JP6117094B2 - 工事桁の架設方法 - Google Patents
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Description
この点、特許文献1の図4には軌道を支持する工事桁及び仮受杭が示されている。
尚、本発明において、受桁を一方のホーム下に搬入することは、受桁の少なくとも一部を一方のホーム下に位置させることを含む。
図1(A)及び(B)は、それぞれ、本発明の一実施形態における受桁移動装置が設置された相対式鉄道ホームを示し、図1(A)は受桁移動装置によって受桁が吊り下げられる前の状態を示し、図1(B)は受桁移動装置によって受桁が吊り下げられている状態を示す。図2(A)は、本実施形態における受桁移動装置の平面図である。図2(B)は、本実施形態における受桁移動装置の背面図である。図3(A)は、本実施形態における受桁移動装置の断面図であり、図2(B)のI−I断面図のうち吊下装置の図示を省略したものである。図3(B)は、吊下装置の概略構成を示す図である。
尚、本実施形態では、便宜上、工事桁を構成する受桁の架設が進行する方向(工事桁架設進行方向D)を前進方向として、前後左右を規定している。
また、図1(A)及び(B)では、受桁に設けられた主桁取付用のブラケット(後述するブラケット201a)及び軌道(後述する軌道130、130)の図示を省略している。
尚、本実施形態では、右側のホーム120が本発明の「一方のホーム」に対応しており、また、左側のホーム110が本発明の「他方のホーム」に対応している。
また、本実施形態では、複線に設けられた相対式鉄道ホーム100について以下説明するが、相対式鉄道ホーム100が設けられる軌道の形態はこれに限らず、例えば、相対式鉄道ホーム100は、単線、又は、複々線に設けられてもよい。
フレーム部112は、左右方向(ホーム110の奥行き方向)に延在して前後方向(ホーム110の延在方向)に互いに間隔を空けて配置される複数の横桁112aと、横桁112a同士を連結するように前後方向に延在する複数の縦桁(図示せず)とによって構成される枠体である。この枠体を上側から覆うように複数のホーム覆工板111がフレーム部112上に配置されてフレーム部112に固定されている。
左側のホーム110下の地面114については、ホーム110、120間の路盤140の上面140aより下位となっている。それゆえ、ホーム110下には、複数のホーム覆工板111、フレーム部112、脚部113、及び地面114によって、ホーム下空間115が区画形成されている。
仮受桁117は、前後方向(工事桁架設進行方向D)に延在するH形鋼により構成されている。仮受桁117は、その下フランジの下面が、各仮受杭116の上端部に固定されている。
フレーム部122は、左右方向(ホーム120の奥行き方向)に延在して前後方向(ホーム120の延在方向)に互いに間隔を空けて配置される複数の横桁122aと、横桁122a同士を連結するように前後方向に延在する複数の縦桁(図示せず)とによって構成される枠体である。この枠体を上側から覆うように複数のホーム覆工板121がフレーム部122上に配置されてフレーム部122に固定されている。
右側のホーム120下の地面124については、路盤140の上面140aより下位となっている。それゆえ、ホーム120下には、複数のホーム覆工板121、フレーム部122、脚部123、及び地面124によって、ホーム下空間125が区画形成されている。
仮受桁127は、前後方向(工事桁架設進行方向D)に延在するH形鋼により構成されている。仮受桁127は、その下フランジの下面が、各仮受杭126の上端部に固定されている。
バックヤード150には、その上面を塞ぐように、複数の覆工板150aが設置され得る(図5(ア)参照)。
バックヤード150の底面(地面)150bは、路盤140の上面140aより下位となっている。また、バックヤード150の内部空間と、右側のホーム120のホーム下空間125とについては、工事桁200(図10(コ)参照)を構成する受桁201が水平方向(本実施形態では左右方向)に移動可能なように、互いに連通している。
受桁201及び主桁202は、それぞれ、上フランジ、下フランジ、及びウェブからなるH形鋼により構成されている。
隣り合う受桁201、201の間には、1つの軌道130に対して左右計2本の主桁202、202が配置されて、各々の両端部が、各受桁201に予め設けられたブラケット201aを介して、受桁201、201に固定される。これら主桁202、202には、各々の上フランジに跨るように複数の枕木132が設置される。これら枕木132は、軌道130を構成するものであり、レール131、131を支持する。ここで、主桁202は、レール131の延在方向に沿って延在している。
送り桁2は、前後一対のビーム部材(桁部材)21、21と、左右一対のビーム受け桁22、22と、前後一対のレール部材23、23と、左右一対の継材24、24とを備える。
