JP2017031583A - インバート施工方法、トンネル施工方法およびトンネル用テルハクレーン - Google Patents

インバート施工方法、トンネル施工方法およびトンネル用テルハクレーン Download PDF

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Abstract

【課題】簡易かつ安価にトンネルを施工することを可能としたインバート施工方法、トンネル施工方法およびトンネル用テルハクレーンを提案する。
【解決手段】シート施工区間においてインバート部に防水シートを設置するシート設置作業と、シート施工区間よりも坑口側の配筋区間A4においてインバート部の鉄筋16を配筋する配筋作業と、配筋区間A4よりも坑口側の打設区間A5においてインバートコンクリート14を打設する打設作業とを並行して行うインバート施工方法であって、配筋作業では配筋区間A4以外の場所で組み立てられた格子状鉄筋16を、トンネル上部に設置されたテルハクレーン2により配筋区間A4に搬送する。
【選択図】図6

Description

本発明は、インバート施工方法、トンネル施工方法およびトンネル用テルハクレーンに関する。
地下水位が高いために多量の湧水が予想される場合や、トンネルの施工に伴う地下水位の低下によって周辺環境に影響がおよぶおそれがある場合には、トンネル内への地下水の浸入を防止する、いわゆるウォータータイトトンネルが採用されている。
ウォータータイトトンネルでは、湧水をトンネル坑内へ引き込むことを防止するために防水シートを設置し、地下水圧に対して十分な耐力を備えるために鉄筋を配筋する場合がある。そのため、インバート部の施工に対しても、掘削、防水シートの設置、配筋、コンクリート打設等の複数の作業が含まれている。このように、複数の作業項目が含まれていると、インバートの施工に時間がかかり、トンネル全体の工期にも影響が及ぶ。また、配筋作業を防水シート上で行う必要があるため、配筋作業時に鉄筋が防水シートに接触したり、足場を防水シート上に設置することによって防水シートが破損するおそれがあった。
そのため、特許文献1には、インバート施工区間の切羽側端部から坑口側端部に至る桟橋を架設した状態で、この桟橋の下方において、インバート部の掘削、防水シートの設置、配筋およびコンクリート打設をそれぞれ異なる位置で並行して行うインバート施工方法が開示されている。桟橋は、インバートの施工の進行に伴って前進させる。
特許文献1の桟橋は、長スパンにわたって架設する必要があるため、形状が大きく、また、重量もかさむ。そのため、施工の進行に伴って桟橋(施工箇所)を移動させる際に手間がかかるとともに現場への搬入や組み立てにも手間がかかる。また、大規模な桟橋は製造コストが高い。
特開2005−171549号公報
本発明は、桟橋を必要としない簡易かつ安価にトンネルを施工することを可能としたインバート施工方法、トンネル施工方法およびトンネル用テルハクレーンを提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明のインバート施工方法は、シート施工区間においてインバート部に防水シートを設置するシート設置作業と、前記シート施工区間よりも坑口側の配筋区間においてインバート部の鉄筋を配筋する配筋作業と、前記配筋区間よりも坑口側の打設区間においてインバートコンクリートを打設する打設作業とを並行して行うインバート施工方法であって、前記配筋作業では前記配筋区間以外の場所で組み立てられた格子状鉄筋をトンネル上部に設置されたテルハクレーンにより前記配筋区間に搬送することを特徴としている。
前記打設作業では、前記テルハクレーンにより搬送された型枠を前記打設区間に設置した状態でコンクリートを打設すればよい。
なお、シート施工区間よりも切羽側のインバート掘削区間においてインバート部を掘削する掘削作業を並行して行ってもよい。
かかるインバート施工方法によれば、テルハクレーンを利用することで、大規模な桟橋を必要としないため、安価にトンネル施工を行うことができる。また、インバートの施工に伴い、テルハクレーンのレールを延長あるいは移動させることで、簡易に施工箇所の移動が完了する。
また、テルハクレーンを利用することで、防水シートを設置した後の区間において、重機等を用いることなく、配筋作業や型枠の設置作業を行うことができるため、防水シートを傷つけることがない。また、テルハクレーンを利用すれば、円形断面のトンネルであっても、足場等を要することなくトンネル側部の配筋作業を行うことができる。
