JP2004183273A - トンネル構造物 - Google Patents

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Masanori Matsumoto
正徳 松本
Takeshi Suzuki
鈴木  剛
Norio Kondo
紀夫 近藤
Hideyuki Takeuchi
秀行 武内
Yoshiki Suzuki
佳樹 鈴木
Masahiro Fujiyoshi
雅裕 藤由
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Abstract

【課題】現地での型枠の組立て解体作業やコンクリートの打設作業を減少させてインバートの構築期間を短縮し、且つ覆工体内にインバートの上面を水平に設置することが可能なトンネル構造物を提供する。
【解決手段】複数のセグメント2の各端面を互いに接合して構築される円筒状の覆工体3と、該覆工体内3に平面形状の底面を形成するインバート4とを有するトンネル構造物1であって、インバート4は、覆工体3の軸方向に沿って複数配設するプレキャストインバート5を有し、プレキャストインバート5の端部11を、覆工体3に固定する固定部材14が設けられ、該固定部材14が挿通される貫通孔13がプレキャストインバート5の端部11に形成され、貫通孔13は、固定部材14を覆工体3の円周方向に相対移動可能とする形状に形成されることにより、プレキャストインバート5を覆工体3の円周方向に位置調整可能とした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道用トンネル、自動車用トンネル、通信や電線等の電力用トンネル、ガス洞道用トンネル等の各種トンネル構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、鉄道用トンネル、自動車用トンネル、通信や電線等の電力用トンネル、ガス洞道用トンネル等の各種トンネル構造物には、地山を掘削機により掘削し、この掘削機で掘進する毎に複数のセグメントの各端面を互いに接合して構築される円筒状の覆工体と、この覆工体内に平面形状の底面を形成するインバートとを有するものが知られている。
【0003】
このインバートは、トンネル構築現場でコンクリートを充填打設して構築する場合が多く、このインバートの上面が、運搬作業等を円滑に行えるように水平に形成されている。
【0004】
ところが、トンネル構築現場において、地山を掘削機により掘削し、掘進する毎に複数のセグメントを接合して覆工体を構築すると共に、既設された覆工体の底面部側にコンクリートを打設してインバートを構築する場合には、セグメントや土砂等を運搬する運搬レールや、この運搬レールが設けられる枕木等が支障となり、作業工程に制約を設けなければならず作業効率が低下する問題があった。
【0005】
また、インバートを構築するトンネル構造物は、トンネル構築現場にコンクリート打設用ポンプや型枠等のコンクリートプラントの設備を運搬車両により運搬して設置する必要があるため、構築作業時間とコストがかかるという問題があった。
【0006】
さらにまた、覆工体構築後にコンクリートを打設してインバートを構築する場合には、コンクリートを養生しないとトンネル構造物が完成しないため、コンクリート養生時間が無駄となり作業工期が長くなる問題があった。
【0007】
このため、覆工体内に、インバートを容易に構築するものとしては、予め工場等で形成された複数のプレキャストインバートを覆工体の軸方向に連設させ、このプレキャストインバートに形成された貫通孔にボルトを挿通してセグメントに形成されたネジ孔に螺合して固定することで、インバートを構成するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−180796号公報(第1図,第4図)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のトンネル構造物にあっては、セグメントの接合位置のずれ等により、覆工体がローリングした状態で構築された場合には、セグメントのネジ孔が円周方向にずれることがある。この状態で、そのネジ孔にプレキャストインバートの貫通孔を介してボルトを螺合させると、覆工体内にプレキャストインバートの上面を水平に設置できないという問題があった。
【0010】
