の下段掘削機50は、装置本体70の前胴体71と一体化されており、装置本体70の推進と伴って推進し、下段の断面を一括して掘削する。3台からなる各組の側部掘削機60は、それぞれ複数本、ここでは、2本の側部掘削機推進ジャッキ61により。装置本体70の内殻73に反力をとって、装置本体70に対して推進することが可能となっており、左右側部の断面をそれぞれ各組毎に一括して掘削する。
なお、各ジャッキ31,41,51,61,74のストロークSTは、ここでは2個の函体Sの厚み、例えば1m程度であり、同じである。各ジャッキ31,41,51,61,74は、図示しない油圧回路に接続されており、各ジャッキ31,41,51,61,74が所定の協働動作をするように構成されている。
各上段掘削機30は、地盤を掘削するカッター刃32を先端に有するスクリューオーガ33を備えており、スクリューオーガ33の回転によりカッター刃32が掘削した掘削土砂を排土する。さらに、上段掘削機30は、スクリューオーガ33を駆動する図示しない駆動源を有する掘削機本体34と、掘削機本体34が配設固定される矩形筒状の胴体35と、胴体35に対して上段掘削機推進ジャッキ31を介して摺動可能に設けられ、既設の函体Sの上面上にテール部(後端部)が位置する摺動部材36と、胴体35の上面に固定され摺動部材36の上面をテール部まで覆う平鋼板製のフリクションプレート(上面縁切板)37とを備えている。フリクションプレート37の幅は、胴体35の上面の幅と同じ、もしくは少し小さい。
また、上段掘削機30には、切羽土圧を管理するために図示しない土圧計を配設されており、土圧バランスを保ちながら、掘削と排土との両立を行う。上段掘削機推進ジャッキ31を伸張させて前方向に推進させながら、スクリューオーガ33を回転させることによって、上段掘削機30による掘削と排土を行う。上段掘削機30は、ストロークST分だけ推進する。掘削土砂は、胴体35内に配置された図示しないベルトコンベア等の排出機構により、後方に排出する。
側部掘削機60は、詳細は図示しないが、地盤を掘削するカッター刃62を先端に備えており、カッター刃62の回転により掘削した掘削土砂を、胴体63内に配置された図示しない排土機構によって排土する。3個の上下に並設された側部掘削機60は、組をなし、各組の側部掘削機60の胴体63は一体化されている。そして、この側部掘削機60の各組毎に、それぞれ、一体化された胴体63の外側面に固定され、胴体63内への切削土砂の流入を防止する土留板64と、土留板64に固定され装置本体70の外側面をテール部(後端部)まで覆う平鋼板製のフリクションプレート(側面縁切板)65とを備えている。なお、図1などの図面では、簡略化のため、上段の組の側部掘削機60に側部掘削機推進ジャッキ61を、中段の組の側部掘削機60に土留板64を、下段の組の側部掘削機60にフリクションプレート65を付して描いている。
側部掘削機推進ジャッキ61を伸張させて前方向に推進させながら、カッター刃62を回転させることによって、側部掘削機60による掘削と排土を行う。側部掘削機60は、ストロークST分だけ推進する。土留板64は、側部掘削機60の推進に伴って移動する。掘削土砂は、胴体63内に配置された図示しないスクリューコンベア等の排出機構により、後方に排土する。
さらに、側部掘削機60は各組毎に独立して掘削、推進を行うことが可能であるので、側部掘削機60を各組毎に順次掘削、推進させることにより、側部掘削時の切羽を安定化している。
各中段推進機40は、トンネル断面を横方向に3分割した掘削作業区間を独立して掘削する開放型の推進掘削機であり、機械化メッセル工法を採用している。各掘削作業区間は、鋼製の一体化された中段フレーム42によって区画されており、中段フレーム42の先端にはメッセル鋼矢板と呼ばれる特殊鋼矢板43が固定されている。
中段の各掘削作業区間には、図示しないが1台ずつ掘削車両が配備されている。掘削車両は、例えば、無限軌道や車輪を有する電動式バックホウであり、中段フレーム42を構成する床板44の上面を自由に走行可能となっている。中段フレーム42には、中段掘削機推進ジャッキ41のピストン先端部が固定されている。