台車31は、左右1列に配置される2個の車輪33、33と、これら車輪33、33を収容し、かつ、下面開放のコ字状断面を有する本体部34と、本体部34の下端部に設けられて車輪33、33を各別に回転自在に支持する車軸35、35とを備える。
車輪33は両フランジ付きでレール部材23上を転動する。すなわち、前側の台車31の車輪33、33は、前側のビーム部材21に設けられた前側のレール部材23上を転動する一方、後側の台車31の車輪33、33は、後側のビーム部材21に設けられた後側のレール部材23上を転動する。
従って、吊り桁32、32を含む移動体3は、各台車31の車輪33、33がレール部材23上を転動することにより、ビーム部材21、21の延在方向に移動可能である。
吊り板36の中央部には、円環状の取付部37aを備えるアイボルト37が設けられている。アイボルト37の取付部37aは吊り板36の下方に位置しており、鉛直軸を回転中心として回転自在である。
牽引装置41は、移動体3の牽引用のワイヤーロープ42と、このワイヤーロープ42を巻き上げる巻上げウインチ43と、により構成される。ワイヤーロープ42は、その一端が移動体3(例えば吊り桁32)に着脱可能に固定される。巻上げウインチ43は電動ウインチであり、左側のホーム110上(詳しくは、ホーム覆工板111上)に設けられており、ワイヤーロープ43をその他端より巻き上げることができる。
また、本実施形態では、巻上げウインチ43を左側のホーム110上(詳しくは、ホーム覆工板111上)に設けているが、巻上げウインチ43の設置場所はこれに限らず、例えば、巻上げウインチ43を左側のホーム110下の地面114に設けてもよい。
また、本実施形態では、巻上げウインチ43が電動ウインチであるが、巻上げウインチ43の構成はこれに限らず、例えば、巻上げウインチ43が手動ウインチであってもよい。
送り桁2の下面(具体的には一対のビーム部材21、21の下フランジ21b、21bの下面)には、左右一対のビーム吊り桁51、51が取り付けられている。ビーム吊り桁51は前後方向に延在しており、上フランジ51a、下フランジ51b、及びウェブ51cからなるH形鋼により構成されている。左側のビーム吊り桁51は、その上フランジ51aの上面が、各ビーム部材21の下フランジ21bの下面の左側部に接触している。一方、右側のビーム吊り桁51は、その上フランジ51aの上面が、各ビーム部材21の下フランジ21bの下面の右側部に接触している。ビーム吊り桁51の上フランジ51aとビーム部材21の下フランジ21bとは、例えばボルト締結によって互いに着脱可能に固定される。
また、ビーム部材21の上フランジ21aには、移動体3の移動を制限するための、図示しない台車ストッパーが設けられている。台車ストッパーは、挟締金具(例えば、ブルマン(登録商標))によって構成され得る。
図5(ア)は、右側のホーム120下に搬入された受桁201を示す。図5(イ)は、設置予定場所Pでの掘削作業を示す。図6(ウ)は受桁移動装置1の送り桁2を相対式鉄道ホーム100に設置する作業を示す。図7(エ)は、チェーンブロック39を移動体3に取り付けた状態を示す。図7(オ)及び図8(カ)は、受桁移動装置1により受桁201を移動する作業を示す。図8(キ)は、受桁201を仮受桁117、127に固定する作業を示す。図9(ク)は、受桁移動装置1を撤去する作業を示す。図9(ケ)は、受桁201間に主桁202を設置する作業を示す。図10(コ)は、工事桁200によって支持される軌道130、130を示す。尚、図7(エ)〜図8(キ)では、受桁201に設けられたブラケット201aの図示を省略している。
尚、バックヤード150の底面150bと受桁201との間には、受桁201の移動(具体的には水平方向の移動)を容易にするために、複数のコロ装置151を介在させている。また、このコロ装置151と同様の構成のコロ装置152が、仮受桁127の上フランジの上面に着脱可能に設けられている(図1(A)参照)。
尚、本実施形態において、受桁201を右側のホーム120下に搬入することは、受桁201の少なくとも一部を右側のホーム120下に位置させることを含む。この点、図1(A)、図5(ア)、5(イ)、図6(ウ)、及び、図7(エ)は、それぞれ、受桁201の左側部分が右側のホーム120下に位置する例を示している。
次に、図5(イ)に示すように、左側のホーム110のうち、設置予定場所Pの路盤141に対応する先端部分に位置するホーム覆工板111を撤去する。また、右側のホーム120のうち、設置予定場所Pの路盤141に対応する先端部分に位置するホーム覆工板121を撤去する。この後に、バックボー301を用いて、設置予定場所Pの路盤141を掘削して凹部142を形成する。
尚、本実施形態では、送り桁2上に移動体3を位置させた状態でクレーン302により送り桁2を吊り下げているが、この他、クレーン302により送り桁2のみを吊り下げて、送り桁2を相対式鉄道ホーム100に設置した後に、送り桁2に移動体3を設けてもよい。