すなわち、その貫通孔は、覆工体側下方に向かうに従って広く形成され、上部開口は、ボルトの径と略同じであるため、このボルトはその上部開口側を中心として回動させるようにしてボルトの軸方向を変えることができる。従って、ネジ孔が円周方向にずれた場合には、その貫通孔に挿通されたボルトは、ボルトの先端部をネジ孔に向けることは可能であるがボルトを平行移動できないので、ボルトの軸とネジ孔の軸とが異なってしまい、確実にネジ孔にボルトを螺合できなくなるため、プレキャストインバートの上面を水平に構築することができないという問題があった。
【0011】
そこで、この発明は、以上のような従来の問題点を解消するためになされたもので、現地での型枠の組立て解体作業やコンクリートの打設作業を減少させてインバートの構築期間を短縮し、且つ覆工体内にインバートの上面を水平に設置することが可能なトンネル構造物を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成するため、請求項1に記載の発明は、複数のセグメントの各端面を互いに接合して構築される円筒状の覆工体と、該覆工体内に平面形状の底面を形成するインバートとを有するトンネル構造物であって、前記インバートは、前記覆工体の軸方向に沿って複数配設するプレキャストインバートを有し、前記プレキャストインバートの端部を、前記覆工体に固定する固定部材が設けられ、該固定部材が挿通される貫通孔が前記プレキャストインバートの端部に形成され、前記貫通孔は、前記固定部材を前記覆工体の円周方向に相対移動可能とする形状に形成されることにより、前記プレキャストインバートを前記覆工体の円周方向に位置調整可能としたことを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記貫通孔は、前記覆工体の円周方向に長い長孔であることを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加えて、前記貫通孔は、前記覆工体の半径方向に貫通していることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加えて、前記貫通孔は、前記覆工体の上下方向に貫通していることを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1つに記載の構成に加えて、前記固定部材は、ボルトであり、該ボルトを前記貫通孔に挿通させ、前記セグメントに形成されたネジ孔に螺合することでプレキャストインバートを固定することを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1つに記載の構成に加えて、前記複数のプレキャストインバートを前記覆工体の円周方向に位置調整することにより、前記複数のプレキャストインバートの上面が水平に設定され、前記各上面には、運搬レールが敷設されていることを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0019】
[発明の実施の形態1]
図1乃至図9は、この発明に実施の形態1に係る図であって、図1は、施工時のトンネル構造物の要部縦断面図であり、図2は、施工時のトンネル構造物の拡大横断面図である。
【0020】
まず、構成を説明すると、図1中符号1は、トンネル構造物で、このトンネル構造物1は、複数のセグメント2の各端面を互いに接合して構築される円筒状の覆工体3と、この覆工体3内に水平の平面形状の底面を形成するインバート4とで構成されている。また、インバート4の下側には、覆工体3とインバート4とで囲まれた排水路7が設けられている。
【0021】
前記各セグメント2は、図1及び図2に示すように、長方形板が円弧状に湾曲されて形成されたコンクリート製のものである。また、セグメント2は、コンクリート製であるが、強度を確保するため鉄筋等の補強部材をセグメント2内部に埋設してもよい。
【0022】
そして、図1に示すように、掘削機30により地山を掘削し、この掘削機30で掘進する毎に、この掘削機30の後方でエレクター31で、セグメント2を円周方向に複数連設させて円筒状に形成すると共に、円筒状の軸方向においてセグメント2を複数連設させることにより円筒状の覆工体3が形成されている。
【0023】