中段掘削機推進ジャッキ41を伸張させることにより、特殊鋼矢板43を前方に押し込み、特殊鋼矢板43と上段掘削機30とで区画される断面矩形状の地盤を、作業者が掘削車両を運転して掘削を行う。中段掘削機40はストロークST分推進する。掘削土砂は、床板44の上面に配置された図示しないベルトコンベア等の排出機構により、後方に排出する。
下段掘削機50は、中段掘削機40と同様に、断面を横方向に3分割した掘削作業区間を独立して掘削する開放型の推進掘削機であり、機械化メッセル工法を採用している。各掘削作業区間は、鋼製の一体化された下段フレーム52によって区画されており、中段フレーム52の先端にはメッセル鋼矢板と呼ばれる特殊鋼矢板53が固定されている。
下段の各掘削作業区間には、図示しないが1台ずつ掘削車両が配備されている。掘削車両は、例えば、無限軌道や車輪を有する電動式バックホウであり、下段フレーム52を構成する床板54の上面を自由に走行可能となっている。下段フレーム52は、装置本体70の前胴体71に固定されている。
本体推進ジャッキ74を伸張させ、既設の函体Sに反力をとって装置本体70を前方に推進させることにより、特殊鋼矢板53を前方に押し込み、特殊鋼矢板53と中段フレーム42の床版44とで区画される断面矩形状の地盤を、作業者が掘削車両を運転して掘削を行う。下段掘削機50及び装置本体70はストロークST分推進する。掘削土砂は、床板54の上面に配置された図示しないベルトコンベア等の排出機構により、後方に排出する。
上記のように、トンネル掘削装置10は、トンネル断面を分割して掘削するように構成されており、切羽面を上段、側部、中段、下段の順に分割掘削することによって切羽面の開放を段階的に行うので、切羽が安定化する。
さらに、他の掘削機40,50,60に先駆けて上段掘削機30による掘削、推進を行うことにより、上段掘削機30自体をいわば上段ルーフとした先受け効果によって、その後の中、下段掘削時の切羽面の緩みが抑制されるので、切羽が安定化する。
さらに、各上段掘削機30は独立して掘削、推進を行うことが可能であり、各上段掘削機30を順次掘削、推進させることにより、上段掘削時の上部地盤の変形が防止されるので、切羽が安定化する。
さらに、胴体35の上面に固定され装置本体70と共に移動する摺動部材36の上面がテール部までフリクションプレート37で覆われている共に、装置本体70の外側面がテール部までフリクションプレート65で覆われている。そして、装置本体70が前方に推進するとき、フリクションプレート37,65は周囲地盤に対して移動しない。そのため、装置本体70の上面及び側面の全面に亘って周囲地盤と接する場合に比べて、周囲地盤と装置本体70との間の摩擦抵抗が低減される。よって、掘削断面が大断面であっても、装置本体70の推進により、周囲地盤が周辺摩擦力で剪断破壊して引き込みが起こって、地盤が沈下、変形することを防止できる。
これらによって、0.3m乃至1.0m程度の低土被りでも上部地盤に影響なく、軌道等の直下を安全に掘削、推進を行うことが可能となる。
函体組立装置20は、矩形状の後胴体72の内方に配設固定されている。函体組立装置20は、ここでは、トンネル断面を横方向に2分割した作業区間毎に1台ずつ、計2台設けられている。函体組立装置20により掘削したトンネルの内面に函体Sが連接して組立てられ、函体Sによる内壁が構築される。
函体Sは、ここでは、工場等で予め成形されたコンクリートからなるプレキャストボックスカルバートであり、底版S1、頂版S2、2つの側壁S3の4つの部材(セグメント)から構成されている。ここでは、底版S1は、函体Sの底辺を構成する部分とその左右両端部の上方に延在する部分とからなっている。そして、頂版S2は、函体Sの上辺を構成する部分とその左右両端部の下方に延在する部分からなっており、底版S1と同形状である。側壁S2は、底版S1と頂版S2との間に位置し、函体Sの側辺の大部分を構成する直方体形状となっている。