また、本発明のトンネル用テルハクレーンは、トンネル上部から吊り下げられたトロリーと、複数の前記トロリーにより吊持されたレールと、前記レールを移動するホイストと、前記ホイストに吊持された揚重手段とを備えることを特徴としている。
かかるトンネル用テルハクレーンによれば、インバート施工時等のように、トンネル内を車両等が走行できない場合であっても、資材の運搬などを行うことができるため、トンネルの施工を効率的に行うことができる。
なお、前記トロリーが、鋼製支保工同士の継手部において前記鋼製支保工同士に挟持された治具を介して取り付けられていれば、吹付けコンクリートや鋼製支保工等のトンネルの支保工の設計構造を維持したままトンネル用テルハクレーンを設置することができる。
さらに、トンネル上部から吊下げられ、かつ、工事区間に応じた長さを有し、なおかつ、トンネル軸方向に移動可能なレールと、前記レールに沿って移動する揚重手段と、を備える走行クレーンをトンネル施工に用いれば、工事の進捗状況に応じたクレーンの設置や移動が容易である。
本発明のインバート施工方法、トンネル施工方法およびトンネル用テルハクレーンによれば、簡易かつ安価にトンネルを施工することを可能となる。また、防水シートを傷つけるリスクが減り、高品質なトンネルを簡易に施工することができる。
本発明の実施形態に係るトンネルを示す横断図である。 テルハクレーンを示す縦断図である。 図2のテルハクレーンの一部を示す拡大図であって、(a)は縦断図、(b)は横断図である。 (a)はテルハクレーンの固定部を示す拡大図であり、(b)は(a)のX−X矢視図である。 本発明の実施形態のインバート施工方法の概要を示す縦断図である。 図1に続くインバート施工方法の概要を示す縦断図である。 (a)は掘削作業状況を示す横断図、(b)シート設置作業状況を示す横断図である。 (a)は配筋作業状況を示す横断図、(b)は打設作業状況を示す横断図である。
本実施形態では、図1に示すように、円形断面の山岳トンネル(以下、単に「トンネル1」という)であって、地下水をトンネル1内に引き込まないように形成する、いわゆるウォータータイトトンネルを施工する場合について説明する。トンネル1は、掘削により露出した地山を、吹付けコンクリート11a、11bおよび鋼製支保工等11cの支保工11(一次覆工)により閉合した後、支保工11の内側に防水シート12を設置し、その後、二次覆工としての覆工コンクリート13およびインバートコンクリート14を打設することにより形成する。なお、トンネル1の施工時(掘進時)には、必要に応じて補助工法を併用してもよい。
本実施形態では、トンネル1を掘削してインバートの吹付けコンクリート11bを施工した後、トンネル1の掘削により発生した掘削ズリ(埋め戻し土15)を埋め戻しておくことで、トンネル掘削時の資材搬入等の通行路として使用する。
また、本実施形態では、トンネル1の施工に走行クレーン(トンネル用テルハクレーン2)を使用する。
トンネル用テルハクレーン(以下、単に「テルハクレーン」という)2は、トンネル1の頂部(上部)に設置されている。
テルハクレーン2は、図2に示すように、トンネル1の頂部から吊り下げられたトロリー21と、複数のトロリー21,21,…により吊持されたレール22と、レール22を移動するホイスト23と、ホイスト23に設けられたチェーンブロック(揚重手段)24とを備えている。
トロリー21は、レール22をトンネル軸方向に移動可能に保持しいている。
本実施形態のトロリー21は、図3(a)および(b)に示すように、前後左右に計4つの車輪21a,21a,…を有している。各車輪21aは、トンネル1の延長方向と直交する軸を中心に回転可能であり、I形鋼からなるレール22のウェブの左右のいずれかにおいて、レール22のフランジを下面から支持している。すなわち、レール22は、車輪21aが回転することで、トンネル軸方向での移動が可能となっている。
なお、トロリー21の構成は限定されない。
トロリー21は、図3(a)および(b)に示すように、吊部材(治具)25を介してトンネル1の頂部から吊り下げられている。
本実施形態の吊部材25は、吊プレート25a、取付金具25b、吊ボルト25cおよび取付板25dを備えている。