インバート4は、コンクリート製の複数のプレキャストインバート5が覆工体3の軸方向に沿って、掘削機30や後続設備に設置されたクレーン34等により覆工体3の下部に、上面6を水平にして配設されている。さらに、プレキャストインバート5同士は、所定のクリアランスを設けて設置されている。
【0024】
これにより、排水路7の点検時に容易にプレキャストインバート5を覆工体3より取外すことができる。
【0025】
なお、クリアランス寸法Aは、特に限定されるものではないが、プレキャストインバート5の上面6で行う作業等を考慮すると、2〜3mm程度が望ましい。
【0026】
また、プレキャストインバート5は、コンクリート製であるが、強度を確保するため鉄筋等の補強部材をプレキャストインバート5の内部に埋設してもよい。
【0027】
そして、図2に示すように、プレキャストインバート5の端部11には、覆工体3に固定する固定部材としてのボルト12が複数設けられており、ボルト12が挿通される貫通孔13が複数形成されている。
【0028】
また、セグメント2には、貫通孔13に対応した位置にボルト12が螺合するネジ孔15が複数形成され、このネジ孔15は、覆工体3の半径方向に形成されている。
【0029】
そして、ボルト12を貫通孔13に挿通させてネジ孔15に螺合させることにより、プレキャストインバート5を覆工体3に固定している。
【0030】
なお、ボルト12は、公知のボルトであれば、特に限定されるものではないが、例えば、セラミック製又はダクロタイズ処理等の防食処理を施したボルト12を使用すれば耐用年数を長くすることが可能となる。
【0031】
さらに、ボルト12をネジ孔15に螺合することにより、プレキャストインバート5を覆工体3に固定しているが、プレキャストインバート5が覆工体3内に固定可能な固定部材であれば、特に限定されるものではなく、例えば、セグメント2に基礎ボルトを埋設し、この基礎ボルトをプレキャストインバート5の貫通孔13に挿通させ、ナットで螺合することにより固定する方法を用いることも可能である。
【0032】
図3乃至図6は、この発明の実施の形態1に係る図であって、図3は、プレキャストインバートの平面図であり、図4は、プレキャストインバートの横断面図であり、図5は、所定形状に形成された覆工体内に上面を水平にして設置されたプレキャストインバートの要部拡大断面図であり、図6は、ローリングされた状態で形成された覆工体内に上面を水平にして設置されたプレキャストインバートの要部拡大断面図である。
【0033】
プレキャストインバート5は、図3及び図4に示すように、平面視において長方形状を呈した平板状であり、上面6は、平面形状で、覆工体3内の底面を形成している。また、プレキャストインバート5の外側面8は、外側上面9と外側下面10とを有し、この外側上面9は、プレキャストインバート5の上面6に対して垂直な平面に形成されていると共に、外側面8の外側下面10は、覆工体3の内側面と略同じ曲率の円弧状に形成されている。さらに、プレキャストインバート5の覆工体3の軸方向の全長寸法は、セグメント2の全長の2倍より所定短い長さに形成されている(図1参照)。
【0034】
なお、プレキャストインバート5において、覆工体3の軸方向の全長寸法をセグメントの全長の2倍より所定短い長さに形成しているが、これに限定されず、プレキャストインバート5の重量が大きい場合には、覆工体3の軸方向の全長をセグメント2の全長の1/2や1/3程度として運搬作業を円滑に行うことや、セグメント2の全長の3倍程度の全長寸法としてインバート4の施工作業を短縮させることも可能である。
【0035】
そして、プレキャストインバート5の端部11に形成された貫通孔13の上側には、ボルト12の頭部がプレキャストインバート5の上面6から突出しない形状の凹部14が形成されている。
【0036】
さらに、貫通孔13は、ボルト12を覆工体3の円周方向に相対移動可能とすることにより、プレキャストインバート5を覆工体3の円周方向に位置調整可能とする形状である。
【0037】
具体的には、図4に示すように、凹部14の座面25から覆工体3の半径方向に貫通されている。そして、覆工体3の軸方向を短辺とし、覆工体3の円周方向を長辺とする覆工体3の円周方向に長い長孔である。
【0038】
そして、図3に示すように、貫通孔13の短辺の寸法は、ボルト12の直径よりも所定長くされており、長辺の寸法は、複数のセグメント2の接合等により覆工体3がローリングされた状態で構築され、ネジ孔15が円周方向にずれることを考慮し、これに対応できる長さに形成されている。この覆工体3のローリングによるネジ孔15のずれは、セグメント2の接合累積数等により変化し、セグメント2の接合累積数が多くなるとネジ孔15の円周方向のずれも大きくなるため、貫通孔13の長辺の長さも長く形成する必要がある。