各函体組立装置20は、頂版S2を持上げて保持可能な2台のリフター80と、側壁S3を把持して90度回転可能な1台のエレクター90とから構成されている。
各リフター80は、装置本体70の後胴体72に設置された縦梁81と、縦梁81に対して摺動可能に設置され装置本体70から後方に突出するフォーク82と、フォーク82を縦梁81に対して昇降させるシリンダやチェーン等からなる図示しない昇降機構とを備えている。なお、昇降機構は、図示しない駆動源により駆動する。
左右一対のリフター80は、フォーク82が共動して昇降するように構成されており、下方で左右のフォーク82上に載置された頂版S2を所定の高さ、具体的には、頂版S2が設置されるべき高さを超えて頂版S2を持上げ、その位置で頂版S2を保持可能なように構成されている。
エレクター90は、後胴体72の底板の上面に左右方向に延びるように設置されたレールに対して複数の車輪を介して摺動可能に配置された台車部91と、台車部91に固定された本体部92と、側壁S3を把持、解放、持上げ可能な把持部93と、把持部93を先端に有し本体部92に対して左右各90度回転可能な回転部94とを備えている。また、把持部93は、回転部94に対して、前後方向に、函体Sの厚み分だけ摺動可能なように構成されている。なお、把持部93や回転部94は、図示しない駆動源により駆動される。
エレクター90は、掘削されたトンネル底面に載置された側壁S3を把持部で把持して持上げた後、右又は左方向に90度回転部94を回転させた状態で、台車部91をスライド移動させることができるように構成されている。エレクター90の把持部93は、前後方向に函体Sの厚み分だけ摺動可能に構成されているので、2つの函体Sを組立てることができる。
なお、リフター80は、縦梁81を後胴体72に対して前後方向に函体Sの厚み分だけ摺動可能に構成されてもよい。これにより、フォーク82の長さを短縮でき、作業空間が増加すると共に、フォーク82に対する頂版S2の載置面が縦梁81に近づくので、昇降機構及び駆動源を小型化することが可能となる。
さらに、図4に示すように、トンネル構築システム100の後方には、各作業空間に、函体Sを構成する部材S1,S2,S3を坑口から搬入する部材搬入機構110が設けられている。部材搬入機構110は、ここでは、図示しない部材運搬台車、例えば、軌条を走行するサーボコロ、及び部材吊下搬入装置とから構成されている。部材吊下搬入装置は、例えば、ダブルレールホイストクレーン111と移動式ガーター112とから構成されている。
部材運搬台車を用いて移動式ガーター112の後方まで搬入し、そこで、ダブルレールホイストクレーン112を用いて部材S1,S2,S3を吊り下げて、後胴体72の後方まで搬入する。移動式ガーター112を備えるので、トンネル構築システム100が推進しても、後胴体72後方の適切な位置まで部材S1,S2,S3を搬入することができる。
なお、底版S1や頂版S2の長さが作業区間の左右方向の幅に対して余裕がないとき、底版S1や頂版S2の長手方向を前後方向として、部材運搬台車やホイストクレーン112で後胴体72の後方近くまで搬入し、長手方向が左右方向となるように旋回させながら移動させて底版S1や頂版S2を掘削されたトンネル底面の設置位置に仮置きする。
さらに、トンネル構築システム100の後方には、各作業空間に、図示しない坑内排土機構が設けられている。坑内排土機構は、トンネル構築システム100から掘削土砂を受け取り、その掘削土砂をトンネル外部に排出する。坑内排土機構は、例えば、移動式、固定式等の排出コンベアを単数、又は複数組み合わせて構成されている。また、フレックスコンベアや土砂ホッパーを設け、土砂ホッパーを介してダンプ運搬により掘削土砂を排出してもよい。
また、図示しない裏込注入機構が設けられている。裏込注入機構は、函体Sの各部材S1,S2,S3とトンネル掘削面との間に裏込注入材を注入する。これにより、トンネル構築システム100の推進方向に順次函体Sが連接されて矩形断面のトンネル内壁を構築することができる。