なお、吊部材25の構成は限定されるものではない。
吊プレート25aは、トンネル1の支保工11の施工時に設置されており、図4(a)および(b)に示すように、鋼製支保工11cの継手板11d同士に挟持されている。
吊プレート25aには、継手板11dのボルト孔11e,11eの位置に対応してボルト孔25e,25eが形成されている。
継手板11d,11d同士を接合するボルトBは、一方の継手板11dに頭部が係止されているとともに、両継手板11d,11dのボルト孔11eと吊プレート25aのボルト孔25eとに軸部が挿通されている。ボルトBの軸部にはナットNが締着されている。
吊プレート25aの下部は、鋼製支保工11cの継手板11dの下端からが下側に突出している。吊プレート25aの下端部には、貫通孔25fが形成されている。
取付金具25bは、図3(b)に示すように、吊プレート25aの下部を挟む板材からなる。
取付金具25bは、吊プレート25aを挟んだ状態で、貫通孔25fに挿通されたボルトBとナットNにより固定されている。なお、取付金具25bの構成および取付金具25bの吊プレート25aへの固定方法は限定されるものではない。
取付金具25bには、吊ボルト25cの上端部が固定されている。
吊ボルト25cは、2本の寸切ボルトがターンバックルを介して連結されることで、長さの調節が可能に構成されている。なお、吊ボルト25cの構成は限定されるものではなく、例えば、1本の棒材により構成されていてもよい。
吊ボルト25cの下端は、一対の取付板25d,25dを介してトロリー21に固定されている。なお、吊ボルト25cのトロリー21への固定方法は限定されるものではなく、例えば、吊ボルト25cの下端を直接トロリー21に取り付けてもよい。
トロリー21は、直上に設けられた吊プレート25aに吊ボルト25cを介して取り付けられているが、本実施形態では、図2に示すように、これに加えて、斜ボルト25gを介して斜め上方の吊プレート25aに取り付けている。すなわち、テルハクレーン2は、トラス状に配設された吊ボルト25cおよび斜ボルト25gによりトンネル1の頂部から吊り下げられている。
レール22は、図3(a)および(b)に示すように、I形鋼により構成されている。
本実施形態では、複数のレール部材(I形鋼)22a,22aを連結することにより、インバート施工範囲(インバート掘削区間〜埋め戻し区間)よりも大きな延長を有している。なお、レール22の長さ(テルハクレーン2の設置範囲)は、施工範囲に応じた長さを有していれば限定されるものではなく、例えば、トンネル1の全延長(トンネル坑口から切羽またはトンネルの発進口から到達口)にわたって、レール22を配設してもよい。また、レール22は、少なくとも鉄筋組立区間(または鉄筋仮置き場)と配筋区間との間で鉄筋の移動が可能となるように配設してもよい。
レール部材22a同士の連結構造は限定されないが、例えば、隣り合うレール部材22a,22aに跨って配設された連結板22bを両レール部材22a,22aに締着することにより行えばよい。また、レール22を構成する材料は限定されるものではなく、例えばH形鋼や溝型鋼であってもよい。
レール22の端部には、図示しないストッパーが設置されていて、テルハクレーン2の使用時にレール22が移動することがないように構成されている。
ホイスト23は、図3(b)に示すように、チェーンブロック(揚重手段)24を有している。ホイスト23は、レール22の下側のフランジに沿って移動可能である。すなわち、ホイスト23は、トンネル1の延長方向に移動可能であるとともに、チェーンブロック24を介して資材等の揚重が可能である。
なお、本実施形態では、揚重手段として、手動式のチェーンブロック24を採用しているが、揚重手段は限定されるものではなく、電動式の揚重手段を採用してもよい。
また、ホイスト23は、自走式であってもよいし、手動式であってもよい。
ここで、図2の符号26は、ホイスト23に接続されたケーブルである。
次に、本実施形態のインバート施工方法について説明する。
本実施形態では、図5および図6に示すように、トンネル1内に設定されたインバート掘削区間A1、鉄筋組立区間A2、シート施工区間A3、配筋区間A4、打設区間A5、埋め戻し区間A6のそれぞれにおいて、掘削作業と、鉄筋組立作業と、シート設置作業と、配筋作業と、打設作業と、埋め戻し作業とを並行して行う。