【0039】
このように、貫通孔13は、プレキャストインバート5を覆工体3の円周方向に位置調整可能とする形状であるため、図5に示すように、複数のセグメント2が接合され、所定形状に構築された覆工体3にプレキャストインバート5の上面6を水平に設置し、貫通孔13にボルト12を挿通してネジ孔15にボルト12を確実に螺合できることは勿論である。
【0040】
また、図6に示すように、複数のセグメント2が接合され、図6に示した矢視方向にローリングし、ネジ孔15が円周方向にずれた状態で構築された覆工体3に、プレキャストインバート5の上面6を水平に設置した場合においても、貫通孔13は円周方向に長い長孔なので、ボルト12をずれたネジ孔15側に移動させてボルト12の軸をネジ孔15の軸と同軸にすることが可能である。このため、貫通孔13にボルト12を挿通してネジ孔15にボルト12を確実に螺合でき、プレキャストインバート5を確実に覆工体3に固定することが可能できる。
【0041】
ちなみに、図6に示した矢視方向にローリングし、ネジ孔15が円周方向にずれた状態で構築された覆工体3に、従来のプレキャストインバート26を固定すると、ボルト12のみをずれたネジ孔15に移動させることができないため、図6の二点鎖線に示すように、プレキャストインバート26の上面が傾斜していまい水平に設置することができない。
【0042】
また、ボルト12の頭部底面が接触する凹部14の座面25は、ボルト12をネジ孔15に締付ける方向と直交する形状に形成されている。これにより、ボルト12の締付力が無駄なく座面25に作用するため、プレキャストインバート5と覆工体3との固定状態を強固にすることができる。
【0043】
なお、凹部14の座面25はボルト12の締付け方向と直交する形状に形成されているが、凹部14の座面25を覆工体3と同軸の円弧状に形成しても、ボルト12の締付力が無駄なく座面25に作用するため、プレキャストインバート5と覆工体3との固定状態を強固にすることができる。
【0044】
さらに、プレキャストインバート5の上面6には、後述するレール固定部材を固定するレール用ボルト20が螺合可能な吊り上げ兼用レール固定部材用ネジ孔19が複数形成されている。
【0045】
そして、トンネル構造物1の施工時には、覆工体3の円周方向に位置調整され、上面6が確実に水平に設定された複数のプレキャストインバート5の上面に、運搬レール21が敷設されている。
【0046】
具体的には、覆工体3の円周方向に位置調整され、上面6が確実に水平に設定された複数のプレキャストインバート5に、人力で形成が可能な組立式のレール固定部材16が狭着されると共に、プレキャストインバート5の上面6に形成された複数の吊り上げ兼用レール固定部材用ネジ孔19にレール用ボルト20で固定されている(図2参照)。
【0047】
図7は、この発明の実施の形態1に係るレール固定部材の要部拡大断面図である。
【0048】
このレール固定部材16は、図7に示すように、外側上面9に隣接する平板状の第1レール固定部材17とプレキャストインバート5の上面6全体を覆うと共に、第1レール固定部材17が隣接する外側面8の反対側の外側面8に隣接する第2レール固定部材18とで構成されている。また、第1レール固定部材17と第2レール固定部材18とは、レール用ボルト20・ナット22で螺合することにより固定されている。
【0049】
そして、第2レール固定部材18の上面に、セグメント2、プレキャストインバート5及び土砂等を運搬するバッテリーロコ32、後続設備台車33及び資材運搬台車等が走行可能な運搬レール21が敷設されている。
【0050】
運搬レール21は、この運搬レール21の下側側縁に形成された貫通孔24にレール用ボルト20を挿通し、第2レール固定部材18の上面に形成された複数の運搬レール用ネジ孔23に螺合することにより固定されている。
【0051】
このように運搬レール21が敷設されることにより、セグメント2、プレキャストインバート5及び土砂等を運搬するバッテリーロコ32、後続設備台車33及び資材運搬台車等が走行可能となり、運搬作業を行うことができる(図1参照)。
【0052】
図8は、この発明の実施の形態1に係るトンネル構造物の拡大横断面図である。
