JP4805200B2 - シールドトンネルにおけるアーチ型プレキャスト版 - Google Patents
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Description
特許文献1及び特許文献2は、プレキャスト床版同士の接合構造に、互いの接合端面から突出させてなる円弧状のループ鉄筋を使用したループ継手について開示されたものである。
特許文献3は、セグメントの内側に複数の支柱の機能をなす鉛直部材と、それら鉛直部材上に配置される複数の水平部材とからなるトンネル床版を組み立て、その設置したトンネル床版上を掘進に必要な資材等の搬送用通路としたものである。
本発明では、シールドトンネルの掘進とともに、トンネル断面の内部空間を上下に分割させるようにしてアーチ型プレキャスト版を設置させることで、アーチ型プレキャスト版の下方の空間(アーチ内空間)、つまりアーチ型プレキャスト版の内周面とセグメントとの間の空間をシールドトンネルの掘進に伴う搬送用通路として使用できるとともに、掘進に必要な給水管、排水管、電線などの仮設備を配置することができる。具体的には、シールドトンネルの掘進時に使用されるセグメントやアーチ型プレキャスト版の形状が円弧板状であるので、例えばそれらの長手方向をトンネル軸方向に向けることで、前記アーチ内空間を通過させることができる。したがって、アーチ型プレキャスト版の上方の空間では、掘進作業とは別の作業を行うことが可能となり、アーチ型プレキャスト版の上方に構築される道路の基盤や舗装などの施工を掘進と並行して行うことができる。そして、アーチ型プレキャスト版では、従来のように複数の鉛直部材や水平部材によって組み合わされる構造ではなく、構成部材数を少なくすることができるので、組み立て作業時間を低減して、効率よく施工を行うことができる。さらに、アーチ型プレキャスト版が扁平円弧板状をなしていることから、アーチ型プレキャスト版を所定の高さに配置させるとともに、アーチ型プレキャスト版の両端部を、曲げ応力が生じない位置、つまりセグメントに対して略垂直となる位置に固定させることができる。しかも、アーチ型プレキャスト版の上部に、例えば路盤の高さまでを掘進により発生した掘削土砂で埋め戻すことができることから、掘削土砂を処分場に運搬するダンプトラックの台数を減少でき、処分費を低減できるという効果が得られる。
本発明では、セグメントに接続されるアーチ型プレキャスト版の両端部において、アーチ型プレキャスト版の円弧方向の軸力のみがセグメントに作用し、その接続部に曲げ応力を発生させることのない構造とすることができる。
本発明では、アーチ型プレキャスト版を設置する際、接地端面に設けた高さ調整部材の突出先端をセグメントの内周面に当接させてアーチ型プレキャスト版を接地させ、高さ調整部材の突出量を調節することで、アーチ型プレキャスト版を所定の高さに位置決めすることができる。
本発明では、アーチ型プレキャスト版を設置する際、接地端面に設けた雌ねじ部にボルト部材を螺合させつつ、ボルト部材の突出先端がセグメントの内周面に当接した状態のときに、ボルトを回転させてその突出量を調整することで、アーチ型プレキャスト版の高さを変えることができることから、所定の高さに位置決めすることができる。
本発明では、アーチ型プレキャスト版の形状が小さくなるので、搬送がし易くなるうえ、設置時等の取り扱いが容易となって作業がしやすくなり、作業効率を向上させることができる。そのため、アーチ型プレキャスト版を吊り上げる際等に使用される機械を小型化させることができる。
図1は本発明の第一の実施の形態による道路トンネルの縦断面図、図2は道路トンネルを構築する状態の概要を示す側面図、図3は図1に示すアーチ型プレキャスト版の拡大図、図4は図3に示すアーチ型プレキャスト版を上から見た図、図5はアーチ型プレキャスト版をセグメントに固定させるための構造を示す図、図6は図5に示すアーチ型プレキャスト版のA−A線断面図、図7は図5に示すアーチ型プレキャスト版の端部の固定状態を示す要部拡大図、図8はアーチ型プレキャスト版の設置工程を説明するための側面図、図9は同じく縦断面図である。
そして、本実施の形態によるシールドトンネル10は、その内部空間がアーチ型プレキャスト版1によって上下に二分割され、その上方の空間が道路として利用され、下方の空間(後述するアーチ内空間T)が例えば坑内における換気用ダクトや待避所等として利用される構造をなしている。
また、図4に示すアーチ型プレキャスト版1の幅寸法W(アーチ型プレキャスト版1の短辺長さ寸法)は、アーチ型プレキャスト版1の長手方向をトンネル軸方向に向けた状態でアーチ内空間Tを通過させることができる寸法とされる(図1参照)。
図5に示すように、アーチ型プレキャスト版1が高さ調整ボルト3によって所定高さに位置決めされた状態で、アーチ型プレキャスト版1の端部1cにおける内周面1b側と、外周面1a側との位置に、断面視略L字状のL型鋼材からなる振れ止め部材6、6の一端面6aがアンカー7によってセグメント12に固定されている。アンカー7は、振れ止め部材6、6の長手方向に所定間隔をもって打ち込まれている。