掘削作業は、インバート掘削区間A1において埋め戻し土15を少なくとも1スパン分掘削(再掘削)する作業である。インバート掘削区間A1は、インバート施工範囲の最も切羽側に位置している。
本実施形態では、図7(a)に示すように、バックホウM1を利用して埋め戻し土15を掘削するが、掘削方法および掘削に利用する機械等は限定されるものではない。
掘削により発生した残土は、トンネル1の坑内に設置されたベルトコンベヤ3により坑口側に輸送する。本実施形態では、トンネル1の切羽から坑口にわたって連続したベルトコンベヤ3(いわゆる連続ベルトコンベヤ)が配設されていて、坑内で発生した残土(ズリ)を坑外に搬出することができる。
本実施形態では、掘削残土を、トラックを利用してベルトコンベヤ3の積み込み位置に搬送したのち、ベルトコンベヤ3に投入する。なお、掘削残土は、インバート掘削区間A1において直接ベルトコンベヤ3に投入してもよい。
また、ベルトコンベヤ3は必ずしも連続ベルトコンベヤである必要はなく、トンネル坑内の所定の位置に設けられた仮置き場に土砂を搬送するように構成されていてもよい。この場合には、運搬車両等を利用して搬出すればよい。
ベルトコンベヤが設置されていない場合は、ダンプトランク等により坑外へ搬出すればよい。例えば、トンネルTが双設トンネルの一方のトンネルである場合において、他方のトンネルとの連絡坑が鉄筋組立区間A2よりも切羽側に形成されている場合には、他方のトンネルを走行する運搬車両を利用して、掘削残土を搬出してもよい。また、トンネルが貫通している場合には、掘削土砂を前方の坑口(到達口)に搬出すればよい。
埋め戻し土15の掘削が完了したら、露出したトンネル1の内面(インバートの吹付けコンクリート11bの表面)を清掃する。
鉄筋組立作業は、鉄筋組立区間A2において、鉄筋16を格子状に組み立てる作業である。
図5に示すように、本実施形態では、鉄筋組立区間A2を、インバート掘削区間A1とシート施工区間A3との間に設けている。なお、鉄筋組立区間A2は、配筋区間A4の坑口側に設けてもよい。
鉄筋16を鉄筋組立区間A2に搬送する際には、テルハクレーン2を利用して坑口から搬送すればよい。なお、トンネルTが双設トンネルの一方のトンネルである場合において、他方のトンネルとの連絡坑が鉄筋組立区間A2よりも切羽側に形成されている場合には、他方のトンネルを走行する運搬車両を利用して、鉄筋組立区間A2の切羽側に鉄筋16を搬入してもよい。また、トンネルが貫通している場合には、前方の坑口(到達口)から鉄筋を搬入すればよい。
また、鉄筋16を組み立てる際には、鉄筋組立区間A2に配置されたクローラクレーンM2を利用して鉄筋16の移動や吊持を行ってもよい。なお、鉄筋16の組み立てに使用する揚重機はクローラクレーンに限定されるものではなく、例えば、ユニック車、ラフタークレーンやテルハクレーン2等を使用してもよい。
シート設置作業は、シート施工区間A3において、埋め戻し土15の掘削により露出したインバート部の吹付けコンクリート11bの表面に防水シート12を設置する作業である。シート施工区間A3は、インバート掘削区間A1よりも坑口側(後方)であって、配筋区間A4よりも切羽側に設けられている。
防水シート12の設置は、人力により行うものとする。まず、図7(b)に示すように、高所作業車M3を利用してトンネル底部に置いた防水シートを片側ずつ持ち上げて、急傾斜部に固定する。
防水シート12の材質や部材厚等は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。また、防水シート12の設置に先立ち、緩衝材(例えば不織布)をインバートの吹付けコンクリート11bの表面に敷設してもよい。
配筋作業は、配筋区間A4に格子状の鉄筋16を1スパン分配筋する作業である。
配筋区間A4は、シート施工区間A3よりも坑口側に設けられている。すなわち、配筋区間A4は、防水シート12が設置された区間に設けられる。
配筋作業では、鉄筋組立区間A2において格子状に組み立てられた鉄筋16を、図8(a)に示すように、テルハクレーン2を利用して配筋区間A4に移動させた後、下降させることで配筋する。このとき、鉄筋16は、スペーサ(図示せず)を利用して防水シート12から所定の被り厚さを確保した状態で配筋する。なお、スペーサの形状やスペーサを構成する材料等は限定されない。
本実施形態では、鉄筋16を2段配筋とするが、鉄筋16の段数や配筋ピッチ等は限定されない。