【0053】
そして、トンネルの掘削が完了し、図8に示すように、トンネル構造物1の構築完了後に覆工体3から運搬レール21、レール固定部材16、掘削機30、エレクター31及びクレーン34等を撤去することにより、トンネル構造物1が完成する。
【0054】
なお、トンネル構造物1の施工時には、プレキャストインバート5の上面6に運搬レール21を敷設し、運搬レール21上をバッテリーロコ32、後続設備台車33及び資材運搬台車等を走行させているが、これに限定されず、プレキャストインバート5は、従来の枕木とは異なり、殆どクリアランスがなく設置されているので、運搬レール21を形成しないで、バッテリーロコ32、後続備台車22及び資材運搬台車等をタイヤによる走行方式にすれば、運搬レール21が設けられたレール固定部材16を形成せずに走行させることが可能となる。
【0055】
図9は、この実施の形態1に係るプレキャストインバート5の変形例を示す横断面図である。
【0056】
また、排水路7を設ける必要がないトンネル構造物1を構築する場合には、図9に示すように、プレキャストインバート5の上面6を平面形状に形成し、外側面8の外側下面10と下面とを連続させ、覆工体3の内側面と略同じ曲率の円弧状に形成してもよい。さらに、このように排水路7を設ける必要がない場合には、排水路7の点検を行う必要がないため、隣接するプレキャストインバート5同士を隙間なく当接させて覆工体3に固定することができる。
【0057】
このように構成されたトンネル構造物1は、複数のセグメント2の各端面を互いに接合して構築される円筒状の覆工体3と、この覆工体3内に平面形状の底面を形成するインバート4とを有するものであって、インバート4は、覆工体3の軸方向に沿って複数配設するプレキャストインバート5を有し、プレキャストインバート5の端部11を、覆工体3に固定する固定部材が設けられ、この固定部材が挿通される貫通孔13がプレキャストインバート5の端部11に形成され、貫通孔13は、固定部材を覆工体3の円周方向に相対移動可能とすることにより、プレキャストインバートを覆工体3の円周方向に位置調整可能とする形状であるので、インバート4は工場等で予め形成されたプレキャストインバート5で形成されているため、従来のように現地での型枠の組立て解体作業やコンクリートの打設作業を減少させてインバート4の構築期間を短縮することが可能である。
【0058】
さらに、覆工体3がローリングした状態で構築されていても、覆工体3内にインバート7の上面6を水平に設置し固定することができるため、運搬作業等を円滑に行える。
【0059】
また、貫通孔13は、覆工体3の円周方向に長い長孔であるので、貫通孔13を簡単な形状とし、プレキャストインバート5の形状を簡単な形状とすることができる。
【0060】
さらにまた、貫通孔13は、覆工体3の半径方向に貫通しているので、凹部14の座面25が締付け方向と直交する形状に形成されている場合には、常に凹部14の座面25を締付け方向と略直交した状態に保つことができるため、ボルト12の締付力が無駄なく座面25に作用するため、プレキャストインバート5と覆工体3との固定状態を強固にすることができる。
【0061】
そして、固定部材は、ボルト12であり、このボルト12を貫通孔13に挿通させ、セグメント2に形成されたネジ孔15に螺合することでプレキャストインバート5を固定するので、公知のボルト12を使用できるため、安価に構成することができる。
【0062】
また、複数のプレキャストインバート5を覆工体3の円周方向に位置調整することにより、複数のプレキャストインバート5の上面6が水平に設定され、各上面6には、運搬レール21が敷設されているので、セグメント2、プレキャストインバート5、土砂及び資材等を運搬する運搬台車が走行することができるため、容易に運搬作業を行うことが可能となる。また、構築するトンネル構造物1が長距離の場合においても容易に構築することが可能となる。
【0063】
[発明の実施の形態2]
図10乃至図12は、この発明の実施の形態2に係る図であって、図10は、覆工体が所定形状に構築されたトンネル構造物の要部拡大断面図であり、図11は、覆工体がローリングした状態で構築され、ネジ孔が左側にずれた状態のトンネル構造物の要部拡大断面図であり、図12は、覆工体がローリングした状態で構築され、ネジ孔が右側にずれた状態のトンネル構造物の要部拡大断面図である。
【0064】