そして、本第一の実施の形態では、アーチ型プレキャスト版1の端部1cには、前記コンクリート8の打設時の空気抜き用の貫通孔1dが形成されている。
図2に示すように、シールドトンネル10の掘進は、シールド掘削機11によって地山を掘削するとともに、シールド掘削機11の後端部で掘削したトンネル内壁に沿うようにしてセグメント12をリング状に組み立てる。そして、セグメント12の組立位置R2より後方(切羽と反対側)に所定距離(例えば資材搬入スペース等を確保した距離)だけ離れた位置(プレキャスト版組立位置R1)に、アーチ型プレキャスト版1が設置される。
図10は本発明の第二の実施の形態によるアーチ型プレキャスト版の設置工程を示す図であって、(a)はその側面図、(b)はその平面図、図11は同じくアーチ型プレキャスト版の設置工程を示すトンネル断面図である。
図10(a)、(b)及び図11に示すように、第二の実施の形態によるアーチ型プレキャスト版1は、第一の実施の形態のアーチ型プレキャスト版1(図1参照)を円弧方向に二分割された構成となっている。分割された左右一対のアーチ型プレキャスト版1A、1Bは、互いに天端部付近でボルト等の接合継手14、14によって連結され、セグメント12の内周脚部12a、12aに配置される構成となっている。そして、一対のアーチ型プレキャスト版1A、1Bは円弧方向(長手方向)の長さが異なるものであり、アーチ型プレキャスト版1A、1Bの接合箇所がトンネル軸方向に隣接するアーチ型プレキャスト版1、1同士で交互にずれた位置となるように配置されている。
例えば、アーチ型プレキャスト版1の配置箇所、形状、大きさなどに限定されることはなく、シールドトンネルの外径寸法、セグメントの大きさ等の条件に応じて任意に設定することができる。
また、本第一及び第二の実施の形態ではアーチ型プレキャスト版1とセグメント12との固定方法、高さ調整方法(高さ調整ボルト3)の形態、構造として、高さ調整ボルト3を使用し、コンクリート8を打設して固定する構成としているが、これに限定されることはない。
さらに、本第一及び第二の実施の形態ではプレキャスト版1、1同士の接合にボルトを使用した継手構造としているが、これに限定されず、例えば互いの接合端面に切欠部を設けてプレキャスト版1内の鉄筋を突出させておき、双方の鉄筋同士を連結させた後に切欠部にコンクリートなどを打設するといった接合構造であってもかまわない。
2 接地端面
2a 雌ねじ部
3 高さ調整ボルト(高さ調整部材)
3a 雄ねじ部(ボルト部材)
3c 突出先端
10 シールドトンネル
12 セグメント
12a 内周脚部
13 道路
T アーチ内空間
Claims (5)
- 内周壁にセグメントが設置されたシールドトンネルの内部空間を上下に分割するように配置されたシールドトンネルにおけるアーチ型プレキャスト版であって、
所定厚みの略長方形板状のものが湾曲され、円弧方向の中央部を形成する第1円弧と、前記第1円弧より小さい半径で前記円弧方向の両端部を形成する第2円弧とからなる2芯円の扁平円弧板状をなし、
外周面を上方に向けた状態で、前記内部空間を上下に分割させるようにして、トンネル軸方向に沿う辺側の接地端面を前記セグメントの内周面に固定されるとともに前記シールドトンネルの掘進方向に順次配設可能なことを特徴とするシールドトンネルにおけるアーチ型プレキャスト版。 - 前記第2円弧を形成する両端部は、前記セグメントの内周面に対して略垂直に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のシールドトンネルにおけるアーチ型プレキャスト版。
- 前記接地端面には、前記セグメントの内周面に向けて突出されるとともに、その突出量を変更可能とされる高さ調整部材が設けられ、
前記高さ調整部材の突出先端を前記内周面に当接させた状態で前記突出量が調整されるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のシールドトンネルにおけるアーチ型プレキャスト版。 - 前記接地端面には、雌ねじ部が形成され、
前記高さ調整部材は、前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を外周面に形成したボルト部材をなし、
前記雌ねじ部に螺合した前記ボルト部材を回転させることで前記突出量が調整されることを特徴とする請求項3に記載のシールドトンネルにおけるアーチ型プレキャスト版。 - 前記円弧板状の円弧方向に分割されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシールドトンネルにおけるアーチ型プレキャスト版。
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