打設作業は、打設区間A5において、インバートコンクリート14を1スパン分打設する作業である。打設区間A5は、図6に示すように、配筋区間A4よりも坑口側に設けられている。
インバートコンクリート14は、図8(b)に示すように、鉄筋16を覆うように設けられた型枠4の下側に打設する。型枠4は、打設区間の坑口側において組み立てた後、テルハクレーン2を利用して打設区間A5に移動および下降させることで設置する。
埋め戻し作業は、図6に示すように、埋め戻し区間A6において、インバートコンクリート14の養生が完了した部分への埋め戻しを行う作業である。
埋め戻し材には、トンネル1の掘削により発生したズリを使用してもよいし、搬入材を利用してもよい。
インバート部への埋め戻しは、埋め戻し材を敷均した後、転圧を行う。
作業の進行に伴い、インバート施工範囲を前進させる(盛り替える)際には、テルハクレーン2のレール22全体を前方に引き出せばよい。
本実施形態では、図2に示すように、レール22の前方のトンネル1の頂部に予め複数の吊部材25,25を設置しておき、引き出したレール22を係止させることが可能となるようにしておく。
レール22を引き出す際には、図示しないストッパーを解除したレール22の先端にワイヤー等を固定し、トラックや重機等を利用して牽引してもよいし、ウインチ等を利用してもよい。なお、本実施形態では、レール22の先端に、牽引用の治具27が予め設けてあるが、治具27は必要に応じて設置すればよい。
なお、レール22は、後端のレール部材22aを取り外して、レール22の前端に固定することで、盛り替えてもよい。また、レール22を延長させることにより、インバート施工範囲を前進させてもよい。また、レール22は、後方から押し出してもよい。
本実施形態のテルハクレーン2およびこれを利用したインバート施工方法によれば、インバート部の施工を早期に行うことができるため、トンネル工事の工期短縮化を図ることができる。すなわち、インバート部の掘削、防水シートの設置、鉄筋の配筋およびコンクリート打設を、トンネル延長方向で異なる位置において並行して行うことができるため、工期短縮が可能である。
また、大規模な桟橋を必要としないため簡易かつ安価にトンネル施工を行うことができる。
すなわち、桟橋に比べて簡易なテルハクレーン2を利用しているため、仮設に要する費用を大幅に削減することができる。また、テルハクレーン2の移動も容易なため、インバート施工範囲の移動に要する手間も削減することができる。
また、テルハクレーン2を利用することで、防水シート12が設置済の区間(配筋区間A4や打設区間A5等)において、重機等を用いることなく、配筋作業や型枠4の設置作業を行うことができる。そのため、防水シート12を傷つける危険性を低下させることできる。また、テルハクレーン2を利用すれば、円形断面のトンネル1であっても、足場等を要することなくトンネル側部(急傾斜部)の配筋作業を行うことができる。
テルハクレーン2を設置しているので、インバート施工時等のように、トンネル1内を車両や重機等が走行できない場合であっても、資材の運搬などを行うことができる。したがって、トンネル1の施工を効率的に行うことができる。
また、トンネル1の側部に設けられたベルトコンベヤ9よりも低い位置でテルハクレーン2により鉄筋16や型枠4を横方向にスライド移動させれば、ベルトコンベヤ9と型枠4等の接触を防止することができる。スライドセントルを利用する場合は、ベルトコンベヤ9を撤去する必要があるが、本実施形態によれば、ベルトコンベヤ9を撤去することなく、インバートコンクリート14の打設を行うことができる。そのため、トンネル1の掘削と並行してインバート部の施工を行うことができ、トンネル工事全体の工期短縮化を図ることができる。
また、テルハクレーン2は、鋼製支保工11c同士に挟持された吊部材25を介して取り付けられているため、吹付けコンクリートや鋼製支保工11c等のトンネルの支保工11の設計構造を維持したまま設置することができる。ゆえに、テルハクレーン2の設置に伴い、新たな補強構造を追加する必要がない。
防水シート12が設置されていない位置(鉄筋組立区間A2)で鉄筋組立作業を実施するため、鉄筋16の組み立て時に防水シート12が傷つくことがない。例えば、鉄筋16の組み立て時に溶接を行う場合であっても、溶接時の熱によって防水シート12に穴が開くことがない。