以下、トンネル構築システム100を用いた本発明の一実施形態に係るトンネル構築方法について説明する。トンネル構築方法は、主として、トンネル掘削装置10を用いた掘削工程と、函体組立装置20を用いた函体組立工程とから構成されており、これらの工程を交互に行う。
掘削工程は、上段掘削・推進工程、側部掘削・推進工程、中段掘削・推進工程、及び下段掘削・推進工程から構成されており、この順序で工程が進行する。
上段掘削・推進工程においては、図1に示す状態から、上段掘削機30により掘削断面上段の掘削を行う。上段掘削機推進ジャッキ31を伸張させながら、スクリューオーガ33を回転させることによって、掘削と排土を行い、ストロークST分だけ上段掘削機30を推進させる。各上段掘削機30を、順次掘削、推進させ、左右方向に分割した区画毎に掘削を行い、図5に示す状態となる。
側部掘削・推進工程においては、側部掘削機60により掘削断面側部の掘削を行う。側部掘削機推進ジャッキ61を伸張させながら、カッター刃62を回転させることによって、掘削と排土を行う。ストロークST分だけ側部掘削機60を推進する。各組の側部掘削機40を、順次掘削、推進させ、図6に示す状態となる。
中段掘削・推進工程においては、中段掘削機40により掘削断面中段の掘削を行う。中段掘削機推進ジャッキ41を伸張させて、特殊鋼矢板43を前方に押し込む。そして、特殊鋼矢板43と上段掘削機30とで区画される断面矩形状の地盤を、作業者が掘削車両を運転して掘削を行う。ストロークST分だけ中段掘削機40を推進させる。全ての中段掘削機40を同時に推進させ、掘削車両による掘削は区画毎に行い、図7に示す状態となる。
下段掘削・推進工程においては、下段掘削機50により掘削断面下段の掘削を行う。本体推進ジャッキ74を伸張させて、特殊鋼矢板53を前方に押し込む。そして、特殊鋼矢板53と上段掘削機40とで区画される断面矩形状の地盤を、作業者が掘削車両を運転して掘削を行う。ストロークST分だけ下段掘削機50及び下段掘削機50が固定された装置本体70を推進させる。全ての下段掘削機50を同時に推進させ、掘削車両による掘削は区画毎に行い、図8に示す状態となる。
掘削工程が完了することにより、トンネル構築システム100全体がストロークST分だけ推進した状態となる。これにより、既設の連接された函体Sの前方に2組の函体Sを接続可能な空間が存在することになる。
このように、掘削工程においては、切羽面を上段、側部、中段、下段の順に分割掘削するので、切羽面の開放を段階的に行うことにより、切羽が安定化する。
さらに、掘削断面の側部、中段及び下段を掘削する前に上段を掘削するので、上段掘削機30自体をいわば上段ルーフとした先受け効果によって、その後の中、下段掘削時の切羽面の緩みが抑制され、切羽が安定化する。
さらに、各上段掘削機30を順次掘削、推進させるので、上段掘削時の上部地盤の変形が防止され、切羽が安定化する。
さらに、胴体35の上面に固定され装置本体70と共に移動する摺動部材36の上面がテール部までフリクションプレート37で覆われる共に、装置本体70の外側面がテール部まで覆うフリクションプレート65で覆われている。そして、装置本体70が前方に推進するとき、フリクションプレート37,65は周囲地盤に対して移動しない。そのため、装置本体70の上面及び側面全面に亘って周囲地盤と接する場合に比べて、周囲地盤と装置本体70との間の摩擦抵抗が低減される。よって、掘削断面が大断面であっても、装置本体70の推進により、周囲地盤が周辺摩擦力で剪断破壊して引き込みが起こって、地盤が沈下、変形することを防止できる。
これらによって、0.3m乃至1.0m程度の低土被りでも上部地盤に影響なく、軌道直下を安全に掘削、推進を行うことが可能となる。
函体組立工程は、底部敷モルタル設置工程、底版据付工程、頂版持上げ工程、側壁据付工程、頂版据付工程、及び裏込注入工程から構成されており、各作業空間に各工程を適宜進行することができる。