この実施の形態2は、図10に示すように、実施の形態1の固定部材としてのボルト12が覆工体3の上下方向に設けられており、プレキャストインバート5の端部11に形成された貫通孔13が覆工体3の上下方向に貫通している。さらに、貫通孔13の上側にボルト12の頭部がプレキャストインバート5の上面6から突出しない形状の凹部14の上面は、プレキャストインバート5の上面6と平行な平面に形成されている。
【0065】
また、セグメント2には、貫通孔13に対応した位置にボルト12が螺合するネジ孔15が覆工体3の上下方向に形成されている。
【0066】
このように、貫通孔13は、プレキャストインバート5を覆工体3の円周方向に位置調整可能とする形状であるため、図10に示すように、複数のセグメント2が接合され、所定形状に構築された覆工体3にプレキャストインバート5の上面6を水平に設置し、貫通孔13にボルト12を挿通してネジ孔15にボルト12を確実に螺合できることは勿論のである。
【0067】
また、図11に示すように、複数のセグメント2が接合され、図11に示した矢視方向にローリングし、ネジ孔15が円周方向の左側にずれた状態で覆工体3が構築された場合や、図12に示すように、複数のセグメント2が接合され、図12に示した矢視方向にローリングし、ネジ孔15が円周方向の右側にずれた状態で覆工体3が構築された場合でも、プレキャストインバート5の貫通孔13は円周方向に長い長孔なので、プレキャストインバート5の上面6を水平に設置して、ずれたネジ孔15側にボルト12を移動させてボルト12の軸をネジ孔15の軸と同軸にすることが可能である。このため、貫通孔13にボルト12を挿通してネジ孔15にボルト12を確実に螺合でき、プレキャストインバート5を確実に覆工体3に固定することができる。
【0068】
ちなみに、図11及び図12に示した矢視方向にローリングし、ネジ孔15が円周方向にずれた状態で構築された覆工体3に、従来のプレキャストインバート26を固定すると、ボルト12のみをずれたネジ孔15に移動させることができないため、図11及び図12の二点鎖線に示すように、プレキャストインバート26の上面が傾斜していまい水平に設置することができない。
【0069】
このように構成されたトンネル構造物1は、貫通孔13は、覆工体3の上下方向に貫通しているので、固定部材としてのボルト12の取付け及び取外し作業を容易に行うことができる。
【0070】
その他の構成及び作用は発明の実施の形態1と同様であるので重複した説明は省略する。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、複数のセグメントの各端面を互いに接合して構築される円筒状の覆工体と、該覆工体内に平面形状の底面を形成するインバートとを有するトンネル構造物であって、インバートは、覆工体の軸方向に沿って複数配設するプレキャストインバートを有し、プレキャストインバートの端部を、覆工体に固定する固定部材が設けられ、該固定部材が挿通される貫通孔がプレキャストインバートの端部に形成され、貫通孔は、固定部材を覆工体の円周方向に相対移動可能とする形状に形成されることにより、プレキャストインバートを覆工体の円周方向に位置調整可能としたので、インバートは工場等で予め形成されたプレキャストインバートで形成されているため、従来のように現地での型枠の組立て解体作業やコンクリートの打設作業を減少させてインバートの構築期間を短縮することが可能である。さらに、覆工体がローリングした状態で構築されていても、覆工体内にインバートの上面を水平に設置し固定することができる。
【0072】
請求項2に記載の発明によれば、貫通孔は、覆工体の円周方向に長い長孔であるので、請求項1の効果に加え、貫通孔を簡単な形状とし、プレキャストインバートの形状を簡単な形状とすることができる。
【0073】
請求項3に記載の発明によれば、貫通孔は、覆工体の半径方向に貫通しているので、請求項1又は2の効果に加え、凹部の座面が締付け方向と直交する形状に形成されている場合には、常に凹部の座面を締付け方向と略直交した状態に保つことができるため、ボルトの締付力が無駄なく座面に作用するため、プレキャストインバートと覆工体との固定状態を強固にすることができる。
【0074】
請求項4に記載の発明によれば、貫通孔は、覆工体の上下方向に貫通しているので、請求項1又は2の効果に加え、固定部材の取付け及び取外し作業を容易に行うことができる。