以上、本発明の実施形態について説明したが本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
前記実施形態では、円形断面のトンネル1のインバート部の施工を行う場合について説明したが、本発明のインバート施工方法、トンネル施工方法およびテルハクレーン2を適用可能なトンネルの断面形状は限定されるものではなく、例えば馬蹄形であってもよい。
また、前記実施形態では、ウォータータイトトンネルについて説明したが、トンネル1はウォータータイトトンネルに限定されるものではない。
また、インバートの施工は、地山状況に応じて設定すればよく、トンネル全長にわたって施工する必要はない。
テルハクレーン2の吊部材25は、必ずしも鋼製支保工11cの継手部に固定されている必要はない。また、テルハクレーン2の設置個所は、トンネルの上部(トンネル肩部より上)であれば、トンネルの頂部に限定されるものではない。
テルハクレーン2は、インバート部の施工以外の作業工程に使用してもよい。
インバートコンクリート14の打設時には、必ずしも型枠4を使用する必要はない。また、型枠4の構成は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
前記実施形態では、インバート部の埋め戻し土15を掘削した後、インバートコンクリート14を打設する場合について説明したが、インバート部は必ずしもインバートコンクリート14の打設前に埋め戻されている必要はない。すなわち、インバートへの吹付け直後に、シート設置作業、配筋作業、打設作業を実施してもよい。
トンネルのインバートコンクリート14の打設時のスパン長は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
また、防水シート12は、地山に設置してもよい。
また、前記実施形態では、組み立てられた鉄筋を配筋区間に搬送して配筋する場合について説明したが、鉄筋は、配筋区間において直接組み立ててもよい。
1 トンネル
11 支保工
11c 鋼製支保工
11d 継手板
12 防水シート
14 インバートコンクリート
2 テルハクレーン(トンネル用テルハクレーン、走行クレーン)
21 トロリー
22 レール
23 ホイスト
24 チェーンブロック(揚重手段)
25 吊部材(治具)
A1 インバート掘削区間
A2 鉄筋組立区間
A3 シート施工区間
A4 配筋区間
A5 打設区間

Claims (6)

  1. シート施工区間においてインバート部に防水シートを設置するシート設置作業と、
    前記シート施工区間よりも坑口側の配筋区間においてインバート部の鉄筋を配筋する配筋作業と、
    前記配筋区間よりも坑口側の打設区間においてインバートコンクリートを打設する打設作業と、を並行して行うインバート施工方法であって、
    前記配筋作業では、前記配筋区間以外の場所で組み立てられた格子状鉄筋を、トンネル上部に設置されたテルハクレーンにより前記配筋区間に搬送することを特徴とする、インバート施工方法。
  2. 前記打設作業では、前記テルハクレーンにより搬送された型枠を前記打設区間に設置した状態でコンクリートを打設することを特徴とする、請求項1に記載のインバート施工方法。
  3. 前記シート施工区間よりも切羽側のインバート掘削区間においてインバート部を掘削する掘削作業を並行して行うことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のインバート施工方法。
  4. トンネル上部から吊下げられ、かつ、施工範囲に応じた長さを有し、なおかつ、トンネル軸方向に移動可能なレールと、前記レールに沿って移動する揚重手段と、を備える走行クレーンを用いることを特徴とする、トンネル施工方法。
  5. トンネル上部から吊り下げられたトロリーと、
    複数の前記トロリーにより吊持されたレールと、
    前記レールを移動するホイストと、
    前記ホイストに吊持された揚重手段と、を備えることを特徴とする、トンネル用テルハクレーン。
  6. 前記トロリーが、鋼製支保工同士の継手部において前記鋼製支保工同士に挟持された治具を介して取り付けられていることを特徴とする、請求項5に記載のトンネル用テルハクレーン。
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