底部敷モルタル設置工程においては、掘削工程において掘削されたトンネル底面に、敷きモルタルを設置し、不陸調整を行う。
底版据付工程においては、敷きモルタルが設置されたトンネル底面に底版S1を据付ける。図4を参照して、坑外から部材搬入機構110を用いて底版S1を搬入し、ダブルレールホイストクレーン111を用いて、既設の連接された函体Sの前面と接触するように底版S1を据付ける。
頂版持上げ工程においては、図3を参照して、頂版S2を持上げ保持する。坑外から部材搬入機構110を用いて頂版S2を搬入し、頂版S2を設置位置下方に仮置きする。そして、リフター80のフォーク82の上に頂版S2を載置させ、設置位置を超える高さに頂版S2が位置するまでフォーク82を上昇させてその位置で保持する。
側壁据付工程においては、側壁S3を底版S1と頂版S2との間に据付ける。坑外から部材搬入機構110を用いて側壁S3を搬入し、ダブルレールホイストクレーン111を用いて、側壁S3を底版S1の上に仮置きする。次に、エレクター90の把持部93で側壁S3を把持して持上げた後、回転部94を90度回転させる。そして、台車部91をスライド移動させて、側壁S3を底版S1と頂版S2との間に挿入する。側壁S3の微位置調整を行ってから、把持部93による側壁S3の把持を解放する。側壁S3は左右2本あるので、側壁S3を据付ける位置の違いにより、回転部94の回転方向と台車部91の移動方向とが異なる。
裏込注入工程においては、裏込注入機構により、函体Sの各部材S1,S2,S3とトンネル掘削面との間に裏込注入材を注入する。
これにより、既設の連接された函体の前方向に1個の函体Sが接続されることになる。そして、さらに1個の函体Sを接続させるため、頂版持上げ工程から裏込注入工程までの工程を繰り返し行う。
なお、フリクションプレート37,65は少なくとも掘削機本体70の後胴体72まで延伸していることが好ましい。ただし、掘削機本体70の内殻まで延伸しているものであってもよい。これにより、上部地盤への影響が少ない。
10…トンネル掘削装置、20…函体組立装置、30…上段掘削機、31…上段掘削機ジャッキ、37…フリクションプレート(上面縁切板)、40…中段掘削機、41…中段掘削機ジャッキ、50…下段掘削機、60…側部掘削機、61…側部掘削機ジャッキ、64…土留板、65…フリクションプレート(側面縁切板)、70…装置本体、71…前胴体、72…後胴体、73…内殻、74…本体推進ジャッキ、100…トンネル構築システム、S…函体(地下構造物)、S1…底版、S2…頂版、S3…側壁、80…リフター、90…エレクター、91…台車部、92…本体部、93…把持部、94…回転部。

Claims (3)

  1. 掘削断面を上下複数段に分割して各段に掘削機を配設して掘削、推進を行うトンネル掘削装置であって、
    最上段に配設された上段掘削機は上段掘削機推進ジャッキを伸張して装置本体に対して推進し、該装置本体は本体推進ジャッキを伸張して既設の地下構造物を反力として推進し、前記上段掘削機の上面には、前記装置本体の上面を覆う上面縁切板が固定されていることを特徴とするトンネル掘削装置。
  2. 前記上段掘削機は掘削断面の上段を水平方向に分割した区画毎に複数設けられ、該各上段掘削機はそれぞれ上段掘削機推進ジャッキを伸張して前記装置本体に対して独立して推進可能に構成されており、前記各上段掘削機の上面にそれぞれ前記上面縁切板が固定されていることを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削装置。
  3. 掘削断面の側部を掘削する側部掘削機を備え、該側部掘削機は側部掘削機推進ジャッキを伸張して前記装置本体に対して推進し、前記側部掘削機の側面の山留め板には、前記装置本体の側面を覆う側面縁切板が固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル掘削装置。
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