【0075】
請求項6に記載の発明によれば、複数のプレキャストインバートを覆工体の円周方向に位置調整することにより、複数のプレキャストインバートの上面が水平に設定され、各上面には、運搬レールが敷設されているので、請求項1乃至5の何れか1つの効果に加え、セグメント、プレキャストインバート、土砂及び資材等を運搬する運搬台車が走行することができるため、容易に運搬作業を行うことが可能となる。また、構築するトンネル構造物が長距離の場合においても容易に構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る施工時のトンネル構造物の要部縦断面図である。
【図2】同実施の形態1に係る施工時のトンネル構造物の拡大横断面図である。
【図3】同実施の形態1に係るプレキャストインバートの平面図である。
【図4】同実施の形態1に係るプレキャストインバートの拡大横断面図である。
【図5】同実施の形態1に係る所定形状に形成された覆工体内に上面を水平にして設置されたプレキャストインバートの要部拡大断面図である。
【図6】同実施の形態1に係るローリングされた状態で形成された覆工体内に上面を水平にして設置されたプレキャストインバートの要部拡大断面図である。
【図7】同実施の形態1に係るレール固定部材の要部拡大断面図である。
【図8】同実施の形態1に係るトンネル構造物の拡大横断面図である
【図9】同実施の形態1に係るプレキャストインバートの変形例を示す横断面図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係る図であって、覆工体が所定形状に構築されたトンネル構造物の要部拡大断面図である。
【図11】同実施の形態2に係る図であって、覆工体がローリングした状態で構築され、ネジ孔が左側にずれた状態のトンネル構造物の要部拡大断面図である。
【図12】同実施の形態2に係る図であって、覆工体がローリングした状態で構築され、ネジ孔が右側にずれた状態のトンネル構造物の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 トンネル構造物
2 セグメント
3 覆工体
4 インバート
5 プレキャストインバート
6 上面
11 端部
12 ボルト(固定部材)
13 貫通孔
15 ネジ孔
21 運搬レール

Claims (6)

  1. 複数のセグメントの各端面を互いに接合して構築される円筒状の覆工体と、該覆工体内に平面形状の底面を形成するインバートとを有するトンネル構造物であって、
    前記インバートは、前記覆工体の軸方向に沿って複数配設するプレキャストインバートを有し、
    前記プレキャストインバートの端部を、前記覆工体に固定する固定部材が設けられ、該固定部材が挿通される貫通孔が前記プレキャストインバートの端部に形成され、
    前記貫通孔は、前記固定部材を前記覆工体の円周方向に相対移動可能とする形状に形成されることにより、前記プレキャストインバートを前記覆工体の円周方向に位置調整可能としたことを特徴とするトンネル構造物。
  2. 前記貫通孔は、前記覆工体の円周方向に長い長孔であることを特徴とする請求項1に記載のトンネル構造物。
  3. 前記貫通孔は、前記覆工体の半径方向に貫通していることを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル構造物。
  4. 前記貫通孔は、前記覆工体の上下方向に貫通していることを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル構造物。
  5. 前記固定部材は、ボルトであり、該ボルトを前記貫通孔に挿通させ、前記セグメントに形成されたネジ孔に螺合することでプレキャストインバートを固定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載のトンネル構造物。
  6. 前記複数のプレキャストインバートを前記覆工体の円周方向に位置調整することにより、前記複数のプレキャストインバートの上面が水平に設定され、
    前記各上面には、運搬レールが敷設されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載のトンネル構造物。
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