次に、図7(オ)に示すように、移動体3を右側に移動させる。また、巻上げウインチ43を左側のホーム110に設置して、ワイヤーロープ42の一端を移動体3に接続する。また、受桁201の左側端部の直上にチェーンブロック39を位置させるべく、受桁201を左方向に移動させる。そして、チェーンブロック39によって、受桁201を吊り下げる。
この後、牽引装置41を撤去する。また、チェーンブロック39を移動体3から取り外す。
この主桁202、202の設置は、各軌道130について各別に行われる。
2 送り桁
3 移動体
21 ビーム部材
22 ビーム受け桁
23 レール部材
23a ストッパー部材
24 継材
24a 継材取付板
31 台車
32 吊り桁
33 車輪
34 本体部
35 車軸
36 吊り板
37 アイボルト
37a 取付部
38 シャックル
39 チェーンブロック
41 牽引装置
42 ワイヤーロープ
43 巻上げウインチ
51 ビーム吊り桁
52 台車落下防止ワイヤー
100 相対式鉄道ホーム
110、120 ホーム
111、121 ホーム覆工板
112、122 フレーム部
112a、122a 横桁
113、123 脚部
113a、123a ホーム杭
114、124 地面
115、125 ホーム下空間
116、126 仮受杭
117、127 仮受桁
118、128 柱部
119、129 屋根
130、130a 軌道
131 レール
132 枕木
140、141 路盤
140a 上面
142 凹部
150 バックヤード
150a 覆工板
150b 底面
151、152 コロ装置
200 工事桁
201 受桁
201a ブラケット
202 主桁
301 バックホー
302 クレーン
Claims (8)
- 相対式鉄道ホームの両ホーム間の軌道下に設置されて該軌道を支持する工事桁の架設方法であって、
前記工事桁を構成する受桁を一方のホーム下に搬入する工程、
前記受桁の設置予定場所の軌道を撤去する工程、
前記設置予定場所の路盤を掘削して凹部を形成する工程、
両ホーム間に架け渡されて前記設置予定場所より上方に配置されるビーム部材と、該ビーム部材に設けられて前記ビーム部材の延在方向に移動可能な移動体と、該移動体に取り付けられて前記受桁を吊り下げて昇降可能な吊下装置と、を含んで構成される受桁移動装置を前記相対式鉄道ホームに設置する工程、及び、
前記一方のホーム下に搬入された前記受桁を前記吊下装置により吊り下げて前記移動体により前記設置予定場所まで移動する工程、
を含む、工事桁の架設方法。 - 前記一方のホームのうち前記軌道に相対する側と反対の側に隣接する地盤に資材置き場を凹設する工程、及び、
該資材置き場に前記受桁を搬入して仮置きする工程、
を更に含み、
前記一方のホーム下に前記受桁を搬入する工程では、前記資材置き場に仮置きされた前記受桁を水平移動させて前記一方のホーム下に搬入する、請求項1に記載の工事桁の架設方法。 - 前記一方のホームは、平面状に敷設される複数のホーム覆工板と、該ホーム覆工板を支持するフレーム部と、該フレーム部を支持する脚部とを備え、
前記一方のホーム下に前記受桁を搬入する工程では、前記ホーム覆工板、前記フレーム部、前記脚部、及び前記一方のホーム下の地面によって区画されるホーム下空間内に、前記受桁を搬入する、請求項1又は請求項2に記載の工事桁の架設方法。 - 前記受桁を前記設置予定場所まで移動するに先立って、両ホーム下の地盤にそれぞれ仮受け杭を打設する工程を更に含み、
前記受桁は、前記設置予定場所まで移動された後に、前記仮受杭に固定されて、前記仮受杭によって支持される、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の工事桁の架設方法。 - 前記一方のホーム下に前記受桁を搬入する工程では、前記一方のホーム下であって、前記設置予定場所に隣接する場所に前記受桁を搬入する、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の工事桁の架設方法。
- 前記受桁移動装置は、前記移動体又は前記受桁を前記一方のホーム側から他方のホーム側に牽引する牽引装置を更に含んで構成される、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の工事桁の架設方法。
- 前記工事桁を構成する主桁を、互いに間隔を空けて隣り合う既設の前記受桁同士に跨るように設置する工程を更に含む、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の工事桁の架設方法。
- 前記凹部内に位置する前記受桁は、前記軌道を構成するレールの延在方向に対して交差する方向に延在する、請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の工事桁の架設方法。
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